以下、本技術を適用した具体的な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
<写真シール作成装置の外観構成>
図1は、写真シール作成装置1の外観の構成例を示す斜視図である。
写真シール作成装置1は、撮影画像や編集済み画像を提供するゲーム機である。写真シール作成装置1は、画像をシール紙に印刷したり、画像を利用者の携帯端末上で閲覧可能にするためにその画像をサーバに送信することで、利用者に画像を提供する。写真シール作成装置1は、アミューズメント施設や店舗に設置される。写真シール作成装置1の利用者は、主に女子高生や女子大生などの若い女性が中心とされる。写真シール作成装置1において、1組あたり主に2人や3人などの複数人の利用者がゲームを楽しむことができる。もちろん、1人の利用者がゲームを楽しむこともできる。
写真シール作成装置1において、利用者は、自身が被写体となって撮影作業を行う。利用者は、編集作業により、撮影によって得られた撮影画像の中から選択した画像に、手書きの文字やスタンプ画像などの合成用画像を合成させる。これにより、撮影画像が彩り豊かな画像に編集される。利用者は、編集済みの画像である編集画像が印刷されたシール紙を受け取って一連のゲームを終了させる。
写真シール作成装置1は、撮影ユニット11と編集ユニット12が接した状態で設置されることによって構成される。撮影ユニット11と編集ユニット12は電気的に接続される。撮影ユニット11は、人が中に入ることができる程度の大きさを有する箱形状の筐体を有する。
撮影ユニット11は、撮影部21と背景部22から構成される。撮影部21と背景部22は離れて設置される。撮影部21と背景部22の間に設けられる空間が、利用者が撮影作業を行う撮影空間となる。
撮影部21は、利用者を被写体として撮影する装置である。撮影空間に臨む撮影部21の正面にはカメラなどが設けられる。撮影部21の、編集ユニット12と接する面には正面パネル41が設けられる。撮影空間にいる利用者から見て右側の面を右側面、左側の面を左側面とすると、撮影部21の右側面が側面パネル42Aにより構成され、左側面が側面パネル42B(図2)により構成される。
背景部22は、それぞれ板状の部材である背面パネル51、側面パネル52A、および側面パネル52B(図2)から構成される。背面パネル51は、正面を向いている利用者の背面側に位置する。側面パネル52Aは、背面パネル51の右端に取り付けられ、側面パネル52Bは、背面パネル51の左端に取り付けられる。
側面パネル42Aと側面パネル52Aは、所定の間隔をあけてほぼ同一平面に設けられる。側面パネル42Aと側面パネル52Aの上部は、板状の部材である連結部31Aによって連結される。また、側面パネル42Aと側面パネル52Aの下部は、床面に設けられた例えば金属製の部材である連結部34によって連結される。
側面パネル42Bと側面パネル52Bも同様にほぼ同一平面に設けられる。側面パネル42Bと側面パネル52Bの上部は連結部31Bによって連結される。側面パネル42Aと側面パネル52Aの下部は、床面に設けた金属製の部材(図示せず)によって連結される。
側面パネル42A、連結部31A、および側面パネル52Aに囲まれることによって形成される開口が、撮影空間の出入り口となる。また、側面パネル42B、連結部31B、および側面パネル52Bに囲まれることによって形成される開口もまた、撮影空間の出入り口となる。
撮影空間の上方には、撮影部21の正面パネル41、連結部31A、連結部31B、および背景部22の背面パネル51に囲まれる開口が形成される。その開口には、その一部を覆うように天井ストロボユニット32が設けられる。天井ストロボユニット32の一端は連結部31Aに固定され、他端は連結部31Bに固定される。
天井ストロボユニット32は、撮影空間内に向けて光を照射するストロボ発光管を内蔵する。天井ストロボユニット32の内部には、ストロボ発光管の他に、定常光を照射する定常光光源が設けられている。これにより、天井ストロボユニット32は、撮影空間の照明としても機能する。
編集ユニット12は、撮影画像に編集を施すための装置である。編集ユニット12は、一方の側面が撮影部21の正面パネル41に接するようにして、撮影ユニット11に連結している。
図1に示される編集ユニット12の構成を正面側の構成とすると、編集ユニット12の正面側と背面側のそれぞれに、編集作業で用いられる構成が設けられる。この構成により、2組の利用者が同時に編集を行うことができる。
編集ユニット12の正面側は、面12Aと、面12Aの上方に形成された斜面12Bから構成される。面12Aは、床面に対して垂直であり、撮影部21の側面パネル42Aとほぼ平行な面である。斜面12Bには、編集作業に用いられる構成として、タブレット内蔵モニタやタッチペンが設けられる。
斜面12Bの上方右側には、照明装置73の一端を支持する柱状の支持部71A(図5)が設けられる。斜面12Bの左側には、照明装置73の他端を支持する柱状の支持部71Bが設けられる。支持部71Aの右側には板状のパネル72が設けられる。パネル72の上面にはカーテンレール75を支持する支持部74が設けられる。
編集ユニット12の上方にはカーテンレール75が取り付けられる。カーテンレール75は、3本のレール75A乃至75Cが組み合わされて構成される。3本のレール75A乃至75Cは、上から見たときの形状がコの字状となるように組み合わされる。平行に設けられるレール75Aとレール75Bの一端は、連結部31Aと連結部31Bにそれぞれ固定され、レール75Aとレール75Bの他端は、レール75Cの両端にそれぞれ接合される。
カーテンレール75には、編集ユニット12の正面前方の空間と背面前方の空間が外から見えないようにカーテンが取り付けられる。そのカーテンにより囲まれる編集ユニット12の正面前方の空間と背面後方の空間が、利用者が編集作業を行う編集空間となる。
また、後述するが、編集ユニット12の右側面には、印刷済みのシール紙が排出される排出口が設けられる。編集ユニット12の右側面前方の空間が、印刷が終了するのを利用者が待つ印刷待ち空間となる。
<利用者の移動について>
ここで、写真シール作成ゲームの流れと、それに伴う利用者の移動について説明する。
図2は、写真シール作成装置1を上から見た平面図である。
まず、利用者は、白抜き矢印#1で示されるように出入り口G1から、または白抜き矢印#2で示されるように出入り口G2から、撮影部21と背景部22の間に形成された撮影空間A1に入る。出入り口G1は側面パネル42Aと側面パネル52Aの間の開口であり、出入り口G2は側面パネル42Bと側面パネル52Bの間の開口である。利用者は、撮影空間A1において、撮影部21に設けられたカメラやタッチパネルモニタなどを利用して撮影作業を行う。
撮影作業を終えた利用者は、白抜き矢印#3で示されるように出入り口G1から撮影空間A1を出て編集空間A2−1に移動するか、白抜き矢印#4で示されるように出入り口G2から撮影空間A1を出て編集空間A2−2に移動する。
編集空間A2−1は、編集ユニット12の正面側の編集空間である。一方、編集空間A2−2は、編集ユニット12の背面側の編集空間である。利用者が編集空間A2−1と編集空間A2−2のいずれの空間に移動するのかは、撮影部21のタッチパネルモニタの画面表示などによって案内される。例えば2つの編集空間のうちの空いている方が移動先として案内される。
編集空間A2−1または編集空間A2−2に移動した利用者は、編集作業を開始する。編集空間A2−1の利用者と、編集空間A2−2の利用者は同時に編集作業を行うことができる。
編集作業が終了した後、編集画像の印刷が開始される。印刷が開始されると、編集空間A2−1での編集作業を終えた利用者は、白抜き矢印#5で示されるように編集空間A2−1から印刷待ち空間A3に移動する。また、編集空間A2−2での編集作業を終えた利用者は、白抜き矢印#6で示されるように編集空間A2−2から印刷待ち空間A3に移動する。印刷待ち空間A3に移動した利用者は、印刷が終了するのを待つ間、例えば、サーバに送信する画像の選択や、利用者が持つ携帯端末のメールアドレスの入力を事後選択作業として行う。
印刷が終了すると、利用者は、編集ユニット12の右側面に設けられた排出口から排出されたシール紙を受け取り、一連の写真シール作成ゲームを終える。
次に、各部の構成について説明する。
<撮影部の構成>
図3は、撮影部21の正面の構成例を示す図である。撮影部21は、正面パネル41、側面パネル42A、および側面パネル42Bに囲まれるようにして構成される。
正面パネル41のほぼ中央には、カメラユニット81が設けられる。カメラユニット81は、カメラ91、正面ストロボユニット92、およびタッチパネルモニタ93から構成される。
カメラ91は、例えば一眼レフカメラであり、レンズが露出するようにカメラユニット81の内部に取り付けられる。カメラ91はCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどの撮像素子を有し、撮影空間A1にいる利用者を撮影する。カメラ91により取り込まれた動画像(以下、ライブビュー画像ともいう)は、タッチパネルモニタ93にリアルタイムで表示される。撮影が指示されたときなどの所定のタイミングでカメラ91により取り込まれた静止画像は、撮影画像として保存される。
正面ストロボユニット92は、カメラ91の上方に設けられる。正面ストロボユニット92は、他のストロボユニットと同様にカメラ91による撮影に合わせて発光する。正面ストロボユニット92は、被写体としての利用者の顔付近に、その正面から光を照射する。
タッチパネルモニタ93は、カメラ91の下方に設けられる。タッチパネルモニタ93は、LCD(Liquid Crystal Display)などのモニタと、それに積層されたタッチパネルにより構成される。タッチパネルモニタ93は、カメラ91により取り込まれた動画像を表示するライブビューモニタとしての機能と、各種のGUI(Graphical User Interface)パーツを表示することで、利用者の選択操作を受け付ける機能とを備える。タッチパネルモニタ93には、カメラ91により取り込まれた動画像(ライブビュー画像)や静止画像(撮影画像)が表示される。
正面パネル41において、カメラユニット81の上方には上ストロボユニット82が設置される。また、カメラユニット81の左方には左ストロボユニット83が設置され、カメラユニット81の右方には右ストロボユニット84が設置される。さらに、カメラユニット81の下方には箱状の足元ストロボユニット85が設置される。
上ストロボユニット82は、前方上側から利用者に光を照射する。左ストロボユニット83は、前方左側から利用者に光を照射する。右ストロボユニット84は、前方右側から利用者に光を照射する。足元ストロボユニット85は、利用者の足元に光を照射する。
