JP2019108082A - 洋上浮体式設備、洋上浮体式設備の建造方法、洋上浮体式設備の設計方法、及び洋上浮体式設備への改造方法 - Google Patents

洋上浮体式設備、洋上浮体式設備の建造方法、洋上浮体式設備の設計方法、及び洋上浮体式設備への改造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】40,000m3〜60,000m3の中規模容積である液化ガス貯蔵設備を備えた洋上浮体式設備、洋上浮体式設備の建造方法、洋上浮体式設備の設計方法、及び洋上浮体式設備への改造方法を提供する。【解決手段】洋上浮体式設備1の船長方向の長さに関して、前方貨物区域R1と後方貨物区域R2とガス処理用区域R3との合計長さを、前方貨物区域R1と後方貨物区域R2との合計長さの1.5倍以上2.0倍以下に形成し、前方貨物区域R1と後方貨物区域R2とにそれぞれMOSS型の低温液化ガスタンクで形成した貨物タンク11を1基ずつ搭載するとともに、前方貨物区域R1の前方又は後方貨物区域R2の後方に貨物機械室13を配置し、前方貨物区域R1の前方又は後方貨物区域R2の後方又は前方貨物区域R1と後方貨物区域R2の間の上甲板4の上にガス処理用区域R3を配置する。【選択図】図1

Description

本発明は、洋上浮体式設備、洋上浮体式設備の建造方法、洋上浮体式設備の設計方法、及び洋上浮体式設備への改造方法に関し、より詳細には、液化ガスの生産及び/又は積出を中規模で行う洋上設備として適した40,000m3〜60,000m3の中規模容積である液化ガス貯蔵設備を備えた洋上浮体式設備の建造方法、洋上浮体式設備の設計方法、及び洋上浮体式設備への改造方法に関する。
液化天然ガス(以下、LNG)の生産や積出を行う液化ガス貯蔵設備を備えた洋上浮体式設備(以下、洋上浮体式設備)としてFPSO(浮体式石油・ガス生産貯蔵積出設備)やFSRU(浮体式LNG貯蔵再ガス化設備)が知られている。
FPSOは、石油・ガスの生産設備を備え、長期間に亘って特定の洋上設置場所に位置保持された状態で、石油・ガスを生産しているが、ガスを生産する場合には、生産したガスを液化ガス生産設備によって液化して設備内の貨物タンクに貯蔵して、直接輸送タンカーへの積出を行う洋上浮体式設備である。FSRUは、LNGタンカーで生産地から運ばれてきたLNGを消費地に近い沖合で受け入れ、液体のLNGを再ガス化設備によって気体に戻して、気化した天然ガスをパイプラインや小型タンカーで消費地へ送るための洋上浮体式設備である。
従来、FPSOやFSRU等の洋上浮体式設備としては、大量生産及び大量消費を目的とする大規模な洋上浮体式設備(125,000m3〜260,000m3程度)を中心に計画や建造が進められてきている。しかしながら、一方で世界には、洋上浮体式設備は必要であるものの、既存の大規模な洋上浮体式設備ほどの生産量や消費量を必要としない地域が多くあり、そのような地域においては、中規模の40,000m3〜60,000m3程度の液化ガスの生産及び/又は積出を行える洋上浮体式設備の需要が生じている。しかし、実際には、単位ガス処理量当たりの設備費用が現状の大型の洋上浮体式設備に比べて不利になると考えられているために、中規模の洋上浮体式設備はほとんど計画されていない。
また、このような中規模の洋上浮体式設備では、液化ガスを入れた貨物タンクにおいて、満載から空までの中間の積載量である期間が多いと考えられるため、スロッシングに強く、半載の制限のない自立型タンクを用いることが望ましい。しかし、自立型タンクの代表であるMOSS型のタンクを用いる場合には、球形のタンクの上側が上甲板より上に突設され、平坦なデッキ面を広く取れないため、ガス処理システムとして大型のガス処理設備は搭載できないと考えられていた。
これに関連して、採掘された天然ガスから液化ガスを生成するプラントと、液化ガスを貯蔵する、球形タンクの第1タンクと、第1タンクの種類と異なるメンブレンタンクの第2タンクとを含む複数のタンクと、プラントと複数のタンクとを支持する浮体と、第1タンクと第2タンクとの間で液化ガスを詰め替える輸送システムとを具備した浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
この浮体式液化天然ガス生産貯蔵積出設備では、プラントは、上甲板のうちの第2タンクが配置される領域に配置されて、液化ガスをプラントから第1タンクに輸送してから、この第1タンクから第2タンクに輸送し、複数のタンクから浮体に係船されるタンカーに輸送している。
しかしながら、タンクのスロッシング防止のためにタンク間での詰め替えを行ったり、メンブレンタンクの第2タンクの上をプラントスペースとしたりするために、複数のタイプのタンクを搭載する場合には、構造及び輸送方法が複雑化する。また、メンブレンタンクの第2タンクではスロッシング対策のために満載又は空にすることが好ましいので、液化ガスの積載量の変化への対応は球形タンクの第1タンクのみとなり、比較的ガス搭載量の変化が多い中規模の洋上浮体式設備には向かないという問題がある。
一方、洋上浮体式設備の船体の基本設計では、既存のタンカー船を参考にすることや、既存のタンカー船を改造して洋上浮体式設備にすることが行われている。この洋上浮体式設備に改造されたり、建造時に基本設計を参考にされたりする、従来のタンカー船において、3タンク型のタンカー船(LNG搬送船)がある。
図13及び図14に例示するように、3タンク型のタンカー船の中には、球形をしたMOSS型のタンクが3基搭載されているタンカー船がある。MOSS型のタンクはスロッシングが発生し難く、タンクを半載状態にした状態で運航できるため、中規模の液化ガスの生産及び/又は積出を行える洋上浮体式設備に適している。そのため、図13及び図14に例示するような従来の3タンク型のタンカー船の基本設計を維持したまま全体的にサイズを縮小することによって、中規模の液化ガス貯蔵設備を備えた洋上浮体式設備を建造する方法が考えられる。
しかしながら、実際には、MOSS型のタンクは、球形のタンクの上側が上甲板の上に大きく突出した状態になるため、上甲板上(デッキ面)に自由に設備を設置できる平坦(フラット)なスペースは少ない。そのため、中規模の液化ガス貯蔵設備とするために3基のタンクの大きさをそれぞれ縮小させたとしても、従来の3タンク型の基本構成のままでは、小型のガス処理設備しか設置することができず、洋上浮体式設備としての生産性は低くなる。
また、一方で、十分な生産性を有するガス処理設備を設置しようとすると、従来の3タンク型の基本構成のままでは、上甲板上に十分なスペースを確保することができない。そのため、ガス処理設備を配置するガス処理用区域のスペースを十分に確保するには、洋上浮体式設備の船体の船長を大きくせざるを得ない。しかしながら、洋上浮体式設備の船長を長くするとなると、洋上浮体式設備としてのサイズも大きくなるとともに、洋上浮体式設備としての建造価格も大きく上昇してしまう。
特開2011−230550号公報
本発明は、上記の状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、ガス生産基地及び/又は再ガス化基地としての機能を有し、液化ガスの生産及び/又は積出、あるいは、液化ガスの再ガス化及び/又は中継を中規模で行う設備として適した40,000m3〜60,000m3の中規模容積である液化ガス貯蔵設備を備えた洋上浮体式設備、洋上浮体式設備の建造方法、洋上浮体式設備の設計方法、及び洋上浮体式設備への改造方法を提供することにある。
上記のような目的を達成するための本発明の洋上浮体式設備は、貨物タンクを搭載している貨物区域と、液化ガス生産設備及び/又は再ガス化設備から構成されるガス処理設備を搭載しているガス処理用区域と、貨物機械室と、一部又は全部を上甲板上に設けている居住区とを備えた洋上浮体式設備であって、前記貨物区域として、MOSS型の低温液化ガスタンクで形成した前記貨物タンクを1基ずつ搭載している前方貨物区域及び後方貨物区域を有し、当該洋上浮体式設備の船長方向の長さに関して、前記前方貨物区域と前記後方貨物区域と前記ガス処理用区域との合計長さが、前記前方貨物区域と前記後方貨物区域との合計長さの1.5倍以上2.0倍以下であり、前記前方貨物区域よりも前方、又は、前記後方貨物区域よりも後方、に前記貨物機械室を配置し、前記前方貨物区域の前方、又は、前記後方貨物区域の後方、又は、前記前方貨物区域と前記後方貨物区域の間、の上甲板の上に前記ガス処理用区域を配置している状態に構成される。
