JP2017053298A - エジェクタ、エジェクタの製造方法 - Google Patents

エジェクタ、エジェクタの製造方法 Download PDF

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Etsuhisa Yamada
悦久 山田
照之 堀田
Teruyuki Hotta
照之 堀田
陽一郎 河本
Yoichiro Kawamoto
陽一郎 河本
和典 水鳥
Kazunori Mizudori
和典 水鳥
頼人 小原
Yorito Obara
頼人 小原
大志 新谷
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大志 新谷
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Abstract

【課題】弁部材の軽量化を図ったとしても、駆動機構から出力される荷重に対する弁部材の信頼性を確保することが可能なエジェクタ、およびその製造方法を提供する。【解決手段】弁部材240を、ノズル通路224およびディフューザ通路232aの中心軸の軸方向に沿って延びるシャフト242、シャフト242を中心とする回転体の形状を有し、ノズル通路224およびディフューザ通路232aを形成する通路形成部241、およびダイヤフラム251の荷重を受ける荷重受部243で構成とする。そして、通路形成部241に対して直接的に作用する荷重が小さくなるように、荷重受部243を、シャフト242を介して通路形成部241に連結する。【選択図】図2

Description

本発明は、流体を減圧すると共に、高速で噴出する作動流体の吸引作用によって流体輸送を行う運動量輸送式ポンプであるエジェクタ、およびその製造方法に関する。
従来、蒸気圧縮式の冷凍サイクルに適用される減圧装置として、エジェクタが知られている。この種のエジェクタでは、冷媒を減圧させるノズル部から噴射される噴射冷媒の吸引作用によって蒸発器から流出した冷媒を吸引し、昇圧部(ディフューザ部)にて噴射冷媒と吸引冷媒とを混合して昇圧させる構成となっている。このエジェクタを備える冷凍サイクルでは、エジェクタの昇圧部における冷媒昇圧作用を利用して圧縮機の消費動力を低減させることが可能となる。
ここで、冷凍サイクルに適用されるエジェクタでは、ノズル部が固定絞りで構成されていると、冷媒の流量が調整できず、冷凍サイクルの負荷変動に対応した作動を実現することができない。
これに対して、蒸発器から流出した冷媒(吸引冷媒)の温度および圧力に応じて、冷媒を減圧させるノズル通路および冷媒を昇圧させるディフューザ通路の絞り開度(冷媒通路面積)を調整可能とするエジェクタが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1のエジェクタでは、ノズル通路およびディフューザ通路の絞り開度を調整する調整機構として、各通路を形成する弁部材、吸入冷媒の圧力および温度に応じて弁部材を変位させる駆動機構を備えている。
具体的には、特許文献1では、駆動機構を、吸入冷媒の圧力および温度に応じて変位する環状の圧力応動部材、圧力応動部材の変位により生ずる荷重を弁部材に伝達する荷重伝達部材を有している。
特許文献1のエジェクタでは、駆動機構により、吸入冷媒の温度および圧力に応じて、ノズル通路およびディフューザ通路の通路断面積を調整することで、冷凍サイクルの負荷変動に対応した作動の実現を図っている。
特開2015−45493号公報
ところで、特許文献1に記載のエジェクタの如く、弁部材の通路形成部によってノズル通路およびディフューザ通路の双方の冷媒通路面積を変化させる構成とすると、ノズル通路の冷媒通路面積だけを変化させる構成に比べて、弁部材の体格が大きくなってしまう。そして、弁部材の体格が大きくなることで、弁部材の重量が著しく増加してしまう。
これに対して、弁部材を肉厚の薄い金属や、樹脂等の軽量な材料で構成して軽量化を図ることが考えられるが、この場合、弁部材の剛性が低下してしまう。これにより、弁部材における通路形成部に駆動機構から出力される荷重が作用した際に、弁部材における通路形成部が変形し易くなったり、弁部材における通路形成部に疲労破壊やクリープ破壊が生じ易くなったりしてしまう。
本発明は上記点に鑑みて、弁部材の軽量化を図ったとしても、駆動機構から出力される荷重に対する弁部材の信頼性を確保することが可能なエジェクタ、およびその製造方法を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルに適用されるエジェクタを対象としている。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、
冷媒流入口(211)から流入した冷媒を減圧させる減圧用空間(222)、外部から冷媒を吸引する吸引用通路(231)、および減圧用空間から噴射された噴射冷媒と吸引用通路から吸引された吸引冷媒とを混合させて昇圧させる昇圧用空間(232)が形成されたボデー(200)と、
少なくとも一部が減圧用空間および昇圧用空間の内部に配置され、ボデーにおける減圧用空間を形成する部位との間に冷媒を減圧させて噴射する環状のノズル通路(224)、ボデーにおける昇圧用空間を形成する部位との間に噴射冷媒および吸引冷媒を混合して昇圧させる環状のディフューザ通路(232a)を形成する弁部材(240)と、
弁部材をノズル通路およびディフューザ通路における中心軸の軸方向に変位させる駆動機構(250)と、を備え、
駆動機構は、吸引冷媒の温度および圧力に応じて中心軸の軸方向に変位する圧力応動部材(251)、および圧力応動部材の変位に伴って生ずる荷重を弁部材に伝達する荷重伝達部材(253)を有しており、
弁部材は、中心軸の軸方向に沿って延びるシャフト(242)、シャフトを中心とする回転体の形状を有し、ノズル通路およびディフューザ通路を形成する通路形成部(241)、および荷重伝達部材を介して圧力応動部材の変位に伴って生ずる荷重の少なくとも一部を受ける荷重受部(243)を有しており、
荷重受部は、シャフトを介して通路形成部に連結されていることを特徴としている。
このように、圧力応動部材の変位に伴って生ずる荷重を受ける荷重受部を設ける構成とすれば、弁部材においてノズル通路およびディフューザ通路を形成する通路形成部に対して直接作用する荷重を抑えることができる。これにより、弁部材の軽量化を図ったとしても、駆動機構から出力される荷重に対する弁部材の信頼性を確保することが可能となる。
請求項7に記載の発明は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルに適用され、
冷媒流入口(211)から流入した冷媒を減圧させる減圧用空間(222)、外部から冷媒を吸引する吸引用通路(231)、および減圧用空間から噴射された噴射冷媒と吸引用通路から吸引された吸引冷媒とを混合させて昇圧させる昇圧用空間(232)が形成されたボデー(200)と、
少なくとも一部が減圧用空間および昇圧用空間の内部に配置され、ボデーにおける減圧用空間を形成する部位との間に冷媒を減圧させて噴射する環状のノズル通路(224)、ボデーにおける昇圧用空間を形成する部位との間に噴射冷媒および吸引冷媒を混合して昇圧させる環状のディフューザ通路(232a)を形成する弁部材(240)と、
弁部材をノズル通路およびディフューザ通路における中心軸の軸方向に変位させる駆動機構(250)と、を備え、
駆動機構は、吸引冷媒の温度および圧力に応じて中心軸の軸方向に変位する圧力応動部材(251)、および圧力応動部材の変位に伴って生ずる荷重を弁部材に伝達する荷重伝達部材(253)を有しており、
弁部材は、中心軸の軸方向に沿って延びるシャフト(242)、シャフトを中心とする回転体の形状を有し、ノズル通路およびディフューザ通路を形成する通路形成部(241)、および荷重伝達部材を介して圧力応動部材の変位に伴って生ずる荷重を受ける荷重受部(243)を有しており、
ボデーには、駆動機構を保持する保持部(230b)、およびシャフトを支持する弁支持部(272)が設けられたエジェクタの製造方法を対象としている。
請求項7に記載の発明は、
駆動機構を保持部に組み付けると共に、通路形成部が連結されたシャフトを弁支持部に組み付ける組付工程と、
組付工程にて弁支持部に組み付けたシャフトに対して、荷重受部を連結する連結工程と、
を含んでいることを特徴としている。
このように製造されたエジェクタは、弁部材においてノズル通路およびディフューザ通路を形成する通路形成部に対して直接作用する荷重を抑えることができる。これにより、弁部材の軽量化を図ったとしても、駆動機構から出力される荷重に対する弁部材の信頼性を確保することが可能となる。