上ストロボユニット82、左ストロボユニット83、右ストロボユニット84、および足元ストロボユニット85の内部には定常光光源が設けられる。これらの定常光光源は、天井ストロボユニット32内部の定常光光源とあわせて、撮影空間A1内の照明として用いられる。各定常光光源の発光量が調整されることによって、または、発光する定常光光源の数が調整されることによって、撮影空間A1内の明るさが適宜調整される。
足元ストロボユニット85の右側および左側には、足元ストロボユニット85より高さの低い箱状部86A,86Bが設けられる。箱状部86A,86Bそれぞれの上面は、利用者が手荷物などを置くための荷物置き場となる。
さらに、箱状部86Aには、利用者が硬貨を投入する硬貨投入口87が設けられる。
また、図示はしないが、正面パネル41の例えば天井付近にはスピーカが設けられる。そのスピーカは、撮影作業に関する案内音声、BGM、効果音などを出力する。
<背景部の構成>
図4は、背景部22の撮影空間A1側の構成例を示す図である。
背面パネル51の上方中央には背面上ストロボユニット121が設けられる。また、背面パネル51の上方右側(図中、左側)には背面右ストロボユニット122が設けられ、背面パネル51の上方左側(図中、右側)には背面左ストロボユニット123が設けられる。
背面上ストロボユニット121は、後方上側から利用者に光を照射する。背面右ストロボユニット122は、後方右側から利用者に光を照射する。背面左ストロボユニット123は、後方左側から利用者に光を照射する。
背面パネル51の撮影空間A1側(図中、手前側)の面には、背面カーテン124が貼り付けられる。背面カーテン124の色は、例えば緑色とされる。また、図示はしないが、側面パネル52A,52Bそれぞれの撮影空間A1側にも、背面カーテン124と同様の側面カーテンが貼り付けられる。側面カーテンの色は、背面カーテン124の色と同一とする。
これらのカーテンはクロマキー用のカーテンとして用いられる。これにより、撮影画像に対してクロマキー処理を施し、利用者が所望する背景画像を、撮影画像の背景部分に合成することができる。なお、これらのカーテンの色は、クロマキー処理を行うことができる色であればよく、青色など、その他の色であってもよい。
<編集ユニットの構成>
図5は、編集ユニット12の正面側(編集空間A2−1側)の構成例を示す図である。
斜面12Bのほぼ中央には、タブレット内蔵モニタ131が設けられる。タブレット内蔵モニタ131の左側にはタッチペン132Aが設けられる。タブレット内蔵モニタ131の右側にはタッチペン132Bが設けられる。
タブレット内蔵モニタ131は、タブレットがディスプレイを露出するように設けられることによって構成される。タブレットは、タッチペン132Aまたはタッチペン132Bを用いた操作入力を可能とする。タブレット内蔵モニタ131には、例えば、編集作業に用いられる編集画面が表示される。2人の利用者が同時に編集作業を行う場合、タッチペン132Aはタブレット内蔵モニタ131に向かって左側にいる利用者により用いられ、タッチペン132Bはタブレット内蔵モニタ131に向かって右側にいる利用者により用いられる。
図6は、編集ユニット12の右側面の構成例を示す図である。
編集ユニット12の右側面の一部を構成するパネル72には、タブレット内蔵モニタ141が設けられる。タブレット内蔵モニタ141には、事後選択作業に用いられる画面が表示される。
編集ユニット12の右側面の下部には、シール紙排出口142が設けられる。編集ユニット12の内部にはプリンタが設けられている。そのプリンタにより、編集空間A2−1の利用者が写る画像、または、編集空間A2−2の利用者が写る画像が所定のレイアウト(以下、シールレイアウトという)でシール紙に印刷され、シール紙排出口142から排出される。
タブレット内蔵モニタ141の下方には、スピーカ143が設けられる。スピーカ143は、事後選択作業に関する案内音声、BGM、効果音等などを出力する。
<写真シール作成装置の内部構成>
図7は、写真シール作成装置1の内部の構成例を示すブロック図である。図7において、上述した構成と同じ構成には同じ符号を付してある。重複する説明については適宜省略する。
制御部201は、CPU(Central Processing Unit)などにより構成される。制御部201は、ROM(Read Only Memory)206や記憶部202に記憶されているプログラムを実行し、写真シール作成装置1の全体の動作を制御する。制御部201には、記憶部202、通信部203、ドライブ204、ROM206、RAM(Random Access Memory)207が接続される。制御部201には、撮影部208、編集部209A,209B、および事後選択部210の各構成も接続される。
記憶部202は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体である。記憶部202は、制御部201から供給された各種の設定情報などを記憶する。記憶部202に記憶されている情報は制御部201により適宜読み出される。
通信部203は、インターネットなどのネットワークのインタフェースである。通信部203は、制御部201による制御に従って外部の装置と通信を行う。通信部203は、例えば、利用者に選択された撮影画像や編集画像をサーバに送信する。通信部203から送信された画像は、サーバにおいて所定の記憶領域が割り当てられて保存され、サーバにアクセスしてきた携帯端末に表示されたり、ダウンロードされたりする。
ドライブ204には、光ディスクや半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア205が適宜装着される。ドライブ204によりリムーバブルメディア205から読み出されたプログラムやデータは、制御部201に供給され、記憶部202に記憶されたり、インストールされたりする。
ROM206は、制御部201において実行されるプログラムやデータを記憶する。RAM207は、制御部201が処理するデータやプログラムを一時的に記憶する。
撮影部208は、撮影空間A1にいる利用者を対象とした撮影処理を実現する。撮影部208は、硬貨処理部221、照明装置222、カメラ91、タッチパネルモニタ93、およびスピーカ223から構成される。
硬貨処理部221は、硬貨投入口87への硬貨の投入を検出する。硬貨処理部221は、例えば400円などの所定の金額分の硬貨が投入されたことを検出した場合、ゲームの開始を指示する起動信号を制御部201に出力する。
照明装置222は、撮影空間A1内の各ストロボユニットであり、制御部201から供給される照明制御信号に従って発光する。
カメラ91は、制御部201によるシャッタ制御に従って撮影を行い、撮影によって得られた撮影画像(画像データ)を制御部201に出力する。
編集部209Aは、編集空間A2−1にいる利用者を対象とした編集処理を実現する。編集部209Aは、タブレット内蔵モニタ131、タッチペン132A,132B、およびスピーカ231から構成される。編集部209Bは、編集空間A2−2にいる利用者を対象とした編集処理を実現し、編集部209Aと同一の構成を有する。なお、以下、編集部209A,209Bを特に区別しない場合には、単に、編集部209という。
タブレット内蔵モニタ131は、制御部201による制御に従って編集画面を表示し、編集画面に対する利用者の操作を受け付ける。利用者の操作の内容を表す入力信号は制御部201に供給され、編集対象となる撮影画像が編集される。
事後選択部210は、印刷待ち空間A3にいる利用者を対象とした事後選択処理を実現する。事後選択処理は、事後選択作業を利用者に行わせるための処理である。事後選択部210は、タブレット内蔵モニタ141、スピーカ143、およびプリンタ241から構成される。プリンタ241にはシール紙ユニット242が装着される。
タブレット内蔵モニタ141は、制御部201による制御に従って各種の選択画面等を表示し、その画面に対する利用者の操作を受け付ける。利用者の操作の内容を表す入力信号は制御部201に供給され、各種の設定が行われる。
プリンタ241は、制御部201から供給された印刷データに基づいて、シール紙ユニット242に収納されているシール紙に編集画像を印刷する。プリンタ241は、編集画像を所定のシールレイアウトで印刷したシール紙を、シール紙排出口142に排出する。
<制御部の構成>
図8は、制御部201の機能構成例を示すブロック図である。図8に示す機能部のうちの少なくとも一部は、制御部201内のCPUにより所定のプログラムが実行されることによって実現される。
制御部201は、撮影処理部301、編集処理部302、印刷処理部303、および事後選択処理部304から構成される。
撮影処理部301は、撮影部208の各部を制御することで、撮影処理を行う。編集処理部302は、編集部209の各部を制御することで、編集処理を行う。印刷処理部303は、事後選択部210のプリンタ241を制御することで、印刷処理を行う。事後選択処理部304は、事後選択部210のタブレット内蔵モニタ141を制御することで、事後選択処理を行う。
<写真シール作成装置の動作>
ここで、図10のフローチャートを参照して、写真シール作成ゲームを提供する写真シール作成装置1の動作について説明する。図10の処理は、所定の金額分の硬貨が硬貨投入口87に投入されたときに開始される。
ステップS1において、撮影処理部301は、撮影部208を制御することで、撮影処理を行う。具体的には、撮影処理部301は、カメラ91に取り込まれた被写体のライブビュー画像をタッチパネルモニタ93に表示させ、撮影空間A1にいる利用者を被写体として撮影し、撮影画像を生成する。
ステップS2において、編集処理部302は、撮影処理を終えた利用者の移動先とした方の編集空間に対応する編集部209を制御することで、編集処理を行う。具体的には、編集処理部302は、撮影処理により得られた撮影画像に対して利用者に編集作業を行わせることで、編集が施された編集画像を生成する。
ステップS3において、印刷処理部303は、プリンタ241を制御することで、印刷処理を開始する。具体的には、印刷処理部303は、編集処理により得られた編集画像を、プリンタ241に出力してシール紙に印刷させる。なお、撮影処理により得られた撮影画像が、シール紙に印刷されるようにしてもよい。
ステップS4において、事後選択処理部304は、タブレット内蔵モニタ141を制御することで、事後選択処理を行う。具体的には、事後選択処理部304は、印刷が終わるのを待っている利用者に事後選択作業を行わせ、選択された撮影画像や編集画像を利用者の携帯端末に送信するために、その画像をサーバに送信する。
印刷が終了すると、ステップS5において、プリンタ241は、画像が印刷されたシール紙をシール紙排出口142に排出し、処理を終了させる。
ところで、写真シール作成装置1は、その写真シール作成装置1が設置されている店舗のオペレータの操作に基づいて、モニタを省電力状態で動作させるための省電力モードの設定および/または解除を行う機能を有する。