この構成によれば、本発明の洋上浮体式設備は、洋上浮体式設備に求められるタンクの貯蔵容量を従来の3タンク型のタンカー船のように3基の貨物タンクで構成するのではなく、2基の貨物タンクで構成しているので、洋上浮体式設備のサイズに対して上甲板上の平坦なスペースを広く確保できる。即ち、従来の3基の貨物タンクで構成する場合に比して、貨物タンク1基当たりの貯蔵容量(サイズ)を大きくして、1基の貨物タンクをそれぞれ搭載した前方貨物区域及び後方貨物区域で、2基の貨物タンクの貨物区域を構成することによって、洋上浮体式設備の船体の船長を長くすることなく、上甲板上の平坦なスペースを広く確保することが可能となる。
そして、この上甲板上の平坦なスペースに液化ガス生産設備及び/又は再ガス化設備から構成されるガス処理設備を配置するガス処理用区域を設けることにより、中規模のガス生産基地及び/又は再ガス化基地としての機能を有した洋上浮体式設備を実現することができる。
つまり、本発明の洋上浮体式設備の構成によれば、液化ガスの生産及び/又は積出、あるいは、液化ガスの再ガス化及び/又は中継を中規模で行う設備として適した40,000m3〜60,000m3の中規模容積である液化ガス貯蔵設備を備えた洋上浮体式設備を実現することができるので、中規模の洋上浮体式設備を必要としている地域における液化ガスの生産及び/又は積出、あるいは、液化ガスの再ガス化及び/又は中継の効率化を図ることができる。
また、スロッシングが発生し難く、半載状態で運航可能なMOSS型の貨物タンクを2基搭載しているので、このMOSS型の貨物タンクの採用により、液化したガス液によるスロッシング問題を解決できる。その結果、タンク半載状態での運行や液化ガスの生産及び/又は積出、あるいは、液化ガスの再ガス化及び/又は中継が可能になり、比較的ガス搭載量の広範な変化への対応が十分にでき、汎用性の高い洋上浮体式設備となる。
上記の洋上浮体式設備においては、貨物機械室、後方貨物区域、前方貨物区域、ガス処理用区域、居住区の配置に関して、下記のような配置による構成が考えられ、それぞれ、以下のような効果を得ることができる。
第1の構成は、当該洋上浮体式設備の後方から前方に向かって、前記貨物機械室、前記後方貨物区域、前記前方貨物区域、前記ガス処理用区域、前記居住区の順の配置の構成である。第2の構成は、当該洋上浮体式設備の後方から前方に向かって、前記貨物機械室、前記ガス処理用区域、前記後方貨物区域、前記前方貨物区域、前記居住区の順の配置の構成である。第3の構成は、当該洋上浮体式設備の後方から前方に向かって、前記貨物機械室、前記後方貨物区域、前記ガス処理用区域、前記前方貨物区域、前記居住区の順の配置の構成である。
また、第4の構成は、当該洋上浮体式設備の後方から前方に向かって、前記居住区、前記貨物機械室、前記後方貨物区域、前記前方貨物区域、前記ガス処理用区域の順の配置の構成である。第5の構成は、当該洋上浮体式設備の後方から前方に向かって、前記居住区、前記貨物機械室、前記ガス処理用区域、前記後方貨物区域、前記前方貨物区域の順の配置の構成である。第6の構成は、当該洋上浮体式設備の後方から前方に向かって、前記居住区、前記貨物機械室、前記後方貨物区域、前記ガス処理用区域、前記前方貨物区域の順の配置の構成である。
そして、第1〜第6の構成では、貨物区域と貨物機械室とガス処理用区域を洋上浮体式設備の船長方向の中央寄りに集中させて配置することで、貨物区域から貨物機械室とガス処理用区域にそれぞれ敷設されるガス配管が居住区の横を通らない構成となり、居住区の安全性が高くなる。
第1、第2及び第3の船首に居住区を設ける構成では、例えば、洋上浮体式設備に推進装置や推進器が設けられる場合には、前方(船首側)にある居住区が後方(船尾側)にある推進装置や推進器から離れた位置に配置されるので、推進装置や推進器から生じる騒音や振動が居住区まで伝わり難くなる。それ故、居住区を快適な空間にすることができる。また、居住区の振動対策が容易となるので居住区の鋼材重量を軽減することもできる。その上、船橋を居住区の最上部に設ける場合には、船橋の前方視界を広く確保できる。
一方、第4、第5及び第6の船尾に居住区を設ける構成では、居住区を後方(船尾)に配置することで、海象及び気象条件が厳しい場合には、洋上浮体式設備は船首部(前方)を波の入射方向に向けてこの波と風を凌ぐが、このような荒天時の場合においても、居住区が船首部を超えてくる波に見舞われることがなくなり、荒天時でも居住区を快適な空間に維持することができる。言い換えれば、これらの構成は、洋上浮体式設備の設置場所が海象及び気象条件が厳しい場所である場合に適している。
また、第1及び第5の構成では、ガス処理用区域と居住区との間に貨物区域を介在させずに、ガス処理用区域と居住区とを近い位置に配置することで、ガス処理用区域と居住区との間の作業員の移動距離を短くすることができ、作業員の作業効率も向上する。
一方、第2、第3、第4、及び、第6の構成によれば、後方貨物区域及び/又は前方貨物区域によってガス処理用区域と居住区とが隔離された状態になるので、ガス処理用区域から生じる騒音や振動が居住区まで伝わり難くなり、居住区は快適な空間となる。
また、第1及び第4の構成では、貨物区域に対して貨物機械室とガス処理用区域とをそれぞれ近い位置に配置することで、貨物区域の貨物タンクから、貨物機械室に設置された荷役ポンプなどの補機と、ガス処理用区域に搭載されているガス処理設備と、にそれぞれ敷設されるガス配管の敷設長さを短くすることができる。これにより、ガス配管からのガスの漏洩の可能性を低減するには有利になる。また、動力供給電線などの電線導設も容易になる。
さらに、第3及び第6の構成では、後方貨物区域と前方貨物区域との間にガス処理用区域を配置することで、それぞれの貨物区域の貨物タンクから、ガス処理用区域に搭載されているガス処理設備に敷設されるガス配管の敷設長さを短くすることができる。これにより、ガス配管からのガスの漏洩の可能性を低減するには有利になる。また、後方貨物区域と前方貨物区域との間にガス処理用区域を配置することで、洋上浮体式設備の前後方向の重量バランスを均等にし易くなり、洋上浮体式設備のスタビリティ(安定性や復原力)を向上させるには有利になる。
上記の洋上浮体式設備において、船橋と、推進器と、該推進器を駆動する推進装置と、航海設備とを備え、前記船橋を前記居住区に配置している状態に構成すると、洋上浮体式設備は自走できるようになるので、洋上浮体式設備を生産現場等に移動させる際に曳航や重量物運搬船による移送を行う必要がなくなり、移送費用を低く抑えることができる。
一方で、上記の洋上浮体式設備において、船橋と、推進器と、該推進器を駆動する推進装置と、航海設備とを備え、前記船橋を、前記貨物機械室、前記後方貨物区域、前記前方貨物区域、前記ガス処理用区域、及び前記居住区よりも前方に配置している状態に構成した場合にも、洋上浮体式設備は自走できるようになるので、洋上浮体式設備を生産現場等に移動させる際に曳航や重量物運搬船による移送を行う必要がなくなり、移送費用を低く抑えることができる。
さらに、この構成では、船橋が貨物タンクよりも船体の前方に配置されることになるので、背の高い貨物タンクが船橋からの前方見通しの邪魔にならなくなり、前方視界を良好に確保でき、操船性を向上させることができる。また、この前方視界の観点から、船橋を船尾側に配置する場合に比べて、船橋の高さを低くすることができる。その結果、エアドラフトが小さくなるので、洋上浮体式設備が航行できる範囲が拡大して、この洋上浮体式設備としての汎用性を高めることができる。例えば、エアドラフトが低くなることにより、2港以上の重要な港(例えば、フランスのモントアール港やアメリカ合衆国のエバレット港等)に入港が可能となる。
また、例えば、レーダーを前方に配置された船橋の上部に設けると、レーダーを機関室の上にあって振動を受け易い船尾側の上部に設ける場合よりも振動が小さくなり、レーダーの防振対策が容易となるので好ましく、レーダーにタンクカバーの偽像写りこみが生じる不具合も回避できる。
