JP2017049182A - 漏電検出器 - Google Patents

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Abstract

【課題】往復電流により形成される勾配磁界を低減し、漏電電流から生じる磁界成分を精度良く検出することができる漏電検出器を提供する。【解決手段】電流線110の周囲に設けられた円筒シールド120が貫通する空洞部と切欠き部150とを有する環状の検出コア140と、検出コア140の上面側および下面側に設けられた一組の円盤シールド130と、切欠き部150に設けられた第1磁気センサ部および第2磁気センサ部とを含み、切欠き部150は第1端面142または第2端面144の一方の一部が突出した段付き部152と、段付き部152の端面と対向する切欠き部150の端面との間に形成されるエアギャップ部と、第1端面142と第2端面144との間に形成される検出ギャップ部とを有し、エアギャップ部寸法は検出ギャップ部寸法よりも小さく、第1磁気センサ部の一部がエアギャップ部に、第2磁気センサ部が段付き部152に配置されている。【選択図】図1

Description

本発明は、漏電検出器に関し、とりわけ磁気センサを用いた漏電検出器に関する。
漏電検出器は、例えば、太陽光発電(PV)用インバータの漏電検出やファクトリーオートメーション(FA)用インバータの漏電検出等に用いられる。特に、インバータの小型軽量化のため絶縁トランスレス化する場合には漏電に対する回路の保護が不可欠となるため、インバータに搭載され、漏電発生時に回路を遮断する装置に用いられる。
太陽光発電では、太陽電池が屋外に設置されるため、漏電が発生しやすい環境にある。そのため、太陽光発電装置からの漏電電流が、商用電源系統に流れ込まないようにする対策が義務化されてきた。
この漏電電流は、太陽電池からの直流電流の成分を含むため、従来の変流器(カレントトランス)を用いた零相変流器では検出ができない。
例えば特許文献1に記載されているように、漏電を防止する対策として太陽光発電装置と商用電源系統との連携には、絶縁トランスを介して接続する方法がとられていた。しかし、特許文献1に記載される方法において、この絶縁トランスは、たとえば家庭用の太陽光発電装置では2〜3kW程度の容量が必要であるため、絶縁トランスは数kg程度の重量となり、インバータの小型軽量化の妨げとなるばかりでなく、コストアップの要因となっていた。
近年、特許文献2のように、太陽光発電用系統連携インバータは、小型化と低価格化のためトランスレス化が主流となりつつある。トランスレス化のためには、漏電発生時の回路の保護のため、漏電電流を検出する電流センサの搭載が不可欠となる。
漏電検出に必要な検出電流値は、一般的に10mA程度である。また、漏電検出の場合は、単に10mAの電流を計測するのではなく、数10A程度の負荷電流が流れている状態で、10mA程度の漏電電流を検出しなければならない。すなわち、単相の場合は、直径数ミリメートル程度の2本の導線に数10A程度の往復電流が印加されている状態で、往復電流の差が10mA程度になっている状態を検出しなければならない。この場合、往復電流(負荷電流)から発生する磁界が、漏電電流によって作られる磁界の強さと比較して4桁以上大きいため、この負荷電流による磁界の排除も課題となる。
特許文献3には、ホール素子を用いた従来の電流検出装置が記載されている。ホール素子は構造が簡単であり、磁界に比例した検出出力が得られかつ安価であるため、多くの電流検出器に用いられている。しかし、ホール素子は、検出感度が1〜数V/Tと小さいため、大電流の検出には適しているが、微小な電流の検出には感度が不足しており、微小な電流を検出することができないという可能性がある。
たとえば10mA程度の電流により発生する磁界を検出する場合、高透磁率磁性材料を使用した磁気回路(以下において、検出コアまたは磁気コアと称することがある)を用いても数μT程度の磁束密度を検出する必要がある。ホール素子で数μTの磁束密度を検出する場合、検出出力は数μV程度となる。しかし、ホール素子のオフセット出力およびノイズ電圧は数mV程度であり、検出出力より3桁程度大きいため、漏電電流により発生する磁束密度を検出することができない。そこで、このような微小電流の検出には、例えば特許文献4のように、フラックスゲート型磁気センサを用いたフラックスゲート型電流検出器が用いられている。
フラックスゲート型電流検出器は、分解能が高く、数mA程度の電流を検出することが可能である。また、検出器の構成として環状の検出コアを用いることにより、導線の周囲の磁界の平均値を検出することができる。このため、往復電流により発生する磁界の局所的な不均衡を相殺でき、複数本の導線の差分電流、すなわち検出器を貫通する電流成分のみを検出できる特徴があるため漏電検出には最適な検出器である。
フラックスゲート型電流検出器は、測定電流が作る磁束を検出コアの磁気特性の非直線性を用いて交流磁界により変調し、同周波数の検出出力を信号処理して検出出力としている。このため、感度と往復電流抑圧特性の両方を確保するためには検出コアが大きくなる。検出回路も複雑になるため高価となる。また、検出コアを磁気飽和レベルまで励磁するため、励磁電力が大きく、さらには、フラックスゲート型では測定範囲より大きな磁界が過電流などにより印加された場合、検出出力がなくなり、大きな漏電電流で動作しなくなるという欠点があった。このため、検出出力を電気的に保持するなどロジック回路が必要となり、コストアップの要因となっていた。
そこで、従来の環状の検出コアの一部に切欠き部を設けて、当該切欠き部に、例えば特許文献5および6に記載されるような磁界の勾配を測定するための磁気センサを配置し、磁気センサとして、特許文献7および8に記載されるような、磁界検出感度が高く、かつ検出回路の構成が簡単なスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子(以下、SVGMR素子と称することがある)を用いることで、上記フラックスゲート型電流センサの欠点を克服した漏電検出器も提供されている。
特公平5−20978号公報 特開2002−10497号公報 特開昭63−38168号公報 特開2012−083241号公報 特開平7−190804号公報 特開平8−211138号公報 WO2012/096211号公報 WO2012/117784号公報
このような、環状の検出コアに設けられた切欠き部に磁気センサを配置した漏電検出器は、環状の検出コアを貫通する導線が1本である場合には、直流の漏電電流から生じる磁界成分のみを検出することが可能である。しかし、太陽光発電装置のような、往復電流が流れる複数の電流線を有する装置では、異なる位置に間隔をあけて配置された複数の電流線に反対方向の電流が流れるため、切欠き部を設けた検出コアを有する漏電検出器を用いる場合には、磁気センサが配置される切欠き部においては、それぞれの電流線が作る磁界の合成磁界がゼロとならず、電流線からの距離に応じて磁束密度が変動する局所的な磁界(以下において、勾配磁界と称することがある)が形成される。数10A程度の往復電流により形成されるこのような勾配磁界は、検出しようとする10mA程度の漏電電流が作る磁界よりも強く、そのため、漏電電流に由来する磁界成分を明確に検出することが困難であった。
切欠き部における往復電流による勾配磁界の影響を低減するため、環状の検出コアの内側に、磁束を吸収しやすい円筒状の磁気シールド(以下において、円筒シールドと称することがある)を設けた漏電検出器や、さらに検出コアの上面側および下面側に、磁束を吸収しやすい円盤状の磁気シールド(以下において、円盤シールドと称することがある)を設けた漏電検出器が提供されたが、いずれも、往復電流による勾配磁界を十分に低減することができず、実用化のレベルで、漏電電流に由来する磁界成分を確実に検出することが困難であった。
そこで本発明は、複数の電流線を流れる往復電流により形成される勾配磁界を低減し、漏電電流から生じる磁界成分を精度良く検出することができる漏電検出器を提供することを目的とする。
本発明の態様1は、少なくとも一組の電流線と、前記一組の電流線の周囲に設けられた円筒シールドと、前記円筒シールドおよび前記一組の電流線が貫通する空洞部と、切欠き部とを有する環状の検出コアと、前記検出コアの上面側および下面側に設けられ、前記円筒シールドおよび前記一組の電流線が貫通する空洞部を有する一組の円盤シールドと、前記切欠き部に設けられた第1磁気センサ部および第2磁気センサ部と、を含み、前記切欠き部は、第1端面および第2端面を有しており、前記第1端面または前記第2端面の少なくとも一方の一部が突出した段付き部と、前記段付き部の端面と対向する前記切欠き部の端面との間に形成されるエアギャップ部と、前記第1端面と前記第2端面との間に形成される検出ギャップ部とを有し、第1端面から第2端面への方向における、前記エアギャップ部の寸法は、前記検出ギャップ部の寸法よりも小さく、上面視または側面視して、前記第1磁気センサ部の少なくとも一部がエアギャップ部に配置され、前記第2磁気センサ部が段付き部に配置されていることを特徴とする漏電検出器である。
本発明の態様2は、前記検出ギャップ部の円周方向の寸法は、前記検出コアの厚さの0.2倍以上1.5倍以下であることを特徴とする態様1に記載の漏電検出器である。
