図1は、本発明を適用した写真シール作成装置の一実施の形態の例を示す図である。
図1の写真シール作成装置1は、撮影や編集等の作業の娯楽性を高め、それらの作業を利用者にゲーム(遊戯サービス)として行わせ、撮影画像や編集済み画像を写真シールやデータとして利用者に提供する代わりに、利用者より代金を受け取るゲーム装置(遊戯サービス提供装置)である。
この写真シール作成装置1が実行する写真シール作成ゲームにおいて、利用者は、ゲームの代金を投入し、写真シール作成装置1に設けられたカメラを用いて自分自身等を撮影し、その撮影画像に対して背景画像を合成したり、後述する「ペン」や「スタンプ」等の編集ツールにより合成用画像を加える等の編集(落書き編集)を行い、撮影画像を彩り豊かなものにデザインする。そしてゲーム終了後、利用者は、編集済み画像が印刷された写真シール等を成果物として受け取る。
このような写真シール作成装置1は、通常、ゲームセンタや観光地の店舗等に設置される。つまり、写真シール作成装置1は、例えば、メーカや販売会社などから、それらの店舗の経営者に販売される。写真シール作成装置1を購入した経営者は、店舗(例えばゲームセンタ)にその写真シール作成装置1を設置して管理・運営し、女子高校生や女子中学生に代表される一般の利用者に写真シール作成ゲームを有料でプレイさせ、その代金により収益を上げる。
従って、店舗の経営者にとって、写真シール作成装置1の収益率の高さが重要となる。つまり、写真シール作成装置1は、単位時間当たりの収益率が高い方が望ましい。また、通常の店舗の場合、床面積や構造等の制限により、写真シール作成装置1の設置場所が限定される。従って、写真シール作成装置1は、単位床面積当たりの収益率が高い方が望ましい。さらに、各店舗の広さや形状は通常同じでなく、かつ、写真シール作成装置1とともに設置される他のゲーム機等も異なるため、設置場所の自由度が高いほど望ましい。
収益率を向上させる方法として、例えば、写真シール作成ゲームの回転率を向上させる方法がある。つまり、所定の時間内にプレイされるゲーム数を増加させることにより単位時間当たりの収益率を増加させる方法である。しかしながら、写真シール作成ゲームをプレイする利用者がいなければ収益率は向上しない。従って、写真シール作成装置1の写真シール作成ゲームに対する、利用者の期待度や満足度を向上させることも重要となる。
例えば、写真シール作成装置1は、ゲームをプレイしたことのない利用者が「プレイしてみたい」と思うような期待度の高い機能を設けることにより利用者数を増加させることができる。また、一度プレイした利用者が「楽しかった、もう一度プレイしたい」と思うような満足度の高い機能を設けることにより、写真シール作成装置1は、いわゆるリピータを増加させ、利用者数をさらに増加させることができる。その結果、写真シール作成装置1の収益が向上する。
利用者にとって、写真シール作成装置1には、大きく分けて、写真シール作成ゲームをプレイすること(写真シールの作成作業)と、成果物として写真シール用画像や写真シールを得ること(完成した写真シールそのもの)の2つの娯楽性がある。
前者の、写真シール作成作業の娯楽性を向上させる方法としては、例えば、撮影機能や、落書き編集等の編集機能の多機能化、操作性の向上、またはプレイ時間や待ち時間の調整等がある。後者の、完成した写真シールそのものの娯楽性を向上させる方法としては、例えば、シール紙の品質向上、高画質印刷、および特殊色印刷等のようなハードウェアの向上や、写真シールの画像に対する利用者の満足度を向上させることなどがある。
また、主な利用者層である女子高校生や女子中学生は、得られた写真シールを所有物に貼り付けるだけでなく、その写真シールを交換したり、その写真シールを話題にして会話を行ったりする。従って、例えば、写真シールの画像内容が、派手だったり、面白かったり、希少性が高かったり、目新しさがあったりする場合、その写真シールを利用者自身が気に入ることもあるが、それだけでなく、その写真シールを話題として会話が盛り上がることも考えられる。
また、このような写真シールの利用により、写真シール自体が写真シール作成装置1の広告としての役割も果たすこともある。従って、写真シールの娯楽性を向上させることは、単にその利用者の満足度を向上させるだけでなく、他者の期待度を向上させ、評判の広がりによる集客、即ち、いわゆる口コミによる新規利用者を増やすことも期待することができる。
つまり、写真シール作成ゲームにおいて、利用者らが気に入るような画像を作成することができる機能を提供することにより、利用者の写真シール作成ゲームに対する満足度だけでなく、写真シールに対する満足度も向上させることができ、さらに、写真シールの話題性や広告効果等も同時に向上させることができる。
写真シール作成装置1は、このような特徴を有するが、その筐体10は、図1に示すように、撮影ユニット12、編集ユニット13、天井ストロボユニット14、および背景カーテンユニット15の4つのユニットに大きく分けられる。
撮影ユニット12は、利用者等を被写体として撮影する機能を有しており、後述する内部の撮影空間において被写体の撮影が行われる。この撮影ユニット12は、大きく、前方ユニット12Aと後方ユニット12Bの2つに分けられる。
前方ユニット12Aは、撮影空間の前方とされる側のユニットであり、撮影空間の利用者の撮影に関する処理を行ったり、利用者の写真シール作成ゲームに関する操作を受け付けたりする。後方ユニット12Bは、撮影空間の後方とされる側のユニットであり、前方ユニット12Aによる利用者の撮影の際に、背景の役割を果たすユニットである。この後方ユニット12Bの内部は、空洞(空間)となっており、利用者が撮影を行う際に利用される撮影空間の一部として構成される。この後方ユニット12Bの内部には、利用者がポーズをとるために利用するステージ等が設けられるようにしてもよい。
編集ユニット13は、利用者が撮影画像に対する落書き編集等を行うための構成(例えば、モニタ、タッチパネル、およびタッチペン等)が設けられている。後述するように1つの筺体からなる編集ユニット13は、2組の利用者が同時に編集作業を行うことができるように、2つの面のそれぞれに、落書き編集等を行うための構成が設けられている。後述するように、写真シール作成装置1は、複数の写真シール作成ゲームを並列的に実行することができる。換言すれば、複数組の利用者が、同時に写真シール作成装置1において写真シール作成ゲームをプレイすることができる。編集ユニット13は、写真シール作成ゲームのプレイの回転率を向上させるために、それらの複数組の利用者が同時に落書き編集を行うことができるように、2つの落書き編集等を行うための構成が設けられている。
また、編集ユニット13の、撮影ユニット12と対向する面の上側には、照明装置16が設置されており、照明装置16は、この面に設けられている写真シール排出部(後述する図2の写真シール排出部13C)に排出される写真シールを受け取る利用者の手元を照明する。
