JP2017046256A - バイノーラル信号生成装置、方法及びプログラム - Google Patents

バイノーラル信号生成装置、方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】精度の高いバイノーラル信号を生成することができるバイノーラル信号生成技術を提供する。【課題を解決するための手段】バイノーラル信号生成装置は、円状に配置された円状スピーカアレーからの再生音に基づく複数の頭部伝達関数を考慮して所望音場と合成音場を一致させることで得られるフィルタと、円状に配置された円状マイクロホンアレーによる観測信号とを時空間方向に畳み込むことによりバイノーラル信号を生成するフィルタリング部1を備えている。【選択図】図1

Description

この発明は、ある音場に設置されたマイクロホンで音信号を収音し、その音信号を用いてその音場を再現する技術に関する。
複数のマイクロホンを用いて遠隔地の音場を仮想的に再現するためのバイノーラル信号を生成する技術として例えば非特許文献1に記載された技術が知られている。非特許文献1に記載された技術では、一方向に対して対応する1個の頭部伝達関数(Head Related Transfer Function:HRTF)を畳み込むことにより、バイノーラル信号を生成している。
平原達也, et al. , "頭部伝達関数の計測とバイノーラル再生にかかわる諸問題," 電子情報通信学会 基礎・境界ソサイエティ Fundamentals Review, vol. 2, no. 4, pp. 68-85, 2009.
非特許文献1に記載された技術では、頭部伝達関数が1個だけしか用いられていない。このため、生成されるバイノーラル信号の精度が必ずしも高くなかった。
この発明の目的は、より精度の高いバイノーラル信号を生成するバイノーラル信号生成装置、方法及びプログラムを提供することである。
この発明の一態様によるバイノーラル信号生成装置によれば、円状に配置された円状スピーカアレーからの再生音に基づく複数の頭部伝達関数を考慮して所望音場と合成音場を一致させることで得られるフィルタと、円状に配置された円状マイクロホンアレーによる観測信号とを時空間方向に畳み込むことによりバイノーラル信号を生成するフィルタリング部を備えている。
複数の頭部伝達関数を用いることにより、精度の高いバイノーラル信号を生成することができる。
第一実施形態のバイノーラル信号生成装置の例を示す機能ブロック図。 第一実施形態のバイノーラル信号生成方法の例を示す流れ図。 座標系を説明するための図。 第一実施形態のバイノーラル信号生成装置の例を示す機能ブロック図。 第一実施形態のバイノーラル信号生成方法の例を示す流れ図。
以下、図面を参照してこの発明の実施形態を説明する。以下の説明において、テキスト中で使用する記号「~」「-」「^」等は、本来直前の文字の真上に記載されるべきものであるが、テキスト記法の制限により、当該文字の直後に記載する。式中においてはこれらの記号は本来の位置に記述している。また、ベクトルや行列の各要素単位で行われる処理は、特に断りが無い限り、そのベクトルやその行列の全ての要素に対して適用されるものとする。
[第一実施形態]
第一実施形態は、2次元に配置された円状マイクロホンアレーで収音した信号に基づいてバイノーラル信号を生成するバイノーラル信号生成装置及び方法に関する。まず、第一実施形態の技術的背景について説明する。
<技術的背景>
半径Rsの円周上に3個以上のスピーカから構成される円状スピーカアレーを配置し、その円の中心に頭部が存在することを仮定する。スピーカ位置は円筒座標系(図3を参照のこと)でrs=(Rss,0)と書く。左耳および右耳の位置をそれぞれrL=(RLL,0),rR=(RRR,0)とし、時間周波数領域のHRTFをGL(rL-rs),GR(rR-rs)と書く。GL(rL-rs)とGR(rR-rs)は事前に測定し、既知であるとする。HRTFの測定は、スピーカアレーを用いてする必要は必ずしもなく、各方向から別々にHRTFを測定してもよい。なお、頭部形状をモデル化し、HRTFをシミュレーションして求めても構わない。以降、左耳の時間周波数領域信号PL(rL)についてのみ議論するが、右耳に関しても全く同じ議論が成り立つ。
各スピーカ位置からの伝達関数に対して、信号D(rs)を畳み込むことで、左耳信号PL(rL)を合成することを考えると、PL(rL)は以下のように書ける。