本発明の態様3は、前記段付き部の円周方向に垂直な方向の寸法と前記検出コアの厚さの比が、0.05以上0.5以下である態様1または2に記載の漏電検出器である。
本発明の態様4は、前記検出コア、前記円筒シールドおよび前記円盤シールドは、それぞれが磁気的に独立しており、それぞれが磁気飽和しない最大磁束密度を有する、態様1から3のいずれかに記載の漏電検出器である。
本発明の態様5は、前記第1磁気センサ部および前記第2磁気センサ部は、同一の基板上に配置され、固定層の磁化方向が同じあるスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子を有しており、ブリッジ回路を形成するように構成されている、態様1から4のいずれかに記載の漏電検出器である。
本発明に係る漏電検出器では、複数の電流線を流れる往復電流が形成する勾配磁界を低減し、漏電電流から生じる磁界成分を精度良く検出することができる漏電検出器を提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る漏電検出器100を示す斜視図である。 図2は、本発明の第1の実施形態に係る漏電検出器100を上面視および側面視した概略平面図である。 図3は、図1のA部の拡大図である。 図4は、本発明の第2実施形態に係る漏電検出器200を示す斜視図である。 図5は、図4のB部の拡大図である。 図6は、本発明の第3実施形態に係る漏電検出器300を示す斜視図である。 図7は、図6のCの拡大図である。 図8は、検出コアに侵入する外部磁束の流れを示す概略平面図である。 図9は、検出コアの厚さ寸法に対する検出ギャップ部の円周方向の寸法の比と、検出コアに侵入する外部磁束の磁束密度の大きさとの関係を示すグラフである。 図10は、様々な段付き部の厚さ寸法を有する検出コアを側面視した概略平面図である。 図11は、検出コアを有する異なる形態の漏電検出器を示す概略図である。 図12は、切欠き部に発生した磁束密度分布を示すグラフである。 図13は、切欠き部に発生した磁束密度分布を示すグラフである。 図14は、実施例において用いた漏電検出器を示す概略図である。 図15は、実施例において、検出ギャップ部における磁束密度分布を示すグラフである。 図16は、実施例において、地磁気を印加した場合の検出ギャップ部への磁界の侵入量を示すグラフである。 図17は、実施例において、地磁気を印加した場合の、検出ギャップ部における磁束密度分布を示すグラフである。
本発明者らは鋭意検討した結果、検出コアの切欠き部に、検出コアの一部が突出した段付き部と、空隙から構成されるエアギャップ部とを設けることにより、当該切欠き部における往復電流に由来する勾配磁界を十分に低減することができ、かつエアギャップ部において漏電電流に由来する磁束密度を高めることができることに想到した。
すなわち、後述するように、切欠き部に段付き部を有する検出コアと、検出コアを貫通する円筒シールドと、検出コアの上面側および下面側に設けられた円盤シールドとを組み合わせることにより、太陽光発電装置のような大きな負荷電流(往復電流)が流れる装置に用いた場合であっても、微小な漏電電流による磁界成分を、往復電流に由来する磁界成分と分離して明確に検出することができる漏電検出器を得るに至ったものである。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、以下の説明では、必要に応じて特定の方向や位置を示す用語(例えば、「上」、「下」、「右」、「左」及びそれらの用語を含む別の用語)を用いるが、それらの用語の使用は図面を参照した発明の理解を容易にするためであって、それらの用語の意味によって本発明の技術的範囲が制限されるものではない。また、複数の図面に表れる同一符号の部分は同一の部分又は部材を示す。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る漏電検出器100の全体構成を示す概略図であり、図2(a)は、図1に示す漏電検出器100を上面視した概略平面図であり、図2(b)は、図1に示す漏電検出器100を側面視した概略平面図である。
図1に示すように、第1の実施形態に係る漏電検出器100は、一組の電流線110と、一組の電流線110の周囲を取り囲むように設けられた円筒シールド120と、円筒シールド120の周囲に配置され、切欠き部150を有する環状の検出コア140(以下において、検出コア140と称することがある)と、検出コア140の上面側および下面側に設けられた一組の円盤シールド130と、を含んでいる。
図3は、図1のAの部分の拡大図であり、検出コア140が有する切欠き部150を示している。図3に示すように、切欠き部150には、検出コア140の端面144から突出する段付き部152が設けられており、段付き部152には、第1磁気センサ部162および第2磁気センサ部164を有する磁気センサ160が設けられている。
図1および図2(a)に示すように、第1の実施形態に係る漏電検出器100を太陽光発電装置などに用いた場合には、往復電流(白抜きの矢印で示す)および漏電電流(黒の矢印で示す)が、電流線110に沿って流れる。
以下、各構成部材について詳述する。
(円筒シールド)
図1に示すように、円筒シールド120は、電流線110の周囲を囲むように設けられている。
円筒シールド120は、例えば、78%Ni系パーマロイ、45%Ni系パーマロイ、珪素鋼板、鉄系アモルファス軟質磁性材料、コバルト系アモルファス軟質磁性材料、ナノ結晶軟質磁性材料などのような、磁束を非常に通しやすい材料、すなわち磁束を集めやすい材料から作られている。そのため、円筒シールド120で電流線110を囲むことにより、電流線110を流れる往復電流から生じる磁束が、円筒シールド120の外部に漏れることを防ぐことができ、検出コア140の切欠き部150に形成される、往復電流に由来する勾配磁界を低減することができ、その結果、漏電電流に由来する磁界成分を、往復電流に由来する磁界と分離して検出する効果を高めることができる。
図2(b)に示すように、漏電検出器100を側面視して、円筒シールド120は、その上端122が少なくとも検出コア140の上面146より上にあり、その下端124が少なくとも検出コア140の下面148より下にあることが好ましい。このような形態にすることで、往復電流から生じる磁束が円筒シールド120の外部へ漏洩することを抑制することができ、漏電電流に由来する磁界成分を分離して検出する効果を高めることができる。円筒シールド120は、その上端122が検出コア140の上面側の円盤シールド130より上にあり、その下端が検出コア140の下面側の円盤シールド130より下にあることがより好ましい。このような形態にすることで、漏電電流に由来する磁界成分を分離して検出する効果をより高めることができる。円筒シールド120の長さは、より長い方が好ましく、往復電流に由来する磁束をより低減することができ、上述した効果を高めることができる。
円筒シールド120の形状は、特に限定されるものではなく、漏電検出器100を上面視して、円形状、楕円形状または角がある形状であってもよい。いずれの形状であっても、円筒シールド120が、電流線110の周囲を囲むように設けられ、その上端122が少なくとも検出コア140の上面146より上にあり、その下端124が少なくとも検出コア140の下面148より下にあれば、検出コア140において往復電流に由来する磁束を低減し、漏電電流に由来する磁界成分を分離して検出する効果を高めることができる。円筒シールド120の形状は、上面視して円形状であることが好ましい。円形状であれば、複数の電流線に印加された電流によって発生する磁束は、円筒状の軟質磁性体の内部に侵入し、円周状に周回して元の電流線の位置へ戻ることになる。往復電流の大きさが等しい時、この軟質磁性体の円筒に侵入する磁束と円筒内部に戻る磁束の量は等しい。したがって、軟質磁性体が円筒状であれば磁束は内部から侵入して内部から電流線へと戻るため円筒状の磁性体の外部へは殆ど漏れることがない。そのため、検出コア140に侵入する往復電流から生じる磁束を効果的に低減でき、漏電電流から生じる磁界を分離する効果を高めることができる。
図2(a)に示すように、上面視して、円筒シールド120の中心が、一組の電流線110のそれぞれの電流線の中心から略等距離にあることが好ましい。このような形態であれば、一組の電流線110のそれぞれの電流線に流れる電流から生じる磁束が、均一に円筒シールド120に集められるため、検出コアにおける往復電流に由来する勾配磁界を効果的に低減することができ、漏電電流から生じる磁界を分離する効果をより効率的に得ることができる。円筒シールド120の中心と、一組の電流線110のそれぞれの電流線の中心が同じ位置であれば、漏電電流に由来する磁界成分を分離して検出する効果をより高めることができる。
円筒シールド120を設けることによる往復電流に由来する勾配磁界の低減効果を、シミュレーションを行って確認した。シミュレーションの方法および条件は、有限要素法による電磁界解析ソフトウェアの一つであるJ−SOL社製J−MAG STUDIO Ver10を用いて電磁界解析を行った。解析条件は直径3mmの2本の電流線を中心間隔4mmに配置したモデルを用い、電流線に往復電流50Aを印加した状態で貫通電流成分±10mAに変化させて磁気回路に発生する磁束密度分布を静磁界解析にて計算した。
