JP2017052826A - 蛍光材料、およびその製造方法、ならびにその蛍光材料を用いた発光装置 - Google Patents

蛍光材料、およびその製造方法、ならびにその蛍光材料を用いた発光装置 Download PDF

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靖 服部
亮介 平松
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亮介 平松
加藤 雅礼
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Abstract

【課題】蛍光体の初期の発光強度を低下させることなく、蛍光体の経時的な発光強度低下を抑制した蛍光体、およびかかる蛍光体を用いた発光装置の提供。
【解決手段】フッ化物ガラス基材と、前記フッ化物ガラス基材中に分散されている、下記式(A)
(Si1−x−y,M,Mn)F (A)
(式中、Mは、Ti、GeおよびSnからなる群より選択される金属の少なくともひとつであり、
1.5≦a≦2.5、5.5≦b≦6.5、0≦x<0.3、および0<y<0.06
である)で表される蛍光体とを含むことを特徴とする、蛍光材料。
【選択図】図1

Description

本発明は、蛍光体、蛍光材料、およびその製造方法、ならびにその蛍光材料を用いた発光装置に関するものである。
発光ダイオード(Light−emitting Diode:LED)発光装置は、主に励起光源としてのLEDチップと蛍光体との組み合わせから構成され、その組み合わせによって様々な色の発光色を実現することができる。
白色光を放出する白色LED発光装置には、青色領域の光を放出するLEDチップと蛍光体との組み合わせが用いられている。例えば、青色光を放つLEDチップと、蛍光体混合物との組み合わせが挙げられる。蛍光体としては主に青色の補色である黄色発光蛍光体が使用され、擬似白色光LED発光装置として使用されている。その他にも青色光を放つLEDチップと、緑色ないし黄色発光蛍光体、および赤色発光蛍光体が用いられている3波長型白色LEDが開発されている。このような発光装置に用いられる赤色発光蛍光体の一つとしてKSiF:Mn蛍光体が知られている。白色LED発光装置に用いられる蛍光体には、励起光源であるLEDチップから放射される光をよく吸収し、かつ高い効率で可視光を発光することが求められている。また、この蛍光体は水、熱、および光等の影響により発光強度の低下が生じることが知られており、発光強度の低下を抑制することが求められている。
特開2005−68343号公報
本発明は、蛍光体の初期の発光強度を低下させることなく、蛍光体の経時的な発光強度低下を抑制した蛍光材料、およびかかる蛍光体を用いた発光装置を提供することを目的とするものである。
本発明の一実施態様にかかる蛍光材料は、
フッ化物ガラス基材と、
前記フッ化物ガラス基材中に分散されている、下記式(A)
(Si1−x−y,M,Mn)F (A)
(式中、
Mは、Ti、GeおよびSnからなる群より選択される金属であり、
1.5≦a≦2.5、
5.5≦b≦6.5、
0≦x<0.3、および
0<y<0.06
である)
で表される蛍光体と
を含むことを特徴とするものである。
また、本発明の一実施形態にかかる発光装置は、
前記蛍光材料と、
420〜480nmの波長領域に発光ピークを有する励起光を発する発光素子と
を具備することを特徴とするものである。
本発明の一実施形態にかかる蛍光材料の模式断面図。 本発明の一実施形態にかかる発光装置の模式断面図。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。ただし、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための蛍光材料および発光装置を示すものであり、本発明は以下の例示に限定されない。
