以下では、本発明の実施の形態に係る照明器具について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。また、各図において、同じ構成部材については同じ符号を付している。また、以下の実施の形態において、略一致又は略直角などの表現を用いている。例えば、略一致は、完全に一致することを意味するだけでなく、実質的に一致する、すなわち、例えば数%程度の誤差を含むことも意味する。他の「略」を用いた表現についても同様である。
(実施の形態)
[照明器具]
まず、本実施の形態に係る照明器具の概要について、図1を用いて説明する。図1は、本実施の形態に係る照明器具1の斜視図である。
本実施の形態に係る照明器具1は、所定の設置面に直接取り付けられて設置面の前方に光を放射する。所定の設置面は、天井、壁又は床などである。具体的には、照明器具1は、天井に取り付けられて下方に光を放射するシーリングダウンライトである。照明器具1は、屋内だけでなく、屋外で使用される。照明器具1は、例えば、建物の軒下、渡り廊下などの屋外で使用される。
図1に示すように、照明器具1は、筒状の照明器具であり、筒の軸に沿った方向(z軸方向の負側)に光を放射する。本実施の形態では、照明器具1の光軸Jは、筒の軸に略一致する。
なお、以下の説明に用いる各図面において、光軸Jに沿った方向をz軸方向とし、光軸Jに直交し、かつ、互いに直交する2つの方向をx軸方向及びy軸方向とする。また、以下の説明では、z軸方向の正側を「上」、「上側」又は「上方」と記載し、z軸方向の負側を「下」、「下側」又は「下方」と記載する場合がある。例えば、図1は、照明器具1が天井に取り付けられた場合において、斜め下方から見上げたときの照明器具1を示している。
図2は、本実施の形態に係る照明器具1の一部分解斜視図である。
図2に示すように、照明器具1は、光源ユニット10と、器具本体20と、取付部30と、ネジ40とを備える。照明器具1は、器具本体20と、取付部30とによって外囲器が構成されている。
以下では、照明器具1が備える各構成要素について詳細に説明する。
[光源ユニット]
光源ユニット10は、図2に示すように、全体形状が円盤状又は扁平状であるフラット薄型構造のLED(Light Emitting Unit)ユニットである。以下では、光源ユニット10の詳細な構成について、図3を用いて説明する。
図3は、本実施の形態に係る光源ユニット10の分解斜視図である。
図3に示すように、光源ユニット10は、光源モジュール11と、支持台12と、筐体13と、反射板14と、透光性カバー15と、接続ピン16と、ネジ17及び18とを備える。光源ユニット10は、支持台12と、筐体13と、透光性カバー15とによって外囲器が構成されている。光源ユニット10の口金構造としては、例えば、GX53口金又はGH76p口金が採用されている。
光源モジュール11は、光源ユニット10における光源であり、白色などの所定の色(波長)の光を放出する。光源モジュール11は、支持台12に載置されて支持台12に固定される。光源モジュール11は、回路基板(図示せず)から供給される電力によって発光する。光源モジュール11から放出された光は、透光性カバー15を透過して光源ユニット10の外部に出射される。
光源モジュール11は、図3に示すように、基板111と、複数のLED112とを備える。光源モジュール11は、ベアチップ(LED112)が基板111上に直接実装された、いわゆるCOB(Chip On Board)構造を有する。
基板111は、例えば、接着剤などによって支持台12に固着されている。基板111の形状は、例えば、矩形であるが、六角形などの多角形又は円形でもよい。基板111としては、セラミックス基板、樹脂基板又はメタルベース基板を用いることができる。基板111には、金属配線(図示せず)が形成され、複数のLED112を電気的に接続している。
LED112は、発光素子の一例であり、所定の電力により発光する半導体発光素子である。LED112は、例えば、単色の可視光を発するベアチップであり、具体的には、通電されれば青色光を発する青色発光LEDチップである。複数のLED112は、基板111の主面上において、複数列に又はマトリクス状に配置されている。