シミュレーションの結果を図12に示す。図12は、切欠き部に発生した磁束密度の分布を示すグラフであり、横軸が切欠き部における円周方向の位置を示し、縦軸が磁束密度を示す。図11(a)〜(c)は、シミュレーションを行った漏電検出器の形態を示す。
図12(a)は、図11(a)に示すように、環状の検出コア140に、50Aの往復電流が流れる2本の電流線を貫通させ、検出コア140を貫通する漏電電流を−10mAから+10mAまで変化させた場合における、切欠き部での磁束密度の分布を示す。図12(b)は、図11(b)に示すように、環状の検出コア140の内側に円筒シールド120を設け、円筒シールド120および検出コア140に、50Aの往復電流が流れる2本の電流線を貫通させ、円筒シールド120および検出コア140を貫通する漏電電流を−10mAから+10mAまで変化させた場合における、切欠き部での磁束密度の分布を示す。
図12(a)に示すように、円筒シールド120を設けない場合には、往復電流が作る勾配磁界が、漏電電流成分が作る磁界に比較して2桁程度大きく、漏電電流成分の分離が困難である。
一方、図12(b)に示すように、円筒シールド120を設ける場合には、往復電流によって生じる磁束が切欠き部150内に侵入することにより形成される勾配磁界の大きさは、円筒シールド120を設けない場合(図12(a))に形成される勾配磁界の大きさと比較すると、約1/5に低減した。
(円盤シールド)
図1に示すように、漏電検出器100は、検出コア140の上面側および下面側に設けられた一組の円盤シールド130を有する。円盤シールド130は、例えば、78%Ni系パーマロイ、45%Ni系パーマロイ、珪素鋼板、鉄系アモルファス軟質磁性材料、コバルト系アモルファス軟質磁性材料、ナノ結晶軟質磁性材料などのような、磁束を非常に通しやすい材料、すなわち磁束を集めやすい材料から作られている。そのため、電流線110を流れる往復電流から発生する磁束および地磁気などの外部磁束は、円盤シールド130に集められ、検出コア140に侵入するこれらの磁束を低減することができる。
円盤シールド130は空洞部を有しており、1組の電流線110および円筒シールド120は当該空洞部を貫通している。第1の実施形態に係る漏電検出器100では、一組の円盤シールド130は、上面視または下面視して、検出コア140の上面146および下面148を覆うように設けられている。このような形態にすることにより、一組の電流線110を流れる往復電流が作る磁束を、円盤シールド130により低減することができ、そのため、漏電電流に由来する磁界成分を分離して検出する効果を高めることができる。また、円盤シールド130を設けることにより、地磁気などの外部磁束が検出コア140の切欠き部150に侵入することを防止することができ、漏電電流に由来する磁界成分を分離して検出する効果を高めることができる。
円盤シールド130は、漏電検出器100を上面視また下面視して、切欠き部150を覆うように設置されれば、切欠き部150に侵入する外部磁束および往復電流により生じる磁束を抑制することができる。円盤シールド130は、漏電検出器100を上面視また下面視して、検出コア140の上面146および下面148の全部を覆うように設けられることが好ましい。このような形態であれば、切欠き部150に侵入する外部磁界および往復電流により生じる磁束を抑制する効果をより高めることができる。
円盤シールド130の形状は、特に限定されるものではなく、漏電検出器100を上面視または下面視して、円形状、楕円形状または角がある形状であってもよい。円形状または楕円形状等の角部がない形状であれば、角部に磁束が偏って集まり、その部分が局所的に磁気飽和することを抑制することができる。そのため、円盤シールド130の形状は、円形状または楕円形状であることが好ましい。いずれの形状であっても、上面視または下面視して、切欠き部150を覆うような形状であれば、切欠き部150に侵入する外部磁束および往復電流により生じる磁束を抑制する効果を得ることができる。
円盤シールド130を設けることによる、切欠き部150に侵入する往復電流から生じる磁束および外部磁束を抑制する効果を、シミュレーションを行って確認した。シミュレーションの方法および条件は、前述したとおりである。
シミュレーションの結果を図12(c)に示す。図12(c)は、図11(c)に示すように、環状の検出コア140の内側に円筒シールド120を設け、さらに検出コア140の上面側および下面側に円盤シールドを設け、円筒シールド120、円盤シールド130および検出コア140に、50Aの往復電流が流れる2本の電流線を貫通させ、円筒シールド120、円盤シールド130および検出コア140を貫通する漏電電流を−10mAから+10mAまで変化させた場合における、切欠き部での磁束密度の分布を示す。
図12(c)に示すように、円筒シールド120に加えて円盤シールド130を設ける場合には、50Aの往復電流によって切欠き部150内に形成される勾配磁界の大きさは、円盤シールド130を設けない場合(図12(b))に形成される勾配磁界の大きさよりも、約1/10に低減した。
(検出コア)
図1に示すように、第1の実施形態に係る漏電検出器100の環状の検出コア140は、一組の電流線110および円筒シールド120を取り囲むように設けられており、その一部が切り欠かれた切欠き部150を有する。図3に示すように、第1の実施形態に係る漏電検出器100の切欠き部150は、第1端面142と第2端面144とを有する。切欠き部150には、第1磁気センサ部162および第2磁気センサ部164を有する磁気センサ160が設けられている。
後述するように、第1の実施形態に係る漏電検出器100は、検出コア140の切欠き部150において、第1磁気センサ部162で検出される磁界と第2磁気センサ部164で検出される磁界との差分を検出することにより、漏電電流に由来する磁界成分を、往復電流に由来する磁界成分と分離して明確に検出することができる。
図3に示すように、第1の実施形態に係る漏電検出器100の切欠き部150は、第2端面144の下部の一部が第1端面142の方向に突出した段付き部152と、段付き部152の端面と対向する切欠き部150の端面との間に形成されるエアギャップ部154と、第1端面142と第2端面144との間に形成される検出ギャップ部156とを有する。
段付き部152は、第2端面144の下部の一部が第1端面142の方向に向かって突出する形態に限定されず、第1端面142の下部の一部が第2端面144の方向に向かって突出していてもよく、または、第1端面142と第2端面144の両方の一部が、対向する端面に向かって突出していてもよい。この場合、一様な磁界勾配とするために、第1端面および第2端面の互いに同じ位置の一部が突出しているほうが好ましく、さらに磁界の回り込みを考慮して検出コアの外周、内周、上面または下面のいずれかに近い位置の一部が突出していることが好ましい。また、段付き部152は、第1端面142(または第2端面144)の、上部の一部、内側の一部または外側の一部が、対向する第2端面144(または第1端面142)に向かって突出していてもよい。
「段付き部の端面と対向する切欠き部の端面との間に形成されるエアギャップ部」とは、例えば図3に示すように、第2端面144の一部が突出して段付き部152が形成される場合は、段付き部152の端面と第1端面142との間に形成される空隙部をいう。また、「段付き部の端面と対向する切欠き部の端面との間に形成されるエアギャップ部」とは、第1端面142の一部が突出して段付き部152が形成される場合は、段付き部152の端面と第2端面144との間に形成される空隙部をいう。さらに、後述するように、「段付き部の端面と対向する切欠き部の端面との間に形成されるエアギャップ部」とは、第1端面142の一部が突出して第1段付き部が形成され、かつ第2端面144の一部が突出して第2段付き部が形成された場合は、第1段付き部(または第2段付き部)の端面と第2端面144(または第1端面142)との間に、第2段付き部(または第1段付き部)を介して形成される空隙部をいう。ここで、「空隙部」とは、検出コア140の一部などの透磁率の大きな材質を含まず、空気、油、真空または非磁性の気体や樹脂等の透磁率の小さい材質、もしくは磁気センサ160の要素等を含む部分であり、以下において同じである。
「第1端面142と第2端面144との間に形成される検出ギャップ部156」とは、第1端面142と第2端面144との間において、段付き部152およびエアギャップ部154を除いた部分のことであり、すなわち空隙により構成される部分である。
ここで、検出ギャップ部156の寸法は、段付き部152の寸法およびエアギャップ部154の寸法よりも大きい。「段付き部152の寸法」、「エアギャップ部154の寸法」および「検出ギャップ部156の寸法」とは、当該部の、検出コア140の円周方向、すなわち、第1端面142から第2端面144に向かう方向における寸法をいう。
第1の実施形態に係る漏電検出器100は、切欠き部150にこのような段付き部152を有することにより、往復電流によって作られる磁束は段付き部152に集磁され、段付き部152近傍では、往復電流に由来する勾配磁界を小さくすることができる。そのため、段付き部152の直上およびその近傍においては、磁気センサ160により検出される磁界における、往復電流成分に由来する勾配磁界の影響が小さくなり、漏電電流に由来する磁界成分を、往復電流に由来する磁界成分と分離して、より検出しやすくすることができる。
