JP2017055909A - シューズのアッパー構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】 編組織からなるアッパーのフィット感を低下させることなく、アッパーの紐通し孔を簡単な構造で補強する。【解決手段】 シューズ1のアッパー構造において、着用者の足の少なくとも足甲上部に配置されるアッパー2を、熱融着糸を含む編組織から構成する。前後方向に延びる折返し部25をアッパー2の足甲上部に設けるとともに、折返し部25を挿通する貫通孔(紐通し孔)25aを設ける。アッパー2を加熱処理して編組織を硬化させることにより、折返し部25を足甲上部に硬化形成する。【選択図】 図1
Description
本発明は、編組織からなるアッパーを備えたシューズに関し、詳細には、靴紐を通すための貫通孔(紐通し孔)を簡単に補強できるようにするためのアッパー構造の改良に関する。
シューズのアッパー(甲被部)構造として、たとえば特許第5391493号公報には、ニット層からなるアッパーにストランド挿入用のチューブを設け、当該チューブ内に挿入されたストランドの先端に靴ひも挿通用のループを形成したものが記載されている(同公報の段落[0015]〜[0023]および[0038]、ならびに図1〜図6参照)。
しかしながら、上記特許第5391493号公報に記載のものでは、ストランドを別途用意するとともに、ストランドの先端にループを形成する必要があり、構造が複雑である。その一方、ニット製のアッパーとは異なる素材により補強するものでは、ニット製のアッパーが本来有するフィット感を低下させるおそれがある。
本発明は、このような従来の実情に鑑みてなされたもので、本発明が解決しようとする課題は、編組織からなるアッパーを備えたシューズにおいて、フィット感を低下させることなく、アッパーの紐通し孔を簡単な構造で補強できるアッパー構造を提供することにある。
本発明に係るシューズのアッパー構造は、着用者の足の少なくとも足甲上部に配置される、編組織からなるアッパーを備えており、アッパーの足甲上部に前後方向に延びる折返し部が設けられ、折返し部が、靴紐を通すための貫通孔を有している(請求項1参照)。
本発明によれば、編組織からなるアッパーの足甲上部に、貫通孔を有する折返し部が設けられるので、補強部材や補強工程を別途用意することなく、折返し部の二重構造によって貫通孔を補強できる。これにより、編組織からなるアッパーの本来のフィット感を低下させることなく、アッパーの貫通孔を簡単な構造で補強できるようになる。
本発明では、アッパーの編組織が熱融着糸を含んでおり、アッパーを加熱処理して編組織を硬化させることにより、折返し部が足甲上部に硬化形成されている(請求項2参照)。
本発明では、折返し部が、アッパーの足甲上部において当該足甲上部の一部を山折りして形成されている(請求項3参照)。
本発明では、折返し部が、山折り線の左右両側において相対する一対の貫通孔を有している(請求項4参照)。
本発明では、折返し部が、アッパーの足甲上部の内甲側領域および外甲側領域にそれぞれ設けられている(請求項5参照)。
本発明では、シューズのタン部に相当する編組織がアッパーの足甲上部において折返し部の編組織に連設して設けられている(請求項6参照)。
本発明では、アッパーが、底部を有する袋形状を有している(請求項7参照)。
本発明では、折返し部には、貫通孔の開口縁部を補強する補強部が設けられている(請求項8参照)。この場合には、補強部によってさらに貫通孔を補強できる。
本発明では、補強部が、折返し部の内部に収容された可撓性部材から構成されている(請求項9参照)。この場合には、補強部が可撓性部材から構成されていることで、補強部がアッパーのフィット感を低下させるのを防止できる。また、補強部が折返し部を利用してその内部に収容されているので、補強部がアッパーの外面に露出しておらず、編組織からなるアッパー全体の美感が補強部により損なわれるのを防止できるばかりでなく、補強部がアッパーの内面にも露出していないので、補強部が着用者の足に触れるのを防止でき、
足当たり感が補強部により損なわれるのを防止できる。
足当たり感が補強部により損なわれるのを防止できる。
本発明では、補強部が、貫通孔の開口縁部に対応する切欠きまたは開孔を有している(請求項10参照)。
本発明に係るシューズのアッパー構造の製造方法は、以下の工程を備えている(請求項11参照)。すなわち
i) 足甲上部の内甲側領域または外甲側領域に左右一対の貫通孔を有するアッパーを、熱融着糸を含む編組織から編成する工程。
