JP2017052109A - 液体吐出装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】液体吐出ヘッドから液体を取り除きつつ、廃液の量を軽減し、かつ、液体への異物を抑制することが可能な液体吐出装置を提供する。【解決手段】貯留部5は、液体を貯留する。液体吐出ヘッド1は、液体を吐出する吐出口13を有する。供給路3は、貯留部5と液体吐出ヘッド1とを連通する。液体吐出装置100は、吐出口13からの液体の吐出が停止している停止期間に、液体を液体吐出ヘッド1から貯留部5の方へ移送する。【選択図】図2

Description

本発明は、液体を吐出する液体吐出装置に関する。
液体吐出装置には、数百ナノメートル径ほどの大きさの顔料粒子を色材として含有する液体であるインクを記録媒体に吐出するものがある。液体内の顔料粒子は、溶媒よりも比重が重い固形成分であるため、液体吐出ヘッド1内で長期間放置されると、液体の下側に沈降し、液体内に濃度差が生じる。この濃度差が生じた液体で画像の記録が行われると、画像の画質が低下してしまう。
また、近年、液体として白インクを吐出する液体吐出装置が増えている。白インクの色材として使用される酸化チタンは比重が非常に大きいため、沈降速度が速く、また、沈降した部分の粘度が非常に高くなることが知られている。このため、液体吐出ヘッドの吐出口やフィルタのような流路抵抗が高い部分で顔料粒子が沈降すると、吐出不良が発生したり、場合によっては、目詰まりが発生して回復できなくなったりすることがある。
したがって、液体吐出ヘッドの内部で顔料粒子が沈降することを防止するために、液体を吐出しない放置時には、液体吐出ヘッドから液体を除去することが望ましい。しかしながら、液体吐出装置を放置するたびに、液体吐出ヘッドから液体を除去すると、廃液の量が増え、コストが増加してしまう。
これに対して特許文献1には、液体吐出ヘッドから外部に液体を吸引し、その吸引した液体を、液体吐出ヘッドに供給する液体を蓄えているタンクに戻す記録装置が記載されている。この記録装置では、液体吐出ヘッドから液体を除去しつつ、廃液の量を軽減することができる。
特開2007−105929号公報
しかしながら、特許文献1に記載の記録装置では、外部に吸引された液体をタンクに戻しているため、液体にゴミなどの異物が混入する恐れがある。
本発明の目的は、上記の問題を鑑みてなされたものであり、液体吐出ヘッドから液体を除去しつつ、廃液の量を軽減し、かつ、液体への異物の混入を抑制することが可能な液体吐出装置を提供することである。
本発明による液体吐出装置は、
液体を貯留する貯留部と、
前記液体を吐出する吐出口を有する液体吐出ヘッドと、
前記貯留部と前記液体吐出ヘッドとを連通する供給路と、
前記液体を移送する移送部と、を備え、
前記吐出口からの前記液体の吐出が停止している停止期間に、前記移送部を用いて、前記液体を前記液体吐出ヘッドから前記供給路を介して前記貯留部の方へ移送する。
本発明によれば、液体が、液体吐出ヘッドと貯留部を連通する供給路を介して、液体吐出ヘッドから貯留部の方へ移送されるため、液体吐出ヘッドから液体を除去しつつ、廃液の量を軽減し、かつ、液体への異物の混入を抑制することが可能になる。
本発明の第1の実施形態の液体吐出装置の要部を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態の液体吐出装置の要部を模式的に示す図である。 弁部の一例を示す図である。 濃度測定ユニットの一例を模式的に示す図である。 経過時間と吐出口濃度の関係の一例を示す図である。 吐出検知ユニットの一例を模式的に示す図である。 本発明の第4の実施形態の液体吐出装置の一例の要部を模式的に示す図である。 本発明の第4の実施形態の液体吐出装置の他の例の要部を模式的に示す図である。 本発明の第4の実施形態の液体吐出装置の他の例の要部を模式的に示す図である。 本発明の第5の実施形態の液体吐出装置の要部を模式的に示す図である。 空気送入ユニットの概観を模式的に示す斜視図である。 空気送入ユニットの動作の一例を説明するための模式図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。ただし、以下の各実施形態で記載される構成要素や動作は、単なる一例であり、本発明の範囲を限定するものではない。また、各図面において同じ機能を有するものには同じ符号を付け、その説明を省略する場合がある。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態の液体吐出装置の要部を示す斜視図である。また、図2は、本実施形態の液体吐出装置の要部を模式的に示す図である。
図1および図2に示す液体吐出装置100は、液体としてインクを吐出するインクジェット記録装置である。液体吐出装置100は、インクを吐出する液体吐出ヘッド1を搭載したキャリッジ2と、液体吐出ヘッド1にインクを供給する供給路3とを備える。また、液体吐出装置100は、液体吐出ヘッド1の吐出機能を回復させる回復ユニット4と、液体吐出ヘッド1に供給するインクを貯留する貯留部5とを備える。
液体吐出ヘッド1は、供給路3と接続される供給口11と、供給口11に供給されたインクを一時的に蓄える液室12と、液室12内のインクを吐出する吐出口13とを有する。液室12内には、インクからゴミなどの異物を取り除くフィルタ14が設けられる。また、液体吐出ヘッド1では、高さ方向において、低い方から順に吐出口13、フィルタ14、供給口11の順に配置される。本実施形態では、吐出口13から供給口11までが液室12として形成されている。図2(a)に示されるようにインクが吐出される前のスタンバイ状態では、液体吐出ヘッド1の液室12はインクで満たされる。