さらに、居住区とは別に船橋を前方に配置することで、後方に配置される居住区の高さを低くできる。居住区の高さを低くすると、居住区の振動が軽減されるため、防振対策のための鋼材重量を軽減することができ、その分載荷重量を増加できる。さらに、居住区の高さを低くすることで、係留中の風圧力による影響が少なくなるので、係留用艤装品を小さくすることができ、その分載荷重量を増加できる。また、煙突の高さも低くできるので、煙突の使用材料を減少でき、その分載荷重量を増加できる。
上記の洋上浮体式設備において、機関室の上側の一部又は全部に前記貨物機械室を配置している状態に構成すると、次のような効果を得ることができる。なお、この機関室の上側の一部又は全部に貨物機械室を配置しているとは、機関室の天井の一部が貨物機械室の床になる場合と機関室の天井の全部が貨物機械室の床になる場合とを含んでいる。
この貨物機械室を機関室の上側の一部又は全部に配置する構成によれば、燃料ガスを移送するための設備が格納された貨物機械室を、燃料ガスを使用する主機や発電設備が納められた機関室の直上に配置するので、天然ガス等の液化ガスを燃料として使用するために設けられる燃料ガス配管を、貨物機械室から一度外に出てから直下の機関室へ導く構成だけでなく、貨物機械室からその直下にある機関室へ直ちに導く構成を採用することもできるようになる。
その結果、貨物機械室から機関室の主機に至る高圧の燃料ガス配管の敷設長さを短くすることができるので、燃料ガスの漏洩の可能性が低くなり、高圧の燃料ガスの漏洩による爆発及び人体への受傷や危険性を軽減することができる。しかも、防食対策の範囲も小さくなり、動力供給電線などの電線導設も容易になる。また、居住区の横を高圧の燃料ガス配管が通らない構成のため、ガス漏洩時に、危険な燃料ガスが居住区に侵入して爆発したり、高圧の燃料ガスが直接乗組員を負傷させたりする可能性を著しく低下させることができる。
上記の洋上浮体式設備において、前記貨物タンクの一基当たりのタンク容積が20,000m3以上30,000m3以下であり、かつ、前記貨物タンクの合計搭載容積が40,000m3以上60,000m3以下である状態に構成すると、既存の大型の洋上浮体式設備ほどの生産量や消費量を必要としないが、中規模の洋上浮体式設備を必要としている地域の需要に応えた、液化ガスの生産及び/又は積出、あるいは、液化ガスの再ガス化及び/又は中継を中規模で行える洋上浮体式設備となり、この中規模の洋上浮体式設備を必要としている地域における液化ガスの生産及び/又は積出、あるいは、液化ガスの再ガス化及び/又は中継の効率化を図ることができる。
上記の目的を達成するための洋上浮体式設備の建造方法は、貨物タンクを搭載している貨物区域と、液化ガス生産設備及び/又は再ガス化設備から構成されるガス処理設備を搭載しているガス処理用区域と、貨物機械室と、一部又は全部を上甲板上に設けている居住区とを備えた洋上浮体式設備の建造方法であって、当該洋上浮体式設備の船長方向の長さに関して、前記貨物タンクが1基ずつ搭載される前方貨物区域及び後方貨物区域と、前記ガス処理用区域との合計長さを、前記前方貨物区域と前記後方貨物区域との合計長さの1.5倍以上2.0倍以下に形成して、前記前方貨物区域と前記後方貨物区域とにそれぞれMOSS型の低温液化ガスタンクで形成した前記貨物タンクを1基ずつ搭載する工程と、前記前方貨物区域の前方、又は、前記後方貨物区域の後方、に前記貨物機械室を配置する工程と、前記前方貨物区域の前方、又は、前記後方貨物区域の後方、又は、前記前方貨物区域と前記後方貨物区域の間、の上甲板の上に前記ガス処理用区域を配置する工程とを含むことを特徴とする方法である。
この建造方法によれば、上記のような中規模容積である液化ガス貯蔵設備を備えた洋上浮体式設備を建造することができるので、中規模の洋上浮体式設備を必要としている地域における液化ガスの生産及び/又は積出、あるいは、液化ガスの再ガス化及び/又は中継の効率化を図ることができる。
そして、上記の目的を達成するための洋上浮体式設備の設計方法は、貨物タンクを搭載している貨物区域と、液化ガス生産設備及び/又は再ガス化設備から構成されるガス処理設備を搭載しているガス処理用区域と、貨物機械室と、一部又は全部を上甲板上に設けている居住区とを備えた洋上浮体式設備の設計方法であって、当該洋上浮体式設備の船長方向の長さに関して、前記貨物タンクが1基ずつ搭載される前方貨物区域及び後方貨物区域と、前記ガス処理用区域との合計長さを、前記前方貨物区域と前記後方貨物区域との合計長さの1.5倍以上2.0倍以下に形成して、前記前方貨物区域と前記後方貨物区域とにそれぞれMOSS型の低温液化ガスタンクで形成した前記貨物タンクを1基ずつ搭載する設計にする工程と、前記前方貨物区域の前方、又は、前記後方貨物区域の後方、に前記貨物機械室を配置する設計にする工程と、前記前方貨物区域の前方、又は、前記後方貨物区域の後方、又は、前記前方貨物区域と前記後方貨物区域の間、の上甲板の上に前記ガス処理用区域を配置する設計にする工程とを含むことを特徴とするとする方法であり、上記の洋上浮体式設備の建造方法と同様の効果を得ることができる。
上記の目的を達成するための洋上浮体式設備への改造方法は、貨物タンクを搭載している貨物区域と、液化ガス生産設備及び/又は再ガス化設備から構成されるガス処理設備を搭載しているガス処理用区域と、貨物機械室と、一部又は全部を上甲板上に設けている居住区とを備えた洋上浮体式設備を既存のタンカー船から改造する洋上浮体式設備への改造方法であって、3基の前記貨物タンクを有し、3基の前記貨物タンクの合計搭載容積が60,000m3以上90,000m3以下であるタンカー船の前記貨物タンクを1基取り外して、この1基の前記貨物タンクを取り外すことで生じたスペースにおける上甲板の上に前記ガス処理用区域を形成することを特徴とする方法である。
この改造方法によれば、改めてMOSS型の貨物タンクを設計する必要がないため、上記のような中規模容積である液化ガス貯蔵設備を備えた洋上浮体式設備を効率的に短期間で建造することができる。また、取り外す1基の貨物タンク以外のタンカー船既存の設備は、洋上浮体式設備に改造した際に使用することができるので、洋上浮体式設備の建造コストは低く抑えることができる。
本発明の洋上浮体式設備によれば、貨物区域を2基の貨物タンクで構成することで、洋上浮体式設備のサイズに対して上甲板上の平坦なスペースを広く確保できる。そして、この上甲板上の平坦なスペースに液化ガス生産設備及び/又は再ガス化設備から構成されるガス処理設備を搭載しているガス処理用区域を設けることにより、ガス生産基地及び/又は再ガス化基地としての機能を有した洋上浮体式設備を実現することができる。また、この構成によれば、洋上浮体式設備としてのサイズを中規模にした場合にもガス生産基地及び/又は再ガス化基地としての機能を有する洋上浮体式設備を実現することができる。
また、本発明の洋上浮体式設備の建造方法、及び洋上浮体式設備の設計方法によれば、上記のような中規模のガス生産基地及び/又は再ガス化基地としての機能を有した洋上浮体式設備を建造及び設計することができる。
また、本発明の洋上浮体式設備の改造方法によれば、既存のタンカー船を改造することにより、上記のような中規模容積の液化ガス貯蔵設備を備えた洋上浮体式設備を効率的に短期間で建造することができる。
本発明に係る第1の実施の形態の洋上浮体式設備の構成を模式的に示す側面図である。 図1の洋上浮体式設備の構成を模式的に示す平面図である。 本発明に係る第2の実施の形態の洋上浮体式設備の構成を模式的に示す側面図である。 図3の洋上浮体式設備の構成を模式的に示す平面図である。 本発明に係る第3の実施の形態の洋上浮体式設備の構成を模式的に示す側面図である。 図5の洋上浮体式設備の構成を模式的に示す平面図である。 本発明に係る第4の実施の形態の洋上浮体式設備の構成を模式的に示す側面図である。 図7の洋上浮体式設備の構成を模式的に示す平面図である。 本発明に係る第5の実施の形態の洋上浮体式設備の構成を模式的に示す側面図である。 図9の洋上浮体式設備の構成を模式的に示す平面図である。 本発明に係る第6の実施の形態の洋上浮体式設備の構成を模式的に示す側面図である。 図11の洋上浮体式設備の構成を模式的に示す平面図である。 従来のタンカー船の構成を模式的に示す側面図である。 図13のタンカー船の構成を模式的に示す平面図である。
