JP2017048697A - 燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】エンジン1のインジェクタ7の開弁に伴う燃圧変動を加味して、次回の開弁時間τを好適に設定できるようにする。そのための工数が過度に多くならないようにする。【解決手段】インジェクタ7の容積室70aに係る所定寸法(インジェクタ内径d)と、目標燃料噴射量Qとに基づいて燃圧変動の振幅Aを算出し(ステップST1)、その所定寸法に基づいて燃圧変動の減衰率εを算出し(ST2)、デリバリ燃圧Pに基づいて燃圧変動の周期Tを算出し(ST3)、噴射インターバルΔtを算出し(ST4)、これらに基づいて次回のインジェクタ7の開弁時の燃圧を補正して(ST5)、その開弁時間τを設定する(ST6)。【選択図】図4

Description

本発明は、エンジンのインジェクタによる燃料の噴射制御に関連し、特にインジェクタの開弁に伴う燃圧変動を加味して、次回の開弁時間を設定する技術に関する。
従来より例えば自動車などのエンジンの制御においては、運転者が自動車に求める駆動トルクからエンジンへの要求トルクを算出し、この要求トルクを実現するように吸入空気量や燃料噴射量の目標値(目標燃料噴射量)が設定される。そして、その目標燃料噴射量が得られるように、供給される燃料の圧力(燃圧)に応じてインジェクタの開弁時間が設定される。
また、例えば1回の燃焼サイクルにおいて複数回の燃料噴射を行う場合などには、その噴射に伴う燃圧の変動も考慮して、次回の噴射のためのインジェクタの開弁時間を補正することも考えられる。一例として特許文献1に開示された内燃機関の制御方法によると、予備噴射による燃圧の変動を正弦波状の周期的な信号として予めマップにファイルしておき、この信号によって決定される補正値を用いて燃圧を補正するようにしている。
特開平10−266888号公報
ところが前記従来例においては、燃料の予備噴射に伴う燃圧の変動を表す周期的な信号を予め適合し、予備噴射量に依存する燃圧の補正値のデータとしてファイルしておかなくてはならず、この膨大な補正値のデータの適合にかかる工数が非常に多くなってしまう。しかも、インジェクタの仕様が変われば、補正値のデータを全て適合し直さなくてはならない。
この点を考慮して本発明の目的は、インジェクタの開弁に伴う燃圧の変動を加味して、次回の開弁時間を好適に設定できるようにしながら、そのための工数が過度に多くならないようにすることにある。
前記目的を達成するため、本発明は、インジェクタの開弁に伴う周期的な燃圧変動の振幅、減衰率および周期をインジェクタ内の容積室における脈動に着目して算出するようにした。すなわち、本発明は、エンジンのインジェクタによる燃料の噴射を制御する装置を対象とし、この装置は、インジェクタの開弁に伴う燃圧変動を加味して、次回のインジェクタの開弁時間を設定する開弁時間設定手段を備えている。
そして、前記開弁時間設定手段が、前記インジェクタ内の容積室の大きさと相関を有する所定寸法、および目標燃料噴射量に基づいて算出される燃圧変動の振幅と、前記所定寸法に基づいて算出される燃圧変動の減衰率と、前記インジェクタへ供給される燃圧に基づいて算出される燃圧変動の周期と、インジェクタの閉弁から次回の開弁までの時間間隔と、に基づいて、前記次回のインジェクタの開弁時の燃圧を補正し、この補正後の燃圧に基づいてインジェクタの開弁時間を設定するように構成されている。
まず、エンジンの運転中には基本的に、インジェクタに供給される燃圧と目標燃料噴射量とに基づいて、インジェクタの開弁時間が設定されるが、上述したようにインジェクタの内部においては、その開弁に伴って一時的に燃圧が低下し、その後しばらく上昇および低下を繰り返すように(即ち周期的に変動するように)なる。これに対し、前記の構成によれば、そのような燃圧変動の振幅、減衰率および周期を算出して、次回のインジェクタの開弁時の燃圧を補正する。
すなわち、開弁時間設定手段によって前記燃圧変動の振幅、減衰率および周期が算出され、これらの算出値と、インジェクタの閉弁から次回の開弁までの時間間隔とに基づいて、当該次回のインジェクタの開弁時の燃圧が補正される。そして、その補正後の燃圧に基づいて、即ち、インジェクタの開弁に伴う燃圧変動を加味して、好適に次回のインジェクタの開弁時間を設定することができる。