吐出口13は、本実施形態では、イエロー、マゼンタ、シアン、黒および白のそれぞれのインクを吐出するように複数形成されている。また、液体吐出ヘッド1は、各吐出口13に対応する電気熱変換素子(図示せず)を備える。液体吐出ヘッド1は、外部(具体的には、液体吐出装置100本体)から入力される駆動信号に応じた電気信号を電気熱変換素子に印加することで、インク内に気泡を発生させ、その気泡による圧力を用いてインクを吐出口13から吐出する。
液体吐出装置100は、液体吐出ヘッド1を搭載したキャリッジ2を図1のX方向に往復可能に支持する支持部材であるスライド軸6を備える。また、液体吐出ヘッド1における吐出口13が設けられた面と対向する位置に紙などの記録媒体200が配置される。
インクを吐出して画像を記録する記録動作では、液体吐出装置100は、不図示のキャリッジモータを用いてキャリッジ2をX方向に往復移動させながら、液体吐出ヘッド1にインクを吐出させる。さらに液体吐出装置100は、キャリッジ2の往復移動に合わせて、不図示の搬送モータを用いて記録媒体200をX方向とは交差するY方向に間欠的に移動させることで、記録媒体200に画像を記録する。
供給路3は、液体吐出ヘッド1と貯留部5とを連通するチューブであり、キャリッジ2の往復移動に追従可能な長さおよび柔軟性を有する。供給路3は、少なくとも各色のインクに対して1本ずつ設けられるが、図1および図2では、1つだけ示されている。供給路3の長さは、キャリッジ2の往復移動における片道の移動可能距離の2倍程度であることが望ましい。供給路3の材料は、例えば、シリコンまたはポリエチレンなどである。
供給路3上には、供給路3を介してインクを移送するための移送部31が設けられる。移送部31は、例えば、チューブポンプなどのポンプである。
回復ユニット4は、液体吐出ヘッド1が往復運動可能な領域のうちの、画像が記録される画像記録領域の外に配置される。回復ユニット4は、液体吐出ヘッド1の吐出口13を密閉可能なキャップ41と、キャップ41にて密閉された吐出口13からインクを吸引する吸引装置42とを有する。吸引装置42は、例えば、ポンプなどであり、負圧を生成することでインクを吸引する。
貯留部5は、インクタンク51と、弁部52と、サブタンク53とを有する。インクタンク51は、インクを貯留する主貯留部である。インクタンク51は交換可能である。インクタンク51は、弁部52と接続する接続口51aとサブタンク53と接続する接続口51bとを有する。なお、インクタンク51は、少なくとも各色のインクに対して1個ずつ設けられるが、図1では、3つ、図2では、1つだけ示されている。
弁部52は、インクタンク51と供給路3との間に設けられ、供給路3を開閉する開閉機構である。図3は弁部52の一例を示す図である。図3に示す弁部52は、上下に動く弁ゴム52aと、インクを蓄える液室52bと、インクタンク51と接続する接続口52cと、供給路3と接続する接続口52dとを有する。
弁ゴム52aは、ゴムなどの可撓性のある膜で形成され、不図示の駆動機構により上下方向に移動する。接続口52cおよび52dは、上向きに配置される。供給路3が開いた開状態の場合、図3(a)に示すように弁ゴム52aは、接続口52cおよび52dを塞がないように高い位置に配置される。供給路3を閉じる閉状態の場合、図3(b)に示すように、弁ゴム52aは、接続口52cおよび52dの少なくとも一方を塞ぐように配置される。なお、図3(b)の例では、接続口52cが弁ゴム52aで塞がれている。
図1および図2の説明に戻る。サブタンク53は、インクを蓄積する副貯留部である。サブタンク53は、外気と接続された大気口53aを有する。サブタンク53は、図2(a)に示すように、スタンバイ状態などでは、インクを貯留せず、大気口53aからの空気で満たされている。サブタンク53の体積は、液体吐出ヘッド1の液室12の体積よりも大きい。
以上説明した液体吐出装置100において、液体吐出ヘッド1内にインクが存在する状態で放置されると、インク内の色材である顔料粒子が沈降する。特に白インクでは、他のインクの顔料粒子と比べて比重がかなり重い酸化チタンを顔料粒子として含有するため、顔料粒子の沈降が速い。以下では、この顔料粒子の沈降による不具合を抑制するための動作について説明する。
画像を記録する記録動作時では、図2(a)に示すように液体吐出ヘッド1の液室12内や供給路3内はインクで満たされている。一方、サブタンク53内は、大気口53aからの空気で満たされている。
記録動作を終了し、吐出口13によるインクの吐出を停止した場合、液体吐出装置100は、その吐出が停止している停止期間に、移送部31を駆動し、インクを逆送する、すなわち、インクを液体吐出ヘッド1から供給路3を介して貯留部5の方へ移送する。
具体的には、先ず、停止期間におけるインクを逆送する逆送タイミングになると、液体吐出装置100は、移送部31を駆動する。そして液体吐出装置100は、インク液体吐出ヘッド1の液室13からインクタンク51に向かう方向(図2(b)の矢印で示される方向A)に供給路3を介してインクを移送する。これにより、液体吐出ヘッド1の吐出口13のメニスカスが破れ、空気が吐出口13から液体吐出ヘッド1の内部に入る。この状態でさらに方向Aへのインクの移送が継続されると、図2(c)に示すように、液体吐出ヘッド1の液室12内のインクは、インクタンク51に流れ込み、その流れ込んだ分のインクがサブタンク53に流れ込む。
