[スロットマシンの構成]
本発明に係る遊技機を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。以下の実施の形態では、本発明が遊技機のうちのスロットマシンに適用された場合の一例を説明する。図1は、本実施形態に係るスロットマシン1の全体構造を示す正面図である。スロットマシン1は、前面が開口する筺体1aと、この筺体1aの側端に回動自在に枢支された前面扉1bとを含む。前面扉1bの中央上部には、液晶表示器51が設けられている。液晶表示器51は、表示領域51aを有しており、透視窓3に対応する透過領域51bが透過可能である。これにより、表示領域51aで所定の演出を実行可能とするとともに、表示領域51aのうち透過領域51bが透過することで透視窓3を介して筺体1a内部に並設されているリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールとも称する)が視認可能となる。図2は、各リールの図柄配列を示す図である。リール2L〜2Rには、各々が識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で配列されている。なお、リールの個数は、3つに限らず、1つであってもよく、2以上であってもよい。また、可変表示部は、物理的なリールにて構成されている例を示しているが、液晶表示器などの画像表示装置にて構成されているものであってもよい。
液晶表示器51の右下には、メダルを投入可能なメダル投入部4が設けられ、前面扉1bの下部には、メダルが払い出されるメダル払出口9、スピーカ53、54が設けられている。
また、前面扉1bには、操作手段の一例として、遊技者所有の遊技用価値(メダル数)として記憶されているクレジットの範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットおよび設定済の賭数を精算して返却させる際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L〜2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56などが設けられている。
前面扉1bには、報知手段の一例として、遊技に関する情報を報知する遊技用表示部13が設けられている。遊技用表示部13には、クレジットとして記憶されているメダル数が表示されるクレジット表示器11、メダルの払出枚数やエラー時にエラーコードなどが表示される遊技補助表示器12、設定されている賭数を報知するための1BETLED14、2BETLED15、3BETLED16、メダル投入が可能であることを報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が可能であることを報知するスタート有効LED18、スタートスイッチ7の操作後においてウエイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリール2L、2C、2Rの回転開始を待機している状態)中であることを報知するウエイト中LED19、リプレイ入賞後のリプレイゲーム中であることを報知するリプレイ中LED20が設けられている。
スロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4に投入するかMAXBETスイッチ6操作などにより規定数の賭数(例えば3)を設定する。これにより、入賞ラインLNが有効となり、スタートスイッチ7への操作が有効となり、ゲームが開始可能な状態となる。賭数設定済の状態でメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、リール2L〜2Rの透視窓3に表示された図柄の組合せが入賞図柄の組合せであるかを判定するためのラインである。本実施形態では、1本の入賞ラインLNのみ設けられている例について説明するが、複数の入賞ラインが設けられているものであってもよい。また、入賞を構成する図柄の組合せが入賞ラインLNに揃ったことを認識しやすくする無効ラインLM1〜LM4が設けられている。無効ラインLM1〜LM4は、入賞判定されるラインではなく、入賞ラインLNに特定の入賞図柄の組合せ(いわゆるばらけ目)が揃った際に、無効ラインLM1〜LM4のいずれかに所定の図柄の組合せ(例えば、ベル−ベル−ベル)を揃えることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組合せが揃ったことを認識しやすくするものである。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7が操作されると、リール2L〜2Rを回転させて図柄を変動表示し、ストップスイッチ8L〜8Rが操作されると対応するリールの回転を停止させることで、透視窓3の上中下段に3つの図柄を表示結果として導出表示する。入賞ラインLN上に入賞図柄の組合せが停止し入賞が発生したときには、入賞に応じて、所定枚数のメダルが遊技者に対して付与されて、クレジット加算か、クレジットが上限数(50)に達した場合にはメダル払出口9からメダルが払い出される。
図3は、スロットマシン1の内部構造を示す図である。図4は、スロットマシン1の機能構成例を示す図である。図4の例では、遊技の進行を制御するとともに、遊技の進行に応じて各種コマンドを出力する遊技制御基板40、コマンドに応じて所定の演出を制御する演出制御基板90、電気部品の駆動電源を生成する電源基板101、遊技の進行に応じた信号を外部に出力する外部出力基板1000などが設けられている。
遊技制御基板40は、各種の操作手段や検出手段(図4の遊技制御基板40の左側に例示)などのスイッチ類からの検出信号に基づいて遊技を進行させ、報知手段(図4の遊技制御基板40の左側に例示)などの表示機器類を駆動制御する。また、遊技制御基板40は、リールセンサ33L〜33Rからの信号に基づき、リールモータ32L〜32Rを駆動制御する。
遊技制御基板40には、メイン制御部41などの回路構成(図4の遊技制御基板40内に例示)が搭載されている。メイン制御部41は、遊技の進行に関する処理を行うとともに、遊技制御基板40に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、CPU、ROM、RAM、I/Oポートなどを備えている。
演出制御基板90は、演出用スイッチ56が接続され、また液晶表示器51などの演出装置(図4の演出制御基板90の左側に例示)を駆動制御する。演出制御基板90には、サブ制御部91などの回路構成(図4の演出制御基板90内に例示)が搭載されている。サブ制御部91は、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行う処理を行うとともに、演出制御基板90に搭載あるいは接続された構成を直接的または間接的に制御する。サブ制御部91は、1チップマイクロコンピュータであり、CPU、ROM、RAM、I/Oポートなどを備えている。サブ制御部91の回路構成には、たとえば、日および時刻のうちの少なくともいずれか一方を計時するための時計装置97(以下では、RTCともいう)を含む。サブ制御部91は、たとえば、RTC97により計時された日および時刻のうちの少なくともいずれか一方の値や、演出用スイッチ56からの検出信号などに応じて演出制御を実行可能である。電源基板101には、ホッパーモータ34b、各種の操作手段や検出手段(図4の電源基板101の右側に例示)などが接続されている。
図5および図6は、入賞役の種類、入賞役の図柄組み合わせ、及び入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。名称欄には、入賞役の名称を示し、図柄の組合せ欄には、その入賞役が入賞となる図柄の組合せを示している。また、無効ラインに揃う図柄の組合せ欄には、入賞となる図柄の組合せが入賞ラインに停止したときに無効ラインに停止する図柄の組合せであって遊技者が認識しやすい図柄の組合せを示している。払出枚数欄には、入賞時に付与される価値(メダル払出、再遊技付与)を示している。BB1、BB2は、ボーナスという有利な状態への移行を伴う入賞役である。BB1、BB2の払出枚数欄には、入賞により移行されるボーナスの終了条件が示されている。ボーナスは、各々、予め定められたメダル枚数以上払出されることにより終了する。たとえば、BB1に当選・入賞して制御されるボーナスについては、当該ボーナス中に払出されたメダル枚数が351枚以上となったゲームにおいて終了する。
また、図6の遊技状態欄には、入賞時に移行される遊技状態を示している。また、「/」は、「または」を示している。例えば、図6の転落リプレイについて、図柄の組合せは、「ベル‐リプレイ‐ベル」となり、入賞時にはRT1に制御され、付与される価値は再遊技付与である。また、転落リプレイの図柄の組合せが入賞ライン上に停止したときには、無効ライン上に「リプレイ/プラム‐リプレイ‐リプレイ/プラム」が停止する。また、特別リプレイの図柄の組合せが入賞ライン上に停止したときには、無効ライン上に「黒BAR/白BAR−黒BAR/白BAR−黒BAR/白BAR」が停止する。「黒BAR/白BAR−黒BAR/白BAR−黒BAR/白BAR」は、特別リプレイに当選しているときにのみ無効ライン上に停止可能であって、特別リプレイに当選していないときにはいずれのライン上にも停止されない図柄の組合せである。
図7は、移行出目の図柄組合せを示す図である。移行出目は、図14に示す左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4が当選し、右下がりベルあるいは中段ベルの入賞条件となるリール以外を第1停止とし、かつ当選している上段ベルを取りこぼした場合に、入賞ラインLNに揃う出目である。RT0、2、3中において移行出目が入賞ラインLN上に停止すると、RT1へ移行される。
図8は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図であり、図9は、遊技状態及びRTの概要を示す図である。本実施形態におけるスロットマシン1は、リプレイが所定の当選確率(図9の上図の再遊技役欄の数値参照)で当選するRT0〜RT4と、小役の当選確率がRT0〜RT4中であるときよりも向上するボーナスとを含む複数種類の遊技状態のうち、開始条件が成立してから終了条件が成立するまで対応するいずれかの遊技状態に制御される(図8の矢印に沿って示した入賞役あるいは出目参照、図9の上図の開始条件・終了条件欄の参照)。