さらに、駆動機構を保持部に組み付けると共に、通路形成部が連結されたシャフトを弁支持部に組み付けた後に、シャフトに対して荷重受部を連結する構成としている。これによれば、駆動機構を構成する要素の寸法ばらつき等があっても、シャフトに対して荷重受部を連結する際に、ボデーの内部における弁部材の位置を微調整することができる。この結果、駆動機構を構成する要素の部品公差の緩和、または、部品寸法の管理工数を低減することが可能となる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
第1実施形態に係るエジェクタを備える冷凍サイクルの全体構成図である。 第1実施形態に係るエジェクタの模式的な断面図である。 第1実施形態に係るエジェクタの弁部材の模式的な断面図である。 第1実施形態に係るエジェクタの駆動機構の一部を示す断面図である。 第1実施形態に係るエジェクタのベースボデーの模式的な断面図である。 ダイヤフラムの出力特性と弁部材の変位の変化量との関係を説明する説明図である。 第1実施形態に係るエジェクタの製造方法の一部を説明するための説明図である。 第1実施形態に係るエジェクタの内部における冷媒の流れを示す模式的な断面図である。 第2実施形態に係るエジェクタの模式的な断面図である。 第2実施形態に係るエジェクタの弁部材の模式的な断面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各実施形態において、先行する実施形態で説明した事項と同一もしくは均等である部分には、同一の参照符号を付し、その説明を省略する場合がある。
また、各実施形態において、構成要素の一部だけを説明している場合、構成要素の他の部分に関しては、先行する実施形態において説明した構成要素を適用することができる。
以下の実施形態は、特に組み合わせに支障が生じない範囲であれば、特に明示していない場合であっても、各実施形態同士を部分的に組み合わせることができる。
(第1実施形態)
本実施形態について、図1〜図8を参照して説明する。本実施形態では、図1に示す蒸気圧縮式の冷凍サイクル10に本発明のエジェクタ100を適用した例について説明する。
本実施形態の冷凍サイクル10は、空調対象空間である車室内へ送風する送風空気の温度を調整可能な車両用空調装置に適用されている。冷凍サイクル10では、冷媒としてHFC系冷媒(例えば、R134a)を採用している。冷媒には圧縮機11を潤滑するための冷凍機油が混入されており、冷凍機油の一部は冷媒とともにサイクルを循環している。
従って、本実施形態の冷凍サイクル10は、高圧側冷媒圧力が冷媒の臨界圧力を超えない亜臨界冷凍サイクルを構成している。勿論、冷媒としては、HFO系冷媒(具体的には、R1234yf)等を採用してもよい。
図1に示すように、冷凍サイクル10は、主たる構成要素として、圧縮機11、放熱器12、エジェクタ100、蒸発器13を備えている。
圧縮機11は、冷媒を吸入し、吸入した冷媒を圧縮して吐出する流体機械である。本実施形態の圧縮機11は、図示しない電磁クラッチおよびベルトを介して車両走行用のエンジンにより回転駆動されるようになっている。圧縮機11は、例えば、電磁式容量制御弁に図示しない制御装置からの制御信号が入力されることにより、吐出容量が可変される可変容量型圧縮機で構成される。なお、圧縮機11は、電動モータにより回転駆動される電動圧縮機で構成してもよい。圧縮機11を電動圧縮機で構成する場合、電動モータの回転数により吐出容量が可変される。
放熱器12は、圧縮機11から吐出された高圧冷媒を、室外ファン12aにより強制的に送風される車室外空気(外気)と熱交換させることで、高圧冷媒の熱を外気に放出して冷媒を凝縮液化する放熱用熱交換器である。
本実施形態では、放熱器12としてサブクール型の凝縮器を採用している。具体的には、放熱器12は、高圧冷媒を放熱させて凝縮させる凝縮部121、凝縮部121から流出した冷媒の気液を分離して余剰となる冷媒を蓄えるレシーバ122、およびレシーバ122で分離された液相冷媒を過冷却する過冷却部123を有している。放熱器12の過冷却部123における冷媒流出側は、エジェクタ100の冷媒流入口211に接続されている。
エジェクタ100は、放熱器12から流出した液相状態の高圧冷媒を減圧する減圧装置として機能すると共に、高速で噴出する冷媒流の吸引作用(巻き込み作用)によって、冷媒の循環を行う流体輸送用の冷媒循環装置としても機能する。なお、エジェクタ100の具体的構成については後述する。
蒸発器13は、室内送風機13aにより、図示しない車両空調装置の空調ケースに導入された外気、または車室内空気(内気)から吸熱して、その内部を流通する冷媒を蒸発させる吸熱用熱交換器である。蒸発器13の冷媒流出側は、エジェクタ100の冷媒吸引口212に接続されている。
次に、図示しない制御装置について説明する。制御装置は、CPU、ROMやRAM等の各種メモリを含む周知のマイクロコンピュータとその周辺回路から構成されている。制御装置には、乗員による操作パネルからの各種操作信号や各種センサ群からの検出信号等が入力される。制御装置は、入力信号等を用いてメモリに記憶された制御プログラムに基づいて各種演算・処理を実行して各種機器の作動を制御する。
次に、図2〜図5を参照して、本実施形態のエジェクタ100の詳細な構成について説明する。ここで、図2等の図面上に示す上下の各矢印は、エジェクタ100を車両に搭載した状態における上下方向を示している。また、図2中の一点鎖線CLは、後述する弁部材240の中心軸の軸線を示している。
本実施形態のエジェクタ100は、主たる構成要素として、ボデー200、弁部材240、弁部材240を後述するノズル通路224、ディフューザ通路232aの中心軸の軸方向(図2の上下方向)に変位させる駆動機構250を備える。
図2に示すように、本実施形態のエジェクタ100は、複数の構成部材を組み合わせることによって構成されたボデー200を備えている。本実施形態のボデー200は、エジェクタ100の外殻を構成するハウジングボデー210の内部に、ノズルボデー220、ミドルボデー230、ロアボデー260等を固定することによって構成されている。
ハウジングボデー210は、角柱状等の金属または樹脂で形成された部材で構成されている。ハウジングボデー210は、その上端側に冷媒流入口211および冷媒吸引口212が形成されている。冷媒流入口211は、冷凍サイクル10の高圧側(放熱器12)から高圧冷媒を流入させる冷媒導入部である。冷媒吸引口212は、蒸発器13から流出した低圧冷媒を吸引する冷媒吸引部である。
また、ハウジングボデー210は、その下端側に液相流出口213および気相流出口214が形成されている。液相流出口213は、後述する気液分離空間261にて分離された液相冷媒を蒸発器13の冷媒入口側へ流出させる液相冷媒導出部である。気相流出口214は、気液分離空間261にて分離された気相冷媒を圧縮機11の吸入側へ流出させる気相冷媒導出部である。
ノズルボデー220は、ハウジングボデー210の内部における上端側に収容されている。より具体的には、ノズルボデー220は、後述する弁部材240の軸線CLの方向(上下方向)に直交する方向から見たときに、その一部が冷媒流入口211と重なり合うように、ハウジングボデー210の内部に収容されている。
本実施形態のノズルボデー220は、金属で形成された部材で構成されている。ノズルボデー220は、その軸方向が弁部材240の中心軸の軸線CLに沿うように、ハウジングボデー210の内部に圧入等の手段により固定されている。
また、ノズルボデー220は、ハウジングボデー210の内部空間と適合する大きさに形成された胴部220a、および胴部220aの下端側に設けられて下方側へ向かって突出する筒状のノズル部220bを含んで構成されている。
ノズルボデー220の胴部220aには、その内部に冷媒流入口211から流入した高圧冷媒を旋回させる旋回空間221等が形成されている。ノズルボデー220のノズル部220bには、その内部に旋回空間221を旋回した冷媒が通過する減圧用空間222が形成されている。
旋回空間221は、その中心軸が弁部材240の軸線CLに沿って延びる回転体形状に形成された空間である。なお、回転体形状とは、平面図形を同一平面上の1つの直線(中心軸)周りに回転させた際に形成される立体形状である。より具体的には、本実施形態の旋回空間221は、円柱状の形状を有している。勿論、旋回空間221は、円錐または円錐台と円柱とを結合させた形状等となっていてもよい。
また、本実施形態の旋回空間221は、ハウジングボデー210およびノズルボデー220の胴部220aに形成された冷媒流入通路223を介して冷媒流入口211に連通している。