また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、記載した実施形態に特定するものではない。特に実施形態に記載されている構成部品の大きさ、材質、形状、その配置等は本発明の範囲を限定する趣旨ではなく、説明例に過ぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等においても説明を明確にするため誇張していることがある。さらに、同一の名称、符号については同一、もしくは同質の部材を示しており、詳細な説明を省略する。本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して、同一の部材で複数の要素を兼用してもよく、逆に同一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することも可能である。
本発明者らは、主としてケイフッ化カリウムからなり、マンガンで付活された蛍光体について鋭意検討および研究を重ねた結果、蛍光体の周囲を取り巻く環境または媒体と、発光装置の連続運転時の蛍光体の経時的な発光強度低下とに相関があることを見出した。
図1は、本発明の一実施形態にかかる蛍光材料の断面図である。実施形態にかかる蛍光材料101は、フッ化物ガラス基材102と発光蛍光体103とを含む蛍光材料であって、蛍光体がフッ化物ガラス基材中に分散されているものである。すなわち、実施形態による蛍光材料において、フッ化物ガラスは蛍光体を取り巻く媒体である。
蛍光材料の大きさは、目的に応じて任意に調製することができる。蛍光材料は、汎用性の観点から一般的には板状構造とされる。このとき、板状構造を有する蛍光材料の膜厚は、通常0.05〜2mmであり、好ましくは、0.3〜1mmである。厚さの薄い蛍光材料を複数枚貼り合わせることもできる。
フッ化物ガラス中に分散される蛍光体の平均粒子径は、1〜50μmであることが好ましく、より好ましくは、5〜40μmである。5〜30μmであることが特に好ましい。蛍光体の平均粒子径は、例えば、日機装株式会社製マイクロトラックMT3300EXIIなどの粒度分析計により測定される。また、蛍光材料において、フッ化物ガラス基材と蛍光体の体積比は、8:2〜1:9であることが好ましく、より好ましくは、5:5〜2:8である。一般に蛍光体の割合が高い方が好ましい。
実施形態にかかる蛍光体は、主としてケイフッ化カリウムからなり、マンガンで付活された蛍光体である。ここで主としてケイフッ化カリウムからなる蛍光体とは、蛍光体の基本的な結晶構造がケイフッ化カリウムであり、結晶を構成する元素の一部が他の元素で置換されたものをいう。
実施形態にかかる蛍光体は下記式(A)式で表わされる。
(Si1−xーy,M,Mn)F (A)
式中、
Mは、Ti、GeおよびSnからなる群より選択される金属であり、
1.5≦a≦2.5、好ましくは1.8≦a≦2.2、
5.5≦b≦6.5、好ましくは5.7≦b≦6.2、
0≦x<0.3、および
0<y<0.06、好ましくは0<y<0.05
である。
実施形態にかかる蛍光体は、420〜480nmの波長範囲内に発光ピークを有する励起光で励起した際に、600〜650nmの波長範囲内に発光ピークを有する光を放射する。一般に、紫外線から青色領域の光を吸収して、赤色の光を放射する、赤色蛍光発光体である。
実施形態にかかる蛍光体は、付活剤としてマンガンを含有するものである。マンガンが含有されていない場合(y=0)には紫外から青色領域に発光ピークを有する光で励起しても発光を確認することはできない。したがって、前記式(A)におけるyは0より大きいことが必要である。また、マンガンの含有量が多くなると発光効率が改良される傾向にあり、0.01以上であることが好ましい。また、赤色発光の蛍光体を得るためにはマンガンの価数は+4価であることが好ましい。
しかし、マンガンの含有量が多すぎる場合には、濃度消光現象が生じて、蛍光体の発光強度が弱くなる傾向にある。こうした不都合を避けるために、マンガンの含有量(y)は0.06以下であることが好ましく、0.05以下であることが好ましい。
