JP2017053096A - 押出成形板のひび割れの補修方法及び補修構造体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】略平行に配された一対の略長方形状の表面板と、表面板の長手方向に延びて一対の表面板を所定間隔で一体的に結合する複数の隔壁部と、隣接する隔壁部の間に画成される中空部とを有し、長手方向が略鉛直方向となるように建築物の躯体に取り付けられた押出成形板において、長さ方向に発生したひび割れの補修方法であって、ひび割れの発生した箇所の中空部の表面板の所定位置に注入孔をあけ、注入孔から注入孔の直下の中空部に受け材を設け、注入孔から中空部にモルタルを注入充填し硬化させることにより、ひび割れの発生している中空部のひび割れ部に密実な柱状のモルタル固着部を形成する。
【選択図】図2
Description
押出成形板からなる壁パネルにひび割れが発生している場合、そのひび割れは表側の表面板だけではなく、裏側の表面板にも発生している可能性が高い。そうすると、縦積みの押出成形板に、概して長さ方向(鉛直方向)のひび割れが発生した場合、壁パネルは帳壁として必要な基本性能である曲げ性能、せん断性能が確保できなくなり、そのまま放置すると地震、強風等の際にパネルが脱落する可能性がある。特に縦積みの押出成形板パネルにパネル全長にわたるような長めの鉛直方向のひび割れが発生した場合の対策としてはパネルを交換することが理想的である。しかし実際の建物でパネルを交換するためには内装側にも影響し工事も大がかりになることから、やむを得ず上記のような方法で補修、補強対応されることが多い。
したがって、押出成形板にひび割れが発生した場合の補修、補強方法としては、どちらかというと(2)の方法が一般的である。しかし、上記(1)、(2)どちらの方法も押出成形板の表側の表面板のみを補修、補強するものであり、隔壁部、及び裏側の表面板のひび割れは補強出来ないため、パネルに必要な曲げ性能、せん断性能が十分に確保出来ないという問題があった。
[1]
略平行に配された一対の略長方形状の表面板と、前記表面板の長手方向に延びて該一対の表面板を所定間隔で一体的に結合する複数の隔壁部と、隣接する前記隔壁部の間に画成される中空部とを有し、長手方向が略鉛直方向となるように建築物の躯体に取り付けられた押出成形板において、略長手方向に発生したひび割れの補修方法であって、
前記ひび割れの発生している箇所の前記中空部において、前記表面板の所定位置に注入孔をあけ、該注入孔から該注入孔の直下の前記中空部に受け材を設け、該注入孔から前記中空部にモルタルを注入充填し硬化させることにより、前記ひび割れ発生箇所の該中空部に密実な柱状のモルタル固着部を形成すること、を特徴とするひび割れの補修方法。
[2]
前記ひび割れの発生している箇所の中空部において、該ひび割れ発生箇所の全体に亘って、連続した前記モルタル固着部を形成する、[1]に記載のひび割れの補修方法。
[3]
前記ひび割れの発生している箇所の中空部において、該ひび割れ発生箇所の全体に亘って断続的に、複数の前記モルタル固着部を形成する、[1]に記載のひび割れの補修方法。
[4]
前記注入孔の上方の所定位置に確認孔をあけ、該注入孔から該確認孔までの間に前記モルタル固着部を形成する、[1]〜[3]のいずれかに記載のひび割れの補修方法。
[5]
前記注入孔から、前記ひび割れの上方の先端部を超え、該先端部の近傍の位置までの間に前記モルタル固着部を形成する、[1]〜[4]のいずれかに記載のひび割れの補修方法。
[6]
前記ひび割れの上方の先端部を超え、該先端部の近傍の位置に確認孔をあけ、該確認孔部まで前記モルタル固着部を形成する、[5]に記載のひび割れの補修方法。
[7]
前記ひび割れの上方の先端部を超え、該先端部の近傍の位置まで注入されたモルタルの上端位置から、前記ひび割れの上方の先端部までの寸法が0cm以上、30cm以下である、[5]または[6]に記載のひび割れの補修方法。