このとき、サブタンク53内の空気は大気口53aから外部へ排出されるため、サブタンク53内は加圧状態にはならない。また、液体吐出ヘッド1の液室12の体積よりもサブタンク53の体積の方が大きいので、インクが大気口53aから外へ漏れ出すことはない。移送部31の駆動量は、液室12の体積以上のインクがA方向に移送される値に設定されている。移送部31がチューブポンプの場合、チューブポンプの回転量を制御することで、インクの移送量が制御されるため、予め設定された体積分のインクを移送することは容易である。
インクの逆送が終了すると、液体吐出装置100は、弁部52を用いて供給路3を閉じ、ユーザなどから記録動作を実行する旨の実行命令を受け付けるまで停止する。液体吐出装置100は、実行命令を受け付けると、弁部52を用いて供給路3を開け、その後、吸引装置42を用いてインクタンク51から液体吐出ヘッド1に向かう方向にインクを移送して、液体吐出ヘッド1の液室13にインクを充填する。このとき、サブタンク53内のインクはインクタンク51に戻る。
上記の動作により、インクが液体吐出ヘッド1から貯留部5へ移送されるため、廃液を発生させることなく、液体吐出ヘッド1内のインクを除去することが可能になる。また、インクは供給路3を介して移送されるため、流路の外に排出されることがないので、ゴミなどの異物のインクへの混入を抑制することが可能になる。したがって、液体吐出ヘッド1からインクを取り除きつつ、廃液の量を軽減し、かつ、インクへの異物の混入を抑制することが可能になる。
また、液体吐出ヘッド1の液室12の体積以上のインクが移送されるため、流路抵抗が大きい吐出口13およびフィルタ14部分のインクをより確実に取り除くことが可能になる。
次に記録動作を再開する際の動作についてより詳細に説明する。
図2(c)に示したように液体吐出装置100を、インクを逆送させた後に記録動作を停止させたまま放置すると、インクタンク51の上部と下部とでインクに濃度差が生じてしまうことがある。インクに濃度差が生じると、記録する画像の画質が劣化することがあるため、記録動作を再開する場合、この濃度差が解消されるように、インクタンク51内のインクを攪拌してから液体吐出ヘッド1に充填することの望ましい。
インクタンク51内のインクを攪拌する攪拌方法としては、例えば、弁部52を、インクタンク51内のインクを攪拌する貯留攪拌部として用いる方法が挙げられる。この攪拌方法では、液体吐出装置100は、不図示の駆動機能を用いて、弁部52による供給路3の開閉動作を繰り返す。これにより、弁部52内の液室52bの容積が変化し、その結果、インクタンク51の接続口51aからインクが噴流される。このため、インクタンク51内に対流が発生し、インクが攪拌され、インク内の顔料の濃度が均一化される。その後、インクタンク51から液体吐出ヘッド1の液室12にインクを移送することで、液体吐出ヘッド1には濃度が均一化されたインクが充填されることとなり、記録動作において、画像の画質劣化を抑制することが可能になる。
次に液体吐出ヘッド1内のインクを逆送させる逆送タイミングについて説明する。
この逆送タイミングは、吐出口13からの液体の吐出が停止している停止期間内であれば、特に限定されない。例えば、インクの逆送は、記録動作の終了後、回復ユニット4のキャップ41で液体吐出ヘッド1の吐出口13を密閉するキャッピングを行う前に実行されてもよい。しかしながら、インクを逆送させた後に記録動作を再開する場合、インクの攪拌や液体吐出ヘッド1へのインクの充填などを行う必要があるので、実際に画像の記録が行われるまでに時間がかかる恐れがある。このため、適切なタイミングでインクの逆送を行うことが望ましい。
仮に液体吐出ヘッド1内でインクが放置された場合、顔料粒子が沈降するため、液体吐出ヘッド1の下部(吐出口13付近)では、顔料粒子の濃度が高くなり、液体吐出ヘッド1の上部では、濃度が低くなる。一般にインクでは、顔料の濃度が高いほど、粘度が高くなるため、液体吐出ヘッド1の下部では、インクの粘度が高くなる。特に顔料として酸化チタンを含有する白インクでは、顔料粒子の比重が大きいので、液体吐出ヘッド1の下部におけるインクの粘度は非常に高くなる。
このような粘度の高いインクが液体吐出ヘッド1の吐出口13付近に溜まってしまうと、吐出口13付近の流路抵抗が大きいため、回復ユニット4を用いて吐出口13からインクを排出するためには、大きな吸引圧が必要となる。特に白インクの場合、放置された時間によっては、従来の回復ユニット4では、インクの吸引ができなくなるほど、インクの粘度が高くなることがある。
本願発明者らは、インクを液体吐出ヘッド1に放置する放置時間がどの程度になると、従来の回復ユニット4では、吐出口13の回復が出来なくなるかを検討した。
インクが10%程度の顔料濃度を有する白インクであり、吐出口のサイズが約20μm、吐出口の数が約2000個、回復ユニット4の回復動作にて生成可能な最大の吸引圧が約50kPaであるとする。この場合、本願発明者らは、インクを液体吐出ヘッド1内に約3日以上放置すると、吐出口13を回復するために、50kPa以上の吸引圧が必要となり、回復ユニット4では、吐出口13の回復が出来なくなることを実験的に確かめた。したがって、3日以内には、液体吐出ヘッド1内のインクをインクタンク51に逆送させることが望ましい。