また、第1の実施形態に係る漏電検出器100は、検出ギャップ部156の寸法よりも短い寸法を有するエアギャップ部154を有することにより、漏電電流が作る起磁力は検出ギャップ部156に集中する。漏電電流が作る起磁力をI、ギャップの寸法をg、ギャップ部の磁束密度をB、空気の透磁率をμとすると、B=μ・I/gで表され、検出ギャップ部156よりエアギャップ部154の方が、ギャップの寸法gが小さいため、前述の式のBが大きくなり、エアギャップ部154に磁束が集中する。そのため、エアギャップ部154およびその近傍には、漏電電流に由来する磁束が集中し、磁束密度が増加する。そのため、エアギャップ部154およびその近傍(直上など)においては、漏電電流に由来する磁界が強くなる。一方、漏電電流に由来する磁束は段付き部152により吸収されるため、段付き部152近傍においては、漏電電流に由来する磁界は弱くなる。
従って、例えば、図3に示すように、第1磁気センサ部162を、エアギャップ部154の直上に配置し、かつ第2磁気センサ部164を段付き部152の直上に配置することにより、第1磁気センサ部162および第2磁気センサ部164により検出される磁界の差を検出することができ、より明確に漏電電流成分が作る磁界を検出することができる。
第1の実施形態に係る漏電検出器100では、側面視して第1磁気センサ部162の少なくとも一部がエアギャップ部154の上にあれば、すなわち、上面視して、第1磁気センサ部162の少なくとも一部がエアギャップ部154にあれば、本発明に係る効果を得ることができる。前述のように、エアギャップ部154およびその近傍(例えば、直上等)では漏電電流に由来する磁界成分が強くなるため、第1磁気センサ部162の少なくとも一部がエアギャップ部154の上にあれば、第1磁気センサ部162においては、往復電流に由来する勾配磁界よりも、比較的強い漏電電流に由来する磁界を検出することができ、第2磁気センサ部164で検出される磁界との差分を演算することにより、漏電電流に由来する磁界成分を往復電流に由来する磁界成分と分離して明確に検出することができる。
図3に示すように、第1磁気センサ部162は、上面視してその全部がエアギャップ部154の上に配置されることが好ましい。このような形態であれば、第1磁気センサ部162で検出される漏電電流に由来する磁界がより強くなるので、漏電電流に由来する磁界を往復電流に由来する磁界成分と分離してより明確に検出することができる。
図3に示すように、第1の実施形態に係る漏電検出器100において、第1磁気センサ部162および第2磁気センサ部164は、基板166上の同一平面内に配置されている。後述するように、このような形態にすることにより、第1磁気センサ部162および第2磁気センサ部164を同一の成膜条件により基板166の上に製造することができるので、漏電電流に由来する磁界成分の差分をより精度良く検出することができる。また、同一の成膜条件で製造することができるため、磁気センサ160の製造時における工程を短縮することができ、製造コストを削減することができる。
第1磁気センサ部162および第2磁気センサ部164は、基板166上の同一平面内に配置されることが好ましいが、この形態に限定されない。
例えば、側面視して、第1磁気センサ部162の全部が段付き部152の上面よりも下方であるエアギャップ部154内に配置され、第2磁気センサ部164が段付き部152上に配置されてもよい。このような形態であっても、エアギャップ部154内で生じる漏電電流に由来する磁界は、段付き部152上で生じる漏電電流に由来する磁界よりも強いため、第1磁気センサ部162においては、第2磁気センサ部164で検出される磁界との差分を演算することにより、漏電電流に由来する磁界成分を往復電流に由来する磁界成分と分離して明確に検出することができる。
切欠き部150は、一組の電流線110のそれぞれの電流線から等距離に成るように検出コア140に設けられることが好ましい。すなわち、上面視して、検出ギャップ部156内であって第1端面142および第2端面144から等距離にある点と、一組の電流線110のそれぞれの電流線と略等距離になるように、検出コア140に切欠き部150が設けられることが好ましい。電流線に印加された電流によって発生する磁界は、電流線からの距離に反比例する。そのため、このような形態にすることにより、2本の電流線から等しい距離におかれた検出ギャップでは2本の電流線に印加された電流が作る磁界は距離が等しいため同じ大きさとなり電流の向きが互いに逆向きであるため磁界の向きは逆向き(符号が逆)となり互いに打ち消される。等距離にない場合は2本の電流線に印加された電流が作る磁界は検出ギャップ部では異なる大きさの磁界を発生させて、同じ大きさとならないため相殺されなくなり、往復電流成分に相当する磁界も検出コアギャップ部に印加されてしまい、漏電電流成分(貫通電流成分)との区別がつかなくなる可能性がある。このため、漏電電流に由来する磁界成分を明確に検出するように、2本の電流線から等しい距離に検出ギャップを配置することが好ましい。
図8(a)〜(d)は、検出コア140に侵入する外部磁束の流れを示す平面図である。
図8(a)〜(c)はそれぞれ、検出コア140の厚さ寸法(t)に対する検出ギャップ部156の円周方向の寸法(d)の比(d/t)が、好ましい範囲にある場合、好ましい範囲より小さい場合、好ましい範囲より大きい場合に、検出コア140に侵入する、外部磁束の流れを示す概略平面図であり、図8(d)は、図8(c)の検出コア140を側面視した図である。
図8(a)に示すように、d/tが好ましい範囲にある場合には、検出コア140の上部から侵入した外部磁束の多くは、検出ギャップ部156を貫通することなく、検出コア140の貫通部を迂回して検出コア140の下部から抜け出る。そのため、検出ギャップ部156に配置された磁気センサに160により検出される磁界における、外部磁界の成分を小さくすることができる。
図8(b)に示すように、d/tが好ましい範囲より小さい場合には、検出コア140の上部から侵入した外部磁束のうち、検出ギャップ部156を貫通する磁束(図8(b)に示す点線の矢印)が増加し、検出ギャップ部156に配置された磁気センサ160により検出される磁界における外部磁界成分が増加する。
図8(c)に示すように、d/tが好ましい範囲より大きい場合には、検出コア140の上部から侵入した外部磁束のうち、検出ギャップ部156を貫通する磁束は減少するが、図8(d)に示すように、検出コア140の上面側および下面側から検出ギャップ部156に侵入する磁束が増加する。そのため検出ギャップ部156に配置された磁気センサ160により検出される磁界における外部磁界成分が増加する。
図9は、外部磁界Hex=40μTを印加した場合に、検出コア140の厚さ寸法(t)に対する検出ギャップ部156の円周方向の寸法(d)の比(d/t)と、検出ギャップ部の中央における磁束密度を示したグラフである。検出コア140の厚さ寸法に対する検出ギャップ部156の円周方向の寸法の比(d/t)が0.2以上1.5以下であれば、検出ギャップ部156に侵入する地磁気等の外部からの磁束密度を、磁気センサ160としてGMR素子を用いた場合の検出感度である1μT以下まで減衰させることができ、漏電電流に由来する磁界成分を精度良く検出することができる。
また、検出コア140の厚さ寸法に対する検出ギャップ部156の円周方向の寸法の比(d/t)は、0.3以上1.0以下であることがより好ましい。検出コア140の厚さ寸法tと検出ギャップ部156の円周方向の寸法dの比をこのような範囲にすることで、検出ギャップ部156に侵入する地磁気等の外部からの磁束をおよそ1/100まで低減することができ、磁気センサ160により検出される外部磁界成分を減少させることができ、漏電電流に由来する磁界成分をより精度良く検出することができる。
段付き部152の円周方向の寸法に対するエアギャップ部154の円周方向の寸法の比は、0.05以上0.5以下であることが好ましい。段付き部152の円周方向の寸法に対するエアギャップ部154の円周方向の寸法の比がこのような範囲であれば、エアギャップ部154近傍における漏電電流に由来する磁束密度が高まるため、第1磁気センサ部162により十分な強さの漏電電流に由来する磁界成分を検出することができ、従って、往復電流に由来する勾配磁界と分離して、漏電電流に由来する磁界のみをより明確に検出することができる。