撮影空間の上方に設けられる天井ストロボユニット14は、撮影タイミングに合わせて撮影空間内に向けてストロボ発光するフラッシュを内蔵する。この天井ストロボユニット14には、さらに内部に蛍光灯が配置されており、撮影空間(撮影空間内の利用者)を常時照らす照明としても機能する。撮影空間は、後述するように簡易的に閉鎖的な空間として構成される。従って、外部より光が進入しづらく、暗くなりがちで利用者の操作性が低下する恐れがある。天井ストロボユニット14が、その照明により撮影空間を明るく照らすことにより、そのような恐れを回避し、操作性を向上させることができる。なお、このような照明は前方ユニット12Aや後方ユニット12Bにも設けられている。
また、後方ユニット12Bの上部には、例えば、背景に利用する可動式のカーテン(背景カーテン)を備える背景カーテンユニット15が設けられている。この背景カーテンユニット15は、例えば、互いに色または柄の異なる巻き取り式のカーテンが複数吊設されている。例えば、明るい色の単色、外国の絵本のようなお洒落でかわいい柄、彩り豊かなポップで(大衆向けの)お洒落な柄等、主な利用者である女性の若者に人気の高い色や柄が複数揃えられる。
前方ユニット12Aに設けられたカメラやストロボ等の撮影機能と連動して動作し、撮影の際に、例えば利用者に選択された色のカーテンを下ろし、その他のカーテンを巻き取る。このように動作することにより、背景カーテンユニット15は、容易に利用者の所望のデザインや、撮影モード等に応じたデザインの背景を提供することができる。これにより、写真シール作成装置1は、画像(写真シール)に対する利用者の満足度を向上させることができる。
なお、背景カーテンユニット15が備えるカーテン(背景カーテン)の枚数は任意である。例えば、背景カーテンユニット15に1枚の背景カーテンのみが吊設されるようにしてもよい。また、この場合、写真シール作成装置1が、合成用の背景画像を複数種類用意し、その中から利用者により選択された背景画像を撮影画像に合成するようにしてもよい。このようにすることにより、写真シール作成装置1に設けられる物理的な背景カーテンが1枚のみであっても、写真シール作成装置1は、利用者の多様な好みに対応することができる。
図2は、図1の写真シール作成装置1を、編集ユニット13側より見た斜視図である。
編集ユニット13は、図2に示すように、前方ユニット12Aの、後方ユニット12B側の面(つまり、撮影空間側の面)と反対の面に隣接して設置される。編集ユニット13の、前方ユニット12Aに直交する2つの側面には、利用者が撮影画像に対する落書き編集等を行うための第1編集インタフェース13Aと第2編集インタフェース13Bがそれぞれ設けられている。つまり、編集ユニット13には、写真シール作成ゲームを行う複数組の利用者が、前方ユニット12Aと後方ユニット12Bを結ぶ方向と直交する向きに、編集ユニット13を挟んで対向する状態で編集作業を行うことができるように、2つの編集インタフェースが設けられている。
また、編集ユニット13の、撮影ユニット12と対向する面には、写真シール作成ゲームがプレイされることにより作成された写真シールが排出されて利用者に提供される写真シール排出部13Cが設けられている。また、写真シール排出部13Cが設けられている編集ユニット13の側面の写真シール排出部13Cの上方には、照明装置16が設けられている。照明装置16は、利用者の頭上の位置(利用者の背より高い位置)、例えば、筐体10の上端近傍の位置に配置されており、下方に向かって照明光を照射する。これにより、照明装置16は、利用者が写真シール排出部13Cから写真シールを取り出すときに、利用者よりも上方から利用者を照らすことができ、利用者は、その照明光によって写真シールの仕上がり具合を確認することができる。
図3は、写真シール作成装置1の設置例を示す外観図である。
写真シール作成装置1がゲームセンタ等に設置される場合、例えば図3に示されるように、撮影ユニット12や編集ユニット13を囲むように、カーテン21が設けられる。このカーテン21は、撮影作業が行われる撮影空間や編集作業が行われる編集空間等を簡易的に囲み、各空間の閉鎖性を向上させている。つまり、カーテン21は、例えば、各空間内の環境を安定させることにより、高画質な撮影や編集画面の見易さ等に寄与したり、各空間外からの視界を遮断し、利用者が外部からの視線を意識せずに撮影や編集等の作業を行うことができるようにしたりする。
このカーテン21の外側の面は、通常、広告を掲載する場所として利用され、設置場所において注目度が高まるように、写真シール作成装置1の機種名や機種のイメージを表す派手なデザイン画が印刷される。
以上のような写真シール作成装置1は、利用者の各組に対して、それぞれ、写真シール作成ゲームをプレイさせる。写真シール作成装置1は、複数の写真シール作成ゲームを同時に進行させることができる。つまり、写真シール作成装置1は、同時に複数の組に写真シール作成ゲームをプレイさせることができる。このとき、各組の利用者は、写真シール作成装置1に設けられた複数の空間を移動しながら、写真シール作成ゲームの各作業を行い、ゲームを進行させる。
写真シール作成ゲームの流れと、それに伴う空間の移動について、図4を参照して説明する。
図4は、利用者のゲーム中に、写真シール作成装置1を上から見た平面図である。図4に示すように、利用者は、外部(利用者Aまたは利用者A')から、前方ユニット12Aと後方ユニット12Bの間を通って、図中点線で示される、前方ユニット12Aと後方ユニット12Bとの間に形成される、撮影作業を行う撮影空間32に入場し、代金を投入することで写真シール作成ゲームを開始する(利用者B)。もし、前の組の利用者が撮影空間32を使用中であれば(撮影作業中であれば)、利用者は、ユニット外部において待機する(利用者Aまたは利用者A')。
代金が投入され、写真シール作成ゲームが開始されると、利用者(利用者B)は、前方ユニット12Aの正面に設けられたカメラやモニタを利用して自分自身等を撮影させる撮影作業を行う。
撮影作業が終了すると利用者は、得られた撮影画像の中から編集対象画像として保存するものを選択し、表示された移動案内にしたがって、撮影作業を行った撮影空間32から、図中点線で示す、編集作業を行う編集空間へと移動する。
編集ユニット13の、前方ユニット12Aから見て右側(第1編集インタフェース13Aの前方)に第1編集空間33Aが設けられ、左側(第2編集インタフェース13Bの前方)に第2編集空間33Bが設けられている。つまり、この写真シール作成装置1においては、第1編集空間33Aの利用者(利用者C)および第2編集空間33Bの利用者(利用者C')の、合計2組の利用者が同時に編集作業を行うことができる。撮影空間32の利用者(利用者B)は、この2つの編集空間のうち、空いている方に案内される。第1編集空間33Aまたは第2編集空間33Bに移動すると、利用者は、落書き編集作業を行う。以下において、第1編集空間33Aと第2編集空間33Bとを区別する必要の無い場合、編集空間33と称する。