このようにインジェクタ内の燃圧変動を算出するようにすれば、従来例のように燃圧の補正値の膨大なデータを予め適合する必要がなくなり、工数の低減が図られる。また、インジェクタの仕様が変わっても、これに応じて計算式の一部の係数などを変更すればよく、マップのデータを全て適合し直すような工数の増大は生じない。
以上、説明したように本発明では、インジェクタの開弁に伴う周期的な燃圧変動の振幅、減衰率および周期を算出し、これに基づいて次回のインジェクタの開弁時の燃圧を補正するようにしたので、燃圧変動の影響を加味して次回の開弁時間を好適に設定できるとともに、燃圧の補正値の膨大なデータを予め適合する必要がなく、工数の低減が図られる。また、インジェクタの仕様が変わっても工数の過度の増大は生じない。
実施の形態に係る燃料噴射制御装置を適用したエンジンの要部を示す概略構成図である。 インジェクタの構造を概略的に示す断面図である。 インジェクタの内部における燃圧変動の一例を示すタイムチャートである。 インジェクタの開弁時間を設定する手順の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る燃料噴射制御装置を適用した筒内噴射式のガソリンエンジン1(以下、エンジン1と称する)の要部を示している。このエンジン1は、シリンダブロック2の上部にシリンダヘッド3を組み付けて、シリンダ2a(気筒)の内部に嵌挿したピストン4との間に燃焼室5を形成している。なお、シリンダブロック2の上部というのは、シリンダ2aの中心線の方向における上死点側の部分のことである。
図1の例ではシリンダヘッド3の下面に、燃焼室5の天井面となる浅い窪みが形成されていて、この天井面の吸気側(図1の左側)に開口し、そこから斜め上方に向かって延びるように吸気ポート31が形成されている。同様に、燃焼室5の天井面の排気側(図1の右側)には排気ポート32が開口し、そこから斜め上方に向かって延びるように形成されている。
そして、前記吸気ポート31の上端の開口には、図示しない吸気マニホルドが取り付けられて、エアクリーナを通過した空気(吸気)を吸気ポート31へ流通させるようになっている。すなわち、図示しないが、動弁系のカム軸によって吸気バルブ33がリフトされ、図1のよう吸気ポート31の下端の開口が開かれると、ピストン4の下降に伴い、矢印Aとして示すように吸気が吸気ポート31を流通して、シリンダ2a内に吸い込まれるようになる。
また、図示はしないが、動弁系のカム軸によって排気バルブ34がリフトされ、排気ポート32の下端の開口が開かれると、既燃ガスがシリンダ2aから排気ポート32へ排出されるようになる。なお、図には1つのシリンダ2aのみを示しているが、本実施の形態のエンジン1は、例えば4つのシリンダ2aが図の手前から奥に向かって並んだ直列4気筒エンジンである。
図1に表れているようにシリンダヘッド3には、シリンダ2a毎に点火プラグ6が配設されており、点火回路6aから電力の供給を受けて点火プラグ6の電極間に火花放電することにより、燃焼室5内に形成された混合気に点火する。この混合気は、筒内噴射インジェクタ7(以下、単にインジェクタと称する)から燃焼室5に向かって噴射された燃料が、前記のように燃焼室5内に流入した吸気と混じり合って形成される。
すなわち、本実施の形態では各シリンダ2a毎にインジェクタ7が配設され、その先端の噴孔72a(図2を参照)が、燃焼室5の天井部における吸気側の周縁部(図の例では吸気バルブ33の傘部の近傍)から燃焼室5に臨んでいる。このインジェクタ7の基端部(図の上端部)には、燃料供給系8の一部を構成するデリバリパイプ81が接続されている。デリバリパイプ81は、複数のシリンダ2aの並ぶ方向(図1の紙面に直交する方向)に延びていて、燃料配管82によって圧送されてくる高圧の燃料を各シリンダ2a毎のインジェクタ7に分配する。
燃料供給系8は、図示しない燃料ポンプから吐出される燃料の圧力をプレッシャレギュレータによって調整し、所定の高圧状態の燃料を燃料配管82によってデリバリパイプ81に圧送する。デリバリパイプ81は、そうして圧送されてくる燃料を一時的に貯留する蓄圧容器としての機能を有しており、このように貯留する燃料の圧力(デリバリ燃圧P)を検出するための燃圧センサ11が配設されている。
そして、前記のインジェクタ7がエンジンコントローラ10(以下、ECU10と表記する)からの制御信号を受けて開弁動作し、燃焼室5に向かって燃料を噴射する。詳しくは図2に拡大して示すように、本実施の形態のインジェクタ7は、ハウジング70の先端側に設けられた円筒状のノズル71の先端部(図2の下端部)にプレート72を備えており、このプレート72に複数の噴孔72aが形成されたプレートタイプのものである。