<本技術の写真シール作成装置の機能構成例>
ここで、図10を参照して、本実施の形態の写真シール作成装置1の機能構成例について説明する。
本実施の形態の写真シール作成装置1は、上述したように、省電力モードの設定および/または解除を行う機能を有している。
図10に示される写真シール作成装置1は、撮影モニタ311、編集モニタ312−1、事後選択モニタ313、進行制御部321、表示制御部322、およびモード設定部323を備えている。
撮影モニタ311は、撮影空間A1に設けられるタッチパネルモニタ93に対応する。
編集モニタ312−1は、編集空間A2−1に設けられるタブレット内蔵モニタ131に対応する。なお、図示はしないが、編集空間A2−2には、タブレット内蔵モニタ131に対応する編集モニタ312−2が設けられる。また、以下において、編集モニタ312−1と編集モニタ312−2とを区別しない場合、単に、編集モニタ312をいうこととする。
事後選択モニタ313は、印刷待ち空間A3に設けられるタブレット内蔵モニタ141に対応する。
進行制御部321は、撮影処理部301、編集処理部302、印刷処理部303、および事後選択処理部304それぞれの処理状況に基づいて、ゲーム全体の進行(流れ)を制御する。また、進行制御部321は、ゲーム全体の進行に応じた画面表示を、表示制御部322に指示する。
表示制御部322は、撮影モニタ311、編集モニタ312、および事後選択モニタ313の各モニタの表示を制御する。また、表示制御部322は、各モニタのいずれかに表示されるメンテナンス画面に対する操作の内容を表す情報を、モード設定部323に供給する。
モード設定部323は、表示制御部322からの情報、具体的には、メンテナンス画面に対する操作に基づいて、各モニタの少なくともいずれか対して、省電力モードの設定および/または解除を行う。なお、以下においては、省電力モードを、エコモード(エコノミーモード)ということとする。
<エコモードの詳細>
ここで、モニタに対して設定されるエコモードの詳細について説明する。
モニタに対してエコモードが設定された場合、モニタは省電力状態に遷移する。省電力状態では、そのモニタを構成する液晶パネルを駆動する電圧がオフされる。これにより、モニタの消費電力が抑えられる。
なお、省電力状態に遷移したモニタは、液晶パネルの駆動方式により、その見た目が異なる。
液晶パネルが、ノーマリーホワイトの場合、液晶分子にかかる電圧がオフされると、液晶分子の配置が、バックライトの光を通過させるような配置となる。その結果、モニタの画面は「白」になる。
一方、液晶パネルが、ノーマリーブラックの場合、液晶分子にかかる電圧がオフされると、液晶分子の配置が、バックライトの光を遮るような配置となる。その結果、モニタの画面は「黒」になる。
また、モニタに対してエコモードが設定された場合、液晶パネルの輝度が下げられるようにしてもよいし、バックライトがオフされるようにしてもよい。
なお、モニタに対してエコモードが設定されている場合であっても、ゲームの進行上、そのモニタが利用される場合には、モニタは、省電力状態から、ゲームを提供可能な通常状態に遷移する。
さらに、エコモードが、モニタに加え、そのモニタを制御するモニタ制御機器(具体的には、パーソナルコンピュータ)に対して設定されるようにしてもよい。
モニタ制御機器にエコモードが設定された場合、モニタ制御機器は、省電力状態として、スタンバイ状態または休止状態に遷移する。
スタンバイ状態では、グラフィックス機能やハードディスク、その他のデバイスの電源がオフにされる。休止状態では、ハードディスク上にメモリの内容が退避されてから、メモリを含む各デバイスの電源がオフにされる。スタンバイ状態、休止状態ともに電源オフとほぼ同様の状態であり、これにより、モニタ制御機器の消費電力が抑えられる。
<メンテナンス画面の詳細>
次に、図11を参照して、上述したエコモードを含む各種の設定を行うためのメンテナンス画面について説明する。
メンテナンス画面を用いた各種の設定は、店舗の開店前や閉店後、客数の少ない時間帯(アイドルタイム)など、利用者が写真シール作成装置1を利用しない時間に行われる。例えば、図11に示されるメンテナンス画面は、オペレータが所定の操作を行うことで表示される。
メンテナンス画面は、例えば、撮影空間A1内の撮影モニタ311に表示されるものとするが、編集空間A2−1,A2−2内の編集モニタ312−1,312−2や、印刷空間A3の事後選択モニタ313に表示されるようにしてもよい。
図11に示されるメンテナンス画面においては、「コイン設定」、「制限時間設定」、「エコモード設定」、「デモ画面設定」、「店名スタンプ設定」、「機能使用設定」、「通信機能設定」、「落書ブース設定」、および「広告表示設定」の各設定が行われる。メンテナンス画面の左側には、各設定に対応する設定ボタン361乃至369が設けられる。図11の例では、設定ボタン363が選択され、「エコモード設定」が行われることが示されている。
また、設定ボタン369の下には、メンテナンス画面のトップ画面に表示を戻すための戻るボタン370が設けられている。
設定ボタン361乃至369の右方には、表示欄371が設けられる。表示欄371の下には、各種の設定を、写真シール作成装置1の出荷時の状態に戻すためのボタン372が表示される。
表示欄371は、エコモードの設定に関する情報が表示される欄である。表示欄371には、ボタン371A,371Bが表示されている。
オペレータは、表示欄371に表示されているボタン371A,371Bのいずれかを選択することにより、エコモードの「あり」または「なし」を設定することができる。図11の例では、エコモード「あり」が設定されている。この場合、モニタに対してエコモードが設定される。
<エコモード設定処理について>
次に、図12のフローチャートを参照して、エコモード設定処理について説明する。図12の処理は、モニタに対してエコモードが設定されておらず、かつ、撮影モニタ311、編集モニタ312−1,312−2、および事後選択モニタ313のいずれも操作されていない状態で実行される。
ステップS11において、表示制御部322は、図示せぬメンテナンスボタンが押下されたか否かを判定する。
メンテナンスボタンは、例えば、物理的なボタンとして構成され、撮影部21の箱状部86Aの、硬貨投入口87が設けられている面を開いた内部などに設けられる。
ステップS11において、メンテナンスボタンが押下されたと判定されると、処理はステップS12に進む。なお、メンテナンスボタンが押下されるまで、処理はステップS12に進まない。
ステップS12において、表示制御部322は、撮影モニタ311にメンテナンス画面を表示する。
図11を参照して説明したように、メンテナンス画面において、設定ボタン363が選択され、「エコモード設定」が行われる状態になると、ステップS13において、表示制御部322は、ボタン371A、すなわち、エコモード「あり」が選択されたか否かを判定する。
ステップS13において、エコモード「あり」が選択されたと判定された場合、処理はステップS14に進む。
ステップS14において、モード設定部323は、例えば、編集モニタ312に対して、エコモードを設定する。
ステップS15において、表示制御部322は、編集モニタ312を省電力状態で動作させる。
例えば、編集モニタ312が有する液晶パネルが、ノーマリーホワイトの場合、編集モニタ312の画面は「白」になる。また、編集モニタ312が有する液晶パネルが、ノーマリーブラックの場合、編集モニタ312の画面は「黒」になる。
なお、省電力状態にある編集モニタ312の画面が白一色や黒一色であると、それを見た利用者やオペレータが、電源が入っていないのでは、故障しているのでは、などと勘違いをするおそれがある。そこで、編集モニタ312が省電力状態にある場合、図13に示されるように、編集モニタ312の中央に、「エコモード中」などと、エコモードが設定されている旨のメッセージを表示させるようにしてもよい。
一方、ステップS13において、エコモード「あり」が選択されていないと判定された場合、エコモードは設定されず、処理は終了する。
<エコモード解除処理について>
続いて、図14のフローチャートを参照して、エコモード解除処理について説明する。図14の処理は、エコモードが設定され、かつ、撮影モニタ311、編集モニタ312−1,312−2、および事後選択モニタ313のいずれも操作されていない状態で実行される。
ステップS31において、表示制御部322は、図示せぬメンテナンスボタンが押下されたか否かを判定する。
ステップS31において、メンテナンスボタンが押下されたと判定されると、処理はステップS32に進む。なお、メンテナンスボタンが押下されるまで、処理はステップS32に進まない。
ステップS32において、表示制御部322は、撮影モニタ311にメンテナンス画面を表示する。
図11を参照して説明したように、メンテナンス画面において、設定ボタン363が選択され、「エコモード設定」が行われる状態になると、ステップS33において、表示制御部322は、ボタン371B、すなわち、エコモード「なし」が選択されたか否かを判定する。
ステップS33において、エコモード「なし」が選択されたと判定された場合、処理はステップS34に進む。
ステップS34において、モード設定部323は、例えば、編集モニタ312に対して、エコモードを解除する。
ステップS35において、表示制御部322は、編集モニタ312を通常状態で動作させる。このとき例えば、編集モニタ312には、写真シール作成ゲームの流れや遊び方などを映像や音声で案内(説明)するデモ画面が表示される。
一方、ステップS33において、エコモード「なし」が選択されていないと判定された場合、エコモードは解除されず、処理は終了する。
以上の処理によれば、オペレータは、必要に応じて、エコモードを簡単に設定および/または解除することができる。これにより、より効率的に、写真シール機の省電力化を図ることが可能となる。
以上においては、編集モニタ312に対してエコモードが設定および/または解除されるものとした。編集モニタ312が設けられる編集空間A2−1,A2−2は、カーテンで囲われており、また、利用者は、撮影作業を終えてから編集空間A2−1,A2−2へ移動するため、編集モニタ312が省電力状態にあったとしても、そのことが利用者に気づかれることはない。
また、写真シール作成装置1には、複数(2つ)の編集モニタ312が設けられるため、編集モニタ312に対してエコモードを設定することによる省電力化の効果は、他のモニタより高い。
なお、編集空間A2−1,A2−2のうち、いずれも利用者に利用されていない場合には、編集モニタ312−1,312−2は、いずれも省電力状態で動作する。また、編集空間A2−1,A2−2のうち、いずれかが利用者に利用されている場合には、利用者に利用されていない編集空間に設けられている編集モニタ312が、省電力状態で動作する。さらに、編集空間A2−1,A2−2のうち、いずれも利用者に利用されている場合には、編集モニタ312−1,312−2は、いずれも省電力状態での動作はせず通常状態で動作し、編集画面を表示する。
