JP2017047425A - 自動車用ホイールの製造方法、自動車用ホイール - Google Patents

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Abstract

【課題】 自動車用ホイールにおいて、ホイール本体に固定された副気室部材を保持する力が時間経過とともに低下してしまうことを抑制するのに有効な技術を提供する。【解決手段】 本発明に係るホイール101の製造方法は、リムの外周面の周方向に延びる固定溝が、該固定溝の入口側よりも底側にホイール軸方向の溝幅が拡幅された拡幅部を有するように設けられたホイール本体を用意する第1の工程S101と、円弧状に延び且つ円弧方向に垂直な断面が円弧外方に向けて凸に湾曲する金属製の副気室部材を用意する第2の工程S102と、副気室部材をホイール本体の固定溝に配置した後、該副気室部材にホイール径方向の圧縮荷重を加えて該副気室部材を固定溝の拡幅部に接触するまで塑性変形させて該副気室部材をホイール本体に固定する第3の工程S103と、副気室部材のホイール周方向の一端部の開口を閉鎖する第4の工程S104と、を含む。【選択図】 図8

Description

本発明は、自動車用ホイールに関する。
近年、自動車ホイールやタイヤの設計に際しては、車両走行時に発生するロードノイズを低く抑えることによって静粛性を高める技術が求められている。例えば、ハイブリット車や電気自動車では駆動源の音よりもロードノイズの方が目立ち易いことが多く、このような技術に対する要請が高い。そこで従来、車両走行時にタイヤ主気室で生じた空洞共鳴音を吸音する吸音器を自動車ホイールに設けることによって、車両走行時の車内騒音を低く抑える技術が種々提案されている。下記特許文献1,2にはいずれも、この種の吸音器が組み込まれた自動車用ホイールが開示されている。
特開2005−205934号公報 特開2012−051397号公報
特許文献1に開示の吸音器であるサイドブランチ型吸音器は、タイヤ主気室に連通するタイヤ副気室を形成するように構成されている。本構成によれば、車両走行時の路面入力によってタイヤ主気室内で生じた空洞共鳴音がタイヤ副気室において吸収される。従って、このサイドブランチ型吸音器は、タイヤ主気室で生じた空洞共鳴音を吸音するのに有効である。一方で、このサイドブランチ型吸音器のようにタイヤ主気室に連通するタイヤ副気室を形成する部材(以下、「副気室部材」という)を備えたホイールを採用する場合には、副気室部材をホイール本体に確実に固定する必要がある。しかしながら、特許文献1には、副気室部材をホイール本体に固定するための具体的な方法についての開示はない。特許文献2には、この種の副気室部材をホイール本体に固定する機構として、樹脂製の副気室部材をホイール本体の凹溝(ウェル部)に嵌め込んで固定する構成が開示されている。本構成の場合、ホイール本体への副気室部材の取り付けが簡単である。ところが、樹脂製の副気室部材を用いると、該副気室部材が一定荷重の作用下で時間経過とともに変形する現象(以下、クリープ現象」という)によって、該副気室部材の保持力(嵌め込み力)が低下することが懸念される。
そこで、本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、その目的の一つは、自動車用ホイールにおいて、ホイール本体に固定された副気室部材を保持する力が時間経過とともに低下してしまうことを抑制するのに有効な技術を提供する。
上記目的を達成するために、本発明にかかる自動車用ホイール(101,201,301)の製造方法は、第1の工程(S101,S201,S301)と、第2の工程(S102,S202,S302)と、第3の工程(S103,S203,S303)と、第4の工程(S104,S204,S304)と、を含む。
第1の工程(S101,S201,S301)は、リム(102,202,302)の外周面とタイヤの内周面との間で形成されるタイヤ主気室(106)に面した部位にリム(102,202,302)の外周面の周方向に延びる固定溝(108,208,08)が、該固定溝(108,208,308)の入口側よりも底側にホイール軸方向(Z)の溝幅が拡幅された拡幅部(108a,208a,308a)を有するように設けられたホイール本体(101,201,301)を用意する工程である。
第2の工程(S102,S202,S302)は、円弧状に延び且つ円弧方向に垂直な断面が円弧外方に向けて凸に湾曲する金属製の副気室部材(11,21,31;41)を用意する工程である。
第3の工程(S103,S203,S303)は、副気室部材(110,210,310;410)をホイール本体(101,201,301)の固定溝(108,208,308)に配置した後、該副気室部材(110,210,310;410)にホイール径方向(Y)の圧縮荷重を加えて該副気室部材(110,210,310;410)を固定溝(108,208,308)の拡幅部(108a,208a,308a)に接触するまで塑性変形させて該副気室部材(110,210,310;410)をホイール本体(101,201,301)に固定することにより、固定された該副気室部材(110,210,310;410)によってホイール径方向(Y)でタイヤ主気室(106)と空間を隔てられると共に該副気室部材(110,210,310;410)のホイール周方向(X)の両端部(111;112,211;212,311;312)の開口を通じてタイヤ主気室(106)に連通した状態のタイヤ副気室(113,213,313)が形成される工程である。
第4の工程(S104,S204,S304)は、副気室部材(110,210,310;410)のホイール周方向(X)の一端部(111,211,311)の開口を閉鎖することにより、他端部(112,212,312)の開口(112a,212a,312a)を通じてタイヤ副気室(113,213,313)がタイヤ主気室(106)に連通するサイドブランチ型消音器が形成される工程である。
上記の製造方法によれば、第2の工程で用意された金属製の円弧状に延びた副気室部材は円弧外方に向けて凸に湾曲しているので、第3の工程で該副気室部材にホイール径方向の圧縮荷重を加えることによって、副気室部材は固定溝においてホイール軸方向に広がる。このとき副気室部材は、塑性変形する程度に変形させられる。そして、副気室部材は、固定溝の入口側よりも溝幅が広い拡幅部で広がるので固定溝から抜けなくなる。また、副気室部材が金属製であるため樹脂製の部材を用いる場合に比べて、ホイール本体に固定された副気室部材を保持する力が時間経過とともに低下してしまうことを抑制できる。さらに、ホイール本体に固定された副気室部材は、サイドブランチ型消音器として機能し、空洞共鳴音の低減に有効である。