また、インクが約12時間放置されると、インクの上部と下部で10%以上の濃度差が生じることが知られている。インクに10%以上の濃度差が生じると、記録される画像に影響を及ぼすため、インクの上部と下部の濃度差を10%以内に抑えることが望ましい。このため、約12時間以内ごとにインクの攪拌を行うために、12時間以内にはインクをインクタンク51に逆送させることが望ましい。
以上のように吐出口13が回復可能か否かと、インクの濃度差が画像に影響を及ぼすか否かという2つの観点に基づいて、インクの逆送を行う逆送タイミングを決定することが望ましい。
本実施形態では、この2つの観点に基づいて、停止期間中のある時点からインクの逆送を行うまでの待機時間を決定する。待機時間の開始時点としては、液体の吐出を停止した時点や、キャップ41で液体吐出ヘッド1の吐出口13を密閉するキャッピングを行った時点が挙げられる。以下では、キャッピングを行った時点を開始時点とし、開始時点からインクの逆送を行うまでの待機時間を6時間と予め定めておく。この場合、吐出口13が回復不能になることを抑制しつつ、インクの濃度差により画質が劣化することも抑制することが可能になる。
(第2の実施形態)
本実施形態では、インクの逆送を行う逆送タイミングの別の例について説明する。
第1の実施形態では、逆送タイミングは、キャッピングを行った時点から予め定められた待機時間(6時間)が経過したタイミングに決定されていた。しかしながら、環境条件(温度や湿度など)のような種々の条件によっては、開始時点から6時間より長くても、顔料の沈降による問題が生じないことがある。この場合、逆送タイミングを遅らせることで、記録動作の再開時に発生する動作遅延を軽減し、ユーザの負担を軽減することが可能になる。したがって、顔料の沈降による問題が生じない範囲で、逆送タイミングを少しでも遅らせることが望ましい。以下では、逆送タイミングを調整する調整方法について説明する。
本実施形態の調整方法では、液体吐出ヘッド1の吐出口13付近のインクの濃度である吐出口濃度に基づいて、逆送タイミング、つまり停止時点から逆送を行うまでの待機時間を決定する。具体的には、先ず、記録媒体200に記録した画像を形成しているインクの濃度である画像濃度を定期的に測定することで、吐出口13付近のインクの濃度である吐出口濃度を定期的に求める。そして、各吐出口濃度に基づいて、吐出口濃度が予め定められた閾値であるNG濃度に到達するまでの経過時間を予測し、その経過時間を待機時間として求める。なお、吐出口濃度は画像濃度に略比例していることが知られている。
図4は、待機時間を決定する検知制御部である濃度測定ユニットを模式的に示す図である。図4に示す濃度測定ユニット400は、記録媒体200上のインク201へ光を出射する発光素子であるLED401と、記録媒体200からの光を受光する受光素子であるフォトダイオード402とを備える。また、濃度測定ユニット400は、LED401とインク201との間の光路上に配置された発光側レンズ403と、インク201とフォトダイオード402と間の光路上に配置された受光側レンズ404とを備える。
LED401および発光側レンズ403が発光部を構成し、フォトダイオード402および受光側レンズ404が受光部を構成する。また、濃度測定ユニット400は、LED401およびフォトダイオード402を制御する制御部405を有する。制御部405は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などである。
制御部405を除く濃度測定ユニット400の各構成要素は、キャリッジ2に搭載される。濃度測定ユニット400が画像濃度を測定する場合、キャリッジ2は、画像濃度の測定が可能な位置、つまり、記録媒体200に記録した画像付近まで移動される。本実施形態では、LED401からの光が、発光側レンズ403を介して記録媒体200に対して斜め方向(例えば、記録媒体200の法線に対して約45°の方向)から照射する位置までキャリッジが移動される。
LED401からの光は、記録媒体200上のインク201に入射し、インク201で散乱する。記録媒体200で散乱した散乱光のうち、上方に向かう光は、受光側レンズ404を介してフォトダイオード402に入射する。フォトダイオード402は、入射された光の光量に応じた電気信号を出力する。制御部405は、フォトダイオード402から電気信号を受け付け、その電気信号に基づいてインク201の濃度である画像濃度を検知する。
図5は、経過時間と吐出口濃度の関係の一例を示す図である。第1の実施形態のように待機時間が予め決定されている場合、待機時間は、特定の環境条件における吐出口濃度の時間変化特性501に基づいて決定される。例えば、待機時間は、時間変化特性501において、キャッピングを行った時点から、吐出口濃度が予め定められたNG濃度に到達するまでの経過時間Dに決定される。ここでNG濃度は、例えば、記録される画像の画質が劣化する可能性のある吐出口濃度である。
しかしながら、環境条件によっては、顔料が沈降する速度が遅く、時間変化特性501よりも吐出口濃度が緩やかに上昇することがある。例えば、ある環境条件において、吐出口濃度の時間変化特性が図5の点線で示される時間変化特性502であったとする。この場合、制御部405は、経過時間がA、B、Cのそれぞれに到達した時点で画像濃度を求め、それらの画像濃度に基づいて、吐出口濃度がNG濃度に到達するまでの経過時間Eを待機時間として予測する。なお、このような環境条件としては、液体吐出装置100内の温度が通常よりも低い条件などが挙げられる。また、顔料が沈降する速度が速く、時間変化特性501よりも吐出口濃度が速やかに上昇する場合であっても、同様な方法で待機時間を適切に設定することが可能である。