また、実施形態による蛍光体はNa、Rb、Csなどのアルカリ金属元素やTi、Ge、Snなどその他の元素を少量含有してもよい。これら元素が少量含有される場合であっても蛍光体は類似の発光スペクトルを示し、所望の効果を達成することができる。ただし、蛍光体の安定性、蛍光体合成時の反応性などの観点から、これらの元素の含有量は少ないことが好ましい。また、これらの元素を含む蛍光体を合成しようとすると、合成手順を変更する必要がある場合もあり、製造コストを抑制するために、式(A)に含まれる金属元素以外の金属元素を用いないことが好ましい。
なお、実施形態による蛍光体は、化学量論的には酸素を含まないものである。しかしながら、蛍光体の合成プロセス中、または合成後の蛍光体表面の分解等により、酸素が不可避的に蛍光体中に混入してしまうことがある。蛍光体中の酸素の含有量はゼロであることが望ましいが、[酸素含有量]/[(フッ素含有量)+(酸素含有量)]の比が0.05より小さい範囲であれば、発光効率が大きく損なわれることがないので好ましい。
蛍光体全体に対する各元素の含有量を分析するには、例えば以下のような方法が挙げられる。K、Si、Mnなどの金属元素は、合成された蛍光体をアルカリ融解し、例えばIRIS Advantage型ICP発光分光分析装置(商品名、サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)によりICP発光分光法にて分析することができる。また、非金属元素Fは合成された蛍光体を熱加水分解により分離し、例えばDX−120型イオンクロマトグラフ分析装置(商品名、日本ダイオネクス株式会社製)により分析することができる。また、Fの分析は上述した金属元素と同様にアルカリ融解した後に、イオンクロマトグラフ法にて分析を行うことも可能である。
実施形態にかかるフッ化物ガラス基材の材料は、使用目的に応じて、金属フッ化物から選択することができる。金属フッ化物は、例えば、La、Y、Al、Ce、Ca、Sr、Ba、Mg、Sm、Nd、およびErからなる群より選択される金属のフッ化物が挙げられる。これらのうち、好ましくは、La、Y、およびAlのフッ化物であり、より好ましくは、扱いやすさの観点から、Laのフッ化物である。
フッ化物ガラス基材の基材全体厚さに対する透過率は、420nm〜680nmの波長領域全体にわたって、90%以上であることが好ましい。このときの測定方法は分光光度計、たとえばFluoroMax−4(堀場製作所株式会社製)などで測定することができる。
実施形態による蛍光材料は、任意の製造方法で製造することができる。そのなかで好ましい製造方法は蛍光体を合成した後に、所定の処理を行うことで、フッ化物ガラス基材内に蛍光体を分散させる方法である。
式(A)で表される蛍光体は、例えば、以下の方法により製造することができる。
まず、反応溶液として、過マンガン酸カリウム(KMnO)とフッ化水素(HF)を含有する水溶液を準備する。この反応溶液に、反応系にSiを供給し得るSi源を投入する。ここで、Si源としては、ケイ素を含む各種の材料を用いることができる。具体的には、単結晶シリコン、多結晶シリコン、非晶質シリコン、結晶性二酸化ケイ素および非晶質二酸化ケイ素などが挙げられる。
反応溶液にSi源を投入した後、一定時間反応させることにより、Si源の表面に所望の蛍光体が形成される。なお、Si源の形状は特に限定されないが、後述するようにSi源の表面に形成された蛍光体をSi源から剥離させる必要があるので、微粉末状ではないことが好ましい。すなわちSi源から蛍光体を単離させるためには、Si源の容積が形成される蛍光体の容積に対して相対的に大きいことが好ましい。例えば、形成される蛍光体結晶の容積に対して、20000倍以上の容積を有する粒子、板状材料、棒状材料の形状であるSi源を用いることができる。容積が大きく異なるSi源を用いれば、その表面に形成された蛍光体結晶を物理的に擦り取ったり、超音波振動などによって蛍光体結晶をSi源から剥離させたあと、篩によって分別したりすることが可能となる。具体的には、シリコンウェハーのようなシリコン基板、粒状のアモルファスシリコン、シリコン基板の表面に形成させた二酸化ケイ素膜などが挙げられる。