BB1、BB2のいずれかに当選したときには、RT4に制御される。BB1、BB2のいずれかが当選したときに設定される当選フラグは、当選しているBBの入賞が発生するまで持ち越される。また、RT4についても、BB当選からBB入賞発生まで継続して制御される。RT4中においては、RT1およびRT3中よりも高く、RT0およびRT2中よりも低い確率(図9の上図の再遊技役欄の数値参照)でリプレイに当選する。なお、RT4におけるリプレイ確率は、当選した小役を取りこぼすことなく入賞させることができたとしても、払出率が1を超えない確率に設定されている。つまり、RT4におけるリプレイ確率は、RT4中に当選した小役を取りこぼすことなく入賞させた場合に払出されるメダルの合計枚数が、RT4中においてメダルあるいはクレジットを賭数の設定に用いたメダルの合計枚数を超えず、メダルが増加しない確率に設定されている。RT4中においてBB入賞が発生すると、ボーナスに制御されて、図5で説明したメダル枚数以上払出されることによりボーナス終了となり、RT3へ制御される。内部抽選されるリプレイの種類は、RTの種類毎に定められている(図9の下図の丸印が抽選されるリプレイを示す)。
図10および図11は、遊技状態毎に抽選対象役(以下、当選役ともいう)として読み出される抽選対象役の組合せを示す図である。抽選対象役欄には、その名称を示し、遊技状態欄には、RTの種類毎に、丸印でその抽選対象役が抽選対象であることを示し、丸印の下の数値により当選確率にかかわる判定値数を示している。例えば、ベルは、RT0〜RT3いずれかの状態において、360/65536で当選する抽選対象役である。RT4中は、ボーナス抽選されないが、ボーナスと同時当選し得る入賞役(以下では、同時当選役ともいう)の当選確率が他のRT中と同確率となるように、同時当選役であるベルや弱スイカについては括弧内に示す判定値数で内部抽選が行われる。
図11に示すように、特別リプレイは、RT2に制御されているときにのみ抽選対象役となるように定められている。また、ボーナス中においては、たとえば、中段ベルが抽選対象役に設定されており、極めて高い確率(64000/65536)で当選するように定められている。また、中段ベルは、操作タイミングにかかわらず入賞を発生し得る役である。このため、ボーナス中においては、操作タイミングおよび操作手順にかかわらず、極めて高い確率で中段ベル入賞を発生させることができ、メダル枚数を効率的に増加させることができる。このため、ボーナスは、遊技者にとって有利な状態である。
図12は、抽選対象役に含まれる入賞役の組合せを示す図である。例えば、弱チェリーは、下段チェリーである。弱スイカは、右下がりスイカと、上段スイカと、中段スイカとを含む。よって、内部抽選で弱スイカに当選したときには、右下がりスイカと、上段スイカと、中段スイカとに当選したことになる。
抽選対象役のうちボーナス1〜ボーナス12は、BB1またはBB2と弱チェリーやベルなどの所定の入賞役が同時に読み出されて当選し得る役である。また、図10で示したように、ボーナス1〜ボーナス12は、異なる判定値数が定められている。このため、遊技者にとっての有利度であって、同時当選役に当選したときにBB1またはBB2が実際に同時当選している割合(以下、信頼度ともいう)が、ボーナス6や12などに含まれる中段チェリーが最も高く、続いて、強チェリー、強スイカ、弱チェリー、弱スイカの順となり、ベル(以下、中段ベルともいう)が最も低くなるように、判定値数が定められている。
図13および図14は、複数の入賞役が同時当選したときのリール制御を説明するための図である。当選した抽選対象役毎に、押し順欄に示す押し順で停止操作されたときに、その右の停止する図柄組合せに示す入賞役の図柄組合せを入賞ラインLNに停止させるリール制御が行なわれる。例えば、リプレイGR1が当選したときにおいて、押し順が左中右であるときは、昇格リプレイ1が導出されて、押し順が左中右以外であるときは通常リプレイが導出される。また、例えば、左ベルが当選したときにおいて、押し順が左第1停止であるときは、右下がりベルが導出されて、押し順が左第1停止以外であれば、上段ベルまたは移行出目が導出される。
また、同時当選役に当選しているときには、当該同時当選役に当選していないときと異なるリール制御が行われ得る。たとえば、弱スイカに当選しているときには、中段スイカよりも右下がりスイカあるいは上段スイカを優先して入賞ライン上に引き込むリール制御が行われるのに対し、強スイカに当選しているときには、右下がりスイカおよび上段スイカのいずれよりも中段スイカを優先して入賞ライン上に引き込むリール制御が行われる。また、弱チェリーあるいは強チェリーが当選しているときには、下段チェリーを入賞ライン上に引き込むリール制御が行われ、中段チェリーが当選しているときには、中段チェリーを入賞ライン上に引き込むリール制御が行われる。これにより、リール2L〜2Rが停止したときの図柄の組合せから、チェリーかスイカか、弱か強か、あるいは、中段チェリーか否かなどを推定可能となり、ボーナス当選あるいはAT当選に対する期待感を異ならせることができる。
スロットマシン1における“ゲーム”とは、狭義には、スタートスイッチ7が操作されてからリール2L〜2Rが停止するまでをいうが、ゲームを行う際にスタートスイッチ7の操作前の賭数設定や、リール2L〜2Rの停止後にメダルの払い出しや遊技状態の移行も行われるので、これらの付随的な処理も広義には“ゲーム”に含まれる。
[ゲーム処理]
メイン制御部41は、ゲーム制御処理を行って1回のゲームを制御する。ゲーム制御処理では、まず、賭数設定やクレジット精算・賭数精算するためのBET処理が行われる。
賭数設定後、スタートスイッチ7が操作されると、所定の乱数回路から乱数値を抽出し、当該抽出した乱数値に基づいて入賞の発生を許容するか否かを決定(内部抽選)するための内部抽選処理(図10〜図12など参照)が行われる。乱数回路は、所定の数値範囲(0〜65535)内の数値を所定の更新規則にしたがって更新する。メイン制御部41は、スタートスイッチ7が操作されたときに乱数回路が更新している数値を乱数値として抽出する。内部抽選において抽選対象役に当選したときには、当該抽選対象役に含まれる入賞役の当選フラグがRAMの所定領域に設定される。たとえば、BB1に当選したときには、BB1当選フラグが設定され、強チェリーに当選したときには、下段チェリーの当選フラグと、1枚役の当選フラグとが設定される。BB1、BB2の当選フラグについては、当選したBBに入賞するまで持ち越される一方、BB1、BB2以外の入賞役に対応する当選フラグは、入賞の発生の有無にかかわらず、当選したゲームが終了したときに消去される。
内部抽選処理が終了すると、リール回転処理が行われる。リール回転処理では、前回ゲームのリール回転開始から所定時間(例えば、4.1秒)経過していることを条件に、リール2L〜2Rの回転を開始させた後、ストップスイッチ8L〜8Rを有効化し、停止操作に応じてリールの回転を停止させる(図13、図14など参照)。リール回転処理では、所定のフリーズ条件が成立しているときに、ゲームの進行を所定期間に亘って遅延(ストップスイッチ8L〜8R各々の停止操作の有効化を遅延)させるフリーズ演出を実行するためのフリーズ演出処理を実行した後に、ストップスイッチ8L〜8Rを有効化して通常ゲームに移行させる。
リール2L〜2Rが停止してリール回転処理が終了すると、入賞ライン上の図柄組合せに基づいて入賞などが発生したか否かを判定する入賞判定処理(図5〜図7など参照)が行われる。また、入賞ライン上の図柄組合せに応じて、図8で示した状態に制御する。
入賞判定処理が終了すると、払出処理が行われる。払出処理では、入賞の発生に応じてメダルの払出しまたはクレジット加算や、入賞に関わらない各種の処理(たとえば、ボーナス中のメダル払出枚数を計数してボーナスの終了制御に関する処理や、持ち越しのない当選フラグ(小役・再遊技役等の当選フラグ)の消去など)が行われる。また、BB1、BB2のいずれかに入賞したと判定されたときには、入賞したBBの当選フラグを消去する。ゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理(図8、図9など参照)を実行する。これにより、1ゲーム分のゲーム制御処理が終了し、次の1ゲーム分のゲーム制御処理が開始する。
[ATに関する処理について]
メイン制御部41は、ボーナスやRT2などの有利な状態に加えて、AT(アシストタイム)に制御可能である。メイン制御部41は、ATに制御するか否かのAT抽選を実行する。また、メイン制御部41は、AT抽選でATに制御すると決定した場合にATに制御し、遊技者にとって有利な図柄組合せを入賞ラインLN上に停止させるための操作手順(押し順)を特定可能なナビ演出を実行するための処理を実行する。
メイン制御部41は、非AT中においては、特定の抽選対象役(本実施形態では、図12に示すベル、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、BB1、BB2)が当選した場合に、ATに制御するか否かを決定するAT抽選処理を行う。AT抽選処理は、たとえば内部抽選処理において内部抽選が行われた後に実行されるようにしてもよく、1ゲームの進行において予め定められたタイミングで実行されるものであればよい。なお、特定の抽選対象役は、内部抽選においてBB1、BB2、同時当選役である例について説明するが、これに限らず、同時当選役の一部を含むものであってもよく、またBB1またはBB2と同時当選し得ない入賞役を含むものであってもよい。
AT抽選処理では、メイン制御部41は、ATに制御するか否かを決定するとともに、ATに制御すると決定したときには、ATを開始するタイミングを抽選する。メイン制御部41は、たとえば、AT当選ゲームから0〜32ゲーム経過でATを開始すること(ATの開始タイミング)を乱数値の抽選により決定する。
遊技者にとっての有利度である、AT抽選においてATに制御すると決定される信頼度は、特定の抽選対象役の種類に応じて異なるように定められており、たとえば、中段チェリーが最も高く、続いて、強チェリー、強スイカ、弱チェリー、弱スイカの順となり、ベルが最も低くなるようにAT抽選が行われる。また、AT抽選においてATに制御すると決定される信頼度は、同じ特定の抽選対象役に当選しているときであっても、当該特定の抽選対象役がBB1またはBB2と同時当選していないとき(たとえば、強チェリー当選時)よりも、BB1またはBB2と同時当選しているとき(たとえば、BB1+強チェリー当選時)の方が高くなるようにAT抽選が行われる。