図10(a)〜(d)は、漏電検出器100を側面視した図であり、様々な段付き部の厚さ寸法tを有する検出コア140を示している。ここで、段付き部の厚さ寸法tとは、段付き部が検出コア140の端面の上部または下部の一部が突出している場合は、段付き部の円周方向に垂直な方向の寸法であって、検出コア140の上下方向における段付き部の寸法のことである。段付き部の厚さ寸法tとは、段付き部が検出コア140の端面の内側または外側の一部が突出している場合は、段付き部の先端における円周方向に垂直な方向の寸法であって、検出コア140の半径方向における段付き部の寸法のことである。また、第1端面142の一部が突出して第1段付き部が形成され、かつ第2端面144の一部が突出して第2段付き部が形成され、第1段付き部および第2段付き部が検出コア140の端面の上部または下部の一部である場合は、段付き部の厚さ寸法tとは、第1段付き部の先端または第2段付き部の先端において、円周方向に垂直な方向であって検出コア140の上下方向における寸法の値が大きい方の寸法をいう。第1端面142の一部が突出して第1段付き部が形成され、かつ第2端面144の一部が突出して第2段付き部が形成され、第1段付き部および第2段付き部が検出コア140の端面の内側または外側の一部である場合は、段付き部の厚さ寸法tとは、第1段付き部の先端または第2段付き部の先端において、円周方向に垂直な方向であって検出コア140の半径方向における寸法の値が大きい方の寸法をいう。図13(a)〜(d)は、それぞれ、図10(a)〜(d)に示す検出コア140の検出ギャップ部内における、漏電電流が−10mA、0mAおよび10mAである場合の磁束密度分布を示すグラフであり、横軸が検出ギャップ部内における円周方向の位置を示し、縦軸が磁束密度分布を示す。
図10(a)は、検出コア140の厚さ寸法tが5mmで、段付き部152の厚さtが1mmである検出コア140、すなわち、検出コア140の厚さ寸法tに対する段付き部152の厚さtの比(t/t)は0.2である検出コア140を示す。この場合には、図13(a)に示すように、往復電流が作るエアギャップ部154における勾配磁界は、7×10−6[T]程度となる。
図10(b)は、検出コア140の厚さ寸法tが5mmで、段付き部152の厚さtが2mmである検出コア140、すなわち、検出コア140の厚さ寸法tに対する段付き部152の厚さtの比(t/t)は0.4である検出コア140を示す。この場合には、図13(b)に示すように、往復電流が作るエアギャップ部154における勾配磁界は、7×10−6[T]程度となり、図10(a)に示す検出コア140における勾配磁界と同程度の値となる。
図10(c)は、検出コア140の厚さ寸法tが5mmで、段付き部152の厚さtが3mmである検出コア140、すなわち、検出コア140の厚さ寸法tに対する段付き部152の厚さtの比(t/t)は0.6である検出コア140を示す。この場合には、図13(c)に示すように、往復電流が作るエアギャップ部154における勾配磁界は、9×10−6[T]程度となり、図10(a)および(b)における検出コア140よりも勾配磁界は大きくなる。
図10(d)は、検出コア140の厚さ寸法tが5mmで、段付き部152の厚さtが4mmである検出コア140、すなわち、検出コア140の厚さ寸法tに対する段付き部152の厚さtの比(t/t)は0.8である検出コア140を示す。この場合には、図13(d)に示すように、往復電流が作るエアギャップ部154における勾配磁界は、1.3×10−5[T]程度となり、図10(a)〜(c)に示す検出コア140よりも、往復電流に由来するエアギャップ部154における勾配磁界が大きくなる。
このように、検出コア140の厚さ寸法tに対する段付き部152の厚さtの比(t/t)が大きくなるにつれ、往復電流に由来するエアギャップ部154における勾配磁界が大きくなるため、磁気センサ160により検出される磁界における、漏電電流に由来する磁界成分の検出が困難になる。
そのため、検出コア140の厚さ寸法tに対する段付き部152の厚さtの比(t/t)は0.5以下とするのが好ましい。検出コア140の厚さ寸法tに対する段付き部152の厚さtの比(t/t)がこのような範囲であれば、往復電流により発生した勾配磁界が、円筒シールド120および円盤シールド130を迂回して検出ギャップ部156に侵入しても、検出ギャップ部156の下部に侵入する勾配磁界の大きさを小さくすることができ、段付き部152の上面に配置した磁気センサ160が受ける、往復電流による勾配磁界の影響を低減することができる。一方、検出コア140の厚さ寸法tに対する段付き部152の厚さtの比(t/t)が0.5を超えると、検出ギャップ部156の下部に侵入する往復電流に起因する勾配磁界が大きくなり、段付き部152の上面に配置した磁気センサ160が受ける、往復電流による勾配磁界の影響を無視できなくなる。
このため、t/tを0.5以下にすることにより、漏電電流に由来する磁界成分を明確に検出できる程度に、往復電流に由来する勾配磁界を小さくすることができる。検出コア140の厚さ寸法tに対する段付き部152の厚さtの比(t/t)は、0.3以下であればより好ましい。
また、検出コア140の厚さ寸法tに対する段付き部152の厚さtの比(t/t)が0.05以上であることが好ましい。検出コア140の厚さ寸法tに対する段付き部152の厚さtの比(t/t)が小さくなると、過大な漏電電流や大きな負荷電流が電流線110に印加されたとき、段付き部152が磁気飽和しやすくなる。段付き部152が磁気飽和すると、エアギャップ部154において、漏電電流に比例した磁束密度が得られなくなる。検出コア140の厚さ寸法tに対する段付き部152の厚さtの比(t/t)が0.05以上であれば、段付き部152の磁気飽和を防ぐことができる。
第1の実施形態に係る検出コア140は、例えば、78%Ni系パーマロイ、45%Ni系パーマロイ、珪素鋼板、鉄系アモルファス軟質磁性材料、コバルト系アモルファス軟質磁性材料、ナノ結晶軟質磁性材料などのような、磁束を集めやすい材料から作られている。そのため、検出ギャップ部156に侵入する電流線110を流れる往復電流に由来する磁束を、低減することができる。第1の実施形態に係る検出コア140の外周の形状は、上面視して、切欠き部を有する円形状であってよく、切欠き部を有する楕円形状であってもよく、切欠き部を有する多角形状であってもよい。例えば、前述した材料から成る板を打ち抜き成形することにより、段付き部152およびエアギャップ部154を有する部材と、検出ギャップ部156を有する部材とを得て、それらを積層し、圧着することによって検出コア140を得ることができる。
第1の実施形態に係る円筒シールド120、円盤シールド130および検出コア140は、それぞれが磁気的に独立するように構成されている。ここで、「磁気的に独立」とは、複数の軟質磁性体が空気や非磁性体を介して配置されており、一方の軟磁性体の磁束が他方の軟磁性体へ侵入する場合、同じ磁束密度を保ったまま他方の軟磁性体へ流入することができない状態であることを意味する。また、第1の実施形態に係る円筒シールド120、円盤シールド130および検出コア140は、数10Aの往復電流を電流線110に印可した場合においても磁気飽和しない、十分な大きさの最大磁束密度を有する。具体的には、円筒シールド120、円盤シールド130および検出コア140は、0.6T以上の最大磁束密度を有することが好ましい。このような範囲であれば、第1の実施形態に係る漏電検出器は、上述した本願発明の効果を得ることができる。
切欠き部150に段付き部152を設けることによる、切欠き部150に侵入する往復電流から生じる磁束および外部磁束を抑制する効果を、シミュレーションを行って確認した。シミュレーションの方法および条件は、前述したとおりである。
シミュレーションの結果を図12(d)に示す。図12(d)は、図1の構成の漏電検出器において、検出コア140の厚さを5mm、検出ギャップ部156の寸法を4mm、段付き部152の長さを2.5mm、段付き部152の厚さを1mm、エアギャップ部の寸法を1.5mmとした場合の、段付き部152の上面から上に0.2mmの位置における、検出コアの円周方向の磁束密度を示したグラフである。なお、往復電流は50A、漏電電流は−10mA、0mA、10mAである。図12(d)に示すように、段付き部152の直上では、往復電流により形成される勾配磁界がほぼ0となっており、エアギャップ部154の直上に、漏電電流が形成する磁界が集中していることがわかる。このシミュレーションでは、段付き部152の先端部に、検出コア140の円周方向に±0.5mmの間隔をおいて、感磁軸を持つ磁気センサを2つ配置した場合、2つの磁気センサは貫通電流(漏電電流ともいう)10mAに対して約6μTの差分磁界を受け、漏電電流がない状態ではほぼ差分磁界は0となるため、明確に漏電電流成分のみを検出することができる。
(磁気センサ)
本発明に係る漏電検出器100において、第1磁気センサ部162および第2磁気センサ部164としては、磁界の強度に応じて電気信号を出力できるものであれば、如何なる磁気センサを使用してもよく、現在知られている公知の磁気センサを使用することができる。本願に係る発明では、垂直方向を検出することができる磁気センサとして、薄膜で形成できる異方性磁気抵抗効果(以下、AMRと称することもある)素子、多層巨大磁気抵抗効果(以下、GMRと称することもある)素子、スピンバルブ型巨大磁気抵抗効果(以下、SVGMRと称する)素子、トンネル磁気抵抗効果(以下、トンネル磁気抵抗効果をTMRと称することもある)素子、ホール素子、磁気インピーダンス素子、磁気誘導素子、フラックスゲート素子等を用いることができる。例えば、巨大磁気抵抗効果素子を用いて、前記素子の位置にバイアス磁界がかかるようにコイル等を配することで、バイアス磁界に対して垂直な方向に感磁軸を設定し、感磁軸方向の磁界成分に対して比例する電圧を出力する磁気比例方式の磁気センサや、さらに前記感磁軸方向の磁界成分に対応して、反対方向に同じ強度の磁界をかけるためのコイルを配置し、前記素子にフィードバックをかけて、そのときにコイルにかけた電圧を出力する磁気平衡方式の磁気センサなどを用いることができる。その際、前記素子は固定層の方向を考慮してブリッジ接続することで、検出可能な磁界範囲を広く構成することも可能である。
