以下、図面を参照して、本発明に係る回転機構の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、全図中、同一又は相当部分には同一符号を付すこととする。
まず、本発明に係る回転機構の実施形態を説明する前に、図28及び図29を参照して実施形態の原理について簡単に説明する。
図28は、回転機構の原理を説明するための概念図である。図29は、図28に示す平面軸受の断面図である。図28及び図29に示すように、実施形態の回転機構は、複数の平面軸受βを介して回転部材αが保持部材(不図示)に保持され、回転部材αの円弧状断面が平面軸受βと点接触され、又は、保持部材の円弧状断面が平面軸受βと点接触されたものと考えることができる。平面軸受βは、ボールベアリングβ1を介して一対の平面板部β2及び平面板部β3が平行に対向配置されたものであり、平面板部β2に対して平面板部β3が任意の方向に摺動しても、ボールベアリングβ1の全てのボールが同一方向に同一速度で移動することが可能となっている。これにより、各平面軸受βの平面板部β2と平面板部β3とが他の平面軸受βから独立して移動することができるとともに、ボールベアリングβ1におけるボール同士の干渉が無いため、各ボールベアリングβが擦れることなく転がる。このため、保持部材から回転部材αに荷重が掛かっても、保持部材に対して回転部材αを回転させることができるものである。
[第1の実施形態]
第1の実施形態は、本発明に係る回転機構を、一対の光学部品の面合せと溶接とを行う調芯溶接装置のステージ機構に適用したものである。
図1は、第1の実施形態に係るステージ機構の平面図である。図2は、図1に示すII−II線における断面図である。図1及び図2に示すように、本実施形態に係るステージ機構1は、光学部品が設置されるステージ2と、ステージ2を保持する保持部材3と、ステージ2と保持部材3との間に介在される3つの独立したボールブッシュ4と、を備えている。
ステージ2は、円板状に形成された回転部材であり、その上面に、光学部品が設置される略平面状の座面21が形成されている。なお、以下の説明では、座面21が向いている方向を上方とする。ステージ2の側面は、ボールブッシュ4に支持される支持面22となっている。支持面22は、座面21よりも上方の点O1を中心とした凸球面状であって、点O1を円弧中心とした断面凸円弧状に形成されている。なお、支持面22は、ステージ2の側面全体であるが、ステージ2の側面の一部にのみ形成されるものであってもよい。また、ステージ2の底面は、ステージ2の肉厚を薄くする観点から、座面11と平行な平面状に形成されているが、ステージ2の側面から続く球面状に形成されていてもよい。
保持部材3は、所定厚さの円環状に形成されており、その中空部が、ステージ2を収容するためのステージ収容空間31となっている。また、保持部材3は、内周面が保持部材3の半径方向外側に向けて窪んでおり、この窪みが、ボールブッシュ4を収容するためのボールブッシュ用収容空間32となっている。ボールブッシュ用収容空間32は、保持部材3の内周面に沿って等間隔に3箇所形成されている。
ボールブッシュ4は、保持部材3に対してステージ2を回転可能に支持する軸受機構である。図3〜図5を参照して、ボールブッシュ4の構成について詳しく説明する。
図3は、ボールブッシュの破断斜視図である。図4は、図3に示すIV−IV線における断面図である。図5は、図3に示すV−V線における部分断面図である。図3〜図5に示すように、ボールブッシュ4は、円筒状に形成された円筒部41と、円筒部41に挿入されて直線状に延びるロッド部42と、円筒部41とロッド部42との間に介在されるボールベアリング43と、を備えている。なお、円筒部41の両端部には、ボールベアリング43が脱落しないように一対のシール部44が取り付けられている。
ボールベアリング43は、円筒部41の内周面とロッド部42の外周面とに当接される複数のボール45と、各ボール45を離間させた状態で回転自在に保持するリテーナ46と、を備えている。リテーナ46は、ボール45よりも径の大きい貫通孔が複数箇所に形成されており、各貫通孔にボール45を収容することで、全てのボール45を保持しつつボール45同士が衝突するのを防止している。
これにより、ボールブッシュ4は、ロッド部42の軸線方向に円筒部41を摺動自在に支持するとともに、ロッド部42の軸線周り方向に円筒部を回転可能に支持することが可能となっている。
そして、図1及び図2に示すように、全てのボールブッシュ4は、ロッド部42の軸線が同一平面上に配置されるとともに座面21と平行な方向を向くように、配置されている。そして、各ボールブッシュ4は、保持部材3のボールブッシュ用収容空間32に収容された状態で、ロッド部42の両端部が保持部材3に固定されるとともに、円筒部41がステージ2の支持面22に当接されている。
次に、LD(レーザーダイオード)の上面と光ファイバ用スリーブの下面との面合せを行う場合を例として、ステージ機構1の動作について説明する。
図6は、座面にLDを取り付けた状態を示したステージ機構の平面図である。図7は、図6に示すVII−VII線における断面図である。図6及び図7に示すように、まず、ステージ2の座面21の中央に、冶具5を用いてLD6を設置する。このとき、面合せを行うLD6の上面7の中心が、支持面22の円弧中心である点O1に位置するように、LD6の設置高さを調整する。
ここで、ステージ2の座面21が水平に保持されている状態、つまり、LD6の上面7が水平に保持されている状態を初期状態とする。このとき、ステージ2は、ボールブッシュ4の円筒部41が支持面22に当接されることで、保持部材3に保持された状態となっている。
そして、LD6の上面7に光ファイバ用スリーブ(不図示)の下面を押し当てると、LD6が設置されているステージ2には、LD6の上面7が光ファイバ用スリーブ(不図示)の下面に合わさる方向への荷重が作用する。すると、各ボールブッシュ4において、円筒部41がロッド部42の軸線周り方向に回転するとともに、円筒部41がロッド部42の軸線方向に摺動する。