その後、落書き編集が終了すると、利用者(利用者Cまたは利用者C')は、次に、印刷設定作業を行い、分割数等の設定を行う。そして印刷が開始されると、利用者は、その印刷中に携帯端末への画像の送信、アンケート入力、ミニゲーム等を行う。そして、印刷が終了すると、写真シール排出部13C前方の印刷物受取領域34に移動する。このとき、写真シール排出部13Cの上方に配置されている照明装置16によって印刷物受取領域34が照明されており、利用者(利用者D)は、照明装置16からの照明光の下で、写真シール排出部13Cに排出された写真シール紙を受け取り、写真シール作成ゲームを終了する。
なお、以上のような写真シール作成ゲームにおいて、撮影空間32の利用者Bが、編集空間33に移動すると、撮影空間32が未使用になるので、写真シール作成装置1は、新たな組の利用者に撮影空間32を使用させることができる。さらに、第1編集空間33Aの利用者C、または、第2編集空間33Bの利用者C'が、印刷物受取領域34に移動すると、その第1編集空間33Aまたは第2編集空間33Bが未使用になるので、写真シール作成装置1は、新たな組の利用者に、その第1編集空間33Aまたは第2編集空間33Bを使用させることができる。
つまり、写真シール作成装置1は、写真シール作成ゲームの、単位時間辺りおよび単位床面積辺りの回転率を向上させるために、撮影空間32、第1編集空間33A、第2編集空間33B、および印刷物受取領域34を用いて、同時に、複数組の利用者に、写真シール作成ゲームをプレイさせることができる(多重接客を行うことができる)。
なお、このような筐体10の構成は任意であり、上述した以外の構成であってもよい。同様に、多重接客の仕方も任意である。
次に、各ユニットの構成について説明する。
図5は、前方ユニット12Aの構成例を示す図である。図5の正面12A−1は、撮影空間32内に面する側面であり、撮影作業を行う利用者にとって前方に位置する面である。つまり、利用者は、撮影空間32において、基本的にこの正面12A−1に向かって(前方ユニット12A側を向いて)撮影作業を行う。
この正面12A−1の中央付近には、撮影空間32内の被写体を撮影するカメラ51が設けられており、カメラ51の下側にタッチパネルモニタ52が設けられている。タッチパネルモニタ52は、例えば、カメラ51により光電変換されてリアルタイムに(即時)取り込まれている取り込み画像に背景や前景等の画像を合成した合成画像(動画像)を表示するライブビューモニタとしての機能と、各種GUI(Graphical User Interface)画像を表示するとともに、画面上に重畳されたタッチパネルにより利用者の指示を受け付ける機能とを備えている。また、正面12A−1には、この他にも、撮影空間32内を照明したり、カメラ51による撮影タイミングに合わせてフラッシュ光を発光したりする照明装置53−1乃至照明装置53−7、写真シール作成ゲームの代金が投入される硬貨投入返却口55、撮影作業に関する案内や効果音等の音声が出力されるスピーカ56−1およびスピーカ56−2、並びに撮影作業中の利用者の手荷物等を置くための荷物置場57が設けられている。
カメラ51は、CCD(Charge Coupled Device)を利用した撮像素子等により構成され、写真シール作成ゲームの撮影作業の工程において、撮影空間32内の利用者を撮像し、動画像を取り込み画像として取り込む。カメラ51により取り込まれた取り込み画像は、一部が切り出されたり、背景等の画像が合成されたりして、タッチパネルモニタ52に即時的に表示される。また、所定のタイミングでカメラ51により取り込まれた取り込み画像は、そのタイミングのフレームの画像が抜き出され、撮影画像(静止画像)として保存される。
なお、カメラ51として、CCDの代わりに、例えばCMOSセンサを用いたカメラを使用してもよい。勿論、これら以外にも、利用者を撮影し、デジタル画像データを得られるものであればどのようなカメラを用いるようにしてもよい。また、カメラ51の個数も設置位置も任意である。
タッチパネルモニタ52は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイ123と、それに積層された無色透明のタッチパネル124(いずれの図8)とにより構成され、撮影作業中の利用者が撮影結果を確認しながら立ち位置や姿勢を決定することができるようにするために、カメラ51により取り込まれた取り込み画像を即時的に(リアルタイムに)表示する。このとき、タッチパネルモニタ52に表示される取り込み画像は、例えば、背景や前景等、利用者に指定された画像が合成されたり、その画像の画サイズ等に合わせて一部分が切り出されたり(トリミングされたり)する。また、タッチパネルモニタ52は、撮影作業の手順を案内する案内画像等、撮影作業に関する画像を表示し、タッチパネル124(例えば、感圧式や電磁誘導式等)が例えば利用者の指等によるタップ操作を受け付けるようになされている。
照明装置53−1乃至照明装置53−7は、複数の、蛍光灯およびストロボ発光可能な照明装置により構成され、撮影空間32を明るくし、操作性や安全性を確保するために、撮影空間32を常時照らすとともに、撮影画像の画質を向上させるために、撮影タイミングに対応するタイミングでストロボ発光し、撮影される利用者に光を多様な角度から照射する。なお、以下において、照明装置53−1乃至照明装置53−7を互いに区別して説明する必要の無い場合、照明装置53と称する。
硬貨投入返却口55は、利用者が写真シール作成ゲームの代金として硬貨を投入したり、投入に失敗した硬貨やお釣りの硬貨を返却したりするユーザインターフェースである。
スピーカ56−1およびスピーカ56−2は、写真シール作成ゲームの撮影作業における案内音声、BGM(Back Ground Music)、効果音等の音声を適宜出力する。スピーカ56−1およびスピーカ56−2を互いに区別する必要のない場合、スピーカ56と称する。なお、スピーカ56の数および設置位置は任意である。
荷物置場57は、撮影時における利用者の手荷物の置き場所として利用する棚である。荷物置場57は、撮影の邪魔にならないような位置、即ち、利用者が撮影ポーズをとるのに邪魔にならず、かつ、照明装置53の光の照射の妨げとならない位置に設けられている。利用者は、手荷物を荷物置場57に置くことにより、より快適に撮影作業を行うことができる。
勿論、前方ユニット12Aの正面12A−1に上述した以外の構成が設けられるようにしてもよい。
次に、編集ユニット13の構成について説明する。
図6は、編集ユニット13の、撮影ユニット12側から見て右側面の構成例(第1編集空間33A側の構成例)を示す図である。