本発明の第1の実施形態に係る磁気センサ160を図3に示す。図3に示すように、磁気センサ160は、基板166と、基板166の上に配置され、かつブリッジ回路を形成する様に配置された第1磁気センサ部162および第2磁気センサ部164を有している。第1磁気センサ部162は、素子171および素子172を有しており、第2磁気センサ部164は、素子173および素子174を有している。ブリッジ回路170の電源端子(Vcc)に接続された、素子171および素子173は、それぞれの感磁方向が同じであり、また、ブリッジ回路170の接地端子(GND)に接続された素子172および素子174は、それぞれの感磁方向が同じとなっている。2つの素子171および172(173および174)は、固定層の磁化方向が反平行となるように接続され、ハーフブリッジを形成している。第1磁気センサ部162において、素子171と素子172とが、配線により電気的に接続され、当該配線に対して第1の端子(VM1)が接続されている。同様に、第2磁気センサ部164においても、素子173と素子174とが、配線により電気的に接続され、当該配線に対して、第2の端子(VM2)が接続されている。このように4つの素子が接続されることにより、ブリッジ回路170が形成されている。
図3に示すように、「ブリッジ回路の電源端子に接続された少なくとも2つの素子」とは、ブリッジ回路170を構成する4つの素子171、172、173、174のうち、電源端子(Vcc)に接続されている素子171、173を意味する。また、「ブリッジ回路の接地端子に接続された少なくとも2つの素子」とは、ブリッジ回路170を構成する4つの素子171、172、173、174のうち、接地端子(GND)に接続されている素子172、174を意味する。
「ブリッジ回路の電源端子に接続された少なくとも2つの素子」、すなわち、第1磁気センサ部162の電源端子(Vcc)側の素子171と第2磁気センサ部164の電源端子(Vcc)側の素子173の感磁方向を同じにすることが好ましい。また、上記同様、「ブリッジ回路の接地端子に接続された少なくとも2つの素子」、すなわち、第1磁気センサ部162の接地端子(GND)側の素子172と、第2磁気センサ部164の接地端子(GND)側の素子174の感磁方向を同じにすることが好ましい。ここで、素子171、172、173、174が固定層を有するGMRもしくはTMRである場合は、固定層の磁化方向が感磁方向となる。
第1の実施形態に係る磁気センサ160において、電源端子(Vcc)に接続された少なくとも2つの素子171、173が同時に成膜され、及び/又は、接地端子(GND)に接続された少なくとも2つの素子172、174が同時に成膜されていてもよい。このように、素子171、173を同時に成膜し、及び/又は、素子172、174を同時に成膜することにより、ハーフブリッジ内の回路構成を同一にすることができる。そのため、オフセットの温度特性差を低減することができ、かつ磁界検出特性も揃っているため、極めて高性能の磁気センサを得ることができる。
また、本発明の第1の実施に係る磁気センサ160において、電源端子(Vcc)に接続された少なくとも2つの素子171、173、及び、接地端子(GND)に接続された少なくとも2つの素子172、174、すなわち、ブリッジ回路170を構成する4つの素子171、172、173、174の全てが同時に成膜されていてもよい。
このように、ブリッジ回路170を構成する4つの素子171、172、173、174を同時に成膜することにより、一対ずつ別々に成膜する場合に比して、ハーフブリッジ内の回路構成を同一にすることができ、したがって、オフセットの温度特性差を低減することができ、極めて高性能の磁気センサを得ることができる。
ここで、「ブリッジ回路の電源端子に接続された少なくとも2つの素子」、及び/又は、「ブリッジ回路の接地端子に接続された少なくとも2つの素子」の「同時成膜」について詳細に説明する。
ここで、「同時成膜」とは、同一のバッチでスパッタやめっきなどの成膜処理を行い、形成されていることを示しており、複数の層を形成する場合は、それぞれの層において同一のバッチで形成していることを示す。同一のバッチで成膜することで、膜の厚さや組織などのばらつきを小さくできる。
2つの素子が「同時成膜」されたものであるか否かは、膜の断面を観察し、厚さと幅から面積を比較したり、形状を比較したり、EDX(エネルギー分散型X線分析)などによる組成分析、さらにTEM(透過型電子顕微鏡)による組織観察などにより判断可能である。
(第2の実施形態)
以下に、第2の実施形態に係る漏電検出器200について、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。第2の実施形態に係る漏電検出器200の各要素について、特段の説明の無いものについては、第1の実施形態の対応する要素と同じ構成を有してもよい。
第2の実施形態に係る漏電検出器200は、切欠き部250において、第2端面244の内周側の一部が突出して段付き部252を形成する点において、第1の実施形態に係る漏電検出器100の切欠き部150とは異なる。
(検出コア)
図4は、第2の実施形態に係る漏電検出器200の全体構成を示す概略断面図であり、図5は図4のB部の拡大図であり、切欠き部250を示す概略図である。図4および図5に示すように、第2の実施形態に係る漏電検出器200の切欠き部250は、第2端面244の一部であって、検出コア240の内周側の部分が、第1端面242の方向に突出した段付き部252と、段付き部252の端面と第1端面242との間に形成されるエアギャップ部254と、第1端面242と第2端面244との間に形成される検出ギャップ部256とを有する。
段付き部252は、第2端面244の一部であって検出コア240の内周側の部分が第1端面242の方向に向かって突出する形態に限定されず、第1端面242の下部の一部が第2端面244の方向に向かって突出していてもよい。また、第1端面242と第2端面244の両方の一部であって、検出コア240の内周側である部分が、対向する端面に向かって突出していてもよい。また、段付き部252は、第1端面242(または第2端面244)の一部であって、検出コア240の外周側である部分が、対向する第2端面244(または第1端面242)に向かって突出していてもよい。段付き部252を含む検出コア240は、上下方向の任意の位置における円周方向の断面形状が、略同一となることが好ましい。このような形態であれば、検出コア240を板状の材料から打ち抜き成形して積層することにより作製する際に、使用する金型が1種類で作製することができるため、プロセスコストが抑制することができる。また、圧粉磁心のような粉末成型により作製する場合、段付き部252での成型密度の偏析が起こりにくく、検出コア240の厚みに関係なく金型の抜けが1回で済むため、好ましい。
エアギャップ部254は、段付き部252の端面と第1端面242との間に形成される形態に限定されず、段付き部252の端面と第2端面244との間に形成されてもよい。また、「段付き部252の端面と第1端面242(または第2端面244)との間に形成されるエアギャップ部254」とは、段付き部252の端面と第1端面242(または第2端面244)との間に、第1端面242(または第2端面244)から突出した第2段付き部がある場合には、「段付き部252の端面と第1端面242(または第2端面244)との間であって、第2段付き部を除いた部分」をいう。すなわち、エアギャップ部254は、検出コア240が突出した部分を含まず、空隙により構成される部分をいう。
「第1端面242と第2端面244との間に形成される検出ギャップ部256」とは、第1端面242と第2端面244との間において、段付き部252およびエアギャップ部254を除いた部分をいう。
ここで、検出ギャップ部256の寸法は、段付き部252の寸法およびエアギャップ部254の寸法よりも大きく、段付き部252の寸法とエアギャップ部254の寸法の合計と等しい。「段付き部252の寸法」、「エアギャップ部254の寸法」および「検出ギャップ部256の寸法」とは、当該部の、検出コア240の円周方向、すなわち、第1端面242から第2端面244に向かう方向における寸法をいう。また、「段付き部252の厚さ寸法」とは、段付き部252の先端における、円周方向に垂直な方向の寸法であって、検出コア240の半径方向の寸法をいう。
第2の実施形態に係る漏電検出器200は、切欠き部250にこのような段付き部252を有することにより、往復電流によって作られる磁束は段付き部252により吸収され、段付き部252近傍では、往復電流に由来する勾配磁界を小さくすることができる。そのため、段付き部252の外側およびその近傍においては、磁気センサ260により検出される磁界における、往復電流成分に由来する勾配磁界の影響が小さくなり、漏電電流に由来する磁界成分を、往復電流に由来する磁界成分と分離して、より検出しやすくすることができる。ここで、「外側」とは、検出コア240を上面視して半径方向の外側に向かう方向を意味し、以下において同じである。
