JP2017046621A - コンバイン - Google Patents
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Abstract
【課題】コンバイン各部の駆動構造を簡略化して、コンバイン全体の小型化を簡単に達成でき、穀稈の刈取幅を確保しながら機体全体をコンパクトに構成可能な軽量構造の小型コンバインを低コストに構成できるようにしたコンバインを提供しようとするものである。
【解決手段】刈刃15を有する刈取部3と、扱胴21を有する脱穀部9と、走行部2及びエンジン7を設ける走行機体1を備え、刈取部3から脱穀部9に穀稈を供給するコンバインにおいて、エンジン7と脱穀部9間の走行機体1上面にカウンタ軸72を配置し、エンジン7の出力プーリ57にカウンタ軸72をベルト59連結し、前記カウンタ軸72を介して刈取部3と脱穀部9にエンジン7の駆動力を伝達するように構成したものである。
【選択図】図11
【解決手段】刈刃15を有する刈取部3と、扱胴21を有する脱穀部9と、走行部2及びエンジン7を設ける走行機体1を備え、刈取部3から脱穀部9に穀稈を供給するコンバインにおいて、エンジン7と脱穀部9間の走行機体1上面にカウンタ軸72を配置し、エンジン7の出力プーリ57にカウンタ軸72をベルト59連結し、前記カウンタ軸72を介して刈取部3と脱穀部9にエンジン7の駆動力を伝達するように構成したものである。
【選択図】図11
Description
本願発明は、圃場の未刈り穀稈を刈取る刈取部と、刈取り穀稈の穀粒を脱粒する脱穀部を搭載したコンバインに関するものである。
従来、走行部及び運転座席を有する走行機体と、刈刃を有する刈取部と、扱胴を有する脱穀部と、刈取部から脱穀部に刈取り穀稈を供給するフィーダハウスと、各部を駆動するエンジンを備え、圃場の未刈り穀稈を連続的に刈取って脱穀する技術がある(特許文献1〜5参照)。
小さい面積の圃場における収穫作業では、穀稈の刈取幅を確保しながら機体全体をコンパクトに構成可能な軽量構造のコンバインが望まれている。従来技術では、走行機体の前後向きに扱胴を配置する構造に比べ、走行機体の左右向きに扱胴を配置した場合、脱穀部の前後幅を小さくできるが、走行機体の平坦な上面側にエンジンまたは脱穀部などが並設され、コンバイン各部の駆動構造が複雑に構成され、コンバイン全体の小型化を簡単に考慮できない等の構造上の問題がある。
そこで、本願発明は、これらの現状を検討して改善を施した普通型コンバインを提供しようとするものである。
前記目的を達成するため、請求項1に係る発明のコンバインは、刈刃を有する刈取部と、扱胴を有する脱穀部と、走行部及びエンジンを設ける走行機体を備え、前記刈取部から前記脱穀部に穀稈を供給するコンバインにおいて、前記エンジンと脱穀部間の走行機体上面にカウンタ軸を配置し、前記エンジンの出力プーリにカウンタ軸をベルト連結し、前記カウンタ軸を介して刈取部と脱穀部に前記エンジンの駆動力を伝達するように構成したものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のコンバインにおいて、前記扱胴を左右向きに軸支すると共に、前記脱穀部後方の走行機体上面に前記エンジンを設置する構造であって、左右の軸受を介して前記走行機体にカウンタ軸を左右向きに横架させ、前記エンジン左側の出力プーリにカウンタ軸の左側をベルト連結し、前記カウンタ軸の右側に扱胴軸の右側をチェン連結したものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のコンバインにおいて、前記脱穀部の底部に揺動選別盤と穀粒取出コンベヤを備え、前記カウンタ軸の右側に穀粒取出コンベヤ軸の右側をチェン連結し、前記揺動選別盤の揺動駆動軸に穀粒取出コンベヤ軸の右側をチェン連結し、前記エンジン・脱穀部左側の穀粒排出コンベヤ軸下端部に穀粒取出コンベヤ軸の左端部を連結したものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のコンバインにおいて、揺動選別盤の上面側に扱胴を左右向きに配置し、揺動選別盤の下面側に穀粒取出コンベヤを左右向きに配置する構造であって、前記エンジン設置面に対して揺動選別盤設置面を略同位置高さに形成すると共に、後ろ向きに延設させる脱穀部左側の穀粒排出コンベヤとエンジンの間に、揺動選別盤に選別風を供給するための送風ファンを配置したものである。
請求項1に記載の発明によれば、刈刃を有する刈取部と、扱胴を有する脱穀部と、走行部及びエンジンを設ける走行機体を備え、前記刈取部から前記脱穀部に穀稈を供給するコンバインにおいて、前記エンジンと脱穀部間の走行機体上面にカウンタ軸を配置し、前記エンジンの出力プーリにカウンタ軸をベルト連結し、前記カウンタ軸を介して刈取部と脱穀部に前記エンジンの駆動力を伝達するように構成したものであるから、コンバイン各部の駆動構造を簡略化して、コンバイン全体の小型化を簡単に達成でき、穀稈の刈取幅を確保しながら機体全体をコンパクトに構成可能な軽量構造の小型コンバインを低コストに構成できる。
請求項2に記載の発明によれば、前記扱胴を左右向きに軸支すると共に、前記脱穀部後方の走行機体上面に前記エンジンを設置する構造であって、左右の軸受を介して前記走行機体にカウンタ軸を左右向きに横架させ、前記エンジン左側の出力プーリにカウンタ軸の左側をベルト連結し、前記カウンタ軸の右側に扱胴軸の右側をチェン連結したものであるから、前記刈取部から脱穀部に前記エンジンの出力を伝達する構造などに比べ、前記扱胴軸を中心にして作業部駆動径路を簡単に構成でき、前記作業部駆動径路の組付けまたはメンテナンス作業性などを向上できる。
請求項3に記載の発明によれば、前記脱穀部の底部に揺動選別盤と穀粒取出コンベヤを備え、前記カウンタ軸の右側に穀粒取出コンベヤ軸の右側をチェン連結し、前記揺動選別盤の揺動駆動軸に穀粒取出コンベヤ軸の右側をチェン連結し、前記エンジン・脱穀部左側の穀粒排出コンベヤ軸下端部に穀粒取出コンベヤ軸の左端部を連結したものであるから、脱穀部周りの駆動構造を簡略化できるものでありながら、揺動選別盤の選別機能または穀粒取出コンベヤまたは穀粒排出コンベヤの搬出機能を適正に維持できる。
請求項4に記載の発明によれば、揺動選別盤の上面側に扱胴を左右向きに配置し、揺動選別盤の下面側に穀粒取出コンベヤを左右向きに配置する構造であって、前記エンジン設置面に対して揺動選別盤設置面を略同位置高さに形成すると共に、後ろ向きに延設させる脱穀部左側の穀粒排出コンベヤとエンジンの間に、揺動選別盤に選別風を供給するための送風ファンを配置したものであるから、脱穀部の支持高さを押さえながら、エンジン前方に脱穀部を配置できる。揺動選別盤と送風ファンをコンパクトに配置できる。送風ファンから揺動選別盤に向けて供給する選別風量を容易に確保できるものでありながら、送風ファンから揺動選別盤に向けて選別風を供給するための送風ファンダクトなどもコンパクトに配置できる。