サブ制御部91は、内部抽選において同時当選役に当選してAT抽選が行われたときには、BB当選およびAT当選したか否かを示唆する当選示唆演出を所定タイミングで実行するための処理を行う。当選示唆演出としては、たとえば、所定画像を液晶表示器51に表示させる演出が設けられている。所定画像を表示させる演出には、たとえば、キャラクタA演出、キャラクタB演出、ボタン演出、連打演出、などが含まれる。このような所定画像を表示させる演出は、スピーカ53、54から所定の効果音を出力する制御や、演出効果LED52やリールLED55などを点灯させる制御とともに行われる。なお、いずれかの制御が単独で行われてもよいし、2つ以上の組合せ(たとえば、所定画像と音とが実行され、LEDの点灯が実行されない等)で実行されるようにしてもよい。
キャラクタA演出とは、キャラクタAを表示させる演出である。キャラクタB演出とは、キャラクタBを表示させる演出である。ボタン演出とは、ボタン画像を表示させて演出用スイッチ56への操作を促し、演出用スイッチ56への操作に応じてBB当選あるいはAT当選の信頼度を示唆する所定画像を表示させる演出である。連打演出とは、演出用スイッチ56への連打操作を促し、所定操作期間内における演出用スイッチ56への連打操作に応じて所定のメータ画像を増加させて、MAXに到達することなどによりBB当選あるいはAT当選している旨を示唆する演出である。
サブ制御部91は、BB当選およびAT当選しているか、BB当選あるいはAT当選のいずれか一方だけ当選しているか、あるいは、BB当選もAT当選もしていないかに応じて異なる割合で、当選示唆演出を実行するか否か、および、実行する当選示唆演出の種別をいずれにするかを決定するための当選示唆演出抽選処理を実行する。
当選示唆演出抽選処理では、少なくともBB当選あるいはAT当選しているときには必ず当選示唆演出を実行する旨を決定し、BB当選もAT当選もしていないときでも所定割合で当選示唆演出を実行する旨を決定する。所定割合は、たとえばBB当選の信頼度が高い小役当選であるとき程、高い割合に設定されている。これにより、当選示唆演出は、BB当選あるいはAT当選している場合だけでなく、BB当選もAT当選もしていないときでも実行される。
また、当選示唆演出抽選処理では、当選示唆演出を実行すると決定したときには、少なくともBB当選あるいはAT当選しているかいずれにも当選していないかに応じて異なる割合で当選示唆演出の種別を決定する。具体的に、遊技者にとっての有利度であって、実行されたときにBB当選あるいはAT当選している信頼度が、連打演出、ボタン演出、キャラクタB演出の順となり、キャラクタA演出が最も低くなるように、当選示唆演出の種別が決定されるように割合が定められている。なお、実行する演出としては、一の当選示唆演出が決定されるものに限らず、複数の当選示唆演出が決定され得るようにしてもよい。
サブ制御部91は、後述する内部当選コマンドおよびAT抽選時コマンドにより、特定の抽選対象役に当選したこと、ATの当選または非当選、AT開始タイミングを特定する。当選示唆演出を実行する所定タイミングは、ATを開始するタイミングの抽選(AT当選ゲームから0〜32ゲーム経過でATを開始することの抽選)で決定されたAT開始タイミングの前ゲームである。たとえば、AT開始タイミングが0ゲーム後と決定されたなら当該ゲーム(AT当選ゲームにてAT当選が報知される)に当選示唆演出が実行される。また、AT開始タイミングが32ゲーム経過後と決定されたなら31ゲーム間は、前兆演出(AT当選を煽る演出)を実行し、32ゲーム目に当選示唆演出を実行し、AT当選を報知する。
ここで、サブ制御部91は、ATに非当選したことをAT抽選時コマンドにより特定した場合にもガセの演出として当選示唆演出(ATが非当選であることを報知する演出)を実行する。たとえば、サブ制御部91は、内部当選コマンドにより特定の抽選対象役に当選し、AT抽選時コマンドによりATに非当選であることを特定することができるが、ATを開始するタイミングは、メイン制御部41では決定されていない。このような場合には、サブ制御部91が0〜32ゲームからガセの当選示唆演出を実行するゲーム数の抽選を行い、ガセの当選示唆演出のゲーム数を決定する。
メイン制御部41は、BB当選せずにAT当選しているときにはAT開始タイミングとなったときに、ATフラグを設定してATに制御する。一方、メイン制御部41は、BB当選とともにAT当選しているときには、BB入賞してボーナスが終了したときにATフラグを設定し、ボーナス終了後の次のゲームからATに制御する。ここで、ATへの制御は、たとえばAT開始タイミングが10ゲームと決定されている場合には、10ゲームが0ゲームとなったタイミングで制御されるようにしてもよいし、0ゲームとなった次のゲームのタイミングで制御されるようにしてもよい。
ATフラグは、メイン制御部41のRAMの所定領域において記憶し、ATゲーム数が0に到達したときにクリアされる。メイン制御部41は、ATフラグに基づいてAT中であるか否かを特定する。AT中においては、後述するようにナビ演出が実行される結果、RT2に制御可能となる。AT開始後におけるATゲーム数の減算は、たとえば、RT0において特殊リプレイに当選(減算開始契機が成立)した次のゲームから開始する。BB終了後に開始されるATについても同様である。これにより、メイン制御部41は、決定したATゲーム数にわたりAT+RT2に制御可能となる。
[上乗せ抽選に関する処理について]
メイン制御部41は、AT中においては、ATに制御された後、初めてRT2への制御契機である特殊リプレイに当選した次のゲーム(初回ART開始時)からATゲーム数を決定するための上乗せ抽選を実行する。ここで、特殊リプレイに当選したが、所定の押し順をせず特殊リプレイに入賞できなかった場合も初回ART開始時に含まれる。初回ART開始時に上乗せ抽選が実行される期間を初回上乗せ特化期間と称する。初回上乗せ特化期間は、最低5ゲーム継続し、毎ゲームATゲーム数を上乗せする上乗せ抽選が実行される。さらに、5ゲーム目以降は、上乗せ抽選とともに初回上乗せ特化期間の継続率の抽選が実行される。そして、初回上乗せ特化期間終了後に、上乗せされたATゲーム分、ATゲームが実行される。
また、メイン制御部41は、初回上乗せ特化期間終了後のAT中においては、特別の抽選対象役(本実施形態では、特別リプレイ)が当選した場合に、さらにATゲーム数を上乗せする上乗せ抽選を実行する。初回上乗せ特化期間後において特別リプレイ当選時に制御される特化期間を特別上乗せ特化期間と称する。特別上乗せ特化期間では、初回上乗せ特化期間と同様、最低5ゲーム継続し、毎ゲームATゲーム数を上乗せする上乗せ抽選が実行される。さらに、5ゲーム目以降は、上乗せ抽選とともに特別上乗せ特化期間の継続率の抽選が実行される。そして、特別上乗せ特化期間終了後に、上乗せされたATゲーム分、ATゲームが実行される。
初回上乗せ特化期間および特別上乗せ特化期間では、複数種類のゲーム数(図16(A),(B)参照)からATゲーム数に上乗せする上乗せゲーム数を決定する。決定された上乗せゲーム数は、メイン制御部41のRAMの所定領域において記憶されているATゲーム数に加算される。これにより、メイン制御部41は、ATに制御するゲーム数を上乗せする。また、初回上乗せ特化期間および特別上乗せ特化期間では、5ゲーム目以降に上乗せ抽選とともに上乗せ抽選を継続するか否かの継続率の抽選(図16(C),(D)参照)を実行する。たとえば、5ゲーム目において、40の%継続率と60%の継続率とのうち、60%の継続率に当選すると、60%の割合で上乗せ特化期間(上乗せ抽選ゲーム)が継続し、40%の割合で上乗せ特化期間(上乗せ抽選ゲーム)が終了する。上乗せ特化期間(上乗せ抽選ゲーム)が終了した場合には、次ゲームから上乗せ特化期間(上乗せ抽選ゲーム)で決定されたATゲームが開始される。
また、上乗せ特化期間(上乗せ抽選ゲーム)においてサブ制御部91は、上乗せ抽選が行われたときには、上乗せ当選したゲーム数を示唆する上乗せ示唆演出を実行するための処理を行う。上乗せ示唆演出としては、所定画像を液晶表示器51に表示させる演出など、どのようなものであってもよい。このような、上乗せ抽選については、図15以降で詳細に説明する。
[各種コマンドについて]
メイン制御部41は、上記に例示した処理の実行に応じた遊技の進行状況および処理結果を特定可能なコマンドをサブ制御部91に送信する。サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドに基づいて、各種処理を行う。
本実施形態では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、内部当選コマンド、ストップスイッチやスタートスイッチの操作コマンド、遊技状態コマンド、AT抽選時コマンド、AT中コマンド、ATゲーム数コマンドなどを含む複数種類のコマンドを送信する。
内部当選コマンドは、内部当選フラグの当選状況、並びに成立した内部当選フラグの種類、特別役の持ち越しの有無を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。サブ制御部91は、内部当選コマンドに基づいて、所定の入賞役に当選しているときに当該入賞役を特定可能な情報(ナビ演出とは異なる情報)を報知可能である。たとえば、同時当選役や特定の抽選対象役当選を示す内部当選フラグを受信したときには、同時当選役や特定の抽選対象役のいずれに当選しているかを報知可能である。これにより、同時当選役や特定の抽選対象役のうちいずれに当選しているかを遊技者に報知可能となり、遊技者の期待感を向上させることができる。
ストップスイッチやスタートスイッチの操作コマンドはストップスイッチやスタートスイッチが操作されたことを示すコマンドであり、各操作時に送信される。遊技状態コマンドは遊技状態が移行したときに送信される。具体的にはRTが移行したときやボーナスに制御されたときに送信される。
AT抽選時コマンドは、AT抽選が行われたときに送信され、AT抽選に当選したか否か、および、AT開始タイミングが何ゲーム目(AT当選から何ゲーム目)であるかなどを特定可能なコマンドである。
AT中コマンドは、ゲームが開始したときに送信され、当該ゲームがAT中におけるゲームであるか否かを特定可能なコマンドである。たとえば、ATゲーム数が付与されていてもATフラグがセットされておらずATが開始されていなければ、非ATを特定可能なコマンドが送信され、ATゲーム数が付与されておりかつATフラグがセットされておりATが開始されているときには、ATを特定可能なコマンドが送信される。