冷媒流入通路223は、旋回空間221の中心軸の方向から見たとき、旋回空間221の内壁面の接線方向に延びるように形成されている。これにより、冷媒流入通路223から旋回空間221に流入した冷媒は、旋回空間221の内壁面に沿って流れることで、旋回空間221を旋回する。なお、冷媒流入通路223は、旋回空間221に流入した冷媒が旋回空間221の内壁面に沿って流れる形状に形成されていれば、その他の方向の成分(例えば、旋回空間221の中心軸の方向)を含んで構成されていてもよい。
減圧用空間222は、旋回空間221を旋回した高圧冷媒が流入するように、旋回空間221の下方側に形成されている。本実施形態の減圧用空間222は、その中心軸が旋回空間221と同軸となるように形成されている。
減圧用空間222は、冷媒流れ方向下流側へ向かって流路断面積が連続的に小さくなる円錐台形状の穴(先細部222a)、および冷媒流れ方向下流側へ向かって流路断面積が連続的に大きくなる円錐台形状の穴(末広部222b)を結合させた形状となっている。なお、減圧用空間222における先細部222aと末広部222bとの接続箇所が、流路断面積が最も縮小されたノズル喉部(最小通路面積部)222cとなっている。
末広部222bは、減圧用空間222の中心軸に直交する方向から見たときに、減圧用空間222と後述する弁部材240の上方側の部位が重なり合っている。このため、末広部222bは、弁部材240の中心軸の軸線CLに対して垂直な断面形状が円環状(ドーナツ状)となっている。
本実施形態では、ノズルボデー220の減圧用空間222を形成する部位の内周面と、後述する弁部材240の上方側の外周面との間に形成される冷媒通路がノズルとして機能するノズル通路224を構成している。
続いて、ミドルボデー230は、ハウジングボデー210の内部におけるノズルボデー220の下方側に収容されている。具体的には、ミドルボデー230は、後述する弁部材240の軸線CLの方向に直交する方向から見たときに、その一部が冷媒吸引口212と重なり合うように、ハウジングボデー210の内部に収容されている。
本実施形態のミドルボデー230は、金属で形成された部材で構成されている。ミドルボデー230は、その軸方向が弁部材240の軸線CLに沿うように、ハウジングボデー210の内部に圧入等の手段により固定されている。
本実施形態のミドルボデー230には、その中心部に表裏を貫通する回転体形状の貫通穴230aが形成されている。なお、貫通穴230aは、その中心軸が旋回空間221、および減圧用空間222と同軸となるように形成されている。
また、本実施形態のミドルボデー230には、貫通穴230aの外周側に後述する駆動機構250を収容するための溝部230bが形成されている。本実施形態では、ミドルボデー230に設けた溝部230bが、駆動機構250を保持する保持部を構成している。
ミドルボデー230の上面と、これと対向するノズルボデー220の下面との間には、冷媒吸引口212から流入した冷媒を滞留させる吸引空間231aが形成されている。
本実施形態では、ノズルボデー220の下方側の先端部がミドルボデー230の貫通穴230aの内部に位置付けられている。このため、吸引空間231aは、旋回空間221および減圧用空間222の中心軸の方向から見たとき、断面円環状に形成されている。
また、ミドルボデー230の貫通穴230aのうち、径方向から見たときにノズルボデー220と重なり合う空間は、冷媒通路断面積が冷媒流れ方向に向かって徐々に縮小している。
本実施形態では、ミドルボデー230の貫通穴230aの内周面とノズルボデー220の下方側の外周面との間に形成される空間が、吸引空間231aと減圧用空間222の冷媒流れ下流側とを連通させる吸引通路231bを構成している。
本実施形態では、吸引空間231aおよび吸引通路231bによって、中心軸の外周側から内周側へ向かって吸引冷媒が流れる吸引部(吸引用通路)231が形成されることになる。なお、吸引通路231bは、その中心軸に垂直な断面形状が円環状となっている。
また、ミドルボデー230の貫通穴230aのうち、吸引通路231bの冷媒流れ下流側には、冷媒流れ方向に向かって徐々に広がる略円錐台形状に形成された昇圧用空間232が形成されている。この昇圧用空間232は、上述したノズル通路224から噴射された噴射冷媒と吸引部231から吸引された吸引冷媒とを混合して昇圧させる空間である。
本実施形態の昇圧用空間232は、冷媒の流れ方向下流側(下方側)に向かって、その径方向の断面積が拡大するように形成されている。なお、昇圧用空間232は、下方側に向かって断面積が拡大する円錐台形状(ラッパ状)の空間を構成している。
昇圧用空間232の内部には、後述する弁部材240の下方側の部位が配置されている。そして、昇圧用空間232内における弁部材240の円錐状側面の等価的な広がり角度は、昇圧用空間232の円錐台形状空間の等価的な広がり角度よりも小さくなっている。これにより、昇圧用空間232の内周面と、後述する弁部材240の外周面との間に形成される冷媒通路は、その冷媒通路面積が冷媒流れ下流側に向かって徐々に拡大している。なお、等価的な広がり角度とは、例えば、円環状の空間となる場合に、円環状の空間を、当該空間と同じ断面積を有する円柱状の空間に置き換えた際の広がり角度を意味している。
本実施形態では、昇圧用空間232の内周面と、弁部材240の外周面との間に形成される冷媒通路をディフューザとして機能するディフューザ通路232aとし、噴射冷媒および吸引冷媒の速度エネルギを圧力エネルギに変換させている。なお、ディフューザ通路232aは、その中心軸に対して垂直な断面形状は、円環状に形成されている。
続いて、弁部材240について説明する。弁部材240は、ノズルボデー220の内周面との間にノズル通路224を形成すると共に、ミドルボデー230の内周面との間にディフューザ通路232aを形成する部材である。
弁部材240は、少なくとも一部が減圧用空間222、および昇圧用空間232の双方に位置するようにハウジングボデー210の内部に収容されている。なお、弁部材240は、その中心軸の軸線CLが減圧用空間222、および昇圧用空間232の中心軸と同軸となるように配置されている。
本実施形態の弁部材240は、ノズル通路224およびディフューザ通路232aを形成する通路形成部241、弁部材240の軸方向に沿って延びるシャフト242、後述する駆動機構250から出力される荷重を受ける荷重受部243を有する。
図3に示すように、本実施形態の通路形成部241は、シャフト242を中心とする回転体の形状を有する部材で構成されている。具体的には、通路形成部241は、減圧用空間222から離れるに伴って外径が拡大する略円錐形状に形成されている。
通路形成部241における減圧用空間222の内周面と対向する部位は、減圧用空間222の内周面との間に環状のノズル通路224が形成されるように、減圧用空間222の末広部222bの内周面に沿う曲面を有する。
また、通路形成部241における昇圧用空間232の内周面と対向する部位は、昇圧用空間232の内周面との間に環状のディフューザ通路232aが形成されるように、昇圧用空間232の内周面に沿う曲面を有する。このため、ディフューザ通路232aは、弁部材240の軸線CLに対して交差する方向に拡がるように形成されている。つまり、ディフューザ通路232aは、冷媒流れ上流側から下流側に向けて弁部材240の中心軸の軸線CLから遠ざかるような冷媒通路となっている。
ここで、本実施形態の通路形成部241は、ボデー200における減圧用空間222および昇圧用空間232を構成する部位と対向する対向部位が、減圧用空間222側から昇圧用空間232側に向かって外側径および内側径が大きくなっている。すなわち、通路形成部241は、その底面側に円錐状の空間が形成されるように、昇圧用空間232側から減圧用空間222側に向かって窪んだ形状となっている。
シャフト242は、減圧用空間222および昇圧用空間232の中心軸、すなわち、弁部材240の中心軸の軸線CLの軸方向に沿って延びる棒状の金属(例えば、ステンレス)で構成されている。シャフト242は、通路形成部241を弁部材240の中心軸の軸線CLに沿って摺動可能なように、一端側の部位が通路形成部241に固定されると共に、他端側の部位が後述するベースボデー270に支持されている。
荷重受部243は、後述する駆動機構250から出力される荷重を受ける部材である。本実施形態の荷重受部243は、駆動機構250から出力される全荷重を受けるように構成されている。
また、本実施形態の荷重受部243は、円盤状の部材で構成されており、その中心部がシャフト242に連結されている。すなわち、本実施形態の荷重受部243は、シャフト242を介して通路形成部241に連結されている。