上記の製造方法では、第4の工程(S104,S204,S304)において、副気室部材(110,210,310;410)の一端部(111,211,311)にホイール径方向(Y)の圧縮荷重を加えて押し潰すことによって該一端部(111,211,311)の開口を閉鎖するのが好ましい。この製造方法によれば、金属の塑性変形を利用して開口を閉鎖するので、副気室部材の一端部の開口を閉鎖するための別部材が不要になり、部品点数を少なくできる。
上記の製造方法では、第3の工程(S103,S203)において、副気室部材(110,210)とローラー(R)とを接触させると共に該副気室部材(110,210)に沿ってホイール周方向(X)に該ローラー(R)を相対移動させて該副気室部材(110,210)にホイール径方向(Y)の圧縮荷重を加えるのが好ましい。この製造方法によれば、ローラーを用いて副気室部材を部分的に塑性変形させていくので、比較的小さな圧縮荷重での加工が可能になる。
上記の製造方法では、第4の工程(S104,S204)は、第3の工程(S103,S203)で用いるローラー(R)と同じローラー(R)を用いて、副気室部材(110,210)の一端部(111,211)にホイール径方向(Y)の圧縮荷重を加えて押し潰すことによって開口を閉鎖する工程であり、第3の工程(S103,S203)と第4の工程(S104,S204)とが連続的に行われるのが好ましい。この製造方法によれば、製造に係るサイクルタイムを短くできる。
上記目的を達成するために、本発明にかかる自動車用ホイール(101,201,301)は、リム(102,202,302)の外周面とタイヤの内周面との間で形成されるタイヤ主気室(106)に面した部位にリム(102,202,302)の外周面の周方向に延びる固定溝(108,208,308)を備え、該固定溝(108,208,308)は、入口側よりも底側に、ホイール軸方向(Z)の溝幅が入口側よりも拡幅された拡幅部(108a,208a,308a)を有する。副気室部材(110,210,310;410)は、金属製の部材(11,21,31;41)で形成され、固定溝(108,208,308)に沿って拡幅部(108a,208a,308a)に接触した状態でホイール本体(101,201,301)に固定され、ホイール径方向(Y)でタイヤ主気室(106)と空間を隔てられたタイヤ副気室(113,213,313)を形成し、ホイール周方向(X)の一端部(111,211,311)が閉鎖される一方で他端部は閉鎖されずに開口を有しており、該開口を通じてタイヤ副気室(113,213,313)がタイヤ主気室(106)に連通するサイドブランチ型消音器を構成する。
この自動車用ホイールによれば、副気室部材の幅よりも固定溝の入口側の溝幅の方が狭いので、副気室部材は固定溝から抜けなくなる。また、副気室部材が金属製であるため樹脂製の部材を用いる場合に比べて副気室部材を保持する力が時間経過とともに低下してしまうことを抑制できる。さらに、ホイール本体に固定された副気室部材は、サイドブランチ型消音器として機能し、空洞共鳴音の低減に有効である。
尚、上記説明においては、発明の理解を助けるために、実施形態に対応する発明の構成に対して、実施形態で用いた符号を括弧書きで添えているが、発明の各構成要件は前記符号によって規定される実施形態に限定されるものではない。
以上のように、本発明によれば、自動車用ホイールにおいて、ホイール本体に固定された副気室部材を保持する力が時間経過とともに低下してしまうことを抑制することが可能になった。
図1は、第1実施形態のホイールを車両外側から視た図である。 図2は、図1中のホイールの一部をホイール径方向外側から視た図である。 図3は、図2中の副気室部材のホイール径方向についての断面構造を示す図である。 図4は、図2中の副気室部材の一端部を矢印A方向から視た図である。 図5は、図2中の副気室部材の他端部を矢印B方向から視た図である。 図6は、図2中のリム及び副気室部材のC−C線についての断面構造を示す図である。 図7は、図2中の係止壁部の構成を示す図である。 図8は、図1中のホイールの製造工程を示すフローチャートである。 図9は、図8中の第3の工程を模式的に示す図である。 図10は、図8中の第4の工程を模式的に示す図である。 図11は、図2中の係止壁部の変形例を示す図である。 図12は、第2実施形態のホイールの副気室部材のホイール径方向についての断面構造を示す図である。 図13は、図12中のリム及び副気室部材の断面構造を示す図である。 図14は、図12中のホイールの製造工程を示すフローチャートである。 図15は、図14中の第3の工程について、(A)が副気室部材の塑性変形前の状態を示し、(B)が副気室部材の塑性変形後の状態を示す図である。 図16は、金型を用いて副気室部材をリムに固定する変形例を示す図である。 図17は、第3実施形態のホイールの副気室部材のホイール径方向についての断面構造を示す図である。 図18は、図17中のリムに副気室部材が固定された状態の断面構造を示す図である。 図19は、図17中のホイールの製造工程を示すフローチャートである。 図20は、図17中のリムに工具を用いて副気室部材を固定する様子について、(A)が副気室部材の塑性変形前の状態を示し、(B)が副気室部材の塑性変形後の状態を示す図である。 図21は、図17中のリムに別構造の副気室部材が固定された状態の断面構造を示す図である。 図22は、図17中のリムに工具を用いて別構造の副気室部材を固定する様子について、(A)が副気室部材の塑性変形前の状態を示し、(B)が副気室部材の塑性変形後の状態を示す図である。
以下、本発明の自動車用ホイール(以下、単に「ホイール」ともいう)の実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、当該図面では、ホイール周方向を矢印Xで示し、ホイール径方向を矢印Yで示し、ホイール軸方向を矢印Zで示している。
(第1実施形態)
図1に示されるように、第1実施形態のホイール101は、円環状のタイヤ(図示省略)が取り付けられる円筒状のホイールリム(以下、単に「リム」ともいう)102と、リム102の車外側筒端部に一体状に接合された円盤状のホイールディスク(以下、単に「ディスク」ともいう)103と、を備えている。リム102は、ホイール101の一部を構成している。このリム102が本発明の「ホイール本体」及び「リム」に相当する。ディスク103は、円筒状のリム102にその車外側開口を覆うように設けられるものであり、ハブ部104と、複数(本実施例では8つ)のスポーク部105を備えている。このホイール101は、鋳造製法によって成型され、部分的に旋盤加工などの機械加工によって成形されている。
ハブ部104は、ディスク103のディスク中央領域(円盤中心側の領域)に設けられており、複数のボルト穴104aを備えている。ホイール101を車両に取り付ける際に、ハブ部104は車両側の車軸ハブ(図示省略)に取り付けられ、ボルト穴104aにはホイール101と車両側の車軸ハブとを締結するための締結用ボルトが挿通される。
