JP2017052678A - ガラス板の製造方法及びその製造装置 - Google Patents

ガラス板の製造方法及びその製造装置 Download PDF

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Abstract

【課題】処理空間でガラス板を搬送しつつその下面にエッチング処理を施す際に、ガラス板の上面についても外周部と中央部とで均一なエッチング処理が施されるようにし、エッチング処理後のガラス板の高品質化を図る。【解決手段】給気口20及び排気口24を有する下部構成体10の上面と、上部構成体9の下面とを対向させて配置し、対向する両面の相互間に形成される処理空間12で、給気口20から吹き出されて排気口24に吸い込まれる処理ガス5によって、水平方向に搬送されるガラス板3の下面3aにエッチング処理を施すに際して、処理空間12は、給気口20が位置する領域の高さが、排気口24が位置する領域の高さよりも高くされる。【選択図】図2

Description

本発明は、フッ化水素等の処理ガスを用いてガラス板にエッチング処理を施す工程を有するガラス板の製造方法及びその製造装置に関する。
周知のように、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、フィールドエミッションディスプレイ等に代表されるフラットパネルディスプレイ(FPD)や、スマートフォン、タブレット型PC等のモバイル機器、その他の各種電子デバイス等には、種々の板厚やサイズのガラス板が組み込まれている。
この種の最終製品たるガラス板を作り出すための元になるガラス板の製造工程では、静電気の帯電に起因する問題が生じ得る。例えば、作業台上にガラス板を置いて所定の処理を施す際には、静電気の帯電に起因してガラス板が作業面に貼り付く事態が生じ得る。そのため、所定の処理を終えたガラス板を作業台から剥離させる際には、当該ガラス板の破損を招来し得る。
このような問題の対応策として、フッ化水素等の処理ガスをガラス板に吹き付けてエッチング処理を施し、当該ガラス板の表面を粗化させることで、上述の静電気の帯電に起因する問題を解決しようとする試みが推進されている。
その具体例として、特許文献1によれば、一定の搬送経路に沿って搬送されるガラス板が処理空間を通過する際に、吹出しノズルから吹き出されて吸引ノズルに吸い込まれる処理ガスによって、該ガラス板の下面にエッチング処理を施すことが開示されている。
詳述すると、同文献に開示されたエッチング装置では、上部構成体(上側の構成部)の下面と、下部構成体(下側の構成部)の上面との相互間に、搬送中のガラス板の下面にエッチング処理を施すための処理空間が形成される。この場合、上部構成体は天板のみで形成される。一方、下部構成体は、ガラス板の搬送方向後側(搬送経路の上流側)に配置された吹出しノズルと、ガラス板の搬送方向前側(搬送経路の下流側)に配置された吸引ノズルと、この両ノズル間に介設された底板とを一体化して形成される。
国際公開第2011/105331号
ところで、特許文献1に開示されたエッチング装置は、下部構成体である吹出しノズルと底板と吸引ノズルとの各上面が面一状態とされ、この各上面は、天板の下面と平行に配列されている。そのため、下部構成体の上面と天板の下面との間に形成される処理空間の上下方向寸法は、ガラス板の搬送方向全長に亘って均一とされている。しかも、天板の下面は単一の平面であるため、処理空間の高さは、ガラス板の搬送方向全長に亘って同一とされている。
このエッチング装置によれば、下部構成体の上面と天板の下面との間の空間、詳しくは吹出しノズルの配置領域から吸引ノズルの配置領域に亘る処理空間に、ガラス板が進入していない場合には、処理空間内に処理ガスが充満した状態となる。この状態で、処理空間にガラス板が進入した場合には、処理空間がガラス板によって上側の空間と下側の空間とに分断されるが、上側の空間では、吸引ノズルによる処理ガスの吸引を行うことができない。そのため、ガラス板の搬送方向前端部の上面が、既に充満していた処理ガスによってエッチングされるが、この処理ガスは補充されない。
この場合、処理空間の高さが既述のように形成されていると、この処理ガスは、上側の空間に適量が溜められない状態になるため、ガラス板と反応しつつ短時間で減少していく。そして、ガラス板が処理空間から出ていく途中で、この処理ガスは完全に存在しなくなるため、ガラス板の搬送方向中央部がこの処理ガスによって適切にエッチングされることはない。この後、ガラス板が処理空間から出ていく際には、ガラス板の下面に吹き付けられていた処理ガスが、ガラス板の搬送方向後端から上側の空間に回り込む。そのため、ガラス板の搬送方向後端部の上面が処理ガスによってエッチングされるが、この処理ガスはガラス板の搬送方向中央部にまで流れることはない。
以上のように、ガラス板が処理空間に進入してから出ていくまでの過程では、ガラス板の上面は、先ず搬送方向前端部がエッチングされ、搬送方向中央部は殆どエッチングされず、再び搬送方向後端部がエッチングされる。なお、ガラス板の搬送方向と直交する幅方向両端部でも、処理ガスがガラス板の上面側に回り込むが、この処理ガスもガラス板の幅方向中央部にまで流れることはない。