なお、複数のLED112は、封止部材によって一括封止されている。例えば、複数のLED112は、素子列毎に一括封止されてもよく、あるいは、基板111上の全てのLED112が一括封止されてもよい。
封止部材は、例えば、シリコーン樹脂などの透光性樹脂材料を主成分として含み、LED112からの光の波長を変換する波長変換材を含んでいてもよい。波長変換材は、例えば、蛍光体粒子であり、具体的には、黄色蛍光体粒子である。本実施の形態では、LED112からの青色光と、黄色蛍光体粒子が青色光によって励起されて発する黄色光とが混合されることにより、光源モジュール11は、白色光を発する。
なお、光源モジュール11は、SMD(Surface Mounted Device)型のモジュールでもよい。具体的には、基板111上にパッケージ型のLED素子(SMD型LED素子)が実装されていてもよい。パッケージ型のLED素子は、例えば、凹部(キャビティ)を有する樹脂製の容器と、凹部の中に実装されたLEDチップ(LED112)と、凹部内に封入された封止部材(蛍光体含有樹脂)とを備える。
支持台12は、光源モジュール11及び筐体13を支持する支持部材である。支持台12は、光源モジュール11で発生する熱を放熱するヒートシンクとしても機能する。したがって、支持台12は、アルミニウムなどの金属材料又は熱伝導率の高い樹脂材料から形成される。
支持台12は、熱伝導シート(図示せず)を介して器具本体20に接続される。支持台12は、筐体13及び接続ピン16とともに器具本体20に接続される所定の口金として機能する。光源ユニット10は、器具本体20のソケットに適合する規格化された口金構造を有している。口金構造としては、例えば、GX53口金又はGH76p口金を利用することができる。
筐体13は、光源モジュール11を収納する平盤状の円筒部材である。筐体13は、光放射側(z軸方向の負側)に設けられた第1開口部131と、光放射側の反対側(z軸方向の正側)に設けられた第2開口部132とを有する。第1開口部131には、透光性カバー15が取り付けられている。
筐体13は、例えば、3本のネジ17によって支持台12に固定される。筐体13の第2開口部132は、支持台12によって塞がれている。筐体13は、例えば、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などの絶縁性樹脂材料から形成される。なお、筐体13は、樹脂製ではなく、金属製でもよい。
反射板14は、反射機能を有する反射部材である。反射板14は、筐体13と透光性カバー15とに挟持されている。
反射板14は、筒形状を有し、光源モジュール11からの光が入射する入射口141と、入射口141から入射した光が出射する出射口142とを有する。入射口141は、光源モジュール11の発光領域(複数のLED112)を囲むように位置している。本実施の形態では、反射板14は、内径が入射口141から出射口142に向かって漸次大きくなるように構成された円錐台筒状である。
反射板14の内面は、光源モジュール11からの光を反射する反射面である。反射面は、入射口141から入射した光を反射させて出射口142から出射するように形成されている。出射口142から出射された光は、透光性カバー15に導かれる。
反射板14は、例えば、絶縁性を有する硬質の白色樹脂材料から形成される。なお、反射率を高めるために、樹脂製の反射板14の内面に、銀又はアルミニウムなどの金属材料から形成される金属蒸着膜(反射膜)をコーティングしてもよい。また、樹脂材料を用いずに、反射板14の全体をアルミニウムなどの金属材料を用いて形成してもよい。
透光性カバー15は、光源モジュール11から放出される光をランプ外部に取り出すために透光性材料から形成されている。透光性材料としては、例えば、アクリル(PMMA)、ポリカーボネート(PC)などの樹脂材料を利用することができる。なお、透光性カバー15は、光拡散性を有しない透明カバーでもよく、光拡散性を持たせた拡散構造を有してもよい。透光性カバー15は、ネジ18によって筐体13に固定されている。
接続ピン(口金ピン)16は、導電ピンであり、光源モジュール11を発光させるための電力をランプ外部から受電する機能を有する。つまり、接続ピン16は、電源供給用の電気接続ピンである。