Figure 2017046256
ここで、「~」を付けた変数は円筒調和関数領域表現であることを表し、mは円筒調和関数領域表現における次数である。また、jは虚数であり、eはネイピア数であり、πは円周率である。
Figure 2017046256
さて、D(・)は所望の音場Pdes(r)を合成するための駆動信号であればよい。
r=(r,φ,0)を半径Rsの円の内部領域における任意の位置とし、頭部がない状態で円周上のスピーカを用いて合成される音場をPsyn(r)とする。このとき、
Figure 2017046256
となる。ここで、G(r-rs)は各スピーカの伝達特性を表し、測定もしくは物理現象をモデル化(線音源としてモデル化した例を後述する。)することで得られる。なお、従来はHRTFを求める時点でスピーカ方向からの平面波伝搬を仮定して信号変換を定式化していたのに対し、ここででは点音源からの球面波伝搬を仮定して以下の定式化を行う。
収音側では所望音場の円筒調和スペクトル~Pdes(r,m)=-Pdes(m)Jm(kr)が推定されているものとする。これはシミュレーションによって合成しても構わない。ここで、kは波数、Jmはm次のベッセル関数である。また、-Pdes(m)は所望音場の円筒調和関数展開の係数である。Psyn(r)とPdes(r) とが一致すればよいことから、
Figure 2017046256
となる。~G(r-Rs,m)を半径Rrefの円周上で測定することで取得する場合、
Figure 2017046256
となる。
したがって、式(1)に式(2)を代入することで、バイノーラル信号が得られる。
Figure 2017046256
所望音場の円筒調和スペクトル~Pdes(r,m)=Pdes(m)Jm(kr)はいくつかの推定方法があるが、ここでは半径Rmの円筒形状の剛体のバッフル上に配置された円状マイクロホンアレーを用いることを考える。円状マイクロホンアレーは、3個以上のマイクロホンから構成される。ここで、バッフルは、マイクロホンやスピーカを取り付けるものを意味する。バッフルそのものの存在が、収音または再生の際の音の伝達関数に影響する。また、バッフルが剛体であるか吸音体であるかによって、所望音場の円筒調和スペクトルと観測信号の円筒調和スペクトルの関係式にも影響する。
マイクロホンアレーによる観測信号の円筒調和スペクトルを~Prcv(Rm,m)とすれば、~Pdes(r,m)は以下のようになる。
Figure 2017046256
ここで、Hm (1)′はm次の第一種ハンケル関数Hm (1)の微分である。もう一つの例として、半径Rmの球状の剛体のバッフル上の半径Rmの円状マイクロホンアレーを用いることを考える。マイクロホンアレーによる観測信号の円筒調和スペクトルを~Prcv(Rm,m)とすれば、~Pdes(r,m)は以下のようになる。
Figure 2017046256
なお、~Pdes(r,m)は、マイクロホンアレーの配置、バッフルの形状や性質(剛体、吸音体、空中に配置されているか等の性質)により、上記以外の式により定義されてもよい。
ここで、Pn mはルジャンドル陪関数である。式(4)を式(3)に代入すれば、
Figure 2017046256
となる。この式により、円状マイクロホンアレー信号から、以下で定義される時間周波数領域のフィルタの時空間畳み込みによって、バイノーラル信号を合成できることになる。
Figure 2017046256
正確に言えば、畳み込みではFLの逆フーリエ変換で求まる時空間領域のフィルタを用いる。すなわち、FLの逆フーリエ変換で求まる時空間領域のフィルタを用いて、円状マイクロホンアレーの観測信号に対し時空間領域の時空間畳み込みを行うことによって、バイノーラル信号を生成することができる。
なお、次数mの時空間周波数領域のフィルタ係数~FL(m)を
Figure 2017046256
で定義すれば、バイノーラル信号は次数mの時空間周波数領域のフィルタ係数~FL(m)と円状マイクロホンアレー信号で以下のように表すこともできる。
Figure 2017046256
式(5)は測定によって得られた~Gを用いることを仮定したものだったが、ここでは線音源としてモデル化した場合について考える。
Figure 2017046256
であることより、
Figure 2017046256