したがって、ガラス板の上面は、外周部と中央部とでエッチングにバラツキが生じ、エッチング処理後におけるガラス板の高品質化を図ることが困難となる。
以上の観点から、本発明の課題は、処理空間でガラス板を搬送しつつその下面にエッチング処理を施す際に、ガラス板の上面についても外周部と中央部とで均一なエッチング処理が施されるようにし、エッチング処理後のガラス板の高品質化を図ることである。
上記課題を解決するために創案された本発明は、給気口及び排気口を有する下部構成体の上面と、上部構成体の下面とを対向させて配置し、対向する両面の相互間に形成される処理空間で、給気口から吹き出されて排気口に吸い込まれる処理ガスによって、水平方向に搬送されるガラス板の下面にエッチング処理を施すと共に、給気口と排気口とを、ガラス板の搬送方向に離隔して位置させたガラス板の製造方法において、処理空間は、給気口が位置する領域の高さが、排気口が位置する領域の高さよりも高いことに特徴づけられる。ここで、「水平方向に搬送されるガラス板」とは、ガラス板が非傾斜方向である水平方向に搬送される場合のみならず、ガラス板が水平面に対して上下に30°以下の角度で傾斜した方向に搬送される場合をも含む(以下、同様)。また、これらの場合におけるガラス板の姿勢は、ガラス板が搬送方向の両側方に対して非傾斜状態となる姿勢のみならず、ガラス板が搬送方向の一側方から他側方に対して30°以下の角度で傾斜状態となる姿勢をも含む(以下、同様)。
このような構成によれば、処理空間(詳しくは、給気口が位置する領域から排気口が位置する領域までの空間)にガラス板が進入していない場合には、給気口から上方に向かって吹き出された処理ガスは、処理空間の全域に亘って充満されつつ排気口に至る。この状態で、処理空間内にガラス板が進入して、処理空間がガラス板によって上側の空間と下側の空間に分断された場合には、上側の空間に既に充満していた処理ガスが、上側の空間に依然として十分に溜められた状態になり得る。すなわち、処理空間は、給気口が位置する領域の方が、排気口が位置する領域よりも高さが高いため、処理空間の上側の空間においては、高さが高い方の領域に十分な量の処理ガスを溜めておくことができる。加えて、高さの高い方の領域に溜められた処理ガスは、高さの低い方の領域によって外方への流れが阻止されるため、処理ガスの減量が抑制され、これによっても上側の空間に十分な量の処理ガスが溜められた状態を維持し得る。したがって、ガラス板が処理空間から出ていく途中であっても、処理ガスはガラス板の上面と反応しつつ適量が残存することになり、ガラス板の上面における搬送方向中央部が適切にエッチングされる。そして、このような態様であれば、ガラス板が処理空間から完全に抜け出るまで、上側の空間に溜められている処理ガスによって、ガラス板の上面が適切にエッチングされ得る。したがって、ガラス板が処理空間に進入してから抜け出るまでの間において、ガラス板の上面における搬送方向前端部及び後端部を含む外周部のみならず、中央部についても適切なエッチング処理が施され得る。その結果、ガラス板の上面全域に亘ってエッチング処理の均一化が図られ、ガラス板の下面が本来的に適切且つ均一なエッチング処理を受ける事と相俟って、エッチング処理後におけるガラス板の高品質化が実現する。
上記の方法において、給気口は、排気口よりもガラス板の搬送方向後側に位置していることが好ましい。
このようにすれば、上述の効果を、より一層高い確率で享受することができる。
以上の方法において、上部構成体の下面は、給気口が位置する領域と排気口が位置する領域との間に高低差を有する二つの平面部を備え、これら二つの平面部の内、前者の領域に対応する平面部が、後者の領域に対応する平面部よりも高い位置に形成されていることが好ましい。
このようにすれば、処理空間でガラス板の上側の空間に存する処理ガスは、溜められる量が十分になることに加えて、二つの平面部の段差部が流通抵抗となって外方向への流れが阻止され得る。そのため、処理空間の上側の空間には、処理ガスがより一層十分に溜まり易い状態になる。したがって、処理空間の上側の空間では、ガラス板の上面全域に対する処理ガスによるエッチング処理が、より一層均一化され得る。
以上の方法において、下部構成体の上面は、給気口が位置する領域と排気口が位置する領域との間に高低差を有しない一つの平面部を備えていることが好ましい。
このようにすれば、下部構成体の構造に大幅な改良や特殊設計を加える必要がなくなると共に、上述の上部構成体の下面が高低差を有する二つの平面部を備えるという技術的思想との組み合わせによって、処理空間の形態が好適で意義のあるものとなる。
以上の方法において、給気口が位置する領域の高さと、排気口が位置する領域の高さとの差が、5〜100mmであることが好ましい。
このようにすれば、処理空間でガラス板の上側の空間に存する処理ガスは、不当に減量されることなく適量が確実に溜められた状態に維持され得る。すなわち、上記の高低差が5mm未満であると、処理ガスの溜められる量が不足すると共に処理ガスの処理空間外方への流れを十分に阻止できなくなり、ガラス板の中央部を適度にエッチングできなくなるおそれがある。一方、上記の高低差が100mmを超えると、処理ガスの量に対して高い方の領域が広くなり過ぎて処理ガスの分布状態がまばらになるため、均一なエッチング処理に支障を来たすおそれがある。したがって、この場合の高低差は、上記の数値範囲内にあることが好ましい。