また、編集モニタ312だけではなく、撮影モニタ311や事後選択モニタ313に対してエコモードが設定されるようにしてもよい。
例えば、撮影空間A1の外側に、事前に撮影に関する各種の選択作業(事前選択作業)を利用者に行わせるための事前選択モニタが設けられる場合、利用者は、事前選択作業を終えてから撮影空間A1へ移動するため、撮影モニタ311が省電力状態にあったとしても、利用者に気づかれることはない。
また、事前選択モニタが設けられる場合、事前選択モニタに対してエコモードが設定されるようにしてもよい。この場合、事前選択モニタは、事前選択モニタの近傍に設けられる硬貨投入口に対して硬貨が投入されるまで、省電力状態で動作する。
なお、印刷待ち空間A3や、事前選択モニタが設けられる事前選択空間は、カーテンで囲われていないため、事後選択モニタ313や事前選択モニタが省電力状態で動作している場合、写真シール作成装置1が稼動していないと思われるおそれがある。そこで、事後選択モニタ313や事前選択モニタに対しては、エコモードが設定されないようにしてもよい。また、事前選択空間や事後選択空間に人感センサを設け、利用者の存在が検知される場合、事後選択モニタ313や事前選択モニタに対しては、エコモードが設定されないようにしてもよい。
また、全てのモニタに対してエコモードが設定されるようにしてもよい。この場合、アイドルタイムにおける省電力化の効果をより一層高めることができる。
<エコモード設定以降の写真シール作成装置の動作>
ここで、エコモード設定以降の写真シール作成装置1の動作について説明する。以下においては、編集モニタのみに対してエコモードが設定されるものとする。
(動作例1)
図15は、写真シール作成装置1の動作例について説明する図である。
図15には、撮影モニタ、編集モニタ1、編集モニタ2、および事後選択モニタそれぞれの動作が時系列に沿って示されている。なお、図15に示される撮影モニタ、編集モニタ1、編集モニタ2、および事後選択モニタそれぞれは、上述した撮影モニタ311、編集モニタ312−1,312−2、および事後選択モニタ313それぞれに対応するものとし、以降においても同様とする。
まず、メンテナンス画面においてエコモードが設定されると、編集モニタ1および編集モニタ2は、省電力状態での動作を開始する。なお、以下においては、省電力状態におけるモニタの画面を、エコ画面という。
次に、撮影空間において硬貨投入がされると、撮影モニタは、利用者に撮影作業を行わせるための撮影画面を表示する。その後、撮影処理において撮影モニタに最後に表示される撮影画面として、編集モニタ1が設けられている編集空間への案内画面が表示されると、利用者は、編集モニタ1が設けられている編集空間へ移動する。
利用者が、編集作業を開始するべく、タッチペンにより編集モニタ1にタッチすると、編集モニタ1は、省電力状態での動作を一旦終了し、利用者に編集作業を行わせるための編集画面を表示する。なお、タッチペンによるタッチによらず、撮影処理終了後から所定時間経過後に、編集画面が表示されるようにしてもよい。さらに、撮影空間の出入り口G1,G2に人感センサを設けたり、編集空間を囲むカーテンの動きを検知するセンサなどを設け、撮影処理終了後のこれらのセンサからの出力に基づいて、編集画面が表示されるようにしてもよい。さらにまた、編集空間内にマイクロフォンを設け、利用者の声や利用者の移動に伴う音などを検出することで、編集画面が表示されるようにしてもよい。
編集処理において編集モニタ1に最後に表示される編集画面として、印刷待ち空間への案内画面が表示されると、利用者は、印刷待ち空間へ移動する。印刷待ち空間に設けられている事後選択モニタは、利用者の事後選択作業を受け付ける事後選択画面を表示する。事後選択画面は、編集作業において最後の選択作業となるシールレイアウトの選択がなされたときに、事後選択モニタに表示されるようにしてもよい。なお、図示はしないが、事後選択画面が表示されるまで、事後選択モニタには、デモ画面が表示されているものとする。
このとき、すなわち利用者が編集作業において最後の選択作業の選択を終えるなどして編集作業を終了した後、編集モニタ1は、再び省電力状態での動作を開始し、エコ画面を表示する。なお、印刷待ち空間へ移動した利用者が事後選択画面にタッチしたときに、編集モニタ1にエコ画面が表示されるようにしてもよい。さらに、編集空間を囲むカーテンの動きを検知するセンサや、印刷待ち空間に人感センサなどを設け、編集処理終了後のこれらのセンサからの出力に基づいて、編集モニタ1にエコ画面が表示されるようにしてもよい。さらにまた、印刷待ち空間にマイクロフォンを設け、利用者の声や利用者の移動に伴う音などを検出することで、編集モニタ1にエコ画面が表示されるようにしてもよい。また、利用者が編集作業を行うべきでない編集空間に設けられている編集モニタ2は、終始エコ画面を表示する。
このような動作により、写真シール作成装置1の省電力化を図ることができる。
(動作例2)
図16は、写真シール作成装置1の他の動作例について説明する図である。
まず、メンテナンス画面においてエコモードが設定されると、編集モニタ1および編集モニタ2は、エコ画面を表示する。
次に、撮影空間において硬貨投入がされると、撮影モニタは、撮影画面を表示する。その後、撮影処理において、N回目の撮影、例えば、6回行われるうちの4回目の撮影が行われると、利用者が編集作業を行うべきである編集空間に設けられている編集モニタ1は、省電力状態での動作を一旦終了し、編集画面を表示する。
撮影処理において撮影モニタに最後に表示される撮影画面として、編集モニタ1が設けられている編集空間への案内画面が表示されると、利用者は、編集モニタ1が設けられている編集空間へ移動する。
その後、編集処理において編集モニタ1に最後に表示される編集画面として、事後選択モニタが設けられている印刷待ち空間への案内画面が表示されると、利用者は、印刷待ち空間へ移動する。印刷待ち空間に設けられている事後選択モニタは、事後選択画面を表示する。
このとき、すなわち利用者が編集作業において最後の選択作業の選択を終えるなどして編集作業を終了した後、編集モニタ1は、再び省電力状態での動作を開始し、エコ画面を表示する。また、利用者が編集作業を行うべきでない編集空間に設けられている編集モニタ2は、終始エコ画面を表示する。
このような動作により、写真シール作成装置1の省電力化を図ることができる。また、利用者が編集空間に移動する前に、編集画面が表示されるので、利用者にエコ画面が見られることなく、また、ゲームの進行をスムーズにすることができる。
(動作例3)
図17は、写真シール作成装置1のさらに他の動作例について説明する図である。
まず、メンテナンス画面においてエコモードが設定されると、編集モニタ1および編集モニタ2は、エコ画面を表示する。
次に、撮影空間において硬貨投入がされると、撮影モニタは、撮影画面を表示する。その後、撮影処理において撮影モニタに最後に表示される撮影画面として、利用者が編集作業を行うべきである、編集モニタ1が設けられている編集空間への案内画面が表示されると、編集モニタ1は、省電力状態での動作を一旦終了し、デモ画面を表示する。
ここで、利用者が、誤って、本来編集作業を行うべきでない、編集モニタ2が設けられている編集空間へ移動したとする。
利用者は、編集モニタ2に表示されているエコ画面を見て、誤った編集空間に移動したことに気づき、本来編集作業を行うべきである編集モニタ1が設けられている編集空間へ移動する。
利用者が、編集作業を開始するべく、タッチペンにより編集モニタ1にタッチすると、編集モニタ1は、編集画面を表示する。
編集処理において編集モニタ1に最後に表示される編集画面として、印刷待ち空間への案内画面が表示されると、利用者は、印刷待ち空間へ移動する。印刷待ち空間に設けられている事後選択モニタは、事後選択画面を表示する。
このとき、編集モニタ1は、再び省電力状態での動作を開始し、エコ画面を表示する。また、利用者が編集作業を行うべきでない編集空間に設けられている編集モニタ2は、終始エコ画面を表示する。
このような動作により、写真シール作成装置1の省電力化を図ることができる。
(動作例4)
図18は、写真シール作成装置1のさらに他の動作例について説明する図である。
まず、メンテナンス画面においてエコモードが設定されると、編集モニタ1および編集モニタ2は、エコ画面を表示する。
次に、撮影空間において硬貨投入がされると、撮影モニタは、撮影画面を表示する。その後、撮影処理において撮影モニタに最後に表示される撮影画面として、利用者が編集作業を行うべきである、編集モニタ1が設けられている編集空間への案内画面が表示されると、編集モニタ1は、省電力状態での動作を一旦終了し、デモ画面を表示する。
ここで、利用者が、誤って、本来編集作業を行うべきでない編集モニタ2が設けられている編集空間へ移動したとする。
利用者は、編集作業を開始するべく、タッチペンにより編集モニタ2にタッチすると、編集モニタ2は、省電力状態での動作を一旦終了し、編集モニタ1が設けられている編集空間への案内画面を表示する。
利用者は、編集モニタ2に表示されている案内画面を見て、誤った編集空間に移動したことに気づき、本来編集作業を行うべきである編集モニタ1が設けられている編集空間へ移動する。
利用者が、編集作業を開始するべく、タッチペンにより編集モニタ1にタッチすると、編集モニタ1は、デモ画面の表示を終了し、編集画面を表示する。このとき、編集モニタ2は、再び省電力状態での動作を開始し、エコ画面を表示する。
なお、以降の動作は、上述した例と同様であるので、省略する。
このような動作により、写真シール作成装置1の省電力化を図ることができる。
(動作例5)
図19は、写真シール作成装置1のさらに他の動作例について説明する図である。
図18の例では、利用者が、本来編集作業を行うべきでない編集モニタ2にタッチすることで、本来編集作業を行うべきである編集空間への案内画面が表示されるものとした。これに対して、図19の例では、撮影作業が終了し、撮影モニタに、編集モニタ1が設けられている編集空間への案内画面が表示されることで、編集モニタ2が、本来編集作業を行うべきである編集空間への案内画面を表示する。
このような動作により、写真シール作成装置1の省電力化を図ることができる。
(動作例6)
図20は、写真シール作成装置1のさらに他の動作例について説明する図である。
図20の例では、2つの編集空間それぞれが、利用者により利用されており、編集モニタ1および編集モニタ2それぞれが、編集画面を表示している。
編集モニタ1に、印刷待ち空間への案内画面が表示されると、編集モニタ1を利用していた第1の利用者は、印刷待ち空間へ移動する。印刷待ち空間に設けられている事後選択モニタは、事後選択画面を表示する。
このとき、編集モニタ1は、省電力状態での動作を開始し、エコ画面を表示する。