このとき、ステージ2が独立した3つのボールブッシュ4により回転可能に支持されているため、各ボールブッシュ4は、他のボールブッシュ4から独立して動作することができる。これにより、各ボールブッシュ4は、保持部材3に対してステージ2を異なる方向に異なる速度で動かすことができるため、各ボールブッシュ4が擦れることなく転がる。このため、光ファイバ用スリーブをLD6に押し当てることによってステージ2から保持部材3に荷重が掛けられても、保持部材3に対してステージ2を回転させることができる。
しかも、エアスイベル機構のようにエアの供給および吸引を行う装置が不要であるため、ステージ機構1の大型化を抑制することができる。
また、ステージ2は点O1を回転中心として回転するため、LD6の上面7の中心を点O1に保持した状態で、LD6の上面7と光ファイバ用スリーブの下面との面合わせを行うことができる。
また、全てのボールブッシュ4のロッド部42の軸線が座面21と平行な方向を向くように配置されているため、ステージ2を任意の方向に揺動回転させることができる。これにより、LD6に対して光ファイバ用スリーブを如何なる方向から押し当てても、LD6の上面7と光ファイバ用スリーブの下面とを適切に面合わせすることができる。
また、ステージ2と保持部材3との間に3つのボールブッシュ4を介在させることで、ステージ機構1の複雑化を最小限に抑えつつ、保持部材3に対してステージ2を安定して支持することができる。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、基本的に第1の実施形態と同様であり、ボールブッシュの配置のみ第1の実施形態と相違する。このため、以下では、第1の実施形態と相違する事項のみ説明し、第1の実施形態と同様の事項の説明を省略する。
図8は、第2の実施形態に係るステージ機構の平面図である。図9は、図8に示すIX−IX線における断面図である。図8及び図9に示すように、本実施形態に係るステージ機構1Aは、光学部品が設置されるステージ2と、ステージ2を保持する保持部材3Aと、ステージ2と保持部材3Aとの間に介在される3つの独立したボールブッシュ4と、を備えている。なお、ステージ2及びボールブッシュ4は、第1の実施形態のものと同一構成である。
保持部材3Aは、所定厚さの円環状に形成されており、その中空部が、ステージ2を収容するためのステージ収容空間31Aとなっている。また、保持部材3Aは、内周面が保持部材3Aの半径方向外側に向けて窪んでおり、この窪みが、ボールブッシュ4を収容するためのボールブッシュ用収容空間32Aとなっている。ボールブッシュ用収容空間32Aは、保持部材3Aの内周面に沿って等間隔に3箇所形成されている。
そして、全てのボールブッシュ4は、ロッド部42の軸線L1が、支持面22の円弧中心O1とステージ2(座面21)の半径方向中心O2とを通る基準直線L2と、ステージ2よりも下方の点O3において交わる方向を向くように、保持部材3Aに取り付けられている。つまり、各ボールブッシュ4は、保持部材3Aのボールブッシュ用収容空間32Aに収容された状態で、ロッド部42の両端部が保持部材3Aに固定されるとともに、円筒部41がステージ2の支持面22に当接されている。
このように、本実施形態に係るステージ機構1Aによれば、第1の実施形態に係るステージ機構1Aの作用効果に加え、以下の効果を奏する。
つまり、ボールブッシュ4は、その構成上、ロッド部42の軸線方向における円筒部41の摺動域が限定される。しかしながら、全てのボールブッシュ4のロッド部42の軸線L1が基準直線L2と点O3において交わる方向を向くように配置されているため、ステージ2を任意の方向に揺動回転させることができるとともに、ステージ2を基準直線L2周りに無制限に回転させることができる。
[第3の実施形態]
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態は、本発明に係る回転機構を、ステージを回転及び摺動させるステージ機構に適用したものである。
図10は、第3の実施形態に係るステージ機構の平面図である。図11は、図10に示すXI−XI線における断面図である。図10及び図11に示すように、本実施形態に係るステージ機構51は、部品が設置されるステージ52と、ステージ52を保持する保持部材53と、ステージ52と保持部材53との間に介在される一対の独立したボールブッシュ54と、を備えている。
ステージ52は、矩形板状に形成された回転部材であり、その上面に、様々な部品が設置される略平面状の座面55が形成されている。ステージ52の対向する一対の側面は、ボールブッシュ54に支持される支持面56となっている。なお、以下の説明では、座面55が向いている方向を上方とする。支持面56は、座面55よりも上方の点O1を円弧中心とした断面凸円弧状に形成されている。このため、支持面56全体の円弧中心は、点O1を通り支持面56の延在方向と平行な線分となる。なお、支持面56が形成されている一対の側面に隣接するもう一方の一対の側面は、保持部材53と干渉しなければ、特にその形状が限定されるものではない。また、支持面56は、ステージ52の一対の側面全体であるが、ステージ52の一対の側面の一部にのみ形成されるものであってもよい。
保持部材53は、所定厚さの矩形環状に形成されており、その中空部が、ステージ52を収容するためのステージ収容空間57となっている。
ボールブッシュ54は、保持部材53に対してステージ52を回転可能かつ摺動可能に支持する軸受機構である。ボールブッシュ54は、基本的に第1の実施形態のボールブッシュ4と同様であるが、1本のロッド部に2つの円筒部が取り付けられる点のみ第1の実施形態のボールブッシュ4と相違する。つまり、ボールブッシュ54は、円筒状に形成された一対の円筒部58と、直列配置された一対の円筒部58に挿入されて直線状に延びるロッド部59と、円筒部58とロッド部59との間に介在されるボールベアリング(不図示)と、円筒部58の両端部に取り付けられる一対のシール部(不図示)と、を備えている。円筒部58、ロッド部59、ボールベアリング及びシール部は、第1の実施形態のボールブッシュ4の円筒部41、ロッド部42、ボールベアリング43及びシール部44と同一構成である。
また、ボールブッシュ54は、ロッド部59の軸線が、支持面56の延在方向と平行な方向に向くように配置されている。そして、各ボールブッシュ54は、保持部材53のステージ収容空間57に収容された状態で、ロッド部59の両端部が保持部材53に固定されるとともに、円筒部58がステージ52の支持面56に当接されている。