また、本実施形態の荷重受部243は、ノズル通路224やディフューザ通路232aを流れる冷媒の流量に影響しないように、ディフューザ通路232aの冷媒流れ下流側に配置されている。
さらに、本実施形態の荷重受部243は、通路形成部241の外周側において駆動機構250から出力される荷重を受けるように、その外径Lbが通路形成部241の最大外径Laよりも大きくなっている。
ここで、弁部材240のうち、シャフト242および荷重受部243は、駆動機構250から出力される荷重が作用しても変形しないように、剛性の高い材料で構成されている。本実施形態のシャフト242および荷重受部243は、通路形成部241よりも剛性の高い金属で構成されている。換言すれば、本実施形態の通路形成部241は、シャフト242および荷重受部243よりも剛性の低い材料(例えば、樹脂)で構成されている。
続いて、駆動機構250について説明する。駆動機構250は、弁部材240をノズル通路224およびディフューザ通路232aの中心軸の軸方向、すなわち、弁部材240の中心軸の軸線CLの方向に変位させて、各通路224、232aの冷媒流路面積を変更する駆動部である。
本実施形態の駆動機構250は、蒸発器13から流出した低圧冷媒の過熱度(温度および圧力)が所望の範囲となるように、弁部材240の変位量を制御するように構成されている。本実施形態の駆動機構250は、外部の雰囲気温度の影響を受けないように、ボデー200内部に収容されている。
本実施形態の駆動機構250は、吸引冷媒の温度および圧力に応じてノズル通路224およびディフューザ通路232aの中心軸の軸方向に変位する圧力応動部材を構成する薄板状のダイヤフラム251を有している。このダイヤフラム251は、一対の蓋部252a、252bにより保持されている。
図4に示すように、一対の蓋部252a、252cは、ミドルボデー230の上面に形成された環状の溝部230b内に収容可能なように、当該溝部230bの内側形状に適合する環状の形状(ドーナツ状の形状)に形成されている。
ダイヤフラム251は、一対の蓋部252a、252cの内部に収容可能なように、環状に形成されている。ダイヤフラム251は、内周縁部および外周縁部の双方が、一対の蓋部252a、252cとで狭持された状態で、一対の蓋部252a、252cとの間に形成される環状の空間を上下の2つの空間に仕切るように固定されている。
ダイヤフラム251により仕切られた2つの空間のうち、上蓋部252aとの間に形成される空間は、蒸発器13から流出した冷媒の温度変化に応じて圧力が変化する感温媒体が封入される封入空間252bを構成している。本実施形態では、上蓋部252aが、ダイヤフラムと共に、感温媒体を封入する封入空間252bを形成する封入空間形成部を構成している。
封入空間252bには、主として冷凍サイクル10を循環する冷媒と同一の冷媒で組成された感温媒体(例えば、R134a)が、予め定めた密度となるように封入されている。感温媒体は、気液混合状態で封入空間252bに封入されている。なお、感温媒体は、例えば、サイクルを循環する冷媒とヘリウムガスとの混合流体を採用してもよい。
本実施形態の封入空間252bは、ダイヤフラム251の形状に適合する環状の空間を構成しており、弁部材240と干渉しないように、弁部材240の中心軸の軸線CLの周りを囲むように形成されている。
封入空間252bを形成する上蓋部252aは、吸引部231と隣接する位置に配置されている。これにより、封入空間252b内の感温媒体には、吸引部231を流通する吸引冷媒の温度が伝達され、封入空間252bの内圧が、吸引部231を流通する吸引冷媒の温度に応じた圧力に近づく。
一方、ダイヤフラム251により仕切られた2つの空間のうち、下蓋部252cとの間に形成される空間は、ミドルボデー230に形成された図示しない連通路を介して、蒸発器13から流出した冷媒を導入させる導入空間252dを構成している。
導入空間252dは、感温媒体の圧力に対抗するように、ダイヤフラム251に対して吸引部(吸引用通路)231内の吸引冷媒の圧力を作用させる圧力室である。下蓋部252cには、吸引部231を流れる冷媒を導入空間252dに導入すると共に、後述する作動棒253aの上端部を挿入する貫通穴部252eが形成されている。
このように、封入空間252bに封入された感温媒体には、一対の蓋部252a、252c等を介して、蒸発器13から流出した冷媒、すなわち、吸引部231を流通する吸引冷媒の温度が伝達される。本実施形態では、一対の蓋部252a、252c、および各空間252b、252dが吸引部231を流通する吸引冷媒の温度を検知する感温部252を構成している。
ここで、ダイヤフラム251は、封入空間252bの内圧と導入空間252dへ導入された冷媒の圧力との圧力差に応じて変形すると共に、常に冷媒に接している。このため、ダイヤフラム251は、強靭性、耐圧性、ガスバリア性、シール性に優れた材料で構成することが望ましい。
本実施形態では、ダイヤフラム251として、例えば、基布(ポリエステル)入りのEPDM(エチレンプロピレンゴム)やHNBR(水素添加ニトリルゴム)等の合成ゴム製の基材を採用している。ダイヤフラム251は、ゴム製の基材に対して、感温媒体の封入空間252bからの漏洩を抑制するバリア膜を一体化させることが望ましい。バリア膜は、封入空間252bに封入する感温媒体の種類に応じて、当該感温媒体の透過度が低いものを選択することが望ましい。
また、駆動機構250は、図2に示すように、ダイヤフラム251の変位により生ずる荷重を弁部材240に伝達する荷重伝達部材253を有している。本実施形態では、ダイヤフラム251の変位に伴って生ずる全荷重が、荷重伝達部材253を介して弁部材240の荷重受部243に作用する構成となっている。
荷重伝達部材253は、一端側の端部が弁部材240の荷重受部243に接するように配設された複数本の作動棒253aと、各作動棒253aの他端側およびダイヤフラム251の双方に接するように配設されたプレート部材253bとを有している。
各作動棒253aは、ミドルボデー230の貫通穴230aの径方向外側に形成された図示しない摺動穴を貫くと共に、一端側が荷重受部243の下方側の外周に接触し、他端側がプレート部材253bに接するように配設されている。そして、各作動棒253aは、プレート部材253bの周方向(弁部材240の中心軸の周方向)に間隔をあけて配置されている。
ここで、弁部材240は、作動棒253aを介して、ダイヤフラム251の変位に伴って生ずる荷重が伝達することで、ノズル通路224およびディフューザ通路232aの中心軸の軸方向に変位する構成となっている。
このため、各作動棒253aは、ダイヤフラム251の変位が弁部材240に正確に伝達されるように、プレート部材253bの周方向に均等に配置することが望ましい。また、各作動棒253aは、ダイヤフラム251の変位に伴って生ずる荷重が弁部材240に正確に伝達されるように、ミドルボデー230の周方向に間隔をあけて3本以上配設することが望ましい。より好ましくは、作動棒253aは、ミドルボデー230の周方向に間隔をあけて3本配設することが望ましい。
続いて、プレート部材253bは、ダイヤフラム251の変位に伴って生ずる荷重を各作動棒253aに対して均等に伝えるための部材である。プレート部材253bは、ダイヤフラム251における受圧部を支持するように、ダイヤフラム251と作動棒253aとで狭持されている。本実施形態のプレート部材253bは、導入空間252dに配置されている。
本実施形態のプレート部材253bは、ダイヤフラム251の変位により生ずる荷重を作動棒253aに適切に伝達するために、弁部材240の軸線CLの方向から見たときにダイヤフラム251と重なり合うように環状に形成されている。
また、本実施形態のプレート部材253bは、ダイヤフラム251よりも剛性が高い材料(例えば、金属)で構成されている。ダイヤフラム251と作動棒253aとの間に、プレート部材253bを介在させることで、各作動棒253aの寸法のばらつきやダイヤフラム251の反り等が生じていても、ダイヤフラム251から弁部材240へ伝達される力が変化してしまうことを抑制できる。特に、ダイヤフラム251をゴム製の基材を含む構成とする場合、プレート部材253bを、ダイヤフラム251から感温媒体が漏洩することを抑制するバリアとしても機能させることができる。
また、駆動機構250は、弁部材240に対して荷重をかける一対の付勢部材254、255、および弁部材240に対して作用する各付勢部材254、255の荷重を調整する荷重調整部256を有する。
