JP2017047718A - 浮体式洋上設備、及び浮体式洋上設備の電力供給方法 - Google Patents

浮体式洋上設備、及び浮体式洋上設備の電力供給方法 Download PDF

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雅晴 中山
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真理 岡安
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樹人 大隣
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Abstract

【課題】上甲板の上の生産設備用区域の発電設備用のスペースを減少することができて、洋上設備としての生産のための設備用のスペースを増大することができるとともに、発電設備における電力系統のトラブルが生じた際のリスクを分散することができる浮体式洋上設備、及び、浮体式洋上設備の電力供給方法を提供する。【解決手段】生産設備30と該生産設備以外の設備に給電する発電設備40、50を、生産設備30に電力を供給し、かつ、上甲板3の上の生産設備用区域Rpに配置されている第1グループの発電設備40と、生産設備以外の設備に電力を供給し、かつ、生産設備用区域Rp以外の安全区域Rsに配置されている第2グループの発電設備50とで構成する。【選択図】図1

Description

本発明は、浮体式洋上設備、及び、浮体式洋上設備の電力供給方法に関し、より詳細には、上甲板の上の生産設備用区域の発電設備用のスペースを減少することができて、洋上設備としての生産のための設備用のスペースを増大することができるとともに、発電設備における電力系統のトラブルが生じた際のリスクを分散することができる浮体式洋上設備、及び、浮体式洋上設備の電力供給方法に関する。
石油・ガスの生産設備や荷役設備を備え、長期間に亘って特定の洋上設置場所に位置保持されて使用されるFPSO(浮体式生産貯蔵積出設備)、FSO(浮体式貯蔵積出設備)やFSU(浮体式貯蔵設備)、LNGを扱うFLNG(液化貯蔵積出設備)等の浮体式洋上設備は、一般的には、洋上で係留等により位置保持しながら、浮かんだ状態で、生産活動及び生産物の一時的貯蔵を行っている。なお、この生産設備を備えた浮体式洋上設備では、一般的に、上甲板より下に生産物である石油やガスを一時的に保管する貨物タンクを備え、生産設備を上甲板の上に配置している。この引火性のガスが発生する生産物のための貨物タンクと生産設備の周辺は、危険区域とされ、防爆仕様の機器類を使用することになっている。
これらの浮体式洋上設備の建造は、既存のVLCC(大型タンカー)を改造して建造する場合もあるが、制約も多いので、新造で浮体式洋上設備を建造するケースもある。
この浮体式洋上設備に関しては普通の船舶の建造とは異なる次のような事情がある。油井の特性に合わせて設計される生産設備は、一般的に船体が建造された後に搭載される。よって、船体側の設計時には詳細が決まっていないことが多く、かつ、生産設備用区域に関する部分は個々の浮体式洋上設備の固有の条件に対応させて変化させるので、設計や機器類の上甲板の上への搭載が納期直前になり易い傾向がある。
そして、従来では、図7及び図8で示すように、浮体式洋上設備1Xでは、上甲板3の上の生産設備用区域Rpに2基〜8基程度(図7では3基×横2列の6基)のガスタービン発電機で構成される一群の発電設備40Xが設けられている。そして、この上甲板3に設置された一つのグループの発電設備40Xにより、生産設備用電力と、この生産設備用電力以外の荷役設備(積出ポンプ装置等)用電力や居住区用電力などの浮体式洋上設備1Xに必要な電力を、すべて発電及び給電する構成になっている。
そのため、従来の浮体式洋上設備1Xにおいては、上甲板3の上の生産設備用区域Rpに大規模な発電設備40Xを設置する必要があるため、その分、生産設備30を配設するスペースが小さくなるという問題があった。さらに、上甲板3の上の生産設備用区域Rpに設置された発電設備40Xに電力系統のトラブルが生じると、生産設備30だけではなく、生産設備30以外の浮体式洋上設備1Xを構成するその他の設備(例えば、積出装置や居住区用電源等)への電力の供給も全て停止してしまうという問題があった。また、この緊急時に荷役設備を稼働させるための電力を供給するためには、緊急荷役用(Emergency offloading用)の発電機を別途装備する必要があった。
つまり、生産設備用と荷役用(Offloading用)を含む生産設備以外の設備用の全部の電源としての発電設備を生産設備用区域内にまとめて配置している。そのため、生産設備用区域で電力系統のトラブルが起こると、生産設備と荷役用装置、居住区用等の電源を全て失い、これらの装置類を全て停止させることになってしまい、緊急荷役用(Emergency offloading用)の発電機を別途装備することになってしまう。
この発電設備に関しては、電気推進船に関するものではあるが、複数の発電機とこの発電機を駆動するエンジンとを有すると共に着脱自在に取り付けられる複数の発電ユニットを、推進用のプロペラを回転させるモータとこのモータ以外の電力消費機器とを駆動するために必要な電力量に応じて、選択的に稼働して電力を供給する電気推進船の発電設備が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この発電設備では、一部の発電ユニットにトラブルが発生したときに、別の発電ユニットから給電するので、電力系統のトラブルに対して各設備への給電は確保できるが、洋上生産設備特有の上甲板の上の生産設備用区域のスペースの確保の問題や、生産設備用の発電設備とそれ以外の発電設備の設計を行う主体が異なり、それぞれの発電設備の確定の時期が異なることへの対応に関する問題を解決できない。
また、VLCCの改造では無く、浮体式洋上設備を新造する場合には、プロペラなどの推進器やこの推進器を駆動する推進装置を備えていないことが多く、自らの移動手段を持たないので、生産現場まで曳航するか重量物運搬船により移送されなければならず、初期移送費用が非常に高くつくことになってしまっているという問題もある。
また、通常のタンカー同様に低速ディーゼルによる推進を行うこともあるが、この場合、生産現場到着後は推進に使用した低速ディーゼル推進装置は取り外すことができず、使い捨てになるという問題もある。