以下、本発明に係る実施の形態の洋上浮体式設備、洋上浮体式設備の建造方法、洋上浮体式設備の設計方法、及び洋上浮体式設備への改造方法について、図面を参照しながら説明する。なお、図1〜図14では、紙面右側を洋上浮体式設備の前方(船首側)、紙面左側を後方(船尾側)として図示している。
図1及び図2に示すように、本発明に係る第1の実施の形態の洋上浮体式設備1(1A)の船体は、船底2と船側3と上甲板4を備えて構成されている。そして、洋上浮体式設備1Aは、貨物区域として前方貨物区域R1及び後方貨物区域R2を備えるとともに、ガス処理用区域R3と、貨物機械室13と、居住区9とを備えている。
この実施の形態ではさらに、荷役用マニホールド14(ガス配管接続用マニホールド)等の荷役設備と前方貨物区域R1及び後方貨物区域R2に設置された貨物タンク11の上方に設置される通行路15とを備えている。この実施の形態では、後方貨物区域R2よりも船体後方(船尾部分)には図示しない主機関や補機を収容する機械室が設けられている。
貨物区域R1,R2(前方貨物区域R1及び後方貨物区域R2)は、液化ガスを貯蔵するための設備を設置する区域である。前方貨物区域R1及び後方貨物区域R2には、船底2の上に貨物倉底板2aを設けた2重底の貨物倉10にそれぞれ貨物タンク11が1基ずつ搭載されている。即ち、この洋上浮体式設備1Aでは、前方貨物区域R1及び後方貨物区域R2で構成される貨物区域R1、R2に計2基の貨物タンク11が搭載されている。前方貨物区域R1及び後方貨物区域R2に搭載される貨物タンク11は、MOSS型タンクと呼ばれる球形の低温液化ガスタンクで形成されているタンクであり、これらの貨物タンク11の一部が上甲板4より上に突出して、船体の前後方向に一列に並んで設けられている。
この貨物タンク11の1基当たりのタンク容積は、20,000m3以上30,000m3以下であり、この2基の貨物タンク11の合計搭載容積は、40,000m3以上60,000m3以下である。
この実施の形態の貨物タンク11の構造強度及び貨物タンク11を搭載する貨物倉10の構造強度は、この貨物タンク11に貯蔵される、LNG若しくはエタン若しくはエチレン若しくはLPG等の貯蔵物に対して十分な構造強度を有して構成されている。また、貯蔵物の変更を可能とするためには、貨物タンク11の構造強度に関しては液比重が大きなファクターになるので、LNGとエタン若しくはエチレンの液比重の内、大きい方のエタンの液比重0.55若しくはエチレンの液比重0.57に対して、十分な構造強度を持つように構成する。さらに、液比重の異なるLNGとエタン若しくはエチレンの満載状態及び半載状態にも対応できる構造強度とする。
これにより、貨物タンク11にLNGとエタン若しくはエチレンの両方をそれぞれ貯蔵することができるようになり、圧力や沸点や比重における条件が、エタン若しくはエチレンより緩和されるか同等程度のLPGも貯蔵できる構成となる。即ち、洋上浮体式設備1Aは、貨物区域R1、R2にマルチガス対応型の貨物タンク11(液化ガス貯蔵設備)を備えることになる。
さらに、この貨物タンク11は、貨物用防熱構造を有している。この貨物用防熱構造は、積載予定貨物のうち最も貯蔵温度が低い貨物に対応できる防熱構造で構成されている。この貨物タンク11の防熱構造に関しては、貯蔵時の温度がマイナス162℃に対応可能なLNG用防熱構造とすることで、温度がマイナス104℃のエチレンに対しても有効な防熱構造となる。
ガス処理用区域R3は、液化ガス生産設備及び/又は再ガス化設備から構成されるガス処理設備12を搭載する区域である。この液化ガス生産設備は、洋上で生産した天然ガスを液化して貨物タンク11に供給する設備である。また、再ガス化設備は、貨物タンク11に貯蔵されている液化ガスを気体に戻して(再ガス化して)輸送タンカー等へ積出する設備である。
居住区9は、洋上浮体式設備1Aで働く作業員等が生活する居住空間であり、一部又は全部が上甲板4上に設けられる。
貨物機械室13には、貨物である天然ガス等の貯蔵ガスの自然蒸発によって生じる蒸発した天然ガスを燃料として使用するための燃料供給装置が設置されている。燃料供給装置は蒸発した天然ガスを高圧化し、その高圧化した天然ガスを洋上浮体式設備1Aの主機関や発電機、ボイラ等に供給する装置である。主機関に天然ガスを供給する燃料供給装置では、蒸発した天然ガスを5bar〜400bar程度まで高圧化し、その高圧化した天然ガスを燃料ガス配管を介して主機関に供給することにより、天然ガスを燃料として主機関を駆動させる。一方、発電機やボイラに天然ガスを供給する燃料供給装置では、蒸発した天然ガスを5bar〜20bar程度まで高圧化し、その高圧化した天然ガスを燃料ガス配管を介して発電機やボイラに供給することにより、天然ガスを燃料として発電機やボイラを駆動させる。
この実施の形態では、図1及び図2で示すように、洋上浮体式設備1Aの後方(船尾側)から前方(船首側)に向かって、貨物機械室13、後方貨物区域R2、前方貨物区域R1、ガス処理用区域R3、居住区9の順で配置されている。船長方向に関して、洋上浮体式設備1Aの船体の中央部分に前方貨物区域R1が配置されていて、その後方に後方貨物区域R2が隣接して配置され、前方貨物区域R1の前方にガス処理用区域R3が隣接して配置されている。
貨物機械室13は、後方貨物区域R2の後方の上甲板4上に隣接して配置されている。居住区9は、ガス処理用区域R3の前方に配置されていて、洋上浮体式設備1Aの船首部に位置している。荷役用マニホールド14は、前方貨物区域R1及び後方貨物区域R2にそれぞれ搭載されている貨物タンク11同士の間の狭隘部に配置されている。
洋上浮体式設備1Aの船長方向に関して、前方貨物区域R1と後方貨物区域R2とガス処理用区域R3との合計長さ(Lt)は、前方貨物区域R1と後方貨物区域R2との合計長さ(L1+L2)に対して、1.5倍以上2.0倍以下の長さに形成されている。言い換えると、ガス処理用区域R3の船長方向の長さ(L3)は、前方貨物区域R1と後方貨物区域R2との合計長さ(L1+L2)の0.5倍〜1.0倍程度に形成されている。このガス処理用区域R3の船長方向の長さ(L3)は、ほぼ貨物タンク11の1〜2基が占める貨物倉10の船長方向長さに相当する。
より具体的には、船長方向に関して、前方貨物区域R1と後方貨物区域R2とガス処理用区域R3との合計長さ(Lt)は、例えば、117m〜150m、前方貨物区域R1と後方貨物区域R2の合計長さ(L1+L2)は、例えば、77m〜100mである。また、洋上浮体式設備1Aの船長(Ls)は、例えば、215m〜250mである。
このように、本発明に係る洋上浮体式設備1Aは、洋上浮体式設備1Aに求められる貨物タンク11の中規模の貯蔵容量を、図13及び図14で示すような従来の3タンク型のタンカー船1Xのように3基の貨物タンク11で構成するのではなく、2基の貨物タンク11で構成している。それ故、洋上浮体式設備1Aのサイズに対して上甲板4上の平坦なスペースを広く確保できる。即ち、従来の3基の貨物タンクで構成する場合に比して、貨物タンク11の1基当たりの貯蔵容量(サイズ)を大きくして、2基の貨物タンク11で貨物区域R1、R2を構成することによって洋上浮体式設備1Aの船長(Ls)を長くすることなく、上甲板4上の平坦なスペースを広く確保することが可能となる。
そして、この上甲板4上の平坦なスペースにガス処理設備12を搭載するガス処理用区域R3を設けることにより、ガス生産基地及び/又は再ガス化基地としての機能を有した洋上浮体式設備1Aを実現することができる。つまり、本発明に係る洋上浮体式設備1Aの構成によれば、中規模の液化ガスの生産及び/又は積出、あるいは、液化ガスの再ガス化及び/又は中継を中規模で行う設備として適した40,000m3〜60,000m3の中規模容積である液化ガス貯蔵設備を備えた洋上浮体式設備1Aを実現することができる。そして、このことにより中規模の洋上浮体式設備1Aを必要としている地域における液化ガスの生産及び/又は積出、あるいは、液化ガスの再ガス化及び/又は中継の効率化を図ることができる。
なお、ここでいう中規模の洋上浮体式設備1Aとは、例えば、船長(Ls)が215m〜250mであり、積載重量が18,400t〜30,000t程度の洋上浮体式設備1Aを示している。