ATゲーム数コマンドは、メイン制御部41が管理するATゲーム数を特定可能なコマンドであって、ゲームが開始したときに送信される。たとえば、ATゲーム数が0であるときには、0を特定可能なコマンドが送信され、ATゲーム数が100であるときには、100を特定可能なコマンドが送信される。
サブ制御部91は、当選示唆演出抽選によって、当選示唆演出を実行する旨およびその種別を決定したときには、BB抽選・AT抽選の結果などに応じた当選示唆演出を次ゲーム開始時に実行した後に、BB抽選およびAT抽選の結果を報知する。
BB抽選およびAT抽選の結果としては、いずれも非当選であったときには「残念!」といったメッセージを液晶表示器51に表示させる演出が実行され、BB当選であったときには「BB確定!」といったメッセージを液晶表示器51に表示させる演出が実行され、AT当選であったときには「AT確定!」といったメッセージを液晶表示器51に表示させる演出が実行され、BB当選かつAT当選であったときには「BB・AT確定!」といったメッセージを液晶表示器51に表示させる演出が実行される。なお、BB当選したゲームにおいてBB入賞した場合には、サブ制御部91は、BB当選を報知するための当選示唆演出を実行しない。
また、サブ制御部91は、AT中コマンドに基づきAT中であるか否かを判別して、状態に応じた背景画像による演出を液晶表示器51において実行させるとともに、AT中であるときには内部当選コマンドに基づきナビ演出を実行する。また、サブ制御部91は、ATゲーム数コマンドに基づき、ATゲーム数のみならず、前回受信時のATゲーム数との差数を算出することで上乗せ抽選により獲得したATゲーム数を特定し、上乗せ示唆演出を実行する。
本実施の形態では、状態に応じた背景画像による演出、ナビ演出、当選示唆演出、および、上乗せ示唆演出などをサブ制御部91が所定の報知手段を制御することにより実行する例について説明した。しかし、これらサブ制御部91の制御に替えてあるいは加えて、状態に応じた背景画像による演出、ナビ演出、当選示唆演出、および、上乗せ示唆演出などについては、メイン制御部41に接続された報知手段を当該メイン制御部41が制御することにより実行するようにしてもよい。たとえば、状態に応じた背景画像による演出については、図4に示す遊技補助表示器12を用いて、状態に対応する情報を表示することにより実行するようにしてもよい。また、ナビ演出については、図4に示す左・中・右停止有効LED22L〜22Rを用いて、停止すべきストップスイッチに対応するLEDのみを点灯させることにより実行するようにしてもよい。なお、左・中・右停止有効LED22L〜22Rとは、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部に設けられ、通常時においては対応するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知するLEDである。また、当選示唆演出、および、上乗せ示唆演出については、図4に示す遊技補助表示器12を用いて、抽選結果に応じた情報を表示し、上乗せ抽選時には獲得したATゲーム数を表示するようにしてもよい。
[ゲームの流れ]
ここで、図8および図9を再び参照し、ゲームの流れに関しまとめて説明する。まず、RT4およびボーナス以外のRT0〜RT3におけるゲームの流れを説明する。RT0〜3においては、AT中であるか否かによって、それぞれ、以下に説明するようなゲームの流れとなる。まず、非AT中のゲームの流れについて説明する。
設定変更状態が終了した後において、RT3に制御される。設定変更状態に制御されることにより非ATとなるため、RT3ではATに制御されず、ナビ演出が実行されない。このように、RT3においてナビ演出が実行されることがないため、RT3において左ベル1〜4などのベルのうちの何れかに当選すると、第2停止と第3停止のタイミングによっては移行出目が導出される(図14参照)。よって、いつまでも移行出目が導出されずにRT1に移行されないといった不都合の発生を防止することができる。
RT1では、昇格リプレイに入賞することにより、RT0に移行する。昇格リプレイに入賞するためには、図13で示したように、リプレイGR1〜6の何れかに当選しかつ昇格リプ入賞させるための操作手順で停止操作する必要がある。
また、RT0に制御された場合でも、当該RT0への制御を維持することが困難となるように設定されている。すなわち、図11および図13で示したように、RT0では、リプレイGR11〜13に当選する可能性があり、このときには2/3の確率で転落リプレイが入賞してRT1に転落してしまう。
さらに、RT0で左ベル1〜4などのベルのうち何れかに当選した場合において、所定のリール(図14に示す右下がりベルあるいは中段ベルを入賞させるためのリール)以外が第1停止されたときには、第2停止と第3停止のタイミングによっては移行出目が導出されてRT1に転落してしまう。また、図11および図13で示したように、RT0では、リプレイGR21〜23に当選する可能性があり、このときに、所定のリール(図13に示す特殊リプレイを入賞させるためのリール)を第1停止すると特殊リプレイが入賞してRT2に制御される可能性がある。しかし、RT2に制御された場合でも、左ベル1〜4などのベルのうち何れかに当選したときには、所定のリール(図14に示す右下がりベルあるいは中段ベルを入賞させるためのリール)以外が第1停止されたときには、第2停止と第3停止のタイミングによっては移行出目が導出されてRT1に転落してしまう。その結果、非AT中のときの遊技の大部分は、RT1において消化されることとなる。
次に、AT中であるときのゲームの流れについて説明する。RT1では、リプレイGR1〜6の何れかに当選したときに、昇格リプレイを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、昇格リプレイの入賞によりRT0に移行させることができる。RT0では、リプレイGR11〜13の何れかに当選したときに、通常リプレイを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、通常リプレイ入賞によりRT0を維持することができる。また、RT0では、左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のうち何れかに当選したときに、右下がりベルまたは中段ベルを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、移行出目の導出を回避させてRT0を維持させることができる。さらに、RT0では、リプレイGR21〜23の何れかに当選したときに、特殊リプレイを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行され得る。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、特殊リプレイ入賞によりRT2に移行させることができる。
RT2では、左ベル1〜4、中ベル1〜4、および右ベル1〜4のうち何れかに当選したときに、右下がりベルまたは中段ベルを入賞させるための操作手順を特定するためのナビ演出が実行される。このため、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、移行出目の導出を回避させてRT2を維持させることができる。
このように、本実施の形態のスロットマシン1において、AT中であるときには、RT2に制御されるように、かつRT2が維持されるように、ナビ演出が実行されるため、AT中であるときの遊技の大部分は、RT2において消化されることとなる。なお、ATはATゲーム数が0になると終了する。ATのゲーム数は、RT2+AT(本実施の形態では、遊技者にとって有利なRT2においてATに制御されている状態を、特に、アシストリプレイタイム(以下、ARTという)と呼ぶ。)に制御することが可能になったゲームの次ゲーム、すなわちRT0でリプレイGR21〜23のいずれかに当選し、特殊リプレイが入賞可能となったゲームの次ゲームからカウント開始される。これにより、実質的にはARTでATゲーム数分のゲームを消化するとATが終了する。そして、ATの終了によりARTが終了することとなる。
ARTが終了した後においてはナビ演出が実行されなくなるが、移行出目が導出するまでRT2への制御が維持される。しかし、ARTが終了した後のRT2中は、非AT中であるため、前述したように所定のリール(図14に示す右下がりベルあるいは中段ベルを入賞させるためのリール)以外が第1停止される。その結果、ARTが終了した後のRT2中においては、ARTが終了してから極めて早い段階で移行出目が停止することによりRT1に移行される。
次に、BB1あるいはBB2に当選した後のゲームの流れについて説明する。いずれのRTに制御されているかにかかわらず、BB1あるいはBB2に当選したときには、図8で示したとおり、RT4へ制御される。また、BB当選ゲーム終了後の次ゲームにおいて当選示唆演出が実行されてBB当選している旨が報知されて、遊技者はBB1あるいはBB2に当選したことを把握することができる。BB入賞が発生すると、対応するボーナスに移行されて、所定の終了枚数払出されたときに終了して、RT3へ移行される。
[上乗せ抽選について]
前述したようにメイン制御部41は、初回ART開始時(AT当選後の特殊リプレイ入賞時の次のゲーム)から初回上乗せ特化期間(最低5ゲーム)に亘りATゲーム数の上乗せ抽選を行う。また、初回上乗せ特化期間終了後のAT中においては、RT2中にのみ抽選対象となり入賞時に「黒BAR/白BAR−黒BAR/白BAR−黒BAR/白BAR」を無効ライン上に停止させる特別リプレイに当選することにより、特別リプレイに当選以降の特別上乗せ特化期間(最低5ゲーム)に亘りATゲーム数を上乗せする上乗せ抽選を実行する。各上乗せ特化期間は、5ゲーム目以降において、上乗せ特化期間(上乗せ抽選ゲーム)をさらに継続するかの継続率を決定する抽選が上乗せ特化期間(上乗せ抽選ゲーム)が終了するまで実行される。図15は、上乗せ抽選処理の制御内容を示すフローチャートである。図15に示す上乗せ抽選処理は、内部抽選処理において内部抽選が行われた後に実行される。
S1においては、AT中であるか否かを判定する。つまり、ATフラグがセットされているか否かを判定する。AT中であると判定されたときには、S2において、初回ART開始時の判定用フラグが設定されているか否かを判定する。初回ART開始時の判定用フラグは、特殊リプレイに当選したことを示す判定用フラグであって、AT後に特殊リプレイに当選した際にセットされ、メイン制御部41のRAMの所定領域に設定されるフラグである。初回ART開始時の判定用フラグは、初回上乗せ特化期間が終了したときにクリアされる。