特開2004−17805号公報
本発明は上述の状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、上甲板の上の生産設備用区域の発電設備用のスペースを減少することができて、洋上設備としての生産のための設備用のスペースを増大することができるとともに、発電設備における電力系統のトラブルが生じた際のリスクを分散することができる浮体式洋上設備、及び、浮体式洋上設備の電力供給方法を提供することにある。
上記の目的を達成するための浮体式洋上設備は、発電設備によって電力が供給される生産設備と該生産設備以外の設備を備えて、洋上に位置保持された状態で使用される浮体式洋上設備において、前記発電設備を、前記生産設備に電力を供給し、かつ、上甲板の上の生産設備用区域内に配置されている第1グループの発電設備と、前記生産設備以外の設備に電力を供給し、かつ、前記生産設備用区域以外の安全区域に配置されている第2グループの発電設備とで構成していることを特徴とする。
なお、ここでいう「生産設備」には、原油または天然ガス等を処理する油処理設備、ガス処理設備、水処理設備、コントロールシステムなどの設備も含むものとする。
つまり、発電設備を、生産設備に給電する大規模発電装置(例えば、100MWクラス)となる第1グループの発電設備と、生産設備以外の設備に給電する中規模発電装置(例えば、10MWクラス)となる第2グループの発電設備に区分して、それぞれを生産設備用区域と安全区域(例えば、機械室(Machinery room)等)に配置する。
言い換えれば、第1グループの発電設備が上甲板の上の生産設備用区域に配置され、第2グループの発電設備が生産設備用区域および危険区域を除いた安全区域に配置されている状態にあり、第1グループの発電設備および第2グループの発電設備が平常に運転している場合には、生産設備には第1グループの発電設備から電力が供給され、生産設備以外の設備には第2グループの発電設備から電力が供給される構成である。
この構成によれば、従来は生産設備用区域に装備されていた大規模発電装置で構成される第1グループの発電設備の一部が生産設備用区域以外の安全区域に装備されるため、生産設備を設置する上甲板が広く利用できる。つまり、生産設備以外の設備に電力を供給する第2グループの発電設備を、上甲板の上の生産設備用区域に配置しなくてもよくなるので、その分、第1グループの発電設備を配設するためのスペースを減少することができ、洋上設備としての生産のための設備用のスペースを増大することができる。
それとともに、発電設備における電力系統のトラブルが生じた際のリスクを分散することができる。つまり、生産設備用の給電系統である第1グループの発電設備にトラブルが起こっても、第2グループの発電設備によって、生産設備以外の設備の機器、例えば、荷役用設備や居住区用設備に対して引き続き給電を行うことが可能となる。つまり、生産設備への給電用と生産設備以外の設備への給電用と用途別に発電プラントを分離しているため、一方の故障、トラブルに影響されない発電プラントを構築することが可能となる。
また、新たに浮体式洋上設備を建造する場合には、油井の特性に合わせて設計される生産設備は、一般的に船体が建造された後に搭載されるため、船体側の設計時には詳細が決まっていないことが多く、結果的に船体の設計スケジュールと生産設備の設計スケジュールは合致しないことになるが、この場合に、船体側で使用する第2グループの発電設備の設計及び取付を、第1グループの発電設備の設計及び取付と切り離して進めることができるようになる。言い換えれば、生産設備への給電用と生産設備以外の設備への給電用とで発電プラントを切り離せるため、生産設備の設計遅れに伴う生産設備以外の設備への給電用の発電設備の設計への影響を無くすことができ、このことにより、発電プラントのモジュール化が容易となる。
また、第2グループの発電設備の少なくとも一部が、重油燃料とガス燃料の両方で駆動できるDFDE(Dual Fuel Diesel Electric)と呼ばれる二元燃料ディ−ゼル発電機で構成されている。単にディーゼル発電機を搭載した場合には、燃料である重油を絶えず供給する必要があるが、この二元燃料ディ−ゼル発電機では、生産設備が稼働する前は、重油燃料で発電し、生産設備が稼働して原油、ガスを生産できるようになると、この生産設備で生産されたガスを燃料として発電できるようになり、ガス燃料の効果的な利用ができるようになる。また、二元燃料ディ−ゼル発電機は、ガスタービン発電機よりも給排気の設備の自由度が高いので、その結果、第2グループの発電設備の設置場所の選定の自由度を大きく広げることができ、この第2グループの発電設備を上甲板の上の生産設備用区域以外の安全区域に容易に配置することができるようになる。
また、第2グループの発電設備で発電する電力でカーゴオイルポンプ(COP)などの荷役用設備やその他の設備を駆動できるように構成すると、生産設備に給電する第1グループの発電設備の影響を受けることなく要求性能を把握するための性能検証(コミッショニング)作業を行うことが可能となる。言い換えれば、第1グループの発電設備の完成を待たずに、第2グループの発電設備が使用可能であれば、荷役設備や居住区用設備や場合によっては推進用設備などの生産設備に直接関係しない設備における要求性能の把握と検証を行うことができるようになる。
また、第2グループの発電設備で緊急時に荷役設備を稼働させる電力を供給するように構成すると、発電設備とその設置場所を用途別に分けたことで、安全区域の第2グループの発電設備で、緊急荷役用(Emergency Offloading用)の発電機を兼用できるので、この緊急荷役用の発電機を削減できる。
上記の浮体式洋上設備において、前記第1グループの発電設備と前記第2グループの発電設備とを電気的に接続する接続先変更機構を有して構成されていると共に、前記接続先変更機構が、前記第1グループの発電設備と前記第2グループの発電設備の両方の並列運転による相互間の電力の融通、または、どちらか一方の前記発電設備の運転による他方の発電設備による給電の全部若しくは一部を肩代わりする給電に切り替える構成を有していると、言い換えると、緊急時の対応として、生産設備用区域と生産設備用区域以外の安全区域に配置した第1及び第2グループの発電設備同士の並列運転、及びフィードバック給電ができるように構成すると、次のような効果を得ることができる。