次に、ステージ機構51の動作について説明する。
まず、ステージ52の座面55が水平に保持されている状態を初期状態とする。このとき、ステージ52は、ボールブッシュ54の円筒部58が支持面56に当接されることで、保持部材53に保持された状態となっている。
そして、ステージ52に任意の方向の荷重を掛けると、各ボールブッシュ54において、円筒部58がロッド部59の軸線周り方向に回転するとともに、円筒部58がロッド部59の軸線方向に摺動する。
このとき、支持面56が点O1を円弧中心とした断面凸円弧状に形成されているため、ステージ52は、点O1を通り支持面56の延在方向(ロッド部59の軸線)と平行な線を回転軸線として回転するとともに、この回転軸線方向に摺動する。つまり、ステージ52は、点O1を通り支持面56の延在方向(ロッド部59の軸線)と平行なX軸方向に摺動するとともに、このX軸周りのθx軸方向に回転する。
このため、座面55に設置する部品(不図示)の基準点を支持面56の円弧中心である点O1に位置するように配置することで、部品の基準点をX軸に保持した状態で、部品を回転及び摺動させることができる。
[第4の実施形態]
次に、第4の実施形態について説明する。第4の実施形態は、基本的に第3の実施形態と同様であり、ボールブッシュがステージに固定されている点のみ第3の実施形態と相違する。このため、以下では、第3の実施形態と相違する事項のみ説明し、第3の実施形態と同様の事項の説明を省略する。
図12は、第4の実施形態に係るステージ機構の平面図である。図13は、図12に示すXIII−XIII線における断面図である。図14は、図12に示すXIV−XIV線における断面図である。図12〜図14に示すように、本実施形態に係るステージ機構51Aは、部品が設置されるステージ52Aと、ステージ52Aを保持する保持部材53Aと、ステージ52と保持部材53との間に介在される一対の独立したボールブッシュ54と、を備えている。
ステージ52Aは、矩形板状に形成された回転部材であり、その上面に、様々な部品が設置される略平面状の座面55Aが形成されている。なお、以下の説明では、座面55Aが向いている方向を上方とする。また、ステージ52Aは、対向する一対の側面の一部が内側に向けて窪んでおり、この窪みが、ボールブッシュ54を収容するためのボールブッシュ用収容空間60Aとなっている。
保持部材53Aは、所定厚さの矩形環状に形成されており、その中空部が、ステージ52Aを収容するためのステージ収容空間57Aとなっている。ステージ収容空間57Aの対向する一対の内側面は、ボールブッシュ54を支持する支持面56Aとなっている。支持面56Aは、保持部材53Aに保持されたステージ52Aの座面55Aよりも上方の点O1を円弧中心とした断面凹円弧状に形成されている。このため、支持面56A全体の円弧中心は、点O1を通り支持面56Aの延在方向と平行な線分となる。なお、支持面56Aが形成されている一対の内側面に隣接するもう一方の一対の内側面は、ステージ52Aと干渉しなければ、特にその形状が限定されるものではない。また、支持面56Aは、保持部材53Aの一対の内側面全体であるが、保持部材53Aの一対の内側面の一部にのみ形成されるものであってもよい。
ボールブッシュ54は、第3の実施形態のものと同一構成である。このボールブッシュ54は、ロッド部59の軸線が、一対の支持面56Aの延在方向と平行な方向に向くように配置されている。そして、各ボールブッシュ54は、ステージ52Aのボールブッシュ用収容空間60Aに収容された状態で、ロッド部59の両端部がステージ52Aに固定されるとともに、円筒部58が保持部材53Aの支持面56に当接されている。
次に、ステージ機構51Aの動作について説明する。
まず、ステージ52Aの座面55Aが水平に保持されている状態を初期状態とする。このとき、ステージ52Aは、ボールブッシュ54の円筒部58が支持面56Aに当接されることで、保持部材53Aに保持された状態となっている。
そして、ステージ52Aに任意の方向の荷重を掛けると、各ボールブッシュ54において、円筒部58がロッド部59の軸線周り方向に回転するとともに、円筒部58がロッド部59の軸線方向に摺動する。
このとき、支持面56Aが点O1を円弧中心とした断面凹円弧状に形成されているため、ステージ52Aは、点O1を通り支持面56Aの延在方向(ロッド部59の軸線)と平行な線を回転軸線として回転するとともに、この回転軸線方向に摺動する。つまり、ステージ52Aは、点O1を通り支持面56Aの延在方向(ロッド部59の軸線)と平行なY軸方向に摺動するとともに、このY軸周りのθy軸方向に回転する。
このため、座面55Aに設置する部品(不図示)の基準点を支持面56Aの円弧中心である点O1に位置するように配置することで、部品の基準点をY軸に保持した状態で、部品を回転及び摺動させることができる。
[第5の実施形態]
次に、第5の実施形態について説明する。第5の実施形態は、ステージを任意の方向に回転及び移動させるステージ機構に適用したものである。
図15は、第5の実施形態に係るステージ機構の平面図である。図16は、図15に示すXVI−XVI線における断面図である。図17は、図15に示すXVII−XVII線における断面図である。図15〜図17に示すように、本実施形態に係るステージ機構71は、部品が設置されるステージ72と、ステージ72を保持する第一保持部材73と、ステージ72と第一保持部材73との間に介在される一対の独立した第一ボールブッシュ74と、第一保持部材73を保持する第二保持部材75と、第一保持部材73と第二保持部材75との間に介在される一対の独立した第二ボールブッシュ76と、を備えている。
ステージ72は、矩形板状に形成された回転部材であり、その上面に、様々な部品が設置される略平面状の座面77が形成されている。なお、以下の説明では、座面77が向いている方向を上方とする。ステージ72の対向する一対の側面は、第一ボールブッシュ74に支持される第一支持面78となっている。第一支持面78は、座面77よりも上方の点O1を円弧中心とした断面凸円弧状に形成されている。このため、第一支持面78全体の円弧中心は、点O1を通り第一支持面78の延在方向と平行な線分となる。なお、第一支持面78が形成されている一対の側面に隣接するもう一方の一対の側面は、第一保持部材73と干渉しなければ、特にその形状が限定されるものではない。また、第一支持面78は、ステージ72の一対の側面全体であるが、ステージ72の一対の側面の一部にのみ形成されるものであってもよい。