複数のスポーク部105は、ホイール101のホイール径方向Yについてハブ部104からリム102まで放射状に延出してリム102に接続されている。これら複数のスポーク部105は、ホイール周方向Xについて等間隔で配置されている。
図2に示されるように、ホイール101のリム102は、車両外側に設けられた円環状のアウターリム102aと、車内側に設けられた円環状のインナーリム102bと、リム102の外周面においてホイール軸方向Zについてアウターリム102aの車両外側のビードシート102fとインナーリム102bの車両内側のビードシート102fとの間に介在する凹溝(ウェル部)102cと、を備えている。二つのビードシート102fはいずれも、タイヤのビードを保持する。リム102の外周面は、タイヤの内周面との間に空気が導入されるタイヤ主気室106を区画する。凹溝102cは、リム102の外周面においてホイール径方向(図1中のホイール径方向Y)内方に凹み且つホイール周方向(図1中のホイール周方向X)に沿って環状に延びる溝部分である。この凹溝102cは、ホイール周方向Xに沿って円環状に延在した溝底102dと、溝底102dの車両外側及び車両内側のそれぞれからホイール径方向外方に沿って立設した二つの溝壁(車両外側の溝壁102eと車両内側の溝壁102e)と、を備えている。
図3に示されるように、リム102には二つの副気室部材110,110が取り付けられている。これら二つの副気室部材110,110は、ホイール周方向Xについて概ね等間隔で配置されている。副気室部材110は、塑性変形が容易になるよう熱処理が施されたアルミニウム合金製の管状部材を用いて構成され、リム102の凹溝102cにおいて一端部111から他端部112までホイール周方向Xに沿って湾曲しつつ長尺状に延在している。図4及び図5に示されるように、副気室部材110は横断面形状が楕円であり、その一端部111は押し潰されることによって開口が閉鎖され、他端部112の開口112aは閉鎖されていない。この副気室部材110は、ホイール径方向Yでタイヤ主気室106と空間を隔てられたタイヤ副気室113を形成する。
タイヤ副気室113は、他端部112の開口112aのみを通じてタイヤ主気室106に連通し且つホイール周方向Xに延びている。このタイヤ副気室113は、開口112aにおいてタイヤ主気室106から分岐した「サイドブランチ型吸音器」を構成している。このタイヤ副気室113を形成する副気室部材110が本発明の「副気室部材」に相当する。
副気室部材110によって構成されたサイドブランチ型吸音器は、車両走行時の路面入力によってタイヤ主気室106内で生じた空洞共鳴音を吸収する機能を果たす。この機能を達成するために、本実施の形態では、タイヤ副気室113のホイール周方向Xの長さLを、タイヤ主気室106における空洞共鳴波長の4分の1に相当する基準長さに近似した長さに設定している。これにより、タイヤ主気室106における音波と、他端部112の開口112aを通じてタイヤ副気室113に導入されて一端部111側で反射した後に開口112aを通じて再びタイヤ主気室106へと戻る音波とが、互いに逆位相で合成されて音を打ち消すように作用する。その結果、タイヤ主気室106における特定周波数(典型的には200〜250Hz付近の周波数)の振動を吸収することができ、車両走行時の車内騒音を低減することが可能になる。
尚、このサイドブランチ型吸音器によって特定周波数の音を吸収するという具体的な作用効果については、例えば先行技術文献である特開2005−205945号公報に開示の、タイヤ空洞部(タイヤ主気室)に開口するように形成された2本の管(図1中の二つの管4,4)を用いる技術を参照することができる。
図6及び図7に示されるように、リム102は、凹溝102cの溝底102dからホイール径方向Y外方に延出する車両外側の係止壁部107及び車両内側の係止壁部107を備えている。車両外側の係止壁部107及び車両内側の係止壁部107は、それぞれホイール軸方向Zに互いに離間している。また、図2および図3に示されるように、車両外側の係止壁部107及び車両内側の係止壁部107は、ホイール周方向Xに副気室部材110の長さよりもやや短い長さで延びており、それぞれ同一円周上に2つずつ設けられている。
ホイール軸方向Zの断面において、係止壁部107は、互いに向かい合いホイール周方向Xへ延びる内壁面107aを備える。内壁面107aは、それぞれホイール軸方向Zに凹んだ曲面で構成される。車両外側の内壁面107aと車両内側の内壁面107aとの間の空間は、副気室部材110を固定するための固定溝108として機能する。固定溝108は、係止壁部107の先端部分である開口縁部107bよりもホイール径方向Y内方に拡幅部108aを備えている。拡幅部108aは、開口縁部107bのホイール軸方向Zの溝幅W1よりも大きい溝幅W2で構成されている。即ち、固定溝108は、溝の入口側よりも溝の奥側に、入口よりも広くなった拡幅部108aを備える。こうして構成される固定溝108は、タイヤ主気室106に面した部位においてリム102の外周面のホイール周方向Xに延在することとなる。この固定溝108が本発明の「固定溝」に相当する。
副気室部材110は、係止壁部107の拡幅部108aに接するように固定溝108に固定されている。このとき、固定溝108の開口縁部107b側の溝幅W1よりも副気室部材110の幅が広くなるので、副気室部材110は固定溝108からホイール径方向Y外方へ抜けなくなる。
図8に示されるように、上記構成のホイール101の製造方法は、第1の工程S101から第4の工程S104までの4つの工程を含む。この製造方法に更なる工程が含まれてもよい。
第1の工程S101は、副気室部材110が取り付けられる前の状態のホイール本体(ホイール101)を用意する工程である。即ち、第1の工程S101は、リム102の外周面とタイヤの内周面との間で形成されるタイヤ主気室106に面した部位においてリム102の外周面のホイール周方向Xに延びる固定溝108が、該固定溝108の入口側よりも底側にホイール軸方向の溝幅が拡幅された拡幅部108aを有するように設けられたホイール101を用意する工程である。この第1の工程S101が本発明の「第1の工程」に相当する。