前記ノズル71の内部にはニードル73が収容され、その先端部(シート部)がノズル71の先端側に設けられた弁座に着座または離座するようになっている。一方、ニードル73の基端部には、ハウジング70内においてコイルスプリング74が嵌め合わされており、その押圧力によってニードル73が先端側に付勢されて、その先端部がノズル71の弁座に着座している。また、ニードル73の先端側には環状のガイド部75が突設され、その外周面がノズル71の内周面と摺接している。
なお、ニードル73のガイド部75の外周面には、ノズル71の内周面と摺接する摺接面の他に、ノズル71の内周面との間に隙間ができるように平坦化された平坦面が形成されており、この隙間を通じて燃料がノズル71の基端側から先端側(つまり、プレート72の側)へ流通するようになっている。
また、前記ハウジング70の内部には、ニードル73を軸方向に吸引するための電磁アクチュエータ76が配設されている。この電磁アクチュエータ76は、ハウジング70内の容積室70aに配設され、ニードル73の基端側の部分(可動コア)に固定されたアーマチャ76aと、これを吸引するための電磁コイル76bとからなる。電磁アクチュエータ76へ通電し、電磁コイル76bを励磁させると、ニードル73がコイルスプリング74の付勢力に抗して基端側に移動し、その先端部がノズル71の弁座から離座する。
このようなニードル73の動作、即ちインジェクタ7の開弁動作によって、ハウジング70内の容積室70aに充填供給されている燃料が、ノズル71の内周面とニードル73の外周面との間を流通して、プレート72の噴孔72aから噴出するようになる(燃料の噴射)。その後、通電を遮断すれば電磁コイル76bは消磁され、コイルスプリング74の付勢力によってニードル73が先端側に移動して、その先端部がノズル71の弁座に着座する(インジェクタ7の閉弁)。これにより燃料の噴射は停止される。
−燃料噴射制御−
前記のように電磁アクチュエータ76に通電して、インジェクタ7のニードル73を動作させる制御(燃料噴射制御)は、ECU10によって行われる。ECU10は公知のデジタルコンピュータからなり、前記デリバリパイプ81の燃圧センサ11の他、図示はしないが、例えばクランク角センサ、エアフローメータ等、エンジン1の運転状態を表す種々のセンサからの信号を入力する。そして、ECU10は、各種の制御ルーチンを実行することによりエンジン1の吸気量や燃料噴射量、点火時期等を制御する。
具体的にECU10は、まず、自動車の走行中に運転者が求める挙動を実現できるような駆動トルクを算出し、動力伝達系における減速比や駆動力の損失などを考慮して、エンジン1への要求トルクを算出する。そして、この要求トルクを実現するための吸気量、燃料噴射量、点火時期等の目標値を算出する。こうして算出した燃料噴射量の目標値(以下、目標燃料噴射量Qという)に基づいてECU10は、インジェクタ7の電磁アクチュエータ76への通電時間、即ちインジェクタ7の開弁時間τを算出する。
すなわち、ECU10のメモリには、インジェクタ7に供給される燃圧(一例としてデリバリ燃圧P)と目標燃料噴射量Qと開弁時間τとの関係を予め実験やシミュレーションによって適合した3次元の噴射制御マップが電子的に格納されている。そして、エンジン1の運転中には基本的な燃料噴射制御として、燃圧センサ11により検出されるデリバリ燃圧Pと前記の目標燃料噴射量Qとに基づき、噴射制御マップを参照してインジェクタ7の開弁時間τを設定するようにしている。
但し、インジェクタ7の内部の燃圧は、噴孔72aから燃料が噴出することに伴って変動するので、前記のようにデリバリ燃圧Pと目標燃料噴射量Qとに基づいて開弁時間τを設定すると、実際の燃料噴射量は目標燃料噴射量Qからずれてしまうことがある。一例として図3にインジェクタ内燃圧の変動を示すように、開弁開始(時刻t0)と同時に燃圧は低下し、閉弁(時刻t1)によって上昇に転じた後に、平均燃圧(概ねデリバリ燃圧Pと同じ)を超えてしばらく上昇してから再び低下するようになる。つまり、インジェクタ内燃圧は周期的に変動する。