S2においてNOと判定されたときには、S6の処理へ移行する。S2において、初回ART開始時の判定用フラグが設定されていると判定されたときには、S3においてAT開始時上乗せ抽選を行う。AT開始時上乗せ抽選においては、図16(A)のAT開始時上乗せ抽選テーブルが参照される。
図16(A)に示すAT開始時上乗せ抽選テーブルは、内部抽選において当選した抽選対象役の種類により、上乗せされるATゲーム数が異なっている。抽選対象役の種類としては、リプレイ(GR21〜23、特別リプレイ以外)、ベル、レア役、リプレイGR21〜23、特別リプレイ、および、これら以外の抽選対象役により上乗せされるATゲーム数の割合が異なっている。ここで、レア役とは、スイカ、チェリーを示している。また、リプレイGR21〜23当選時は、図13に示すように操作手順により、特殊リプレイまたは通常リプレイが導出される場合がある。また、AT開始時上乗せ抽選テーブルにおいては、上乗せされるATゲーム数として、10,20,50,100ゲームが設定されている。
たとえば、特別リプレイに当選する判定値としては、図11に示すように、「100」が割り振られており、その他の抽選対象役の判定値についても図10および図11に示す判定値数が割り振られている。より具体的に、図17を参照して説明する。図17は、RT0〜RT2各々の抽選対象役に対して割り当てられている乱数値の一例を説明するための図である。図17に示す乱数値は、図10および図11に示す判定値数となるように割り当てられている。
たとえば、小役に相当するベル、左ベル1、左ベル2…各々についての乱数値は、RT0〜RT2のいずれについても、図17に示すように、「0〜359」、「360〜734」、「735〜1109」…が割り振られている。一方、再遊技役に相当するリプレイの乱数値は、RT0〜RT2毎に、図11の判定値数となるように割り振られている。各状態において最後の方で抽選対象役として読み出されるリプレイ、たとえば、RT1におけるリプレイGR6については「24745〜26494」が割り振られ、RT0におけるリプレイGR23については「46391〜48970」が割り振られている。また、RT2においては、通常リプレイについて「17531〜64484」が割り振られ、特別リプレイについて「64485〜64584」が割り振られ、リプレイGR23については「65185〜65484」が割り振られている。
AT開始時上乗せ抽選テーブルは、たとえば、特別リプレイ当選となる「64485〜64584」内の乱数値を内部抽選に用いる乱数値として抽出して特別リプレイ当選となったときに、30%の割合で「50ゲーム」が上乗せゲーム数として決定され、70%の割合で「100ゲーム」が上乗せゲーム数として決定される。上乗せゲーム数は、メイン制御部41のRAMの所定領域において記憶されているATゲーム数に加算される。他の抽選対象役についても同様に上乗せゲームが決定される。
また、S3におけるAT開始時上乗せ抽選においては、初回上乗せ特化期間の5ゲーム目以降において、図16(C)のAT開始時上乗せ抽選継続率抽選テーブルにより、初回上乗せ特化期間の継続率が決定される。図16(C)に示すAT開始時上乗せ抽選継続率抽選テーブルでは、上乗せ抽選5ゲーム後の継続率について、20%継続が20%の割合で決定され、60%継続が80%の割合で決定される。たとえば、初回上乗せ特化期間の5ゲームに60%継続が決定された場合には、60%の割合で初回上乗せ特化期間が継続され、40%の割合で初回上乗せ特化期間が終了する。
図15に戻り、S3の後は、S4において、上乗せ抽選の結果に応じた上乗せ示唆演出を設定する。本実施の形態では、上乗せ示唆演出として、毎ゲームにおいて上乗せされたゲーム数を液晶表示器51で報知する演出が実行される。S4の後は処理を終了する。
S6においては、AT+RT2のARTにおいて移行出目停止により転落したRT1およびRT0のいずれかであるかを判定する。これにより、ATに制御されてナビ演出が開始されてからRT2に制御されるまでのRT1やRT0の状態のときや、RT2中のときには、NOと判定される。
S6においてNOと判定されたときには、S8において、特別リプレイに当選したことを特定可能な特別リプレイ当選時の判定用フラグが設定されているか否かを判定する。ここで、特別リプレイ当選時の判定用フラグとは、特別リプレイに当選したことを判定可能なフラグであって、内部抽選処理における内部抽選において特別リプレイに当選したときに、特別リプレイに当選した旨を示す当選フラグとは別にメイン制御部41のRAMの所定領域に設定されるフラグである。特別リプレイ当選時の判定用フラグは、特別上乗せ特化期間が終了したときにクリアされる。
S8において、特別リプレイ当選時の判定用フラグが設定されていると判定されたときには、S9においてAT中上乗せ抽選を行う。AT中上乗せ抽選においては、図16(B)のAT中上乗せ抽選テーブルが参照される。
図16(B)に示すAT中上乗せ抽選テーブルは、内部抽選において当選した抽選対象役の種類により、上乗せされるATゲーム数が異なっている。抽選対象役の種類としては、リプレイ(GR21〜23、特別リプレイ以外)、ベル、レア役、リプレイGR21〜23、特別リプレイ、および、これら以外の抽選対象役により上乗せされるATゲーム数の割合が異なっている。また、AT開始時上乗せ抽選テーブルにおいては、上乗せされるATゲーム数として、5,10,30,80ゲームが設定されている。このような図16(B)のAT中上乗せ抽選テーブルでは、図16(A)に示すAT開始時上乗せ抽選テーブルと同様の方法で上乗せゲーム数が決定される。
また、S9におけるAT中上乗せ抽選においては、特別上乗せ特化期間の5ゲーム目以降において、図16(D)のAT中上乗せ抽選継続率抽選テーブルにより、特別上乗せ特化期間の継続率が決定される。図16(D)に示すAT中上乗せ抽選継続率抽選テーブルでは、上乗せ抽選5ゲーム後の継続率について、10%継続が40%の割合で決定され、40%継続が60%の割合で決定される。そして、S9の後は、S10において、上乗せ抽選の結果に応じた上乗せ示唆演出を設定する。S10の上乗せ示唆演出は、S4の上乗せ示唆演出と同様の態様で実行される。その後、処理を終了する。
一方、S1においてAT中でないと判定されたときや、S8で特別リプレイ当選時の判定用フラグが設定されていないと判定されたときには、そのまま上乗せ抽選処理を終了する。
ここで、前述したように、ART中においては、ナビ演出にしたがった操作手順で停止操作を行う限り、移行出目が停止されないため、RT2からRT1へ制御されることはない。しかし、ナビ演出が実行されたとしても、遊技者が操作手順を誤るなどして、操作手順通りに停止操作できない場合も生じ得る。この場合には、当選状況によっては、移行出目が停止される可能性があり、RT2からRT1に制御されてしまう。
一方、RT2から転落したRT1やRT0では、図11で示したように、特別リプレイについて内部抽選されない。このため、内部抽選において抽出した乱数値が、RT2であれば特別リプレイに当選し得る乱数値であっても、RT2から転落後のRT1やRT0では特別リプレイに当選しないため、S9において上乗せ抽選が行われず、遊技者に対して不利益を生じさせてしまうことになる。
しかし、図15に示す上乗せ抽選処理では、AT中であって(S1でYES)、初回上乗せ特化期間ではなく、RT2から転落後のRT1やRT0であるとき(S6でYES)には、S7に示すように、内部抽選で抽出した乱数値に基づいて当該内部抽選で設定された判定用フラグを、RT2中の判定用フラグに変換される。つまり、内部抽選で抽出した乱数値が図17のRT2のいずれに属するか判定されて、属する抽選対象役あるいははずれの判定用フラグに変換される。つまり、内部抽選で抽出した乱数値が図17のRT2のいずれに属するか判定されて、属する抽選対象役あるいははずれの判定用フラグに変換される。
このため、RT0やRT1における内部抽選において、「64485〜64584」のうちいずれかの乱数値を抽出してはずれを判定する判定用フラグが設定されているときであっても、RT2中であれば特別リプレイ当選となる乱数値であるため、S7において特別リプレイ当選時の判定用フラグに変換される。その結果、RT2からRT1に転落した後であっても、RT2であれば本来上乗せ抽選が行われる乱数値を抽出しているときには、判定用フラグが特別リプレイ当選時の判定用フラグに変換されるため、S8においてYESと判定されてS9において上乗せ抽選が行われることになる。S7において特別リプレイ当選時の判定用フラグに変換された後におけるS9の上乗せ抽選においても、RT2中の判定用フラグに変換された後の判定用フラグを用いて、図16(B)で示したAT中上乗せ抽選テーブルを参照して上乗せ抽選を行う。また、図16(D)で示したAT中上乗せ抽選継続率抽選テーブルを参照して特別上乗せ特化期間の継続率の抽選を行う。また、当該上乗せ抽選において上乗せされたときにおいても、RT2中で特別リプレイ当選したときと同様に、S10において上乗せ示唆演出が設定されて、同じ態様で上乗せ示唆演出が実行される。
図16に示す各種テーブルについて、さらに詳細に説明する。図16(A)に示すAT開始時上乗せ抽選テーブルと図16(B)に示すAT中上乗せ抽選テーブルを比較すると、図16(A)に示すAT開始時上乗せ抽選テーブルの方が図16(B)に示すAT中上乗せ抽選テーブルよりも有利となるように設定されている。つまり、初回ART開始時に移行される初回上乗せ特化期間では、初回上乗せ特化期間後のART中の特別リプレイ当選時に移行する特別上乗せ特化期間よりも上乗せ期間中に付与される有利量(上乗せされるATゲーム数、上乗せ抽選5ゲーム後の継続率)の期待値が高く設定されている。
たとえば、初回上乗せ特化期間では、上乗せされる最低保障ATゲーム数が特別上乗せ特化期間よりも多い。最低保障ATゲーム数は、上乗せ特化期間で付与され得る最低のATゲーム数である。たとえば、初回上乗せ特化期間では、上乗せされるATゲーム数が10ゲームが5回選択された場合の50ゲームが最低保障ATゲーム数となる。また、特別上乗せ特化期間では、上乗せされるATゲーム数が5ゲームが5回選択された場合の25ゲームが最低保障ATゲーム数となる。