例えば、一対の接続ピン16によって、外部電源(例えば商用電源)から所定の交流電力を受電する。受電した交流電力は、駆動回路(図示せず)に供給されて直流電力に変換される。変換された直流電力が光源モジュール11に供給されることで、複数のLED112が発光する。
接続ピン16は、光源ユニット10を器具本体20に取り付けるための取付部としても機能する。具体的には、接続ピン16が器具本体20のソケットに接続されることによって、光源ユニット10は器具本体20に保持される。
ネジ17は、筐体13を支持台12に固定するための固定部材の一例である。ネジ17は、例えばタッピンネジであるが、特に限定されない。
ネジ18は、透光性カバー15を筐体13に固定するための固定部材の一例である。ネジ18は、例えばタッピンネジであるが、特に限定されない。
本実施の形態では、光源ユニット10は、防水構造を有しない。光源ユニット10は、例えば、透光性カバー15と反射板14又は筐体13との間にパッキンなどの防水機能を実現可能な部材を備えない。その代わりに、器具本体20が、光源ユニット10が配置される第1空間231(図4及び図5参照)に水が侵入しにくくなる構造を有する。なお、光源ユニット10は、防水構造を有してもよい。
このように、本実施の形態に係る照明器具1によれば、光源ユニット10に防水機能の有無は問われないので、光源ユニット10として利用可能な光源の種類が多くなり、汎用性を高めることができる。
[器具本体]
図4は、本実施の形態に係る照明器具1の光軸Jを通る断面であって、後述する図6(又は図7)に示すIV−IV線における断面を示す断面図である。具体的には、図4は、照明器具1の光軸Jと複数のネジ40とを通る断面を示している。
図5は、本実施の形態に係る照明器具1の光軸Jを通る断面であって、後述する図6に示すV−V線における断面を示す断面図である。具体的には、図5は、照明器具1の光軸Jと貫通孔217(図6参照)を通る断面を示している。
器具本体20は、照明器具1の本体であり、図1に示すように、筒体部21と、枠体部22とを備える。器具本体20は、内部空間23に光源ユニット10を収納する。具体的には、図4及び図5に示すように、内部空間23は、光源ユニット10が配置される第1空間231と、第2空間232とを含んでいる。第1空間231及び第2空間232はそれぞれ、筒体部21と枠体部22とが組み合わされることで形成された空間である。
内部空間23は、器具本体20の内部に設けられた空間であり、光源ユニット10が配置される。図4及び図5に示すように、内部空間23は、第1空間231及び第2空間232を有する。
第1空間231は、内周壁221によって囲まれた空間である。すなわち、第1空間231は、略円柱体状の空間である。具体的には、図4及び図5に示すように、第1空間231は、内周壁221と、連結板212と、鍔222と、透光性カバー26とによって囲まれた空間である。本実施の形態では、第1空間231は、密閉されている。
第2空間232は、内周壁221と外周壁211とによって囲まれた空間である。すなわち、第2空間232は、略円筒体形状(略円環状)の空間である。具体的には、図4及び図5に示すように、内周壁221と、外周壁211と、連結板212と、鍔222とによって囲まれた空間である。
本実施の形態では、器具本体20は、防水構造を有する。具体的には、器具本体20は、器具本体20内に侵入した水を逃がすための空間として第2空間232が形成され、第1空間231に水が侵入しないように構成されている。これにより、器具本体20は、第1空間231に配置された光源ユニット10を水から保護する。
[筒体部]
図2に示すように、筒体部21は、内部に光源ユニット10が配置され、光源ユニット10の光出射側に開口213を有する。本実施の形態では、筒体部21は、略円筒体形状を有する。
図2に示すように、筒体部21は、外周壁211と、連結板212と、開口213と、凸部214と、凸部214に設けられたネジ穴215とを有する。また、図6に示すように、筒体部21は、パッキン216と、連結板212に設けられた貫通孔217及び挿通孔218とを有する。なお、図6は、本実施の形態に係る筒体部21の下面図である。
外周壁211は、器具本体20の外郭を形成する筒状の壁部である。本実施の形態では、外周壁211は、略円筒体形状を有する。外周壁211は、外径が略均一の直筒形状を有する。例えば、外周壁211の外径は、140mmである。光軸Jに沿った方向において、外周壁211の一方の端部に開口213が設けられ、他方の端部には、取付部30が取り付けられる。