このため、次回の燃料噴射のためにインジェクタ7が開弁するとき(時刻t2)には、図3の例ではインジェクタ内燃圧が平均燃圧よりも高くなっているので、その分、燃料噴射量が目標値よりも多くなってしまう。本発明の発明者は、そのような燃圧の周期的な変動がインジェクタ7内の容積室70aにおける脈動に起因するものと考えて、その燃圧変動の振幅A、減衰率ε、周期Tを簡易な式により算出し、これらに基づいてインジェクタ7の次回の開弁時の燃圧(開弁時間τの算出に用いる値)を補正するようにした。
−燃料噴射制御の補正−
具体的には以下、図4のフローチャートを参照して、本実施の形態におけるインジェクタ7の開弁時間τの設定ルーチンを説明する。このルーチンは、エンジン1の各シリンダ2a毎に所定のタイミングで繰り返し実行される。なお、図4に示すフローチャートにおいては、スタート後のステップST1〜ST4が互いに並行して処理されるようになっているが、これは所定の順番で処理するようにしてもよい。
図示の例では、まず、ステップST1において、インジェクタ7内の容積室70aの大きさと相関を有する所定寸法と、目標燃料噴射量Qとに基づいて、図示の式(1)によって燃圧変動の振幅Aを算出する。すなわち、インジェクタ7の開弁に伴い容積室70aから燃料が流出することによる燃圧の低下幅は、その流出量が多いほど大きくなる一方、容積室70aの容積が大きいほど、前記の燃圧の低下幅は小さくなると考えられる。
そこで、本実施の形態では、燃圧変動の振幅Aが目標燃料噴射量Qに比例し、容積室70aの横断面積(ニードル73の軸方向と垂直な断面における断面積)とは反比例するものと仮定して、式(1)により振幅Aを算出する。すなわち、前記の「所定寸法」としては便宜的にインジェクタ内径d(容積室70aを囲むハウジング70の内径)を用い、これにより容積室70aの横断面積を(πd2)/4として算出している。なお、式(1)における係数C1の値は、実験やシミュレーションによって適合される。
続いてステップST2においても前記容積室70aの横断面積(πd2)/4を用いて、図示の式(2)により燃圧変動の減衰率εを算出する。すなわち、容積室70aの容積が大きいほど燃圧の変動は減衰し難いと考えられるので、ここでは、減衰率εを容積室70aの横断面積と反比例するものとしている。なお、式(2)における係数C2の値も実験やシミュレーションによって適合される。
続くステップST3においては便宜的にデリバリ燃圧Pに基づいて、図示の式(3)により燃圧変動の周期Tを算出する。デリバリ燃圧Pは概ね容積室70aにおける平均燃圧であるから、これが高いほど、燃圧の脈動の共振点が高くなると考えられる。そこで、ここではデリバリ燃圧Pの上昇に対して反比例するように周期Tが低下するものとしている。なお、式(3)における係数C3,C4は、いずれも実験やシミュレーションによって適合される。
続いてステップST4において、今回の噴射から次回の噴射までの噴射インターバルΔtを算出する。これは、今回の噴射におけるインジェクタ7の閉弁から次回の噴射における開弁までの時間間隔であり、クランク角によって予め設定されている噴射インターバルとエンジン回転数とによって算出する。なお、エンジン回転数は、エンジン1の制御のためにクランク角センサからの信号に基づいて算出され、ECU10のRAMに記憶更新されている。
続くステップST5では、インジェクタ7の次回の噴射の際の開弁時におけるインジェクタ内燃圧(変動する燃圧の瞬時値)を求めるために、図示の式(4)によって燃圧の補正値ΔPを算出する。図3を参照して上述したようにインジェクタ7の内部の燃圧は、容積室70aの脈動に起因して周期的に変動するので、その振幅A、減衰率ε、周期Tおよび噴射インターバルΔtを用いて、式(4)のように燃圧の変動分(補正値ΔP)を算出することができる。
そして、ステップST6において、次回の噴射におけるインジェクタ7の開弁時間τ、即ちインジェクタ7の電磁アクチュエータ76への通電時間を、図示の式(5)によって算出して、ルーチンを終了する(エンド)。すなわち、デリバリ燃圧Pにその変動分を表す補正値ΔPを加算して補正した上で、目標燃料噴射量Qが得られるようなインジェクタ7の開弁時間τを算出する。なお、式(5)における係数C5の値は、インジェクタ7の流量係数の逆数に相当し、実験やシミュレーションによって適合される。
前記図4のフローを実行することによってECU10は、インジェクタ7の開弁に伴う燃圧変動を考慮して、次回のインジェクタの開弁時間を設定する開弁時間設定手段を構成する。この開弁時間設定手段は、インジェクタ7内の燃圧変動の振幅A、その減衰率ε、その周期T、および、インジェクタ7の次回の開弁までの噴射インターバルΔtに基づいて、当該次回の開弁時における燃圧の変動分(補正値ΔP)を算出し、これによって補正した後の燃圧に基づいてインジェクタ7の開弁時間τを設定するものである。