つまり、一方のグループの発電設備に支障が生じたり、生産設備に故障や事故が発生したりする場合の緊急時や、これらの発電設備の一部が保守点検中に予定外の給電量が必要になった場合においても、相互給電可能となり、十分な給電体制を確保することができる。つまり、どちらかの一方のグループの発電設備の一部が故障しても互いに補え合える構成となり、緊急時に柔軟に対応することができる。
より具体的には、上記の浮体式洋上設備において、前記第2グループの発電設備の発電容量が5MW〜30MWであるように構成される。
上記の浮体式洋上設備において、前記第2グループの発電設備が複数の発電設備で構成されており、この複数の発電設備が2ヶ所以上に分離されて配置されていると、第2グループの一方の発電設備に支障が生じたり、この一方の発電設備が配置されている区域に故障や事故が発生したりする場合の緊急時や、これらの発電設備の一部が保守点検中に予定外の給電量が必要になった場合においても、十分な給電体制を確保することができる。
つまり、第2グループの発電設備のどちらかの一方の発電設備が故障しても互いに補え合える構成となる。その上、第2グループの発電設備を配置する場所に関して、1ヶ所当たりのスペースを削減することができるようになる。
そして、第2グループの発電設備の配置場所としては、機械室、生産設備用区域よりも船尾側の上甲板の上、生産設備用区域よりも船首側の上甲板の上、生産設備用区域よりも船首側の船体内部、生産設備用区域よりも船尾側の船体内部、上部構造物の内部、上部構造物の上方のいずれか1か所又はいくつかの組み合わせの箇所を選択することができる。
上記の浮体式洋上設備において、推進器と該推進器を駆動する推進設備と航海設備を備えると共に、前記推進設備と前記航海設備を稼働させる電力を前記第2グループの発電設備から供給するように構成すると、つまり、機械室(機関室)に推進モータ、推進軸、プロペラ、インバータ等を装備するとともに上部構造物の一部に船橋(ブリッジ)を設け、この船橋に航海設備を装備し、それを自航用推進システムとして利用するときに、第2グループの発電設備を自航用推進システムの電源として利用できるようになる。
この構成によれば、浮体式洋上設備を移動させるときには、必ずしも、第1グループの発電設備が搭載されていない状態、または、生産設備が稼働して生産設備により生産されたガスを燃料にして稼働するような第1グループの発電設備が稼働できない状態で航行する場合においても、第1グループの発電設備の完成を待たずに航行することが可能となる。
また、生産設備以外の設備への給電のための第2グループの発電設備を荷役用設備と推進用設備の両方に給電できるように構成することにより、この両方の設備が同時に使用されることは無いため、第2グループの発電設備を荷役用設備と推進用設備の両方に兼用及び共用することが可能となり、発電プラント全体の小型化を図ることができる。
そして、この推進設備を浮体式洋上設備に対して着脱可能に構成してあると、言い換えれば、これらの推進設備と航海設備である、電気推進装置、推進制御装置、航海用機器などは、浮体式洋上設備の移動時のみ使用するので、この移動時のみに一時的に設けて、移動後は取り外して、他の浮体式洋上設備に使用可能に構成すると、全体としての設備費用の低減を図ることができる。また、航行時以外では取り外すことで、そのスペースを有効利用することができる。
上記の浮体式洋上設備において、当該浮体式洋上設備が、危険区域を除いた安全区域に配置されている臨時用発電設備を備えていると、つまり、臨時用発電設備(Temporary発電設備)を装備し、発電設備の全体としての発電容量を変更できるように構成すると、必要とされる電力の容量が一時的に増加する場合や予期せぬ発電機の故障などの緊急時に、一時的に発電容量を補助できて対応することができるようになる。これにより、例えば、生産現場までの航行時などのように一時的に電力を要するオペレーションに対しても、柔軟に対応することができるようになる。
より具体的には、この臨時用発電設備の発電容量を5MW〜25MWに構成されていると、臨時用発電設備と十分な補助電力を供給できる。
この臨時用発電設備が第1グループの発電設備と第2グループの発電設備のいずれか一方または両方と電気的に接続する接続先切替機構を有して構成されていると共に、接続先切替機構が、臨時用発電設備の並列運転による第1グループの発電設備と第2グループの発電設備のいずれか一方または両方への電力の供給、または、臨時用発電設備の運転による、第1グループの発電設備と第2グループの発電設備のいずれか一方または両方の発電設備による給電の全部若しくは一部を肩代わりする給電に切り替える構成を有していると、言い換えると、緊急時の対応として、危険区域を除いた安全区域に配置した臨時用発電設備により、第1及び第2グループの発電設備との並列運転、及びフィードバック給電ができるように構成すると、次のような効果を得ることができる。
つまり、第1又は第2グループの発電設備に支障が生じたり、生産設備に故障や事故が発生したりする場合の緊急時や、これらの発電設備の一部が保守点検中に予定外の給電量が必要になった場合においても、臨時用発電設備による給電補充可能となり、十分な給電体制を確保することができる。つまり、どちらかの一方のグループの発電設備の一部が故障しても臨時用発電設備により補うことができる構成となり、緊急時に柔軟に対応することができる。
上記の浮体式洋上設備において、当該浮体式洋上設備が、浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備(FPSO)、浮体式貯蔵積出設備(FSO)、浮体式貯蔵設備(FSU)、LNGを扱う液化貯蔵積出設備(LNG-FPSO)、LPGを扱うFLPG(LPG-FPSO)、浮体式貯蔵再ガス化設備(FSRU)のいずれか一つであるとより、上記の構成の効果が大きくなる。
そして、上記の目的を達成するための浮体式洋上設備の電力供給方法は、発電設備によって電力が供給される生産設備と該生産設備以外の設備を備えて、洋上に位置保持された状態で使用される浮体式洋上設備の電力供給方法において、前記発電設備を、前記生産設備に電力を供給し、かつ、上甲板の上の生産設備用区域内に配置されている第1グループの発電設備から前記生産設備に電力を供給するとともに、前記生産設備用区域以外の安全区域に配置されている第2グループの発電設備から前記生産設備以外の設備に電力を供給することを特徴とする方法である。