図6において、この右側面には、第1編集インタフェース13Aが設けられている。その上側には、カーテン21等で仕切られているために暗くなる第1編集空間33Aを照らすための照明装置71が設けられている。この照明装置71により、写真シール作成装置1は、利用者の編集作業効率の低下を抑制し、第1編集空間33Aの安全性を向上させることができる。なお、図6の例においては、編集ユニット13の、照明装置71が設けられている第1編集インタフェース13Aの上側の部分が、第2編集空間33B側に貫通しており、照明装置71は、第1編集空間33Aと第2編集空間33Bとで共有されている。つまり、照明装置71は、第1編集空間33Aだけでなく第2編集空間33Bも照明し、安全性を向上させる。なお、この照明装置71の設置位置および個数は任意である。
第1編集インタフェース13Aには、タブレット内蔵モニタ72、2本のタッチペン73−1およびタッチペン73−2、並びに、スピーカ74が設けられている。
タブレット内蔵モニタ72は、タッチペン73−1またはタッチペン73−2により位置情報を入力可能な無色透明のタブレットが、CRTディスプレイやLCD等の、画像を表示可能な表示デバイスの表示画面上に重畳されることにより構成される。従って、タブレット内蔵モニタ72は、表示デバイスにより単にGUI画像等を表示するだけでなく、タブレットにより利用者からの入力操作を受け付ける。タブレット内蔵モニタ72には、例えば、撮影空間における撮影作業により得られた撮影画像を編集する編集作業用のGUI画像からなる編集画面が表示される。
タッチペン73−1とタッチペン73−2は、タブレット内蔵モニタ72の左右近傍に、左右1本ずつ所定のアタッチメントにより編集ユニット13に着脱可能に固定されており、同じ組の2人の利用者が、これらのタッチペンをそれぞれ使用することにより、同時に、写真シール作成作業の編集作業の工程をプレイすることができるようになされている。なお、以下において、タッチペン73−1およびタッチペン73−2を互いに区別して説明する必要のない場合、単にタッチペン73と称する。
そのタッチペン73は、編集ユニット13内部に設置されたシステムと有線(または無線)により電気的に接続されている。タッチペン73は、タブレット内蔵モニタ72のタブレットと連携して動作する。利用者がタッチペン73を操作して、タブレットをタップする(タッチペン73とタブレット内蔵モニタ72の表示画面を接触(または近接)させる)ことにより、タブレットは、利用者からの入力を受け付ける入力手段として動作する。なお、タッチペン73の設置本数、設置位置、及び形状等は任意である。
スピーカ74は、例えば、案内音声、効果音、またはBGM等、写真シール作成ゲームの編集作業に関する音声を出力する。このスピーカ74は、タブレット内蔵モニタ72の右側に配置される。右利きの利用者は、タッチペン73を右手で持ちながら編集作業を行うため、編集ユニット13に寄りかかりながら編集作業を行う場合であっても、タブレット内蔵モニタ72の右側に寄りかかる可能性は少ない。従って、タブレット内蔵モニタ72の右側にスピーカ74を配置することにより、右利きの利用者が編集ユニット13に寄りかかりながら編集作業を行う場合であっても、利用者がスピーカ74を塞ぎ、音声が聞こえなくなることを防止することができる。なお、スピーカ74の設置個数、デザイン、および形状等は任意である。
なお、編集ユニット13の第2編集空間33B側の構成も、図6に示す第1編集空間33A側の構成と基本的に同様であるので、その説明については省略する。以下においては、図6に示す構成例は、編集ユニット13の第2編集空間33B側の構成を説明する場合にも適用する。
図7は、編集ユニット13の、写真シール排出部13Cの構成例を示す図である。
図7に示すように、写真シール排出部13Cには、第1編集空間33Aにおいて編集作業を行った利用者が作成した写真シール(つまり、第1編集インタフェース13Aが操作されて作成された写真シール)と、第2編集空間33Bにおいて編集作業を行った利用者が作成した写真シール(つまり、第2編集インタフェース13Bが操作されて作成された写真シール)が排出される写真シール排出口81が設けられている。
編集ユニット13内部には、プリンタが設置されており、第1編集インタフェース13Aまたは第2編集インタフェース13Bが操作されて作成された印刷用の画像は、そのプリンタによりシール紙に印刷される。プリンタより出力された写真シールは、この写真シール排出口81より排出される。
そして、写真シール排出口81の上側であって、編集ユニット13の上端近傍に配置されている照明装置16からは、プリンタから写真シールが出力される数秒前から照明光が照射される。また、照明装置16は、写真シールの仕上がり(例えば、ラメ色の有無や、ラメ色の割合など)に応じて、照明光の強度を変更したり、照明光を点滅させたりすることができる。その後、照明装置16は、所定の規定に応じて消灯する。
次に、写真シール作成装置1の内部の構成例について説明する。
図8は、写真シール作成装置1の機能的構成例を示すブロック図である。以上において説明した部分と同じ部分については、同じ番号を付してある。
図8において、写真シール作成装置1は、写真シール作成装置1の装置全体を制御する処理部である制御装置101を有しており、その制御装置101には、記憶部102、通信部103、ドライブ104、ROM(Read Only Memory)106、RAM(Random Access Memory)107、撮影部112、編集部113、プリンタ114、および照明装置16がそれぞれ所定のバスを介して接続される。
記憶部102は、例えばハードディスクやフラッシュメモリ等のような不揮発性の記憶媒体を有しており、制御装置101より供給される各種設定情報をその記憶媒体に保存したり、記憶媒体に記録されている設定情報を読み出して制御装置101に供給したりする。なお、この記憶媒体は、情報を記憶することができるものであれば、どのようなものであってもよい。
通信部103は、例えばインターネットや公衆電話回線網等のような外部のネットワーク(図示せず)を介して、または単に通信ケーブル(図示せず)を介して、他の通信装置(図示せず)に接続され、制御装置101に制御されて、例えば利用者の携帯型電話機などの携帯端末、利用者のパーソナルコンピュータ、または中央管理サーバ等のような他の通信装置と通信を行う。例えば、通信部103は、制御装置101より通信信号として供給される送信信号を他の通信装置に送信したり、他の通信装置より供給された受信信号を通信信号として制御装置101に供給したりする。
ドライブ104には、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスク、および、半導体メモリなどのリムーバブルメディア105が適宜装着され、それらから読み出されたコンピュータプログラムやデータが、必要に応じて制御装置101に供給され、記憶部102等に保存されたり、インストールされたりする。
ROM106には、制御装置101において実行されるプログラムやデータが予め格納されており、ROM106は、制御装置101の指示に基づいて、プログラムやデータを制御装置101に供給する。RAM107は、制御装置101が処理するデータやプログラムを一時的に保持する。