ii)アッパーに靴型を挿入するとともに、アッパーの足甲上部において左右に相対する各貫通孔の間で前後方向の折返し線に沿って前記内甲側領域または前記外甲側領域を折り返して保持した状態で、熱融着糸の融点と等しいかまたはこれよりも高い温度で加熱処理を行うことにより、アッパーの足甲上部に折返し部を硬化形成する工程。
i) 足甲上部の内甲側領域または外甲側領域に左右一対の貫通孔を有するアッパーを、熱融着糸を含む編組織から編成する工程。
ii)アッパーに靴型を挿入するとともに、アッパーの足甲上部において左右に相対する各貫通孔の間で前後方向の折返し線に沿って前記内甲側領域または前記外甲側領域を折り返して保持した状態で、熱融着糸の融点と等しいかまたはこれよりも高い温度で加熱処理を行うことにより、アッパーの足甲上部に折返し部を硬化形成する工程。
以上のように、本発明に係るシューズのアッパー構造によれば、編組織からなるアッパーの足甲上部に、靴紐を通すための貫通孔を有する折返し部が設けられるので、補強部材や補強工程を別途用意することなく、折返し部の二重構造によって貫通孔を補強できる。これにより、編組織からなるアッパーの本来のフィット感を低下させることなく、アッパーの貫通孔を簡単な構造で補強できるようになる。
以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明する。
図1ないし図8は、本発明の一実施例によるアッパー構造が採用されたシューズを説明するための図である。ここでは、マラソンシューズを例にとって説明する。なお、以下の説明文中、前方(前側/前)および後方(後側/後)とは、シューズ前後方向の位置関係を表し、上方(上側/上)および下方(下側/下)とは、シューズ上下方向の位置関係を表し、幅方向とはシューズ左右方向を指している。
図1ないし図8は、本発明の一実施例によるアッパー構造が採用されたシューズを説明するための図である。ここでは、マラソンシューズを例にとって説明する。なお、以下の説明文中、前方(前側/前)および後方(後側/後)とは、シューズ前後方向の位置関係を表し、上方(上側/上)および下方(下側/下)とは、シューズ上下方向の位置関係を表し、幅方向とはシューズ左右方向を指している。
図1ないし図4に示すように、シューズ1は、着用者の足を覆うように足の踵部からつま先部に至る領域まで延設されたアッパー2を有している。アッパー2は、足の踵部、両側部および足甲部を含む足の上側領域全体を覆うアッパー本体2Aと、足裏を覆うアッパー底部2Bとを有しており、全体が袋状(ソックス状)に構成されている。アッパー本体2Aは、足を抜き差しするための履き口20を上部に有しており、アッパー底部2Bには、ソールS(図4では図示省略)が接着等で固着されている。なお、各図では、靴紐が省略された状態が示されている。
アッパー2は、ソックス状に編み上げられた編組織から構成されている。編組織としては、平編みおよび丸編みのいずれでもよく、種々の編みパターンが適用可能である。また、緯編みに限らず、経編みでもよい。この例では、アッパー本体2Aの足甲上部領域においてタン部領域21およびつま先部領域22(いずれもドット領域で示す)が、いずれもメッシュ編みになっている。また、アッパー本体2Aの履き口20の周りに配設される開口縁部23およびタン部領域21を除く編組織は熱融着糸を含んでおり、アッパー2の編成後にアッパー全体が加熱処理されることによって、熱融着糸が編組織内で溶融・硬化することにより、アッパー2が立体成形されるようになっている。ここで、熱融着糸とは、相対的に融点の低い糸(たとえば低融点ナイロンなど)であって、たとえば東レ株式会社の「エルダー」(登録商標)が用いられるが、これに限定されるものではなく、低融点および熱接着性の物性を有するものであれば他の糸でもよい。なお、開口縁部23およびタン部領域21の編組織が熱融着糸を含まないようにしたのは、これらの部位および領域は、シューズの着用時に伸縮する方が履きやすさ等の観点から好ましいからである。
アッパー本体2Aの足甲上部には、一対の折返し部25が設けられている。各折返し部25は、図5に示すように、タン部領域21の左右両側にそれぞれ設けられており、開口縁部23およびつま先部領域22の間の領域で前後方向に配設されるとともに、アッパー2の加熱処理によって足甲上部に硬化形成されている。図6に示すように、各折返し部25は、タン部領域21と一体に連設されるとともに、足甲上部から上方に起立形成(つまり山折り)されている。なお、図6中、符号25cは、各折返し部25を山折りする際の折曲げ線(山折り線)を示している。また、各折返し部25は、靴紐を通すための貫通孔(紐通し孔)25aをそれぞれ有しており、各貫通孔25aには靴紐Hが挿通している。