一対の付勢部材254、255は、駆動機構250からの荷重に応じた弁部材240の変位特性を設定する部材である。本実施形態の各付勢部材254、255は、コイルバネで構成されている。
一対の付勢部材254、255のうち、第1付勢部材254は、弁部材240に対してノズル通路224、ディフューザ通路232aの冷媒通路面積を縮小させる方向に荷重を作用させるものである。また、一対の付勢部材254、255のうち、第2付勢部材255は、弁部材240に対して、第1付勢部材254とは逆方向に荷重を付与するものである。
本実施形態の各付勢部材254、255は、後述するベースボデー270に支持されている。なお、各付勢部材254、255は、冷媒が減圧される際の圧力脈動等に起因する弁部材240の振動を減衰させる緩衝部材としての機能も果たしている。
また、荷重調整部256は、各付勢部材254、255により弁部材240に作用させる荷重を調整することで、弁部材240の開弁圧を調整して、狙いの過熱度を微調整する部材である。
このように構成される駆動機構250は、蒸発器13から流出した冷媒の温度および圧力に応じて、ダイヤフラム251が弁部材240を変位させることにより、蒸発器13出口側の冷媒の過熱度が予め定めた所定値に近づくように調整される。
例えば、蒸発器13から流出した冷媒の温度および圧力が高く、冷凍サイクル10の負荷が高い場合、ノズル通路224およびディフューザ通路232aの冷媒通路面積が大きくなるように、ダイヤフラム251が弁部材240を変位させる。これにより、冷凍サイクル10内を循環する冷媒流量が増加する。
一方、蒸発器13から流出した冷媒の温度および圧力が低く、冷凍サイクル10の負荷が低い場合、ノズル通路224およびディフューザ通路232aの冷媒通路面積が小さくなるように、ダイヤフラム251が弁部材240を変位させる。これにより、冷凍サイクル10内を循環する冷媒流量が減少する。
続いて、ハウジングボデー210における弁部材240の下方側の構成について説明する。ハウジングボデー210における弁部材240の下方側には、ロアボデー260が収容されている。より具体的には、ロアボデー260は、弁部材240の軸線CLの方向(上下方向)に直交する方向から見たときに、その一部が液相流出口213および気相流出口214と重なり合うように、ハウジングボデー210の内部に収容されている。
ロアボデー260には、弁部材240の底部側との間に、ディフューザ通路232aから流出した混合冷媒の気液分離する気液分離空間261が形成されている。気液分離空間261は、略円柱状の空間であり、その中心軸が、旋回空間221、減圧用空間222、昇圧用空間232の中心軸と同軸とるように形成されている。
また、ロアボデー260の内部空間の底面側には、気液分離空間261と同軸となるように配置され、弁部材240側(上方側)に向かって延びる円筒状のパイプ262が設けられている。このパイプ262の内部には、気液分離空間261にて分離された気相冷媒をハウジングボデー210に形成された気相流出口214へ導く気相側流出通路263が形成されている。
本実施形態では、パイプ262における上端側の開口端部が、気相側流出通路263の気相冷媒入口部263aを構成している。パイプ262は、気液分離空間261において、気相冷媒入口部263aが弁部材240から離れた位置に開口するように、ロアボデー260に設けられている。
また、気液分離空間261にて分離された液相冷媒は、パイプ262の外周側に貯留される。なお、ロアボデー260におけるパイプ262の外周側の空間は、液相冷媒を貯留する貯液空間264を構成している。また、ロアボデー260における貯液空間264に対応する部位には、貯液空間264に貯留された液相冷媒を、ハウジングボデー210に形成された液相流出口213へ導く液相側流出通路265が形成されている。
ここで、本実施形態のハウジングボデー210には、弁部材240とロアボデー260との間にベースボデー270が収容されている。本実施形態のベースボデー270は、その一部が弁部材240の通路形成部241と荷重受部243との間に配置されている。ベースボデー270は、ハウジングボデー210に対して、例えば、圧入またはネジ等の締結部材により固定されている。
ベースボデー270の詳細については、図5を参照して説明する。図5に示すように、ベースボデー270は、円形板状の基板部271、基板部271の中心部に固定された筒状の弁支持部272を有している。ベースボデー270を構成する基板部271および弁支持部272は、それぞれ金属で形成されており、溶接等により互いに連結されている。
基板部271は、外周側の部位がハウジングボデー210に対して固定され、中心側の部位に弁支持部272が固定されている。
本実施形態の弁支持部272は、弁部材240の軸線CLの方向に沿って延びる摺動穴272aが形成された筒状部材で構成されている。摺動穴272aは、弁部材240のシャフト242を摺動させる貫通穴である。摺動穴272aは、弁部材240のシャフト242が摺動可能な大きさに形成されている。
また、本実施形態では、弁支持部272が気液分離空間261で分離された気相冷媒の気相側流出通路263へ流入する際の流通抵抗とならないように、弁部材240と気相冷媒入口部263aとの間に弁支持部272を配置している。具体的には、本実施形態の弁支持部272は、気相冷媒入口部263a側ではなく、弁部材240側に向かって突出するように配置されている。
また、本実施形態の基板部271には、弁支持部272を固定する部位に、第1付勢部材254の下端側を支持する第1バネ支持部273aが設けられている。また、基板部271における弁支持部272を固定する部位には、連結部273cを介して第2付勢部材255の上端側を支持する第2バネ支持部273bが連結されている。本実施形態では、各バネ支持部273a、273bおよび連結部273cが、各付勢部材254、255の双方を支持する荷重支持部273を構成している。
さらに、本実施形態の基板部271には、ディフューザ通路232aの冷媒出口側に近接する部位に、ディフューザ通路232aから流出した冷媒を気液分離空間261に導く出口側連通路274が形成されている。そして、出口側連通路274には、ディフューザ通路232aから流出した冷媒を気液分離空間261の軸周りに旋回させる旋回部275が設けられている。
本実施形態の旋回部275は、図示しないが複数の整流板で構成されている。各整流板は、ディフューザ通路232aから流出した冷媒の流れが、ベースボデー270の外周縁部の接線方向に転向するように、ディフューザ通路232aの中心軸に直交する径方向に対して交差する方向に延びる形状を有している。
ここで、本実施形態では、ベースボデー270を弁部材240の通路形成部241と荷重受部243との間に配置している。このため、ベースボデー270には、各作動棒253aを貫通させる貫通穴が設けられている。
次に、上記の如く構成されるエジェクタ100の製造方法の概要について説明する。まず、エジェクタ100を構成するハウジングボデー210、ノズルボデー220、ミドルボデー230、弁部材240、駆動機構250、ベースボデー270等の各構成部品を用意する(用意工程)。用意工程で各構成部品を用意した後、各構成部品を組み付けて締結部材や溶接等により連結することで、図2に示すエジェクタ100を製造する。
ここで、駆動機構250を構成する部品等の寸法にばらつきがあると、ボデー200の内部に弁部材240を組み付ける際に、ボデー200内部における弁部材240の位置にばらつきが生ずる。
特に、本実施形態では、作動棒253aやプレート部材253bを介してダイヤフラム251が出力する荷重を弁部材240に対して伝達する構成としている。このため、ダイヤフラム251と弁部材240との間に介在する各部品の寸法公差が寸法ばらつきとして相乗的に加算されることで、ボデー200内部における弁部材240の位置にばらつきが大きくなってしまう。
このことは、冷凍サイクル10の負荷に応じて弁部材240を作動させることを妨げる要因となる。この点について説明すると、冷凍サイクル10の負荷に応じて弁部材240を作動させる上では、ダイヤフラム251が出力する荷重(出力特性)と弁部材240の変位の変化量(リフト変化量)とが安定していることが重要となる。
ここで、図6は、ダイヤフラム251の出力特性と弁部材240の変位の変化量との関係を示している。図6の上段側の各線は、エジェクタ100の組付時において、ダイヤフラム251によって仕切られる各空間252b、252dの圧力差ΔPが0.68MPa程度となる際の関係を示している。また、図6の中段側の各線は、冷凍サイクル10の作動時において各空間252b、252dの圧力差ΔPが0.15MPa程度となる際の関係を示している。さらに、図6の下段側の各線は、各空間252b、252dの圧力が釣り合っている際(圧力差ゼロ)となる際の関係を示している。