第2の工程S102は、金属製の副気室部材110を用意するための工程である。ここで用意される副気室部材110は、固定溝108に固定される前の部材である。この副気室部材110には焼鈍しのように組織を軟化させ展延性を向上させる熱処理が予め施されている。また、この副気室部材110は、円形の断面を持つ中空状の管であり、ホイール周方向Xに延びる固定溝108とほぼ同等の円弧を描くように延びている。この副気室部材110は、直線状に延在する直管を湾曲状に加工することにより形成されている。また、副気室部材110のホイール軸方向Zの幅は、係止壁部107の先端部分である開口縁部107bにおけるホイール軸方向Zの溝幅W1(図6参照)よりも若干小さい。このように構成された副気室部材110は、円弧状に延び且つ円弧方向に垂直な断面が円弧外方に向けて凸に湾曲するといった形状的特徴を有する。この第2の工程S102が本発明の「第2の工程」に相当する。
第3の工程S103は、第2の工程S102で用意した副気室部材110を第1の工程S101で用意したホイール101のリム102に固定する工程である。図9に示されるように、第3の工程S103では、先ず副気室部材110を固定溝108に配置する。このとき、副気室部材110のホイール周方向Xの両端部111,112の位置には、係止壁部107が存在しないように、副気室部材110の位置が調整される。その後、回転軸aのまわりに回転駆動されたローラーRを副気室部材110の外表面に押し付ける。この場合、副気室部材110とローラーRとを接触させると共に、副気室部材110に沿ってホイール周方向XにローラーRを相対移動させて副気室部材110の外表面にホイール径方向Yの圧縮荷重(副気室部材110を挟む方向に作用する圧縮方向の力)を加える。ローラーRの相対移動については、リム102を固定した状態でローラーRを移動させる方法や、ローラーRを固定した状態でリム102を回転させる方法などを採用することができる。
このようにホイール径方向Yの圧縮荷重を受ける副気室部材110は、固定溝108に配置された状態でホイール周方向Xに垂直な断面がホイール径方向Y外方に向けて凸に湾曲するといった形状的特徴を有するため、固定溝108において圧縮荷重を受けてホイール径方向Yに縮み且つホイール軸方向Zに広がる。そして、副気室部材110は、ローラーRによって固定溝108の拡幅部108aの壁面に接触するまで塑性変形させられて、固定溝108に固定される。この第3の工程S103によれば、副気室部材110によってホイール径方向Yでタイヤ主気室106と空間を隔てられると共に副気室部材110のホイール周方向Xの両端部111,112の開口を通じてタイヤ主気室106に連通した状態のタイヤ副気室113が形成される。この場合、ローラーRを用いて副気室部材110を部分的に塑性変形させていくので、比較的小さな圧縮荷重での加工が可能になる。この第3の工程S103が本発明の「第3の工程」に相当する。
第4の工程S104は、第3の工程S103で固定した副気室部材110のホイール周方向Xの一端部111の開口を閉鎖するための工程である。この第4の工程S104では、図10に示されるように、第3の工程S103で用いるローラーRと同じローラーRを用いて、副気室部材110の一端部111にホイール径方向Yの圧縮荷重を加えて一端部111を押し潰すことによって一端部111の開口を閉鎖する。ここで、第3の工程S103において、副気室部材110の両端部111,112の位置には係止壁部107が存在しないように副気室部材110の位置を調整したので、一端部111の開口が閉鎖される位置には係止壁部107が存在しない。これにより、ローラーRで副気室部材110の一端部111を押しつぶす際に係止壁部107が妨げにならない。また、第4の工程S104は、第3の工程S103で用いるローラーRと同じローラーRを用いることにより、第3の工程S103に引き続いて連続的に行われるものとした。その結果、製造に係るサイクルタイムを短くできる。尚、第3の工程S103の後に第4の工程S104を行う方法に代えて、第4の工程S104の後に第3の工程S103を行う方法を採用することもできる。
第4の工程S104について具体的に説明すると、副気室部材110とローラーRとを接触させると共に、ローラーRを回転軸aのまわりに第1回転方向R1或いは第2回転方向R2に回転駆動させながら副気室部材110に沿った移動軌跡b上でホイール周方向XにローラーRを相対移動させて副気室部材110にホイール径方向Yの圧縮荷重を加える。その結果、副気室部材110の一端部111が押し潰されて開口が閉鎖される。この場合、副気室部材110の一端部111の開口を閉鎖するための別部材が不要であり、部品点数を少なくできる。尚、副気室部材110の一端部111の開口を確実に閉鎖するために、副気室部材110の一端部111にホイール径方向Yの圧縮荷重を加えて一端部111を押し潰す前に、この一端部111の管の内側にシール材を塗布しておくこともできる。また、副気室部材110の一端部111を押し潰すために回転しない治具やハンマー等の工具を用いて一端部111のみにホイール径方向Yの圧縮荷重を加えることもできる。この第4の工程S104によれば、他端部112の開口112aを通じてタイヤ副気室113がタイヤ主気室106に連通するサイドブランチ型消音器が形成される。この第4の工程S104が本発明の「第4の工程」に相当する。
上記構成のホイール101の製造方法によれば、第2の工程S102で用意された金属製の円弧状に延びた副気室部材110は円弧外方に向けて凸に湾曲しているので、第3の工程S103で副気室部材110にホイール径方向Yの圧縮荷重を加えることによって、副気室部材110は固定溝108においてホイール軸方向Zに広がる。このとき副気室部材110は、塑性変形する程度に変形させられる。そして、副気室部材110は、固定溝108の入口側よりも溝幅が広い拡幅部108aで広がるので固定溝108から抜けなくなる。また、副気室部材110が金属製であるため樹脂製の部材を用いる場合に比べてホイール101に固定された副気室部材110を保持する力が時間経過とともに低下してしまうことを抑制できる。さらに、ホイール101に固定された副気室部材110は、サイドブランチ型消音器として機能し、空洞共鳴音の低減に有効である。
また、第4の工程S104において、副気室部材110の一端部111にホイール径方向Yの圧縮荷重を加えて押しつぶすことによって一端部111の開口を閉鎖するので、副気室部材110の一端部111の開口を閉鎖するための別部材が不要になり、部品点数を少なくできる。
尚、図11に示されるように、ホイール101の軽量化のために、複数の係止壁部107をホイール周方向Xに沿って断続的に配置した構成を用いることもできる。本構成によれば、係止壁部107の無い部分、即ちホイール周方向Xについて隣接する2つの係止壁部107の間の部分では、副気室部材110は塑性変形させられる際に拡幅部108aの溝幅W2よりも広がる。その結果、ホイール周方向Xについての副気室部材110の回り止めになるため位置ズレを抑制することができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態のホイール201について図12〜図15を参照しつつ説明する。尚、このホイール201において、リム202以外の構成要素は、前記のホイール101の構成要素と同一である。従って、ホイール201について、リム202以外の構成要素の説明は省略する。