さらに、本発明に係る洋上浮体式設備1Aでは、スロッシングが発生し難く、半載状態で運航可能なMOSS型の貨物タンク11を2基搭載しているので、このMOSS型の貨物タンク11の採用により、液化したガス液によるスロッシング問題を解決できる。その結果、タンク半載状態での運行や液化ガスの生産及び/又は積出、あるいは、液化ガスの再ガス化及び/又は中継が可能になり、比較的ガス搭載量の広範な変化への対応が十分にでき、汎用性の高い洋上浮体式設備1Aとなる。
また、前方貨物区域R1及び後方貨物区域R2にそれぞれ搭載されている貨物タンク11同士の間の狭隘部や、ガス処理用区域R3に搭載されているガス処理設備12の左右(船側側)の上甲板4上に平坦なスペースを確保できるので、その上甲板4上の平坦なスペースに追加の荷役用マニホールド14などの荷役設備や、追加の船楼、追加の大型艤装品等を設置することが可能となる。
また、従来の3タンク型のタンカー船1Xでは、図13及び図14で示すように、貨物タンク11同士の間の狭隘部に貨物機械室13を配置していたために、貨物機械室13の1階部分を船体の前後へ通行するための通路スペースとして使用する必要があり、貨物機械室13を複数階建て構造にする必要があった。また、1階あたりのスペースが狭いため、貨物機械室13のスペースを広く確保するには、階数を増やして貨物機械室13の高さを高くする必要があったが、貨物機械室13の高さを高くすると、風圧抵抗が大きくなり、タンカー船1Xの重心も高くなるため、実質的には貨物機械室13のスペースを広く確保することは困難であった。
一方、本発明の洋上浮体式設備1Aの構成では、貨物機械室13を貨物区域R1、R2とは異なる位置に配置するので、甲板全幅を利用して貨物機械室13を配置することができる。そのため、通路スペースを貨物機械室13の左右に設けて、貨物機械室13を1階建て構造にすることも可能となる。また、貨物機械室13の1階分のスペースを広くできるので、貨物機械室13を複数階建てにする場合にも、貨物機械室13の高さを低く抑えつつ、貨物機械室13のスペースを広く確保することが可能となる。それ故、貨物機械室13のスペースを広く確保しつつ、貨物機械室13による風圧抵抗を小さくするとともに、洋上浮体式設備1Aの重心を低くすることが可能となる。
また、貨物区域R1、R2に搭載される貨物タンク11が計2基であるため、従来の3タンク型のタンカー船1Xのように、貨物タンク11を計3基搭載する場合に比べて、貨物貯蔵や貨物移送システム等をより単純な構成にすることができる。
また、前方貨物区域R1及び後方貨物区域R2にそれぞれ搭載されている貨物タンク11同士の間の狭隘部や、ガス処理用区域R3に搭載されているガス処理設備12の左右(船側側)の上甲板上に平坦なスペースを確保できるので、その上甲板上の平坦なスペースに追加の荷役用マニホールドなどの荷役設備や、追加の船楼、追加の大型艤装品等を設置することが可能となる。
この実施の形態のように、洋上浮体式設備1Aの後方から前方に向かって、貨物機械室13、後方貨物区域R2、前方貨物区域R1、ガス処理用区域R3、居住区9の順で配置している状態に構成すると、貨物区域R1、R2に対して貨物機械室とガス処理用区域とをそれぞれ近い位置に配置することで、貨物区域R1、R2の貨物タンク11から、貨物機械室13に設置された荷役ポンプなどの補機と、ガス処理用区域R3に搭載されているガス処理設備12と、にそれぞれ敷設されるガス配管の敷設長さを短くすることができる。これにより、ガス配管からのガスの漏洩の可能性を低減するには有利になる。また、動力供給電線などの電線導設も容易になる。
さらに、ガス処理用区域R3の前方に居住区9を配置することで、貨物区域R1、R2から貨物機械室13とガス処理用区域R3にそれぞれ敷設されるガス配管が居住区の横を通らない構成となり、居住区9の安全性が高くなる。また、この構成では、ガス処理用区域R3と居住区9とを近い位置に配置することで、ガス処理用区域R3と居住区9との間の作業員の移動距離を短くすることができ、作業員の作業効率も向上する。
また、この実施の形態では洋上浮体式設備1Aに推進装置や推進器を設けていないが、洋上浮体式設備1Aに推進装置や推進器が設けられる場合には、前方(船首側)にある居住区9が後方(船尾側)にある推進装置や推進器から離れた位置に配置されるので、推進装置や推進器から生じる騒音や振動が居住区9まで伝わり難くなる。それ故、居住区9を快適な空間にすることができる。居住区9の振動対策が容易となるので居住区9の鋼材重量を軽減することもできる。また、例えば、船橋を居住区9の最上部に設ける場合には、船橋の前方視界を広く確保できる。
次に、図3及び図4を参照して、本発明に係る第2の実施の形態の洋上浮体式設備1(1B)について説明する。この第2の実施の形態の洋上浮体式設備1Bは、各区域や各部屋、各設備等の位置関係が第1の実施の形態の洋上浮体式設備1Aと異なる。
そして、洋上浮体式設備1Bは、さらに、船橋(ブリッジ)9aと、ブリッジウィング(ドジャー)9bと、推進器6と、推進器6を駆動する推進装置(例えば、ディーゼルエンジンや二元燃料内燃機関などの主機関や発電機と電動機の組み合わせ等)と、舵7と、煙突8(ファンネル)と、航海設備とを備えており、洋上浮体式設備1Bは自走可能な構成になっている。また、洋上浮体式設備1Bの船体の後方(船尾船体内)には機関室5が設けられており、その機関室5内に推進器6を駆動する推進装置が設置されている。その他の構成は、第1の実施の形態の洋上浮体式設備1Aと同じである。
なお、以下の説明では、洋上浮体式設備1Bにおける洋上浮体式設備1Aとは異なる構成要素に絞って説明を行ない、洋上浮体式設備1Aと同様の構成要素の効果についての説明は省略しているが、洋上浮体式設備1Bにおける洋上浮体式設備1Aと同様の構成要素については、洋上浮体式設備1Aと同様の効果を有している。
図3及び図4で示すように、この実施の形態の洋上浮体式設備1Bでは、洋上浮体式設備1Bの後方から前方に向かって、貨物機械室13、ガス処理用区域R3、後方貨物区域R2、前方貨物区域R1、居住区9の順で配置されている。船長方向に関して、洋上浮体式設備1Bの船体の中央部分に後方貨物区域R2が配置されていて、その前方に前方貨物区域R1が隣接して配置され、後方貨物区域R2の後方の上甲板4上にガス処理用区域R3が隣接して配置されている。貨物機械室13は、ガス処理用区域R3の後方の上甲板4上に隣接して配置されていて、機関室5の上側に位置している。ガス処理用区域R3は、機関室5よりも前方に配置されている。居住区9の最上部には船橋9aが設けられており、船橋9aの船体幅方向の両側にはブリッジウィング(ドジャー)9bが設けられている。船橋9aの上部にはレーダー9cが設置されている。
この洋上浮体式設備1Bでは、後方貨物区域R2及び前方貨物区域R1によってガス処理用区域R3と居住区9とが隔離された状態になるので、ガス処理用区域R3から生じる騒音や振動が居住区9まで伝わり難くなり、居住区9は快適な空間となる。
さらに、貨物機械室13と居住区9との間にガス処理用区域R3、後方貨物区域R2、及び前方貨物区域R1を配置することで、貨物区域R1、R2の貨物タンク11から、貨物機械室13とガス処理用区域R3のガス処理設備12とにそれぞれ敷設されるガス配管が、居住区9の横を通らない構成となる。そのため、居住区9の安全性が高くなる。
また、前方にある居住区9が後方にある機関室5に配置される推進装置や推進器6から離れた位置に配置されるので、推進装置や推進器6から生じる騒音や振動が居住区9まで伝わり難くなる。それ故、居住区9を快適な空間にすることができる。居住区9の振動対策が容易となるので居住区9の鋼材重量を軽減することもできる。
この実施の形態の洋上浮体式設備1Bは、船橋9aと、推進器6と、推進器6を駆動する推進装置と、航海設備とを備え、自走できる構成になっているので、洋上浮体式設備1Bを生産現場等に移動させる際に曳航や重量物運搬船による移送を行う必要がない。そのため、移送費用を低く抑えることができる。また、この実施の形態のように、船橋9aを居住区9の最上部に設けると、船橋9aの前方視界を広く確保できる。