以上の方法において、上部構成体の下面に、水平方向に搬送されるガラス板の上面にエッチング処理を施すべく処理ガスを吹き出させる第二の給気口を形成してもよい。
このようにすれば、第二の給気口から下方に向かって吹き出された処理ガスによって、ガラス板の上面が全面に亘って均一で且つ十分なエッチング処理を受け得る。すなわち、第二の給気口が形成されていない場合には、エッチング処理の均一化が可能であっても、ガラス板の上面には、残存した少量の処理ガスが接触して反応するに過ぎない。しかしながら、第二の給気口からガラス板の上面に向かって処理ガスを吹き付ければ、ガラス板の上面が十分な量の処理ガスと反応するため、エッチング不足等の不具合が生じ難くなる。なお、第二の給気口から吹き出された処理ガスが、既述の排気口に吸い込まれるようにすれば、当該排気口が共用されることになり、部品点数の削減や構成の簡素化が図られる。この場合における処理ガスの排気口への吸い込みは、ガラス板の幅方向(搬送方向と直交する方向)の両端部を通じても行われ得る。
以上の方法において、上部構成体は、天板を有し、天板の下面と下部構成体の上面との相互間に、処理空間を形成するようにしてもよい。
このようにすれば、従来から使用されている既存の装置の構成要素(既述の特許文献1参照)である天板が有効利用される。
この場合において、上述の天板は、ガラス板の搬送方向前側の前側天板と、搬送方向後側の後側天板とに分割されており、前側天板の下面と後側天板の下面との間に高低差が設けられていることが好ましい。
このようにすれば、既存の天板を、前側天板と後側天板とに分割して、この両者間に高低差を設けて組み付け一体化するだけで、所望の形態の処理空間を形成することができるため、構成の簡略化等が図られる。
さらにこの場合において、前側天板と後側天板との分割部に、水平方向に搬送されるガラス板の上面にエッチング処理を施すべく処理ガスを吹き出させる第二の給気口を位置させてもよい。
このようにすれば、第二の給気口の配設位置として、前側天板と後側天板との分割部が有効利用され、部品点数の削減や組み付け作業の容易化等が図られる。
以上の方法において、第二の給気口を、ガラス板の搬送方向における給気口と排気口との間に位置させることが好ましい。
このようにすれば、給気口から吹き出されて排気口に向かう処理ガスの流れ方向と、第二の給気口から吹き出されて排気口に向かう処理ガスの流れ方向とを同一方向にすることができる。これにより、処理ガスの乱流等が生じ難くなり、ガラス板の上面及び下面の全面に対して均一なエッチング処理を施す上で有利となる。
上記課題を解決するために創案された本発明に係る装置は、給気口及び排気口を有する下部構成体の上面と、上部構成体の下面とを対向させて配置し、対向する両面の相互間に形成される処理空間で、給気口から吹き出されて排気口に至る処理ガスによって、水平方向に搬送されるガラス板の下面にエッチング処理を施すと共に、給気口と排気口とを、ガラス板の搬送方向に離隔して位置させたガラス板の製造装置において、処理空間は、給気口が位置する領域の高さが、排気口が位置する領域の高さよりも高いことに特徴づけられる。
このガラス板の製造装置は、既述の本発明に係るガラス板の製造方法と実質的に同一の構成要件を備えている。したがって、この装置についての説明事項も、既述の方法についての説明事項と実質的に同一となるため、ここではその説明を省略する。
本発明によれば、処理空間でガラス板を搬送しつつその下面にエッチング処理を施す際に、ガラス板の上面についても外周部と中央部とで均一なエッチング処理が施されて、エッチング処理後のガラス板の高品質化が図られる。
本発明の第一実施形態に係るガラス板の製造装置の全体概略構成を示す縦断正面図である。 本発明の第一実施形態に係るガラス板の製造装置の要部構成を示す拡大縦断正面図である。 本発明の第一実施形態に係るガラス板の製造装置の構成要素である給気構体及びその周辺を示す拡大縦断側面図である。 本発明の第一実施形態に係るガラス板の製造装置の構成要素である給気口の周辺構造を示す要部拡大縦断正面図である。 本発明の第一実施形態に係るガラス板の製造装置の作用を示す要部拡大縦断正面図である。 本発明の第一実施形態に係るガラス板の製造装置の作用を示す要部拡大縦断正面図である。 本発明の第二実施形態に係るガラス板の製造装置の要部構成を示す拡大縦断正面図である。 本発明の第二実施形態に係るガラス板の製造装置の作用を示す要部拡大縦断正面図である。 本発明の第二実施形態に係るガラス板の製造装置の作用を示す要部拡大縦断正面図である。
以下、本発明の実施形態に係るガラス板の製造方法及びその製造装置について添付図面を参照して説明する。
<第一実施形態>