[8]
前記ひび割れの上方の先端部を超え、該先端部の近傍の位置にあけられる前記確認孔の位置が、前記ひび割れの略延長線上である、[6]に記載のひび割れの補修方法。
[9]
前記ひび割れの下方の先端部を超え、該先端部の近傍の位置まで前記モルタル固着部を形成する、[1]〜[8]に記載のひび割れの補修方法。
[10]
前記ひび割れの下方の先端部を超え、該先端部の近傍の位置にあけられる前記注入孔の位置が、前記ひび割れの略延長線上である、[9]に記載のひび割れの補修方法。
[11]
前記ひび割れの下方の先端部を超え、該先端部の近傍の位置にあけられる前記注入孔の位置から、ひび割れの下方の先端部までの寸法が0cm以上、30cm以下である、[9]または[10]に記載のひび割れの補修方法。
[12]
前記受け材が、前記注入孔から挿入する前は前記中空部の断面よりも大きなスポンジ状の発泡体であり、該スポンジ状の発泡体を前記注入孔から圧縮しながら挿入することにより前記受け材を設ける、[1]〜[11]のいずれかに記載のひび割れの補修方法。
[13]
前記受け材が風船であり、膨らませる前の風船を前記注入孔から挿入し、該注入孔の直下の前記中空部で膨らませることにより前記受け材を設ける、[1]〜[12]のいずれかに記載のひび割れの補修方法。
[14]
前記受け材が、発泡材を現場発泡させてなる発泡体であり、前記孔から該発泡材を噴射することにより該孔の直下の前記中空部に前記受け材を設ける、[1]〜[13]のいずれに記載の補修方法。
[15]
前記発泡体がウレタンである、[14]に記載のひび割れの補修方法。
[16]
前記モルタルを注入する前に、前記注入孔から前記中空部に線状の補強材を挿入し、該補強材を前記モルタル固着部に内在させる、[1]〜[15]のいずれかに記載のひび割れの補修方法。
[17]
前記補強材は、線状の補強材本体と、該補強材本体から該補強材本体の軸と略垂直方向に突出した2箇所以上の突起部とを有している、[16]に記載のひび割れの補修方法。
[18]
前記突起部は、前記補強材本体の両端部近傍に設けられている、[17]に記載のひび割れの補修方法。
[19]
前記モルタルには、主剤と硬化剤とを含む反応硬化型のエポキシ樹脂からなる結合材が混和されている、[1]〜[18]のいずれかに記載のひび割れの補修方法。
[20]
前記モルタルには、ガラス粉末、ガラスバルーン又は硅石紛体が混和されている、[1]〜[19]のいずれかに記載のひび割れの補修方法。
[21]
前記モルタルには、グラスファイバー、カーボンファイバー又はスチールファイバーが混和されている、[1]〜[20]のいずれかに記載のひび割れの補修方法。
[22]
エポキシ樹脂からなる前記結合材が混和された前記モルタルを混練した後、硬化が進まぬよう−5℃以下の低温状態で冷凍保存しておき、使用場所で解凍し、柔らかくなった状態で注入充填する、[19]に記載のひび割れの補修方法。
[23]
前記注入孔の大きさが10mm以上、50mm以下である、[1]〜[22]のいずれかに記載のひび割れの補修方法。
[24]
前記確認孔の大きさが5mm以上、30mm以下である、[4]、[6]または[8]のいずれかに記載のひび割れの補修方法。
[25]
前記モルタル固着部の長さが50mm以上である、[1]〜[24]のいずれかに記載のひび割れの補修方法。
[26]
前記注入孔から前記モルタルを注入充填した後、該注入孔を塞ぎ材で塞ぐ、[1]〜[25]のいずれかに記載のひび割れの補修方法。
[27]
前記注入孔から前記モルタルを注入充填した後、前記確認孔を塞ぎ材で塞ぐ、[4]、[6][8]または[24]のいずれかに記載のひび割れの補修方法。
[28]
前記塞ぎ材で塞がれた前記注入孔と前記確認孔に、さらに不定形の充填材を充填し、前記表面板の表面を平坦に仕上げる、[26]または[27]に記載のひび割れの補修方法。