事後選択モニタにおいて、第1の利用者に対する事後選択画面の表示中に、第2の利用者による編集モニタ2を用いた編集作業が終了すると、編集モニタ2は、編集画面の表示を終了し、デモ画面や広告を表示する。このデモ画面には、他の利用者が印刷待ち空間を利用している旨のメッセージを表示するようにしてもよい。また、デモ画面を表示させるのではなく、編集画面を表示し続け、利用者に編集作業を継続させるようにしてもよい。
これにより、編集作業を終えた第2の利用者が、第1の利用者が利用中の印刷待ち空間へ移動してしまうことを防ぐことができる。
第1の利用者に対する事後選択画面の表示、すなわち事後選択処理および印刷処理が終了すると、編集モニタ2は、デモ画面の表示を終了し、印刷待ち空間への案内画面を表示した後、省電力状態での動作を開始し、エコ画面を表示する。
編集モニタ2を利用していた第2の利用者は、印刷待ち空間へ移動する。印刷待ち空間に設けられている事後選択モニタは、新たに事後選択画面を表示する。
このような動作により、写真シール作成装置1の省電力化を図ることができる。
なお、上述した動作例において、エコ画面や案内画面の表示とともに、それらの内容を示す音声アナウンスが出力されるようにしても
<メンテナンス画面の他の例>
図21は、メンテナンス画面の他の例を示している。
図21に示されるメンテナンス画面は、図11に示されるメンテナンス画面の構成に加え、表示欄371の下方に表示欄381を備える。
表示欄381は、エコモードに関する詳細設定のあり/なしに関する情報が表示される欄である。表示欄381には、ボタン381Aが表示されている。
表示欄381に表示されているボタン381Aを選択することにより、詳細設定の「あり」または「なし」を設定することができる。図21の例では、詳細設定「なし」が設定されている。
詳細設定「あり」によれば、例えば、撮影モニタ311、編集モニタ312、および事後選択モニタ313のいずれに対して、エコモードを設定するかを選択することができる。
図22は、メンテナンス画面のさらに他の例を示している。
図22に示されるメンテナンス画面は、図11に示されるメンテナンス画面の構成に加え、表示欄371の下方に表示欄391を備える。
表示欄391は、メンテナンス画面が表示される時間を延長する場合の延長時間の設定に関する情報が表示される欄である。表示欄391には、ボタン391A乃至Dが表示されている。
オペレータは、表示欄391に表示されているボタン391A乃至Dのいずれかを選択することにより、メンテナンス画面の延長表示時の延長時間として、「5分」、「10分」、「15分」、および「30分」のいずれかを設定することができる。図22の例では、メンテナンス画面の延長表示時の延長時間として「10分」が設定されている。この場合、メンテナンス画面の表示が開始されてから10分が経過するまで、メンテナンス画面が表示され続ける。
これにより、短時間で、エコモードの設定と解除を行う場合など、その度毎に、メンテナンス画面を表示させる手間を省くことができる。
なお、上述したメンテナンス画面において、エコ画面(省電力状態におけるモニタの画面)の表示時間が設定されるようにしてもよい。
<写真シール作成装置の他の機能構成例>
図23は、本実施の形態の写真シール作成装置1の他の機能構成例を示している。
図23に示される構成は、図10に示される構成に加え、予約受付部411を備える。
予約受付部411は、写真シール作成ゲームの各工程(各処理)が終了したときの、メンテナンス画面の表示の予約を受け付ける。
<メンテナンス画面の表示の予約の流れ>
ここで、図24を参照して、メンテナンス画面の表示の予約の流れについて説明する。
図24には、撮影モニタ、編集モニタ1、編集モニタ2、および事後選択モニタそれぞれの動作が時系列に沿って示されている。
図24の例では、まず、第1の利用者が撮影作業を行っており、撮影モニタは、撮影画面を表している。また、第2の利用者が編集作業を行っており、編集モニタ2は、編集画面を表示している。なお、利用されていない編集モニタ1は、デモ画面を表示している。
このような状態で、オペレータによりメンテナンスボタンが押下されると、予約受付部411は、メンテナンス画面の表示の予約を受け付ける。このとき、利用されていないモニタ、すなわち、編集モニタ1は、待機画面を表示する。待機画面には、例えば、「メンテナンス画面の起動待ちです。ゲームはできません」などのメッセージが表示される。
この状態で、第1の利用者が撮影作業を終えると、撮影モニタは、待機画面を表示する。一方、第1の利用者の移動先となる編集空間の編集モニタ1は、待機画面の表示を終了し、編集画面を表示する。
続いて、第2の利用者が編集作業を終えると、編集モニタ2は、待機画面を表示する。第2の利用者の移動先となる印刷待ち空間の事後選択モニタは、事後選択画面を表示する。
第2の利用者が事後選択作業を終え、事後選択モニタが、事後選択画面の表示を終了した後、第1の利用者が編集作業を終えると、編集モニタ1は、待機画面を表示する。第1の利用者の移動先となる印刷待ち空間の事後選択モニタは、事後選択画面を表示する。
そして、第1の利用者が事後選択作業を終え、事後選択モニタが、事後選択画面の表示を終了した後、事後選択モニタは、待機画面を表示する。
このとき、撮影モニタ、編集モニタ1、編集モニタ2、および事後選択モニタそれぞれは、待機画面を表示している状態となる。
この状態で、メンテナンスボタンが再度押下されると、予約受付部411は、表示制御部322にメンテナンス画面の表示を指示する。そして、撮影モニタは、表示制御部322の制御に基づいて、メンテナンス画面を表示する。
以上のようにして、利用者がゲームをしていないときにメンテナンス画面を表示させることができるので、オペレータは、利用者のゲームを妨げることなく、エコモードを含む各種の設定を行いたいときに行うことが可能となる。
<省電力状態での動作の制限について>
以下においては、モニタの省電力状態での動作の制限について説明する。
(時間帯に応じた省電力状態での動作の制限)
モード設定部323は、時間帯に応じて、モニタの省電力状態での動作を制限するようにしてもよい。
例えば、土曜日および日曜日の夕方は、写真シール作成装置1の利用者の回転率が高くなるため、エコモードが設定されていても、モニタの省電力状態での動作が制限されるようにする。逆に、平日の午前中は、回転率が低くなるため、モニタの省電力状態での動作は制限されないようにする。これらの時間帯は、メンテナンス画面において設定可能とされるようにする。
また、写真シール作成装置1の主な利用者である女子中高生が夏休みなどの長期休暇となる期間もまた、写真シール作成装置1の利用者の回転率が高くなるため、エコモードが設定されていても、モニタの省電力状態での動作が制限されるようにしてもよい。この場合、省電力状態での動作が制限される期間を、メンテナンス画面において入力させるようにする。
さらに、写真シール作成装置1の起動時から所定時間内は、モニタの省電力状態での動作は制限されないようにしてもよい。
(写真シール作成装置の機種に応じた省電力状態での動作の制限)
モード設定部323は、写真シール作成装置1の機種に応じて、モニタの省電力状態での動作を制限するようにしてもよい。
写真シール作成装置1には、回転率の高い機種と、回転率の低い機種がある。そこで、回転率の高い機種については、エコモードが設定されていても、モニタの省電力状態での動作が制限されるようにする。逆に、回転率の低い機種については、モニタの省電力状態での動作は制限されないようにする。これら制限の有無は、写真シール作成装置1の出荷時に設定されているようにする。
(写真シール作成装置の機種毎のバージョンに応じた省電力状態での動作の制限)
モード設定部323は、写真シール作成装置1の機種毎のバージョンに応じて、モニタの省電力状態での動作を制限するようにしてもよい。
写真シール作成装置1の機種毎のバージョンによって、例えば証明写真撮影機能などの特定の機能が付加されていたり、付加されていなかったりする。そして、その機能の有無によって、同じ機種であっても回転率にも差が生じる。そこで、回転率の高いバージョンについては、エコモードが設定されていても、モニタの省電力状態での動作が制限されるようにする。逆に、回転率の低いバージョンについては、モニタの省電力状態での動作は制限されないようにする。
(写真シール作成装置が設置される店舗に応じた省電力状態での動作の制限)
モード設定部323は、写真シール作成装置1が設置される店舗に応じて、モニタの省電力状態での動作を制限するようにしてもよい。
写真シール作成装置1が設置される店舗は、それぞれ立地条件が異なる。そして、その立地条件によって、回転率にも差が生じる。そこで、回転率の高い店舗に設置されている装置については、エコモードが設定されていても、モニタの省電力状態での動作が制限されるようにする。逆に、回転率の低い店舗に設置されている装置については、モニタの省電力状態での動作は制限されないようにする。店舗の立地に関する情報は、写真シール作成装置1の出荷時に設定されているようにする。また、写真シール作成装置1が設置される際にオペレータにより設定される、店舗を表す情報である店名スタンプに基づいて、店舗の立地に関する情報が得られるようにしてもよい。なお、ある店舗から他の店舗へ装置が移設される場合、GPS(Global Positioning System)により位置情報を取得することで、店舗の立地に関する情報が更新されるようにしてもよい。
(写真シール作成装置の売り上げに応じた省電力状態での動作の制限)
モード設定部323は、写真シール作成装置1の売り上げに応じて、モニタの省電力状態での動作を制限するようにしてもよい。
売り上げの高い写真シール作成装置1は回転率が高く、売り上げの低い写真シール作成装置1は回転率が低い。そこで、売り上げの高い装置については、エコモードが設定されていても、モニタの省電力状態での動作が制限されるようにする。逆に、売り上げの低い装置については、モニタの省電力状態での動作は制限されないようにする。これにより、売り上げの低い装置は省電力状態で動作する時間や回数が多くなるため、写真シール作成装置1が設置されている店舗は、経費を削減することができる。
<その他>
以上においては、撮影空間と編集空間とは、別々の空間として設けられるものとしたが、同一の空間として設けられるようにしてもよい。
この場合、撮影モニタは編集モニタを兼ねることになる。この撮影・編集モニタに対してエコモードが設定された場合、撮影作業および編集作業を終了した利用者が印刷待ち空間へ移動した後に、撮影・編集モニタが、省電力状態で動作するようになる。
また、上述したように、編集モニタのみに対してエコモードが設定されるような場合であっても、エコモードが設定されていることを利用者やオペレータに報知するために、例えば図25に示されるように、撮影モニタに表示されるデモ画面に、エコモードが設定されている旨を表す「エコモード中」のメッセージが表示されるようにしてもよい。