また、上乗せ抽選演出に継続されるゲーム数が長い程、付与されるATゲーム数が増加するが、上乗せ抽選演出の継続率が初回上乗せ特化期間と特別上乗せ特化期間とで異なっている。たとえば、図16(C)に示すAT開始時上乗せ抽選継続率抽選テーブルの方が、図16(D)に示すAT中上乗せ抽選継続率抽選テーブルよりも上乗せ特化期間に継続されることを期待できる期間が長くなるように継続率が決定される。具体的には、初回上乗せ特化期間では、継続率60%が80%の割合で決定されるのに対し、特別上乗せ特化期間では、継続率40%が60%の割合でしか決定されない。
ここで、S3のAT開始時上乗せ抽選とS4のAT中上乗せ抽選とでは、メイン制御部41のRAMの所定領域において、格納される各種情報の記憶先が異なっている。たとえば、初回上乗せ特化期間においては、初回ART開始時の判定用フラグ、初回上乗せ特化期間中に上乗せされたATゲーム数を示す情報が初回上乗せ特化期間に対応したRAMの記憶領域に記憶される。また、特別上乗せ特化期間においては、特別リプレイ当選時の判定用フラグ、特別上乗せ特化期間中に上乗せされたATゲーム数を示す情報が特別上乗せ特化期間に対応したRAMの記憶領域に記憶される。
また、図16(A),(B)に示すように、リプレイGR21〜23当選時には、特殊リプレイか通常リプレイのいずれが導出されるかにより、上乗せされるATゲーム数が異なっている。リプレイGR21〜23は、図13に示すように押し順により、導出される図柄の組合せが異なる。このような、リプレイGR21〜23でのナビ態様は、図16(E)のリプレイGR21〜23当選時のナビ態様抽選テーブルに示すように、特殊リプレイのナビが60%の割合で決定され、通常リプレイのナビが40%の割合で決定される。図16(E)に示すように、初回上乗せ特化期間であるか特別上乗せ特化期間であるかに関わらず共通の割合で報知するナビ演出の態様が決定される。
次に、前述した実施の形態により得られる主な効果を説明する。
(1) 前述した実施の形態によれば、初回上乗せ特化期間では、初回上乗せ特化期間後の特別上乗せ特化期間よりも上乗せ期間中に付与される有利量(上乗せされるATゲーム数、上乗せ抽選5ゲーム後の継続率)の期待値が高く設定されている。このため、最初に特化期間に制御される遊技状態において、有利な遊技状態とすることができ、初回ART開始時に制御される初回上乗せ特化期間と、初回より後の特別上乗せ特化期間とで遊技状態に合わせた有利量を付与することができる。また、初回上乗せ特化期間に制御されるときに、付与されう有利量の期待値を高めることで、どのようなゲーム性で上乗せ特化期間が実行されるかを遊技者に理解させることができる。
(2) 前述した実施の形態によれば、特化期間において付与される最低保障ゲーム数が、初回上乗せ特化期間の方が特別上乗せ特化期間よりも多い。このため、初回上乗せ特化期間においてATゲームがすぐに終了してしまうことを心配せず、安心して遊技を行うことができる。
(3) 前述した実施の形態によれば、初回上乗せ特化期間の方が特別上乗せ特化期間よりも継続率が高くなるような決定がされる。このため、初回上乗せ特化期間を特別上乗せ特化期間よりも継続しやすくすることができ、遊技の興趣が向上する。
(4) 前述した実施の形態によれば、初回上乗せ特化期間に上乗せ抽選に制御されたことを示す情報と、特別上乗せ特化期間に上乗せ抽選に制御されたことを示す情報とを異なる領域に記憶する。このため、それぞれの特化期間に制御されたことを示す情報を適切に管理することができる。
(5) 前述した実施の形態によれば、リプレイGR21〜GR23当選時には、初回上乗せ特化期間であるか特別上乗せ特化期間であるかに関わらず共通の割合で報知するナビ演出の態様が決定される。このため、初回上乗せ特化期間と特別上乗せ特化期間とで、押し順を特定する処理を共通にすることが可能なので、処理負担を軽減することができる。
(6) 前述した実施の形態によれば、図15で示したように、AT中でかつRT2中であるときにおいて、ゲーム結果として無効ライン上に「黒BAR/白BAR−黒BAR/白BAR−黒BAR/白BAR」を停止させる特別リプレイ当選となる乱数値が抽出されたときに、S9において上乗せ抽選が実行される。このため、特別リプレイ当選となることおよび「黒BAR/白BAR−黒BAR/白BAR−黒BAR/白BAR」が停止されることに対し期待感を抱かせることができる。
また、ART中において操作手順を誤るなどしてRT1およびRT0へ転落した場合、「黒BAR/白BAR−黒BAR/白BAR−黒BAR/白BAR」は停止されないが、RT2であれば特別リプレイ当選となる乱数値を内部抽選において抽出していたときには、特別リプレイ当選していなくとも、S9において上乗せ抽選が実行される。このため、ART中であるにもかかわらず停止操作を誤ってRT1やRT0へ転落したとしても、本来上乗せ抽選されるべき乱数値を抽出しているときには、ART中であるときと同じように上乗せ抽選が行われるため、遊技者の不利益が大きくなり過ぎることを防止できる。
(7) 前述した実施の形態によれば、図15のS6において転落後のRT1またはRT0であるか否かにかかわらず、その後のS9における上乗せ抽選では、図16(B)で示した共通のATゲーム数上乗せ抽選テーブルを用いて上乗せ抽選が行われる。このため、上乗せ抽選に用いるテーブルなどのデータ量を低減でき、当該テーブルを記憶するための記憶容量が増大してしまうことを防止できる。
(8) 前述した実施の形態によれば、内部抽選処理において、当選した当該抽選対象役を示す当選フラグとは別に、内部抽選の結果を判定可能な判定用フラグが設定され、RT2において特別リプレイに当選したときには、特別リプレイ当選時の判定用フラグが設定される。また、RT2から転落したRT1またはRT0において、特別リプレイ当選となり得る乱数値を内部抽選において抽出していたときには、図15のS7において、RT2中の判定用フラグに変換される結果、特別リプレイ当選時の判定用フラグが設定される。また、S8で示したように、RTの状態を判定することなく、判定用フラグに基づいて上乗せ抽選するか否かを判定することができる。このため、上乗せ抽選を実行するか否かの判定処理をRTの状態にかかわらず共通化することができ、処理負担を軽減することができる。
(9) 前述した実施の形態によれば、図15のS7を経由したか否かにかかわらず、S10において共通の態様で上乗せ抽選の結果に応じた上乗せ示唆演出を実行することができる。このため、上乗せ示唆演出を実行するためのデータ量を低減でき、記憶容量が増大してしまうことを防止できる。
本発明は、上記の実施の形態に限られず、種々の変形、応用が可能である。以下、本発明に適用可能な上記の実施の形態の変形例について説明する。
[有利量について]
前述した実施の形態では、有利量として上乗せ特化期間に付与され得る最低保障ゲーム数や上乗せ特化期間の継続率について説明した。有利量としては、上乗せ特化期間自体のゲーム数であってもよい。また、有利量としてある特定の抽選対象役が他の抽選対象役と比べて有利なゲーム数や継続率が抽選されるようにしてもよい。
[有利量の付与されるタイミングについて]
前述した実施の形態では、初回にARTに制御されるタイミングと、ART中の特別リプレイ当選時のタイミングとで、有利量が付与されていた。しかし、有利量は、AT当選時とAT開始時とで付与されるようにし、AT当選時の方がAT開始時よりも付与される有利量の期待値が大きくなるようにしてもよい。また、ART中にのみ上乗せ当選を実行し、ARTに制御されてから最初の上乗せ当選の方が、その後に実行される上乗せ当選よりも付与される有利量の期待値が大きくなるようにしてもよい。
[上乗せ特化期間について]
前述した実施の形態では、有利量が付与される上乗せ特化期間は、最低5ゲームとなっていた。しかし、上乗せ特化期間は、1ゲームでもあってもよい。また、初回上乗せ特化期間は、初回上乗せ特化期間よりも後の特別上乗せ特化期間よりも期間が長く設定されるようにしてもよい。たとえば、初回上乗せ特化期間が5ゲームとし、特別上乗せ特化期間を3ゲームとしてもよい。また、上乗せ特化期間は、初回のART開始時となっていたが、初回のAT当選時から開始されるようにしてもよい。
[上乗せ特化期間の継続率について]
前述した実施の形態では、上乗せ特化期間の継続率が5ゲーム目以降毎ゲーム毎に決定されていた。しかし、上乗せ特化期間の継続率は、1〜4ゲーム目においても抽選が実行されるようにしてもよい。また、上乗せ期間開始時に継続率が決定され、その後のゲームではその決定率に基づいて上乗せ期間が継続されるようにしてもよい。
[上乗せ示唆演出について]
前述した実施の形態では、上乗せ示唆演出として、毎ゲームにおいて上乗せされたゲーム数を液晶表示器51で報知する演出が実行されることを説明した。しかし、上乗せ示唆演出として、フリーズ演出を実行させるようにしてもよい。また、上乗せ示唆演出として、フリーズ中に、リール2L〜2Rを回転させて白7の3つ揃いを停止させるリール演出制御を上乗せゲーム数に応じた回数(たとえば、10上乗せの場合は1回、20上乗せの場合は2回、50上乗せの場合は3回、100上乗せの場合は5回)実行する。また、サブ制御部91では、液晶表示器51において、白7の3つ揃いの停止に合わせて「+10」といった画像を表示するようにしてもよい。
[特典付与制御を実行する契機の判定方法について]
前述した実施の形態では、特典付与制御としての上乗せ抽選を実行する契機の判定方法として、図15のS8で示したように、判定用フラグに基づき判定する例について説明した。しかし、判定用フラグに基づき特典付与制御を実行する契機を判定するものに限らず、たとえば、上乗せ抽選処理では、AT中であってかつRTの状態がRT2中およびRT2から転落したRT1またはRT0であるときの内部抽選において抽出した乱数値が、RT2中において特別リプレイ当選となる乱数値であるか否かを判定し、特別リプレイ当選となる乱数値であるときには上乗せ抽選を行うようにしてもよい。このように構成した場合であっても前述した実施の形態のスロットマシンにより奏される効果と同様の効果を奏する。
[特典について]
前述した例では、特典として、BB当選、AT当選、ATに制御可能にするATゲーム数など、メダルやパチンコ玉の払出率に直接影響を及ぼす価値を例示した。しかし、特典としては、遊技者にとっての有利度合いを向上させる価値であればよく、たとえば、メダルの払出率に直接影響を及ぼすものではない価値であってもよい。具体的に、AT抽選において通常時よりも高確率でAT当選する高確率状態が設けられている場合において、現在の状態が高確率状態であるか否かを示唆するための確率示唆演出の実行、液晶表示器51に音声とともにプレミア演出の実行(特別キャラクタ出現、次回発生したボーナス中において特別なボーナス中演出実行など)、設定されている設定値を示唆するための設定値示唆演出の実行、一定数を集めることでスロットマシン1が設置された遊技店において定めたサービスと交換可能なポイント付与、特典映像や特典情報を所定のWebサイトにてダウンロードすることが可能な2次元コードを液晶表示器51において表示などであってもよい。