また、第2の実施形態に係る漏電検出器200は、検出ギャップ部256の寸法よりも短い寸法を有するエアギャップ部254を有することにより、漏電電流が作る起磁力は検出ギャップ部256に集中する。漏電電流が作る起磁力をI、ギャップ部の寸法をg、ギャップ部の磁束密度をB、空気の透磁率をμとすると、B=μ・I/gで表される。検出ギャップ部256よりエアギャップ部254の方がギャップ部の寸法gが小さいため、前述の式のBが大きくなり、エアギャップ部254に磁束が集中する。ため、エアギャップ部254およびその近傍には、漏電電流に由来する磁束が集中し、磁束密度が増加する。そのため、エアギャップ部254およびその近傍(外側など)においては、漏電電流に由来する磁界が強くなる。一方、漏電電流に由来する磁束は段付き部252により吸収されるため、段付き部252近傍においては、漏電電流に由来する勾配磁界は弱くなる。
従って、例えば、図5に示すように、第1磁気センサ部262を、エアギャップ部254の外側に配置し、かつ第2磁気センサ部264を段付き部252の外側に配置することにより、第1磁気センサ部262および第2磁気センサ部264により検出される磁界の差を検出することができ、より明確に漏電電流成分が作る磁界を検出することができる。
第2の実施形態に係る漏電検出器200では、上面視して、第1磁気センサ部262の少なくとも一部がエアギャップ部254の外側にあれば、すなわち、側面視して、第1磁気センサ部262の少なくとも一部がエアギャップ部254にあれば、本発明に係る効果を得ることができる。前述のように、エアギャップ部254およびその近傍(例えば、外側等)では漏電電流に由来する磁界が強くなるため、第1磁気センサ部262の少なくとも一部がエアギャップ部254の上にあれば、第1磁気センサ部262においては、往復電流に由来する勾配磁界よりも、比較的強い漏電電流に由来する磁界を検出することができ、第2磁気センサ部264で検出される磁界との差分を演算することにより、漏電電流に由来する磁界成分を往復電流に由来する磁界成分と分離して明確に検出することができる。
図5に示すように、第1磁気センサ部262は、上面視してその全部がエアギャップ部254の外側に配置されることが好ましい。このような形態であれば、第1磁気センサ部262で検出される漏電電流に由来する磁界がより強くなるので、漏電電流に由来する磁界を往復電流に由来する磁界成分と分離してより明確に検出することができる。
(第3の実施形態)
以下に、第3の実施形態に係る漏電検出器300について、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。第3の実施形態に係る漏電検出器300の各要素について、特段の説明の無いものについては、第1の実施形態の対応する要素と同じ構成を有してもよい。
第3の実施形態に係る漏電検出器300は、切欠き部350において、第1端面342および第2端面344の一部が突出して、第1段付き部352および第2段付き部353を形成する点において、第1の実施形態に係る漏電検出器100の切欠き部150とは異なる。
(検出コア)
図6は、第3の実施形態に係る漏電検出器300の全体構成を示す概略断面図であり、図7は図6のC部の拡大図であり、切欠き部350を示す概略図である。図6および図7に示すように、第3の実施形態に係る漏電検出器300の切欠き部350は、第1端面342の一部であって検出コア340の内周側の部分が、第2端面344の方向に突出した第1段付き部352と、第2端面344の一部であって検出コア340の内周側の部分が、第1端面342の方向に突出した第2段付き部353と、第1段付き部352の端面と第2段付き部353の端面との間に形成されるエアギャップ部354と、第1端面342と第2端面344との間に形成される検出ギャップ部356とを有する。
第1段付き部352および第2段付き部353は、第1端面342および第2端面344の一部であって検出コア340の内周側の部分が突出する形態に限定されず、第1端面342および第2端面344の下部の一部が突出していてもよい。また、第1段付き部352および第2段付き部353は、第1端面342および第2端面344の一部であって、検出コア340の外周側である部分が突出していてもよい。第1段付き部352の形状と第2段付き部353の形状とは、エアギャップ部354を挟んで、略対称となるように構成されることが好ましい。また、第1段付き部352の先端部の端面と第2段付き部353の先端部の端面とは、対向する様に構成されることが好ましい。
「第1段付き部352の端面と第2段付き部353の端面との間に形成されるエアギャップ部354」とは、第1段付き部352(または第2段付き部353)の端面と第2端面344(または第1端面342)との間において、第2段付き部353(または第1段付き部352)を除いた部分をいう。すなわち、エアギャップ部354は、第1端面342と第2端面344との間において、第1端面342が突出した第1段付き部352と第2端面344が突出した第2段付き部353を含まず、空隙により構成される部分をいう。
「第1端面342と第2端面344との間に形成される検出ギャップ部356」とは、第1端面342と第2端面344との間において、第1段付き部352、第2段付き部353およびエアギャップ部354を除いた部分をいう。
ここで、検出ギャップ部356の寸法は、第1段付き部352の寸法、第2段付き部353の寸法およびエアギャップ部354の寸法よりも大きい。「第1段付き部352の寸法」、「第2段付き部353の寸法」および「エアギャップ部354の寸法」および「検出ギャップ部356の寸法」とは、当該部の、検出コア340の円周方向、すなわち、第1端面342から第2端面344に向かう方向における寸法をいう。また、「第1段付き部352(または第2段付き部353)の厚さ寸法」とは、第1段付き部352(または第2段付き部353)の先端における、円周方向に垂直な方向の寸法であって、検出コア340の半径方向の寸法をいう。
第3の実施形態に係る漏電検出器300は、切欠き部350にこのような段付き部352、353を有することにより、往復電流によって作られる磁束は段付き部352、353により吸収され、段付き部352、353近傍では、往復電流に由来する勾配磁界を小さくすることができる。そのため、段付き部352、353の外側およびその近傍においては、磁気センサ360により検出される磁界における、往復電流成分に由来する勾配磁界の影響が小さくなり、漏電電流に由来する磁界成分を、往復電流に由来する磁界成分と分離して、より検出しやすくすることができる。
実際の製品では、磁気センサ360は、磁気センサの素子をパッケージングすることで大きくなる。そのため、磁気センサ360を切欠き部350に容易に配置するため、特に円周方向の寸法が短いエアギャップ部354の上に、第1磁気センサ部362を合わせて配置するためには、ある程度の空間があるほうが好ましい。
上述したように、第3の実施形態に係る検出コア340では、第1端面342および第2端面344の両方から、それぞれ第1段付き部352および第2段付き部353が対向する端面に向かって付き出している。そのため、第1段付き部352の寸法および第2段付き部353の寸法を調整することにより、エアギャップ部354の寸法を一定に保ちながら、切欠き部350内の円周方向におけるエアギャップ部354の形成位置を調整することができる。
これにより、例えば、第2端面344側の第2磁気センサ部364の端部から第1端面342側の第1磁気センサ部362までの距離が、第2段付き部353の寸法より大きく、かつ第2段付き部353の寸法とエアギャップ部354の寸法の合計より小さくなるように、第1段付き部352および第2段付き部353の寸法を予め設定しておけば、磁気センサ360を切欠き部350内に容易に設置することができる。すなわち、このような形態にすることで、磁気センサ360の端部が第2端面344に接触するように磁気センサ360を設置すれば、第1磁気センサ部362は、エアギャップ部354の上に自動的に配置されるため、位置合わせが容易となり、さらには、磁気センサ360が精度良く配置されることにより、漏電電流から生じる磁界成分をより精度良く検出することができる。
また、図7に示すように、第3の実施形態に係る検出コア340は、エアギャップ部354を介して、第1段付き部352および第2段付き部353の両方を有している。そのため、検出コア340は、エアギャップ部354から、第1端面342の方向および第2端面344の方向のどちらの方向にも、磁気センサ360を設けるための十分に広い空間を有することができる。そのため、パッケージングにより磁気センサ360が大きくなった場合であっても、磁気センサ360を設置する位置を調整することにより、第1磁気センサ部362をエアギャップ部354の上に配置することができ、漏電電流を精度良く検出することができる。
またこのように、磁気センサ360を設けるための十分に広い空間を有することにより、エアギャップ部354の寸法を小さくした場合であっても、磁気センサ360を設置する位置を調整することにより、第1磁気センサ部362をエアギャップ部354の上に配置することができる。そのため、エアギャップ部354の寸法を小さくして、切欠き部350における漏電電流に起因する磁束密度を高めた場合であっても、第1磁気センサ部362をエアギャップ部354の上に配置することができるので、漏電電流が微小であっても、精度よくかつ高感度で検出することができる。