撮影部112は、撮影ユニット12に関するブロックであり、背景カーテンユニット15、硬貨処理部121、照明装置53、カメラ51、タッチパネルモニタ52、およびスピーカ56を有する。
背景カーテンユニット15は、制御装置101より供給される背景制御信号に基づいて、提供する背景の選択、すなわち、可動式の背景カーテンの上げ下ろし(展開や収納)等を行う。なお、この背景の選択は利用者が手動で行うようにしてもよい。
硬貨処理部121は、制御装置101から入力される起動信号に応じて起動し、硬貨投入返却口55に硬貨が投入されると、利用者による写真シール作成装置1の代金支払いに関する処理(ゲーム参加受け付け等)を行い、起動信号を制御装置101に供給する。制御装置101は、この起動信号に応じて、課金処理や案内等をタッチパネルモニタ52およびスピーカ56に行わせる。
照明装置53は、制御装置101より供給される照明制御信号に基づいて、点灯したり、消灯したり、またはフラッシュ光を発光したりする。
カメラ51は、制御装置101に制御されて、写真シール作成ゲームの撮影作業の工程において、撮影空間32内の利用者等を被写体として撮影を行う。例えば、カメラ51は、制御装置101の制御の下、動画像を取りこみ、取り込まれた動画像データを制御装置101に供給する。また、カメラ51は、制御装置101より供給されるシャッタ制御信号に基づいて、メカシャッタを動作させる等して、撮影画像(静止画像)の取得を行い、取得した静止画像データを制御装置101に供給する。
タッチパネルモニタ52は、ディスプレイ123およびタッチパネル124を備えて構成される。タッチパネルモニタ52のディスプレイ123は、制御装置101より供給されるRGB信号に基づく画像(カメラ51によりリアルタイムに取り込まれている画像や、撮影画像を用いて作成された合成画像、GUI画像など)をそのディスプレイ123に表示する。また、タッチパネルモニタ52のタッチパネル124は、利用者が、自分自身の指等を用いてこのタッチパネルにタップ(接触または近接)すると、その位置情報を制御装置101に供給する。制御装置101は、その位置情報を解析し、表示画像に対して利用者が入力した情報や指示を特定し、受け付ける。
スピーカ56は、例えば、制御装置101より供給される音声信号の音声(撮影作業の案内音声、効果音、またはBGM等)を出力する。
編集部113は、編集ユニット13に関するブロックであり、第1編集インタフェース13Aに対応する第1編集部113Aと、第2編集インタフェース13Bに対応する第2編集部113Bよりなる。第1編集部113Aおよび第2編集部113Bは互いに同一の構成を有しており、以下の説明は、第1編集部113Aについて行うが、第2編集部113Bにも適用可能である。
第1編集部113Aは、図6を参照して説明したように、タブレット内蔵モニタ72、タッチペン73−1およびタッチペン73−2、並びに、スピーカ74を有する。
タブレット内蔵モニタ72は、上述したように、CRTディスプレイやLCD等の表示デバイスよりなる編集用モニタ141と、編集用モニタ141の表示画面上に重畳された無色透明のタブレット142により構成される。タブレット内蔵モニタ72は、制御装置101より供給されるRGB信号に対応する、編集入力用のGUIや撮像画像等、編集に関する画像を、編集用モニタ141に表示する。また、利用者が、タッチペン73−1またはタッチペン73−2を操作してタブレット142にタップすると、タブレット内蔵モニタ72は、その位置情報を表す信号を入力信号として制御装置101に供給する。制御装置101は、その入力信号が表す位置情報を解析し、表示画像に対して利用者が入力した情報や指示を特定し、受け付ける。つまり、撮影画像に対する編集入力は、これらの構成を用いて行われる。
スピーカ74は、制御装置101より供給される音声信号の音声(編集作業の案内音声、効果音、またはBGM等の、写真シール作成ゲームの編集作業の工程に関する音声)を出力する。
プリンタ114は、編集部113により行われた編集作業結果をシール紙に印刷する。プリンタ114は、制御装置101より第1編集部113Aにより行われた編集作業結果を取得すると、シール紙ユニット161よりシール紙162を取得し、編集作業結果をシール紙162に印刷する。プリンタ114は、印刷を終了すると、その印刷されたシール紙162を写真シールとして写真シール排出口81より排出し、利用者に提供する。
照明装置16は、LED(Light Emitting Diode)、およびLEDを駆動するための駆動回路を備えており、制御装置101からの照明制御信号に従って、駆動回路がLEDを点灯または消灯させたり、LEDの照明強度を調整したりする。なお、照明装置16が備ええる照明手段としては、LEDの他、例えば、蛍光灯や白熱灯などの白色の(白っぽい)照明光を放つ照明手段を用いることができる。
次に、制御装置101について説明する。図9は、制御装置101が有する機能ブロックの構成例を示す図である。図9に示すように、制御装置101は、写真シール作成ゲームを開始する際に投入される代金(硬貨)に関する処理や、利用者の撮影等の、写真シール作成ゲームの撮影作業の工程に関する処理を行う撮影処理部202、撮影画像に対する落書き編集等の、写真シール作成ゲームの編集作業の工程に関する処理を行う編集処理部203、シール紙の印刷等の、写真シール作成ゲームの印刷の工程に関する処理を行う印刷処理部204、編集作業を終了した利用者を接客する写真シール作成ゲームの事後接客の工程に関する処理を行う事後接客処理部205、および写真シールを利用者が取り出す際の照明に関する処理を行う照明処理部206を有する。
つまり、制御装置101は、写真シール作成ゲームの各工程に関する処理を行う。
これらの中で、編集処理部203は、写真シール作成ゲームの編集作業の工程において、利用者による、撮影作業の工程において得られた撮影画像に対する落書き編集に関する処理や、撮影画像から携帯端末へ送信する画像を作成する処理を行う。
例えば、編集処理部203は、GUI画像を表示したり、利用者による撮影画像に対する落書き編集入力を受け付けたり、その落書き編集入力に応じた合成用画像を作成し、それを撮影画像に合成したりする。つまり、編集処理部203は、利用者に対して、撮影画像に対する落書き編集機能を提供する。この落書き編集機能として、どのような機能が提供されるようにしてもよいが、例えば、フリーハンドの線等で撮影画像に落書きを行う落書きペン機能や、所定の画像を撮影画像の任意の位置に合成するスタンプ機能等がある。
また、編集処理部203は、利用者に対して、携帯端末へ送信する画像を作成する携帯端末用画像作成機能を提供する。この携帯端末用画像作成機能として、どのような機能が提供されるようにしてもよいが、例えば、撮影画像をトリミングして、携帯端末でプロフィール用の画像として用いられるプロフィール画像を作成するプロフィール画像作成機能や、複数の撮影画像を組み合わせることにより構成されるコラージュ画像を作成するコラージュ画像作成機能等がある。