この方法によれば、大規模となる浮体式洋上設備の発電設備を用途別に分けて分散配置した発電設備から用途別に給電することで、上甲板の上の生産設備用区域の発電設備の電力容量を小さくして、この発電設備の設置用のスペースを減少できて、生産のための設備用のスペースを増大できると共に、発電設備における電力系統のトラブルが生じた際のリスクを分散することができる。
本発明の浮体式洋上設備、及び、浮体式洋上設備の電力供給方法によれば、大規模となる浮体式洋上設備の発電設備を用途別に分けて生産設備用の第1グループの発電設備と生産設備以外の給電用の第2グループの発電設備とし、さらに、上甲板の上の生産設備用区域とこの生産設備用区域以外の安全区域に分散配置することで、上甲板の上の生産設備用区域の発電設備用のスペースを減少することができて、洋上設備としての生産のための設備用のスペースを増大することができるとともに、発電設備における電力系統のトラブルが生じた際のリスクを分散することができる。
つまり、生産設備用の給電系統である第1グループの発電設備にトラブルが起こっても、第2グループの発電設備によって、生産設備以外の設備や機器、例えば、荷役用設備や居住区用設備に対して引き続き給電を行うことが可能となる。また、浮体式洋上設備にプロペラやそのプロペラを駆動する推進装置を備えた場合には、この第2グループの発電設備を推進装置用の発電機としても使用できるため、この推進装置を用いて自航する場合の設備費用を削減することが可能となる。
本発明の第1の実施の形態の浮体式洋上設備の発電設備の構成及び配置を模式的に示す側断面図である。 本発明の第1の実施の形態の浮体式洋上設備の発電設備の構成及び配置を模式的に示す船尾側の平面図である。 本発明の第1の実施の形態の浮体式洋上設備で、さらに第2グループの発電設備を分離配置した場合の構成を模式的に示す側断面図である。 本発明の第2の実施の形態の浮体式洋上設備の発電設備の構成及び配置を模式的に示す側断面図である。 本発明の第2の実施の形態の浮体式洋上設備の機械室内の構成を模式的に示す機械室の側断面図である。 本発明の第3の実施の形態の浮体式洋上設備の発電設備の構成及び配置を模式的に示す側断面図である。 従来技術における浮体式洋上設備の発電設備の構成及び配置を模式的に示す側断面図である。 従来技術における浮体式洋上設備の発電設備の構成及び配置を模式的に示す船尾側の平面図である。
以下、本発明に係る実施の形態の浮体式洋上設備、及び、浮体式洋上設備の電力供給方法について、図面を参照しながら説明する。なお、ここでいう「生産設備」には、原油または天然ガス等を処理する油処理設備、ガス処理設備、水処理設備、コントロールシステムなどの設備も含むものとする。
この実施の形態の浮体式洋上設備として、FPSO(浮体式生産貯蔵積出設備)を例にして説明するが、本発明は、このFPSOに限定する必要はなく、浮体式洋上設備であれば、適用することができる。
例えば、石油・ガスの生産設備を持たないFSO(浮体式貯蔵積出設備)やFSU(浮体式貯蔵設備)、LNGを扱うFLNG(液化貯蔵積出設備:LNG-FPSO)、LPGを扱うFLPG(LPG-FPSO)、FSRU(浮体式貯蔵再ガス化設備)等にも本発明を適用することができる。
なお、一般的に、FPSO等の浮体式洋上設備は、VLCC(大型タンカー)等の船舶とほぼ同様の形状をしていることが多いので、ここでは、各部の名称もVLCC等の船舶に準じて「船体」「船尾」「上甲板」などの呼称を用いて説明する。
図1及び図2に示すように、この第1の実施の形態の浮体式洋上設備1Aは、VLCC等の船舶と略同様な形状をしており、製造所又は港から油田等のある洋上設置場所に曳航または自航で移動し、係留システム等により、この洋上設置場所で洋上に位置保持している状態で使用される。
図1及び図2に示すように、この浮体式洋上設備1Aは、船体2と上甲板3、3a、3fと船尾部4と船首部8を有し、この船尾部4の上甲板3aの下に機械室(推進装置を設けた場合には通常機関室と呼ばれる)5を、この機械室5の上に居住区6aを含む上部構造物6を、この機械室5の前方に貨物倉7を、それぞれ設けている。また、この貨物倉7の前に船首部8が設けられている。なお、この第1の実施の形態の浮体式洋上設備1Aでは、移動用に利用する推進器を備えておらず、自航できない構成となっている。
なお、この浮体式洋上設備1Aは、生産設備30、機械室5、居住区6aを含む上部構造物6、貯油(ガス)タンクが設置されている貨物倉7等以外にも、図示していないが、荷役用設備(積出用設備)、ライザー、係留索、アンカーなどの係留設備、ヘリポート、アジマススラスター等の推進装置を有する自動位置保持システムなどを必要に応じて備えている。
この浮体式洋上設備1Aは、発電設備40、50によって電力が供給される生産設備30と、この生産設備30以外の居住区用設備60、荷役設備(図示しない),カーゴポンプ(図示しない)などを含む「生産設備以外の設備」を備えて、洋上に位置保持された状態で使用される。この生産設備30は、例えば、原油または天然ガスを処理する生産設備30であり、油処理設備、ガス処理設備、水処理設備、コントロールシステムなどを備えて構成されており、上部構造物6の前方の上甲板3の上の生産設備用区域Rpに設置されている。
本発明では、この浮体式洋上設備1Aにおいて、発電設備40、50を、生産設備30に電力を供給し、かつ、上甲板3の上の生産設備用区域Rpに配置されている第1グループの発電設備40と、生産設備以外の設備に電力を供給し、かつ、生産設備用区域Rp以外の安全区域Rsに配置されている第2グループの発電設備50とで構成する。つまり、平常運転時では、第1グループの発電設備40が生産設備30への給電をし、第2グループの発電設備50が生産設備以外の設備への給電を行う。
危険区域Rdとは、可燃性又は爆発性の蒸気、ガス、粉じん、又は爆発物が通常蓄積するおそれがあるすべての場所であり、この危険区域Rdには具体的には、生産設備用区域Rp、生産された石油やガスを一時的に貯蔵する貨物倉等が含まれる。そして、この安全区域Rsとは、危険区域Rd以外の区域である。この安全区域Rsには具体的には、機械室5、船尾部4の上甲板3aの上、船首部8の上甲板3fの上、船尾部4の船体内部、船首部8の船体内部、上部構造物6の内部、上部構造物6の上部等が含まれる。