以下に、本願発明を具体化した実施形態を、普通型コンバインに適用した図面(図1〜図23)に基づいて説明する。まず、図1〜図6を参照しながら、普通型コンバインの概略構造について説明する。なお、以下の説明では、走行機体1の前進方向に向かって左側を単に左側と称し、同じく前進方向に向かって右側を単に右側と称する。
図1〜図6に示す如く、実施形態における普通型コンバインは、走行部としてのゴムクローラ製の左右一対の履帯2にて支持された走行機体1を備える。走行機体1の前部には、稲(または麦)等の未刈り穀稈を刈取りながら取込む刈取部3が単動式の昇降用油圧シリンダ4にて昇降調節可能に装着されている。
走行機体1の前部上面には、刈取部3から供給された刈取穀稈を脱穀処理するための脱穀部9を搭載する。脱穀部9の内部には、後述する穀稈脱粒ロータとしての扱胴21と、脱穀物の選別を行う穀粒選別機構10を配置する。走行機体1の後部右側には、オペレータが操縦する運転操作部5を搭載する。動力源としてのエンジン7を、走行機体1の中央部に配置する。走行機体1の後部左側(運転操作部5の左側方)には、脱穀部9から穀粒を取出す籾受部6を配置する。籾受部6に向けて脱穀部9内の穀粒を穀粒排出コンベヤ8にて搬出するように構成している。
刈取部3は、脱穀部9前部の扱口供給部に連通したフィーダハウス11と、フィーダハウス11の前端に連設された横長バケット状の穀物ヘッダー12とを備える。穀物ヘッダー12内に掻込みオーガ13(プラットホームオーガ)を回転可能に軸支する。掻込みオーガ13の前部上方にタインバー付き掻込みリール14を配置する。穀物ヘッダー12の前部にバリカン状刈刃15を配置する。穀物ヘッダー12前部の左右両側に左右の分草体16を突設する。また、フィーダハウス11に供給コンベヤ17を内設する。なお、フィーダハウス11の下面部と走行機体1の前端部とが昇降用油圧シリンダ4を介して連結され、後述する刈取入力軸18(フィーダハウスコンベヤ軸)を昇降支点として、刈取部3が昇降用油圧シリンダ4にて昇降動する。
上記の構成により、左右の分草体16間の未刈り穀稈の穂先側が掻込みリール14にて掻込まれ、未刈り穀稈の稈側が刈刃15にて刈取られ、掻込みオーガ13の回転駆動によって、穀物ヘッダー12の左右幅の中央部寄りのフィーダハウス11入口付近に刈取穀稈が集められる。穀物ヘッダー12の刈取穀稈の全量は、フィーダハウス11内の供給コンベヤ17によって搬送され、脱穀部9の扱口供給板9aに投入されるように構成している。なお、図1の仮想線に示す如く、穂先側が刈取られた後の穀稈の稈元を切断する稈元切断刃19を備え、走行機体1前部に稈元切断刃19を着脱可能に取付け、穀物ヘッダー12の後方に稈元切断刃19を昇降可能に配置している。
また、図4〜図6に示す如く、脱穀部9の扱室22内に扱胴21を回転可能に設ける。走行機体1の左右方向に延長させた扱胴軸20に扱胴21を軸支する。扱胴21の下方側には、穀粒を漏下させる受網24を張設する。なお、供給コンベヤ17の穀稈送り終端側に連通させる扱口供給板9aが、扱室22の左側下部に形成される一方、扱室22の右側下部に排塵口23が形成されている。
上記の構成により、供給コンベヤ17によって扱口供給板9aから投入された刈取穀稈は、扱胴21の回転によって走行機体1の左側から右側に向けて搬送されながら、扱胴21と受網24との間などにて混練されて脱穀される。受網24の網目よりも小さい穀粒等の脱穀物は受網24から漏下する。受網24から漏下しない藁屑等は、扱胴21の搬送作用によって、扱室22右側下部の排塵口23から圃場に排出される。
加えて、図19に示す如く、扱胴21の下方に配置された穀粒選別機構10として、比重選別用の揺動選別盤26を備える。揺動選別盤26は、扱口供給板9aの下方に配置させる流穀平板体27と、受網24の下方に配置させる穀粒漏下用の多孔板体28と、多孔板体28右側端部の下方に配置するグレンシーブ29等にて構成する。また、揺動選別盤26の左側端部を支持する一対の左側揺動ガイド体30aと、揺動選別盤26の右側端部を支持する一対の右側揺動ガイド体30bを備え、左右の揺動ガイド体30a,30bにて揺動選別盤26を上下左右に移動可能に構成すると共に、揺動選別盤26の右側端部を支持するクランク型揺動駆動軸31を備え、クランク型揺動駆動軸31にて揺動選別盤26を左右方向に往復移動させるように構成している。揺動選別盤26右側端部に設けた排塵流下板体23a上面側に排塵口23を形成し、排塵流下板体23a上面を介して、扱室22右側開口部の排塵口23または揺動選別盤26の右側端部から藁屑が機外に排出されるように構成している。
また、穀粒選別機構10として、揺動選別盤26に選別風を供給する送風ファン34及び送風ファンダクト35と、揺動選別盤26の下方に横架させる穀粒取出コンベヤ36を備える。脱穀部9の左側部において、脱穀部9と籾受部6の間に前低後高姿勢に穀粒排出コンベヤ8を延設させる。揺動選別盤26の左側端部の下面側に送風ファンダクト35の排風口35aを開口させ、揺動選別盤26の左側から右側方向に送風ファン34の選別風を供給する。排風口35aに対向させて上手側と下手側の各風向ガイド板体35b,35cを備える。流穀平板体27の下方に上手側風向ガイド板体35bを配置させ、上手側風向ガイド板体35bにて排風口35aからの選別風を流穀平板体27の下面側全域に均一分散させると共に、穀粒漏下用の多孔板体28の下方に下手側風向ガイド板体35cを配置させ、下手側風向ガイド板体35cの案内にて多孔板体28の下面側から上面方向に向けて選別風を移動させるように構成している。一方、穀粒取出コンベヤ36左側端部の送り終端側に、穀粒排出コンベヤ8前端部の送り始端側を連結させる。扱胴21にて脱穀されて受網24から漏下した脱穀物は、揺動選別盤26の比重選別作用と送風ファン29の風選別作用とにより、重い穀粒と、軽い藁屑等に選別されるように構成している。
揺動選別盤26の漏下多孔板体28から下方に落下した重い穀粒は、穀粒取出コンベヤ36から穀粒排出コンベヤ8に取出され、籾受部6の籾袋37に収集される。即ち、籾受部6には、走行機体1右側後端部に台支持フレーム38aを介して連結させる籾受台38と、走行機体1右側後端部にアーム支柱フレーム39aを介して取付ける籾受アーム体39を設ける。また、アーム支柱フレーム39aの上端側に穀粒排出コンベヤ8後端部の送り終端側を支持させ、穀粒排出コンベヤ8後端部の送り終端側に籾投入口8aを設けるものであり、籾受アーム体39に籾袋37を吊下げ、籾投入口8aに籾袋37の開口部を装着し、籾投入口8aから排出される穀粒が籾袋37内部に充填される。一方、揺動選別盤26上面側の軽い藁屑等は、排塵口23下面側の排塵流下板体23a上面に向けて移動して、脱穀部9右側の排塵口23から圃場に排出される。