図12に示されるように、リム202には前記の二つの副気室部材110,110と同様の二つの副気室部材210,210が取り付けられている。副気室部材210は、ホイール周方向Xの長さが副気室部材110と同じである。副気室部材210は、前記の副気室部材110と同様の管状部材を用いて構成され、リム202の凹溝202cにおいて一端部211から他端部212までホイール周方向Xに沿って湾曲しつつ長尺状に延在している。この副気室部材210は、一端部211の開口が閉鎖され、且つ他端部212に開口212aを備えている。この副気室部材210は、ホイール径方向Yでタイヤ主気室106と空間を隔てられたタイヤ副気室213を形成する。タイヤ副気室213は、他端部212の開口212aのみを通じてタイヤ主気室106に連通し且つホイール周方向Xに延びている。このタイヤ副気室213は、開口212aにおいてタイヤ主気室106から分岐した「サイドブランチ型吸音器」を構成している。この副気室部材210が本発明の「副気室部材」に相当する。
図13に示されるように、リム202は、前記の凹溝102cと同様の形状の凹溝202cと、副気室部材210の固定のための固定溝208と、を備えている。固定溝208は、凹溝202cの溝底202dの一部がホイール径方向Y内方に凹んだ溝部分である。この固定溝208は、タイヤ主気室106に面した部位においてリム202の外周面のホイール周方向Xに延在している。この固定溝208が本発明の「固定溝」に相当する。
固定溝208は、開口縁部208bよりもホイール径方向Y内方に拡幅部208aを備えている。拡幅部208aは、前記の固定溝108の拡幅部108aと同様に、開口縁部208bのホイール軸方向Zの溝幅W3よりも大きい溝幅W4で構成されている。即ち、固定溝208は、溝の入口側よりも溝の奥側に、入口よりも広くなった拡幅部208aを備える。こうして構成される固定溝208は、タイヤ主気室106に面した部位においてリム202の外周面のホイール周方向Xに延在することとなる。この固定溝208が本発明の「固定溝」に相当する。
副気室部材210は、拡幅部208aに接するように固定溝208に固定されている。このとき、固定溝208の開口縁部208b側の溝幅W3よりも副気室部材210の幅が広くなるので、副気室部材210は固定溝208からホイール径方向Y外方へ抜けなくなる。このような固定溝208を用いる固定方法は、ホイール軸方向Zの寸法が小さい一方でホイール径方向Yのスペースに余裕があるホイールに適している。
図14に示されるように、上記構成のホイール201の製造方法は、第1の工程S201から第4の工程S204までの4つの工程を含む。この製造方法に更なる工程が含まれてもよい。
第1の工程S201は、副気室部材210が取り付けられる前の状態のホイール本体(ホイール201)を用意する工程である。即ち、第1の工程S201は、タイヤ主気室106に面した部位においてリム202の外周面のホイール周方向Xに延びる固定溝208が、該固定溝208の入口側よりも底側にホイール軸方向の溝幅が拡幅された拡幅部208aを有するように設けられたホイール201を用意する工程である。この第1の工程S201が本発明の「第1の工程」に相当する。
第2の工程S202は、金属製の副気室部材210を用意するための工程である。ここで用意される副気室部材210は、固定溝208に固定される前の部材である。この副気室部材210には焼鈍しのように組織を軟化させ展延性を向上させる熱処理が予め施されている。また、この副気室部材210は、円形の断面を持つ中空状の管であり、ホイール周方向Xに延びる固定溝208とほぼ同等の円弧を描くように延びている。また、副気室部材210のホイール軸方向Zの幅は、固定溝208の開口縁部208bにおけるホイール軸方向Zの溝幅W3(図13参照)よりも若干小さい。このように構成された副気室部材210は、円弧状に延び且つ円弧方向に垂直な断面が円弧外方に向けて凸に湾曲するといった形状的特徴を有する。この第2の工程S202が本発明の「第2の工程」に相当する。
第3の工程S203は、第2の工程S202で用意した副気室部材210を第1の工程S201で用意したホイール201のリム202に固定する工程である。図15の(A)に示されるように、第3の工程S203では、先ず副気室部材210を固定溝208に配置する。その後、回転軸aのまわりに回転駆動されたローラーRを副気室部材210の外表面に押し付ける。この場合、副気室部材210とローラーRとを接触させると共に、副気室部材210に沿ってホイール周方向XにローラーRを相対移動させて副気室部材210の外表面にホイール径方向Yの圧縮荷重(副気室部材210を挟む方向に作用する圧縮方向の力)を加える。ローラーRの相対移動については、リム202を固定した状態でローラーRを移動させる方法や、ローラーRを固定した状態でリム202を回転させる方法などを採用することができる。
このようにホイール径方向Yの圧縮荷重を受ける副気室部材210は、固定溝208に配置された状態でホイール周方向Xに垂直な断面がホイール径方向Y外方に向けて凸に湾曲するといった形状的特徴を有するため、図15の(B)に示されるように、固定溝208において圧縮荷重を受けてホイール径方向Yに縮み且つホイール軸方向Zに広がる。そして、副気室部材210は、ローラーRによって固定溝208の拡幅部208aの壁面に接触するまで塑性変形させられて、固定溝208に固定される。この第3の工程S203によれば、副気室部材210によってホイール径方向Yでタイヤ主気室106と空間を隔てられると共に副気室部材210のホイール周方向Xの両端部211,212の開口を通じてタイヤ主気室106に連通した状態のタイヤ副気室213が形成される。この場合、ローラーRを用いて副気室部材210を部分的に塑性変形させていくので、比較的小さな圧縮荷重での加工が可能になる。この第3の工程S203が本発明の「第3の工程」に相当する。
第4の工程S204は、第3の工程S203で固定した副気室部材210のホイール周方向Xの一端部211の開口を閉鎖するための工程である。この第4の工程S204では、固定溝208の形状に合わせて作成した治具を用いて、副気室部材210の一端部211にホイール径方向Yの圧縮荷重を加えて一端部211を押し潰すことによって一端部211の開口を閉鎖する。尚、第3の工程S203の後に第4の工程S204を行う方法に代えて、第4の工程S204の後に第3の工程S203を行う方法を採用することもできる。