そして、この生産設備30に電力を供給する発電装置群の第1グループの発電設備40は、通常、4基〜8基程度の数(図1及び図2の構成では4基)の発電装置41a、41b、41c、41d等で構成され、図1及び図2の構成では、これらは、上部構造物6と生産設備30の間に横に2列に配置されている。この第1グループの発電設備40を、複数の基数の発電装置41a、41b、41c、41dで構成することにより、通常はそのうちの一部の発電装置(例えば、41a)を保守点検しても通電を維持できる。そのため、この構成によれば、一部の発電装置(例えば、41b)が故障しても、給電を維持したまま、故障の発電装置(例えば、41b)を修理又は交換できるので、生産設備30への影響を少なくできる。
一方、生産設備以外の設備に電力を供給する発電装置群の第2グループの発電設備50は、通常、2基〜4基程度の数(図1及び図2の構成では2基)の発電装置51a、52b等で構成され、これらは、機械室5、船尾部4の上甲板3aの上、船首部8の上甲板3fの上、船尾部4の船体内部、船首部8の船体内部、上部構造物6の内部、上部構造物6の上等の安全区域Rsに、より好ましくは、機械室5の内部、若しくは、船尾部4の船体内部に配置されている。図1及び図2の構成では、第2グループの発電設備50を構成する2基の発電装置51a、52bが機械室5に横に2列に配置されている。
つまり、発電設備40、50を、生産設備30に給電する大規模発電装置(例えば、100MWクラス)となる第1グループの発電設備40と、生産設備以外の設備に給電する中規模発電装置(例えば、10MWクラス)となる第2グループの発電設備50に区分して、それぞれを生産設備用区域Rpと安全区域Rsに配置する。
言い換えれば、第1グループの発電設備40が上甲板3の上の生産設備用区域Rpに配置され、第2グループの発電設備50が生産設備用区域Rpおよび危険区域Rdを除いた安全区域Rsに配置されている状態にあり、第1グループの発電設備40および第2グループの発電設備50が平常に運転している場合には、生産設備30には第1グループの発電設備40から電力が供給され、生産設備以外の設備には第2グループの発電設備50から電力が供給される構成である。
この構成によれば、従来は生産設備用区域Rpに装備されていた大規模発電装置で構成される第1グループの発電設備40の一部が生産設備用区域Rp以外の安全区域Rsに装備されるため、生産設備30を設置する上甲板3が広く利用できる。つまり、生産設備以外の設備に電力を供給する第2グループの発電設備50を、上甲板3の上の生産設備用区域Rpに配置しなくてもよくなるので、その分、第1グループの発電設備40を配設するためのスペースを減少することができ、洋上設備としての生産のための設備用のスペースを増大することができる。
それとともに、発電設備40、50における電力系統のトラブルが生じた際のリスクを分散することができる。つまり、生産設備用の給電系統である第1グループの発電設備40にトラブルが起こっても、第2グループの発電設備50によって、生産設備以外の設備の機器、例えば、荷役用設備や居住区用設備60に対して引き続き給電を行うことが可能となる。つまり、生産設備30への給電用と生産設備以外の設備への給電用と用途別に発電プラントを分離しているため、一方の故障、トラブルに影響されない発電プラントを構築することが可能となる。
また、新たに浮体式洋上設備1Aを建造する場合には、油井の特性に合わせて設計される生産設備は、一般的に船体が建造された後に搭載されるため、船体側の設計時には詳細が決まっていないことが多く、結果的に船体の設計スケジュールと生産設備の設計スケジュールは合致しないことになるが、この場合に、船体側で使用する第2グループの発電設備50の設計及び取付を、第1グループの発電設備40の設計及び取付と切り離して進めることができるようになる。言い換えれば、生産設備30への給電用と生産設備以外の設備への給電用とで発電プラントを切り離せるため、生産設備30の設計遅れに伴う生産設備以外の設備への給電用の第2グループの発電設備50への影響を無くすことができ、このことにより、発電プラントのモジュール化が容易となる。
また、第2グループの発電設備50の少なくとも一部が、重油燃料とガス燃料の両方で駆動できるDFDE(Dual Fuel Diesel Electric)と呼ばれる二元燃料ディ−ゼル発電機で構成されていると、単にディーゼル発電機を搭載した場合には、燃料である重油を絶えず供給する必要があるが、この二元燃料ディ−ゼル発電機では、生産設備30が稼働する前は、重油燃料で発電し、生産設備30が稼働してガス燃料を生産できるようになると、この生産設備30で生産されたガス燃料で発電できるようになり、ガス燃料の効果的な利用ができるようになる。
また、二元燃料ディ−ゼル発電機は、ガスタービン発電機よりも給排気の設備の自由度が高いので、その結果、第2グループの発電設備50の設置場所の選定の自由度を大きく広げることができ、この第2グループの発電設備50を上甲板3の上の生産設備用区域Rp以外の安全区域Rsに容易に配置することができるようになる。
また、第2グループの発電設備50で発電する電力でカーゴオイルポンプ(COP)などの荷役用設備(図示しない)やその他の設備を駆動できるように構成すると、生産設備30に給電する第1グループの発電設備40の影響を受けることなく要求性能を把握するための性能検証(コミッショニング)作業を行うことが可能となる。言い換えれば、第1グループの発電設備40の完成を待たずに、第2グループの発電設備50が使用可能であれば、荷役設備や居住区用設備60や場合によっては、後述する推進用設備などの生産設備30に直接関係しない設備における要求性能の把握と検証を行うことができるようになる。
また、第2グループの発電設備50で緊急時に荷役設備を稼働させる電力を供給するように構成すると、発電設備40、50とその設置場所を用途別に分けたことで、安全区域Rsの第2グループの発電設備50で、緊急荷役用(Emergency Offloading用)の発電機を兼用できるので、この緊急荷役用の発電機を削減できる。
さらに、第1グループの発電設備40と第2グループの発電設備50とを電気的に接続する接続先変更機構81を有しており、この接続先変更機構81が、第1グループの発電設備40と第2グループの発電設備50の両方の並列運転による相互間の電力の融通、または、どちらか一方の発電設備40(又は50)の運転による他方の発電設備50(又は40)による給電の全部若しくは一部を肩代わりする給電(フィードバック給電)に切り替える構成を有して構成されている。