先ず、本発明の第一実施形態に係るガラス板の製造装置の全体概略構成を説明する。図1は、その全体概略構成を示す縦断正面図である。なお、以下の説明に際しては、図1における紙面と直交する方向を幅方向という。同図に示すように、ガラス板の製造装置1は、搬入口2aからチャンバー2内に搬入したガラス板3を水平方向に搬送しつつ、チャンバー2内におけるガラス板3の搬送経路上に設けた処理エリア4で、処理ガス5としてのフッ化水素によりエッチング処理を施す構成とされている。そして、エッチング処理後のガラス板3は、搬出口2bからチャンバー2外に搬出される。また、このガラス板の製造装置1は、チャンバー2内外に配置された複数のローラー6によって、水平方向に一直線状に延びた搬送経路に沿ってガラス板3を搬送する構成とされている。なお、ローラー6は、搬送経路に沿う方向に複数配置されているだけでなく、幅方向にも複数配置されている(図3参照)。
チャンバー2は、その外形が幅方向に長尺な直方体状に形成され、その内部空間からの処理ガス5の流出を防止している。そして、このチャンバー2の側壁部2cに、既述の搬入口2aと搬出口2bとが形成されている。なお、チャンバー2の材質は、処理ガス5(フッ化水素)に対する耐食性に優れたポリ塩化ビニルである。
処理エリア4には、チャンバー2内に設置された複数のローラー6により搬送されるガラス板3に対して、処理ガス5を吹き付けることでエッチング処理を施すためのエッチング装置7が配置されている。このエッチング装置7は、チャンバー2の天井壁2dとの間に隙間8が形成されるように、チャンバー2の底部2eに設置されている。
図2は、エッチング装置7の構成を詳細に説明するための拡大縦断正面図である。なお、以下の説明に際しては、図2における紙面と直交する方向を幅方向という。また、図2に示す矢印A方向は、ガラス板3の搬送方向であって、この矢印A方向を単に搬送方向という。したがって、図2における左側が搬送方向前側(搬送経路の下流側)であり、右側が搬送方向後側(搬送経路の上流側)である。
図2に示すように、エッチング装置7は、上側に配置された上部構成体9と、下側に配置された下部構成体10とを有し、この両構成体9、10は、幅方向の両端で連結壁11によって連結一体化されている。そして、上部構成体9の下面と下部構成体10の上面との相互間に、搬送されるガラス板3の下面に対して処理ガス5によるエッチング処理を施すための処理空間12が形成されている。なお、上部構成体9及び下部構成体10の材質は、ポリ塩化ビニルである。
下部構成体10は、上面が単一の平面とされた底板13と、底板13の搬送方向後部に垂下固定された給気構体14と、底板13の搬送方向前部に垂下固定された排気構体15とから構成される。底板13の搬送方向後部には、処理空間12に通じる給気孔16が形成されると共に、給気構体14には、給気孔16に通じる給気路17が形成されている。したがって、処理ガス5を上方に導いて処理空間12に吹出させるための給気用通路18は、給気孔16と給気路17とから構成される。そして、この給気用通路18の上端開口部が、底板13の上面19に形成された給気口20となる。なお、給気孔16は、上部が絞られて通路面積が小さくされた給気小孔部16aを有し、この給気小孔部16aの上端が既述の給気口20である。
底板13の搬送方向前部には、処理空間12に通じる排気孔21が形成されると共に、排気構体15には、排気孔21に通じる排気路22が形成されている。したがって、処理ガス5を処理空間12から下方に吸い込んで回収するための回収用通路23は、排気孔21と排気路22とから構成される。そして、この回収用通路23の上端開口部が、底板13の上面19に形成された排気口24となる。なお、排気孔21は、上部が絞られて通路面積が小さくされた排気小孔部21aを有し、この排気小孔部21aの上端が既述の排気口24である。そして、給気路17の下端及び排気路22の下端は、チャンバー2の底壁2fに形成された貫通孔25、26をそれぞれ介してチャンバー2外の管路(図示略)に通じている。
上部構成体9は、天板27で構成され、この天板27は、搬送方向前側の前側天板28と、搬送方向後側の後側天板29とに分割され、この分割された両天板28、29は、段差30(高低差)をもって固定一体化されている。したがって、上部構成体9の下面は、相対的に高い位置に存する後側天板29の下面31と、相対的に低い位置に存する前側天板28の下面32と、これら下面31、32に垂直な段差(段差形成面)30とからなる。そして、後側天板29の下面31が、給気口20が位置する領域の上方に形成され、前側天板28の下面32が、排気口24が位置する領域の上方に形成されている。なお、前側天板28の下面32及び後側天板29の下面31は、何れもが平面である。また、段差30を構成する垂直面も平面である。
本実施形態では、両天板29、28の下面31、32の段差30における高低差寸法Hが、5〜100mmに設定されている。したがって、処理空間12は、給気口20が位置する領域の高さが、排気口24が位置する領域の高さよりも、上記高低差寸法Hだけ高くされている。また、給気口20は、排気口24よりも搬送方向後側に位置し、給気口20と排気口24との間における搬送方向中間部(本実施形態では、搬送方向中央部)に段差30が位置している。さらに、後側天板29及び前側天板28の両下面31、32は相互に平行であり、これら両下面31、32は底板13の上面19と平行である。加えて、これら両下面31、32及び上面19は、処理空間12に搬送されてくるガラス板3の上面3b及び下面3aと平行である。ここで、処理空間12は、厳密には、上部構成体9の下面31、32と下部構成体10の上面19との相互間における給気口20から排気口24までの搬送方向離隔範囲内に形成される空間である。