この第4の工程S204では、副気室部材210の一端部211の開口を確実に閉鎖するために、副気室部材210の一端部211にホイール径方向Yの圧縮荷重を加えて一端部211を押し潰す前に、この一端部211の管の内側にシール材を塗布しておくこともできる。また、副気室部材210の一端部211を押し潰すためにハンマー等の工具を用いて一端部211のみにホイール径方向Yの圧縮荷重を加えることもできる。この第4の工程S204によれば、他端部212の開口212aを通じてタイヤ副気室213がタイヤ主気室106に連通するサイドブランチ型消音器が形成される。この第4の工程S204が本発明の「第4の工程」に相当する。
上記構成のホイール201の製造方法によれば、ホイール101の場合と同様に、第2の工程S202で用意された金属製の円弧状に延びた副気室部材210は円弧外方に向けて凸に湾曲しているので、第3の工程S203で副気室部材210にホイール径方向Yの圧縮荷重を加えることによって、副気室部材210は固定溝208においてホイール軸方向Zに広がる。このとき副気室部材210は、塑性変形する程度に変形させられる。そして、副気室部材210は、固定溝208の入口側よりも溝幅が広い拡幅部208aで広がるので固定溝208から抜けなくなる。また、副気室部材210が金属製であるため樹脂製の部材を用いる場合に比べてホイール201に固定された副気室部材210を保持する力が時間経過とともに低下してしまうことを抑制できる。さらに、ホイール201に固定された副気室部材210は、サイドブランチ型消音器として機能し、空洞共鳴音の低減に有効である。
また、第4の工程S204において、副気室部材210の一端部211にホイール径方向Yの圧縮荷重を加えて押しつぶすことによって一端部211の開口を閉鎖するので、副気室部材210の一端部211の開口を閉鎖するための別部材が不要になり、部品点数を少なくできる。
上記実施形態では、副気室部材110,210を塑性変形させるための部材としてローラーRを用いる場合について記載したが、図16に示されるように、例えば第1実施形態の場合、副気室部材110にホイール径方向Y外方から第1金型D1及び第2金型D2を作用させることによって、副気室部材110の全体をプレスする方法を採用することもできる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態のホイール301について図17〜図22を参照しつつ説明する。尚、このホイール301において、リム302及び副気室部材310,410以外の構成要素は、前記のホイール101,201の構成要素と同一である。従って、ホイール301について、リム302及び副気室部材310,410以外の構成要素の説明は省略する。
図17に示されるように、リム302には二つの副気室部材310,310が取り付けられている。これら二つの副気室部材310,310は、ホイール周方向Xについて概ね等間隔で配置されている。副気室部材310は、塑性変形が容易になるよう熱処理が施されたアルミニウム合金製の板状部材を用いて構成され、リム302の凹溝302cにおいて一端部311から他端部312までホイール周方向Xに沿って湾曲しつつ長尺状に延在している。副気室部材310は、ホイール周方向Xの長さが副気室部材110と同じである。副気室部材310は、その一端部311が凹溝302cの溝底302dに密着するように押し潰されている。一方で、この副気室部材310の他端部312は、凹溝302cの溝底302dに密着しておらず凹溝302cとの間で開口312aを形成している。この副気室部材310は、ホイール径方向Yでタイヤ主気室106と空間を隔てられたタイヤ副気室313を形成する。
タイヤ副気室313は、他端部312の開口312aのみを通じてタイヤ主気室106に連通し且つホイール周方向Xに延びている。このタイヤ副気室313は、開口312aにおいてタイヤ主気室106から分岐した「サイドブランチ型吸音器」を構成している。このタイヤ副気室313を形成する副気室部材310が本発明の「副気室部材」に相当する。
図18に示されるように、副気室部材310は、ホイール軸方向Zに概ね水平状に延在する横板部310aと、この横板部310aの両端からそれぞれホイール径方向Y内方へ延出する縦板部310bと、この縦板部310bのホイール軸方向Z外側で縦板部310bのホイール径方向Y内方側の端部からホイール径方向Y外方へ延出する縦板部310cと、を備えている。リム302は、前記の係止壁部107と同様に、凹溝302cの溝底302dからホイール径方向Y外方に延出する車両外側の係止壁部307及び車両内側の係止壁部307を備えている。車両外側の係止壁部307及び車両内側の係止壁部307は、それぞれホイール軸方向Zに互いに離間している。また、前記の係止壁部107と同様に、車両外側の係止壁部307及び車両内側の係止壁部307は、ホイール周方向Xに副気室部材310の長さよりもやや短い長さで延びており、それぞれ同一円周上に2つずつ設けられている。
ホイール軸方向Zの断面において、係止壁部307は、互いに向かい合いホイール周方向Xへ延びる内壁面307aを備える。内壁面307aは、それぞれホイール軸方向Zに凹んだ段差面で構成される。車両外側の内壁面307aと車両内側の内壁面307aとの間の空間は、副気室部材310を固定するための固定溝308として機能する。固定溝308は、係止壁部307の先端部分である開口縁部307bよりもホイール径方向Y内方に拡幅部308aを備えている。拡幅部308aは、開口縁部307bのホイール軸方向Zの溝幅W5よりも大きい溝幅W6で構成されている。即ち、固定溝308は、溝の入口側よりも溝の奥側に、入口よりも広くなった拡幅部308aを備える。こうして構成される固定溝308は、タイヤ主気室106に面した部位においてリム302の外周面のホイール周方向Xに延在することとなる。この固定溝308が本発明の「固定溝」に相当する。
副気室部材310は、係止壁部307の拡幅部308aに接するように固定溝308に固定されている。このとき、固定溝308の開口縁部307b側の溝幅W5よりも副気室部材310の幅が広くなるので、副気室部材310は固定溝308からホイール径方向Y外方へ抜けなくなる。
図19に示されるように、上記構成のホイール301の製造方法は、第1の工程S301から第4の工程S304までの4つの工程を含む。この製造方法に更なる工程が含まれてもよい。
第1の工程S301は、副気室部材310が取り付けられる前の状態のホイール本体(ホイール301)を用意する工程である。即ち、第1の工程S301は、タイヤ主気室106に面した部位においてリム302の外周面のホイール周方向Xに延びる固定溝308が、該固定溝308の入口側よりも底側にホイール軸方向の溝幅が拡幅された拡幅部308aを有するように設けられたホイール301を用意する工程である。この第1の工程S301が本発明の「第1の工程」に相当する。