次に、加熱処理前のアッパーを図7に示す。同図において、加熱処理後のアッパーの各部位にそれぞれ対応する部位には、ダッシュ付きの同一符号を付している。同図に示すように、アッパー本体2’Aの足甲上部においてタン部領域21’の左右両側には、それぞれ折曲げ線25’cが設けられる。これらの折曲げ線25’cは、たとえばその左右両側の領域で編目の方向を互いに異ならせるようにする等の処置によって、アッパーの加熱処理時に作業者に見えるようにすることも可能であるが、必ずしも外観上明瞭なものでなくてもよい。
図8に示すように、折曲げ線25’cの左右両側の領域において折曲げ線25’cを挟んで互いに対応する位置には、貫通孔25’aが形成されている。アッパー本体2’Aの足甲上部においてタン部領域21’の左右両側の領域をそれぞれ折曲げ線25’cに沿って山折りすると、折曲げ線25’cを挟んで相対する左右の各貫通孔25’aがオーバラップして互いに一致するように配置されることにより、折曲げ線25’cの両側の一対の貫通孔25’aにより折返し部25の貫通孔25aが構成されるようになっている。
次に、上述したアッパー2の製造工程について説明する。
アッパー2’(図7)をソックス状に編み上げる際には、アッパー本体2’Aの開口縁部23’およびタン部領域21’を除く編組織については、表糸および裏糸に熱融着糸を組み合わせて編成する。このとき、足甲上部の領域において折曲げ線25’cを挟んで相対する位置に左右一対の貫通孔25’aを形成する。各貫通孔対は、折曲げ線25’cに沿って前後方向に配設される(図8参照)。一方、アッパー本体2’の開口縁部23’およびタン部領域21’については、表糸および裏糸から、またはこれらに熱融着糸以外の糸を組み合わせて、他の編組織と一体に編成する。
アッパー2’(図7)をソックス状に編み上げる際には、アッパー本体2’Aの開口縁部23’およびタン部領域21’を除く編組織については、表糸および裏糸に熱融着糸を組み合わせて編成する。このとき、足甲上部の領域において折曲げ線25’cを挟んで相対する位置に左右一対の貫通孔25’aを形成する。各貫通孔対は、折曲げ線25’cに沿って前後方向に配設される(図8参照)。一方、アッパー本体2’の開口縁部23’およびタン部領域21’については、表糸および裏糸から、またはこれらに熱融着糸以外の糸を組み合わせて、他の編組織と一体に編成する。
ソックス状に編み上げられたアッパー2’に靴型を挿入する。そして、アッパー本体2’Aの足甲上部においてタン部領域21’の左右両側の領域をそれぞれ折曲げ線25’cに沿って山折りすることにより、折曲げ線25’cを挟んで相対する左右の各貫通孔25’aをオーバラップさせた状態にしておく。このようなオーバラップ状態は冶具等を用いて保持される。
この状態から、アッパー2’を靴型とともに加熱処理炉に入れて、靴型とともに加熱処理する。このときの加熱温度は、アッパー2’の編組織に含まれる熱融着糸の融点に応じて適宜設定されるが、熱融着糸の融点と等しいかまたはこれよりも高い温度である。たとえば、熱融着糸としてエルダー(登録商標)が用いられる場合には、融点が110〜120℃であるので、加熱温度としては、たとえば110℃または120℃(あるいは120℃以上)の温度に設定される。このような加熱処理によって、熱融着糸が編組織内で融着されて硬化され、その結果、熱融着糸を含む編組織が硬化されて、アッパー全体が立体状態に成形されるとともに、アッパー2の足甲上部に折返し部25が硬化形成される。
加熱処理後は、アッパー2の底面にソールSが固着されることで、シューズ1が組み立てられる。
このような本実施例によれば、編組織からなるアッパー2の足甲上部に、貫通孔25aを有する折返し部25が設けられるので、補強部材や補強工程を別途用意することなく、折返し部25の二重構造によって貫通孔25aを補強できる。これにより、編組織からなるアッパー2の本来のフィット感を低下させることなく、アッパー2の貫通孔25aを簡単な構造で補強できるようになる。
以上、本発明に好適な実施例について説明したが、本発明の適用はこれに限定されるものではなく、本発明には種々の変形例が含まれる。以下に変形例のいくつかの例を挙げておく。なお、各変形例を示す図面において、前記実施例と同一符号は同一または相当部分を示している。
<第1の変形例>
前記実施例では、アッパー2がシューズ1の踵部からつま先部まで全長にわたって延設されるとともに、底部2Bを有する袋形状である場合を示したが、本発明によるアッパー構造は、アッパーの少なくとも足甲上部が編組織から構成されたものに適用可能である。したがって、アッパーの足甲上部以外の領域は編組織以外のものから構成されていてもよく、また底部2Bのないアッパーでもよい。