言い換えると、緊急時の対応として、生産設備用区域Rpと生産設備用区域Rp以外の安全区域Rsに配置した第1及び第2グループの発電設備40、50同士の並列運転、及びフィードバック給電ができるように構成する。
これにより、一方のグループの発電設備40(又は50)に支障が生じたり、生産設備30に故障や事故が発生したりする場合の緊急時や、これらの発電設備40、50の一部が保守点検中に予定外の給電量が必要になった場合においても、相互給電可能となり、十分な給電体制を確保することができる。
つまり、どちらかの一方のグループの発電設備40(又は50)の一部が故障しても互いに補え合える構成となり、緊急時に柔軟に対応することができる。特に、居住区用設備60への給電用の第2グループの発電設備50が故障しても、居住区6aへの送電を優先して行うことができ、生産設備30に作業する作業員の安全や健康維持のための環境を維持できる。
そして、より具体的には、生産設備30で要求される電力に対応できるように、第1グループの発電設備40の発電容量を50MW〜200MWに、また、生産設備以外の設備で要求される電力に対応できるように、第2グループの発電設備50の発電容量を5MW〜30MWにして構成されている。
例えば、全長が300m程度の浮体式洋上設備1Aでは、居住区用設備60では1MW〜2MW、荷役用設備では1MW〜2MWの電力が必要である。なお、カーゴポンプ用には5MW〜6MWの電力が必要である。これらを考慮して、第2グループの発電設備50の発電容量を7MW〜10MW+5MW(余裕分:左記の7MW〜10MWの半分程度)の発電容量、または、生産設備以外の設備が必要とする電力の1.5倍程度の発電容量とする。浮体式洋上設備1Aが電気推進システムを有する場合は、後述するように、更にその必要分が加わる。
そして、図3に示すように、第2グループの発電設備50をさらに複数の発電設備50A、50Bで構成して、この複数の発電設備50A、50Bが2ヶ所以上に分離されて配置されていると、第2グループの一方の発電設備50A(又は50B)に支障が生じたり、この一方の発電設備50A(又は50B)が配置されている区域に故障や事故が発生したりする場合の緊急時や、これらの発電設備50A(又は50B)の一部が保守点検中に予定外の給電量が必要になった場合においても、十分な給電体制を確保することができる。なお、図3では、機械室5の内部の発電設備50Aは、2つの発電装置51a、51bを備え、船首部8の上甲板3fの上に配置された発電設備50Bは、2つの発電装置51c、51dを備えている。
つまり、第2グループの発電設備50のどちらかの一方の発電設備50A(又は50B)が故障しても互いに補え合える構成となる。その上、第2グループの発電設備50を配置する場所に関して、1ヶ所当たりのスペースを削減することができるようになる。また、分離配置した場合においても第2グループの発電設備50を構成するそれぞれの発電設備50A、50Bを電気的に接続し、相互給電する構成にすることが好ましい。
そして、第2グループの発電設備50の配置場所としては、機械室5、生産設備用区域Rpよりも船尾側の上甲板3aの上、生産設備用区域Rpよりも船首側の上甲板3fの上、生産設備用区域Rpよりも船首側の船体内部、生産設備用区域Rpよりも船尾側の船体内部、上部構造物6の内部、上部構造物6の上方のいずれか1か所又はいくつかの組み合わせの箇所を選択することができる。例えば、具体的には、荷役用設備&カーゴオイルポンプ用発電装置と、居住区&その他用発電装置とに分離し、前者を船尾部4の上甲板3aの上に配置し、後者を機械室5に配置する。
また、この分離配置する場合には、居住区用設備60は1MW〜2MW、積出設備用は1MW〜2MW、カーゴポンプ用は5MW〜6MWの発電能力を具備する発電装置をそれぞれ適宜組み合わせて分離配置する。
そして、図4及び図5に示すように、第2の実施の形態の浮体式洋上設備1Bでは、船体2の船尾部4側に電気推進システム20を備えており、この電気推進システム20は、安全区域Rsの機械室(推進器を備えた場合は「機関室」と呼ばれることが多い)5に配置され、プロペラ(推進器)21が船尾部4の後方側に突き出したプロペラ回転軸(推進軸)21aの後端に取り付けられており、このプロペラ回転軸21aを回転する電動機(推進モータ)22が機関室5内に配置されている。また、プロペラ21の後方には舵23が配置され、この舵23を駆動する舵取機24が舵23の上方に配置されている。なお、浮体式洋上設備1Bが一時的にせよ自航する場合には上部構造物6の居住区6aの上部に航海設備25を装備した船橋6bを恒久的又は一時的に設けて、移動用に利用する。
つまり、プロペラ21とこのプロペラ21や舵23を駆動する電気推進システム20と航海設備25を備えると共に、電気推進システム20と航海設備25を稼働させる電力を第2グループの発電設備50から供給するように構成する。言い換えれば、船尾部4の外部にプロペラ21と舵23を、船尾部4の内部の機械室5に、推進モータ22と舵取機24等を装備するとともに上部構造物6の一部の船橋(ブリッジ)6bを設け、この船橋6bに航海設備25を装備し、第2グループの発電設備50を電気推進システム20や航海設備25の電源として利用する。この電気推進システム20の電源としては、例えば、全長が300m程度の浮体式洋上設備1Bの場合は船内負荷も含めて10〜30MW程度の電力が必要である。
なお、電力消費の面から考えると、電気推進システム20に対応できるように、第2グループの発電設備50の発電容量を10〜30MWとするのが好ましい。
従って、第1の実施の形態の浮体式洋上設備1Aのように自らの移送手段を持っていない場合には、浮体式洋上設備1Aを生産現場まで曳航するか、重量運搬船により移送する必要が生じるので、長距離の移動が生じる場合には、例えば、浮体式洋上設備1Aをアジアで建造して、ブラジルで設置する場合等では、初期移送費用が非常に高くつくことになってしまう。しかしながら、この構成により、第2の実施の形態の浮体式洋上設備1Bは自航可能になり、曳航や重量運搬船による移送が不要になるので、初期移送費用を安くすることができる。
また、浮体式洋上設備1Bを移動させるときには、必ずしも、第1グループの発電設備40が搭載されていない状態での航行となるので、上記の第2グループの発電設備50による電気推進システム20により、第1グループの発電設備40の完成を待たずに航行することが可能となる。