また、上記反応溶液はKMnOとHFの配合モル比が1/200〜1/40の範囲であることが好ましく、1/130〜1/80の範囲であることがより好ましい。更に反応溶液中のKMnO濃度が1質量%以上であることが好ましい。上記範囲を超えると、合成された蛍光体の外部量子効率が低下する問題や、反応性が低下して十分な量の蛍光体が合成できないために高コストになるといった問題が生じることがある。反応温度は特に限定されないが、温度が高いほうが反応効率がよくなる傾向にあるので、高い温度で反応を行うことが好ましいが、製造コストの観点からは過度の昇温は好ましくない。具体的には、80℃までの範囲で反応を行うことが好ましい。
上記合成方法により、式(A)で表される蛍光体を合成することができる。このような方法によると、発光効率の高い蛍光体を得ることができる。
この他、フッ化ケイ素(SiF)とフッ化マンガン(IV)カリウム(KMnF)とを含むHF水溶液に、フッ化水素カリウム(KHF)を含むHF水溶液を滴下して、式(A)の蛍光体を沈殿物として得ることもできる。
次に、蛍光体がフッ化物ガラス中に分散されている蛍光材料を製造する。このような蛍光材料を製造するためには、蛍光体をフッ化物ガラス基材の前駆体溶液中に分散させたゾルを形成させ、それを焼成する。ここで、焼成に先立って、前駆体溶液を基板上に塗布したり、型にキャスティングしてから焼成する方法が好ましい。以下にその方法を説明する。
まずフッ化物ガラス基材の前駆体となる溶液を作成する。この溶液は、例えば、溶媒に、金属塩、例えば金属酢酸塩を溶解させ、必要に応じて水を加え、これにフッ素化合物、例えばトリフルオロ酢酸(CFCOOH)を添加し撹拌することで、前駆体となるトリフルオロ酢酸の金属塩を含む溶液を作成することができる。例えば、溶媒としてはイソプロピルアルコールが好ましい。金属酢酸塩は、La、Y、Al、Ce、Ca、Sr、Ba、Mg、Sm、Nd、およびErからなる群より選択される金属の酢酸塩が好ましいが、より好ましくは、ランタン、アルミニウム、およびイットリウムの酢酸塩であり、最も好ましくは、ランタンの酢酸塩、つまり酢酸ランタン(La(CHCOO))である。
そして、この溶液に、蛍光体を加えて撹拌し、さらに乾燥により溶媒の一部を除去し、混合溶液を作成する。この状態で溶液はゾル状であることが好ましい。次に、混合溶液をスピンコート等により基板上に塗布し、または型の中にキャスティングして前駆体溶液の塗膜を形成させる。さらにこの塗膜を300〜600℃で5〜60分間焼成する。この結果、蛍光体表面にフッ化物ガラスの層が付着した状態の蛍光体粒子、または皮膜状または板状に成型された蛍光体材料を形成することができる。これを繰り返すことで、蛍光体粒子の表面に形成されたフッ化ガラスの層を厚くしたり、フッ化物ガラス基材中に蛍光体が分散された蛍光材料の厚さを増加させることができる。
さらに、別の形成方法として、弱酸を含有する水溶液に、フッ化カリウムまたはフッ化アンモニウムを溶解させ、これに蛍光体および金属塩化物を加えることで、蛍光体と金属フッ化物を含むゾルを作成し、その後は上記したように塗布および焼成をおこない、蛍光材料を形成することもできる。ここで、前記の弱酸としてはクエン酸、乳酸、リンゴ酸、および酒石酸などの有機ヒドロキシ酸が好ましく、より好ましくはクエン酸である。金属塩化物、La、Y、Al、Ce、Ca、Sr、Ba、Mg、Sm、Nd、およびErからなる群より選択される金属塩化物が好ましいが、より好ましくは、ランタン、アルミニウム、およびイットリウムの塩化物であり、最も好ましくは、ランタンの塩化物、つまり塩化ランタン(LaCl)である。
上記方法を、繰り返し行うことにより、膜厚の大きい蛍光材料を形成することもできる。繰り返し回数は、通常3回以上であり、発光効率と膜厚の観点から、好ましくは3〜10回である。
また、以下のように、上記の方法を組み合わせる方法も有効である。例えば、どちらかの方法で、フッ化物ガラスでコーティングされた蛍光体を作成し、そのコーティングされた蛍光体を、他方の原料として使用して、蛍光材料を形成する方法がある。