前記実施例では、アッパー2がシューズ1の踵部からつま先部まで全長にわたって延設されるとともに、底部2Bを有する袋形状である場合を示したが、本発明によるアッパー構造は、アッパーの少なくとも足甲上部が編組織から構成されたものに適用可能である。したがって、アッパーの足甲上部以外の領域は編組織以外のものから構成されていてもよく、また底部2Bのないアッパーでもよい。
<第2の変形例>
前記実施例では、アッパー1がタン部領域21を有し、折返し部25の編組織がタン部領域21の編組織と一体に連設された例を示したが、本発明は、タン部領域21を有しないアッパー構造にも適用可能である。
前記実施例では、アッパー1がタン部領域21を有し、折返し部25の編組織がタン部領域21の編組織と一体に連設された例を示したが、本発明は、タン部領域21を有しないアッパー構造にも適用可能である。
<第3の変形例>
前記実施例では、折返し部25がアッパー本体2Aの足甲上部の内甲側領域および外甲側領域の双方に設けられた例を示したが、本発明は、折返し部25がアッパー本体2Aの足甲上部の内甲側領域または外甲側領域のいずれか一方にのみ設けられたものにも適用可能である。
前記実施例では、折返し部25がアッパー本体2Aの足甲上部の内甲側領域および外甲側領域の双方に設けられた例を示したが、本発明は、折返し部25がアッパー本体2Aの足甲上部の内甲側領域または外甲側領域のいずれか一方にのみ設けられたものにも適用可能である。
<第4の変形例>
前記実施例では、内甲側および外甲側に設けられた各折返し部25がいずれも単一の折返し部から構成された例を示したが、本発明は、各折返し部の隣に別の折返し部を有する、つまり内甲側領域および(または)外甲側領域において、幅方向に2つ(またはそれ以上)の折返し部が並設されたものにも適用可能である。並設された各折返し部には、靴紐を通すための貫通孔が形成される。
前記実施例では、内甲側および外甲側に設けられた各折返し部25がいずれも単一の折返し部から構成された例を示したが、本発明は、各折返し部の隣に別の折返し部を有する、つまり内甲側領域および(または)外甲側領域において、幅方向に2つ(またはそれ以上)の折返し部が並設されたものにも適用可能である。並設された各折返し部には、靴紐を通すための貫通孔が形成される。
<第5の変形例>
前記実施例では、折返し部25の貫通孔25aの開口縁部を補強するための補強部が別途設けられていない例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。図9および図10は、別途用意された補強部が折返し部に設けられた例を示している。
前記実施例では、折返し部25の貫通孔25aの開口縁部を補強するための補強部が別途設けられていない例を示したが、本発明の適用はこれに限定されない。図9および図10は、別途用意された補強部が折返し部に設けられた例を示している。
図9に示すものでは、補強部として、可撓性を有する棒状部材(ひもを含む)3が折返し部25内の上部空間に収容されている。棒状部材3は、折返し部25内にたとえば縫製等で固着されている。棒状部材3としては、たとえばポリウレタン等の樹脂製やラバー製または布製のものが用いられる。
図10に示すものでは、補強部として、可撓性を有する帯状のシート状部材4が折返し部25内の上部空間に収容されている。シート状部材4は、折返し部25に沿って折り曲げられており、折返し部25内にたとえば縫製や接着等によって固着されている。シート状部材4としては、たとえば樹脂製やラバー製または布製のものが用いられる。具体的には、ナイロンテープやポリウレタンテープ、ダイニーマ(登録商標)テープ等が用いられる。
このように折返し部25に補強部を設けることにより、靴紐Hが張力の作用で上方に移動しようとした際に、靴紐Hが貫通孔25aの上部開口縁部を拡径するのを補強部の介在により防止でき、これにより、貫通孔25aの上部開口縁部をさらに補強できる。
しかも、この場合には、補強部が可撓性部材から構成されているので、補強部を設けることでアッパー2のフィット感が低下するのを防止できる。また、補強部が折返し部25を利用してその内部に収容されているので、補強部がアッパー2の外面に露出しておらず、編組織からなるアッパー全体の美感が補強部により損なわれるのを防止できるばかりでなく、補強部がアッパー2の内面にも露出していないので、補強部が着用者の足に触れるのを防止でき、足当たり感が補強部により損なわれるのを防止できる。