第2の工程S302は、金属製の副気室部材310を用意するための工程である。ここで用意される副気室部材310は、固定溝308に固定される前の部材である。この副気室部材310には焼鈍しのように組織を軟化させ展延性を向上させる熱処理が予め施されている。この副気室部材310は、ホイール軸方向Zに延在し、ホイール径方向Y外方に向けて突出する突出面を有する横板部310aと、この横板部310aの両端からそれぞれホイール径方向Y内方へ延出する縦板部310bと、この縦板部310bのホイール軸方向Z外側で縦板部310bのホイール径方向Y内方側の端部からホイール径方向Y外方へ延出する縦板部310cと、を備えている。この副気室部材310は、ホイール周方向Xに延びる固定溝308とほぼ同等の円弧を描くように延びている。また、副気室部材310のホイール軸方向Zの幅は、係止壁部307の先端部分である開口縁部307bにおけるホイール軸方向Zの溝幅W5(図18参照)よりも若干小さい。このように構成された副気室部材310は、円弧状に延び且つ円弧方向に垂直な断面が円弧外方に向けて凸に湾曲するといった形状的特徴を有する。この第2の工程S302が本発明の「第2の工程」に相当する。
第3の工程S303は、第2の工程S302で用意した副気室部材310を第1の工程S301で用意したホイール301のリム302に固定する工程である。図20の(A)に示されるように、第3の工程S303では、先ず副気室部材310を固定溝308に配置する。このとき、副気室部材310のホイール周方向Xの両端部311,312の位置には、係止壁部307が存在しないように、副気室部材310の位置が調整される。その後、図20の(B)に示されるように、専用の工具Tを副気室部材310の外表面(突出面)に押し付ける。この工具Tとして前述の金型D1,D2と同様の金型を用いている。この場合、副気室部材310と工具Tとを接触させると共に、この工具Tによって副気室部材310の外表面(横板部310aの突出面)にホイール径方向Yの圧縮荷重(副気室部材310を挟む方向に作用する圧縮方向の力)を加える。
このようにホイール径方向Yの圧縮荷重を受ける副気室部材310は、固定溝308に配置された状態でホイール周方向Xに垂直な断面がホイール径方向Y外方に向けて凸に湾曲するといった形状的特徴を有するため、固定溝308において圧縮荷重を受けてホイール径方向Yに縮み且つホイール軸方向Zに広がる。そして、副気室部材310は、工具Tによって固定溝308の拡幅部308aの壁面に接触するまで塑性変形させられて、固定溝308に固定される。この第3の工程S303によれば、副気室部材310によってホイール径方向Yでタイヤ主気室106と空間を隔てられると共に副気室部材310のホイール周方向Xの両端部311,312の開口を通じてタイヤ主気室106に連通した状態のタイヤ副気室313が形成される。この場合、工具Tを用いて副気室部材310を部分的に塑性変形させていくので、比較的小さな圧縮荷重での加工が可能になる。この第3の工程S103が本発明の「第3の工程」に相当する。尚、工具Tに代えて、前記のローラーRを用いることもできる。
第4の工程S304は、第3の工程S303で固定した副気室部材310のホイール周方向Xの一端部311の開口を閉鎖するための工程である。この第4の工程S304では、ハンマー等の工具を用いて副気室部材310の一端部311にホイール径方向Yの圧縮荷重を加えて一端部311を押し潰すことによって一端部311の開口を閉鎖する。
この第4の工程S304では、副気室部材310の一端部311の開口を確実に閉鎖するために、副気室部材310の一端部311にホイール径方向Yの圧縮荷重を加えて一端部311を押し潰す前に、この一端部311の板の内側にシール材を塗布しておくこともできる。この第4の工程S304によれば、他端部312の開口312aを通じてタイヤ副気室313がタイヤ主気室106に連通するサイドブランチ型消音器が形成される。この第4の工程S304が本発明の「第4の工程」に相当する。
上記構成の副気室部材310に代えて、図21に示されるような副気室部材410を用いることもできる。この副気室部材410は、板幅方向の長さが副気室部材310と同一である一方で、板幅方向の両端部の形状が副気室部材310とは異なる。即ち、副気室部材410は、ホイール軸方向Zに概ね水平状に延在する横板部410aと、この横板部410aの両端からそれぞれホイール径方向Y内方へ延出する縦板部410bと、この縦板部410bのホイール軸方向Z外側で一方の縦板部410bのホイール径方向Y内方側の端部からホイール径方向Y外方へ延出する縦板部410cと、を備えている。この場合、固定溝308において副気室部材410が拡幅部308aの壁面に接触した状態では、副気室部材410は、水平部410aと縦板部410cを備えていない側の縦板部410bとの境界部分である角部と、縦板部410cの先端と、がいずれも、係止壁部307の延出先端部分(開口縁部307b)に引っ掛かることによって係止されている。このとき、固定溝308の開口縁部307b側の溝幅W5よりも副気室部材410の幅が広くなるので、副気室部材410は固定溝308からホイール径方向Y外方へ抜けなくなる。
この副気室部材410は、前記の副気室部材310の場合と同様の方法でホイール本体(ホイール301)に固定される。即ち、第2の工程S302において金属製の副気室部材410を用意した後、第3の工程S303においてこの副気室部材410を第1の工程S301で用意したホイール301に固定する。ここで用意される副気室部材410は、固定溝308に固定される前の部材である。この副気室部材410には焼鈍しのように組織を軟化させ展延性を向上させる熱処理が予め施されている。この副気室部材410は、ホイール軸方向Zに延在し、ホイール径方向Y外方に向けて突出する突出面を有する横板部410aと、この横板部410aの両端からそれぞれホイール径方向Y内方へ延出する縦板部410bと、この縦板部410bのホイール軸方向Z外側で一方の縦板部410bのホイール径方向Y内方側の端部からホイール径方向Y外方へ延出する縦板部410cと、を備えている。第3の工程S303では、図22の(A)に示されるように、先ず副気室部材410を固定溝308に配置する。その後、図22の(B)に示されるように、専用の工具Tを副気室部材410の外表面(横板部410aの突出面)に押し付ける。このとき、副気室部材410は、固定溝308に配置された状態でホイール周方向Xに垂直な断面がホイール径方向Y外方に向けて凸に湾曲するといった形状的特徴を有するため、固定溝308において圧縮荷重を受けてホイール径方向Yに縮み且つホイール軸方向Zに広がる。そして、副気室部材410は、工具Tによって固定溝308の拡幅部308aの壁面に接触するまで塑性変形させられて、固定溝308に固定される。