また、生産設備以外の設備へ給電のための第2グループの発電設備50を荷役用設備と推進用設備の両方に給電できるように構成することにより、第2グループの発電設備50を荷役用設備と推進用設備の両方に兼用及び共用することが可能となり、さらにこの両方の設備が同時に使用されることは無いため、発電プラント全体の小型化を図ることができる。
そして、この推進用設備を浮体式洋上設備1Bに対して着脱可能に構成してあると、言い換えれば、これらの推進用設備と航海設備25などは、仮に浮体式洋上設備1Bを設置場所までの一時的な自航に利用する場合は、この移動時のみに一時的に設けて、設置場所への移動後、あるいは、設置場所での稼働中は、取り外して、他の浮体式洋上設備1Bに使用可能に構成すると、全体としての設備費用の低減を図ることができる。
また、これらの推進用設備を航行時以外では取り外すことで、そのスペースを有効利用することができる。また、基本的な構成が同じ浮体式洋上設備1Bであっても、設置場所までの移動経路が異なる場合には、航海する際の条件によって、この推進用設備の種類や大きさ(容量)を変更することもできる。その上、万一、推進用設備の一部が故障した際に修繕や交換が容易にできる。
なお、推進用設備、航海設備25の各構成機器のいずれを着脱可能にするかは、浮体式洋上設備1Bの移動時と稼働時の割合や着脱可能な構成の部分における着脱の容易性などによる。例えば、プロペラ21は、一般的に、特殊な材料と精密加工がなされるので、高価であり、また、プロペラ回転軸(推進軸)21aに着脱可能に取り付けられているので、移動が不要になった時点では取り外されることが多い。
更に、浮体式洋上設備1Bが稼働時における位置保持用の推進装置等を備えている場合には、この自航用の推進用設備に使用する電力を、この位置保持用装置に使用することで、第2グループの発電設備50を効率よく使用することができる。
また、図6に示すように、第3の実施の形態の浮体式洋上設備1Cにおいては、危険区域Rdを除いた安全区域Rsに配置されている臨時用発電設備(Temporary発電設備)70を備えていると、つまり、臨時用発電設備70を装備し、発電設備40、50、70の全体としての発電容量を変更できるように構成する。
具体的には、臨時用発電設備70は、例えば、船尾部4の上甲板3aの上(図6の構成)や船首部8の上甲板3fの上や船首部8の船体内部に設置される。また、この臨時用発電設備70は、浮体式洋上設備1Cの出港前に備え付けてもよく、出港後に追加して配置してもよい。
これにより、必要とされる電力の容量が一時的に増加する場合や予期せぬ発電機の故障などの緊急時に、一時的に発電容量を補助できるので、これに対応することができるようになる。例えば、生産現場までの航行時などのように一時的に電力を要するオペレーションに対しても、柔軟に対応することができる。また、生産量を増加するために第1グループの発電設備40の発電能力を高めたい場合や、居住区6aを増設したりして、第2グループの発電設備50に要求される電力が増加した場合等にも対応できる。
より具体的には、この臨時用発電設備70の発電容量は5MW〜25MWに構成される。これにより、臨時用発電設備70により十分な補助電力を供給できるようになる。
この臨時用発電設備70が第1グループの発電設備40と第2グループの発電設備50のいずれか一方または両方と電気的に接続する接続先切替機構82を有して構成されている。この接続先切替機構82は、第1グループの発電設備40と第2グループの発電設備50と臨時用発電設備70の並列運転による第1グループの発電設備40と第2グループの発電設備50のいずれか一方または両方への電力の供給、または、臨時用発電設備70の運転による、第1グループの発電設備40と第2グループの発電設備50のいずれか一方または両方による給電の全部若しくは一部を肩代わりする給電(フィードバック給電)に切り替えるように構成される。
言い換えると、緊急時の対応として、生産設備用区域Rp以外の安全区域Rsに配置した臨時用発電設備70により、第1及び第2グループの発電設備40、50との並列運転、及びフィードバック給電ができるように構成すると、次のような効果を得ることができる。
つまり、第1又は第2グループの発電設備40、50に支障が生じたり、生産設備30に故障や事故が発生したりする場合の緊急時や、これらの発電設備40、50の一部が保守点検中に予定外の給電量が必要になった場合においても、臨時用発電設備70による給電補充可能となり、十分な給電体制を確保することができる。つまり、臨時用発電設備70の設置により、実質的に第1グループの発電設備40および/または第2グループの発電設備50の発電容量を変更でき、リスクをさらに低減できる。
これにより、どちらかの一方のグループの発電設備40(又は50)の一部が故障しても臨時用発電設備70により電力を補うことができる構成となり、緊急時に柔軟に対応することができる。特に、浮体式洋上設備1Cが自航で電力を増して航行する場合に、一時的に大容量の電力を必要とする場合があるが、このようなときでも、柔軟に対応することができる。
また、第1グループの発電設備40と第2グループの発電設備50とは電気的な接続を恒常的にはしないでおき、緊急時に個々の設備に配線し、直接電力を供給する構成にすることもできる。この場合には、臨時用発電設備70として比較的小型の発電機を複数用意して適宜必要となった発電設備40、50の近くに設置できるようにする。この場合は、配線や着脱が容易となるので、緊急時の対応を迅速に行うことができる。
上記の第1〜第3の実施の形態の本発明の浮体式洋上設備1A〜1Cによれば、大規模となる浮体式洋上設備1A〜1Cの発電設備40、50を用途別に分けて生産設備30への給電用の第1グループの発電設備40と生産設備以外の設備への給電用の第2グループの発電設備50とし、さらに、上甲板3の上の生産設備用区域Rpとこの生産設備用区域Rp以外の安全区域Rsに分散配置することで、上甲板3の上の生産設備用区域Rpの発電設備用のスペースを減少することができて、洋上設備としての生産のための設備用のスペースを増大することができるとともに、発電設備40、50における電力系統のトラブルが生じた際のリスクを分散することができる。