ところで、編集モニタに表示される編集画面は、2人の利用者が同時に編集作業を行えるように、左右対称に構成されている。
そこで、編集モニタにエコモードが設定されている場合、編集作業を早く終え、終了ボタンを押下した利用者側の画面半分について、省電力状態で動作するようにしてもよい。すなわち、編集モニタの画面半分はエコ画面として表示されるようになる。この場合、編集可能時間内であれば、編集を再開できるように、エコ画面上に、再開ボタンを設けるようにしてもよい。再開ボタンが押下されると、エコ画面が表示されていた領域に、編集画面が再び表示されるようになる。
以上においては、編集処理が行われていないとき、編集モニタは、省電力状態での動作として、エコ画面を表示するものとしたが、エコ画面が表示されている状態で、編集モニタの液晶パネルの輝度値を下げることで、より一層、写真シール作成装置1の省電力化を図ることができる。
<エコモードが設定されているときの編集モニタの動作>
ここで、エコモードが設定されているときの編集モニタの動作について説明する。
(動作例1)
図26は、編集モニタの動作例について説明する図である。
図26には、編集モニタの輝度値およびその動作が時系列に沿って示されている。なお、図26に示される編集モニタは、上述した編集モニタ312−1,312−2のいずれかに対応するものとし、以降においても同様とする。
また、以降においては、編集モニタは、輝度値として0乃至100の値をとることができるものとする。ここで、輝度値0は、編集モニタの液晶パネルの表示が最も暗くなる値(エコ値)とし、輝度値100は、編集モニタの液晶パネルの表示が最も明るくなる値(通常値)とする。
図26の例では、編集空間A2−1(A2−2)には利用者がおらず、編集モニタは省電力状態で動作しているものとする。すなわち、編集モニタには、エコ画面が表示されているものとする。またこのとき、編集モニタの輝度値はエコ値をとるものとする。すなわち、編集モニタには、エコ画面が暗く表示されている。
上述した状態で、利用者が撮影空間A1から編集空間A2−1(A2−2)に移動し、編集処理が開始されると、編集モニタは、エコ画面の表示を終了し、利用者に写真シール作成ゲーム(編集作業)を行わせるためのゲーム画面(編集画面)を表示する。またこのとき、編集モニタの輝度値は、エコ値から通常値に設定される。すなわち、編集モニタには、ゲーム画面が明るく表示される。
その後、編集処理において編集モニタに最後に表示される編集画面として、事後選択空間への案内画面が表示され、編集処理が終了すると、編集モニタは、再び省電力状態での動作を開始し、エコ画面を表示する。このとき、編集モニタの輝度値は通常値のままであり、編集モニタには、図27左側に示されるように、エコ画面が明るく表示される。
そして、編集モニタにエコ画面が表示されてから5分経過後、編集モニタの輝度値は通常値からエコ値に設定され、編集モニタには、図27右側に示されるように、エコ画面が暗く表示される。なお、編集モニタにエコ画面が表示されてから5分経過する前に、再び編集処理が開始された場合、編集モニタの輝度値は通常値のままとなり、編集モニタには、ゲーム画面が表示されるようになる。
このような動作により、より一層、編集モニタの省電力化を図ることができる。
(動作例2)
図28は、編集モニタの他の動作例について説明する図である。
図28の例では、写真シール作成装置1の電源がOFFされており、そのため、編集モニタの電源もOFFされているものとする。また、編集モニタの輝度値はいかなる値に設定されていてもよいものとする。
この状態で、電源投入により写真シール作成装置1の電源がONされると、編集モニタは起動処理を開始する。そして、編集モニタが起動処理を開始してから所定の時間経過後、編集モニタの輝度値は通常値に設定される。
その後、起動処理が終了すると、編集モニタはエコ画面を表示する。このとき、編集モニタの輝度値は通常値のままである。
そして、編集モニタにエコ画面が表示されてから5分経過後、編集モニタの輝度値はエコ値に設定される。なお、編集モニタにエコ画面が表示されてから5分経過する前に、例えば編集処理が開始された場合、編集モニタの輝度値は通常値のままとなり、編集モニタには、ゲーム画面が表示されるようになる。
このような動作により、より一層、編集モニタの省電力化を図ることができる。
(動作例3)
図29は、編集モニタのさらに他の動作例について説明する図である。
図29の例では、編集空間A2−1(A2−2)には利用者がおらず、編集モニタは省電力状態で動作しているものとする。すなわち、編集モニタには、エコ画面が表示されているものとする。またこのとき、編集モニタの輝度値はエコ値をとるものとする。すなわち、編集モニタには、エコ画面が暗く表示されている。
この状態で、オペレータによりメンテナンスボタンが押下されると、編集モニタは、エコ画面の表示を終了し、メンテナンス画面を表示する。なお、この例では、メンテナンス画面は編集モニタに表示されるものとする。またこのとき、編集モニタの輝度値は、エコ値から通常値に設定される。すなわち、編集モニタには、メンテナンス画面が明るく表示される。
その後、オペレータがメンテナンス作業を終え、メンテナンス画面の表示が終了すると、編集モニタは、再びエコ画面を表示する。このとき、編集モニタの輝度値は通常値のままである。
そして、編集モニタにエコ画面が表示されてから5分経過後、編集モニタの輝度値はエコ値に設定される。なお、編集モニタにエコ画面が表示されてから5分経過する前に、例えば編集処理が開始された場合、編集モニタの輝度値は通常値のままとなり、編集モニタには、ゲーム画面が表示されるようになる。
このような動作により、より一層、編集モニタの省電力化を図ることができる。
なお、以上においては、編集モニタの輝度値0がエコ値として設定されるものとしたが、通常値(輝度値100)より低い任意の輝度値がエコ値として設定されるようにしてもよい。
また、以上においては、編集モニタに対して省電力モード(エコモード)が設定されたときの動作例について説明したが、撮影モニタに対してエコモードが設定された場合、上述した編集モニタの動作と同様に、撮影モニタが動作するようにしてもよい。ただし、写真シール作成装置1が撮影空間A1において硬貨投入を受け付ける構成を採る場合、硬貨投入前に撮影モニタの画面が暗いと、利用者が、電源が入っていないのでは、故障しているのでは、などと勘違いをするおそれがある。そこで、写真シール作成装置1が撮影空間A1外において事前に硬貨投入を受け付ける構成を採る場合に、撮影モニタに対してエコモードが設定されるようにする。
さて、上述で説明した例では、モニタに対してエコモードが設定されるものとしたが、定常光を発光する光源に対してエコモードが設定されるようにしてもよい。
<写真シール作成装置の他の機能構成例>
図30は、本実施の形態の写真シール作成装置1のさらに他の機能構成例を示している。
図30に示される構成は、図10に示される構成に加え、定常光光源511および発光制御部521を備える。
定常光光源511は、撮影空間A1内に設けられる。具体的には、定常光光源511は、撮影に合わせて発光するストロボ発光管とともに、撮影空間A1内の各ストロボユニットの内部に設けられる。定常光光源511は、撮影空間A1内に定常光を照射する。
発光制御部521は、定常光光源511の発光を制御する。具体的には、発光制御部521は、モード設定部323によって省電力モード(エコモード)が設定されると、定常光光源511を省電力状態で発光動作させる。
なお、以下においては、発光制御部521の制御によって省電力状態で発光動作する定常光光源511は、天井ストロボユニット32および上ストロボユニット82内に設けられる定常光光源であるものとして説明する。
ここで、天井ストロボユニット32および上ストロボユニット82の詳細な構成例について説明する。
<天井ストロボユニットの構成例>
図31は、天井ストロボユニット32の外観の構成例を示している。
天井ストロボユニット32の発光面は、半円筒形状の乳白アクリル板531により構成される。乳白アクリル板531により、天井ストロボユニット32内部からの光が拡散され、その光が撮影空間A1内全体に照射される。
図31は、乳白アクリル板531を取り外した状態の天井ストロボユニット32の内部の構成例を示している。
天井ストロボユニット32の内部で、長手方向の中心の位置には、ストロボ発光部541が設けられる。また、図中、ストロボ発光部541の左側には、定常光光源542が設けられ、ストロボ発光部541の右側には、定常光光源543が設けられる。
ストロボ発光部541の図中手前側には、側面視でL字をなす2平面から構成されるL字反射板551が設けられる。また、そのL字反射板551の図中奥側には、図33に示されるように、円筒形状のストロボ発光管552が設けられる。ストロボ発光管の図中奥側には、側面視でV字をなす2平面から構成されるV字反射板553が設けられる。すなわち、ストロボ発光部541において、ストロボ発光管552は、L字反射板551とV字反射板553とに囲まれるように設けられる。
このような構成により、撮影空間A1の天井から柔らかい光(反射または拡散することで光源から間接的に被写体に当たる光)が照射されるようになる。
定常光光源542,543は、LED電球により構成され、撮影のタイミングにかかわらず常時点灯している。すなわち、定常光光源542,543は、乳白アクリル板531を介して、撮影空間A1の天井から定常光を照射する。なお、定常光光源542,543は電球型蛍光灯により構成されるようにしてもよい。
<上ストロボユニットの構成例>
図34は、上ストロボユニット82の外観の構成例を示している。
上ストロボユニット82の発光面は、椀状の凸曲面を有する乳白アクリル板561により構成される。乳白アクリル板561により、上ストロボユニット82内部からの光が拡散され、その光が撮影空間A1内に照射される。
図35は、乳白アクリル板561を取り外した状態の上ストロボユニット82の内部の構成例を示している。
上ストロボユニット82の内部で、円の略中心の位置には、ストロボ発光部571が設けられる。また、図中、ストロボ発光部571の左側には、定常光光源572が設けられ、ストロボ発光部571の右側には、定常光光源573が設けられる。
ストロボ発光部571には、円筒形状のストロボ発光管581が設けられる。ストロボ発光管の図中奥側には、側面視でV字をなす2平面から構成されるV字反射板582が設けられる。
このような構成により、撮影空間A1内の利用者に対して固い光(光源から直接的に被写体に当たる光)が照射される。
定常光光源572,573は、LED電球により構成され、撮影のタイミングにかかわらず常時点灯している。すなわち、定常光光源572,573は、乳白アクリル板561を介して、カメラ91の上方から定常光を照射する。なお、定常光光源572,573は電球型蛍光灯により構成されるようにしてもよい。