[29]
前記不定形の充填材が、モルタル、シーリング材又はエポキシ樹脂系のパテ材である、[28]に記載のひび割れの補修方法。
[30]
前記ひび割れに対し、前記表面板の表面を該ひび割れに沿ってVカット又はUカットすることにより凹部を形成し、該凹部に不定形の充填材を充填し、前記表面板の表面を平坦に仕上げる、[1]〜[29]のいずれか一項に記載のひび割れの補修方法。
[31]
前記不定形の充填材が、モルタル、シーリング材又はエポキシ樹脂系のパテ材である、[30]に記載のひび割れの補修方法。
[32]
前記モルタル固着部が形成された前記中空部の上端において、上端部よりも下側の前記表面板に注入孔をあけ、該注入孔の直下の前記中空部に受け材を設け、該注入孔から前記中空部にモルタルを注入充填し硬化させることにより、該中空部の上端開口を塞ぐ、[1]〜[31]のいずれかに記載のひび割れの補修方法。
[33]
略平行に配された一対の略長方形状の表面板と、前記表面板の長手方向に延びて該一対の表面板を所定間隔で一体的に結合する複数の隔壁部と、隣接する前記隔壁部の間に画成される中空部とを有し、長手方向が略鉛直方向となるように建築物の躯体に取り付けられた押出成形板において、略長手方向に発生したひび割れの補修構造体であって、
前記ひび割れの発生している箇所の前記中空部の前記表面板の所定位置にあけられた注入孔と、該注入孔の直下の前記中空部に設けられた受け材と、前記ひび割れ発生箇所の該中空部の前記受け材上に密実に形成された柱状のモルタル固着部とを有すること、を特徴とするひび割れの補修構造体。
図1は、押出成形板にひび割れが生じている状態を示す斜視図であり、図2〜6は、押出成形板の補修方法を説明するための図である。
図1に示すように、押出成形板1は、セメント等からなり、略平行に配された一対の略長方形状の表面板2,3と、表面板2,3の長手方向に延びて該一対の表面板2,3を所定間隔で一体的に結合する複数の隔壁部4と、隣接する隔壁部4の間に画成される中空部5とを有する。
押出成形板1からなる壁パネルは、表側の表面板2を露出させて長手方向が略鉛直方向となるように配置され、いわゆる縦積みで建築物の躯体に取り付けられる(図示略)。この壁パネルには、表面板2において、中空部5に沿うように、壁パネルの長さ方向(略鉛直方向)にひび割れ6が発生している。
押出成形板1のひび割れ6の発生している箇所の中空部5の表面板2の所定位置に注入孔10をあけ、注入孔10の直下の中空部5に受け材11を設け、該注入孔10から押出成形板1の中空部5にモルタルを注入充填し、ひび割れ6の発生している箇所の中空部5に柱状の強固なモルタル固着部12を形成することで、ひび割れ6の発生箇所を補強する。
注入したモルタルが硬化することで押出成形板1の中空部5と注入されたモルタルとが一体化することで、ひび割れ6の発生箇所を強固に補強することが出来る。また、図3に示すように、中空部5の周囲と柱状のモルタルとが隙間なく密実に一体化することで、ひび割れ6からの水の浸入をモルタル固着部12で防ぐことが出来る。
このような補修構造体では、裏側の表面板3も補強され、パネルに必要な曲げ性能、せん断性能を有するものとなる。
ひび割れ6の上方については、ひび割れの上方の先端部14を超える近傍の位置まで密実な柱状のモルタル固着部12を形成することで、ひび割れの上方への伸展を抑制することが出来る。
ひび割れの上方の先端部14を超える近傍の位置まで注入されるモルタルの上端位置とひび割れの上方の先端部14までの寸法は0〜30cm程度が好適である。この寸法は大きい方がひび割れの伸展する可能性のある部分をモルタル固着部で強固に補強できるため、ひび割れの伸展を阻止する効果が期待できるが、不経済である。実用レベル寸法としては3〜10cm程度が最適である。