つまり、生産設備30への給電系統である第1グループの発電設備40にトラブルが起こっても、第2グループの発電設備50によって、生産設備以外の設備や機器、例えば、荷役用設備や居住区用設備60に対して引き続き給電を行うことが可能となる。また、浮体式洋上設備1Bのようにプロペラ21やそのプロペラ21を駆動する推進モータ22を備えた場合には、この第2グループの発電設備50を推進モータ22用の発電機としても使用できるため、この推進モータ22を用いて自航する場合の設備費用を削減することが可能となる。
次に、本発明の実施の形態の浮体式洋上設備の電力供給方法について説明する。この浮体式洋上設備の電力供給方法は、発電設備40、50によって電力が供給される生産設備30と生産設備以外の設備を備えて、洋上に位置保持された状態で使用される浮体式洋上設備の電力供給方法であり、この方法において、発電設備40、50を、生産設備30に電力を供給し、かつ、上甲板3の上の生産設備用区域Rp内に配置されている第1グループの発電設備40から生産設備30に電力を供給するとともに、生産設備用区域Rp以外の安全区域Rsに配置されている第2グループの発電設備50から生産設備以外の設備に電力を供給する。
この実施の形態の浮体式洋上設備の電力供給方法によれば、大規模となる浮体式洋上設備1A〜1Cの発電設備40、50を用途別に分けて分散配置した発電設備40、50から用途別に給電することで、上甲板3の上の生産設備用区域Rpの発電設備40の電力容量を小さくして、この発電設備40の設置用のスペースを減少できて、生産のための設備用のスペースを増大できると共に、これらの発電設備40、50における電力系統のトラブルが生じた際のリスクを分散することができる。
本発明の浮体式洋上設備、及び、浮体式洋上設備の電力供給方法によれば、大規模となる浮体式洋上設備の発電設備を用途別に分けて、上甲板の上の生産設備用区域とこの生産設備用区域以外の安全区域に分散配置することで、上甲板の上の生産設備用区域の発電設備用のスペースの減少と、洋上設備としての生産のための設備用のスペースの増大を図ることができ、また、発電設備における電力系統のトラブルが生じた際のリスクを分散できるので、浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備(FPSO)、浮体式貯蔵積出設備(FSO)、浮体式貯蔵設備(FSU)、LNGを扱う液化貯蔵積出設備(LNG-FPSO)、LPGを扱うFLPG(LPG-FPSO)、浮体式貯蔵再ガス化設備(FSRU)などの浮体式洋上設備、及び、浮体式洋上設備の電力供給方法に利用できる。
1A〜1C 浮体式洋上設備
2 船体
3 上甲板
3a 船尾部の上甲板
3f 船首部の上甲板
4 船尾部
5 機械室(機関室)
6 上部構造物
6a 居住区
6b 船橋(ブリッジ)
7 貨物倉
8 船首部
20 電気推進システム(推進用設備:生産設備以外の設備)
21 プロペラ(推進器)
21a プロペラ回転軸(推進軸)
22 電動機(推進モータ)
23 舵
24 舵取機
25 航海設備
30 生産設備
40 第1グループの発電設備
41a、41b、41c、41d 発電装置
50、50A、50B 第2グループの発電設備
51a、51b 発電装置
60 居住区用設備
70 臨時用発電設備(Temporary発電設備)
81 接続先変更機構
82 接続先切替機構
Rp 生産設備用区域
Rd 危険区域
Rs 安全区域

Claims (8)

  1. 発電設備によって電力が供給される生産設備と該生産設備以外の設備を備えて、洋上に位置保持された状態で使用される浮体式洋上設備において、
    前記発電設備を、前記生産設備に電力を供給し、かつ、上甲板の上の生産設備用区域内に配置されている第1グループの発電設備と、前記生産設備以外の設備に電力を供給し、かつ、前記生産設備用区域以外の安全区域に配置されている第2グループの発電設備とで構成していることを特徴とする浮体式洋上設備。
  2. 前記第1グループの発電設備と前記第2グループの発電設備とを電気的に接続する接続先変更機構を有して構成されていると共に、前記接続先変更機構が、前記第1グループの発電設備と前記第2グループの発電設備の両方の並列運転による相互間の電力の融通、または、どちらか一方の前記発電設備の運転による他方の発電設備による給電の全部若しくは一部を肩代わりする給電に切り替える構成を有することを特徴とする請求項1に記載の浮体式洋上設備。
  3. 前記第2グループの発電設備の発電容量が5MW〜30MWに構成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の浮体式洋上設備。
  4. 前記第2グループの発電設備が複数の発電設備で構成されており、この複数の発電設備が2ヶ所以上に分離されて配置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の浮体式洋上設備。
  5. 推進器と該推進器を駆動する推進設備と航海設備を備えると共に、前記推進設備と前記航海設備を稼働させる電力を前記第2グループの発電設備から供給する構成であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の浮体式洋上設備。
  6. 当該浮体式洋上設備が、危険区域を除いた安全区域に配置されている臨時用発電設備を備えていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の浮体式洋上設備。
  7. 当該浮体式洋上設備が、浮体式海洋石油・ガス生産貯蔵積出設備、浮体式貯蔵積出設備、浮体式貯蔵設備、LNGを扱う液化貯蔵積出設備、LPGを扱うFLPG、浮体式貯蔵再ガス化設備のいずれか一つであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の浮体式洋上設備。
  8. 発電設備によって電力が供給される生産設備と該生産設備以外の設備を備えて、洋上に位置保持された状態で使用される浮体式洋上設備の電力供給方法において、
    前記発電設備を、前記生産設備に電力を供給し、かつ、上甲板の上の生産設備用区域内に配置されている第1グループの発電設備から前記生産設備に電力を供給するとともに、前記生産設備用区域以外の安全区域に配置されている第2グループの発電設備から前記生産設備以外の設備に電力を供給することを特徴とする浮体式洋上設備の電力供給方法。
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