上記構成のホイール301の製造方法によれば、ホイール101,201の場合と同様に、第2の工程S302で用意された金属製の円弧状に延びた副気室部材310,410は円弧外方に向けて凸に湾曲しているので、第3の工程S303で副気室部材310,410にホイール径方向Yの圧縮荷重を加えることによって、副気室部材310,410は固定溝308においてホイール軸方向Zに広がる。このとき副気室部材310,410は、塑性変形する程度に変形させられる。そして、副気室部材310,410は、固定溝308の入口側よりも溝幅が広い拡幅部308aで広がるので固定溝308から抜けなくなる。また、副気室部材310,410が金属製であるため樹脂製の部材を用いる場合に比べてホイール301に固定された副気室部材310,410を保持する力が時間経過とともに低下してしまうことを抑制できる。さらに、ホイール301に固定された副気室部材310,410は、サイドブランチ型消音器として機能し、空洞共鳴音の低減に有効である。
また、第4の工程S304において、副気室部材310,410の一端部311にホイール径方向Yの圧縮荷重を加えて押しつぶすことによって一端部311の開口を閉鎖するので、副気室部材310,410の一端部311の開口を閉鎖するための別部材が不要になり、部品点数を少なくできる。
本発明は、上記の典型的な実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の応用や変形が考えられる。例えば、上記実施の形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
上記の実施形態では、サイドブランチ型吸音器を構成するアルミニウム合金製の副気室部材110,210,310,410について記載したが、本発明では、これら副気室部材110,210,310,410を亜鉛メッキ鋼板やステンレス鋼などのアルミニウム合金以外の金属材料を用いて構成することもできる。
上記の実施形態では、アルミニウム合金を主要材料とした鋳造アルミホイールであるホイール101,201,301について記載したが、本発明では、ホイール101,201,301の主要材料として、アルミニウム合金以外の材料、例えば、マグネシウム合金、チタン合金などの軽合金等、種々の金属材料を用いることもできる。また、本発明では、ホイール101,201,301の製造方法として鋳造製法以外に鍛造製法を用いることもできる。
上記実施形態では、副気室部材110は、円形の断面を持つ中空状の管としたが、ホイール周方向X外方に向けて凸に湾曲する断面をもつものであれば、楕円形、三角形、四角形、多角形等の断面をもつ中空状の管とするともできる。
上記実施形態では、副気室部材を固定する第3の工程(S103,S203)を行った後に副気室部材の一端部の開口を閉鎖する第4の工程(S104,S204)を行う場合について説明したが、第4の工程(S104,S204)を行った後に第3の工程(S103,S203)を行うこともできる。
101,201,301…ホイール(自動車用ホイール)、102,202,302…ホイールリム(リム)、102c,202c,302c…凹溝、102d,202d,302d…溝底、103…ホイールディスク(ディスク)、104…ハブ部、105…スポーク部、106…タイヤ主気室、107,307…係止壁部、108,208,308…固定溝、108a,208a,308a…拡幅部、110,210,310,410…副気室部材、113,213,313…タイヤ副気室

Claims (5)

  1. ホイール本体に副気室部材が固定された自動車用ホイールの製造方法であって、
    リムの外周面とタイヤの内周面との間で形成されるタイヤ主気室に面した部位に前記リムの外周面の周方向に延びる固定溝が、該固定溝の入口側よりも底側にホイール軸方向の溝幅が拡幅された拡幅部を有するように設けられたホイール本体を用意する第1の工程と、
    円弧状に延び且つ円弧方向に垂直な断面が円弧外方に向けて凸に湾曲する金属製の副気室部材を用意する第2の工程と、
    前記副気室部材を前記ホイール本体の前記固定溝に配置した後、該副気室部材にホイール径方向の圧縮荷重を加えて該副気室部材を前記固定溝の前記拡幅部に接触するまで塑性変形させて該副気室部材を前記ホイール本体に固定することにより、固定された該副気室部材によってホイール径方向で前記タイヤ主気室と空間を隔てられると共に該副気室部材のホイール周方向の両端部の開口を通じて前記タイヤ主気室に連通した状態のタイヤ副気室が形成される第3の工程と、
    前記副気室部材のホイール周方向の一端部の開口を閉鎖することにより、他端部の開口を通じて前記タイヤ副気室が前記タイヤ主気室に連通するサイドブランチ型消音器が形成される第4の工程と、
    を含む、自動車用ホイールの製造方法。
  2. 請求項1に記載の、自動車用ホイールの製造方法であって、
    前記第4の工程において、前記副気室部材の前記一端部にホイール径方向の圧縮荷重を加えて押し潰すことによって該一端部の開口を閉鎖する、自動車用ホイールの製造方法。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の、自動車用ホイールの製造方法であって、
    前記第3の工程において、前記副気室部材とローラーとを接触させると共に該副気室部材に沿ってホイール周方向に該ローラーを相対移動させて該副気室部材にホイール径方向の圧縮荷重を加える、自動車用ホイールの製造方法。
  4. 請求項3に記載の、自動車用ホイールの製造方法であって、
    前記第4の工程は、前記第3の工程で用いる前記ローラーと同じローラーを用いて、前記副気室部材の前記一端部にホイール径方向の圧縮荷重を加えて押し潰すことによって開口を閉鎖する工程であり、
    前記第3の工程と前記第4の工程とが連続的に行われる、自動車用ホイールの製造方法。
  5. ホイール本体に副気室部材が固定された自動車用ホイールであって、
    前記ホイール本体は、リムの外周面とタイヤの内周面との間で形成されるタイヤ主気室に面した部位に前記リムの外周面の周方向に延びる固定溝を備え、
    該固定溝は、入口側よりも底側に、ホイール軸方向の溝幅が入口側よりも拡幅された拡幅部を有し、
    前記副気室部材は、金属製の部材で形成され、前記固定溝に沿って前記拡幅部に接触した状態で前記ホイール本体に固定され、ホイール径方向で前記タイヤ主気室と空間を隔てられたタイヤ副気室を形成し、ホイール周方向の一端部が閉鎖される一方で他端部は閉鎖されずに開口を有しており、該開口を通じて前記タイヤ副気室が前記タイヤ主気室に連通するサイドブランチ型消音器を構成する、自動車用ホイール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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