連結板212は、外周壁211の内部に設けられ、外周壁211の内面同士を連結している。図4及び図5に示すように、連結板212は、開口213より奥に位置し、かつ、取付部30から離れた位置に位置している。連結板212と取付部30との間には、所定の空間が形成されて、端子台などが配置される。
連結板212には、光源ユニット10の口金(例えば、GX53口金又はGH76p口金)に適合するソケットが設けられている。これにより、連結板212に光源ユニット10が取り付けられる。
連結板212には、図6に示すように、4つの貫通孔217と、2つの挿通孔218とが設けられている。なお、貫通孔217及び挿通孔218の数は、特に限定されず、1つのみでもよい。
開口213は、筒体部21の光放射側(z軸方向の負側)の開口であり、枠体部22によって閉じられている。具体的には、図1に示すように、枠体部22は、開口213の奥に位置している。すなわち、枠体部22は、落し蓋のように筒体部21の内部に位置している。
凸部214は、外周壁211と枠体部22の内周壁221との間に位置し、連結板212から鍔222に向かって突出した凸部である。凸部214の突出方向(z軸方向の負側)の先端部には、ネジ穴215が設けられている。
本実施の形態では、凸部214の先端部は、鍔222の上面に接触している。図4に示すように、凸部214の根元部は、外周壁211に接続している。これにより、凸部214の強度を増し、かつ、作り込みの精度を高めることができる。具体的には、ダイカスト法によって筒体部21を形成する際に、凸部214の先端部にまで金属材料を充分に行き渡らせることができる。
ネジ穴215は、枠体部22と筒体部21とを固定するためのネジ40が挿入される。本実施の形態では、鍔222と凸部214とが接触しているので、ネジ40によって、枠体部22と筒体部21とを安定して強固に固定することができる。
パッキン216は、連結板212に取り付けられている。パッキン216は、枠体部22と筒体部21との間の隙間を埋めるシール材である。具体的には、図4及び図5に示すように、パッキン216は、内周壁221と連結板212との間の隙間を埋めている。パッキン216は、内周壁221の先端(上端)に沿って所定幅を有する略円環状に設けられている。パッキン216は、例えば、ゴムなどの樹脂材料から形成される。
貫通孔217は、板厚方向(z軸方向)に貫通する貫通孔であり、外周壁211に沿って設けられている。本実施の形態では、貫通孔217は、外周壁211と連結板212との間の隙間である。図6に示すように、4つの貫通孔217は、連結板212を平面視した場合に、対称な位置に設けられている。具体的には、4つの貫通孔217は、互いに同じ形状であり、光軸Jを軸として回転対称な位置に設けられている。貫通孔217の形状は、所定幅の円弧形状を有する。当該所定幅は、例えば、2mmである。なお、複数の貫通孔217は、回転対称に限らず、線対称又は点対称な位置に設けられていてもよい。
挿通孔218は、板厚方向に貫通する貫通孔であり、取付部30の取付棒34が挿通される。挿通孔218は、細長い鍵穴状に、幅が広い幅広部218aと、幅が狭い幅狭部218bとを有する。図6に示すように、平面視(下面視)において、幅広部218aは、略円形を有し、幅狭部218bは、外周壁211に沿った所定幅の円弧形状を有する。幅広部218aは、取付棒34の胴体部341が挿通可能な幅を有し、幅狭部218bは、取付棒34のくびれ部342より太く、取付棒34の胴体部341よりは細い。
筒体部21は、例えば、アルミニウム合金を用いたアルミダイカスト製である。具体的には、外周壁211、連結板212及び凸部214は、ダイカスト法により一体に形成されている。なお、筒体部21は、金属材料ではなく、樹脂材料から形成されてもよい。
[枠体部]
枠体部22は、開口213に蓋をするように設けられている。枠体部22は、図1に示すように、ネジ40によって筒体部21に固定されている。図2に示すように、枠体部22は、筒状の内周壁221と、環状の鍔222と、鍔222に設けられたネジ孔223とを有する。