上述したように、天井ストロボユニット32内に設けられる定常光光源542,543、および、上ストロボユニット82内に設けられる定常光光源572,573は、エコモードが設定されると、発光制御部521の制御によって省電力状態で発光動作する。これにより、ゲームのプレイが可能な環境があることを利用者に伝えるとともに、後述する自分撮りを行わせないようにすることができる。
<エコモード設定処理について>
ここで、図36のフローチャートを参照して、定常光光源511についてのエコモード設定処理について説明する。図36の処理は、定常光光源511についてエコモードが設定されていない状態で実行される。
なお、図36のフローチャートにおけるステップS51乃至S54の処理は、図12のフローチャートにおけるステップS11乃至S14のそれぞれと同様であるので、その説明は省略する。
すなわち、ステップS55において、発光制御部521は、定常光光源511を省電力状態で発光動作させる。
具体的には、省電力状態では、発光制御部521は、写真シール作成装置1が所定の動作をしている間は、定常光光源511を点灯させる。また、発光制御部521は、その所定の動作の後、撮影空間A1内に設けられた撮影モニタ311にデモ画面が表示されてから所定の時間経過後に、定常光光源511を消灯させる。これにより、定常光光源511の消費電力が抑えられる。
<エコモード解除処理について>
続いて、図37のフローチャートを参照して、エコモード解除処理について説明する。図37の処理は、エコモードが設定されている状態で実行される。
なお、図37のフローチャートにおけるステップS71乃至S74の処理は、図14のフローチャートにおけるステップS31乃至S34のそれぞれと同様であるので、その説明は省略する。
すなわち、ステップS75において、発光制御部521は、定常光光源511を通常状態で発光動作させる。具体的には、省電力状態では、発光制御部521は、定常光光源511を常時点灯させる。
<エコモードが設定されているときの写真シール作成装置の動作>
ここで、エコモードが設定されているときの写真シール作成装置1の動作について説明する。以下においては、撮影空間A1内の定常光光源に対してエコモードが設定されるものとする。
(動作例1)
図38は、写真シール作成装置1の動作例について説明する図である。
図38には、定常光光源および撮影モニタそれぞれの動作が時系列に沿って示されている。なお、図38に示される定常光光源および撮影モニタそれぞれは、上述した定常光光源511および撮影モニタ311それぞれに対応するものとし、以降においても同様とする。
図38の例では、撮影空間A1には利用者がおらず、定常光光源は消灯し、撮影モニタにはデモ画面が表示されているものとする。なお、このとき、撮影空間A1内の左ストロボユニット83、右ストロボユニット84、足元ストロボユニット85、背面上ストロボユニット121、背面右ストロボユニット122、および背面左ストロボユニット123の内部に設けられる定常光光源は点灯しているものとする。
この状態で、利用者による1枚目の硬貨投入が検知されると、定常光光源は点灯する。そして、全ての(必要な枚数の)硬貨投入が検知されると、写真シール作成装置1は写真シール作成ゲームの実行を開始し、撮影モニタは、利用者に写真シール作成ゲーム(撮影作業)を行わせるためのゲーム画面(撮影画面)を表示する。すなわち、写真シール作成ゲームにおける撮影処理が開始する。
その後、撮影処理において撮影モニタに最後に表示されるゲーム画面として、編集空間への案内画面が表示され、撮影処理が終了すると、撮影モニタは、再びデモ画面を表示する。このとき、定常光光源は点灯したままである。
そして、撮影モニタにデモ画面が表示されてから5分経過後、定常光光源は消灯する。なお、撮影モニタにデモ画面が表示されてから5分経過する前に、再び硬貨投入が検知された場合、定常光光源は点灯したままとなる。
このような動作により、撮影空間A1が利用されていないときには、定常光光源が消灯されるので、写真シール作成装置1の省電力化を図ることができる。
(動作例2)
図39は、写真シール作成装置1の他の動作例について説明する図である。
図39の例では、写真シール作成装置1の電源がOFFされており、撮影空間A1内の全ての定常光光源は消灯し、撮影モニタの電源もOFFされているものとする。
この状態で、電源投入により写真シール作成装置1の電源がONされると、定常光光源は点灯する。またこのとき、撮影モニタは起動処理を開始する。すなわち、写真シール作成ゲームにおける撮影処理が開始する。
その後、起動処理が終了すると、撮影モニタはデモ画面を表示する。このとき、定常光光源は点灯したままである。
そして、撮影モニタにデモ画面が表示されてから5分経過後、定常光光源は消灯する。なお、撮影モニタにデモ画面が表示されてから5分経過する前に、例えば利用者による硬貨投入が検知された場合、定常光光源は点灯したままとなる。
このような動作により、撮影空間A1が利用されていないときには、定常光光源が消灯されるので、写真シール作成装置1の省電力化を図ることができる。
(動作例3)
図40は、写真シール作成装置1のさらに他の動作例について説明する図である。
図40の例では、撮影空間A1には利用者がおらず、定常光光源は消灯し、撮影モニタには、デモ画面が表示されているものとする。なお、このとき、撮影空間A1内の左ストロボユニット83、右ストロボユニット84、足元ストロボユニット85、背面上ストロボユニット121、背面右ストロボユニット122、および背面左ストロボユニット123の内部に設けられる定常光光源は点灯しているものとする。
この状態で、オペレータによりメンテナンスボタンが押下されると、定常光光源は点灯する。またこのとき、撮影モニタはメンテナンス画面を表示する。
その後、オペレータがメンテナンス作業を終え、メンテナンス画面の表示が終了すると、撮影モニタは、再びデモ画面を表示する。このとき、定常光光源は点灯したままである。
そして、撮影モニタにデモ画面が表示されてから5分経過後、定常光光源は消灯する。なお、撮影モニタにデモ画面が表示されてから5分経過する前に、例えば利用者による硬貨投入が検知された場合、定常光光源は点灯したままとなる。
このような動作により、撮影空間A1が利用されていないときには、定常光光源が消灯されるので、写真シール作成装置1の省電力化を図ることができる。
(動作例4)
図41は、写真シール作成装置1のさらに他の動作例について説明する図である。
図41の例では、定常光光源は点灯していても消灯していてもよく、撮影モニタには、任意の画面が表示されているものとする。
この状態で、写真シール作成装置1において所定のエラーが発生すると、定常光光源は点灯する。またこのとき、撮影モニタはエラー画面を表示する。
その後、撮影モニタにエラー画面が表示されている間、定常光光源は点灯し続ける。
このように、写真シール作成装置1において所定のエラーが発生した場合には、定常光光源は点灯したままとなる。
<撮影空間における光学的環境について>
ここで、写真シール作成装置1の撮影空間A1における光学的環境について説明する。
撮影空間A1内に設けられる各ストロボユニットは、それぞれの機能を有する。
具体的には、上ストロボユニット82は、いわゆるメインライトとして機能する。そのため、上ストロボユニット82が有するストロボ発光管および定常光光源の発光量は、他のストロボユニットのそれらと比較して大きく設定される。上ストロボユニット82は、被写体との距離が、被写体の顔に極端な陰影やハイライトが生じないような距離となるように設置される。また、上ストロボユニット82は、その中心と、カメラ91のレンズの中心が、写真シール作成装置1の設置面に垂直な同一直線状に並ぶように設置される。さらに、上ストロボユニット82は、被写体がカメラ91から離れた位置に立っている場合であっても、立体感が出るように所定の角度をつけて設置される。
足元ストロボユニット85は、箱状に形成されており、2つの発光面を有している。1つはその上面であり、もう1つは手前側(被写体側)の面である。足元ストロボユニット85においては、それぞれの発光面について、1つのストロボ発光管と所定数の定常光光源が設けられている。
足元ストロボユニット85の上面は、手前から奥へ高さが増すように傾斜している。これにより、被写体の前方斜め下から光が照射され、被写体の顔の顎や首の部分に生じる影を抑えることができる。
足元ストロボユニット85の手前側の面は、写真シール作成装置1の設置面に対して垂直になされている。これにより、被写体の足元に光が照射され、特に被写体の全身を写す全身撮影時に、被写体の足元が暗く写ることを防ぐことができる。また、被写体がカメラ91から離れた位置に立っている場合であっても、カメラ91に近い位置に立っている場合であっても、被写体の顔の顎や首の部分に生じる影を抑えることができる。
天井ストロボユニット32は、撮影空間A1の上方から被写体に光を照射する。被写体がカメラ91に近い位置に立っている場合、他のストロボユニットからの光が被写体の頭頂部の髪などに当たらず、その部分が暗くなることがある。天井ストロボユニット32によれば、その部分に光を照射し、その部分を明るくすることができる。また、被写体がカメラ91から離れた位置に立っている場合、上ストロボユニット82からの光が届かず、立体感を十分に出せないおそれがある。天井ストロボユニット32によれば、上ストロボユニット82からの光を補うことができ、立体感を出すようにすることができる。
背面上ストロボユニット121は、被写体の後方斜め上から光を照射する。これにより、被写体の頭頂部および側頭部の髪を明るくすることができる。
背面右ストロボユニット122は、被写体の後方右から光を照射し、背面左ストロボユニット123は、被写体の後方左から光を照射する。これにより、被写体の側頭部の髪を明るくすることができる。
以上のような構成により、被写体の撮影に最適な光学的環境を実現することができる。
<自分撮りとその対策>
ところで、近年、撮影者が手に持ったカメラにより自分自身を被写体として撮影する、いわゆる「自分撮り」が流行している。この自分撮りにおいては、特に、スマートフォンなどのカメラ付き携帯電話機がよく用いられ、撮影者は、様々な場所で簡単に自分撮りを行うことができる。
さらに、近年、写真シール機の撮影空間における光学的環境を利用して、自分撮りを行う撮影者が増えつつある。自分撮りを行う撮影者にとっては、最適な光学的環境で自分撮りを行うことができるというメリットがある一方、このような行為は、ゲームを目的とした本来の利用者の妨げになるだけでなく、ゲームの回転率の低下にもつながるため、写真シール機を設置している施設や店舗にとっても不利益となる。
そこで、上述したように、撮影空間A1が利用されていないときに、天井ストロボユニット32および上ストロボユニット82の定常光光源を消灯させることで、撮影空間A1を、自分撮りを行う撮影者に利用させないようにすることができる。