また、特典の一例としてATゲーム数を例示したが、ATに関する特典としては、これに限らず、たとえば、ATに所定ゲーム数(たとえば50ゲーム)制御可能にする権利(ナビストック)を特典としてもよい。また、ナビ演出を実行可能なナビ演出実行可能回数を決定し、当該決定されたナビ演出実行可能回数分、ナビ演出が実行されるまでATに制御する場合、ナビ演出実行可能回数を特典としてもよい。また、たとえば、上限付与量を決定し、付与された遊技用価値(メダル払出枚数)が決定された上限付与量に到達するまでATに制御する場合、上限付与量を特典としてもよい。また、所定のAT開始条件が成立してから所定のAT終了条件が成立するまでATに制御され、AT終了条件が成立したときに当該ATを継続するか否かの継続抽選を行なう場合、継続抽選において継続すると決定される継続確率を特典としてもよい。
[特典付与演出について]
前述した実施の形態では、特典付与演出として上乗せ示唆演出を例示し、図15のS7を経由したか否かにかかわらず、S10において共通の態様で上乗せ示唆演出を実行する例について説明した。しかし、これに限らず、S7を経由したか否か、つまり、RT2中であるか、あるいは転落したRT1またはRT0であるかに応じて、異なる態様でS10の上乗せ示唆演出を実行するようにしてもよい。たとえば、S7を経由せずにS8においてYESと判定されたときには、上乗せ示唆演出としてフリーズを発生させてリール演出制御を実行する一方、S7を経由してS8においてYESと判定されたときには、上乗せ示唆演出としてフリーズを発生させずに、当該ゲームが終了したときに液晶表示器51において上乗せ抽選に応じた演出表示を実行するようにしてもよい。これにより、RT2中であるか、あるいは転落したRT1またはRT0であるかに応じて異なる態様で上乗せ示唆演出が実行されるため、遊技の興趣を向上させることができる。
[特典付与制御の実行契機について]
前述した実施の形態では、ART中における上乗せ抽選の契機として特別リプレイ当選を例示した。しかし、ART中における上乗せ抽選は、これに限らず、たとえば、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、1枚役、特別リプレイのうちのいずれかが当選したことを契機に実行するものであってもよい。つまり、図15のS8では、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、1枚役、特別リプレイのうちのいずれかの当選時の判定用フラグが設定されているか否かを判定し、いずれかの判定用フラグが設定されていると判定されたときにS9において上乗せ抽選を実行するようにしてもよい。この場合における上乗せ抽選において上乗せすると決定される割合、および、上乗せするときに決定される上乗せゲーム数の期待値(獲得する平均ゲーム数)は、抽選対象役の種類に応じて異なるように定められており、たとえば、強スイカ、強チェリー、中段チェリーのいずれかに当選したときには他の抽選対象役(特別リプレイを除く)当選時よりも大きくなるように、さらに、特別リプレイに当選したときには必ず上乗せされかつ上乗せゲーム数の期待値が他のいずれよりも大きくなるように、上乗せ抽選が行われるようにしてもよい。この場合、弱スイカ、強スイカ、弱チェリー、強チェリー、中段チェリー、1枚役については、RT2のみならずRT2から転落したRT1やRT0においても抽選対象となるため、対応する判定用フラグが設定されるため上乗せ抽選が行われる。一方、特別リプレイについては、RT2から転落したRT1やRT0において抽選されないが、特別リプレイ当選となる乱数値を抽出しているときには、S3において判定用フラグが変換されるため、上乗せ抽選が行われることとなる。なお、RT2から転落したRT1やRT0においては、他の抽選対象役よりも有利な態様で上乗せ抽選が行われるはずであった特別リプレイ当選時にのみ上乗せ抽選が行われるように構成してもよい。
また、RT2において上乗せ抽選を実行する契機を成立させるすべての乱数値について、RT2から転落したRT1やRT0において抽出したときにも上乗せ抽選を実行する例について説明したが、これに限らず、RT2から転落したRT1やRT0においては、RT2において上乗せ抽選を実行する契機を成立させる乱数値のうち一部の乱数値を抽出したときにのみ上乗せ抽選を実行するようにしてもよい。
[特典付与制御を実行する所定状態について]
前述した実施の形態では、図15のS6およびS7で示したように、RT2から転落したRT1およびRT0のいずれかであるときに上乗せ抽選を実行可能となる例について説明した。しかし、S6においては、RT2中であるか否かを判定し、RT2中であると判定したときにはS8へ移行し、RT2中でないと判定したときは、RT2から転落したRT1やRT0であるかにかかわらず、S7を実行するようにしてもよい。つまり、報知期間でありかつ所定状態であるときにおいて特定数値情報が抽出されたときに、特典付与制御を実行するようにしてもよい。
[特定数値情報について]
前述した実施の形態において特定数値情報としてRT2中に特別リプレイ当選となる一方、RT1やRT0中でははずれとなる乱数値を例示した。しかし、特定数値情報は、これに限らず、RT2中には特別リプレイ当選となる一方、RT1やRT0中では特別リプレイとは異なるリプレイ当選となる乱数値であってもよく、また、RT2中にははずれとなる一方、RT1やRT0中では当選した入賞役(特定のリプレイなど)を必ず入賞させる当選状況となる乱数値であってもよい。特定数値情報は、ゲームの結果として停止させる図柄の組合せが所定状態において抽出されたときと有利状態において抽出されたときとで異なる数値情報であってもよく、内部抽選による当選状況が所定状態において抽出されたときと有利状態において抽出されたときとで異なる数値情報であってもよい。
[非AT中について]
前述した実施の形態では、報知期間としてのAT中であることを前提として、図15のS6移行の処理が実行される例について説明した。しかし、報知期間でない非AT中であるときにも同様の処理が実行されるようにしてもよい。前述した実施の形態では、AT抽選の契機となる特定の抽選対象役として所定の小役当選を例示したが、特定のリプレイ当選を適用してもよい。この場合、RT1においては、特定リプレイが内部抽選の抽選対象役として読み出される一方、RT0およびRT2においては、特定リプレイが内部抽選の対象役として読み出されないように構成してもよい。この場合、非AT中における遊技の大半を占めるRT1中においては、特定リプレイに当選することによりAT抽選が行われてATに制御可能となる。一方、非AT中のRT1において操作手順を誤るなどして偶然昇格リプレイや特殊リプレイが入賞してRT0やRT2に制御されてしまったときには、RT1であれば特定リプレイ当選となる乱数値を抽出したとしてもAT抽選が行われず、遊技者の不利益が大きくなり過ぎる。これを解消するために、RT1であれば特定リプレイ当選となる乱数値を、非AT中のRT0やRT2の内部抽選において抽出しているときには、RT1中であるときと同じようにAT抽選を行うようにしてもよい。
具体的には、次の構成を備えるようにしてもよい。各々が識別可能な複数種類の識別情報を変動表示可能な可変表示部を備え、前記可変表示部を変動表示した後、前記可変表示部の変動表示を停止することで表示結果を導出し、該表示結果に応じて入賞が発生可能であるスロットマシンにおいて、所定の数値範囲から抽出した数値情報に応じて、複数の表示結果各々について導出を許容するか否かを決定する事前決定手段と、遊技者が表示結果を導出させるために操作する導出操作手段と、所定状態と該所定状態よりも遊技者に有利な有利状態とを含む複数種類の状態のうちのいずれかに制御する手段であって、前記有利状態において前記事前決定手段の決定結果が特定結果となったときに所定手順で前記導出操作手段が操作されることで前記所定状態へ制御せず、前記所定手順と異なる手順で前記導出操作手段が操作されることで前記所定状態へ制御可能である状態制御手段と、遊技者にとって有利な特典の付与に関する特典付与制御を実行する特典付与制御実行手段とを備え、前記所定の数値範囲のうち特定数値情報は、前記所定状態において抽出されたときに特定表示結果の導出を許容する旨を決定させる一方、前記有利状態において抽出されたときには前記特定表示結果の導出を許容しない旨を決定させる数値情報に定められており、前記特典付与制御実行手段は、前記所定状態であるときにおいて前記特定数値情報が抽出されたときに、前記特典付与制御を実行し、前記所定状態から制御された有利状態であるときにおいて前記特定数値情報が抽出されたときに、前記特典付与制御を実行する。このような構成に対しても、前述した種々の構成を適用してもよい。これにより、遊技者の不利益が大きくなり過ぎることを防止できる。
[ナビ演出について]
前述した実施の形態では、ART終了後のRT2では全ての内部抽選役についてナビ演出を実行しなかったが、RT2では少なくともベルが当選したときに移行出目の導出を回避する押し順のナビ演出を実行しなければ、他の内部抽選役についてはナビ演出を実行してもよい。
[有利状態について]
前述した例では、有利状態として、スロットマシンについては小役の当選確率が所定状態であるときよりも高確率となるビッグボーナス(BB)やATを例示したが、遊技者にとって有利な状態であればこれに限るものではなく、以下においてスロットマシンの例を説明する。
有利状態は、たとえば、所定の入賞役の当選確率が高確率となるレギュラーボーナス(RB)やリプレイタイム(RT)、小役の集中状態や、少なくとも1のリールの引き込み可能範囲が通常よりも狭くなるとともに毎ゲームにおいてすべての小役の発生が許容された状態となるチャレンジタイム(CT)、入賞役の当選確率などを変化させるものではなく当選した小役を入賞させるための操作手順を所定期間(たとえば50ゲーム消化するまでの間)に亘って報知する擬似ボーナスなどであってもよい。また、これらの有利な状態に制御される確率が高確率となる状態であってもよく、また、フリーズ状態に制御される確率が高確率の状態、ATゲーム数などのゲーム数が高確率で上乗せされる状態、ATの上乗せゲーム数が増加されやすくなる状態など、上記実施形態と異なる態様の有利状態を設定してもよい。また、通信回線網上で特典を得るための条件や、プレミアム感のある演出(フリーズ演出、プレミアム演出など)を実行する条件の成立確率が高確率となる状態等、遊技者にとって間接的に有利な特典や、遊技の興趣を向上させる状態などであってもよい。また、有利状態への移行を許容するか否かを決定する許容決定手段は、内部抽選処理に限らず、入賞役とは無関係に決定する手段であってもよい。