さらに、この実施の形態のように、船橋9aを前方貨物区域R1よりも前方に配置すると、背の高い貨物タンク11が船橋9aからの前方見通しの邪魔にならなくなり、前方視界を良好に確保でき、洋上浮体式設備1Bの操船性を向上させることができる。また、この前方視界の観点から、船橋9aを貨物タンク11よりも後方に配置する場合に比べて、船橋9aの高さを低くすることができる。その結果、エアドラフト(水面上の高さ)が小さくなるので、洋上浮体式設備1Bが航行できる範囲が拡大して、この洋上浮体式設備1Bとしての汎用性を高めることができる。例えば、エアドラフトが低くなることにより、2港以上の重要な港(例えば、フランスのモントアール港やアメリカ合衆国のエバレット港等)に入港が可能となる。
また、この実施形態のように、レーダー9cを洋上浮体式設備1Bの前方(船首部)に配置された船橋9aの上部に設けると、レーダー9cを機関室5の上にあって振動を受け易い船尾側の上部に設ける場合よりも振動が小さくなり、レーダー9cの防振対策が容易となるので好ましく、レーダー9cにタンクカバーの偽像写りこみが生じる不具合も回避できる。
さらに、この実施の形態のように、貨物機械室13を機関室5の上側の一部又は全部(図3及び図4では一部)に配置する構成にすると、燃料ガスを移送するための設備が格納された貨物機械室13が、燃料ガスを使用する主機や発電設備が納められた機関室5の直上に配置された状態になる。そのため、天然ガス等の液化ガスを燃料として使用するために設けられる燃料ガス配管を、貨物機械室13から一度外に出てから直下の機関室5へ導く構成だけでなく、貨物機械室13からその直下にある機関室5へ直ちに導く構成にすることができる。なお、この機関室5の上側の一部又は全部に貨物機械室13を配置しているとは、機関室5の天井の一部が貨物機械室13の床になる場合と機関室5の天井の全部が貨物機械室13の床になる場合とを含んでいる。
その結果、貨物機械室13から機関室5の主機に至る高圧の燃料ガス配管の敷設長さを短くすることができるので、燃料ガスの漏洩の可能性が低くなり、高圧の燃料ガスの漏洩による爆発及び人体への受傷や危険性を軽減することができる。しかも、防食対策の範囲も小さくなり、動力供給電線などの電線導設も容易になる。また、居住区9の横を高圧の燃料ガス配管が通らない構成となるため、ガス漏洩時に、危険な燃料ガスが居住区9に侵入して爆発したり、高圧の燃料ガスが直接乗組員を負傷させたりする可能性を著しく低下させることができる。
次に、図5及び図6を参照して、本発明に係る第3の実施の形態の洋上浮体式設備1(1C)について説明する。第3の実施の形態の洋上浮体式設備1Cは、第2の実施の形態の洋上浮体式設備1Bと各区域や各部屋、各設備等の位置関係が異なる。その他の構成は、第2の実施の形態の洋上浮体式設備1Bと同じである。
なお、以下の説明では、洋上浮体式設備1Cにおける洋上浮体式設備1A、1Bとは異なる構成要素に絞って説明を行ない、洋上浮体式設備1A、1Bと同様の構成要素の効果についての説明は省略しているが、洋上浮体式設備1Cにおける洋上浮体式設備1A、1Bと同様の構成要素については、洋上浮体式設備1A、1Bと同様の効果を有している。
図5及び図6で示すように、この実施の形態の洋上浮体式設備1Cでは、洋上浮体式設備1Cの後方から前方に向かって、貨物機械室13、後方貨物区域R2、ガス処理用区域R3、前方貨物区域R1、居住区9の順で配置している。船長方向に関して、洋上浮体式設備1Cの船体の中央部分の上甲板4上にガス処理用区域R3が配置されていて、その前方に前方貨物区域R1が隣接して配置され、ガス処理用区域R3の後方に後方貨物区域R2が隣接して配置されている。貨物機械室13は、後方貨物区域R2の後方に隣接して配置されていて、機関室5の上側に位置している。居住区9は、前方貨物区域R1よりも前方に配置されている。この実施形態では、ガス処理用区域R3を跨ぐように、後方貨物区域R2から前方貨物区域R1にかけて通行路15が設けられている。荷役用マニホールド14は、ガス処理設備12の左右(船側側)にそれぞれ配置されている。
この洋上浮体式設備1Cでは、前方貨物区域R1によってガス処理用区域R3と居住区9とが隔離された状態になるので、ガス処理用区域R3から生じる騒音や振動が居住区9まで伝わり難くなり、居住区9は快適な空間となる。
さらに、後方貨物区域R2と前方貨物区域R1との間にガス処理用区域R3を配置することで、それぞれの貨物区域R1、R2の貨物タンク11から、ガス処理用区域R3に搭載されているガス処理設備12に敷設されるガス配管の敷設長さを短くすることができる。これにより、ガス配管からのガスの漏洩の可能性を低減するには有利になる。また、後方貨物区域R2と前方貨物区域R1との間にガス処理用区域R3を配置することで、洋上浮体式設備1Cの前後方向の重量バランスを均等にし易くなり、洋上浮体式設備1Cのスタビリティ(安定性や復原力)を向上させるには有利になる。
次に、図7及び図8を参照して、本発明に係る第4の実施の形態の洋上浮体式設備1(1D)について説明する。第4の実施の形態の洋上浮体式設備1Dは、第2の実施の形態の洋上浮体式設備1Bと各区域や各部屋、各設備等の位置関係が異なる。その他の構成は、第2の実施の形態の洋上浮体式設備1Bと同じである。
なお、以下の説明では、洋上浮体式設備1Dにおける洋上浮体式設備1A、1B、1Cとは異なる構成要素に絞って説明を行ない、洋上浮体式設備1A、1B、1Cと同様の構成要素の効果についての説明は省略しているが、洋上浮体式設備1Dにおける洋上浮体式設備1A、1B、1Cと同様の構成要素については、洋上浮体式設備1A、1B、1Cと同様の効果を有している。
図7及び図8で示すように、この実施の形態の洋上浮体式設備1Dでは、洋上浮体式設備1Dの後方から前方に向かって、居住区9、貨物機械室13、後方貨物区域R2、前方貨物区域R1、ガス処理用区域R3の順で配置している。船長方向に関して、洋上浮体式設備1Dの船体の中央部分に前方貨物区域R1を配置している。そして、機関室5よりも前方に、後方貨物区域R2を配置し、機関室5の上側に貨物機械室13を配置している。
この実施形態では、後方貨物区域R2を跨ぐように、前方貨物区域R1から貨物機械室13にかけて通行路15を設けている。居住区9は、貨物機械室13のさらに後方に貨物機械室13と船長方向に間隔をあけて配置している。居住区9の最上部には船橋9aを設けており、船橋9aの船体幅方向の両側にブリッジウィング9bを設けている。この洋上浮体式設備1Dでは、レーダー9cは設けていない。
この洋上浮体式設備1Dでは、貨物機械室13、後方貨物区域R2、及び前方貨物区域R1によって、居住区9とガス処理用区域R3とが隔離された状態になるので、ガス処理用区域R3から生じる騒音や振動が居住区9まで伝わり難くなり、居住区9は快適な空間となる。
さらに、この構成では、居住区9よりも前方に、貨物機械室13、後方貨物区域R2、前方貨物区域R1、及びガス処理用区域R3を配置することで、貨物区域R1、R2の貨物タンク11から貨物機械室13とガス処理用区域R3のガス処理設備12とにそれぞれ敷設されるガス配管が居住区9の横を通らない構成となる。そのため、居住区9の安全性が高くなる。
また、洋上浮体式設備1Dの設置場所が海象及び気象条件が厳しい場所である場合には、洋上浮体式設備1Dは荒天時に船首部(前方)を波の入射方向に向けてこの波と風を凌ぐが、居住区9を船尾部(後方)に配置することで、居住区9が船首部を超えてくる波に見舞われることがなくなり、荒天時でも居住区9を快適な空間とすることができる。言い換えれば、居住区9を船尾部に配置する構成は、洋上浮体式設備1Dの設置場所が海象及び気象条件が厳しい場所である場合に適している。
次に、図9及び図10を参照して、本発明に係る第5の実施の形態の洋上浮体式設備1(1E)について説明する。第5の実施の形態の洋上浮体式設備1Eは、第4の実施の形態の洋上浮体式設備1Dと各区域や各部屋、各設備等の位置関係が異なっている。その他の構成は、第4の実施の形態の洋上浮体式設備1Dと同じである。
なお、以下の説明では、洋上浮体式設備1Eにおける洋上浮体式設備1A、1B、1C、1Dとは異なる構成要素に絞って説明を行ない、洋上浮体式設備1A、1B、1C、1Dと同様の構成要素の効果についての説明は省略しているが、洋上浮体式設備1Eにおける洋上浮体式設備1A、1B、1C、1Dと同様の構成要素については、洋上浮体式設備1A、1B、1C、1Dと同様の効果を有している。