内周壁221は、光源ユニット10の周を囲むように位置する筒状の壁部である。本実施の形態では、内周壁221は、略円筒形状を有し、外周壁211と略同心軸に位置する。内周壁221は、外径が略均一の直筒形状を有する。なお、図4及び図5に示すように、内周壁221は、厚みが上端(z軸方向の正側の端部)程、細くなり、その分、外径が小さくなっているが、内周壁221の形状は特に限定されない。内周壁221の外径の平均値は、例えば100mmである。
内周壁221の上端は、図4及び図5に示すように、連結板212との間にパッキン216を挟んでいる。これにより、内周壁221の上端と連結板212との間の隙間をパッキン216によって埋めることができるので、当該隙間を介して水が第1空間231に侵入するのを抑制することができる。
鍔222は、内周壁221の開口213側(z軸方向の負側)の先端(すなわち、下端)から外方に向かって延設されている。具体的には、鍔222は、内周壁221の下端から外方及び内方に向かって略直角に延設された略円環状の枠である。鍔222の幅方向における中央部分に、環状の内周壁221が立設している。
本実施の形態では、鍔222は、筒体部21の開口213(具体的には、筒体部21の下端)から所定距離、光源ユニット10に近い位置に位置している。すなわち、鍔222は、開口213より奥(上方)に位置している。これにより、鍔222と外周壁211との間に設けられる連通孔24も開口213より奥に位置するので、連通孔24を目立たなくすることができる。
ネジ孔223は、ネジ40が挿入される穴である。ネジ40のネジ頭が突出しないように、ネジ孔223は、凹部(ザグリ部)と、当該凹部の底面に形成された貫通孔とを有する。当該貫通孔にネジ40の軸が挿入されて、ネジ頭が凹部に当接することで、枠体部22を筒体部21に固定する。
枠体部22は、例えば、アルミニウム合金を用いたアルミダイカスト製である。なお、枠体部22は、金属材料ではなく、樹脂材料から形成されてもよい。
[パッキン、透光性カバー、枠体及びネジ]
パッキン25は、枠体部22と透光性カバー26とに挟まれて、枠体部22と透光性カバー26との間の隙間を埋めるシール材である。パッキン25は、例えば、ゴムなどの樹脂材料から形成される。パッキン25は、略円環状を有する。図4及び図5に示すように、パッキン25は、透光性カバー26の端部と枠体部22の鍔222の内側の端部との間に挟まれている。
透光性カバー26は、透光性を有する略円板状のカバーであり、枠体部22の光放射側の開口を覆う。透光性カバー26は、例えば、アクリル、ポリカーボネートなどの透光性樹脂材料又はガラスなどから形成される。
透光性カバー26は、枠体27と枠体部22の鍔222の内周側の部分との間に挟持されている。具体的には、透光性カバー26は、図4及び図5に示すように、略円板の外周端部に立設した環状の壁が設けられている。当該環状の壁の先端が枠体27によって押圧されることによって、透光性カバー26は、パッキン25を挟んで鍔222との間に固定される。
このとき、透光性カバー26と鍔222との間にパッキン25が挟まれることにより、パッキン25が変形し、透光性カバー26と鍔222との隙間を略確実に埋めることができる。これにより、第1空間231の密閉性を高めることができる。
枠体27は、透光性カバー26を固定するための略円環状の枠体である。図5に示すように、枠体27には、ネジが挿通されるネジ孔が設けられている。枠体27は、例えば、アルミニウムなどの金属材料又は樹脂材料から形成されている。
[取付部]
取付部30は、器具本体20を天井などの設置面に取り付けるための取付部である。取付部30は、図2に示すように、パッキン31と、金属板32と、支持金具33と、取付棒34とを備える。
パッキン31は、略円板状のシール材である。パッキン31は、天井などの設置面と器具本体20とに挟まれて、設置面と器具本体20との隙間を埋める。パッキン31は、例えば、ゴムなどの樹脂材料から形成される。
パッキン31には、照明器具1の内部に電力を供給するためのリード線が挿通される挿通孔(図示せず)が形成されている。また、パッキン31には、設置面に固定するための取付ネジが挿通されるための挿通孔(図示せず)が形成されている。
金属板32は、パッキン31に固定された金属板であり、例えば、鉄、アルミニウムなどから形成されている。金属板32にも、パッキン31と同様に、リード線又は取付ネジ用の挿通孔が形成されている。金属板32は、設置面への取り付けを強固にすることができる。金属板32は、例えば、板金をプレス加工することにより形成される。