次に、図10は、照明処理部206が有する機能ブロックの構成例を示す図である。
図10に示すように、照明処理部206は、画像転送検出部211、画像データ認識部212、時刻管理部213、および照明制御部214を備えて構成され、ゲームの進行に応じて照明装置16による照明に関する処理を行う。
画像転送検出部211は、利用者が編集ユニット13を利用して撮像画像に編集を行い、その編集が終了したときに、編集済みの画像のデータ(編集作業結果)が編集部113からプリンタ114への転送される際に、その転送が開始されたことを検出し、照明制御部214に通知する。
画像データ認識部212は、編集作業結果の転送が開始されたことが画像転送検出部211により検出されると、プリンタ114に転送される編集作業結果を参照し、プリンタ114により印刷される画像を認識する。例えば、画像データ認識部212は、その画像にラメ色が含まれているか否かを認識し、画像にラメ色が含まれている場合には画像全体の大きさに対するラメ色が印刷される部分の大きさの割合を認識する。そして、画像データ認識部212は、画像を認識した認識結果を照明制御部214に通知する。
時刻管理部213は、各種の時刻の計時を管理する。例えば、時刻管理部213は、プリンタ114による印刷の進行状況に基づいて、プリンタ114による写真シールの印刷が終了する前の所定時刻になったか否かを判定する。例えば、プリンタ114では、複数の印刷手順に従って印刷が行われており、時刻管理部213は、それらの印刷手順に基づいて判定を行う。
具体的には、プリンタ114は、カラー印刷を行った後に、単色印刷を行い、その後、ラメ色などの特殊色印刷を行うという印刷手順で印刷を行っており、例えば、時刻管理部213は、特殊色印刷が開始されたときに、プリンタ114による写真シールの印刷が終了する前の所定時刻になったと判定し、その旨を照明制御部214に通知する。また、時刻管理部213は、印刷処理が終了してからの時刻を計時し、所定の規定時間が経過したとき、例えば、印刷処理が終了してから約1分が経過したとき、規定時間が経過したことを照明制御部214に通知する。なお、プリンタ114による印刷手順は、上述した順序に限られるものではなく、プリンタ114の機能に準じた順序で、最後に印刷される色の印刷が開始されたときに、プリンタ114による写真シールの印刷が終了する前の所定時刻になった旨が照明制御部214に通知されるようにすることができる。
照明制御部214は、画像転送検出部211、画像データ認識部212、および時刻管理部213からの通知に基づいて、照明装置16の点灯を制御する。例えば、照明制御部214は、写真シールの印刷終了前の所定時刻になったときに、照明装置16を点灯させ、そのとき、写真シールのラメ色の有無に応じて照明光を強弱させることによる演出を行わせたり、ラメ色の割合に応じて照明強度を変更したりする。また、照明制御部214は、印刷処理が終了してから規定時間が経過したときに、照明装置16を消灯させる。
また、照明制御部214は、例えば、第1編集インタフェース13Aに対する編集処理により作成された写真シールが印刷されて出力された後、規定時間が経過する前に、第2編集インタフェース13Bに対する編集処理により作成された写真シールの印刷が開始されたとき、照明装置16を消灯する制御を行う。
ここで、図11を参照して、照明制御部214による照明処理について説明する。
図11の上側には、通常の照明処理におけるタイムチャートが示されており、図11の下側には、第2編集インタフェース13Bに対する編集処理が早く終了した場合におけるタイムチャートが示されている。
例えば、図11の上側に示すように、通常、撮影処理が約3分間で行われ、編集処理が約3分間で行われ、印刷処理が約2分間で行われた後、照明光を点灯させる規定時間が約1分間確保されている。上述したように、照明装置16は、プリンタ114による写真シールの印刷が終了する前の所定時刻(終了の数秒前)から点灯されるので、照明装置16の点灯時間は、印刷終了前の所定時刻から印刷処理終了後の約1分間が経過するまでの時間とされる。また、印刷処理では、処理の開始時に、編集部113からプリンタ114への画像転送が行われる。ここで、第1編集インタフェース13Aに対して編集処理が行われる処理の流れを、第1編集空間での処理と称し、第2編集インタフェース13Bに対して編集処理が行われる処理の流れを、第2編集空間での処理と称する。
第1編集空間での処理において撮影処理が終了したときに、第2編集空間での処理における撮影処理が開始される。従って、第1編集空間での処理における編集処理と第2編集空間での処理における撮影処理とが併行して行われ、第1編集空間での処理における印刷処理と第2編集空間での処理における編集処理とが併行して行われる。上述したように、編集処理は約3分間とされ、印刷処理および印刷後の点灯時間の合計時間が約3分間とされているので、通常、第1編集空間での処理における点灯が終了したタイミングで、第2編集空間での処理における印刷処理が開始される。
ところで、利用者によっては、編集が短時間で終了することがある。例えば、図11の下側に示すように、編集処理が約2.5分で終了したとき、照明制御部214は、第1編集空間での処理における印刷処理終了後の点灯時間を約0.5分に短縮する処理を行う。即ち、この場合、第2編集空間での処理を行った利用者が、通常よりも早く写真シール排出部13C前方の印刷物受取領域34まで移動することが想定され、点灯時間を短縮することで、第1編集空間での処理を行った利用者が印刷物受取領域34(図4)に停留することを防止し、写真シール作成装置1の全体的な利用をスムーズに行わせることができる。
また、照明制御部214は、照明装置16を消灯させる際に、例えば、照明装置16による照明を点滅させた後(所定の間隔で点灯と消灯とを繰り返した後)に、照明装置16を消灯するように制御してもよい。または、照明制御部214は、照明装置16を消灯させる際に、照明装置16の照明の色を、警告色(例えば、赤やオレンジなど)に変更して所定時間経過後に消灯したり、警告色に変更して所定時間点滅させた後に消灯したりしてもよい。このように、点滅させたり、警告色に変更することにより、利用者に、照明装置16による照明が終了することを示唆することができ、利用者の流れをよりスムーズに行わせることができる。また、警告色の照明を行うことで、シール紙を取り忘れて、印刷物受取領域34を離れた利用者に対して、注意を喚起することができる。また、例えば、第1編集空間33Aの利用者と第2編集空間33Bの利用者とで、写真シール排出部13Cの前方の照明範囲を左側と右側とで切り替えることができる。例えば、第1編集空間33Aの利用者のシール紙が排出されたときには、写真シール排出部13Cに向かって左側(図7の左側)の範囲が照明され、第2編集空間33Bの利用者のシール紙が排出されたときには、写真シール排出部13Cに向かって右側(図7の右側)の範囲が照明されるように照明範囲を変更してもよい。