第一保持部材73は、所定厚さの矩形環状に形成されており、その中空部が、ステージ72を収容するためのステージ収容空間79となっている。
第一ボールブッシュ74は、第一保持部材73に対してステージ72を回転可能かつ摺動可能に支持する軸受機構である。第一ボールブッシュ74は、第3の実施形態のボールブッシュ54と同一構成である。つまり、第一ボールブッシュ74は、円筒状に形成された一対の円筒部80と、直列配置された一対の円筒部80に挿入されて直線状に延びるロッド部81と、円筒部80とロッド部81との間に介在されるボールベアリング(不図示)と、円筒部80の両端部に取り付けられる一対のシール部(不図示)と、を備えている。円筒部80、ロッド部81、ボールベアリング及びシール部は、第1の実施形態のボールブッシュ4の円筒部41、ロッド部42、ボールベアリング43及びシール部44と同一構成である。
また、第一ボールブッシュ74は、ロッド部81の軸線が、第一支持面78の延在方向と平行な方向に向くように配置されている。そして、各第一ボールブッシュ74は、第一保持部材73のステージ収容空間79に収容された状態で、ロッド部81の両端部が第一保持部材73に固定されるとともに、円筒部80がステージ72の第一支持面78に当接されている。
また、第一保持部材73は、一対の第一支持面78の対向方向に直交する方向(第一ボールブッシュ74におけるロッド部81の軸線方向)において対向する一対の外側面が、第二ボールブッシュ76に支持される第二支持面83となっている。第二支持面83は、第一保持部材73に保持されたステージ72の座面77よりも上方の点O11を円弧中心とした断面凸円弧状に形成されている。
ここで、第一支持面78全体の円弧中心は、点O1を通り第一支持面78の延在方向と平行な線分となる。また、ステージ72は、第一保持部材73に対して第一支持面78の延在方向(第一ボールブッシュ74のロッド部81の軸線方向)に摺動するため、第一支持面78全体の円弧中心は、第一支持面78の延在方向と平行な線上において変動する。そこで、第二支持面83の円弧中心O11は、ステージ72が第一保持部材73の中心に位置しているときの、第一支持面78における延在方向中心の円弧中心O1を通るようにする。このため、第二支持面83全体の円弧中心は、点O11を通り第二支持面83の延在方向と平行な線分となる。
なお、第二支持面83が形成されている一対の側面に隣接するもう一方の一対の側面は、第二保持部材75と干渉しなければ、特にその形状が限定されるものではない。また、第二支持面83は、第一保持部材73の一対の外側面全体であるが、第一保持部材73の一対の外側面の一部にのみ形成されるものであってもよい。
第二保持部材75は、所定厚さの矩形環状に形成されており、その中空部が、第一保持部材73を収容するための第二保持部材収容空間82となっている。
第二ボールブッシュ76は、第二保持部材75に対して第一保持部材73を回転可能かつ摺動可能に支持する軸受機構である。第二ボールブッシュ76は、第3の実施形態のボールブッシュ54と同一構成である。つまり、第二ボールブッシュ76は、円筒状に形成された一対の円筒部84と、直列配置された一対の円筒部84に挿入されて直線状に延びるロッド部85と、円筒部84とロッド部85との間に介在されるボールベアリング(不図示)と、円筒部84の両端部に取り付けられる一対のシール部(不図示)と、を備えている。円筒部84、ロッド部85、ボールベアリング及びシール部は、第1の実施形態のボールブッシュ4の円筒部41、ロッド部42、ボールベアリング43及びシール部44と同一構成である。
また、第二ボールブッシュ76は、ロッド部85の軸線が、第二支持面83の延在方向と平行な方向に向くように配置されている。そして、各第二ボールブッシュ76は、第二保持部材75の第二保持部材収容空間82に収容された状態で、ロッド部85の両端部が第二保持部材75に固定されるとともに、円筒部84が第一保持部材73の第二支持面83に当接されている。
次に、ステージ機構71の動作について説明する。
まず、ステージ72の座面77が水平に保持されている状態を初期状態とする。このとき、ステージ72は、第一ボールブッシュ74の円筒部80が第一支持面78に当接されることで、第一保持部材73に保持された状態となっている。また、第一保持部材73は、第二ボールブッシュ76の円筒部84が第二支持面83に当接されることで、第二保持部材75に保持された状態となっている。
そして、ステージ72に任意の方向の荷重を掛けると、各第一ボールブッシュ74において、円筒部80がロッド部81の軸線周り方向に回転するとともに、円筒部80がロッド部81の軸線方向に摺動する。また、各第二ボールブッシュ76において、円筒部84がロッド部85の軸線周り方向に回転するとともに、円筒部84がロッド部85の軸線方向に摺動する。
このとき、第二支持面83が点O11を円弧中心とした断面凸円弧状に形成されているため、第一保持部材73は、点O11を通り第二支持面83の延在方向(ロッド部85の軸線)と平行な線を回転軸線として回転するとともに、この回転軸線方向に摺動する。また、第一支持面78が点O1を円弧中心とした断面凸円弧状に形成されているため、ステージ72は、第一保持部材73に対して、点O1を通り第一支持面78の延在方向(ロッド部81の軸線)と平行な線を回転軸線として回転するとともに、この回転軸線方向に摺動する。その結果、ステージ72は、第二保持部材75に対して、点O1を通り第一支持面78の延在方向(ロッド部81の軸線)と平行なX軸方向と点O11を通り第二支持面83の延在方向(ロッド部85の軸線)と平行なY軸方向とに摺動し、X軸周りのθx軸方向とY軸周りのθy軸方向とに回転する。
このため、ステージ72が矩形板状に形成されていても、ステージ72を任意の方向に回転及び摺動させることができる。
また、第一ボールブッシュ74のロッド部81の軸線を第一支持面78の延在方向に向けるとともに、第二ボールブッシュ76のロッド部85の軸線を第二支持面83の延在方向に向けることで、ステージ72の回転及び摺動を円滑に行わせることができる。
[第6の実施形態]