上部構成体9の搬送方向後端部すなわち後側天板29の搬送方向後端部には、後側天板29の下面31から下方に突出する凸部9aが形成されている。本実施形態では、この凸部9aは、後側天板29の搬送方向後端面に固定された端板29aの下端部である。そして、この凸部9aは、処理空間12から搬送方向後方への処理ガス5の流出を阻止するため或いはその流出の阻止を確実化するために形成される。この凸部9aの下端面の高さ位置は、前側天板28の下面32の高さ位置と同一または略同一である。なお、下部構成体10の給気構体14及び排気構体15と、上部構成体9の後側天板29及び前側天板28とには、処理ガス5による結露の発生を防止するための加熱部材33(例えば、ヒーター等)が内蔵されている。
図3は、給気構体14及び底板13を、給気用通路18の流れ中心軸線を含む態様で切断した拡大縦断側面図である。同図に示すように、給気用通路18は、給気構体14を構成する第一〜第四板材14a、14b、14c、14dと、底板13の搬送方向後部とからなる五層構造体の内部に形成されている。最下層に位置する第一板材14aには、この第一板材14aに処理ガス5を供給するための供給流路14aaが形成されている。そして、この第一板材14aと、その上方に積層される第二板材14bとを重ね合わせることで、供給流路14aaから供給された処理ガス5の分岐流路14baが形成される。さらに、第二板材14bと、その上方に積層される第三板材14cとを重ね合わせることで、上記の分岐流路14baをさらに枝分かれさせる分岐流路14caが形成される。第三板材14cの上方に積層される第四板材14dには、枝分かれした分岐流路14caを合流させるための空間14daが形成される。さらに、第四板材14dには、処理ガス5を通過させるための多数の貫通孔14dbが形成された多孔板14dcが取り付けられる。最上層に位置する底板13には、処理空間12に処理ガス5を吹き出させるための既述の給気小孔部16aを含む給気孔16が形成される。
底板13の搬送方向後部に形成されている給気孔16及び給気口20と、底板13の搬送方向前部に形成されている排気孔21及び排気口24とは、いずれも幅方向に長尺なスロット状に形成される。これら給気孔16、給気口20、排気孔21、及び排気口24の幅方向寸法は、ガラス板3の幅方向寸法よりも長くされている。したがって、給気口20及び排気口24は何れも、ガラス板3の幅方向両端部の外側隙間を介して、ガラス板3の上面3bに通じている。換言すれば、ガラス板3の下側の空間(下部空間)12aは、ガラス板3の幅方向両端部の外側隙間を介して、ガラス板3の上側の空間(上部空間)12bに連通している。
図4は、底板13に形成された給気孔16の上部を構成する給気小孔部16aの周辺構造を示す要部拡大縦断正面図である。同図に示すように、給気小孔部16aの搬送方向寸法Lは、当該給気小孔部16aの上下方向中間に位置して幅方向に複数設置されたスペーサー34によって一定寸法となるように調節されている。すなわち、本実施形態では、給気小孔部16aを含む給気孔16は、底板13を搬送方向後部で分割した各分割底板の対向端面間の隙間であって、この隙間の大きさがスペーサー34によって調整されている。
ここで、給気小孔部16aにおける給気口20からスペーサー34までの深さ寸法Dは、10〜100mmの範囲内とすることが好ましい。この深さ寸法Dが短すぎると、スペーサー34の存在によって給気小孔部16a内の処理ガス5の流れに乱れが生じ、エッチング処理によるガラス板3の下面の粗化にむらが生じるおそれがある。これに対して、深さ寸法Dが長すぎると、給気口20の搬送方向寸法Lを微調節することが困難となる。そのため、給気口20から処理空間12への処理ガス5の供給量が過大あるいは過少となってガラス板3の下面を所望の表面粗さに粗化できないおそれがある。したがって、給気口20からスペーサー34までの深さ寸法Dは、上記の数値範囲内にあることが好ましい。
次に、以上の構成を備えたガラス板の製造装置1の作用すなわちガラス板の製造方法について説明する。
先ず、図2に示すように、処理空間12にガラス板3が進入していない状態の下では、処理空間12で処理ガス5が下記のように流通する。すなわち、給気用通路18に流入した処理ガス5は、給気口20から上方(鉛直上方)に向かって吹き出され、処理空間12を流れた後、排気口24に吸い込まれて、回収用通路23を通過して回収される。この場合、処理空間12で処理ガス5が流通するに際して、処理ガス5は、全体的に搬送方向前側に向かって流れようとするが、その流通経路の途中には、段差30が設けられている。この段差30が邪魔部となって、処理ガス5は、段差30の周辺において、符号Eで示すように屈曲状に方向変換を強いられ、その状態で処理ガス5は、排気口24に吸い込まれる。ここで、同図に示す矢印付きの実線は、処理ガス5の流れ方向を表わしている。