金属板32には、取付棒34を支持する支持金具33が固定されている。支持金具33は、2つの取付棒34を支持する。支持金具33は、例えば、鉄、アルミニウムなどの板金をプレス加工することにより形成される。
取付棒34は、器具本体20の筒体部21を取付部30に固定するための棒状部材である。取付棒34は、図2に示すように、胴体部341と、くびれ部342とを有する。胴体部341は、筒体部21の挿通孔218の幅広部218aに挿通可能な太さであり、かつ、幅狭部218bには挿通できない太さである。くびれ部342は、幅狭部218bに挿通可能な太さである。
取付棒34を根元(くびれ部342)まで幅広部218aに挿入した後、取付棒34を幅狭部218bに移動させることで、取付棒34が幅狭部218bに引っかかる。これにより、取付部30に筒体部21を固定することができる。
なお、本実施の形態では、2つの挿通孔218は、同じ形状を有し、光軸Jを中心軸として回転対称な位置に設けられている。これにより、取付棒34を幅広部218aに挿入した後、筒体部21を回動させることにより、取付棒34を幅狭部218bに移動させることができる。
また、胴体部341とくびれ部342とは、例えば、位置を調整することができる。例えば、胴体部341は雌ねじを有し、くびれ部342は雄ねじを有する。具体的には、胴体部341がナットに相当し、くびれ部342はボルトに相当する。これにより、胴体部341を軸周りに回転させることで、筒体部21(連結板212)を挟んで締めることができる。したがって、筒体部21と取付部30とを強固に固定することができる。
[ネジ]
ネジ40は、筒体部21と枠体部22とを固定する固定部材の一例である。ネジ40は、例えば、タッピンネジであるが特に限定されない。ネジ40は、例えば、金属材料から形成されるが、樹脂材料から形成されてもよい。また、本実施の形態では、照明器具1は、2つのネジ40を備えるが、ネジ40の個数も特に限定されない。
[連通孔]
ここで、水抜き用の連通孔24の詳細について、図面を用いて説明する。
図7は、本実施の形態に係る照明器具1の下面図である。
連通孔24は、器具本体20の内部空間23と外部空間とを連通する貫通孔である。図7に示すように、連通孔24は、筒体部21と枠体部22との間に、開口213の全周に沿って環状に設けられている。つまり、連通孔24は、下面視形状が略円周形状を有する。連通孔24の幅は、例えば2mmであるが特に限定されない。連通孔24は、図4及び図5に示すように、鍔222の先端と外周壁211との間の隙間である。
図8Aは、本実施の形態に係る鍔222の先端形状を示す断面図である。具体的には、図8Aは、図5の連通孔24の近傍を拡大して示す図である。
本実施の形態に係る鍔222の先端は、テーパを有する。具体的には、鍔222は、水平面222aと、傾斜面222bとを有する。
水平面222aは、筒体部21の開口213の開口面に平行な面である。水平面222aは、照明器具1が天井に取り付けられた場合に水平になる。
傾斜面222bは、鍔222の先端に設けられ、水平面222aに対して開口213側に傾斜している。図8Aに示す例では、傾斜面222bは、傾斜角が一定の平面であるが、これに限定されない。傾斜面222bは、上方に凸の湾曲面でもよい。すなわち、鍔222の先端は、曲面(アール)を有してもよい。
これにより、水が傾斜面222bに沿って流れやすくなり、連通孔24を介して外に排出されやすくなる。
なお、鍔222は、先端だけでなく、全体がテーパを有してもよい。図8Bは、本実施の形態に係る鍔222の先端形状の別の例を示す断面図である。
図8Bに示すように、鍔222は、傾斜面222cを有する。傾斜面222cは、鍔222の根元(具体的には、内周壁221との接続部分)から先端に向かうに連れて、開口213側に傾斜している。すなわち、鍔222の厚みは、内周壁221から連通孔24に向かう方向に漸次薄くなっていてもよい。
これにより、水が傾斜面222cに沿って流れやすくなり、連通孔24を介して外に排出されやすくなる。
[水の侵入経路と排出経路]
続いて、照明器具1の器具本体20の内部空間23への水の侵入経路と排出経路とについて、図面を用いて説明する。