また、実施形態による蛍光材料は、その他の方法で製造することもできる。例えば、フッ化物ガラス、またはその原料混合物の溶融物中で、式(A)で表される蛍光体を析出させることで蛍光材料とすることもできる。
従来知られている発光装置の製造方法に、上記手法を組み合わせ、また、LEDパッケージに合った手法を選択し、実施形態による蛍光材料を具備したLED発光装置を製造することができる。また、たとえばLEDチップに上記の式(A)で表される蛍光体を含む溶媒を添加し、乾燥もしくは焼成することで、LEDチップの表層に実施形態による蛍光材料を形成することもできる。
フッ化物ガラスは熱伝導率が高く、LED駆動時の蛍光体の発熱を抑え、熱による劣化を抑制する。また、フッ化物ガラスは水分の侵入を防ぐため、蛍光体の水分による分解や酸化を防ぐことができる。これによって、経時的な蛍光体の発光強度低下が抑制されたLED発光装置を提供することができる。
実施形態にかかる蛍光体は紫外から青色領域に発光ピークを有する励起光源にて励起可能である。この蛍光体を含む蛍光材料を発光装置に用いる場合には、430〜470nm、特に430〜455nm、の波長領域に発光ピークを有する発光素子を励起光源として利用することが望ましい。上述の波長範囲外に発光ピークを有する発光素子を用いることは、発光効率の観点からは好ましくない。発光素子としては、LEDチップなどの固体光源素子を使用できる。
実施形態にかかる蛍光材料は、赤色の発光をする蛍光体を含む蛍光材料である。したがって、例えば、実施形態による蛍光材料と、その蛍光材料の上層または下層に形成された黄色発光蛍光体を含む発光層と組み合わせて用いることにより、白色発光装置を得ることができる。また、例えば、蛍光材料中に、黄色発光蛍光体を、式(A)の蛍光体とともに分散させた蛍光材料から、白色発光装置を得ることができる。なお、使用する、式(A)の蛍光体の他の蛍光体は発光装置の目的に合わせて任意に選択することができる。
例えば、色温度が低い白色発光装置を提供する際には、実施形態による蛍光体と黄色発光蛍光体と組み合わせることにより、効率と演色性を両立した発光装置を提供することができる。
ここで黄色発光蛍光体は、520〜600nm、好ましくは540〜570nm、の波長領域、すなわち緑色から黄色の領域に主発光ピークを有する蛍光体ということができる。このような蛍光体としては、例えば、(Sr,Ca,Ba)SiO:Eu、Ca(Sc,Mg)Si12:Ce等のケイ酸塩蛍光体、(Y,Gd)(Al,Ga)12:Ce、(Ca,Sr,Ba)Ga:Eu等の硫化物蛍光体、(Ca,Sr,Ba)Si:Eu、(Ca,Sr)−αSiAlON等のアルカリ土類酸窒化物蛍光体などが挙げられる。なお、主発光ピークとは、発光スペクトルのピーク強度が最も大きくなる波長のことであり、例示された蛍光体の発光ピークは、これまで文献などで報告されている。なお、蛍光体作製時の少量の元素添加やわずかな組成変動により、10nm程度の発光ピークの変化が認められることがあるが、そのような蛍光体も前記の例示された蛍光体に包含されるものとする。
また、実施形態による蛍光体を用いた発光装置には、上記以外の、青緑色発光蛍光体、橙色発光蛍光体、赤色発光蛍光体も用途に応じて使用することができる。橙色発光蛍光体、赤色発光蛍光体としては(Sr,Ca,Ba)SiO:Eu等のケイ酸塩蛍光体、Li(Eu,Sm)W等のタングステン酸塩蛍光体、(La,Gd,Y)S:Eu等の酸硫化物蛍光体、(Ca,Sr,Ba)S:Eu等の硫化物蛍光体、(Sr,Ba,Ca)Si:Eu、(Sr,Ca)AlSiN:Eu等の窒化物蛍光体などが挙げられる。
実施形態による蛍光体に更にこれらの蛍光体を組み合わせて使用することにより、効率だけでなく、照明用途での演色性や、バックライト用途での色域を更に改善することができる。ただし、使用する蛍光体の数が多すぎると、蛍光体同士が吸収、発光する再吸収・発光現象や散乱現象が生じて、発光装置の発光効率が低下する。