また、ひび割れの下方の先端部15を超える近傍の位置にあける注入孔10の位置をひび割れの略延長線上にすることで、ひび割れの伸展を注入孔部で遮ることができるため、ひび割れの伸展を注入孔部で止める効果が期待できる。
ひび割れの下方の先端部15を超える近傍の位置にあける注入孔10の位置とひび割れの上方の先端部15までの寸法は0〜30cm程度が好適である。この寸法は大きい方がひび割れの伸展する可能性のある部分をモルタル固着部で強固に補強できるため、ひび割れの伸展を阻止する効果が期待できるが、不経済である。実用レベル寸法としては3〜10cm程度が最適である。
受け材11がスポンジ状の発泡体である場合には、注入孔10から挿入する前は中空部5の断面よりも大きなスポンジ状の発泡体であり、その発泡体を注入孔10から圧縮しながら押し込むことで挿入し、注入孔10の直下の中空部に受け材11を設ける。発泡体の反発力が弱いと中空部5の周囲との摩擦抵抗が小さくなり、モルタルを注入した際にモルタルの重さに耐えられなくなり、ずり落ちてしまう可能性があるため、発泡体の圧縮率を高める等して十分な摩擦抵抗を確保する必要がある。そのため、受け材11の発泡体としては、圧縮挿入後の復元力が大きく高反発であるものが好適である。
また、突起部22の数および位置としては特に限定されるものではないが、突起部22のうちの2箇所を補強材20の両端付近にすることで、モルタルと補強材20との付着力を好適に確保することができる。なお、図6に示す例では、モルタル固着部12に内在される線状の補強材20は4箇所の突起部22を有している。また、4か所の突起部22のうちの2箇所は補強材20の両端付近となっている。
さらに、モルタルには、グラスファイバー、カーボンファイバー又はスチールファイバーが混和されていることが好ましい。これらを混和させることにより、モルタル固着部12に靱性をもたせ、強度アップをはかることが出来る。
また、モルタルとしてエポキシ樹脂混和モルタルを使用する場合、現場で材料を混練しようとすると、混和材料の計量、混練器材の準備、洗浄等の作業が必要となり、現場で行うことは大変である。そのため、エポキシ樹脂混和モルタルを用いる場合には、予め工場等で所定の調合で混練し、混練後、硬化が進まぬよう−5℃以下の低温状態で冷凍保存しておく。そして、エポキシ樹脂混和モルタルを使用場所で自然放置、或いは温水に浸ける等して解凍し、柔らかくなった状態で使用する方法が好適である。
表面板2に開けられる確認孔13の大きさは、特に限定されるものではないが、小さすぎると塞ぎ材30が挿入しづらくなる。確認孔13の大きさとしては5〜30mm程度が好ましい。
また、中空部5に形成されるモルタル固着部12の長さは、短すぎると十分な強度が確保出来ないため、50mm以上であることが好ましい。
さらに、図7、図8に示すように、塞ぎ材で塞がれた注入孔10、確認孔13に、さらに不定形の充填材31を充填し、表面板2の表面を平坦に仕上げてもよい。これにより補修後に塗装等の仕上げを支障なく施すことができる。充填材31は、例えば、モルタル、シーリング材、又は、エポキシ樹脂系のパテ材である。
そのため、注入補強したモルタル固着部12の中空部5の上端開口を塞いでおくことが好ましい。具体的には、図2に示すように、モルタルを注入充填し補強した中空部5において、パネル上端部より下側に注入孔40をあけ、該注入孔40の直下の中空部5に受け材41を設け、該注入孔10から中空部5にモルタルを注入充填、硬化させることによりモルタル固着部42を形成し、中空部5の上端開口をモルタル固着部42で塞いでおく。これにより、パネル上端からの水の浸入を防ぐことができる。なお、パネル上端にモルタルを注入充填する場合、充填が不十分でパネル上端1aとモルタル固着部42の上部42aの間に隙間があると、その部分に水が溜まる危険性があるため、モルタル固着部42の上部42aはパネル上端1aよりも若干盛りぎみにしておいた方が良い。