以上説明したように本実施形態によれば、吐出口13付近のインクの濃度である吐出口濃度に基づいて、インクの逆送を行うまでの待機時間が決定されるため、待機時間を適切に決定することが可能になる。したがって、ユーザの負担を軽減することが可能になる。
(第3の実施形態)
本実施形態では、逆送タイミングを調整する調整方法の別の例について説明する。本実施形態の調整方法では、吐出口13のうち吐出ができない不吐出口を検知し、その検知結果に基づいて、逆送タイミングを決定する。
図6は、逆送タイミングを決定する検知制御部である吐出検知ユニット600の一例を模式的に示す図である。図6に示すように吐出検知ユニット600は、光を出射する発光素子であるLED601と、LED601からの光を受光する受光素子であるフォトダイオード602とを有する。LED601およびフォトダイオード602は、互いに向かい合うように配置され、吐出口13から吐出されたインクがLED601から出射された光の光路を通過するように配置される。また、吐出検知ユニット600は、LED601およびフォトダイオード602を制御する制御部603を備える。制御部603は、例えば、CPUなどである。
フォトダイオード602は、入射した光の光量に応じた電気信号を出力する。制御部603は、フォトダイオード402から電気信号を受け付け、その電気信号に基づいて、不吐出口を検知する。例えば、制御部603は、吐出口13ごとにインクを吐出させ、電気信号が示す光量が基準値以下になったか否かを判断する。光量が基準値以下になった場合、制御部603は、インクが光を遮ったと判断し、吐出口13がインクを吐出できる吐出可能状態であると判断する。一方、光量が基準値以下にならなかった場合、制御部603は、インク滴が光を遮っていないと判断し、吐出口13がインクを吐出できない不吐出口状態である判断する。
そして、制御部603は、不吐出口状態と判断した吐出口13の数を不吐出口の数として求め、その数に基づいて逆送タイミングを決定する。具体的には、制御部603は、キャッピングを行った時点から定期的に上記の処理を行い不吐出口の数を求める。このとき、停止時点からの経過時間が長くなるほど、インク内の顔料の沈降により吐出口13付近のインクの粘度が上昇するため、不吐出口の数が増加する。制御部603は、この不吐出口の数の増加量が予め定められた閾値(例えば100個)以上になった時点を逆送タイミングと判断して、インクの逆送を実行する。不吐出口の増加量は、具体的には、今回の不吐出口の数から前回の不吐出口の数を減算した数である。
以上説明したように本実施形態によれば、不吐出口の数に基づいてインクを逆送する逆送タイミングが決定されるため、逆送タイミングを適切に設定することが可能になる。したがって、ユーザの負担を軽減することが可能になる。
(第4の実施形態)
第1〜第3の実施形態では、インクを攪拌する攪拌手段として弁部52が備わっていたが、本実施形態では、インクの逆送後にインクを液室12に充填する再充填時間を短くするために、複数の攪拌手段が備わっている。また、待機時間も複数設定されており、待機時間ごとに、インクを逆送させる逆送量が制御される。
図7は、本実施形態の液体吐出装置の要部を模式的に示す図である。図7に示す液体吐出装置100aは、図1に示した構成に加えて、インク攪拌室32およびインク攪拌部33からなる攪拌手段をさらに有する。
インク攪拌室32は、インクを収容する収容部であり、供給路3上に設けられる。インク攪拌室32の体積は、液体吐出ヘッドの液室12の体積と同じであることが望ましい。インク攪拌部33は、インク攪拌室32に収容されたインクを攪拌する。インク攪拌部33は、インク攪拌室32の内部に設けられる攪拌子である。不図示の駆動手段によって攪拌子が回転することで、インク攪拌室32内に対流が発生し、インクが攪拌される。なお、攪拌子の形状は、特に限定されないが、図7の例では、プロペラ形状としている。
インク攪拌室32およびインク攪拌部33は、インクの逆送量を軽減するために、液体吐出ヘッド1の近傍、つまり、キャリッジ2に搭載されることが望ましい。この場合、インク攪拌室32およびインク攪拌部33は、小型であることが要求されるため、攪拌能力を大きくすることが難しい。一方、弁部52は、キャリッジ2に搭載する必要がないため、攪拌能力を比較的大きくすることができ、インクタンク51内のインクを攪拌するために使用される。
次に動作を説明する。
本実施形態では、第1の待機時間および第2の待機時間の2つの待機時間が液体吐出装置100aに予め設定されている。第1の待機時間は、第1の実施形態の待機時間(6時間)と同じである。
インクの吐出を停止した停止時点では、図7(a)に示すように液体吐出ヘッドの液室12および供給路3内はインクで満たされている。その後、液体吐出装置100aは、逆送タイミングになると、つまり、キャッピングが行われた時点から第1の待機時間が経過すると、移送部31を用いて、図7(b)に示すように液室12内のインクがインク攪拌室32に収まる量だけインクを移送する。以下、このインクの逆送を第1のインク逆送と称する。また、第1のインク逆送が実行された後で、第2の待機時間が経過すると、第2のインク逆送が実行されるが、この第2のインク逆送については後述する。