一方、図4〜6に示す如く、運転操作部5には、操縦コラム41と、オペレータが座乗する運転座席42とを配置している。操縦コラム41には、走行機体1の進路を変更する左右のサイドクラッチレバー43,44と、走行機体1の移動速度を切換える走行変速レバー45と、刈取部3または脱穀部9を駆動または停止操作する作業クラッチレバー46と、刈取部3を昇降操作する刈取昇降レバー47と、駐車ブレーキレバー48が配置されている。また、操縦コラム41の後面側に歩行用ハンドル49を後方に向けて突設させ、歩行用ハンドル49の左側握り部にアクセルレバー40を取付けている。収穫作業において操作頻度の低い作業クラッチレバー46と刈取昇降レバー47は、操縦コラム41における上面高さまたはそれより低い左側位置または後側位置に配置されるものであり、作業クラッチレバー46と刈取昇降レバー47の誤操作を低減できる。収穫作業において操作頻度の高いサイドクラッチレバー43,44と走行変速レバー45は、操縦コラム41における上面高位置に配置されるものであり、走行速度変更または進路変更などの運転操作性を向上できる。サイドクラッチレバー43,44と走行変速レバー45機体側方からの緊急操作が必要になる駐車ブレーキレバー48は、操縦コラム41右側の機外側面に配置されるものであり、歩み板などが必要になる移動作業(圃場に出入する作業、または運搬用トラック荷台に積み下ろす作業)などにおいて、操縦コラム41上面右側に配置されたサイドクラッチレバー43,44と、駐車ブレーキレバー48が、操縦コラム41の右機外側方の圃場から緊急操作できる。
他方、図7〜図10に示す如く、走行機体1の下面側に左右の前支脚体32及び後支脚体33を下向きに突設させ、走行機体1下面側に左右の各支脚体32,33を介して左右のトラックフレーム50を配置している。トラックフレーム50には、履帯2にエンジン7の動力を伝える駆動スプロケット51と、履帯2のテンションを維持するテンション機構53を介してテンションローラ52と、履帯2の接地側を接地状態に保持する複数のトラックローラ54を設けている。前記テンションローラ23によって履帯2の前側を支持させ、駆動スプロケット51によって履帯2の後側を支持させ、トラックローラ54によって履帯2の接地側を水平姿勢に支持させ、履帯2の非接地側を前低後高姿勢に支持させるように構成している。
次に、図7〜図12を参照してコンバインの駆動構造を説明する。図12に示す如く、走行油圧ポンプ及び油圧モータが内蔵された走行変速用の油圧無段変速機64をミッションケース63に設ける。走行機体1の中央上面にエンジン7を搭載し、エンジン7後方の走行機体1後部にミッションケース63を配置する。また、エンジン7から左側方に突出させた出力軸65上の走行駆動プーリ69と、ミッションケース63から左側方に突出させた入力軸66上の変速入力プーリ70を、前側走行出力ベルト67aと後側走行出力ベルト67bを介して連結する。また、テンションローラ形の走行クラッチ68にて前側走行出力ベルト67aを緊張させ、エンジン7からミッションケース63に動力を伝達して、左右の履帯2を駆動するように構成している。なお、図5、図9、図17に示す如く、変速入力プーリ70左側の機外側面に入力プーリファン70aを固着し、入力プーリファン70aにて油圧無段変速機64を空冷するように構成している。
加えて、走行機体1上に中間フレーム131を後傾姿勢に立設させ、中間フレーム131の上端側に中間軸132を介して左側中間プーリ133と右側中間プーリ134を一体的に回動可能に軸支し、走行駆動プーリ69と左側中間プーリ133の間に走行クラッチ68を介して前側走行出力ベルト67aを掛け回すと共に、右側中間プーリ134と変速入力プーリ70の間に後側走行出力ベルト67bを掛け回している。エンジン7後側のミッションケース63を機体右側寄りに配置し、走行駆動プーリ69の取付け位置に対して変速入力プーリ70の取付け位置を走行機体1の中央寄りに形成する。後側走行出力ベルト67b後端側の変速入力プーリ70に支持された入力プーリファン70aは、前側走行出力ベルト67aの後側方に配置される。左右幅広のエンジン7の後方で左右履帯2の間に、油圧無段変速機64が一体的に上載固定されたミッションケース63を設置でき、重量部品であるエンジン7とミッションケース63を機体左右幅中央部に支持して、機体の左右方向の重量バランスを良好に形成している。
図7〜図12に示す如く、前記刈取部3と扱胴21を駆動するためのカウンタ軸72を備える。左側軸受体71aと右側軸受体71bを介して走行機体1上面側にカウンタ軸72を回転自在に設ける。エンジン7から左側方に突出させた出力軸65上の脱穀駆動プーリ57と、カウンタ軸72左側端部のカウンタ軸プーリ58を、脱穀駆動ベルト59を介して連結する。テンションローラ形の作業クラッチ60にて脱穀駆動ベルト59を緊張させ、エンジン7からカウンタ軸72に動力を伝達させる。また、カウンタ軸72右側端部にカウンタ軸スプロケット73と穀粒送出スプロケット76を軸支する。カウンタ軸スプロケット73と、扱胴軸20右側端部の扱胴軸入力スプロケット74を、脱穀駆動チェン75にて連結し、カウンタ軸72を介して扱胴21を駆動するように構成している。また、穀粒送出スプロケット76と、穀粒取出コンベヤ36右側端部の送出入力スプロケット77を、送出駆動チェン78にて連結し、カウンタ軸72を介して穀粒取出コンベヤ36を駆動するように構成している。
加えて、穀粒取出コンベヤ36左側端部にベベルギヤ機構79を介して穀粒排出コンベヤ8の送り始端側を連結し、穀粒取出コンベヤ36と穀粒排出コンベヤ8を連動して駆動するように構成している。また、穀粒取出コンベヤ36右側端部の揺動入力スプロケット135に揺動入力チェン136を介して揺動入力軸137上の揺動駆動スプロケット80を連結し、揺動入力軸137にベベルギヤ機構81を介して揺動選別盤26の揺動駆動軸31を連結し、穀粒取出コンベヤ36を介して揺動選別盤26を上下左右に揺動駆動するように構成している。一方、扱胴軸20左側端部のファン駆動スプロケット82と、送風ファン34軸上の送風ファンスプロケット83を、ファン駆動チェン84にて連結し、扱胴21と送風ファン34を連動して駆動するように構成している。操縦コラム41の左側部に配置した作業クラッチレバー46の作業クラッチ60入り操作にて、脱穀部9の各部(扱胴21、各コンベヤ8,36、揺動選別盤26、送風ファン34)を定速回転数にて駆動している。