となる。ただし、実際のスピーカは線音源よりは点音源に近い特性を持っていることより、補正項として(2πj/k)1/2を乗じることが必要である。
なお、聴者の頭部の移動に対する追従は,収録側の円状マイクロホンアレーで取得した円筒調和スペクトルに対する処理によって実現可能である。単純な回転に対しては、単純な位相シフトを適用すればよい。回転角をφrotとして、位相シフトを適用した円筒調和スペクトル~Prot(Rm,m)は、
Figure 2017046256
となる。
円状マイクロホンアレーの中心とは異なる位置を原点とした円筒調和スペクトルを推定することも可能である。例えば、位置(Rtt)における円筒調和スペクトル-Ptransは、
Figure 2017046256
として得られる。複数の位置における円筒調和スペクトルが取得可能な場合には、最小二乗法による推定が可能となる。
式(A)又は式(B)のフィルタを用いて、以下の式のように空間方向の畳み込みを行うことによりバイノーラル信号を生成してもよい。空間方向の畳み込みによりバイノーラル信号を生成する場合には、円状スピーカアレーを構成するスピーカの数=円状マイクロホンアレーを構成するマイクロホンの数と同じにする必要があるところ、NLはそのスピーカの数=マイクロホンの数である。φiはφLに対応する方向である。
Figure 2017046256
<バイノーラル信号生成装置及び方法>
第一実施形態のバイノーラル信号生成装置は、図1に示すように、フィルタリング部1、フィルタ生成部2を備えている。バイノーラル信号生成装置が、図2に示すステップS1の処理を実行することによりバイノーラル信号生成方法が実現される。
フィルタリング部1には、円状に配置された円状スピーカアレーからの再生音に基づく複数の頭部伝達関数を考慮して所望音場と合成音場を一致させることで得られるフィルタが入力される。
このフィルタは、式(A)又は式(B)により定義されるフィルタを逆フーリエ変換することにより得られるフィルタである。このフィルタは、フィルタリング部1の処理に先立ってフィルタ生成部2により予め生成される。
Figure 2017046256
また、フィルタリング部1には、円状に配置された円状マイクロホンアレーによる観測信号が入力される。
フィルタリング部1は、入力されたフィルタと入力された観測信号とを時空間方向に畳み込むことによりバイノーラル信号を生成する(ステップS1)。
上記のフィルタリング部1の処理は、一例に過ぎない。フィルタリング部1は、<技術的背景>の欄で説明した他のフィルタ処理や畳み込み処理によりバイノーラル信号を生成してもよい。
すなわち、例えば、フィルタリング部1は、上記フィルタFLに代えて、FLの逆フーリエ変換で求まるフィルタを用いてフィルタリング処理を行ってもよい。
また、例えば、フィルタリング部1は、~Prcv(Rm,m)を上記観測信号の円筒調和スペクトルとして、聴者がφrotだけ向きを変えた場合には、上記観測信号に代えて式(C)により定義される~Prcv(Rm,m)と上記フィルタを畳み込み、
Figure 2017046256
聴者が位置(Rtt)に移動した場合には、上記観測信号に代えて式(D)により定義される~Ptrans(Rm,m)と上記フィルタとを畳み込んでもよい。
Figure 2017046256
このように、複数の頭部伝達関数を考慮することより、精度の高いバイノーラル信号を生成することができる。
[第二実施形態]
第二実施形態は、3次元に配置された球状マイクロホンアレーで収音した信号に基づいてバイノーラル信号を生成するバイノーラル信号生成装置及び方法である。まず、第二実施形態の技術的背景について説明する。
<技術的背景>
半径Rsの球面上に3個以上のスピーカから構成される球状スピーカアレーを配置し、その中心に頭部が存在すると仮定する。スピーカ位置は球座標系でrs=(Rsss)と書く。左耳および右耳の位置をそれぞれrL=(RLLL),rR=(RRRR)とし、時間周波数領域のHRTFをGL(rL-rs),GR(rR-rs)と書く。GL(rL-rs)とGR(rR-rs)は事前に測定し、既知であるとする。HRTFの測定は、スピーカアレーを用いてする必要は必ずしもなく、各方向から別々にHRTFを測定してもよい。なお、頭部形状をモデル化し、HRTFをシミュレーションして求めても構わない。以降、左耳の時間周波数領域信号PL(rL)についてのみ議論するが、右耳に関しても全く同じ議論が成り立つ。