第1のインク逆送が実行された後、放置されると、図7(c)に示すように流路内のインクが沈降する。この状態で記録動作を実行する実行命令を受け付けると、液体吐出装置100aは、第1の実施形態と同様に弁部52による供給路3の開閉動作を繰り返す。これにより、図7(c)の矢印Bで示されるようにインクタンク51内のインクが対流し、攪拌される。また、液体吐出装置100aは、インクタンク51内のインクの攪拌と同時に、インク攪拌部33であるプロペラ形状の攪拌子を回転させる。これにより、図7(c)の矢印Cで示されるようにインク攪拌室32内のインクが対流し、攪拌される。そして、インクの攪拌が終了すると、液体吐出ヘッド1をキャップ41から吸引して液体吐出ヘッド1内の液室12にインクを充填させ、図7(a)に示した状態に戻る。このとき、液体吐出装置100aは、インク攪拌部33を駆動しながら、インクを液室12に充填させることで、インク供給路3内のインクも攪拌される。
したがって、この第1のインク逆送では、第1〜第3の実施形態のようにインクをインクタンク51まで移送するよりもインクの逆送量を少なくすることが可能になる。このため、記録動作の再開時における液体吐出ヘッド1へのインクの充填にかかる時間を短くすることが可能になるため、ユーザの負担を軽減することが可能になる。
以下、攪拌手段の別の例を説明する。図8は、インク攪拌部33とは異なる攪拌手段を有する液体吐出装置を示す図である。図8に示す液体吐出装置100bは、図7に示した液体吐出装置100aと比べて、インク攪拌室32およびインク攪拌部33の代わりに、インク攪拌路34を有する。インク攪拌路34は、垂直方向に曲折を繰り返す波型の流路である。インク攪拌路34の体積は、液体吐出ヘッドの液室12の体積と同じであることが望ましい。
液体吐出装置100bは、キャッピングが行われた時点から第1の待機時間が経過すると、移送部31を用いて、図8(a)に示すように液室12内のインクをインク攪拌路34まで移送させる。その後、放置されると、図8(b)に示すように流路内のインクが沈降する。液体吐出装置100bは、実行命令を受け付けると、弁部52を使用してインクタンク51内のインクを攪拌する。そして、液体吐出装置100aは、攪拌が終了すると、インクをキャップ41から吸引して、インクタンク51からインク攪拌路34にインクを供給し、液体吐出ヘッド1内の液室12にインクを充填させる。このとき、インク攪拌路34は、垂直方向に曲折を繰り返す波型の流路であるため、インクがインク攪拌路34内を垂直方向に上下に流れ、インクが攪拌される。このため、液体吐出ヘッド1内の液室12内にはインク濃度が均一化されたインクが充填されるので、画像劣化を抑制することが可能になる。
図9は、別の攪拌手段を有する液体吐出装置を示す図である。図9に示す液体吐出装置100cは、図7に示した液体吐出装置100aと比べて、インク攪拌室32およびインク攪拌部33の代わりに、インク攪拌室35および36とインク攪拌路37とを有する。インク攪拌室35は、液体を収容する第1の収容部であり、供給路3の上部と接続される。インク攪拌室36は、液体を収容する第2の収容部であり、その上部が液体吐出ヘッド1の供給口11と接続される。インク攪拌路37は、インク攪拌室35の上部とインク攪拌室36の下部とを連通する流路である。インク攪拌室35および36とインク攪拌路37との体積の合計は、液体吐出ヘッドの液室12の体積と同じであることが望ましい。
液体吐出装置100cは、キャッピングが行われた時点から第1の待機時間が経過すると、移送部31を用いて、液室12内のインクをインク攪拌室35および36まで移送させる。その後、放置されると、図9に示すように流路内のインクが沈降する。液体吐出装置100cは、実行命令を受け付けると、弁部52を使用してインクタンク51内のインクを攪拌する。そして、液体吐出装置100aは、攪拌が終了すると、インクをキャップ41から吸引して、インクタンク51からインク攪拌室35にインクを供給し、液体吐出ヘッド1内の液室12にインクを充填させる。このとき、供給路3から濃度の薄いインクが、インクの濃度が濃いインク攪拌室35の下部に流れ、その濃度の濃いインクが、インクの濃度が薄いインク攪拌室35の上部に流れる。そして、インク攪拌室35の上部の濃度が薄いインクは、インク攪拌路37を介してインクの濃度が濃いインク攪拌室36の下部に流れ、その濃度の濃いインクが、インクの濃度が薄いインク攪拌室36の上部に流れる。このように濃度の濃いインクが濃度の薄いインクに流れ込み、濃度の薄いインクが濃度の濃いインクに流れ込むため、インクが攪拌される。
次に第2のインク逆送について説明する。以下の説明では、図7で示した液体吐出装置100aを例にとって説明する。
第1のインク逆送が実行された時点からさらに長時間放置されると、インク攪拌部33の攪拌能力を超える濃度差、つまり、インク攪拌部33では攪拌しきれないほどの濃度差がインクに生じる可能性がある。このため、攪拌能力が高い弁部52を用いてより確実にインクの攪拌を行うために、第2のインク逆送を行う。
具体的には、第1のインク逆送によりインクを移送してから追加待機時間である第2の待機時間が経過すると、液体吐出装置100bは、インクを全てインクタンク51まで逆送させる第2のインク逆送を実行する。第2の待機時間は、インク攪拌部33の攪拌能力を超える濃度差がインクに生じるまでの時間を検討し、その時間よりも短い時間に予め設定される。