なお、例えば、利用者が編集に要する時間が2.5分未満である場合、第2編集インタフェース13Bにおいてミニゲームや、携帯送信サービス、アンケート入力などが行われるようにすることで、第2編集空間での処理における編集処理が約2.5分間未満となることが回避される。これにより、第1編集空間での処理における印刷処理と第2編集空間での処理における印刷処理とが重複することがなく、第1編集空間での処理における印刷処理後の点灯時間が最短でも約0.5分確保される。また、印刷処理後の点灯時間は、最大で約1分間確保される。
また、図12には、照明装置16による照明と、利用者の立ち位置との関係の例が示されている。
図12に示すように、照明装置16は、写真シール排出部13Cの前方の所定範囲(例えば、床において照明光が照射される領域が直径1mとなる範囲)内に照明光を照射する。なお、写真シール排出部13Cの前方とは、写真シール排出口81の外側のことであり、写真シールを取り出す利用者を写真シール作成装置1側から見たときの前の方向である。図12においては、照明装置16から照射される照明光がドットのハッチングで表されており、写真シール排出部13Cから写真シールを取り出した利用者の手の高さにおいて、写真シールよりも若干広い範囲が照らされている。このように、照明装置16は、写真シール排出部13Cの前方の限られた範囲だけを照明する。
また、照明装置16の照明光の色としては、写真シールの写りを邪魔しないような単色が選択され、例えば、照明装置16は、白色の照明光を照射する。これにより、写真シールを利用者に綺麗に見せることができ、特に、ラメ色が使用された写真シールを綺麗に見せることができる。
なお、写真シール作成装置1の設置場所の周囲の明るさや、その周囲の配色を写真シール作成装置1が検知することができる場合、周囲の明るさや配色に応じて、写真シールの写りを邪魔しないように照明装置16の照明光の色を選択することができる。また、周囲の明るさや配色に応じて、照明光の光量(強度)を調整するようにしてもよい。さらに、写真シールの排出の前後で照明装置16による照明光の色を変更してもよく、例えば、点灯した当初は多色の照明光を照射して利用者の注意を喚起し、写真シールが排出される前の所定時刻から白色の照明光が照射されるようにしてもよい。
次に、写真シール作成ゲームの流れについて、図13のフローチャートを参照して説明する。
写真シール作成ゲームを行う利用者は、最初に、前方ユニット12Aの硬貨投入返却口55にコインを投入し、ゲームの代金を支払う。硬貨処理部121は、このような硬貨投入を受け付け、起動信号を制御装置101に供給する。制御装置101の撮影処理部202は、ステップS1において、その起動信号に基づいて、代金が投入されたか否かを判定し、正当な代金が投入されたと判定した場合、処理をステップS2に進める。
ステップS2において、撮影処理部202は、撮影部112の各部を制御し、撮影空間32内において行われる、写真シール作成ゲームの撮影作業に関する処理である撮影処理を実行する。
撮影作業が終了すると、撮影処理部202は、ステップS3において、撮影作業を終えた撮影空間32内の利用者に対して、画像や音声によって第1編集空間33Aまたは第2編集空間33Bへの移動を促す移動案内処理を行う。
編集処理部203は、ステップS4において、編集空間33に移動した利用者に対して、写真シール作成ゲームの編集作業に関する処理である編集処理を行う。なお、編集処理において、利用者は、撮影用合成画像および編集用合成画像(例えば、スタンプ画像や、フレーム画像、ペン画像)の選択によりラメ色などの特殊色を選択して編集を行うことができ、この編集処理での選択に応じて、後段の処理においてラメ色の有無が判定される。また、撮影作業が行われる前のコース選択(ラメ色の有無を固定で決めるような選択)に応じて、後段の処理においてラメ色の有無が判定される。
編集作業が終了すると、印刷処理部204は、ステップS5において、プリンタ114を制御し、編集作業により得られた編集済み画像をシール紙に印刷する印刷処理を行う。ステップS5において、事後接客処理部205は、印刷終了待機中の利用者に対して、編集済み画像を投稿するミニゲーム、携帯端末に画像を転送する携帯送信サービス、アンケート入力等を事後接客サービスとして提供する事後接客処理を行う。
そして事後接客処理が終了すると、事後接客処理部205は、ステップS7において、編集空間33の利用者を印刷物受取領域34に移動させる移動案内処理を行う。また、印刷処理が終了すると、印刷処理部204は、ステップS8において、プリンタ114を制御して、印刷済みのシール紙を写真シール排出口81より排出し、写真シール作成ゲーム処理を終了する。
次に、図14を参照して、写真シール作成装置1において利用者が写真シールを取り出す際の照明処理の詳細について説明する。なお、この処理は、例えば、写真シール作成装置1の電源が投入されたとき開始され、電源が切断されたとき終了する。
ステップS11において、画像転送検出部211は、編集済みの画像のデータ(編集作業結果)のプリンタ114への転送が開始されたか否かを判定しており、編集作業結果のプリンタ114への転送が開始されたと判定されるまで処理を待機する。そして、編集作業結果のプリンタ114への転送が開始されたと判定されると、処理はステップS12に進む。
ステップS12において、画像データ認識部212は、プリンタ114に転送される編集作業結果である画像のデータを参照し、プリンタ114により印刷される画像を認識して、処理はステップS13に進む。
ステップS13において、時刻管理部213は、プリンタ114による印刷の進行状況の監視を行って、ステップS14において、印刷終了前の所定時刻になったか否かを判定する。ステップS14において、印刷終了前の所定時刻になっていないと判定された場合、処理はステップS13に戻り、プリンタ114による印刷の進行状況の監視が継続される。
一方、ステップS14において、印刷終了前の所定時刻になったと判定された場合、処理はステップS15に進み、照明制御部214は、ステップS12で画像データ認識部212がプリンタ114により印刷される画像を認識した認識結果に基づいて、画像にラメ色が有るか否かを判定する。
ステップS15において、照明制御部214が画像にラメ色がないと判定した場合、処理はステップS16に進み、照明制御部214は、照明装置16を制御して、通常の照明強度で、通常の照明(例えば、単に点灯するだけの照明)を行わせる。
一方、ステップS15において、照明制御部214が画像にラメ色が有ると判定した場合、処理はステップS17に進み、照明制御部214は、画像に含まれるラメ色の割合が規定の割合以上、例えば、20%以上であるか否かを判定する。
ステップS17において、照明制御部214が画像に含まれるラメ色の割合が20%以上でない(20%未満である)と判定した場合、処理はステップS18に進む。ステップS18において、照明制御部214は、照明装置16を制御して、通常の照明強度で点灯させるとともに、照明光の強弱が所定の周期で変化する演出を行わせる。