図6に示すように、冷凍サイクル10の作動時には、弁部材240のリフト変化量が小さい領域、およびリフト変化量が大きい領域において、ダイヤフラム251が出力する荷重が増加する傾向がある。すなわち、冷凍サイクル10の作動時には、ダイヤフラム251の出力特性と弁部材240のリフト変化量とが安定しない傾向がある。その原因は、ダイヤフラム251が変形した際に生ずる復元力が、ダイヤフラム251の変位によって生ずる荷重に少なからず影響してしまうことが考えられる。
一方、冷凍サイクル10の作動時における弁部材240のリフト変化量が中間となる領域では、ダイヤフラム251の出力特性と弁部材240のリフト変化量とが安定する傾向がある。このため、冷凍サイクル10の負荷に応じて弁部材240を作動させるためには、弁部材240のリフト変化量が中間となる領域でダイヤフラム251が作動するように、駆動機構250と弁部材240とを組み付ける必要がある。
しかし、前述の如く、ボデー200の内部における弁部材240の位置にばらつきが生じ易い構成となっていると、ダイヤフラム251の出力特性を安定させることが難しく、冷凍サイクル10の負荷に応じて弁部材240を作動させることが困難となる。
これに対して、駆動機構250を構成する各部品の部品公差を厳しくしたり、寸法の揃った部品を選定管理する作業(部品寸法の管理工程)を追加したりすることで、ボデー200の内部における弁部材240の位置のばらつきを抑えることが考えられる。
しかしながら、駆動機構250を構成する各部品の部品公差を厳しくしたり、部品寸法の管理工程を追加したりすると、製造に要する時間が長くなったり、各部品の歩留まりが悪くなったりすることで、製造コストが著しく増大してしまう。
そこで、本実施形態では、弁部材240の位置設定を図7に示す順序で行っている。すなわち、まず、ミドルボデー230の溝部230bに駆動機構250を組み付けると共に、通路形成部241を連結したシャフト242をベースボデー270の弁支持部272に組み付ける(組付工程)。この際、シャフト242に対して荷重受部243を仮止めした状態で、シャフト242を弁支持部272に組み付ける。
そして、ノズルボデー220、ミドルボデー230、ベースボデー270等をハウジングボデー210の内部に圧入等により挿入して固定する。ハウジングボデー210に対して各部材を固定する順序については、組み付け易さを考慮して決定すればよい。
続いて、ボデー200の内部における通路形成部241の先端部を、ノズルボデー220のノズル喉部222cに接触させる位置、すなわち弁部材240の閉弁位置に設定する(位置決め工程)。この位置を基準として、弁部材240の位置を図6に示す安定領域の範囲となるように微調整した後、シャフト242に対して荷重受部243を溶接等により連結する(連結工程)。
続いて、ロアボデー260等の部材をハウジングボデー210の内部に圧入等により挿入して固定することで、図2に示す構造となる。そして、図2に示す構造となったエジェクタ100は、外観検査や動作確認等の各種検査工程を得て製造が完了する。
次に、上記構成に基づく、本実施形態の作動について説明する。乗員により空調作動スイッチ等が投入されると、制御装置からの制御信号により圧縮機11の電磁クラッチが通電され、電磁クラッチ等を介して、圧縮機11に車両走行用のエンジンから回転駆動力が伝達される。そして、制御装置から圧縮機11の電磁式容量制御弁に対して制御信号が入力され、圧縮機11の吐出容量が所望の量に調整されて、圧縮機11がエジェクタ100の気相流出口214から吸入した気相冷媒を圧縮して吐出する。
圧縮機11から吐出された高温高圧の気相冷媒は、放熱器12の凝縮部121に流入し、外気により冷却されて凝縮液化した後、レシーバ122にて気液が分離される。その後、レシーバ122にて分離された液相冷媒は、過冷却部123に流入して過冷却される。
放熱器12の過冷却部123から流出した液相冷媒は、エジェクタ100の冷媒流入口211に流入する。エジェクタ100の冷媒流入口211に流入した高圧冷媒は、図8に示すように、冷媒流入通路223を介してエジェクタ100内部の旋回空間221に流入する。そして、旋回空間221に流入した高圧冷媒は、旋回空間221の内壁面に沿って流れ、旋回空間221を旋回する。旋回空間221では、遠心力の作用によって、旋回中心側に気相冷媒が集まり易く、その周りに液相冷媒が集まり易くなる。
そして、旋回空間221を旋回する冷媒は、気液混相状態の冷媒として、旋回空間221の中心軸と同軸となる減圧用空間222に流入し、ノズル通路224にて減圧膨脹される。この減圧膨脹時に冷媒の圧力エネルギが速度エネルギに変換されることで、気液混相状態の冷媒は、ノズル通路224から高速度となって噴出される。
この点について詳述すると、まず、ノズル通路224では、ノズル部220bの先細部222aの内壁面側から冷媒が剥離する際に壁面沸騰が生ずる。また、ノズル通路224では、その中心側の冷媒のキャビテーションによる沸騰核によって界面沸騰が生ずる。このようにノズル通路224では冷媒の沸騰が促進されることから、ノズル通路224に流入した冷媒は、気相と液相が均質に混合した気液混相状態に近づく。
そして、ノズル部220bのノズル喉部222c付近で気液混相状態となった冷媒の流れに閉塞(チョーキング)が生じ、このチョーキングにより音速に到達した気液混合状態の冷媒が、ノズル部220bの末広部222bにて加速されて噴出される。
このように、壁面沸騰および界面沸騰の双方による沸騰促進によって気液混層状態の冷媒を音速となるまで効率よく加速できることで、ノズル通路224におけるエネルギ変換効率(ノズル効率に相当)の向上を図ることができる。
また、ノズル通路224から噴出される冷媒の吸引作用により、蒸発器13流出冷媒が冷媒吸引口212を介して吸引部231に吸引される。そして、吸引部231に吸引された低圧冷媒およびノズル通路224から噴出された噴出冷媒との混合冷媒が、冷媒流れ下流側に向かって冷媒流路面積が拡大するディフューザ通路232aに流入し、速度エネルギが圧力エネルギに変換されることで昇圧される。
なお、本実施形態のエジェクタ100の弁部材240は、減圧用空間222から離れるに伴って断面積が拡大する略円錐形状に形成されている。このため、ディフューザ通路232aの形状を減圧用空間222から離れるに伴って外周側へ拡がる形状とすることができる。これにより、弁部材240の軸線CLの方向への寸法の拡大を抑制して、エジェクタ100全体としての体格の大型化を抑制可能となる。
続いて、ディフューザ通路232aから流出した冷媒は、ベースボデー270に形成された出口側連通路274に流入する。出口側連通路274に流入した冷媒は、出口側連通路274に設けられた図示しない各整流板により旋回力が付与された状態で、気液分離空間261に流入する。このため、気液分離空間261では、遠心力の作用によって冷媒の気液が分離される。
気液分離空間261にて分離された気相冷媒は、気相側流出通路263および気相流出口214を介して、圧縮機11の吸入側に吸入され、再び圧縮される。この際、圧縮機11に吸入される冷媒の圧力は、エジェクタ100のディフューザ通路232aにて昇圧されているので、圧縮機11の駆動力を低減することが可能となる。
また、気液分離空間261にて分離された液相冷媒は、貯液空間264に貯留され、エジェクタ100の冷媒吸引作用により、液相側流出通路265および液相流出口213を介して、蒸発器13に流入する。
蒸発器13では、低圧の液相冷媒が、空調ケース内を流れる空気から吸熱して蒸発気化する。そして、蒸発器13から流出した気相冷媒は、エジェクタ100の冷媒吸引口212を介して吸引部231に吸引され、ディフューザ通路232aに流入する。
以上説明した本実施形態のエジェクタ100は、弁部材240を変位させる駆動機構250を備えている。このため、冷凍サイクル10の負荷に応じて弁部材240を変位させて、ノズル通路224およびディフューザ通路232aの冷媒通路面積を調整可能となっている。
本実施形態では、駆動機構250のダイヤフラム251および感温部252を弁部材240の中心軸の軸線CLの周りを囲むように環状に形成している。これによれば、ダイヤフラム251における冷媒の圧力を受ける面積を充分に確保できるので、吸引部231を流通する冷媒の圧力変化に応じて、ノズル通路224およびディフューザ通路232aを適切に変化させることができる。
特に、本実施形態では、弁部材240に対して、ダイヤフラム251の荷重を受ける荷重受部243を追加すると共に、当該荷重受部243を、シャフト242を介して通路形成部241に連結する構成としている。