<第6の変形例>
図11ないし図15は補強部の各種変形例を示している。図10に示す前記第5の変形例では、補強部が単なる帯状のシート状部材4から構成されていたが、この第6の変形例では、これと異なり、補強部としてのシート状部材が、貫通孔25aの開口縁部に対応する切欠きや開孔を有している。
図11ないし図15は補強部の各種変形例を示している。図10に示す前記第5の変形例では、補強部が単なる帯状のシート状部材4から構成されていたが、この第6の変形例では、これと異なり、補強部としてのシート状部材が、貫通孔25aの開口縁部に対応する切欠きや開孔を有している。
図11に示すものでは、シート状部材40が、長手方向の中心線40cを挟んで左右両側の端部に複数の半円状の切欠き40aをそれぞれ有している。各切欠き40aは、中心線40cを挟んで相対する位置に配置されている。シート状部材40をアッパー2の折返し部25内に収容したとき、シート状部材40の各切欠き40aは、アッパー2の各貫通孔25aの開口縁部に対応する位置に配置され、中心線40cは、折返し部25の折曲げ線25cに対応する位置に配置される。
図12に示すものでは、シート状部材41が、長手方向の中心線41cを挟んで左右両側の端部近傍位置に複数の円形状の開孔41aをそれぞれ有している。各開孔41aは、中心線41cを挟んで相対する位置に配置されている。シート状部材41をアッパー2の折返し部25内に収容したとき、シート状部材41の各開孔41aは、アッパー2の各貫通孔25aに対応する位置に配置され、中心線41cは、折返し部25の折曲げ線25cに対応する位置に配置される。
図13に示すものでは、シート状部材42が、長手方向の中心線42cを挟んで一方の端部近傍位置から他方の端部近傍位置まで延びる複数の矩形状の開孔42aを有している。シート状部材42をアッパー2の折返し部25内に収容したとき、シート状部材42の各開孔42aは、アッパー2の各貫通孔25aに対応する位置に配置され、中心線42cは、折返し部25の折曲げ線25cに対応する位置に配置される。
図14に示すものでは、シート状部材43が、その一方の端部に複数の矩形状の切欠き43aを有している。シート状部材43をアッパー2の折返し部25内に収容したとき、シート状部材43の各切欠き43aは、アッパー2の各貫通孔25aの開口縁部に対応する位置に配置される。なお、この場合、シート状部材43は、折返し部25内において相対する貫通孔25aのうちの一方の貫通孔25aの側に装着される。
図15に示すものでは、シート状部材44が、長手方向に細長く延びる本体部44Aと、長手方向両端部に設けられ、円形状の開孔44aを有する張出部4Bとを有している。シート状部材44をアッパー2の折返し部25内に収容したとき、シート状部材44の両端の開孔44aは、アッパー2の各貫通孔25aのうち、最上位の位置および最下位の位置に配置された各貫通孔25aに対応する位置に配置される。シート状部材44は、折返し部25内において相対する貫通孔25aのうちの一方の貫通孔25aの側に装着される。
<その他の変形例>
上述した実施例および各変形例はあらゆる点で本発明の単なる例示としてのみみなされるべきものであって、限定的なものではない。本発明が関連する分野の当業者は、本明細書中に明示の記載はなくても、上述の教示内容を考慮するとき、本発明の精神および本質的な特徴部分から外れることなく、本発明の原理を採用する種々の変形例やその他の実施例を構築し得る。
上述した実施例および各変形例はあらゆる点で本発明の単なる例示としてのみみなされるべきものであって、限定的なものではない。本発明が関連する分野の当業者は、本明細書中に明示の記載はなくても、上述の教示内容を考慮するとき、本発明の精神および本質的な特徴部分から外れることなく、本発明の原理を採用する種々の変形例やその他の実施例を構築し得る。
<他の適用例>
前記実施例では、本発明によるアッパー構造がマラソンシューズに適用された例を示したが、本発明の適用はこれに限定されるものではなく、本発明は、ウォーキングシューズや短距離/中距離用ランニングシューズ、トレーニングシューズ等の他のスポーツシューズ、およびカジュアルシューズ等にも同様に適用可能である。
前記実施例では、本発明によるアッパー構造がマラソンシューズに適用された例を示したが、本発明の適用はこれに限定されるものではなく、本発明は、ウォーキングシューズや短距離/中距離用ランニングシューズ、トレーニングシューズ等の他のスポーツシューズ、およびカジュアルシューズ等にも同様に適用可能である。