この場合、処理ガス5は、給気口20から吹き出されて排気口24に吸い込まれつつ、同図に符号J1を付した鎖線で囲まれた領域すなわち処理空間12の略全領域に、充満された状態となる。この場合、処理空間12では、給気口20が位置する領域の高さが、排気口24が位置する領域の高さよりも高いため、給気口20が位置する領域には多量の処理ガス5が充満された状態になる。そして、結果的には、処理空間12の全域に亘って、多量の処理ガス5が充満された状態になる。なお、処理空間12に充満されている処理ガス5が、処理空間12の搬送方向後端から外部に流出しようとしても、その流出は、凸部9aによって効果的に阻止される。
次に、図5に示すように、ガラス板3が処理空間12に進入してきた場合には、処理空間12がガラス板3によって下部空間12aと上部空間12bとに分断されていく。この状態の下では、上部空間12bに給気口20から処理ガス5が補充されないが、上部空間12bには、符号J2を付した鎖線で囲まれた領域に、依然として十分な量の処理ガス5が溜められた状態となる。すなわち、処理空間12は、給気口20が位置する領域の方が、排気口24が位置する領域よりも高さが高いため、処理空間12の上部空間12bにおいては、高さが高い方の領域に十分な量の処理ガス5が溜められた状態になる。しかも、上部空間12bに残存する処理ガス5は、両天板29、28の下面31、32の段差30が流通抵抗となって搬送方向前側への流れが阻止されて、処理空間12から搬送方向前側に流出することが抑制される。そのため、処理空間12の上部空間12bには、処理ガス5がより一層十分に溜まり易い状態になる。したがって、ガラス板3の上面3bにおける搬送方向前端部から中央部近傍に至る部位は、十分な量の処理ガス5によってエッチング処理が施される。
次に、図6に示すように、処理空間12にガラス板3が搬送されることで、処理空間12をガラス板3が下部空間12aと上部空間12bとに完全に分離した場合には、処理ガス5の流れは下記のような態様となる。すなわち、下部空間12aでは、処理ガス5が、給気口20から上方に向かって吹き出され、ガラス板3の下面に沿って下流側に流れた後、排気口24に吸い込まれる。これにより、水平方向に搬送されるガラス板3の下面3aに対して適正なエッチング処理が施され、ガラス板3の下面3aは全域に亘って均一に粗化される。
これに対して、上部空間12bでは、給気口20から処理ガス5が補充されない。しかしながら、上部空間12bには、上述のように十分な量の処理ガス5が既に溜められていたため、ガラス板3の上面3bとの反応に伴って処理ガス5の量が減っていても、符号J3を付した鎖線で囲まれた領域に、依然として十分な量の処理ガス5が溜められた状態にある。したがって、この処理ガス5によって、ガラス板3の上面3bにおける搬送方向中央部が適切にエッチングされる。しかも、この処理ガス5は、ガラス板3が処理空間12から完全に抜け出るまで、ガラス板3の上面3bを適切にエッチングしていく。したがって、ガラス板3が処理空間12に進入してから抜け出るまでの間において、ガラス板3の上面3b全域に亘って適切なエッチング処理を施していくことになり、ガラス板3の下面3aのみならず上面3bについてもエッチング処理の均一化が図られる。
以上の作用が行われる際に、両天板29、28の下面31、32の段差30の高低差寸法Hが、5mm未満であると、後側天板29の下面31の下方領域すなわち処理空間12の高さが高い方の領域に、十分な処理ガス5を溜めることが困難になる。加えて、溜められた処理ガス5が処理空間12から搬送方向前側の外方に流出することを阻止できなくなるおそれもある。そのため、ガラス板3の搬送方向中央部を適度にエッチングすることが困難になり得る。一方、上記の高低差が100mmを超えると、給気口20から吹き出される処理ガス5の量に対して、処理空間12の高い方の領域が広くなり過ぎ、処理ガス5の分布状態がまばらになるため、均一なエッチング処理に支障を来たすおそれがある。したがって、段差30の高低差寸法Hは、5〜100mmに設定されているが、以上のような事項を勘案すれば、この高低差寸法Hは、10〜70mmに設定されることが好ましく、10〜50mmに設定されることがより好ましい。そして、この段差30の高低差寸法Hの長短に応じて、段差30の搬送方向後方に向かって流出しようとする処理ガス5の流量が変化する。そこで、凸部9aが後側天板29の下面31から下方に突出する寸法の長短を、上記の段差30の高低差寸法Hに倣わせるようにすれば、処理ガス5の流出を効率良く阻止することができる。
なお、上記の段差30の高低差寸法Hは、底板13の上面19とガラス板3の下面3aとの上下方向離隔寸法S1に対して、0.5〜10.0の比率、好ましくは2.0〜9.0の比率となるように設定されている。また、処理空間12をガラス板3が下部空間12aと上部空間12bとに分断している状態の下で、底板13の上面19とガラス板3の下面3aとの上下方向離隔寸法S1は、前側天板28の下面32とガラス板3の下面3aとの上下方向離隔寸法S2に対して、0.5〜2.0の比率、好ましくは0.7〜1.5の比率となるように設定されている。