一方、ステップS17において、照明制御部214が画像に含まれるラメ色の割合が20%以上であると判定した場合、処理はステップS19に進む。ステップS19において、照明制御部214は、照明装置16を制御して、通常の照明強度よりも高照明強度で点灯させるとともに、照明光の強弱が所定の周期で変化する演出を行わせる。
ステップS16,S18、またはS19の処理後、処理はステップS20に進み、画像転送検出部211は、他方の編集空間での処理における画像の転送が開始されたか否かを判定する。例えば、現在の処理の対象となっている画像が、第1編集空間での処理により出力された画像である場合、画像転送検出部211は、第2編集空間での処理における画像の転送が開始されたか否かを判定する。また、例えば、現在の処理の対象となっている画像が、第2編集空間での処理により出力された画像である場合、画像転送検出部211は、第1編集空間での処理における画像の転送が開始されたか否かを判定する。
ステップS20において、画像転送検出部211が他方の編集空間での処理における画像の転送が開始されたと判定した場合、画像転送検出部211は、その旨を示す信号を照明制御部214に供給し、ステップS21において、照明制御部214は、照明装置16を制御して照明を終了させる。これにより照明装置16は消灯され、ステップS21の処理後、処理はステップS12に戻り、新たに転送が開始された画像を処理の対象として、以下、同様の処理が繰り返される。
一方、ステップS20において、画像転送検出部211が他方の編集空間での処理における画像の転送が開始されていないと判定した場合、処理はステップS22に進み、時刻管理部213は、印刷処理が終了してから規定時間(約1分)が経過したか否かを判定する。
ステップS22において、時刻管理部213が、規定時間が経過していないと判定した場合、処理はステップS20に戻り、以下、同様の処理が繰り返される。即ち、ステップS20で他方の編集空間での処理における画像の転送が開始されたと判定されるか、ステップS22で規定時間が経過したと判定されるまで、処理が待機される。
一方、ステップS22において、規定時間が経過したと判定された場合、時刻管理部213は、その旨を示す信号を照明制御部214に供給し、ステップS23において、照明制御部214は、照明装置16を制御して照明を終了させる。これにより照明装置16は消灯され、ステップS23の処理後、処理はステップS11に戻り、次の画像の転送が開始されるまで処理が待機され、以下、同様の処理が繰り返される。
以上のように、写真シール作成装置1では、照明装置16による照明が行われるので、利用者が写真シールの仕上がりを良好に確認することができる。また、規定時間が経過後、または、他方の編集空間での処理における画像の転送が開始されると、照明装置16が消灯するので、利用者が写真シール排出部13C付近に滞留することを抑制することができ、写真シール作成装置1の利用をよりスムーズに行わせることができる。これにより、利用者の満足度を向上させることができる。
また、ラメ色の有無やラメ色の割合などに応じて照明の設定を変更することで、作成したシール紙に対して、より驚きと仕上がりの満足度を向上させることができる。また、シール紙を取り出すまでを、ゲームの一部として一貫した演出を行うことができるので、さらに利用者を楽しませることができる。また、写真シール作成装置1の外で待機している他の利用者や、通りすがりの人などの写真シール作成装置1の周囲の人に対して注意や興味を喚起することができ、写真シール作成装置1の利用を促せることができる。
なお、照明光の設定を変更するラメ色の割合は、上述したような20%に限定されるのではなく、任意の割合を設定することができる。また、ラメ色の割合に応じて、照明装置16による照明光の点灯の有無を制御するようにしてもよい。即ち、ラメ色が所定の割合未満の場合には、照明装置16を点灯させず、所定の割合以上の場合のみ、照明装置16を点灯させるようにしてもよい。
ここで、ラメ色とは、金銀箔を置いたような光輝く特殊色インクであるラメ色インクを用いて印刷された色であり、特殊色インクとしては、ゴールド色のインク、シルバー色のインク、プラチナ色のインク、蓄光顔料を含むインク、蛍光色のインク、示温インク、液晶インク、隆起印刷用インクなどがある。本実施の形態においては、ラメ色について説明したが、ラメ色以外の特殊色インクが印刷された部分の有無、および、その部分の割合に応じて、ラメ色と同様の処理を行うことができる。
なお、照明装置16による照明を開始するタイミングとしては、印刷終了前の所定時刻から照明装置16による照明を開始する他、印刷処理が開始した時刻から照明装置16による照明を開始してもよい。また、照明装置16による照明を常時点灯するようにしてもよい。さらに、照明光の強弱の変化による演出以外の演出(例えば、フラッシュを利用した演出)を行ったり、照明強度を変更するだけでもよい。また、例えば、照明装置16の近辺に人体を感知するセンサを設置することにより、写真シール排出部13C付近から利用者が立ち去ったことを検知したとき、照明装置16が消灯するように制御することができ、これにより、利用者がいない空間を照明し続けることを防止することができる。
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。上述した一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフウェアを構成するプログラムが、ネットワークや記録媒体からインストールされる。
この記録媒体は、例えば、図8に示されるように、装置本体とは別に、写真シール作成装置1の管理者にプログラムを配信するために配布される、プログラムが記録されている磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROMおよびDVDをむ)、光磁気ディスク(MDを含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるリムーバブルメディア105により構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態で管理者に配信される、プログラムが記録されているROM106や、記憶部102に含まれるハードディスクなどで構成される。
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、以上において、印刷媒体は、シール紙に限られるものではなく、例えば、所定のサイズの紙や、ポスター用の紙、テレホンカードなどのカード、あるいは、Tシャツなどの布地などに印刷するようにしてもよい。
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。