図1〜図12に示す如く、刈刃15を有する刈取部3と、扱胴21を有する脱穀部9と、走行部としての履帯2及びエンジン7を設ける走行機体1を備え、刈取部3から脱穀部9に穀稈を供給するコンバインにおいて、エンジン7と脱穀部9間の走行機体1上面にカウンタ軸72を配置し、エンジン7の出力プーリとしての脱穀駆動プーリ57にカウンタ軸72をベルト59連結し、前記カウンタ軸72を介して刈取部3と脱穀部9にエンジン7の駆動力を伝達するように構成している。したがって、コンバイン各部の駆動構造を簡略化して、コンバイン全体の小型化を簡単に達成でき、穀稈の刈取幅を確保しながら機体全体をコンパクトに構成可能な軽量構造の小型コンバインを低コストに構成できる。
図4〜図12に示す如く、扱胴21を左右向きに軸支すると共に、脱穀部9後方の走行機体1上面にエンジン7を設置する構造であって、左右の軸受としての左側軸受体71aと右側軸受体71bを介して走行機体1にカウンタ軸72を左右向きに横架させ、エンジン7左側の脱穀駆動プーリ57(出力プーリ)にカウンタ軸72の左側を脱穀駆動ベルト59にてベルト連結し、カウンタ軸72の右側に扱胴軸20の右側を脱穀駆動チェン75にてチェン連結している。したがって、刈取部3から脱穀部9にエンジン7の出力を伝達する構造などに比べ、扱胴軸20を中心にして作業部駆動径路を簡単に構成でき、前記作業部駆動径路の組付けまたはメンテナンス作業性などを向上できる。
図4〜図12に示す如く、脱穀部9の底部に揺動選別盤26と穀粒取出コンベヤ36を備え、カウンタ軸72の右側に穀粒取出コンベヤ36軸の右側を送出駆動チェン78にてチェン連結し、揺動選別盤26の揺動駆動軸31に穀粒取出コンベヤ36軸の右側を揺動入力チェン136にてチェン連結し、エンジン7・脱穀部9左側の穀粒排出コンベヤ8軸下端部に穀粒取出コンベヤ36軸の左端部を連結している。したがって、脱穀部9周りの駆動構造を簡略化できるものでありながら、揺動選別盤26の選別機能または穀粒取出コンベヤ36または穀粒排出コンベヤ8の搬出機能を適正に維持できる。
図4〜図12に示す如く、揺動選別盤26の上面側に扱胴21を左右向きに配置し、揺動選別盤26の下面側に穀粒取出コンベヤ36を左右向きに配置する構造であって、前記エンジン7設置面に対して揺動選別盤26設置面を略同位置高さに形成すると共に、後ろ向きに延設させる脱穀部9左側の穀粒排出コンベヤ8とエンジン7の間に、揺動選別盤26に選別風を供給するための送風ファン34を配置している。したがって、脱穀部9の支持高さを押さえながら、エンジン7前方に脱穀部9を配置できる。揺動選別盤26と送風ファン34をコンパクトに配置できる。送風ファン34から揺動選別盤26に向けて供給する選別風量を容易に確保できるものでありながら、送風ファン34から揺動選別盤26に向けて選別風を供給するための送風ファンダクト35などもコンパクトに配置できる。
さらに、図1、図9〜図12、図20〜図24に示す如く、扱胴軸20左側端部の扱胴軸出力スプロケット85と、刈取部3の昇降支点である刈取入力軸18左側端部の刈取入力スプロケット86を、刈取入力チェン87にて連結し、刈取部3全体を昇降動可能に支持する刈取入力軸18を介して、扱胴21と供給コンベヤ17を連動して駆動するように構成している。図20〜図24に示す如く、前記刈取部3の穀物ヘッダー12左側部の後面側に一対のヘッダー駆動軸受体141を介してヘッダー駆動軸91を設ける。ヘッダー駆動軸91の右側端部に、ヘッダー駆動チェン90及びヘッダー駆動スプロケット88,89を介して刈取入力軸18の左側端部を連結する。掻込みオーガ13を軸支する掻込み軸93を備える。掻込み軸93の左側端部に、掻込み駆動チェン92及び掻込み駆動スプロケット94,95を介してヘッダー駆動軸91の左側端部を連結し、刈取入力軸18とヘッダー駆動軸91を介して掻込みオーガ13を駆動するように構成している。
なお、脱穀部9の機筐前面に左右のフィーダハウス軸受体140をボルト締結させ、左右のフィーダハウス軸受体140に刈取入力軸18の左右両端部を回動可能に軸支し、脱穀部9の前部にフィーダハウス11の穀稈送り終端部を回動可能に連結すると共に、穀物ヘッダー12左側部の後面側に軸受フレーム142を固設させ、軸受フレーム142に一対のヘッダー駆動軸受体141をボルト締結している。
また、図1、図12、図20〜図24に示す如く、掻込みリール14を軸支するリール軸96を備え、左右の昇降支持フレーム151先端部にリール軸96の左右端部を回動可能に軸支している。穀物ヘッダー12上面の左右端部に左右のリール昇降支点ブラケット152を設け、左右のリール昇降支点ブラケット152の昇降支点ボス部152aと、左右の昇降支持フレーム151基端部の昇降支持取付け座151aに左右のリール昇降支点軸153を機外側方から着脱可能に貫通させ、左右のリール昇降支点軸153機内側端部の輪溝に機内側止め輪154を着脱可能に係止している。穀物ヘッダー12の上面側に左右のリール昇降支点軸153を介して掻込みリール14を昇降動可能に配置するものであり、機内側止め輪154を外して、左右のリール昇降支点軸153を抜き取ることにより、掻込みリール14を取外し可能に構成している。なお、機内側止め輪154に代えて、締結ボルトなどを利用して、左右のリール昇降支点軸153機内側端部を着脱可能に係止してもよい。
また、穀物ヘッダー12の左右側面に左右の昇降支持フレーム151の中間部を支持する伸縮可能な支持高さ調節アーム155を備え、支持高さ調節アーム155を多段的に伸縮させて、掻込みリール14の支持高さを多段階に変更可能に構成している。なお、支持高さ調節アーム155を油圧シリンダにて形成し、前記油圧シリンダの油圧力にて掻込みリール14の支持高さを無段階に変更することも可能である。
さらに、左側のリール昇降支点軸153の左端側を左側機外方向に延設させ、左側のリール昇降支点ブラケット152の昇降支点ボス部152aと、左側の昇降支持フレーム151基端部の昇降支持取付け座151aに左側のリール昇降支点軸153の右側部を着脱可能に貫通させると共に、左側のリール昇降支点軸153の左側部に、リール駆動スプロケット98とリール駆動プーリ161を遊転軸支している。リール駆動スプロケット98の左側面とリール駆動プーリ161の右側面を一体的に圧着させてボルト162締結する。左側のリール昇降支点軸153の中間部に、リール駆動スプロケット98とリール駆動プーリ161をボールベヤリング軸受にて回動可能に支持している。
図12、図24に示す如く、ヘッダー駆動軸91の左側端部に設けたリール入力スプロケット99とリール駆動スプロケット98にリール駆動チェン97を掛け回すと共に、リール軸96の左側端部に設けたリール従動プーリ163とリール駆動プーリ161にリール駆動ベルト164を掛け回している。リール駆動テンションアーム165先端部にリール駆動テンションプーリ166を回動可能に軸支させ、リール駆動ベルト164にリール駆動テンションプーリ166をリール駆動テンションバネ167力にて弾圧させ、リール駆動テンションプーリ166にてリール駆動ベルト164を緊張支持する。リール駆動チェン97とリール駆動ベルト164を介して、ヘッダー駆動軸91にリール軸96を連動連結している。