<第二実施形態>
次に、本発明の第二実施形態に係るガラス板の製造装置(その製造方法)について説明する。なお、この第二実施形態の説明において、上記の第一実施形態で既に説明した構成要素については、参照図面に同一符号を付すことで重複する説明を省略し、ここでは第一実施形態との相違点についてのみ説明する。
図7に示すように、この第二実施形態に係るガラス板の製造装置1が、上記の第一実施形態に係るガラス板の製造装置1と相違している点は、上部構成体9が、前側天板28と後側天板29との分割部に第二の給気構体40を載置固定して構成されている点である。そして、第二の給気構体40における給気用通路41の下端開口部である第二の給気口42は、前側天板28と後側天板29との分割部に位置し、フッ化水素からなる処理ガス43を下方(鉛直下方)に向かって吹き出させる。この第二の給気口42は、後側天板29の下面31と同一高さとなるように形成されている。加えて、前側天板28と後側天板29との分割部及び第二の給気口42は、給気口20と排気口24との搬送方向中間部(本実施形態では、搬送方向中央部)に位置している。なお、第二の給気構体40は、図3に示す給気構体14を上下逆にした内部構造と実質的に同一である。
このような構成によれば、図7に示すように、処理空間12にガラス板3が進入していない状態の下では、処理空間12で処理ガス5が下記のように流通する。すなわち、処理空間12において、下部構成体10の給気口20から上方に向かって吹き出された処理ガス5と、上部構成体9の第二の給気口42から下方(鉛直下方)に向かって吹き出された処理ガス43とは、何れもが、下部構成体10の排気口24に吸い込まれる。したがって、下部構成体10の給気口20からの処理ガス5の流れと、上部構成体9の第二の給気口42からの処理ガス43の流れとは、何れもが、搬送方向前側に向かう。そのため、両者の処理ガス5、43が正面衝突して乱流等を招く事態は生じない。この状態の下では、処理ガス5、43は、給気口20及び第二の給気口42から吹き出されて排気口24に吸い込まれつつ、処理空間12の略全領域に充満された状態となる。この場合には、上記の第一実施形態の場合よりも多量の処理ガス5、43が処理空間12に充満された状態となる。
そして、図8に示すように、ガラス板3が処理空間12に進入してきた場合には、処理空間12がガラス板3によって下部空間12aと上部空間12bとに分断されていく。この状態の下では、給気口20から下部空間12aに吹き出された処理ガス5が、ガラス板3の下面3aにエッチング処理を施した後に排気口24に吸い込まれると共に、第二の給気口42から上部空間12bに吹き出された処理ガス43が、ガラス板3の上面3bにエッチング処理を施した後に排気口24に吸い込まれる。したがって、ガラス板3の下面3aのみならず上面3bも、搬送方向前端部から中央部近傍までの部位が、処理ガス43によって均一に且つ十分にエッチングされる。
このような処理ガス5、43の流れが生じている間に、図9に示すように、ガラス板3が処理空間12を下部空間12aと上部空間12bとに完全に分離した場合には、処理ガス5、43の流れは下記のような態様となる。すなわち、下部空間12aでは、給気口20から上方に向かって吹き出された処理ガス5が、ガラス板3の下面3aに適正なエッチング処理を施した後に排気口24に吸い込まれる。これに対して、上部空間12bでは、第二の給気口42から下方に向かって吹き出された処理ガス43が、ガラス板3の上面3bに適正なエッチング処理を施した後、ガラス板3の幅方向両端部から外側隙間を通じて排気口24に吸い込まれる。したがって、この状態の下でも、ガラス板3の下面3aのみならず上面3bも、処理ガス43によって均一に且つ十分にエッチングされると共に、処理ガス43の吸い込みも適正に行われる。そして、この処理ガス43は、ガラス板3が処理空間12から完全に抜け出るまで、ガラス板3の上面3bを適切にエッチングしていく。したがって、ガラス板3が処理空間12に進入してから抜け出るまでの間において、ガラス板3の上面3b全域に亘って適切なエッチング処理を施していくことになり、ガラス板3の下面3aのみならず上面3bについてもエッチング処理の均一化が図られる。なお、このような処理ガス5、43の流れが生じることを考慮すれば、前側天板28の搬送方向前端部にも、その下面32から下方に突出する凸部(図示略)を設けることが好ましい。この場合、第二の給気口42から吹き出される処理ガス43の流量は、給気口20から吹き出される処理ガス5の流量よりも少量または多量であってもよく、或いは同量であってもよい。
なお、以上の第一、第二実施形態では、ガラス板3の搬送方向が給気口20から排気口24に向かう方向とされているが、これとは逆に、ガラス板3の搬送方向が排気口24から給気口20に向かう方向であっても、同様にして本発明を適用することができる。
また、以上の第一、第二実施形態では、段差(段差形成面)30は、平面からなる垂直面で構成されているが、搬送方向前側に向かって下降傾斜する傾斜面あるいは搬送方向後側に向かって下降傾斜する傾斜面であってもよく、さらには湾曲面や屈曲面であってもよい。