図9は、本実施の形態に係る器具本体20の内部空間23への水の侵入経路と排出経路とを示す断面図である。本実施の形態では、図9に示すように、照明器具1は、天井2に取り付けられる。
照明器具1が屋外に設置される場合、風雨に曝され、あるいは、湿気などにより、器具本体20の内部空間23に水が侵入する恐れがある。例えば、器具本体20と天井2との隙間(具体的には、筒体部21と取付部30との間)などから、水が侵入する場合が考えられる。
本実施の形態に係る照明器具1によれば、図9に示すように、侵入した水は、貫通孔217及び連通孔24を通って外部に排出される。つまり、侵入した水は、第2空間232を下方に向けて進んで外部に排出される。光源ユニット10が配置された第1空間231は、第2空間232とは分離されているため、第2空間232内を通過する水は、第1空間231には侵入しない。
なお、第1空間231と外部空間との間には、パッキン25が設けられている。したがって、パッキン25が外部空間から第1空間231に直接侵入しようとする水を防ぐことができるので、第1空間231には水がほとんど侵入しない。
以上のように、本実施の形態に係る照明器具1によれば、光源ユニット10を水から適切に保護することができる。
[効果など]
以上のように、本実施の形態に係る照明器具1は、光源ユニット10と、器具本体20とを備え、器具本体20は、内部に光源ユニット10が配置され、光源ユニット10の光出射側に開口213を有する筒体部21と、開口213に蓋をするように設けられた枠体部22とを備え、筒体部21と枠体部22との間には、器具本体20の内部空間23と外部空間とを連通する連通孔24が設けられている。
このように、器具本体20には、筒体部21と枠体部22との間に連通孔24が設けられているので、器具本体20の内部空間23に侵入した水を外部に排出することができる。したがって、器具本体20の内部に水が溜まりにくくすることができる。また、連通孔24は、筒体部21と枠体部22との間に設けられており、目立ちにくい。このため、連通孔24による美観に与える影響を抑制することができる。よって、本実施の形態に係る照明器具1によれば、美観に与える影響を抑制しながら水抜き用の孔が設けられた照明器具を提供することができる。
また、例えば、連通孔24は、筒体部21と枠体部22との間の隙間であって、開口23の全周に沿った環状の隙間である。
このように、連通孔24は、開口213の全周に沿って環状に設けられているので、器具本体20内への水の侵入位置に依らずに、侵入した水を均等に排出することができる。つまり、器具本体20内に水が溜まりやすい場所が形成されにくくすることができる。これにより、器具本体20に溜まった水をスムーズに排出することができる。また、ユーザが照明器具1を一見したとき、連通孔24が水抜き用の孔であるとは気付きにくい。例えば、連通孔24は、筒体部21と枠体部22との繋ぎ目として認識され、あるいは、デザイン的に設けられた環状の溝として認識されやすい。このため、連通孔24が照明器具1の美観に与える影響を抑制することができる。
また、例えば、枠体部22は、ネジ40によって筒体部21に固定されている。
このように、枠体部22が筒体部21にネジ40によって固定されているので、枠体部22を強固に固定することができる。これにより、例えば、枠体部22と筒体部21とが組み合わされて形成される第1空間231の密閉性を高めることができ、第1空間231に配置された光源ユニット10を、例えば水などから適切に保護することができる。したがって、光源ユニット10の故障などが発生しにくく、信頼性の高い照明器具1を実現することができる。
また、例えば、筒体部21は、器具本体20の外郭を形成する筒状の外周壁211と、外周壁211の内部に設けられ、外周壁211の内面同士を連結する連結板212とを有し、枠体部22は、筒状の内周壁221と、内周壁221の開口213側の先端から外方に向かって延設された環状の鍔222とを有し、光源ユニット10は、内周壁221の内部に位置し、連通孔24は、鍔222の先端と外周壁211との間の隙間である。
このように、連通孔24は鍔222の先端と外周壁211との間に設けられているので、ユーザが照明器具1を一見したときに、連通孔24が水抜き用の孔であることは気付きにくい。例えば、連通孔24は、筒体部21と枠体部22との繋ぎ目としてより認識されやすくなる。したがって、連通孔24が照明器具1の美観に与える影響を抑制することができる。