また、リール駆動テンションアーム165基端側のアームボス部165aに左側のリール昇降支点軸153の機外側端部を貫通させ、左側のリール昇降支点軸153機外側端部の輪溝に機外側止め輪168を着脱可能に係止している。機外側止め輪168を外した状態下で、一体的なリール駆動スプロケット98とリール駆動プーリ161、またはリール駆動テンションアーム165を、左側のリール昇降支点軸153の左端側に着脱可能に構成している。なお、リール駆動チェン97をチェンカバー体169に内設すると共に、リール駆動ベルト164をベルトカバー体170に内設している。
さらに、掻込み軸93の右側端部には、刈刃駆動クランク機構100を介して刈刃15が連結されている。作業クラッチレバー46の作業クラッチ60入り操作にて、刈取部3の各部(供給コンベヤ17と、掻込みオーガ13と、掻込みリール14と、刈刃15)が駆動されて、圃場の未刈り穀稈の穂先側を連続的に刈取るように構成している。なお、稈元切断刃19を設ける構造では、刈取入力軸18の右側端部に、稈元切断チェン101及びスプロケット102,103を介して稈元切断軸104を連結させ、走行機体1前端部に支持された稈元切断軸104に稈元切断クランク機構105を介して稈元切断刃19を連結させ、刈刃15にて穂先側が切断された後で、圃場の穀稈の株元側を稈元切断刃19にて連続的に切断し、圃場に残る切り株が短尺になるように構成している。
図1〜図3、図20〜図24に示す如く、刈刃15と掻込みリール14を有する刈取部3と、扱胴21を有する脱穀部9と、走行部としての履帯2及びエンジン7を設ける走行機体1を備え、掻込みリール14をリール昇降支点軸153に支持高さ変更可能に設けるコンバインにおいて、リール昇降支点軸153上に配置したリール駆動プーリ161とリール駆動ベルト164を介して掻込みリール14に駆動力を伝達する構造であって、リール駆動ベルト164のリール駆動テンションプーリ166を、リール昇降支点軸153上に配置したリール駆動テンションアーム165に取付けている。したがって、昇降支持部に負荷される掻込みリール14支持荷重を容易に軽減でき、掻込みリール14の駆動構造を簡略化でき、刈取部3(コンバイン全体)の小型軽量化を簡単に実行できる。また、掻込みリール14駆動部の部品点数を削減できるものでありながら、掻込みリール14の速度調節範囲を広くできる。リール駆動ベルト164にテンションプーリ166を押付ける位置が略一定位置になり、容易にテンション調節できる。
図20〜図24に示す如く、掻込みリール14を昇降支持フレーム151の先端側に取付ける構造であって、刈取部3機筐の昇降支点ボス部152aにリール昇降支点軸153の一端側を着脱可能に係合固定し、リール昇降支点軸153の一端側に昇降支持フレーム151の基端側を軸支すると共に、昇降支点ボス部152aからリール昇降支点軸153の他端側を機外側方に向けて延設し、リール昇降支点軸153の機外側部にリール駆動プーリ161とリール駆動テンションアーム165を回動可能に軸支している。したがって、掻込みリール14及び昇降支持フレーム151などの昇降部構造を簡単に軽量化でき、昇降支持フレーム151の基端部に負荷される掻込みリール14支持荷重を容易に軽減できるものでありながら、掻込みリール14の着脱作業性または掻込みリール14駆動部のメンテナンス作業性などを向上できる。
図20〜図24に示す如く、リール駆動プーリ161にリール駆動スプロケット98を一体的に締結固定し、リール駆動スプロケット98を介して刈取部3に伝達される駆動力を分岐入力し、リール駆動プーリ161を介して掻込みリール14に前記駆動力を伝達するように構成している。したがって、リール駆動スプロケット98とリール駆動プーリ161の軸受構造(軸受ベヤリングなど)を簡略化でき、掻込みリール14駆動構造の構成部品数を削減でき、掻込みリール14駆動構造を低コストで構成できる。
図20〜図24に示す如く、刈取部3機筐の昇降支点ボス部152aにリール昇降支点軸153の一端側を支持させ、リール昇降支点軸153の中間部にリール駆動プーリ161とリール駆動スプロケット98を軸支し、リール昇降支点軸153の他端側にリール駆動テンションアーム165を軸支している。したがって、リール昇降支点軸153を介して掻込みリール14を取付けた状態下で、リール駆動プーリ161とリール駆動スプロケット98を簡単に着脱できると共に、リール駆動プーリ161とリール駆動スプロケット98を取付けた状態下で、リール駆動テンションアーム165を簡単に着脱できる。掻込みリール14の組付け作業性または掻込みリール14駆動部のメンテナンス作業性などを容易に向上できる。
次いで、図4〜図11を参照して、走行機体1の構造を説明する。図4〜図11に示す如く、下部機体フレーム1aと上部機体フレーム1bと支柱フレーム1cにて走行機体1を上下多段の櫓構造に構成している。下部機体フレーム1aの下面側に左右のトラックフレーム50を介して左右の履帯2を装設する。また、上部機体フレーム1b上面の搭載部にエンジン7下面を連結し、上部機体フレーム1bにエンジン7を搭載するものであり、エンジン7は、運転操作部5と籾受部6の間に配置される。即ち、走行機体1の左右幅中央部にエンジン7が配置されると共に、エンジン7を中心に、エンジン7右側方の上部機体フレーム1b後部に運転操作部5が配置され、エンジン7左側方の上部機体フレーム1b後部に籾受部6が配置されるものであり、走行機体1の後方右側に運転操作部5が配置され、走行機体1の後方左側に籾受部6が配置される。エンジン7が搭載された上部機体フレーム1bの右側上面にバッテリ56を配置し、エンジン7の始動電源などにバッテリ56を利用する。
一方、上部機体フレーム1b前端側よりも前方に下部機体フレーム1a前端側を延設し、下部機体フレーム1aの前端側上面に脱穀部9を載置する。脱穀部9後方側の上部機体フレーム1a上面にエンジン7を設置し、脱穀部9上面高さとエンジン7上面高さを一致させて略同一高さに形成している。上部機体フレーム1aと略同一高さ位置に穀粒選別機構10の揺動選別盤26を支持させ、エンジン7の設置面(上部機体フレーム1b上面)よりも脱穀部9の設置面(下部機体フレーム1a上面)を低く形成し、走行機体1の低い位置に脱穀部9の刈取穀稈入口(扱口供給板9a)を配置可能に構成している。また、下部機体フレーム1bの前端部に昇降用油圧シリンダ4を取付けると共に、上部機体フレーム1a前端部(脱穀部9後面)と下部機体フレーム1bの間に作動油タンク55を配置し、昇降用油圧シリンダ4などの作動油を作動油タンク55に貯蔵する。