さらに、以上の第一、第二実施形態では、給気口20が位置する領域が平面部(処理空間12を形成する下部構成体10の搬送方向後部の上面)とされ、排気口24が位置する領域も平面部(処理空間12を形成する下部構成体10の搬送方向全部の上面)とされている。但し、この両者の何れか一方または双方の領域は、平面部としての機能を過度に損なわない範囲内で湾曲した湾曲面部などであってもよい。また、給気口20が位置する領域と、排気口24が位置する領域との広さは、同一であってもよいが、異なっていてもよい。
加えて、以上の第一、第二実施形態では、給気構体14と排気構体15とが別体とされて、搬送方向に相互に離隔して配置されているが、この両者14、15は一体化されていてもよい。
また、上記の第二実施形態では、第二の給気口42を前側天板28と後側天板29との分割部に位置させたが、分割部以外の箇所(段差30から搬送方向後側または前後側に離隔した箇所)に第二の給気口42を位置させてもよい。
1 ガラス板の製造装置
3 ガラス板
3a ガラス板の下面
3b ガラス板の上面
3x ガラス板の搬送方向後端
5 処理ガス
9 上部構成体
10 下部構成体
12 処理空間
13 底板
14 給気構体
15 排気構体
20 給気口
24 排気口
27 天板
28 前側天板
29 後側天板
30 段差(高低差)
31 後側天板の下面
32 前側天板の下面
33 加熱部材
34 スペーサー
40 給気構体
42 第二の給気口
43 処理ガス
H 高低差寸法

Claims (11)

  1. 給気口及び排気口を有する下部構成体の上面と、上部構成体の下面とを対向させて配置し、前記対向する両面の相互間に形成される処理空間で、前記給気口から吹き出されて前記排気口に吸い込まれる処理ガスによって、水平方向に搬送されるガラス板の下面にエッチング処理を施すと共に、前記給気口と前記排気口とを、前記ガラス板の搬送方向に離隔して位置させたガラス板の製造方法において、
    前記処理空間は、前記給気口が位置する領域の高さが、前記排気口が位置する領域の高さよりも高いことを特徴とするガラス板の製造方法。
  2. 前記給気口は、前記排気口よりも前記ガラス板の搬送方向後側に位置していることを特徴とする請求項1に記載のガラス板の製造方法。
  3. 前記上部構成体の下面は、前記給気口が位置する領域と前記排気口が位置する領域との間に高低差を有する二つの平面部を備え、これら二つの平面部の内、前者の領域に対応する平面部が、後者の領域に対応する平面部よりも高い位置に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載のガラス板の製造方法。
  4. 前記下部構成体の上面は、前記給気口が位置する領域と前記排気口が位置する領域との間に高低差を有しない一つの平面部を備えていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のガラス板の製造方法。
  5. 前記給気口が位置する領域の高さと、前記排気口が位置する領域の高さとの差が、5〜100mmであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のガラス板の製造方法。
  6. 前記上部構成体の下面に、前記水平方向に搬送されるガラス板の上面にエッチング処理を施すべく処理ガスを吹き出させる第二の給気口を形成したことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のガラス板の製造方法。
  7. 前記上部構成体は、天板を有し、前記天板の下面と前記下部構成体の上面との相互間に、前記処理空間を形成したことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のガラス板の製造方法。
  8. 前記天板は、前記ガラス板の搬送方向前側の前側天板と、搬送方向後側の後側天板とに分割されており、前記前側天板の下面と前記後側天板の下面との間に高低差が設けられていることを特徴とする請求項7に記載のガラス板の製造方法。
  9. 前記前側天板と前記後側天板との分割部に、前記水平方向に搬送されるガラス板の上面にエッチング処理を施すべく処理ガスを吹き出させる第二の給気口を位置させたことを特徴とする請求項8に記載のガラス板の製造方法。
  10. 前記第二の給気口を、前記ガラス板の搬送方向における前記給気口と前記排気口との間に位置させたことを特徴とする請求項6〜9の何れかに記載のガラス板の製造方法。
  11. 給気口及び排気口を有する下部構成体の上面と、上部構成体の下面とを対向させて配置し、前記対向する両面の相互間に形成される処理空間で、前記給気口から吹き出されて前記排気口に至る処理ガスによって、水平方向に搬送されるガラス板の下面にエッチング処理を施すと共に、前記給気口と前記排気口とを、前記ガラス板の搬送方向に離隔して位置させたガラス板の製造装置において、
    前記処理空間は、前記給気口が位置する領域の高さが、前記排気口が位置する領域の高さよりも高いことを特徴とするガラス板の製造装置。
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