第2のインク逆送が実行された後で記録動作を実行する実行命令を受け付けると、液体吐出装置100aは、弁部52によるインクタンク51内のインクの攪拌を行い、その後、液体吐出ヘッド1の液室に液体を充填し、吐出を再開する。この場合、液体吐出ヘッド1内には、弁部52を用いた攪拌により濃度が均一化されたインクが充填されるので、画質の劣化を抑制することが可能になる。
以上説明したように本実施形態によれば、逆送タイミングになると、液体吐出ヘッド1内のインクが供給路3上の収容部に収容されるため、インクの逆送量を少なくすることが可能になる。このため、記録動作の再開時における液体吐出ヘッド1へのインクの充填にかかる時間を短くすることが可能になるため、ユーザの負担を軽減することが可能になる。
また、液体を移送してから第2の待機時間が経過すると、インクがインクタンク51まで移送され、攪拌能力の高い弁部52を用いてインクが攪拌される。このため、インク攪拌部33の攪拌能力を超える濃度差がインクに生じても、インクの攪拌を行うことが可能になる。
(第5の実施形態)
インクを液体吐出ヘッド1の液室12からインクタンク51に移送する際に吐出口13に空気が入り、その結果、吐出口13にインクが残留してしまう場合がある。この状態で液体吐出ヘッド1が放置されると、吐出口13に残留したインクに顔料粒子の沈降が発生し、吐出口13の吸引回復ができなくなってしまうことがある。本実施形態では、吐出口13に残留したインクを除去する機構を有する液体吐出装置について説明する。
図10は、本実施形態の液体吐出装置の要部を模式的に示す図である。図10に示す液体吐出装置100dは、図1に示した液体吐出装置100の構成に加えて、空気送入ユニット43をさらに備える。空気送入ユニット43は、図1に示した回復ユニット4と一体化されていてもよいし、回復ユニット4とは別に設けられてもよい。図10の例では、空気送入ユニット43は回復ユニット4とは別に設けられ、回復ユニット4は図10では省略されている。
空気送入ユニット43は、吐出口13に空気を送入する空気送入部である。空気送入ユニット43は、吐出口13に空気を送入しつつ、吐出口13が並んだ吐出口列方向Dに移動することで全ての吐出口13に空気を送入する。液体吐出装置100dは、空気送入ユニット43を用いて吐出口13に空気を送入しながら、移送部31を用いて、液体吐出ヘッド1の液室12内のインクをインクタンク51の方へ移送する。
図11は、空気送入ユニット43の概観を模式的に示す斜視図である。図12は、空気送入ユニット43の動作の一例を説明するための模式図である。
図11に示すように、空気送入ユニット43は、空気送入ブレード44と、空気送入ポンプ45とを有する。空気送入ブレード44は、ゴムなどの弾性部材で形成される。空気送入ブレード44には、内部に空気送入穴46が形成されている。
本実施形態では、空気送入ブレード44は直方体状に形成され、面積の最も大きい広面44aが吐出口列方向Dを向くように配置される。この空気送入穴46の出口46aは、広面44aの上部に設けられ、空気送入穴46の入口は、広面44aとは異なる面の下部に設けられ、その入口には空気送入ポンプ45が配置されている。
液体吐出装置100は、図12に示すように、液体吐出ヘッド1の吐出口13が設けられた面に空気送入ブレード44を予め定められた侵入量で当接させる。ここで侵入量は、空気送入ブレード44が当接することによって弾性変形し、空気送入穴46の出口46aが吐出口13の設けられた面と略直交する方向Eに向くような量に定められている。
液体吐出装置100は、吐出口13が設けられた面に空気送入ブレード44を上記の侵入量で当接した状態で、空気送入ポンプ45を駆動し、空気送入穴46に空気を送入しながら、空気送入ブレード44を吐出口列方向Dに移動させる。これにより、各吐出口13に対して空気が送られ、吐出口13に残留したインクを液体吐出ヘッド1内に押し入れることができる。
空気送入ポンプ45が送入する空気の風圧は、吐出口13に残留したインクをそのインクの毛管力よりも強い力で押し上げるように設定されればよい。
具体的には、毛管力H[mmAq]は、H=(2×σ×cosθ)/(m×g×r)で表されるため、風圧はこの毛管力Hよりも高い圧力にすればよい。ここで、σはインクの表面張力、θはインクの接触角、mはインクの密度、rは吐出口の半径、gは重力加速度を示す。
例えば、これらのパラメータが下記の値の場合、
σ:表面張力 約40mN/m
θ:接触角 約50°
m:密度 1.07
r:半径 0.01mm
g:重力加速度9.81m/s2
毛管力Hは、H=490mmAq=4.8kPaとなる。
したがって、この場合、空気送入ポンプ45は、約5kPa程度の風圧の空気を送入すれば、吐出口13に残留したインクを液体吐出ヘッド1内に押し入れることができる。
なお、空気送入ユニット43は、空気送入ポンプ45にて送入される空気からゴミなどの異物を取り除くエアーフィルターを有していてもよい。
以上説明したように本実施形態によれば、吐出口13に空気が送入されながら、インクが逆送されるため、吐出口13にインクが残留することを抑制することが可能になる。
(第6の実施形態)
次に、第6の実施形態について説明する。
本実施形態では、吐出口13に残留するインクを除去する別の方法について説明する。なお、本実施形態の液体吐出装置は、図1の液体吐出装置100と同じ構成を有する。