他方、左右のトラックフレーム50後端に下部機体フレーム1aの後端を左右の後支脚体33にて連結し、左右の後支脚体33の上端側を下部機体フレーム1aの後方上方に向けて延設させ、左右の後支脚体33の上端側にミッションケース63両側の左右車軸ケース63aを着脱可能に支持すると共に、下部機体フレーム1aの後端側よりも後方に上部機体フレーム1bの後端側を延設し、上部機体フレーム1bの後端側に上部連結体62を介してミッションケース63の上端側を着脱可能に支持するものであり、後支脚体33の上端側と上部機体フレーム1bの後端側にミッションケース63を後傾姿勢に配置している。ミッションケース63下端側の左右車軸ケース63aに左右駆動スプロケット51を介して左右履帯2の後端部を張設させている。即ち、後支脚体33の上端側に駆動スプロケット51を支持し、トラックフレーム50前端部のテンションローラ52と後支脚体33上端側の駆動スプロケット51の間に履帯2の非接地側を張設し、履帯2の非接地側を前下がりに傾斜させた前低後高姿勢に支持している。
図4〜図9、図16、図18に示す如く、上部機体フレーム1bの右側後端部に運転席ブラケット体111を設け、運転席ブラケット体111に運転席フレーム112の前端部を着脱可能にボルト締結している。また、上部機体フレーム1bの右側後端から後方に向けて運転席フレーム112の後端側を略水平に延設し、運転席フレーム112の後端部に運転座席42を取付け、運転席フレーム112を介して運転操作部5後方に運転座席42を配置し、運転座席42に座乗したオペレータ(図1、図2の仮想線に示す)が、運転操作部5の各レバー43,44,45,46,47,48等を操作可能に構成している。また、運転座席42に座乗するオペレータの足元と右の履帯2後端部の間に配置する足元ガード体114を備える。運転席フレーム112の前後幅中間部から下方に向けてガード体支持フレーム115を延設し、ガード体支持フレーム115に足元ガード体114を固着し、オペレータの足元が右の履帯2に接触するのを足元ガード体114にて阻止するように構成している。なお、運転座席42にオペレータが座乗しない歩行作業では、運転席ブラケット体111から運転席フレーム112を離脱させ、運転座席42を取外すものであり、オペレータが歩行用ハンドル49を握りながら、圃場を歩行移動して、収穫作業を実行するように構成している。
加えて、ガード体支持フレーム115の下端部に足載せフレーム113を固着し、運転座席42に座乗したオペレータが足を足載せフレーム113に載せると共に、運転席フレーム112に高さ調節フレーム110を介してガード体支持フレーム115の上端側を昇降可能にボルト連結している。一方、図5、図7、図11、図16、図17に示す如く、上部機体フレーム1bの右側後端部と左側の車軸ケース63aに両端側をボルト締結させるミッション保護フレーム116を備え、ミッションケース63の後側をミッション保護フレーム116にて囲むと共に、ミッション保護フレーム116にミッション保護カバー117を取付け、ミッションケース63上部の油圧無段変速機64上方側をミッション保護カバー117にて覆うように構成している。
図7〜図11、図13〜図18、図25を参照して、カウンタ軸72の取付け構造を説明する。図7〜図11、図25に示す如く、走行機体1のうち上部機体フレーム1b前部の左右端部に左右の軸受ブラケット体143,144を一体的に溶接固定し、左の軸受ブラケット体143に左側軸受体71aをボルト締結し、右の軸受ブラケット体144に右側軸受体71bをボルト締結し、左右方向に延設させた前部の上部機体フレーム1bの上方にカウンタ軸72を水平姿勢に架設している。また、図13〜図18に示す如く、上部機体フレーム1bの左側上面に送風ファン支持フレーム145と送風ファン支持側板体146を立設させ、送風ファン支持フレーム145と送風ファン支持側板体146を連結固定し、送風ファン支持側板体146の左側面に送風ファン34のファンケース部34aを固着し、エンジン7左側の前部に送風ファン34を配設している。
加えて、送風ファン支持フレーム145に脱穀テンションアーム147基端側を取付け、前方に延設した脱穀テンションアーム147先端側に作業クラッチ60を配置し、作業クラッチ60を介して脱穀駆動ベルト59を張設し、エンジン7の出力軸65にカウンタ軸72を連結させている。また、中間フレーム131にテンションアーム軸148を設け、走行クラッチ68が支持された走行テンションアーム149と、走行出力用のテンションプーリ181が支持された出力テンションアーム182を、テンションアーム軸148を介して中間フレーム131に支持させている。
図1、図7〜図17に示す如く、刈刃15を有する刈取部3と、扱胴21を有する脱穀部9と、走行部としての履帯2及びエンジン7を設ける走行機体1を備え、刈取部3から脱穀部9に穀稈を供給するコンバインにおいて、エンジン7後方の走行機体1にミッションケース63を配置させ、エンジン7とミッションケース63間に中間軸132を設け、走行機体1の左右向きに中間軸132を延設させ、エンジン7とミッションケース63間の伝達径路を中間軸132にて左右方向に偏移させている。したがって、中間軸132の取付け位置を上下または左右方向に容易に選定できる。即ち、エンジン7の上下または左右方向の取付け位置と、ミッションケース63の上下または左右方向の取付け位置が、相互に制限される不具合を低減でき、エンジン7の後側方にミッションケース63を隣接させて設置できる。例えば、走行機体1の高い中央位置にエンジン7を配置できる一方、走行機体1の低い右寄り位置にミッションケース63を配置でき、エンジン7及びミッションケース63設置部の前後幅または左右幅をコンパクトに構成できる。
図7〜図17に示す如く、エンジン7とミッションケース63間の伝達径路を前側走行出力ベルト67aと後側走行出力ベルト67bにて形成し、前後方向に延設させる前側走行出力ベルト67aに対して、前後方向に延設させる後側走行出力ベルト67bを機体中央寄りに偏移させている。したがって、左右の履帯2の間で、走行機体1中央寄りに、エンジン7とミッションケース63を配置できる。軽量構造の走行機体1の左右重量バランスを容易に設定できる。即ち、コンバイン各部の駆動構造を簡略化して、コンバイン全体の小型化を簡単に達成でき、穀稈の刈取幅を確保しながら機体全体をコンパクトに構成可能な軽量構造の小型コンバインを低コストに構成できる。
図7〜図17に示す如く、前側走行出力ベルト67aの後端部を支持させる左側中間プーリ133と、後側走行出力ベルト67bの前端部を支持させる右側中間プーリ134を、走行機体1に立設させる同一の支柱フレームとしての中間フレーム131の中間軸132上に配置している。したがって、前記各中間プーリ133,134の支持構造を簡略化でき、エンジン7とミッションケース63間の伝達径路の構成部品数を低減して低コストに構成できると共に、走行出力ベルト67a,67b仕組みの着脱作業性などを向上できる。