図9及び図10で示すように、この実施の形態の洋上浮体式設備1Eでは、洋上浮体式設備1Eの後方から前方に向かって、居住区9、貨物機械室13、ガス処理用区域R3、後方貨物区域R2、前方貨物区域R1の順で配置している。船長方向に関して、洋上浮体式設備1Dの船体の中央部分に後方貨物区域R2を配置している。機関室5よりも前方にガス処理用区域R3を配置していて、機関室5の上側に貨物機械室13を配置している。
居住区9は、貨物機械室13のさらに後方に、貨物機械室13と船長方向に間隔をあけて配置している。この実施形態では、船橋9aは、居住区9、貨物機械室13、ガス処理用区域R3、後方貨物区域R2、前方貨物区域R1よりも前方に設けており、船橋9aの船体幅方向の両側にブリッジウィング9bを設けている。即ち、船橋9a(ブリッジウィング9b)は前方(船首部)に単独に配置される構成になっている。船橋9aの上部にはレーダー9cを設置している。
この洋上浮体式設備1Eでは、ガス処理用区域R3と居住区9との間に貨物区域R1、R2を介在させずに、居住区9とガス処理用区域R3とを比較的近い位置に配置することで、居住区9とガス処理用区域R3との間の作業員の移動距離を短くすることができ、作業員の作業効率が向上する。
また、この実施の形態では、居住区9を後方(船尾部)に配置し、船橋9aを前方貨物区域R1よりも前方に配置することで、背の高い貨物タンク11が船橋9aからの前方見通しの邪魔にならなくなり、前方視界を良好に確保でき、洋上浮体式設備1Eの操船性を向上させることができる。また、この前方視界の観点から、船橋9aを船尾側に配置する場合に比べて、船橋9aの高さを低くすることができる。その結果、エアドラフトが小さくなるので、洋上浮体式設備1Eが航行できる範囲が拡大して、この洋上浮体式設備1Eとしての汎用性を高めることができる。例えば、エアドラフトが低くなることにより、2港以上の重要な港(例えば、フランスのモントアール港やアメリカ合衆国のエバレット港等)に入港が可能となる。
また、レーダー9cを前方に配置された船橋9aの上部に設けることで、レーダー9cを機関室5の上にあって振動を受け易い船尾側の上部に設ける場合よりも振動が小さくなり、レーダー9cの防振対策が容易となるので好ましく、レーダー9cにタンクカバーの偽像写りこみが生じる不具合も回避できる。
さらに、居住区9とは別に船橋9aを前方に配置することで、後方に配置される居住区9の高さを低くできる。居住区9の高さを低くすると、居住区9の振動が軽減されるため、防振対策のための鋼材重量を軽減することができ、その分載荷重量を増加できる。さらに、居住区9の高さを低くすることで、係留中の風圧力による影響が少なくなるので、係留用艤装品を小さくすることができ、その分載荷重量を増加できる。また、煙突8の高さも低くできるので、煙突8の使用材料を減少でき、その分載荷重量を増加できる。
次に、図11及び図12を参照して、本発明に係る第6の実施の形態の洋上浮体式設備1(1F)について説明する。第6の実施の形態の洋上浮体式設備1Fは、第5の実施の形態の洋上浮体式設備1Eと各区域や各部屋、各設備等の位置関係が異なる。その他の構成は、第6の実施の形態の洋上浮体式設備1Eと同じである。
なお、以下の説明では、洋上浮体式設備1Fにおける洋上浮体式設備1A〜1Eとは異なる構成要素に絞って説明を行ない、洋上浮体式設備1A〜1Eと同様の構成要素の効果についての説明は省略しているが、洋上浮体式設備1Fにおける洋上浮体式設備1A〜1Eと同様の構成要素については、洋上浮体式設備1A〜1Eと同様の効果を有している。
図11及び図12に示すように、この実施の形態の洋上浮体式設備1Fでは、洋上浮体式設備1Fの後方から前方に向かって、居住区9、貨物機械室13、後方貨物区域R2、ガス処理用区域R3、前方貨物区域R1の順で配置している。船長方向に関して、洋上浮体式設備1Fの船体の中央部分の上甲板4上にガス処理用区域R3が配置されていて、その前方に前方貨物区域R1が隣接して配置され、ガス処理用区域R3の後方に後方貨物区域R2が隣接して配置されている。
後方貨物区域R2は機関室5よりも前方に配置されていて、貨物機械室13は機関室5の上側に位置している。この実施形態では、ガス処理用区域R3を跨ぐように、後方貨物区域R2から前方貨物区域R1にかけて通行路15が設けられている。荷役用マニホールド14は、ガス処理設備12の左右(船側側)にそれぞれ配置されている。
この洋上浮体式設備1Fでは、貨物機械室13及び後方貨物区域R2によってガス処理用区域R3と居住区9とが隔離された状態になるので、ガス処理用区域R3から生じる騒音や振動が居住区9まで伝わり難くなり、居住区9は快適な空間となる。
次に、本発明の洋上浮体式設備の建造方法を説明する。本発明の洋上浮体式設備の建造方法は、貨物タンク11を搭載している貨物区域R1(前方貨物区域R1及び後方貨物区域R2)と、液化ガス生産設備及び/又は再ガス化設備から構成されるガス処理設備12を搭載しているガス処理用区域R3と、貨物機械室13と、一部又は全部を上甲板4に設けている居住区9とを備えた洋上浮体式設備1(1A〜1F)を建造する方法である。
この建造方法は、以下の3つの工程を含んで構成される。1つ目の工程は、洋上浮体式設備1(1A〜1F)の船長方向の長さに関して、貨物タンク11が1基ずつ搭載される前方貨物区域R1及び後方貨物区域R2と、ガス処理用区域R3との合計長さ(Lt)を、前方貨物区域R1と後方貨物区域R2との合計長さ(L1+L2)の1.5倍以上2.0倍以下に形成して、前方貨物区域R1と後方貨物区域R2とにそれぞれMOSS型の低温液化ガスタンクで形成した貨物タンク11を1基ずつ搭載する工程である。
2つ目の工程は、前方貨物区域R1の前方、又は、後方貨物区域R2の後方、に貨物機械室13を配置する工程である。3つ目の工程は、前方貨物区域R1の前方、又は、後方貨物区域R2の後方、又は、前方貨物区域R1と後方貨物区域R2の間、の上甲板4の上にガス処理用区域R3を配置する工程である。なお、各工程は順序不同である。
本発明の洋上浮体式設備の建造方法では、上記で示した3つの工程を含んだ建造工程を踏むことで上記の第1〜6の実施の形態で例示した洋上浮体式設備1(1A〜1F)を建造することができ、建造した洋上浮体式設備1(1A〜1F)と同様の効果を有することができる。
次に、本発明の洋上浮体式設備の設計方法を説明する。本発明の洋上浮体式設備の設計方法は、貨物タンク11を搭載している貨物区域R1と、液化ガス生産設備及び/又は再ガス化設備から構成されるガス処理設備12を搭載しているガス処理用区域R3と、貨物機械室13と、一部又は全部を上甲板4上に設けている居住区9とを備えた洋上浮体式設備1を設計する方法である。
この設計方法は、以下の3つの工程を含んで構成される。1つ目の工程は、洋上浮体式設備1の船長方向の長さに関して、貨物タンク11が1基ずつ搭載される前方貨物区域R1及び後方貨物区域R2と、ガス処理用区域R3との合計長さ(Lt)を、前方貨物区域R1と後方貨物区域R2との合計長さ(L1+L2)の1.5倍以上2.0倍以下に形成して、前方貨物区域R1と後方貨物区域R2とにそれぞれMOSS型の低温液化ガスタンクで形成した貨物タンク11を1基ずつ搭載する設計にする工程である。
2つ目の工程は、前方貨物区域R1の前方、又は、後方貨物区域R2の後方に貨物機械室13を配置する設計にする工程である。3つ目の工程は、前方貨物区域R1の前方、又は、後方貨物区域R2の後方、又は、前方貨物区域R1と後方貨物区域R2の間、の上甲板4の上にガス処理用区域R3を配置する設計にする工程である。なお、各工程は順序不同である。
本発明の洋上浮体式設備の設計方法では、上記で示した3つの工程を含んだ設計工程を踏むことで上記の第1〜6の実施の形態で例示した洋上浮体式設備1(1A〜1F)を設計することができ、設計した洋上浮体式設備1(1A〜1F)と同様の効果を有することができる。即ち、本発明の洋上浮体式設備の設計方法は、上記で説明した洋上浮体式設備の建造方法と同様の効果を有している。
次に、本発明の洋上浮体式設備への改造方法を説明する。本発明の洋上浮体式設備への改造方法は、貨物タンク11を搭載している貨物区域R1、R2と、液化ガス生産設備及び/又は再ガス化設備から構成されるガス処理設備12を搭載しているガス処理用区域R3と、貨物機械室13と、一部又は全部を上甲板4上に設けている居住区9とを備えた洋上浮体式設備1を、既存のタンカー船から改造する方法である。