2,3 :表面板
4 :隔壁部
5 :中空部
6 :ひび割れ
10 :注入孔
11 :受け材
12 :モルタル固着部
13 :確認孔
14 :ひび割れの上方の先端部
15 :ひび割れの下方の先端部
20 :補強材
21 :補強材本体
22 :突起部
30 :塞ぎ材
31 :充填材
32 :凹部
33 :充填材
40 :注入孔
41 :受け材
42 :モルタル固着部
Claims (33)
- 略平行に配された一対の略長方形状の表面板と、前記表面板の長手方向に延びて該一対の表面板を所定間隔で一体的に結合する複数の隔壁部と、隣接する前記隔壁部の間に画成される中空部とを有し、長手方向が略鉛直方向となるように建築物の躯体に取り付けられた押出成形板において、略長手方向に発生したひび割れの補修方法であって、
前記ひび割れの発生している箇所の前記中空部において、前記表面板の所定位置に注入孔をあけ、該注入孔から該注入孔の直下の前記中空部に受け材を設け、該注入孔から前記中空部にモルタルを注入充填し硬化させることにより、前記ひび割れ発生箇所の該中空部に密実な柱状のモルタル固着部を形成すること、を特徴とするひび割れの補修方法。 - 前記ひび割れの発生している箇所の中空部において、該ひび割れ発生箇所の全体に亘って、連続した前記モルタル固着部を形成する、請求項1に記載のひび割れの補修方法。
- 前記ひび割れの発生している箇所の中空部において、該ひび割れ発生箇所の全体に亘って断続的に、複数の前記モルタル固着部を形成する、請求項1に記載のひび割れの補修方法。
- 前記注入孔の上方の所定位置に確認孔をあけ、該注入孔から該確認孔までの間に前記モルタル固着部を形成する、請求項1〜3のいずれか一項に記載のひび割れの補修方法。
- 前記注入孔から、前記ひび割れの上方の先端部を超え、該先端部の近傍の位置までの間に前記モルタル固着部を形成する、請求項1〜4のいずれか一項に記載のひび割れの補修方法。
- 前記ひび割れの上方の先端部を超え、該先端部の近傍の位置に確認孔をあけ、該確認孔部まで前記モルタル固着部を形成する、請求項5に記載のひび割れの補修方法。
- 前記ひび割れの上方の先端部を超え、該先端部の近傍の位置まで注入されたモルタルの上端位置から、前記ひび割れの上方の先端部までの寸法が0cm以上、30cm以下である、請求項5または6に記載のひび割れの補修方法。
- 前記ひび割れの上方の先端部を超え、該先端部の近傍の位置にあけられる前記確認孔の位置が、前記ひび割れの略延長線上である、請求項6に記載のひび割れの補修方法。
- 前記ひび割れの下方の先端部を超え、該先端部の近傍の位置まで前記モルタル固着部を形成する、請求項1〜8のいずれか一項に記載のひび割れの補修方法。
- 前記ひび割れの下方の先端部を超え、該先端部の近傍の位置にあけられる前記注入孔の位置が、前記ひび割れの略延長線上である、請求項9に記載のひび割れの補修方法。
- 前記ひび割れの下方の先端部を超え、該先端部の近傍の位置にあけられる前記注入孔の位置から、ひび割れの下方の先端部までの寸法が0cm以上、30cm以下である、請求項9または10に記載のひび割れの補修方法。
- 前記受け材が、前記注入孔から挿入する前は前記中空部の断面よりも大きなスポンジ状の発泡体であり、該スポンジ状の発泡体を前記注入孔から圧縮しながら挿入することにより前記受け材を設ける、請求項1〜11のいずれか一項に記載のひび割れの補修方法。
- 前記受け材が風船であり、膨らませる前の風船を前記注入孔から挿入し、該注入孔の直下の前記中空部で膨らませることにより前記受け材を設ける、請求項1〜12のいずれか一項に記載のひび割れの補修方法。
- 前記受け材が、発泡材を現場発泡させてなる発泡体であり、前記孔から該発泡材を噴射することにより該孔の直下の前記中空部に前記受け材を設ける、請求項1〜13のいずれか一項に記載の補修方法。
- 前記発泡体がウレタンである、請求項14に記載のひび割れの補修方法。