以上、説明したように本実施の形態に係る燃料噴射制御装置によると、エンジン1の運転中に、インジェクタ7の開弁による燃圧の変動を、その内部の容積室70aにおける脈動によるものと考えて、その燃圧変動の振幅A、減衰率εおよび周期Tを算出し、これに基づいて次回のインジェクタ7の開弁時の燃圧を補正するようにしている。そして、そのように補正した燃圧に基づいて、即ち、インジェクタ7の開弁に伴う燃圧変動を加味して好適に次回のインジェクタ7の開弁時間τを設定することができる。
このようにインジェクタ7内の燃圧の変動を算出するようにしているので、従来までのように燃圧の補正値の膨大なデータを予め適合する必要がなくなり、工数の低減が図られる。また、インジェクタ7の仕様が変わっても、これに応じて計算式(図4のステップST1〜ST3,ST6に示す式(1)〜(3),(5))の係数C1〜C5などを変更すればよく、マップのデータを全て適合し直すような工数の増大は生じない。
その上さらに本実施の形態では、前記のような簡単な計算式(1)〜(3)によって、それぞれ燃圧変動の振幅A、減衰率εおよび周期Tを算出し、これに基づいて次回のインジェクタ7の開弁時の燃圧を補正するようにしているので、ECU10の演算負荷が過度に大きくなる心配もない。
−他の実施の形態−
本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、その他の種々の形態を包含している。例えば前記実施の形態では、図4のフローに示す計算式(1)〜(3)によって燃圧変動の振幅A、減衰率εおよび周期Tを算出するようにしているが、これらとは異なる計算式を用いてもよい。式(1)、(2)においては、インジェクタ7の容積室70aの大きさと相関を有する所定寸法として、便宜的にインジェクタ内径dを用いているが、これについても例えば容積室70aの容積としてもよく、それ以外のインジェクタ7の寸法を用いてもよい。
また、前記実施の形態では、筒内噴射式のインジェクタ7のみを備えたガソリンエンジン1に本発明を適用しているが、これに限らず、筒内噴射式のインジェクタ7以外に、例えば吸気ポートに燃料を噴射するポートインジェクタを備えたガソリンエンジン、さらにはポートインジェクタのみを備えたガソリンエンジンにも、本発明を適用することができる。
さらにまた本発明は、ガソリンエンジンにも限定されず、例えばアルコール燃料や液化ガス燃料を用いるエンジンにも適用可能であり、前記実施の形態のように4つのシリンダ2aを備えたエンジン1にも限定されず、例えば単気筒、2気筒、3気筒若しくは5気筒以上のエンジンにも適用可能であることは勿論である。
本発明は、エンジンのインジェクタの開弁時間を好適に設定して、噴射量の制御の精度を高めることができるので、例えば自動車のガソリンエンジン、特に筒内噴射式のものに適用して効果が高い。
1 エンジン
7 インジェクタ
70a 容積室
10 ECU(開弁時間設定手段)
d インジェクタ内径(インジェクタの容積室の大きさと相関を有する所定寸法)
Q 目標燃料噴射量
A 燃圧変動の振幅
ε 燃圧変動の減衰率
T 燃圧変動の周期
P デリバリ燃圧(インジェクタへ供給される燃圧)
Δt 噴射インターバル(インジェクタの閉弁から次回の開弁までの時間間隔)
τ インジェクタの開弁時間

Claims (1)

  1. エンジンのインジェクタによる燃料の噴射を制御する燃料噴射制御装置であって、
    前記インジェクタの開弁に伴う燃圧変動を加味して、次回のインジェクタの開弁時間を設定する開弁時間設定手段を備え、
    前記開弁時間設定手段が、
    前記インジェクタ内の容積室の大きさと相関を有する所定寸法と、目標燃料噴射量とに基づいて算出される燃圧変動の振幅と、
    前記所定寸法に基づいて算出される燃圧変動の減衰率と、
    前記インジェクタへ供給される燃圧に基づいて算出される燃圧変動の周期と、
    インジェクタの閉弁から次回の開弁までの時間間隔と、に基づいて、
    前記次回のインジェクタの開弁時の燃圧を補正し、この補正後の燃圧に基づいてインジェクタの開弁時間を設定する、ことを特徴とする燃料噴射制御装置。
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