具体的には、貨物タンク11を3基有し、3基の貨物タンク11の合計搭載容積が60,000m3以上90,000m3以下であるタンカー船の貨物タンク11を1基取り外して、この1基の貨物タンク11を取り外すことで生じたスペースにおける上甲板4の上にガス処理用区域R3を形成することにより、洋上浮体式設備1(1A〜1F)への改造を行う。
この改造方法によれば、改めてMOSS型の貨物タンク11を設計する必要がないため、中規模の液化ガスの生産及び/又は積出、あるいは、液化ガスの再ガス化及び/又は中継を行う設備として適した40,000m3〜60,000m3の中規模容積である液化ガス貯蔵設備を備えた洋上浮体式設備1を効率的に短期間で建造することができる。また、取り外す1基の貨物タンク11以外のタンカー船の既存の設備は、洋上浮体式設備1に改造した際に使用することができるので、洋上浮体式設備1の建造コストは低く抑えることができる。
即ち、既存の3タンク型のタンカー船を改造することで上記の第1〜6の実施の形態で例示した洋上浮体式設備1(1A〜1F)を実現することができ、改造することで実現した洋上浮体式設備1(1A〜1F)と同様の効果を有することができる。
なお、上記の説明では第1〜6の6通りの実施の形態の洋上浮体式設備1A〜1Fを例示しているが、本発明の洋上浮体式設備1は第1〜6の実施の形態に限定されず、洋上浮体式設備1が備える設備やそれぞれの配置の組み合わせなどの構成要素は適宜組み替えて構成することができる。
1、1A〜1F 洋上浮体式設備
1X 既存のタンカー船
2 船底
2a 貨物倉底板
3 船側
4 上甲板
5 機関室
6 推進器(プロペラ)
7 舵
8 煙突(ファンネル)
9 居住区
9a 船橋(ブリッジ)
9b ブリッジウィング(ドジャー)
9c レーダー
10 貨物倉
11 貨物タンク
12 ガス処理設備
13 貨物機械室
14 荷役用マニホールド
15 通行路
R1 前方貨物区域
R2 後方貨物区域
R3 ガス処理用区域
L1 前方貨物区域の長さ
L2 後方貨物区域の長さ
L3 ガス処理用区域の長さ
Lt 前方貨物区域と後方貨物区域とガス処理用区域の合計長さ
Ls 洋上浮体式設備の長さ
W.L. 水面位置

Claims (14)

  1. 貨物タンクを搭載している貨物区域と、液化ガス生産設備及び/又は再ガス化設備から構成されるガス処理設備を搭載しているガス処理用区域と、貨物機械室と、一部又は全部を上甲板上に設けている居住区とを備えた洋上浮体式設備であって、
    前記貨物区域として、MOSS型の低温液化ガスタンクで形成した前記貨物タンクを1基ずつ搭載している前方貨物区域及び後方貨物区域を有し、当該洋上浮体式設備の船長方向の長さに関して、前記前方貨物区域と前記後方貨物区域と前記ガス処理用区域との合計長さが、前記前方貨物区域と前記後方貨物区域との合計長さの1.5倍以上2.0倍以下であり、
    前記前方貨物区域よりも前方、又は、前記後方貨物区域よりも後方、に前記貨物機械室を配置し、
    前記前方貨物区域の前方、又は、前記後方貨物区域の後方、又は、前記前方貨物区域と前記後方貨物区域の間、の上甲板の上に前記ガス処理用区域を配置していることを特徴とする洋上浮体式設備。
  2. 当該洋上浮体式設備の後方から前方に向かって、前記貨物機械室、前記後方貨物区域、前記前方貨物区域、前記ガス処理用区域、前記居住区の順で配置している請求項1に記載の洋上浮体式設備。
  3. 当該洋上浮体式設備の後方から前方に向かって、前記貨物機械室、前記ガス処理用区域、前記後方貨物区域、前記前方貨物区域、前記居住区の順で配置している請求項1に記載の洋上浮体式設備。
  4. 当該洋上浮体式設備の後方から前方に向かって、前記貨物機械室、前記後方貨物区域、前記ガス処理用区域、前記前方貨物区域、前記居住区の順で配置している請求項1に記載の洋上浮体式設備。
  5. 当該洋上浮体式設備の後方から前方に向かって、前記居住区、前記貨物機械室、前記後方貨物区域、前記前方貨物区域、前記ガス処理用区域の順で配置している請求項1に記載の洋上浮体式設備。
  6. 当該洋上浮体式設備の後方から前方に向かって、前記居住区、前記貨物機械室、前記ガス処理用区域、前記後方貨物区域、前記前方貨物区域の順で配置している請求項1に記載の洋上浮体式設備。
  7. 当該洋上浮体式設備の後方から前方に向かって、前記居住区、前記貨物機械室、前記後方貨物区域、前記ガス処理用区域、前記前方貨物区域の順で配置している請求項1に記載の洋上浮体式設備。
  8. 船橋と、推進器と、該推進器を駆動する推進装置と、航海設備とを備え、前記船橋を前記居住区に配置している請求項1〜7のいずれか1項に記載の洋上浮体式設備。
  9. 船橋と、推進器と、該推進器を駆動する推進装置と、航海設備とを備え、前記船橋を、前記貨物機械室、前記後方貨物区域、前記前方貨物区域、前記ガス処理用区域、及び前記居住区よりも前方に配置している請求項1〜7のいずれか1項に記載の洋上浮体式設備。
  10. 機関室の上側の一部又は全部に前記貨物機械室を配置している請求項1〜9のいずれか1項に記載の洋上浮体式設備。
  11. 前記貨物タンクの一基当たりのタンク容積が20,000m3以上30,000m3以下であり、かつ、前記貨物タンクの合計搭載容積が40,000m3以上60,000m3以下であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の洋上浮体式設備。
  12. 貨物タンクを搭載している貨物区域と、液化ガス生産設備及び/又は再ガス化設備から構成されるガス処理設備を搭載しているガス処理用区域と、貨物機械室と、一部又は全部を上甲板上に設けている居住区とを備えた洋上浮体式設備の建造方法であって、
    当該洋上浮体式設備の船長方向の長さに関して、前記貨物タンクが1基ずつ搭載される前方貨物区域及び後方貨物区域と、前記ガス処理用区域との合計長さを、前記前方貨物区域と前記後方貨物区域との合計長さの1.5倍以上2.0倍以下に形成して、前記前方貨物区域と前記後方貨物区域とにそれぞれMOSS型の低温液化ガスタンクで形成した前記貨物タンクを1基ずつ搭載する工程と、前記前方貨物区域の前方、又は、前記後方貨物区域の後方、に前記貨物機械室を配置する工程と、前記前方貨物区域の前方、又は、前記後方貨物区域の後方、又は、前記前方貨物区域と前記後方貨物区域の間、の上甲板の上に前記ガス処理用区域を配置する工程とを含むことを特徴とする洋上浮体式設備の建造方法。
  13. 貨物タンクを搭載している貨物区域と、液化ガス生産設備及び/又は再ガス化設備から構成されるガス処理設備を搭載しているガス処理用区域と、貨物機械室と、一部又は全部を上甲板上に設けている居住区とを備えた洋上浮体式設備の設計方法であって、
    当該洋上浮体式設備の船長方向の長さに関して、前記貨物タンクが1基ずつ搭載される前方貨物区域及び後方貨物区域と、前記ガス処理用区域との合計長さを、前記前方貨物区域と前記後方貨物区域との合計長さの1.5倍以上2.0倍以下に形成して、前記前方貨物区域と前記後方貨物区域とにそれぞれMOSS型の低温液化ガスタンクで形成した前記貨物タンクを1基ずつ搭載する設計にする工程と、前記前方貨物区域の前方、又は、前記後方貨物区域の後方、に前記貨物機械室を配置する設計にする工程と、前記前方貨物区域の前方、又は、前記後方貨物区域の後方、又は、前記前方貨物区域と前記後方貨物区域の間、の上甲板の上に前記ガス処理用区域を配置する設計にする工程とを含むことを特徴とする洋上浮体式設備の設計方法。
  14. 貨物タンクを搭載している貨物区域と、液化ガス生産設備及び/又は再ガス化設備から構成されるガス処理設備を搭載しているガス処理用区域と、貨物機械室と、一部又は全部を上甲板上に設けている居住区とを備えた洋上浮体式設備を既存のタンカー船から改造する洋上浮体式設備への改造方法であって、
    3基の前記貨物タンクを有し、3基の前記貨物タンクの合計搭載容積が60,000m3以上90,000m3以下であるタンカー船の前記貨物タンクを1基取り外して、この1基の前記貨物タンクを取り外すことで生じたスペースにおける上甲板の上に前記ガス処理用区域を形成することを特徴とする洋上浮体式設備への改造方法。
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