また、例えば、鍔222は、筒体部21の開口213より奥に位置している。
このように、鍔222が開口213より奥に位置しているので、鍔222の先端と外周壁211との間に設けられた連通孔24も、開口213より奥に位置している。これにより、連通孔24をより目立ちにくくすることができるので、照明器具1の美観に与える影響を抑制することができる。
また、例えば、鍔222の先端は、テーパを有する。
このように、鍔222の先端がテーパを有するので、鍔222の上面に溜まった水がテーパに沿って連通孔24に向かって流れやすくなる。これにより、器具本体20内に水がより溜まりにくくすることができる。
また、例えば、連結板212には、板厚方向に貫通する1以上の貫通孔217が外周壁211に沿って設けられている。
このように、連結板212と外周壁211との間には1以上の貫通孔217が設けられているので、外周壁211の上方から水が器具本体20内に侵入した場合でも、貫通孔217及び連通孔24を介して外部に水を排出することができる。これにより、器具本体20内に水がより溜まりにくくすることができる。
また、例えば、1以上の貫通孔217は、連結板212を平面視した場合に、対称な位置に設けられている。
これにより、例えば、複数の貫通孔217が対称な位置に設けられているので、水が一部に偏って溜まることを抑制することができる。したがって、器具本体20内に水がより溜まりにくくすることができる。
また、例えば、筒体部21は、外周壁211と内周壁221との間に位置し、連結板212から鍔222に向かって突出した凸部214を備え、凸部214の突出方向における先端部には、枠体部22と筒体部21とを固定するためのネジ40が挿入されるネジ穴215が設けられている。
このように、外周壁211と内周壁221との間に設けられた凸部214にネジ穴215が設けられているので、筒体部21と枠体部22とをネジ40で固定しつつ、枠体部22の外周に沿って連通孔24を設けることができる。これにより、筒体部21と枠体部22とを強固に固定することができ、光源ユニット10を適切に保護することができ、かつ、水抜き用の環状の連通孔24を設けることができる。
(その他)
以上、本発明に係る照明器具について、上記実施の形態及びその変形例に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記の実施の形態では、筒体部21が略円筒形状である例について示したが、これに限らない。筒体部21は、略角筒形状でもよい。この場合、枠体部22の鍔222は略矩形環状に形成されてもよい。すなわち、連通孔24の下面視形状が略矩形環状でもよい。
また、例えば、上記の実施の形態では、枠体部22(具体的には、鍔222)が開口213より奥に位置している例について示したが、これに限らない。枠体部22(鍔222)は、開口213の開口面、すなわち、筒体部21の外周壁211の下端と略面一になるように配置されてもよい。あるいは、枠体部22は、開口213より外に位置していてもよい。この場合、連通孔24は、鍔222の上面と筒体部21の外周壁211の下端との隙間として、全周に亘って環状に形成されてもよい。
また、例えば、上記の実施の形態では、枠体部22がネジ40によって筒体部21に固定されている例について示したが、これに限らない。枠体部22は、スナップインなどにより筒体部21に係止していてもよい。
また、例えば、上記の実施の形態では、光源ユニット10がLED素子を備える例について示したが、これに限らない。光源ユニット10は、有機EL(Electro−Luminescence)素子、又は、レーザ素子などの固体発光素子を備えてもよく、あるいは、蛍光灯などの放電型ランプを備えてもよい。
また、例えば、上記の実施の形態では、照明器具1の形状が筒状である例について示したが、これに限らない。照明器具1の形状は、例えば、平面視形状が矩形又は円形の扁平な箱体でもよい。例えば、照明器具1は、天井埋込型のダウンライト、投射型のスポットライト、スタンド式ライトでもよい。
その他、各実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。