以上のように、本発明は、シューズ用アッパー構造に有用であり、とくに、編組織からなるアッパーを備えたものに適している。
1: シューズ
2: アッパー
2A: アッパー本体
2B: アッパー底部
21: タン部領域
25: 折返し部
25a: 貫通孔
25c: 折曲げ線(山折り線)
3、4: 補強部
40a、43a: 切欠き
41a、42a、 44a: 開孔
2: アッパー
2A: アッパー本体
2B: アッパー底部
21: タン部領域
25: 折返し部
25a: 貫通孔
25c: 折曲げ線(山折り線)
3、4: 補強部
40a、43a: 切欠き
41a、42a、 44a: 開孔
Claims (11)
- シューズのアッパー構造であって、
着用者の足の少なくとも足甲上部に配置される、編組織からなるアッパーを備え、
前記アッパーの足甲上部には、前後方向に延びる折返し部が設けられ、前記折返し部が、靴紐を通すための貫通孔を有している、
ことを特徴とするシューズのアッパー構造。 - 請求項1において、
前記アッパーの前記編組織が熱融着糸を含んでおり、前記アッパーを加熱処理して前記編組織を硬化させることにより、前記折返し部が前記足甲上部に硬化形成されている、
ことを特徴とするシューズのアッパー構造。 - 請求項1において、
前記折返し部が、前記アッパーの前記足甲上部において当該足甲上部の一部を山折りして形成されている、
ことを特徴とするシューズのアッパー構造。 - 請求項3において、
前記折返し部が、山折り線の左右両側において相対する一対の貫通孔を有している、
ことを特徴とするシューズのアッパー構造。 - 請求項1において、
前記折返し部が、前記アッパーの前記足甲上部の内甲側領域および外甲側領域にそれぞれ設けられている、
ことを特徴とするシューズのアッパー構造。 - 請求項1において、
前記アッパーの前記足甲上部には、シューズのタン部に相当する編組織が前記折返し部の前記編組織に連設して設けられている、
ことを特徴とするシューズのアッパー構造。 - 請求項1において、
前記アッパーが、底部を有する袋形状を有している、
ことを特徴とするシューズのアッパー構造。 - 請求項1において、
前記折返し部には、前記貫通孔の開口縁部を補強する補強部が設けられている、
ことを特徴とするシューズのアッパー構造。 - 請求項8において、
前記補強部が、前記折返し部の内部に収容された可撓性部材から構成されている、
ことを特徴とするシューズのアッパー構造。 - 請求項8において、
前記補強部が、前記貫通孔の開口縁部に対応する切欠きまたは開孔を有している、
ことを特徴とするシューズのアッパー構造。 - シューズのアッパー構造の製造方法であって、
足甲上部の内甲側領域または外甲側領域に左右一対の貫通孔を有するアッパーを、熱融着糸を含む編組織から編成し、
前記アッパーに靴型を挿入するとともに、前記アッパーの前記足甲上部において左右に相対する前記各貫通孔の間で前後方向の折返し線に沿って前記内甲側領域または前記外甲側領域を折り返して保持した状態で、前記熱融着糸の融点と等しいかまたはこれよりも高い温度で加熱処理を行うことにより、前記アッパーの前記足甲上部に折返し部を硬化形成するようにした、
ことを特徴とするシューズのアッパー構造の製造方法。
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2015182028A Pending JP2017055909A (ja) | 2015-09-15 | 2015-09-15 | シューズのアッパー構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2017055909A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101954654B1 (ko) | 2014-03-28 | 2019-03-06 | 가부시키가이샤 시마세이키 세이사쿠쇼 | 슈즈 어퍼 및 슈즈 어퍼의 편성방법 |
-
2015
- 2015-09-15 JP JP2015182028A patent/JP2017055909A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR101954654B1 (ko) | 2014-03-28 | 2019-03-06 | 가부시키가이샤 시마세이키 세이사쿠쇼 | 슈즈 어퍼 및 슈즈 어퍼의 편성방법 |
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