次に、第6の実施形態について説明する。第6の実施形態は、基本的に第5の実施形態と同様であり、第2ボールブッシュが第一保持部材に固定されている点のみ第5の実施形態と相違する。このため、以下では、第5の実施形態と相違する事項のみ説明し、第5の実施形態と同様の事項の説明を省略する。
図18は、第6の実施形態に係るステージ機構の平面図である。図19は、図18に示すXIX−XIX線における断面図である。図20は、図18に示すXX−XX線における断面図である。図18〜図20に示すように、本実施形態に係るステージ機構71Aは、部品が設置されるステージ72と、ステージ72を保持する第一保持部材73Aと、ステージ72と第一保持部材73Aとの間に介在される一対の独立した第一ボールブッシュ74と、第一保持部材73Aを保持する第二保持部材75Aと、第一保持部材73Aと第二保持部材75Aとの間に介在される一対の独立した第二ボールブッシュ76と、を備えている。
第一保持部材73Aは、所定厚さの矩形環状に形成されており、その中空部が、ステージ72を収容するためのステージ収容空間79Aとなっている。
第一ボールブッシュ74は、ロッド部81の軸線が、第一支持面78の延在方向と平行な方向に向くように配置されている。そして、各第一ボールブッシュ74は、第一保持部材73Aのステージ収容空間79Aに収容された状態で、ロッド部81の両端部が第一保持部材73Aに固定されるとともに、円筒部80がステージ72の第一支持面78に当接されている。
また、第一保持部材73Aは、一対の第一支持面78の対向方向に直交する方向(第一ボールブッシュ74におけるロッド部81の軸線方向)において対向する一対の外側面の一部が窪んでおり、この窪みが、第二ボールブッシュ76を収容するためのボールブッシュ用収容空間86Aとなっている。なお、ボールブッシュ用収容空間86Aが形成されている一対の外側面に隣接するもう一方の一対の外側面は、第二保持部材75Aと干渉しなければ、特にその形状が限定されるものではない。
第二保持部材75Aは、所定厚さの矩形環状に形成されており、その中空部が、第一保持部材73Aを収容するための第一保持部材収容空間82Aとなっている。第一保持部材収容空間82Aの対向する一対の内側面は、第二ボールブッシュ76を支持する第二支持面83Aとなっている。第二支持面83Aは、第一保持部材73Aに保持されたステージ72の座面77よりも上方の点O11を円弧中心とした断面凹円弧状に形成されている。
ここで、第一支持面78全体の円弧中心は、点O1を通り第一支持面78の延在方向と平行な線分となる。また、ステージ72は、第一保持部材73Aに対して第一支持面78の延在方向(第一ボールブッシュ74のロッド部81の軸線方向)に摺動するため、第一支持面78全体の円弧中心は、第一支持面78の延在方向と平行な線上において変動する。そこで、第二支持面83Aの円弧中心O11は、ステージ72が第一保持部材73Aの中心に位置しているときの、第一支持面78における延在方向中心の円弧中心O1を通るようにする。このため、第二支持面83全体の円弧中心は、点O11を通り第二支持面83Aの延在方向と平行な線分となる。
なお、第二支持面83Aが形成されている一対の内側面に隣接するもう一方の一対の内側面は、第一保持部材73Aと干渉しなければ、特にその形状が限定されるものではない。また、第二支持面83Aは、第一保持部材収容空間82Aの一対の内側面全体であるが、第一保持部材収容空間82Aの一対の内側面の一部にのみ形成されるものであってもよい。
第二ボールブッシュ76は、ロッド部85の軸線が、第二支持面83Aの延在方向と平行な方向に向くように配置されている。そして、各第二ボールブッシュ76は、第一保持部材73Aのボールブッシュ用収容空間86Aに収容された状態で、ロッド部85の両端部が第一保持部材73Aに固定されるとともに、円筒部84が第二保持部材75Aの第二支持面83Aに当接されている。
次に、ステージ機構71Aの動作について説明する。
まず、ステージ72の座面77が水平に保持されている状態を初期状態とする。このとき、ステージ72は、第一ボールブッシュ74の円筒部80が第一支持面78に当接されることで、第一保持部材73Aに保持された状態となっている。また、第一保持部材73Aは、第二ボールブッシュ76の円筒部84が第二支持面83Aに当接されることで、第二保持部材75Aに保持された状態となっている。
そして、ステージ72に任意の方向の荷重を掛けると、各第一ボールブッシュ74において、円筒部80がロッド部81の軸線周り方向に回転するとともに、円筒部80がロッド部81の軸線方向に摺動する。また、各第二ボールブッシュ76において、円筒部84がロッド部85の軸線周り方向に回転するとともに、円筒部84がロッド部85の軸線方向に摺動する。
このとき、第二支持面83Aが点O11を円弧中心とした断面凹円弧状に形成されているため、第一保持部材73Aは、点O11を通り第二支持面83Aの延在方向(ロッド部85の軸線)と平行な線を回転軸線として回転するとともに、この回転軸線方向に摺動する。また、第一支持面78が点O1を円弧中心とした断面凸円弧状に形成されているため、ステージ72は、第一保持部材73Aに対して、点O1を通り第一支持面78の延在方向(ロッド部81の軸線)と平行な線を回転軸線として回転するとともに、この回転軸線方向に摺動する。その結果、ステージ72は、第二保持部材75Aに対して、点O1を通り第一支持面78の延在方向(ロッド部81の軸線)と平行なX軸方向と点O11を通り第二支持面83の延在方向(ロッド部85の軸線)と平行なY軸方向とに摺動し、X軸周りのθx軸方向とY軸周りのθy軸方向とに回転する。
このため、ステージ72が矩形板状に形成されていても、ステージ72を任意の方向に回転及び摺動させることができる。
また、第一ボールブッシュ74のロッド部81の軸線を第一支持面78の延在方向に向けるとともに、第二ボールブッシュ76のロッド部85の軸線を第二支持面83Aの延在方向に向けることで、ステージ72の回転及び摺動を円滑に行わせることができる。
[第7の実施形態]
次に、第7の実施形態について説明する。第7の実施形態は、基本的に第1の実施形態と同様であり、ステージを固定する固定部材が設けられている点のみ第1の実施形態と相違する。このため、以下では、第1の実施形態と相違する事項のみ説明し、第1の実施形態と同様の事項の説明を省略する。