[演出や報知について]
前述した例では、液晶表示器51を用いて演出や報知を行う例を挙げたが、例えば、スピーカ53,54、リールの背面側(内側)に配置されたバックランプ(上記実施形態のリールLED55)、リールの前面側に配置された透過液晶表示器(リールを目視できるように構成された液晶表示器)、前面扉1bなどに取り付けられたランプやLED、ストップスイッチの振動、ストップスイッチの周囲からの送風、ストップスイッチの温度の変化など、上記の実施形態と異なる手段で演出を実行してもよい。
[当選示唆演出について]
前述した実施の形態では、サブ制御部91が当選示唆演出を決定するのではなく、メイン制御部41が当選示唆演出を決定するようにしてもよい。たとえば、メイン制御部41は、内部抽選において同時当選役に当選してAT抽選が行われたときには、BB当選およびAT当選したか否かを示唆する当選示唆演出を所定タイミングで実行するための処理を行うようにしてもよい。当選示唆演出としては、たとえば、スタートスイッチ7を操作したときにゲームの進行を所定期間に亘って遅延させるフリーズ演出が設けられていてもよい。フリーズ演出中においては、リール2L〜2Rを所定態様で回転させて、特定の図柄組合せを仮停止させる擬似遊技を実行する。擬似遊技は、フリーズ演出中において複数回実行可能である。なお、フリーズ演出は、スタートスイッチ7を操作したときに実行されるものに限らず、第1停止操作されたときや、第3停止操作されたとき、表示結果が導出されて1ゲームが終了したときなどに実行されるものであってもよい。
また、BB当選あるいはAT当選している信頼度は、フリーズ演出が最も高く、続いて、連打演出、ボタン演出、キャラクタB演出の順となり、キャラクタA演出が最も低くなるように、当選示唆演出の種別が決定されるように割合が定められていてもよい。なお、実行する演出としては、一の当選示唆演出が決定されるものに限らず、複数の当選示唆演出が決定され得るようにしてもよい。また、当選示唆演出を実行する所定タイミングは、これに限らず、複数タイミングからメイン制御部41により決定されるもの(より具体的に、メイン制御部41は、AT当選示唆演出による結果報知を行うタイミングを、特定の抽選対象役が当選したゲームから何ゲーム目(たとえば、0〜32ゲームのうちいずれか)とするかを乱数抽選などにより決定するもの)であってもよい。メイン制御部41は、当選示唆演出を実行する所定タイミングで、当選示唆演出の種別を特定するためのコマンドをサブ制御部91へ出力するとともに、当該当選示唆演出がフリーズ演出である場合には当該フリーズ演出用の処理を実行するようにしてもよい。なお、フリーズ演出以外の当選示唆演出については、前述した実施の形態で説明したように、サブ制御部91により決定されるように構成してもよい。
[ATについて]
上記スロットマシンの例では、ATに係る制御をメイン制御部41が実行する例について説明したが、メイン制御部41が実行するATに係る制御としては、AT抽選の実行が挙げられる。AT抽選には、AT抽選の当選または非当選の決定、ATゲーム数をストックするか否かの決定、ATゲーム数の決定、ATゲーム数の上乗せ抽選などが含まれるものであってもよい。また、ATに係る制御としてAT抽選の高確率状態の制御が挙げられる。AT抽選の高確率状態の制御には、AT抽選の当選確率が高確率になる制御、内部抽選の結果に応じてATに制御されるまでの期間を短縮する制御、上乗せ抽選の当選確率やゲーム数を優遇する制御などが含まれる。また、ATに係る制御として、規定ゲーム数のゲームが消化されたときにATに制御することが挙げられる。規定ゲーム数のゲームが消化されたときとして、天井ゲーム数に到達したとき、抽選で決定されたゲーム数に到達したときが含まれる。また、ATに係る制御として、前兆期間を設定する制御が挙げられる。前兆期間を設定する制御には、ATの開始前の前兆期間に例えば0〜32ゲームの演出を実行する制御が含まれる。また、ATに係る制御として、ペナルティを付与する制御が挙げられる。ペナルティを付与する制御には、ペナルティ内容の決定、ペナルティ期間の決定または設定が含まれる。また、ATに係る制御として、AT中である旨のランプやLEDの点灯制御をメイン制御部41が行うことが挙げられる。
また、ATに係る制御として、ナビ演出を実行するためのランプやLEDの点灯制御をメイン制御部41が行うことが挙げられる。さらに、メイン制御部41がナビ演出を実行することに連動してサブ制御部91がナビ演出を実行するようにしてもよい。
なお、ATに係る制御をメイン制御部41が実行する場合には、メイン制御部41の処理を、メイン制御部41に従属し、メイン制御部41の下位となる制御部に実行させることが好ましい。例えば、リールの停止制御を遊技制御基板以外の基板に設けた制御部が実行するようにし、メイン制御部41はストップスイッチの操作信号を当該制御部に転送することが挙げられる。このように、メイン制御部41の制御を下位となる制御部に行わせることにより、ATに係る制御を行うときのROM41bやRAM41cの容量不足やメインCPU41aの処理能力不足を防止することができる。
また、前述した実施の形態では、前述したATに係る制御をメイン制御部41が実行するようにしたが、サブ制御部91が実行するようにしてもよい。サブ制御部91は、たとえば、メイン制御部41からの内部当選コマンドに基づいてAT抽選処理や上乗せ抽選処理を行い、その結果に応じてATに制御するための処理やナビ演出を実行するための処理などを行うようにしてもよい。
[設定変更状態および設定確認状態について]
設定変更状態に関して、「電源ON」+「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定変更状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定変更を防ぐことができる。また、一旦設定変更状態に移行された後は、設定変更状態を終了させる終了条件(設定値確定後に設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定変更状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定変更状態中に前面扉が閉まっても設定変更状態を終了させないため、再度設定変更状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
また、設定確認状態に関して、「設定キースイッチON」+「前面扉開放検出」を条件として、設定確認状態に移行させるようにしてもよい。これにより、前面扉が開放されていない状態での不正な設定確認を防ぐことができる。また、一旦設定確認状態に移行された後は、設定確認状態を終了させる終了条件(設定キースイッチがOFF操作)が成立するまで前面扉の開閉状態に関わらず設定確認状態を維持するようにしてもよい。これにより、設定確認状態中に前面扉が閉まっても設定確認状態を終了させないため、再度設定確認状態へ移行させる手間を生じさせてしまうことを防ぐことができる。
[スロットマシンの変形例について]
上記実施形態として、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すスロットマシンを説明したが、遊技媒体が封入され、入賞の発生に応じて遊技媒体を遊技者の手元に払い出すことなく遊技点(得点)を加算する封入式のスロットマシンを採用してもよい。基盤とドラムとが流通可能で、筺体が共通なもので基盤のみあるいは基盤とドラムとを遊技機と称する。また、遊技玉を発射して遊技を行うことが可能な遊技領域を備え、遊技領域に設けられた所定領域を遊技玉が通過することに応じて賭数の設定が可能となるスロットマシンであってもよい。
[遊技機について]
上記実施形態として、種々の技術的事項を遊技機の一例であるスロットマシンに適用した例について説明したが、これに限らず、いわゆる遊技球を遊技領域に打込んで遊技を行うパチンコ遊技機に適用してもよい。
[パチンコ遊技機への適用例]
たとえば、大当りとなった後に変動表示の変動時間を通常時よりも短縮させる時短状態に変動表示が所定回数(以下、時短回数ともいう)行われるまで制御可能なパチンコ遊技機においては、非時短状態において発生した大当り(以下、初回大当りともいう)終了後における時短回数の期待値が、当該大当り終了後の時短状態中において発生した大当り(連荘大当りともいう)終了後における時短回数の期待値よりも大きくなるように、初回大当りおよび連荘大当り各々により付与する時短回数を決定するようにしてもよい。たとえば、初回大当りでは、時短回数が100回付与される割合が高く、連荘大当りでは、時短回数が70回付与される割合が高いものでもよい。
また、大当りとなった後に通常状態に比べて大当りとすることが決定される確率が高い確変状態に所定回数(以下、確変回数ともいう)行われるまで制御可能なパチンコ遊技機においては、初回大当り終了後における確変回数の期待値が、連荘大当り終了後における確変回数の期待値よりも大きくなるように、初回大当りおよび連荘大当り各々により付与する確変回数を決定するようにしてもよい。たとえば、初回大当りでは、確変回数が100回付与される割合が高く、連荘大当りでは、確変回数が70回付与される割合が高いものでもよい。なお、確変状態に付随して時短状態に制御されるようにしてもよい。
また、大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置が開放状態と閉鎖状態とを繰返す繰返し継続制御が行なわれる。繰返し継続制御において、特別可変入賞球装置が開放されている状態が、ラウンドと呼ばれる。このようなラウンドについてラウンドの回数が初回大当りと連荘大当りとで異なるようにしてもよい。たとえば、初回大当りでは、15ラウンドが付与される割合が高く、連荘大当りでは、12ラウンドが付与される割合が高いようにしてもよい。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。