天井ストロボユニット32および上ストロボユニット82の定常光光源を消灯した撮影空間A1においては、自分撮りを行う撮影者の顔や上半身には光が照射されず、足元ストロボユニットからの光が、その撮影者の前方斜め下から光が照射されるのみとなる。撮影者が、このような光学的環境の中で自分撮りを行ったとしても、顔が暗く、顎や首の部分だけが明るく写る、見栄えの悪い画像しか得られない。
すなわち、上述で説明したような定常光光源の発光動作により、撮影空間において自分撮りを行う撮影者の不当な利用を抑制することが可能となる。これにより、ゲームを目的とした利用者は、自分撮りを行う撮影者を気にすることなくゲームに臨むことができ、さらには、ゲームの回転率の向上を期待できるため、写真シール機を設置している施設や店舗にとっても利益となる。
なお、撮影空間A1が利用されていない場合であって、足元ストロボユニットの定常光光源は点灯しているので、これからゲームに臨もうとする利用者が、電源が入っていないのでは、故障しているのでは、などと勘違いをすることはない。
<その他の対策例>
以上においては、撮影空間A1を、自分撮りを行う撮影者に利用させないようにするために、撮影空間A1における一部の定常光光源を消灯することで、自分撮りに適した光学的環境をつくり出さないようにしたが、他の対策を講じることも可能である。
(色温度による対策)
例えば、各ストロボユニット内に設けられている定常光光源(LED電球)の色温度を、例えば、赤、黄、白、青などのように温度の低い順に周期的に変えるようにする。これにより、一定した光学的環境をつくり出さないようにし、撮影空間A1を、自分撮りを行う撮影者に利用させないようにすることができる。なお、定常光光源の色温度をランダムに変えることで、より不安定な光学的環境をつくり出すようにしてもよい。
(撮影空間内の壁面による対策)
撮影空間A1を構成する壁面(正面パネル41、背面パネル51、および側面パネル52A,52B)の色が白色の場合、各ストロボユニットからの光が壁面で反射することで、立体感が出るような光学的環境を実現することができる。そこで、撮影空間A1を構成する壁面を、白色以外の、明度の低い色や、反射率の低い色にする。これにより、上述した光学的環境をつくり出さないようにし、撮影空間A1を、自分撮りを行う撮影者に利用させないようにすることができる。なお、撮影空間A1を構成する壁面の材料として、反射率の低い材料を用いるようにしてもよい。
また、撮影空間A1を構成する壁面に、所定の文字を入れるようにしてもよい。これにより、撮影空間A1において自分撮りを行った場合、背景などにその文字が写り込んだ画像が得られる。このような画像は、決して見栄えの良い画像とはいえないため、自分撮りを行う撮影者に、撮影空間A1において自分撮りを行うことを躊躇させることができる。
なお、撮影空間A1を構成する壁面に、任意の会社の社名やブランド名などを文字として入れることで、それらの宣伝効果を期待することもできる。
(機械的構成による対策)
撮影空間A1の出入り口G1,G2には、撮影作業の様子を他の利用者に覗かれないようにカーテンが設けられる。しかしながら、このカーテンによって撮影空間A1がその外側と区切られた空間となることで、自分撮りを行う撮影者は、周りを気にすることなく自分撮りを行うことが可能となってしまう。
そこで、出入り口G1,G2に設けられるカーテンを、開閉可能な左右スライド式のカーテンとする。そして、撮影空間A1が利用されていないとき(具体的には、撮影モニタにデモ画面が表示されているとき)には、カーテンが開いた状態となり、硬貨投入が検知されることで、カーテンが閉じた状態となるよう、カーテンの開閉を制御するようにする。これにより、撮影空間A1が利用されていないときには、撮影空間A1内はその外側から丸見えとなり、自分撮りを行う撮影者に、撮影空間A1において自分撮りを行うことを躊躇させることができる。
また、背面パネル51側に、複数の背景カーテンを昇降可能にする背景カーテンユニットを用意するようにしてもよい。この場合、撮影空間A1が利用されていないときには、撮影に適さない色(明度の低い色や反射率の低い色など)の背景カーテンが降ろされた状態となり、硬貨投入が検知されることで、撮影に適した白色のカーテンや、緑色のクロマキー用カーテンが降ろされた状態となるよう、背景カーテンの昇降が制御されるようにしてもよい。
さらに、撮影空間A1を形成する撮影部21と背景部22とを連結する連結部31A,31Bおよび連結部34に代えて、伸縮可能な連結部材を設けることで、背景部22が撮影部21に近づくように可動する構成を採るようにしてもよい。この場合、撮影空間A1が利用されていないときには、背景部22が撮影部21に近づいた状態とすることで、撮影空間A1の大きさを狭めるようにする。また、硬貨投入が検知されることで、背景部22を元の位置に戻すことで、撮影空間A1の大きさが元の大きさに戻るようにする。これにより、撮影空間A1が利用されていないときには、撮影空間A1は狭くなるので、自分撮りを行う撮影者が撮影空間A1に入り難くすることができる。
(センサによる対策)
撮影空間A1内に人感センサや赤外線センサなどを設け、これらのセンサにより人物の存在が検知されてから所定の時間経過後、硬貨投入が検知されない場合、撮影モニタに、「コインを入れてゲームを開始してね」などの、ゲームのプレイを促すメッセージが表示されたり、同様の音声ガイダンスが出力されるようにしてもよい。これにより、撮影空間A1において自分撮りを行おうとしている撮影者にうしろめたさを与えることができる。
同様に、上述したようなセンサにより人物の存在が検知されてから所定の時間経過後、硬貨投入が検知されない場合、人間にとって不快な音声(高周波数の音など)が出力されるようにしてもよい。
また、近年の自分撮りの流行に伴い、カメラやスマートフォンに取り付けて自分撮りを行うための、長さ1m程度の棒状の器具(以下、自撮り棒という)を利用して自分撮りを行う撮影者もいる。自撮り棒の中には、グリップ部分に内蔵されたり、本体とは別に構成されたリモートコントローラでシャッタ操作を行うものがある。この場合、Bluetooth(登録商標)などの近距離無線通信が用いられている。
そこで、この自撮り棒を用いた自分撮りの対策として、近距離無線通信が行われていることが検知された場合、定常光光源の光量を下げるようにする。また、近距離無線通信を行うデバイスが2以上検知された場合に、定常光光源の光量を下げるようにしてもよい。なお、これらの場合に、定常光光源の光量を下げるだけでなく、撮影モニタに注意を喚起する画面が表示されるなどしてもよい。
なお、上述した色温度、撮影空間内の壁面、機械的構成、およびセンサによる対策それぞれが、任意に組み合わされて適用されるようにしてもよい。
<自分撮りを受け入れる構成>
以上においては、撮影空間A1内での自分撮りの対策例について説明してきた。
ところで、写真シール機の中には、回転率が高く売上げの良い機種と、回転率が低く売上げの悪い機種とがある。また、写真シール機は、いずれの機種であっても、上述したような光学的環境を実現することができる。
そこで、売上げの悪い機種においては、あえて自分撮りを行わせるようにしてもよい。
例えば、写真シール作成ゲームの中のコースの1つとして、自分撮りコースを用意する。硬貨投入が検知され、写真シール作成ゲームが開始し、自分撮りコースが選択された場合、撮影空間A1内の各ストロボユニットにより、自分撮りに適した光学的環境が提供されるようにする。この場合、硬貨投入が検知されるまでは、上述した対策例のように、自分撮りに適した光学的環境が提供されないようにする。
これにより、売上げの良い機種において自分撮りを行う撮影者を減らすことができるとともに、自分撮りを行う撮影者の満足度をも向上させることができる。
なお、自分撮りコースによって得られた画像は、ゲームの中で携帯電話機と写真シール機とが通信を行うことで、編集処理や印刷処理、サーバへの送信の対象となるようにしてもよい。
また、上述した例において、利用者が、サーバに送信された画像を自由に取得可能な有料会員であるか否かによって、自分撮りを行うことを許可するようにしてもよい。具体的には、写真シール機において、利用者に、その利用者が所有する携帯端末のメールアドレスや会員IDを入力させ、有料会員であると判定された場合に、自分撮りを行うことを許可するようにする。
さらに、全ての利用者について、自分撮りを行うことを許可するようにした上で、その画像のサーバへの送信を有料とするようにしてもよい。この場合、利用者に対して、有料会員の登録を行わせることを条件として、自分撮りを行うことを許可するようにしてもよい。
また、写真シール機が設置されている施設や店舗の一角の壁面や天井などに、写真シール機と同等の光学的環境を提供可能な照明装置を設け、自分撮り専用の空間を用意するようにしてもよい。
上述した実施の形態では、写真シール作成装置1は、得られた撮影画像や編集画像をシール紙に印刷するとともに、サーバに送信することで利用者の携帯端末に提供する構成を採るものとした。これに限らず、撮影画像や編集画像をシール紙に印刷せずに、サーバに送信することで利用者の携帯端末に提供するのみの構成を採ることも可能である。また逆に、撮影画像や編集画像をサーバに送信せずに、シール紙に印刷するのみの構成を採ることも可能である。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
この記録媒体は、例えば、図7に示されるように、装置本体とは別に、写真シール作成装置1の管理者にプログラムを配信するために配布される、そのプログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROMおよびDVDを含む)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア205により構成される。また、これらだけでなく、記録媒体は、装置本体にあらかじめ組み込まれた状態で管理者に配信されるプログラムが記録されているROM206や、記憶部202に含まれるハードディスクなどで構成される。
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
以上において、印刷媒体は、シール紙や写真紙に限られるものではない。例えば、所定のサイズの紙やフィルム、プリペイドカードやIC(Integrated Circuit)カードなどのカード、あるいは、Tシャツなどの布地などに、画像を印刷するようにしてもよい。この場合、1または複数の撮影画像が配置されたシールレイアウト画像が、これらの印刷媒体に印刷されるようにしてもよい。
また、本技術の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本技術の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。