図21は、第7の実施形態に係るステージ機構の平面図である。図22は、図21に示すXXII−XXII線における断面図である。図21及び図22に示すように、本実施形態に係るステージ機構91は、部品が設置されるステージ2と、ステージ2を保持する保持部材3と、ステージ2と保持部材3との間に介在される3つの独立したボールブッシュ4と、保持部材3にステージ2を固定するための固定部材92と、を備えている。
固定部材92は、座面21の周縁に沿って等間隔に3箇所に設けられている。各固定部材92は、保持部材3に固定されてステージ2の上方に向けて延びるアーム部材93と、アーム部材93に螺合されて保持部材3にステージ2を固定するためのネジ部材94と、を備えている。なお、固定部材92の設置数は3に限定されるものではなく、4以上であってもよい。
このように構成すれば、各固定部材92において、ネジ部材94を回してステージ2の座面21に当接させることで、ステージ2を固定することができる。一方、各固定部材92において、ネジ部材94を回してステージ2の座面21から離間させることで、ステージ2の固定を解除することができる。これにより、座面21に設置した部材(不図示)が揺れ動くのを防止することができる。
[第8の実施形態]
次に、第8の実施形態について説明する。第8の実施形態は、基本的に第1の実施形態と同様であり、保持部材に対してステージを回転させる調節機構が設けられている点のみ第1の実施形態と相違する。このため、以下では、第1の実施形態と相違する事項のみ説明し、第1の実施形態と同様の事項の説明を省略する。
図23は、第8の実施形態に係るステージ機構の概略正面図である。図23に示すように、本実施形態に係るステージ機構101は、部品が設置されるステージ2と、ステージ2を保持する保持部材(不図示)と、ステージ2と保持部材との間に介在される3つの独立したボールブッシュ4と、保持部材に対してステージ2を回転させる調節機構102と、を備えている。
調節機構102は、ステージ2の座面21を付勢する付勢機構103と、ステージ2の座面21に当接されてステージ2の回転位置を調節するネジ機構104と、を備えている。
付勢機構103は、コイルばね等の弾性部材により構成されている。なお、付勢機構103は、保持部材に固定されてステージ2の上方に向けて延びるアーム部材(不図示)とステージ2の座面21との間に圧縮された状態で取り付けられている。
ネジ機構104は、保持部材に固定されてステージ2の上方に向けて延びるアーム部材105と、アーム部材105に螺合されてステージ2の座面21に当接されるネジ部材106と、により構成されている。
このように構成すれば、ステージ2の座面21が付勢機構103により常に付勢された状態となる。このため、ネジ部材106を締めつけることで、付勢機構103が圧縮する方向にステージ2を回転させるとともに、この回転位置でステージ2を保持することができる。一方、ネジ部材106を緩めることで、付勢機構103が伸長する方向にステージ2を回転させるとともに、この回転位置でステージ2を保持することができる。これにより、ステージ2の回転位置を容易に調節することができる。
[第9の実施形態]
次に、第9の実施形態について説明する。第9の実施形態は、基本的に第1の実施形態と同様であり、保持部材に対してステージを回転させる調節機構が設けられている点のみ第1の実施形態と相違する。このため、以下では、第1の実施形態と相違する事項のみ説明し、第1の実施形態と同様の事項の説明を省略する。
図24は、第9の実施形態に係るステージ機構の概略正面図である。図24に示すように、本実施形態に係るステージ機構111は、部品が設置されるステージ2と、ステージ2を保持する保持部材(不図示)と、ステージ2と保持部材との間に介在される3つの独立したボールブッシュ4と、保持部材に対してステージ2を回転させる調節機構112と、を備えている。
調節機構112は、ステージ2の底面から下方に延びるアーム部113と、アーム部113をアーム部113の延在方向に直交する方向に付勢する付勢機構114と、付勢機構114の付勢方向と反対の方向からアーム部113に当接されてアーム部113の傾きを調節するネジ機構115と、を備えている。
付勢機構114は、コイルばね等の弾性部材により構成されている。なお、付勢機構114は、保持部材に固定されてアーム部113と平行に延びるアーム部材(不図示)とアーム部113との間に圧縮された状態で取り付けられている。
ネジ機構115は、保持部材に固定されてアーム部113と平行に延びるアーム部材116と、アーム部材116に螺合されてアーム部材116に当接されるネジ部材117と、により構成されている。
このように構成すれば、アーム部113が付勢機構114により常に付勢された状態となる。このため、ネジ部材117を回してアーム部113を付勢機構114側に傾動させることで、付勢機構114が圧縮する方向にステージ2を回転させるとともに、この回転位置でステージ2を保持することができる。一方、ネジ部材117を回してアーム部113をネジ部材117側に傾動させることで、付勢機構114が伸長する方向にステージ2を回転させるとともに、この回転位置でステージ2を保持することができる。これにより、ステージ2の回転位置を容易に調節することができる。
[第10の実施形態]
次に、第10の実施形態について説明する。第10の実施形態は、基本的に第1の実施形態と同様であり、ボールブッシュの一部が、保持部材に対してステージを回転させる調節機構に置き換えられている点のみ第1の実施形態と相違する。このため、以下では、第1の実施形態と相違する事項のみ説明し、第1の実施形態と同様の事項の説明を省略する。
図25は、第10の実施形態に係るステージ機構の概略正面図である。図25に示すように、本実施形態に係るステージ機構121は、部品が設置されるステージ2と、ステージ2を保持する保持部材(不図示)と、ステージ2と保持部材との間に介在される3つの独立したボールブッシュ4と、保持部材に対してステージ2を回転させる調節機構122と、を備えている。
調節機構122は、ボールスプライン軸受等の直動転がり機構123と、直動転がり機構123を回転駆動する駆動部124と、を備えている。