図2には、本発明の一実施形態にかかる発光装置の断面を示す。
図示する発光装置は、基板201上に、発光装置はリード202およびリード203、430〜470nmの波長領域に発光ピークを有する光を放射する半導体発光素子207、透明樹脂層210、パッケージカップ204、反射面205、ボンディングワイヤ208およびボンディングワイヤ209、実施形態にかかる蛍光材料211、黄色蛍光体層212を有する。底面中央部には、半導体発光素子207がAgペースト等によりマウントされている。半導体発光素子207としては、可視領域の発光を行なうものを用いることができる。例えば、GaAs系、GaN系等の半導体発光ダイオード等を用いることが可能である。なお、リード202およびリード203の配置は、適宜変更することができる。
発光装置の凹部206内には、透明樹脂層210、蛍光材料211、黄色蛍光体層212が配置される。この黄色蛍光体層212は、例えばシリコーン樹脂からなる樹脂層中に5wt%以上50wt%以下の割合で分散することによって形成することができる。蛍光材料211は、有機材料である樹脂や無機材料であるガラスなど種々のバインダーによって、付着させることができる。なお、蛍光材料211と発光素子207との間には、他の蛍光体を含む層を設けないことが好ましい。ここで他の蛍光体とは、式(A)で表される蛍光体とは異なるものをいい、特に赤色以外の領域に発光ピークを有する蛍光体、例えば黄色発光蛍光体、青緑色発光蛍光体、橙色発光蛍光体、青色発光蛍光体をいう。
有機材料のバインダーとしては、上述したシリコーン樹脂の他にエポキシ樹脂、アクリル樹脂など耐光性に優れた透明樹脂が適している。無機材料のバインダーとしてはアルカリ土類ホウ酸塩等を使用した低融点ガラス等、粒径の大きな蛍光体を付着させるために超微粒子のシリカ、アルミナ等、沈殿法により得られるアルカリ土類リン酸塩等が適している。これらのバインダーは、単独でも2種以上を組み合わせて用いてもよい。
半導体発光素子207としては、n型電極とp型電極とを同一面上に有するフリップチップ型のものを用いることも可能である。この場合には、ワイヤの断線や剥離、ワイヤによる光吸収等のワイヤに起因した問題を解消して、信頼性の高い高輝度な半導体発光装置が得られる。また、半導体発光素子207にn型基板を用いて、次のような構成とすることもできる。具体的には、n型基板の裏面にn型電極を形成し、基板上の半導体層上面にはp型電極を形成して、n型電極またはp型電極をリードにマウントする。p型電極またはn型電極は、ワイヤにより他方のリードに接続することができる。半導体発光素子207のサイズ、凹部の寸法および形状は、適宜変更することができる。
以下、実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
イソプロパノール45mlに酢酸ランタン4.5g、およびトリフルオロ酢酸6mlを添加し、2時間撹拌してフッ化物ガラスであるフッ化ランタンの前駆体ゾルを作成した。共沈法によって合成されたMnで付活されたケイフッ化カリウムであるK(Si0.97,Mn0.03)F蛍光体5gに、前述の前駆体ゾルを10ml添加し、300℃で焼成を行うことで、蛍光体表面にフッ化ランタンを析出させた。これを複数回くりかえし、蛍光体表面に形成されたフッ化ランタン層を膜厚を約0.2μmにした。
次に、上記表面にフッ化ランタン層が形成された蛍光体をクエン酸2gおよびフッ化カリウム1gを溶解させた水溶液100mlに添加し、撹拌を行いながら塩化ランタン2gを加え、5分間撹拌したのち、吸引濾過および乾燥を行うことで、フッ化ランタンを含むフッ化物ガラス基材中に蛍光体が分散した蛍光材料を得た。このとき、蛍光材料の膜厚は300μmであった。なお、さらに上記前駆体ゾルを加え、焼成することでフッ化ランタンの構造をより強固にすることもできる。
得られた蛍光材料をあらかじめパッケージにマウントされたLEDチップ上に配置し、さらに蛍光材料の上方に、シリコーン樹脂にまぶした黄色蛍光体(SiAlON蛍光体)を加え、オーブンで加熱して樹脂を固め、白色LED装置を作成した。