また、第3の実施形態に係る漏電検出器300は、検出ギャップ部356の寸法よりも短い寸法を有するエアギャップ部354を有することにより、漏電電流が作る起磁力は検出ギャップ部356に集中する。漏電電流が作る起磁力をI、ギャップ部の寸法をg、ギャップ部磁束密度をB、空気の透磁率をμとすると、B=μ・I/gで表される。検出ギャップ部356よりエアギャップ部354の方がギャップ部の寸法gが小さいため、前述の式のBが大きくなり、エアギャップ部354に磁束が集中する。ため、エアギャップ部354およびその近傍には、漏電電流に由来する磁束が集中し、磁束密度が増加する。そのため、エアギャップ部354およびその近傍(外側など)においては、漏電電流に由来する磁界が強くなる。一方、漏電電流に由来する磁束は段付き部352、353により吸収されるため、段付き部352、353近傍においては、漏電電流に由来する勾配磁界は弱くなる。
従って、例えば、図7に示すように、第1磁気センサ部362を、エアギャップ部354の外側に配置し、かつ第2磁気センサ部364を第2段付き部353の外側に配置することにより、第1磁気センサ部362および第2磁気センサ部364により検出される磁界の差を検出することができ、より明確に漏電電流成分が作る磁界を検出することができる。第1磁気センサ部362および第2磁気センサ部364の配置は、この形態に限定されず、第1磁気センサ部362が第1段付き部352の外側に配置され、第2磁気センサ部364がエアギャップ部354の外側に配置されてもよい。
第3の実施形態に係る漏電検出器300では、上面視して、第1磁気センサ部362の少なくとも一部がエアギャップ部354の外側にあれば、すなわち、側面視して、第1磁気センサ部362の少なくとも一部がエアギャップ部354にあれば、本発明に係る効果を得ることができる。前述のように、エアギャップ部354およびその近傍(例えば、外側等)では漏電電流に由来する磁界が強くなるため、第1磁気センサ部362の少なくとも一部がエアギャップ部354の上にあれば、第1磁気センサ部362においては、往復電流に由来する勾配磁界よりも、比較的強い漏電電流に由来する磁界を検出することができ、第2磁気センサ部364で検出される磁界との差分を演算することにより、漏電電流に由来する磁界成分を往復電流に由来する磁界成分と分離して明確に検出することができる。
図7に示すように、第1磁気センサ部362は、上面視してその全部がエアギャップ部354の外側に配置されることが好ましい。このような形態であれば、第1磁気センサ部362で検出される漏電電流に由来する磁界がより強くなるので、漏電電流に由来する磁界を往復電流に由来する磁界成分と分離してより明確に検出することができる。
図14の形状の検出コア440および磁気シールド材(円筒シールド420及び円盤シールド430)を、軟質磁性体の78Ni−4.5Mo−3.5Cu−Fe材(パーマロイC)ブロックからワイアーカットにて切り出し、磁性焼鈍として乾水素雰囲気において1100℃で3時間の加熱後、600℃〜400℃間を100℃/hrで制御冷却し、冷却後取り出したものを構成部材として用いた。焼鈍後の磁気特性は、初透磁率μ=150,000,B=0.65Tであった。次に、樹脂部材を用いて前記軟質磁性体(検出コア440、及び円盤シールド430、及び円筒シールド420)を所定の位置関係に配置して固定した。
次に、検出コア440および円筒シールド420の中央部に直径3mmの導線410を2本、中心間隔4mmを保って挿入し、±100Aの往復電流および±10mAの貫通電流(すなわち、漏電電流)を印加して、検出ギャップ456内段付き高さ0.2mm位置での磁束密度分布を、微小磁界測定器(LakeShore社製model455型磁界測定器(測定範囲0.2nT〜35T))を用いて測定した。その結果を図15に示す。磁気センサを図に示す位置(磁気センサ1(すなわち、第1磁気センサ部)を段付き部の先端から対向ギャップ部(すなわち、エアギャップ)へ0.4mm出た位置と、磁気センサ2(すなわち、第2磁気センサ部)を段付き部先端から内部(すなわち、段付き部)へ0.6mm入った位置)に装着した場合、2か所の出力の差分を演算すると、往復電流の向きに影響されず、貫通電流10mAで、6.5μT/mmの差分磁界が得られた。
次に、この検出位置に磁気センサ1として幅10μm、長さ500μmのスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子(SV−GMR素子)を2個、固定層磁化方向がギャップ長方向で互いに反平行(固定双方向が180°異なる)な素子を直列接続し、一方の端子を電源、他方の端子を接地端子(GND)とし、中点出力をセンサ出力1とした。そして、ギャップ長方向に1mm離れた位置に磁気センサ1と同じ構成の磁気センサ2を配置した。これらの磁気センサ1および2は同一のシリコンチップ上に製膜したもの、即ち同一平面上に同一成膜にて形成された素子を用いた。この磁気センサは、検出方向(感磁軸方向)と直角にバイアス磁界が印加されており(バイアス機構は省略)、検出感度は電源電圧5Vのときに50μV/μTである。この素子チップを用いてGMR素子側を検出コア側に向けて、GMR素子と段付き部の距離が0.2mmになるように固定し、電流検出特性を測定した。貫通電流(漏電電流成分)が±10mAで、往復電流±100Aを印加した時、2つの磁気センサの出力の差は0.325mVで、ノイズレベルは0.02mVであり、S/N比が10倍以上で検出が可能であった。また、往復電流の向きを逆転しても検出出力は維持されており往復電流の影響をほとんど受けないことを確認した。
次に、外乱要因として、地磁気に相当する40μTの磁界をヘルムホルツコイルにて検出ギャップ長方向(すなわち、検出コア440の円周方向)に印加した場合の検出ギャップ456内への磁界の侵入量を測定した。その結果を図16に示す。図16に示すように検出ギャップ456内への地磁気の侵入は1/100以下に抑えられており、良好な磁気シールド性能を示した。この侵入量を、例えば往復電流±50Aの条件の電流検出時の磁界分布と重ねると、図17のように地磁気による影響は無視できるレベルであることが判明した。
100、200、300、400:漏電検出器
110、210、310、410:電流線
120、220、320、420:円筒シールド
130、230、330、430:円盤シールド
140、240、340、440:検出コア
142、242、342:第1端面
144、244、344:第2端面
150、250、350:切欠き部
152、252、352、353:段付き部
154、254、354:エアギャップ部
156、256、356、456:検出ギャップ部
160、260、360:磁気センサ
162、262、362:第1磁気センサ部
164、264、364:第2磁気センサ部
166、266、366:基板
170、270、370:回路
171、271、371:素子
172、272、372:素子
173、273、373:素子
174、274、374:素子

Claims (5)

  1. 少なくとも一組の電流線と、
    前記一組の電流線の周囲に設けられた円筒シールドと、
    前記円筒シールドおよび前記一組の電流線が貫通する空洞部と、切欠き部とを有する環状の検出コアと、
    前記検出コアの上面側および下面側に設けられ、前記円筒シールドおよび前記一組の電流線が貫通する空洞部を有する一組の円盤シールドと、
    前記切欠き部に設けられた第1磁気センサ部および第2磁気センサ部と、
    を含み、
    前記切欠き部は、第1端面および第2端面を有しており、前記第1端面または前記第2端面の少なくとも一方の一部が突出した段付き部と、前記段付き部の端面と対向する前記切欠き部の端面との間に形成されるエアギャップ部と、前記第1端面と前記第2端面との間に形成される検出ギャップ部とを有し、
    第1端面から第2端面への方向における、前記エアギャップ部の寸法は、前記検出ギャップ部の寸法よりも小さく、
    上面視または側面視して、前記第1磁気センサ部の少なくとも一部がエアギャップ部に配置され、前記第2磁気センサ部が段付き部に配置されていることを特徴とする漏電検出器。
  2. 前記検出ギャップ部の円周方向の寸法は、前記検出コアの厚さの0.2倍以上1.5倍以下であることを特徴とする請求項1に記載の漏電検出器。
  3. 前記段付き部の円周方向に垂直な方向の寸法と前記検出コアの厚さの比が、0.05以上0.5以下である請求項1または2に記載の漏電検出器。
  4. 前記検出コア、前記円筒シールドおよび前記円盤シールドは、それぞれが磁気的に独立しており、それぞれが磁気飽和しない最大磁束密度を有する、請求項1から3のいずれか1項に記載の漏電検出器。
  5. 前記第1磁気センサ部および前記第2磁気センサ部は、同一の基板上に配置され、固定層の磁化方向が同じあるスピンバルブ型巨大磁気抵抗効果素子を有しており、ブリッジ回路を形成するように構成されている、請求項1から4のいずれか1項に記載の漏電検出器。
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