直動転がり機構123は、円筒状に形成されてステージ2の支持面22に当接される回転駆動用円筒部125と、回転駆動用円筒部125に挿入されて直線状に延びる回転駆動用ロッド部126と、回転駆動用円筒部125を回転駆動用ロッド部126の延在方向にのみ摺動可能とする直動機構(不図示)と、を備えている。直動機構は、公知のボールスプライン機構に用いられる機構であり、例えば、回転駆動用ロッド部126に回転駆動用ロッド部126の延在方向に延びる溝を形成し、この溝に複数のボールを回転可能に取り付けた機構とすることができる。
駆動部124は、モータ等で構成されており、駆動軸が回転駆動用ロッド部126と直接的又は間接的に噛み合わされて、回転駆動用ロッド部126を軸線周り方向に回転駆動するものである。
このように構成すれば、回転駆動用ロッド部127の軸線方向へのステージ2の摺動を許容しつつ、駆動部124により回転駆動用ロッド部127を回転駆動することで、回転駆動用ロッド部127の軸線周り方向にステージ2を回転させることができる。
[第11の実施形態]
次に、第11の実施形態について説明する。第11の実施形態は、基本的に第1の実施形態と同様であり、ボールブッシュが上下方向にずれている点のみ第1の実施形態と相違する。このため、以下では、第1の実施形態と相違する事項のみ説明し、第1の実施形態と同様の事項の説明を省略する。
図26は、第11の実施形態に係るステージ機構の概略正面図である。図26に示すように、本実施形態に係るステージ機構131は、部品が設置されるステージ2と、ステージ2を保持する保持部材(不図示)と、ステージ2と保持部材との間に介在される複数個の独立したボールブッシュ4A及びボールブッシュ4Bと、を備えている。
ボールブッシュ4A及びボールブッシュ4Bは、第1の実施形態のボールブッシュ4と同一構成である。そして、ボールブッシュ4Aのロッド部42とボールブッシュ4Bのロッド部42とが上下にずれた位置となるように、ボールブッシュ4Aとボールブッシュ4Bとが配置されている。
このように構成すれば、ボールブッシュ4A及びボールブッシュ4Bにおいて、ロッド部42に対する円筒部41の摺動幅を広くとることができるため、ロッド部42の軸線を座面21と平行な方向に向けた場合にも、ステージ2の回転可能域を広くとることができる。
[第12の実施形態]
次に、第12の実施形態について説明する。第12の実施形態は、本発明に係る回転機構を球面軸受に適用したものである。
図27は、第12の実施形態に係る球面軸受の概略正面図である。図27に示すように、本実施形態に係る球面軸受141は、部品が設置される球状体142に棒状に形成されたアーム部143が接続された揺動部材144と、球状体142を保持する保持部材145と、球状体142と保持部材145との間に介在される4以上の独立したボールブッシュ146と、を備えている。
保持部材145には、球状体142が収容される凹状の球状体収容空間147が形成されている。
ボールブッシュ146は、球状体142を保持部材145に対して回転可能に支持する軸受機構である。ボールブッシュ146は、第1の実施形態のボールブッシュ4と同一構成である。つまり、ボールブッシュ146は、円筒状に形成された円筒部148と、円筒部148に挿入されて直線状に延びるロッド部149と、円筒部148とロッド部149との間に介在されるボールベアリング(不図示)と、円筒部148の両端部に取り付けられる一対のシール部(不図示)と、を備えている。円筒部148、ロッド部149、ボールベアリング及びシール部は、第1の実施形態のボールブッシュ4の円筒部41、ロッド部42、ボールベアリング43及びシール部44と同一構成である。
そして、各ボールブッシュ146は、保持部材145の球状体収容空間147に収容された状態で、ロッド部149の両端部が保持部材145に固定されるとともに、円筒部41が球状体142の表面に当接されている。
このように構成すれば、球状体142の中心を回転中心として球状体142を回転させることができるとともに、各ボールブッシュ146が他のボールブッシュ146から独立して動作することができるため、各ボールブッシュ146が擦れることなく転がる。このため、例えば、アーム部143から球状体142に荷重が掛っても、保持部材145に対して球状体142を球状体142の中心を回転中心として回転させることができる。
また、球状体142と保持部材145との間に4つ以上のボールブッシュ146を介在させることで、保持部材145から球状体142が脱落するのを防止することができる。なお、ボールブッシュ146の数は、球状体142が受ける荷重に応じて適宜設定することができる。
[第13の実施形態]
次に、第13の実施形態について説明する。第13の実施形態は、本発明に係る回転機構を変位センサに適用したものである。
図30は、第13の実施形態に係る変位センサの概略正面図である。図30に示すように、本実施形態に係る変位センサ151は、回転子152と、回転子152を保持する保持部材(不図示)と、回転子152と保持部材との間に介在される複数個の独立したボールブッシュ153と、回転子152の回転を検出するセンサ154と、を備えている。
回転子152は、略半球状に形成された回転部材である。回転子152は、球の一部が平面状に切り取られた略半球状に形成された半球部155と、半球部155の平面部に立設された柱状部156と、を備えている。そして、半球部155の球面状に形成された面が、ボールブッシュ153に支持される支持面157となっており、半球部155の平面状に形成された面の中央部に、柱状部156が立設されている。柱状部156の先端面は、平面状に形成されており、支持面157は、柱状部156の先端面の中心を中心O1とした凸球面状に形成されている。
ボールブッシュ153は、第1の実施形態のボールブッシュ4と同一構成であり、円筒状に形成された円筒部158と、円筒部158に挿入されて直線状に延びるロッド部159と、円筒部158とロッド部159との間に介挿されるボールベアリング(不図示)と、を備えている。そして、ボールブッシュ153は、ロッド部159の両端部が保持部材に固定されるとともに、円筒部158が回転子152の支持面157に当接されている。
センサ154は、回転子152の支持面157の回転角度及び回転方向を検出するセンサである。センサ154の具体的な構成は、特に限定されるものではないが、例えば、支持面157に当接される接触センサにより支持面157の回転角度及び回転方向を検出するものや、光学センサにより支持面157の回転角度及び回転方向を検出するものを採用することができる。なお、センサ154は、必ずしも回転角度及び回転方向の双方を検出する必要はなく、回転角度及び回転方向の少なくとも一方を検出するものであればよい。