このように、ダイヤフラム251の変位に伴って生ずる荷重を受ける荷重受部243を設ける構成とすれば、弁部材240においてノズル通路224およびディフューザ通路232aを形成する通路形成部241に対して直接作用する荷重を抑えることができる。これにより、弁部材240の軽量化を図ったとしても、駆動機構250から出力される荷重に対する弁部材240の信頼性を確保することが可能となる。
また、本実施形態では、荷重受部243をディフューザ通路232aよりも冷媒流れ下流側に配置している。これによれば、荷重受部243を追加するによって、ノズル通路224やディフューザ通路232aを流れる冷媒流量が変化してしまうことを抑えることができるので、吸引冷媒の温度および圧力に応じて弁部材240を適切に変位させることが可能となる。
ここで、本実施形態では、作動棒253aの一端側の端部を荷重受部243と接触させ、作動棒253aを介して弁部材240を変位させる構成としている。このような構成においては、弁部材240における作動棒253aと接する部位に対して荷重が集中することになる。
これに対して、本実施形態では、弁部材240において通路形成部241に対して直接作用する荷重を抑える構成としている。このため、弁部材240における作動棒253aと接する部位に対して荷重が集中したとしても、通路形成部241の変形等を抑えることが可能となる。
また、本実施形態では、通路形成部241を、シャフト242および荷重受部243よりも剛性の低い材料で構成している。これにより、通路形成部241を剛性の低い樹脂等の軽量な材料で構成することができ、弁部材240の軽量化を図ることができる。
さらに、本実施形態では、荷重伝達部材253を介してダイヤフラム251の変位に伴って生ずる全荷重を荷重受部で受ける構成している。これによれば、弁部材240の通路形成部241に対して直接的に荷重が作用しないので、通路形成部241を軽量な材料で構成し易くなり、弁部材240の軽量化を充分に図ることが可能となる。
さらにまた、本実施形態では、通路形成部241の外側径および内側径を減圧用空間222側から昇圧用空間232側に向かって大きくなる形状としている。このように、通路形成部241の内側に空間を形成する構成とすれば、弁部材240の軽量化を充分に図ることができる。
ここで、本実施形態では、駆動機構250をボデー200の溝部230bに組み付けると共に、通路形成部241を連結したシャフト242を弁支持部272に組み付けた後に、シャフト242に対して荷重受部243を連結する構成としている。これによれば、駆動機構250を構成する各部品の寸法ばらつき等があっても、シャフト242に対して荷重受部243を連結する際に、ボデー200の内部における弁部材240の位置を微調整することができる。この結果、駆動機構250を構成する要素の部品公差の緩和、または、部品寸法の管理工数を低減することが可能となる。
また、本実施形態では、ベースボデー270の弁支持部272を気相冷媒入口部263aと弁部材240との間に配置する構成としている。これによれば、弁支持部272が気液分離空間261で分離された気相冷媒が気相冷媒入口部263aに流入する際の流通抵抗となってしまうことを抑えることができる。このため、気液分離機能を有するエジェクタ100において、気相冷媒がボデー200内部を流通する際の圧力損失を抑制することができる。この結果、冷凍サイクル10の性能向上を図ることが可能となる。
また、本実施形態では、弁支持部272の一部を弁部材240の通路形成部241の内側に配置している。これによれば、弁部材240におけるシャフト242の長さを短くすることができる。このことは、エジェクタ100全体としての軸方向体格の小型化を図ることができる。
さらに、本実施形態では、弁支持部272をベースボデー270に設ける構成としており、気相冷媒入口部263a等を構成するロアボデー260に強度等が要求されない。このため、ロアボデー260を樹脂等の軽量な部材で構成することで、エジェクタ100全体としての軽量化を図ることが可能となる。
また、本実施形態では、各付勢部材254、255をベースボデー270の荷重支持部273で支持する構成としている。これによれば、別途、各付勢部材254、255を支持する部材を追加する必要がないので、エジェクタ100の内部構造の簡素化を図ることができる。このことは、エジェクタ100の内部を冷媒が流れる際の圧力損失を抑える上でも有効となる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、図9、図10を参照して説明する。本実施形態では、ダイヤフラム251から出力される荷重の一部を荷重受部243で受ける構成としている点が第1実施形態と相違している。
図9に示すように、ダイヤフラム251から出力される荷重を通路形成部241および荷重受部243の双方で受ける構成としている。具体的には、本実施形態の通路形成部241には、ディフューザ通路232aの冷媒出口側に、荷重伝達部材253を介してダイヤフラム251から出力される荷重を受ける荷重受端部241aが設けられている。本実施形態の荷重受端部241aは、ベースボデー270の出口側連通路274に位置しており、作動棒253aの一端側の端部が接触している。
ここで、荷重受端部241aにダイヤフラム251から出力される荷重が作用する際、当該荷重によって荷重受端部241aが変形してしまうことが懸念される。
そこで、本実施形態では、図10に示すように、荷重受端部241aにおける作動棒253aと当接する部位に対して、金属等の剛性の高い材料で構成した補強部241bを設けている。この補強部241bは、荷重受端部241aに対してインサート成形等により一体に形成すればよい。
その他の構成は、第1実施形態と同様である。本実施形態では、ダイヤフラム251から出力される荷重を、通路形成部241および荷重受部243の双方で受ける構成としている。
これによれば、弁部材240においてノズル通路224およびディフューザ通路232aを形成する通路形成部241に対して直接作用する荷重を抑えることができる。このため、弁部材240の軽量化を図ったとしても、駆動機構250から出力される荷重に対する弁部材240の信頼性を確保することが可能となる。
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。例えば、以下のように種々変形可能である。
(1)上述の各実施形態の如く、弁部材240の軽量化を図る上では、通路形成部241について減圧用空間222側から昇圧用空間232側に向かって外側径および内側径が大きくなる形状とすることが望ましいが、これに限定されない。例えば、通路形成部241について減圧用空間222側から昇圧用空間232側に向かって内側径が変化しない形状や内側径が小さくなる形状としてもよい。
(2)上述の各実施形態の如く、弁部材240の軽量化を図る上では、通路形成部241をシャフト242および荷重受部243よりも剛性の低い材料で構成することが望ましいが、これに限定されない。例えば、通路形成部241をシャフト242および荷重受部243と同程度の剛性を有する材料で構成してもよい。この場合は、通路形成部241の肉厚を小さくすることで軽量化すればよい。
(3)上述の各実施形態では、荷重受部243を円盤状の部材で構成する例について説明したが、これに限定されない。荷重受部243は、駆動機構250から出力される荷重を受けることが可能であれば、その他の形状の部材で構成してもよい。
(4)上述の各実施形態では、ミドルボデー230に対して、駆動機構250を保持する溝部230bを設ける例について説明したが、これに限定されない。例えば、ノズルボデー220に対して駆動機構250を保持する溝部を設ける構成としてもよい。
また、上述の各実施形態では、ダイヤフラム251を一対の蓋部252a、252cで狭持する例について説明したが、これに限らず、例えば、ダイヤフラム251を上蓋部252aとミドルボデー230の溝部230bとで狭持する構成としてもよい。
(5)上述の各実施形態では、ボデー200を、ハウジングボデー210、ノズルボデー220、ロアボデー260等の複数の構成部材の組み合わせにより構成する例について説明したが、これに限定されない。例えば、ボデー200を構成する複数の構成部材の一部が一体成形物として構成されていてもよい。
また、上述の各実施形態では、ベースボデー270をボデー200と別部材で構成する例について説明したが、これに限定されない。ベースボデー270とボデー200を構成する複数の構成部材の一部とが一体成形物として構成されていてもよい。