[比較例1]
実施例1の白色LED装置に対して、蛍光材料を、実施例1と同様の共沈法によって合成されたK(Si0.97,Mn0.03)F蛍光体5gがシリコーン樹脂に分散されたものであること以外は同様にして、白色LED装置を作成した。
実施例1と比較例1は、初期の発光強度は同程度であるが、LEDに1W投入し、800時間連続運転後、比較例1の白色LEDの発光強度は、10%低下したのに対して、実施例1は、5%以下の低下に留まった。この結果より、実施例1の白色LED装置は、比較例1と比較して、経時的な発光強度の低下が抑制されていることがわかった。
101…蛍光材料
102…フッ化物ガラス基材
103…蛍光体
201…基材
202…リード
203…リード
204…パッケージカップ
205…反射面
206…凹部
207…発光素子
208…ボンディングワイヤ
209…ボンディングワイヤ
210…蛍光材料
211…蛍光発光層

Claims (12)

  1. フッ化物ガラス基材と、
    前記フッ化物ガラス基材中に分散されている、下記式(A)
    (Si1−xーy,M,Mn)F (A)
    (式中、
    Mは、Ti、GeおよびSnからなる群より選択される金属であり、
    1.5≦a≦2.5、
    5.5≦b≦6.5、
    0≦x<0.3、および
    0<y<0.06
    である)
    で表される蛍光体と
    を含むことを特徴とする、蛍光材料。
  2. 前記蛍光体が、420〜480nmの波長範囲内に発光ピークを有する励起光で励起した際に、600〜650nmの波長範囲内に発光ピークを有する光を放射する赤色蛍光発光体である、請求項1に記載の蛍光材料。
  3. 前記フッ化物ガラス基材が、La、Y、Al、Ce、Ca、Sr、Ba、Mg、Sm、Nd、およびErからなる群より選択される金属の金属フッ化物を含む、請求項1または2に記載の蛍光材料。
  4. 420〜680nmの波長領域全体にわたって、前記フッ化物ガラス基材の基材全体厚さに対する透過率が90%以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の蛍光材料。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の蛍光材料と、
    430〜470nmの波長領域に発光ピークを有する励起光を発する発光素子と、
    を具備することを特徴とする、発光装置。
  6. 前記蛍光材料と、前記発光素子との間に、式(A)で表される蛍光体とは他の蛍光体を含む層が配置されない、請求項5に記載の発光装置。
  7. 520〜600nmの波長領域に発光ピークを有する黄色発光蛍光体をさらに具備する、請求項5または6に記載の発光装置。
  8. 前記発光素子の上に前記蛍光材料が配置され、その上に前記黄色発光蛍光体が配置される、請求項7に記載の発光装置。
  9. La、Y、Al、Ce、Ca、Sr、Ba、Mg、Sm、Nd、およびErからなる群より選択される金属塩と、フッ素化合物とを含む溶液に、下記式(A)
    (Si1−x−y,M,Mn)F (A)
    (式中、
    Mは、Ti、GeおよびSnからなる群より選択される金属であり、
    1.5≦a≦2.5、
    5.5≦b≦6.5、
    0≦x<0.3、および
    0<y<0.06
    である)
    で表される蛍光体を混合して作成したゾルを、焼成すること
    を含むことを特徴とする、蛍光材料を製造する方法。
  10. 前記金属塩が金属酢酸塩であり、かつ、前記フッ素化合物がトリフルオロ酢酸である、請求項9に記載の方法。
  11. 前記焼成が、300〜600℃で行われる、請求項9または10に記載の方法。
  12. 前記ゾルを、型にキャスティングしてから焼成する、請求項9〜11のいずれか1項に記載の方法。
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