図7〜図17に示す如く、中間フレーム131から機体前方に延設させる走行テンションアーム149に前側走行出力ベルト67aのテンションプーリとしての走行クラッチ68を設け、中間フレーム131から機体後方に延設させる出力テンションアーム182に後側走行出力ベルト67bの走行出力用のテンションプーリ181を設け、中間フレーム131の同一のテンションアーム軸148上に前記各テンションアーム149,182を支持させている。したがって、走行クラッチ68及び走行出力用のテンションプーリ181及び前記各テンションアーム149,182の支持構造を簡略化でき、エンジン7とミッションケース63間の伝達径路の構成部品数を低減して低コストに構成できると共に、走行出力ベルト67a,67b仕組みの着脱作業性などを向上できる。
図7〜図17に示す如く、ミッションケース63に油圧無段変速機64を上載固定し、油圧無段変速機64の左側に変速入力プーリ70と入力プーリファン70aを配置する構造であって、エンジン7左側の前側走行出力ベルト67aの後側方に入力プーリファン70aを配置している。したがって、エンジン7に対して、前記各走行出力ベルト67a, 67b設置側から離れる右側方向に偏移させてミッションケース63を支持でき、エンジン7左側の前側走行出力ベルト67aの後側方に入力プーリファン70aの設置スペースを容易に確保できる。前記各走行出力ベルト67a, 67bとミッションケース63の左右方向の設置幅を簡単に縮小できる。狭いスペースに動力の伝達系を集中配置して、エンジン7と油圧無段変速機64間の伝達構造をコンパクト化できる。
一方、図6、図14、図18に示す如く、エンジン7後側の右側上部に冷却風取入れ用の開口部7aを形成し、エンジン7後側の左側上部に冷却風排出用の開口部7bを形成し、冷却風取入れ用の開口部7aからエンジン7のシリンダヘッド部に冷却用外気を取入れ、冷却風排出用の開口部7bからエンジン7のシリンダヘッド部の暖気を排出し、エンジン7のシリンダヘッド部を空気冷却するように構成している。また、図14、図18、図25に示す如く、脱穀駆動ベルト59と、前側走行出力ベルト67aと、後側走行出力ベルト67bが配置されたエンジン7の左側にベルトカバー体183を張設させている。
即ち、送風ファン支持フレーム145の前側に送風ファン支持側板体146を立設し、送風ファン支持フレーム145の後側にベルトカバー体183の左側壁部を立設すると共に、前記各ベルト59,67a,67bの上面側に沿ってベルトカバー体183の上面壁部を前後方向に延設させるものであり、エンジン7の左側で前後方向に延設させる脱穀駆動ベルト59と、前側走行出力ベルト67aと、後側走行出力ベルト67bのそれぞれの上面側と左側面側が、送風ファン支持側板体146とベルトカバー体183の左側壁部及び上面壁部にて閉塞されるように構成している。
上記の構成により、冷却風排出用の開口部7bから排出されるエンジン7のシリンダヘッド部の暖気が、ベルトカバー体183の上面壁部の上方に移動するから、エンジン7のシリンダヘッド部の暖気にて前記各ベルト59,67a,67bが加温されるのを阻止できる。また、送風ファン支持側板体146に形成された外気取込み口146aから送風ファン34に外気を吸入するから、送風ファン支持側板体146とベルトカバー体183にて覆われた前記各ベルト59,67a,67b設置空間の外気が外気取込み口146aを介して送風ファン34に吸入されるものであり、送風ファン支持側板体146とベルトカバー体183の下面側開口部(上部機体フレーム1b設置部またはエンジン7載置部の付近)における藁屑が比較的少ない場所から、送風ファン支持側板体146とベルトカバー体183にて覆われた空間内部に外気が吸込まれ、その空間内部の外気を外気取込み口146aから送風ファン34に吸入できる。したがって、藁屑などの粉塵が比較的少ない空気を選別風として送風ファン34から揺動選別盤26に供給できる。
図1、図4、図5、図13、図14、図18、図19、図25に示す如く、刈刃15を有する刈取部3と、扱胴21を有する脱穀部9と、走行部2及びエンジン7を設ける走行機体1を備え、刈取部3から脱穀部9に穀稈を供給するコンバインにおいて、脱穀部9とエンジン7を機体の前後に配置し、脱穀部9とエンジン7の一側方に穀粒排出コンベヤ8を配置し、エンジン7と穀粒排出コンベヤ8の間に脱穀部9の風選用送風ファン34を配置している。したがって、大型の風選用送風ファン34をコンパクトに設置でき、コンバイン全体の小型化を簡単に達成できると共に、脱穀部9の脱穀選別能力を維持しながら脱穀選別構造を簡略化できる。また、脱穀部9の後方側に、エンジン7搭載スペースまたは操縦部スペースまたは籾受スペースなどを容易に確保できる。穀稈の刈取幅を確保しながら機体全体をコンパクトに構成できる。
図4、図13、図18、図19、図25に示す如く、脱穀部9の穀粒選別機構10と送風ファン34の間を連通させる送風ファンダクト35を備え、脱穀部9とエンジン7の一側方で機体前後方向に向けて送風ファンダクト35を延設している。したがって、エンジン7と脱穀部9と送風ファン34を相互に近接させて配置でき、送風ダクトの取付け構造を簡略化できると共に、穀粒排出コンベヤ8と送風ファンダクト35を上下二段構造などに集約して設置でき、脱穀部9とエンジン7の一側部スペースを有効に活用して、穀粒排出コンベヤ8と送風ファンダクト35取付け部をコンパクトに構成できる。
図13、図14、図18、図25に示す如く、走行機体1の上面のうち、エンジン7と送風ファン34間の上面に遮蔽板体としての送風ファン支持側板体146を立設させ、エンジン7と送風ファン34の間を送風ファン支持側板体146にて仕切ると共に、エンジン7と送風ファン支持側板体146の間に送風ファン34の吸入口(外気取込み口146a)を開設している。したがって、脱穀部9の穀粒選別機構10に送風ファン34を介してエンジン7周辺の熱気を送給でき、エンジン7の冷却効果を容易に確保できるものでありながら、穀粒選別機構10に送る選別風の温度を高温にするヒートファンとして送風ファン34の利用が可能になり、外気温度よりも高温の選別風を送風ファン34から穀粒選別機構10に送ることができ、脱穀部9の内部湿度を低減でき、脱穀部9の脱粒性能または選別性能を容易に向上できる。
図13、図14、図18、図25に示す如く、エンジン7と送風ファン支持側板体146の間にエンジン7の出力伝達ベルトとしての脱穀駆動ベルト59を延設させると共に、送風ファン支持側板体146の機外側面に送風ファン34のファンケース部34aを取付けている。したがって、エンジン7周辺の熱気にて脱穀駆動ベルト59が劣化するのを防止でき、脱穀駆動ベルト59の耐久性を向上できると共に、送風ファン34の支持部材として遮蔽板機能が備わった送風ファン支持側板体146を兼用でき、遮蔽板機能が備わった送風ファン支持側板体146とは別に送風ファンのための特別な支持部材を設ける必要がなく、送風ファン34の取付けコストを低減できるものでありながら、送風ファン34の取付け構造を簡略化できる。