本実施形態の液体吐出装置100は、吐出口13からインクを吐出させながら、インクを逆送させる。これにより、吐出口13に残留したインクが吐出されることで排出されるため、吐出口13にインクが残留することを抑制することが可能になる。
以上説明した各実施形態において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。
1 液体吐出ヘッド
3供給路
5 貯留部
12 液室
13 吐出口
31 移送部
41 キャップ
32 インク攪拌室(収容部)
33 攪拌子
34 インク攪拌路(収容部)
35、36 インク攪拌室(収容部)
37 インク攪拌路
52 弁部(貯留攪拌部)
100、100a〜100d 液体吐出装置
200 記録媒体
400 濃度度測定ユニット(検知制御部)
600 吐出検知ユニット(検知制御部)

Claims (18)

  1. 液体を貯留する貯留部と、
    前記液体を吐出する吐出口を有する液体吐出ヘッドと、
    前記貯留部と前記液体吐出ヘッドとを連通する供給路と、
    前記液体を移送する移送部と、を備え、
    前記吐出口からの前記液体の吐出が停止している停止期間に、前記移送部を用いて、前記液体を前記液体吐出ヘッドから前記供給路を介して前記貯留部の方へ移送することを特徴とする液体吐出装置。
  2. 前記液体吐出ヘッドは、前記液体を蓄える液室を有し、
    前記液室の体積以上の前記液体を移送することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出装置。
  3. 前記液体を移送するタイミングは、前記停止期間中の予め定められた開始時点から待機時間が経過したタイミングであることを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出装置。
  4. 前記待機時間は、予め定められていることを特徴とする請求項3に記載の液体吐出装置。
  5. 前記停止期間に、前記吐出口から記録媒体へ前記液体を吐出させ、前記記録媒体に吐出された液体の濃度を検知し、当該濃度に基づいて前記待機時間を決定する検知制御手段をさらに備えることを特徴とする請求項3に記載の液体吐出装置。
  6. 前記検知制御手段は、前記濃度を定期的に検知し、当該濃度の変化に基づいて前記待機時間を決定することを特徴とする請求項5に記載の液体吐出装置。
  7. 前記吐出口を密閉可能なキャップをさらに備え、
    前記キャップで前記吐出口が密閉された時点を、前記開始時点とすることを特徴とする請求項3ないし6のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  8. 前記停止期間に、前記吐出口のうち前記液体の吐出ができない不吐出口を検知し、当該検知結果を用いて前記液体を移送するタイミングを決定する検知制御手段をさらに有することを特徴とする請求項1または2に記載の液体吐出装置。
  9. 前記吐出口は、複数あり、
    前記検知制御手段は、前記検知結果として前記不吐出口の数を用いて、前記タイミングを決定することを特徴とする請求項8に記載の液体吐出装置。
  10. 前記検知制御手段は、前記不吐出の数の増加量に基づいて前記タイミングを決定することを特徴とする請求項9に記載の液体吐出装置。
  11. 前記供給路に設けられ、前記液体を収容する収容部をさらに備え、
    前記タイミングになると、前記液体吐出ヘッドの内部の液体を前記収容部まで移送し、前記吐出を行う際に、前記収容部に収容された液体を攪拌させることを特徴とする請求項3ないし10のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  12. 前記収容部の内部に設けられ、前記収容部に収容された液体を攪拌させる攪拌子をさらに備えることを特徴とする請求項11に記載の液体吐出装置。
  13. 前記収容部は、曲折を繰り返す波型の流路であることを特徴とする請求項11または12に記載の液体吐出装置。
  14. 前記収容部は、第1および第2の収容部と、前記第1の収容部の上部と第2の収容部の下部を連通する流路とを有する請求項11または12に記載の液体吐出装置。
  15. 前記貯留部に貯留された液体を攪拌する貯留攪拌部をさらに備え、
    前記液体を移送してから追加待機時間が経過すると、前記移送部を用いて前記収容部に収容された液体を前記貯留部までさらに移送し、前記吐出口による前記吐出を行う際に、前記貯留攪拌部を用いて前記貯留部に貯留された液体を攪拌することを特徴とする請求項11ないし14のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  16. 前記吐出口に空気を送入する空気送入部をさらに備え、
    前記空気送入部を用いて前記吐出口に空気を送入しながら、前記移送部を用いて前記液体を移送することを特徴とする請求項1ないし15のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  17. 前記吐出口から前記液体を吐出させながら、前記移送部を用いて前記液体を移送することを特徴とする請求項1ないし15のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
  18. 前記液体は、酸化チタンを含有することを特徴とする請求項1ないし17のいずれか1項に記載の液体吐出装置。
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