(6)上述の各実施形態では、弁部材240の通路形成部241として、軸方向の断面形状が二等辺三角形となるものを採用しているが、これに限定されない。通路形成部241は、例えば、軸方向の断面形状が、頂点を挟む二辺が内周側に凸となる形状や二辺が外周側に凸となる形状、あるいは断面形状が半円形状となるものを採用してもよい。
(7)上述の各実施形態の如く、ダイヤフラム251の変位を適切に弁部材240へ伝達するためには、荷重伝達部材253を構成する作動棒253aを3本配設することが望ましいが、これに限定されない。2本または4本以上の作動棒253aによりダイヤフラム251の変位を弁部材240へ伝達する構成としてもよい。
(8)上述の各実施形態で説明したように、ダイヤフラム251をゴム製の基材で構成するほうが望ましいが、これに限定されず、例えば、ステンレス等によりダイヤフラム251を構成してもよい。
(9)上述の実施形態の如く、駆動機構250に各付勢部材254、255や荷重調整部256を追加することが望ましいが、各付勢部材254、255や荷重調整部256は必須ではなく、省略されていてもよい。
(10)上述の実施形態の如く、エジェクタ100の内部に気液分離空間261や貯液空間264を形成することが望ましいが、これに限らず、エジェクタ100の外部に気液分離器や貯液器等を設けるようにしてもよい。
(11)上述の実施形態では、ノズルボデー220に旋回空間221を形成する例について説明したが、これに限らず、例えば、ハウジングボデー210に旋回空間221を形成してもよい。
(12)上述の実施形態の如く、ノズル通路224におけるエネルギ変換効率の向上を図るためには、ボデー200の内部に旋回空間221を形成することが望ましいが、これに限定されず、ボデー200の内部に旋回空間221を形成しなくてもよい。
(13)上述の実施形態では、ボデー200、弁部材240、駆動機構250等を構成する要素の殆どを金属で構成する例について説明したが、これに限定されない。耐圧性や耐熱性等が問題とならない範囲で、各構成要素を金属以外(例えば、樹脂)により構成してもよい。
(14)上述の実施形態では、放熱器12としてサブクール型の凝縮器を採用する例について説明したが、これに限定されず、例えば、レシーバ122や過冷却部123が設けられていない放熱器を採用してもよい。
(15)上述の実施形態では、車両用空調装置の冷凍サイクル10に本発明のエジェクタ100を適用する例について説明したが、これに限定されない。例えば、据置型空調装置等に用いられるヒートポンプサイクルや、空調装置以外の熱機器に適用される冷凍サイクルに本発明のエジェクタ100を適用してもよい。
(16)上述の実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
(17)上述の実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されない。
(18)上述の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されない。
200 ボデー
224 ノズル通路
232a ディフューザ通路
240 弁部材
241 通路形成部
242 シャフト
243 荷重受部
250 駆動機構
251 ダイヤフラム(圧力応動部材)
253 荷重伝達部材

Claims (7)

  1. 蒸気圧縮式の冷凍サイクルに適用されるエジェクタであって、
    冷媒流入口(211)から流入した冷媒を減圧させる減圧用空間(222)、外部から冷媒を吸引する吸引用通路(231)、および前記減圧用空間から噴射された噴射冷媒と前記吸引用通路から吸引された吸引冷媒とを混合させて昇圧させる昇圧用空間(232)が形成されたボデー(200)と、
    少なくとも一部が前記減圧用空間および前記昇圧用空間の内部に配置され、前記ボデーにおける前記減圧用空間を形成する部位との間に冷媒を減圧させて噴射する環状のノズル通路(224)、前記ボデーにおける前記昇圧用空間を形成する部位との間に前記噴射冷媒および前記吸引冷媒を混合して昇圧させる環状のディフューザ通路(232a)を形成する弁部材(240)と、
    前記弁部材を前記ノズル通路および前記ディフューザ通路における中心軸の軸方向に変位させる駆動機構(250)と、を備え、
    前記駆動機構は、前記吸引冷媒の温度および圧力に応じて前記中心軸の軸方向に変位する圧力応動部材(251)、および前記圧力応動部材の変位に伴って生ずる荷重を前記弁部材に伝達する荷重伝達部材(253)を有しており、
    前記弁部材は、前記中心軸の軸方向に沿って延びるシャフト(242)、前記シャフトを中心とする回転体の形状を有し、前記ノズル通路および前記ディフューザ通路を形成する通路形成部(241)、および前記荷重伝達部材を介して前記圧力応動部材の変位に伴って生ずる荷重の少なくとも一部を受ける荷重受部(243)を有しており、
    前記荷重受部は、前記シャフトを介して前記通路形成部に連結されていることを特徴とするエジェクタ。
  2. 前記荷重受部は、前記ディフューザ通路よりも冷媒流れ下流側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のエジェクタ。
  3. 前記荷重伝達部材は、一端側の端部が前記荷重受部に接触するように配設された複数の作動棒(253a)を有しており、
    前記弁部材は、前記作動棒を介して前記圧力応動部材の変位に伴って生ずる荷重が伝達されることで、前記中心軸の軸方向に変位するように構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のエジェクタ。
  4. 前記通路形成部は、前記シャフトおよび前記荷重受部よりも剛性の低い材料で構成されていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のエジェクタ。
  5. 前記荷重受部は、前記荷重伝達部材を介して前記圧力応動部材の変位に伴って生ずる全荷重を受けるように構成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載のエジェクタ。
  6. 前記通路形成部は、前記ボデーにおける前記減圧用空間を形成する部位、および前記昇圧用空間を形成する部位に対向する対向部位が、前記減圧用空間側から前記昇圧用空間側に向かって外側径および内側径が大きくなっていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載のエジェクタ。
  7. 蒸気圧縮式の冷凍サイクルに適用され、
    冷媒流入口(211)から流入した冷媒を減圧させる減圧用空間(222)、外部から冷媒を吸引する吸引用通路(231)、および前記減圧用空間から噴射された噴射冷媒と前記吸引用通路から吸引された吸引冷媒とを混合させて昇圧させる昇圧用空間(232)が形成されたボデー(200)と、
    少なくとも一部が前記減圧用空間および前記昇圧用空間の内部に配置され、前記ボデーにおける前記減圧用空間を形成する部位との間に冷媒を減圧させて噴射する環状のノズル通路(224)、前記ボデーにおける前記昇圧用空間を形成する部位との間に前記噴射冷媒および前記吸引冷媒を混合して昇圧させる環状のディフューザ通路(232a)を形成する弁部材(240)と、
    前記弁部材を前記ノズル通路および前記ディフューザ通路における中心軸の軸方向に変位させる駆動機構(250)と、を備え、
    前記駆動機構は、前記吸引冷媒の温度および圧力に応じて前記中心軸の軸方向に変位する圧力応動部材(251)、および前記圧力応動部材の変位に伴って生ずる荷重を前記弁部材に伝達する荷重伝達部材(253)を有しており、
    前記弁部材は、前記中心軸の軸方向に沿って延びるシャフト(242)、前記シャフトを中心とする回転体の形状を有し、前記ノズル通路および前記ディフューザ通路を形成する通路形成部(241)、および前記荷重伝達部材を介して前記圧力応動部材の変位に伴って生ずる荷重を受ける荷重受部(243)を有しており、
    前記ボデーには、前記駆動機構を保持する保持部(230b)、および前記シャフトを支持する弁支持部(272)が設けられたエジェクタの製造方法であって、
    前記駆動機構を前記保持部に組み付けると共に、前記通路形成部が連結された前記シャフトを前記弁支持部に組み付ける組付工程と、
    前記組付工程にて前記弁支持部に組み付けた前記シャフトに対して、前記荷重受部を連結する連結工程と、
    を含んでいることを特徴とするエジェクタの製造方法。
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