図5、図11、図13、図18に示す如く、脱穀部9の左右幅内にエンジン7と送風ファン34を配置し、略面一に形成された脱穀部9と送風ファン34の各機外側面を介して前記扱胴21から送風ファン34にこの駆動力を伝達するように構成している。したがって、機体左右幅内に選別用送風ファン34を配置させてコンパクトに構成できるものでありながら、刈取部3から脱穀部9にエンジン7の出力を伝達する構造などに比べ、扱胴21を中心にして扱胴21の両側方に作業部駆動径路を分割して構成でき、作業部駆動径路の組付けまたはメンテナンス作業性などを簡単に向上できる。
図14、図18、図25などに示す如く、上部機体フレーム1bにおけるアーム支柱フレーム39a立設部に台支持フレーム38aの前端側を支持させる。左側の履帯2の後側方に台支持フレーム38aを延設させ、台支持フレーム38aの前端側に籾受仕切り体118を設けている。左側の履帯2の後側と籾受部6の前側の間を籾受仕切り体118にて遮蔽する。また、台支持フレーム38aの後端側に籾受台38を設ける。例えば、籾受アーム体39に籾袋37を装着し、その籾袋37を籾受台38上に載置し、その籾袋37に穀粒を収集する収穫作業の状況下において、籾受台38上の籾袋37に向けて左側の履帯2の後側から圃場の泥土が飛散するのを仕切り体118にて防止できると共に、籾受台38上の籾袋37が左側の履帯2の後側などに接触するのを籾受仕切り体118にて阻止できる。なお、籾袋37の形状などに対応させて、台支持フレーム38aに籾受台38を高さ調節可能に支持することも行える。
さらに、図4〜図6、図13などに示す如く、ミッション保護カバー117と、籾受仕切り体118右側部と、ベルトカバー体183後部にて、ミッションケース63後側を覆う。籾受仕切り体118左側部にて覆う左側履帯2の後部とミッションケース63後側に亘って籾受台38を横架させ、二又形状に分岐させた左右の籾投入口8aを籾受台38上方に配置し、左右の籾投入口8aに籾袋37を交互に装着し、一方(左の籾投入口8a)から籾袋37に籾を充填完了したときに、操縦コラム41方向に突出させた投入切換レバー185の操作部を操作して、左右の籾投入口8a基端部の投入切換シャッタ186を切換え、他方(右の籾投入口8a)から籾袋37に籾を充填するように構成している。
なお、籾が充填された籾袋37を圃場に落下させ、籾投入口8aに空の籾袋37を装着する作業と、投入切換レバー185の投入切換シャッタ186切換え操作にて、穀粒排出コンベヤ8から連続して搬出される籾(穀粒)を、複数の籾袋37に充填する。また、籾投入口8aの下面側から操縦コラム41方向に投入切換レバー185を突出させ、籾投入口8aの上面側から後方上方に向けてインジケータアーム187を突出させ、投入切換レバー185と投入切換シャッタ186とインジケータアーム187を一体的に連結させ、投入切換シャッタ186の切換方向を確認しながら、運転座席42側のオペレータにて投入切換レバー185を操作して、投入切換シャッタ186を切換えるように構成している。
1 走行機体
2 履帯(走行部)
3 刈取部
7 エンジン
8 穀粒排出コンベヤ
9 脱穀部
15 刈刃
20 扱胴軸
21 扱胴
26 揺動選別盤
31 揺動駆動軸
36 穀粒取出コンベヤ
57 脱穀駆動プーリ(出力プーリ)
59 脱穀駆動ベルト
71a 左側軸受体(左右の軸受)
71b 右側軸受体(左右の軸受)
72 カウンタ軸(作業部駆動軸)
75 脱穀駆動チェン
78 送出駆動チェン
136 揺動入力チェン
2 履帯(走行部)
3 刈取部
7 エンジン
8 穀粒排出コンベヤ
9 脱穀部
15 刈刃
20 扱胴軸
21 扱胴
26 揺動選別盤
31 揺動駆動軸
36 穀粒取出コンベヤ
57 脱穀駆動プーリ(出力プーリ)
59 脱穀駆動ベルト
71a 左側軸受体(左右の軸受)
71b 右側軸受体(左右の軸受)
72 カウンタ軸(作業部駆動軸)
75 脱穀駆動チェン
78 送出駆動チェン
136 揺動入力チェン
Claims (4)
- 刈刃を有する刈取部と、扱胴を有する脱穀部と、走行部及びエンジンを設ける走行機体を備え、前記刈取部から前記脱穀部に穀稈を供給するコンバインにおいて、
前記エンジンと脱穀部間の走行機体上面にカウンタ軸を配置し、前記エンジンの出力プーリにカウンタ軸をベルト連結し、前記カウンタ軸を介して刈取部と脱穀部に前記エンジンの駆動力を伝達するように構成したことを特徴とするコンバイン。 - 前記扱胴を左右向きに軸支すると共に、前記脱穀部後方の走行機体上面に前記エンジンを設置する構造であって、左右の軸受を介して前記走行機体にカウンタ軸を左右向きに横架させ、前記エンジン左側の出力プーリにカウンタ軸の左側をベルト連結し、前記カウンタ軸の右側に扱胴軸の右側をチェン連結したことを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。
- 前記脱穀部の底部に揺動選別盤と穀粒取出コンベヤを備え、前記カウンタ軸の右側に穀粒取出コンベヤ軸の右側をチェン連結し、前記揺動選別盤の揺動駆動軸に穀粒取出コンベヤ軸の右側をチェン連結し、前記エンジン・脱穀部左側の穀粒排出コンベヤ軸下端部に穀粒取出コンベヤ軸の左端部を連結したことを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。
- 揺動選別盤の上面側に扱胴を左右向きに配置し、揺動選別盤の下面側に穀粒取出コンベヤを左右向きに配置する構造であって、前記エンジン設置面に対して揺動選別盤設置面を略同位置高さに形成すると共に、後ろ向きに延設させる脱穀部左側の穀粒排出コンベヤとエンジンの間に、揺動選別盤に選別風を供給するための送風ファンを配置したことを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。
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---|---|---|---|
JP2015172156A JP2017046621A (ja) | 2015-09-01 | 2015-09-01 | コンバイン |
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2017046621A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2015
- 2015-09-01 JP JP2015172156A patent/JP2017046621A/ja active Pending
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