- 前記モルタルを注入する前に、前記注入孔から前記中空部に線状の補強材を挿入し、該補強材を前記モルタル固着部に内在させる、請求項1〜15のいずれか一項に記載のひび割れの補修方法。
- 前記補強材は、線状の補強材本体と、該補強材本体から該補強材本体の軸と略垂直方向に突出した2箇所以上の突起部とを有している、請求項16に記載のひび割れの補修方法。
- 前記突起部は、前記補強材本体の両端部近傍に設けられている、請求項17に記載のひび割れの補修方法。
- 前記モルタルには、主剤と硬化剤とを含む反応硬化型のエポキシ樹脂からなる結合材が混和されている、請求項1〜18のいずれか一項に記載のひび割れの補修方法。
- 前記モルタルには、ガラス粉末、ガラスバルーン又は硅石紛体が混和されている、請求項1〜19のいずれか一項に記載のひび割れの補修方法。
- 前記モルタルには、グラスファイバー、カーボンファイバー又はスチールファイバーが混和されている、請求項1〜20のいずれか一項に記載のひび割れの補修方法。
- エポキシ樹脂からなる前記結合材が混和された前記モルタルを混練した後、硬化が進まぬよう−5℃以下の低温状態で冷凍保存しておき、使用場所で解凍し、柔らかくなった状態で注入充填する、請求項19に記載のひび割れの補修方法。
- 前記注入孔の大きさが10mm以上、50mm以下である、請求項1〜22のいずれか一項に記載のひび割れの補修方法。
- 前記確認孔の大きさが5mm以上、30mm以下である、請求項4、6または8のいずれか一項に記載のひび割れの補修方法。
- 前記モルタル固着部の長さが50mm以上である、請求項1〜24のいずれか一項に記載のひび割れの補修方法。
- 前記注入孔から前記モルタルを注入充填した後、該注入孔を塞ぎ材で塞ぐ、請求項1〜25のいずれか一項に記載のひび割れの補修方法。
- 前記注入孔から前記モルタルを注入充填した後、前記確認孔を塞ぎ材で塞ぐ、請求項4、6、8または24のいずれか一項に記載のひび割れの補修方法。
- 前記塞ぎ材で塞がれた前記注入孔と前記確認孔に、さらに不定形の充填材を充填し、前記表面板の表面を平坦に仕上げる、請求項27に記載のひび割れの補修方法。
- 前記不定形の充填材が、モルタル、シーリング材又はエポキシ樹脂系のパテ材である、請求項28に記載のひび割れの補修方法。
- 前記ひび割れに対し、前記表面板の表面を該ひび割れに沿ってVカット又はUカットすることにより凹部を形成し、該凹部に不定形の充填材を充填し、前記表面板の表面を平坦に仕上げる、請求項1〜29のいずれか一項に記載のひび割れの補修方法。
- 前記不定形の充填材が、モルタル、シーリング材又はエポキシ樹脂系のパテ材である、請求項30に記載のひび割れの補修方法。
- 前記モルタル固着部が形成された前記中空部の上端において、上端部よりも下側の前記表面板に注入孔をあけ、該注入孔の直下の前記中空部に受け材を設け、該注入孔から前記中空部にモルタルを注入充填し硬化させることにより、該中空部の上端開口を塞ぐ、請求項1〜31のいずれか一項に記載のひび割れの補修方法。
- 略平行に配された一対の略長方形状の表面板と、前記表面板の長手方向に延びて該一対の表面板を所定間隔で一体的に結合する複数の隔壁部と、隣接する前記隔壁部の間に画成される中空部とを有し、長手方向が略鉛直方向となるように建築物の躯体に取り付けられた押出成形板において、略長手方向に発生したひび割れの補修構造体であって、
前記ひび割れの発生している箇所の前記中空部の前記表面板の所定位置にあけられた注入孔と、該注入孔の直下の前記中空部に設けられた受け材と、前記ひび割れ発生箇所の該中空部の前記受け材上に密実に形成された柱状のモルタル固着部とを有すること、を特徴とするひび割れの補修構造体。
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