保持部材は、柱状部156が下方を向くように回転子152を保持するとともに、回転子152がボールブッシュ153から離れないように付勢手段(不図示)により回転子152をボールブッシュ153側に付勢している。
次に、変位センサ151を用いて、測定対象面の傾斜角度及び傾斜方向を測定する方法について説明する。
図31は、変位センサによる測定方法を説明するための図である。図31に示すように、測定対象物161の上面を測定対象面162とし、この測定対象面162の傾斜角度及び傾斜方向を変位センサ151で測定する場合について説明する。
まず、回転子152の柱状部156が鉛直方向下方に向いている状態を初期状態とし、このときのセンサ154の測定値を0に設定しておく。次に、測定対象物161を変位センサ151の下方の水平面上に配置して、測定対象面162を上に向ける。次に、回転子152を下降させて、柱状部156の先端面を測定対象面162に押し当てる。
すると、柱状部156の先端面が測定対象面162に合わさる方向への荷重が作用するため、各ボールブッシュ153において、円筒部158がロッド部159の軸線周り方向に回転するとともに、円筒部158がロッド部159の軸線方向に摺動して、回転子152が回転する。これにより、柱状部156の先端面が測定対象面162に合わせられる。
このようにして柱状部156の先端面が測定対象面162に合わせられると、支持面157の回転角度θ及び回転方向が、測定対象面162の傾斜角度θ及び傾斜方向と一致する。このため、センサ154により回転子152の支持面157の回転角度θ及び回転方向を検出することで、測定対象面162の傾斜角度θ及び傾斜方向を測定することができる。
このように構成すれば、センサ154により回転子152の回転角度及び回転方向を検出することで、測定対象面162の傾斜角度及び傾斜方向を容易に測定することができる。
しかも、支持面157の中心O1が柱状部156の先端面の中心となっているため、柱状部156の先端面の中心がずれることなく、柱状部156の先端面を測定対象面162に合わせることができる。これにより、回転子152の回転を円滑に行うことができるため、柱状部156の先端面を測定対象面162に当接させる押圧力が小さくても、測定対象面162の傾斜角度及び傾斜方向を測定することができる。
なお、第13の実施形態では、柱状部156が下方を向くように回転子152を保持するものとして説明したが、柱状部156の向きは特に限定されるものではない。この場合、保持部材は、柱状部156の向く方向に、回転子152及びボールブッシュ153を移動可能に保持すればよい。
[第14の実施形態]
次に、第14の実施形態について説明する。第14の実施形態は、基本的に第1の実施形態と同様であり、ボールブッシュが、ステージの半径方向に移動可能になっている点のみ第1の実施形態と相違する。このため、以下では、第1の実施形態と相違する事項のみ説明し、第1の実施形態と同様の事項の説明を省略する。
図32は、第14の実施形態に係るステージ機構の平面図である。図33は、図32に示すXXXIII−XXXIII線における断面図である。図32及び図33に示すように、本実施形態に係るステージ機構171は、部品が設置されるステージ2と、ステージ2を保持する保持部材(不図示)と、ステージ2と保持部材との間に介在される複数個の独立したボールブッシュ4と、これらの各ボールブッシュ4を互いに及び離間する方向に移動可能に支持する移動支持部材172と、を備えている。
移動支持部材172は、ボールブッシュ4のロッド部42の両端部を固定する一対の固定部173と、各固定部173を移動可能に支持する一対のレール部174と、レール部174に沿って固定部173を移動させる駆動部(不図示)と、を備えている。一対のレール部174は、各ボールブッシュ4を互いに近接及び離間する方向に延びている。
このように構成すれば、駆動部により各固定部173を移動させて、各ボールブッシュ4を互いに近接又は離間させることで、各ボールブッシュ4に対してステージ2を浮き上がらせたり沈み込ませたりすることができる。例えば、各ボールブッシュ4のロッド部42が水平方向に配置されている場合は、駆動部により各固定部173を移動させて、各ボールブッシュ4を互いに近接又は離間させることで、ステージ2を鉛直方向に上昇又は下降させることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、第1〜第14の実施形態は、適宜組み合わせることができる。例えば、第7の実施形態の固定部材92や第8〜第10の実施形態の調節機構を、第1〜第6の実施形態に適用してもよい。また、第2の実施形態におけるボールブッシュの配置を、第3〜第11の実施形態に適用してもよい。また、第11の実施形態におけるボールブッシュの配置を、第1〜第10の実施形態に適用してもよい。また、第13の実施形態におけるセンサを、第1〜第12の実施形態に適用してもよい。また、第14の実施形態における移動支持部材を、第1〜第13の実施形態に適用してもよい。
また、上記実施形態では、軸受機構がボールブッシュであるものとして説明したが、軸受機構は、回転部材と保持部材との間に介在されて回転部材を保持部材に対して回転可能に支持するものであれば如何なる部材であってもよい。
また、上記実施形態のボールブッシュは、円筒部にばね等の弾性部材を取り付け、この弾性部材の弾性力を利用して、無負荷状態では円筒部がロッド部の軸線方向中央部に位置するようにしてもよい。これにより、円筒部の摺動域を有効に活用することができる。この場合、弾性部材の弾性力を利用する代わりに磁石等の磁力を利用して、円筒部をロッド部の軸線方向中央部に位置させるようにしてもよい。
また、保持部材に回転部材を押し付ける押付部材として、第7の実施形態では固定部材を用い、第8の実施形態では調節機構を用いたが、押付部材はこれらに限定されるものではない。例えば、ばね等で構成される弾性部材の弾性力を利用したり、磁石等の磁力を利用したりしても、ボールブッシュと回転部材又は保持部材とが離れないように保持部材に回転部材を押し付けることができる。