各スピーカ位置からの伝達関数に対して、信号D(rs)を畳み込むことで、左耳信号PL(rL)を合成することを考えると、PL(rL)は以下のように書ける。
Figure 2017046256
円状のアレーを用いる第一実施形態とは異なり、球状のアレーを用いる第二実施形態では、空間の畳み込みとしては記述できないことに注意する。
さて、D(・)は所望の音場を合成するための駆動信号であればよい。r=(r,θ,φ)を内部領域における任意の位置とし、頭部がない状態で球面上のスピーカを用いて合成される音場をPsyn(r)とする。このとき、各スピーカの軸対称性を仮定すれば、η=(0,0,Rs)の北極位置をおいて、
Figure 2017046256
となる。SO(3)は、3次の回転群(特殊直交群)である。ここで、G(r-rs)は各スピーカの伝達特性を表し、測定もしくはモデル化することで得られる。従来はHRTFを求める時点で音源からの平面波を仮定して信号変換を定式化していたのに対し、ここでは点音源からの球面波を仮定して以下の定式化を行う。Yn mは球面調和関数であり、nとmはその次数である。ここでは、「~」付きの変数は球面調和スペクトル領域を表すこととする。
収音側では所望音場の球面調和スペクトル~Pdes(r,n,m)=-Pdes(n,m)jn(kr)が推定されているものとする。これは、シミュレーションによって合成しても構わない。Psyn(r)とPdes(r)とが一致すればよいことから、
Figure 2017046256
となる。jnはn次の第一種球ベッセル関数である。~G(r-Rs,n,0)を半径Rrefの球面上で測定することで取得する場合、
Figure 2017046256
となる。
したがって、式(6)に式(7)を代入することで、バイノーラル信号が得られる。
Figure 2017046256
所望音場の球面調和スペクトル~Pdes(r,n,m)=-Pdes(n,m)jn(kr)はいくつかの推定方法があるが、ここでは、半径Rmの球バッフル上に配置された球状マイクロホンアレーを用いることを考える。球状マイクロホンアレーは、3個以上のマイクロホンから構成される。
ここで、バッフルは、マイクロホンやスピーカを取り付けるものを意味する。バッフルそのものの存在が、収音または再生の際の音の伝達関数に影響する。また、バッフルが剛体であるか吸音体であるかによって、球面調和スペクトルと観測信号の球面調和スペクトルの関係式に影響する。
マイクロホンアレーによる観測信号の球面調和スペクトルを~Prcv(Rm,n,m)とすれば、~Pdes(r,n,m)は以下のようになる。hn (1)'は、n次の第一種ハンケル関数hn (1)の微分を意味する。
Figure 2017046256
この式(8)に代入すれば、
Figure 2017046256
となる。SはHRTFの測定に用いた球状スピーカアレーを構成するスピーカの集合である。円状アレーの場合と異なり、単一のフィルタ畳み込みでの信号変換はできないが、マイクロホンアレーの信号に対して以下の式(E)のフィルタを適用後、各HRTFとの畳み込みを、HRTFの測定に用いたスピーカの数の分だけ足しあわせた信号をバイノーラル信号とすれば良い。
すなわち、式(E)のフィルタと球状に配置された球状マイクロホンアレーによる観測信号とを時空間畳み込みすることにより信号を得て、得られた信号の球状スピーカアレーの各スピーカ位置に対応する時間信号と、球状スピーカアレーからの再生音に基づく複数の頭部伝達関数の球状スピーカアレーの各スピーカ位置に対応する時間信号とを時間方向に畳み込みしたものを球状スピーカアレーを構成するスピーカの数の分だけ足し合わせることにより時間領域のバイノーラル信号を生成する。
Figure 2017046256
なお、次数n,mのフィルタ係数~FL(rs,n,m)を
Figure 2017046256
で定義すれば、バイノーラル信号は次数n,mのフィルタ係数と円状マイクロホンアレー信号で以下のように表される。
Figure 2017046256
式(F)は測定によって得られた~Gを用いることを仮定したものだったが、ここでは、点音源としてモデル化した場合について考える。
Figure 2017046256
であることより、
Figure 2017046256
となる。この式(F)のフィルタを式(E)のフィルタの代わりに用いてもよい。
<バイノーラル信号生成装置及び方法>
第二実施形態のバイノーラル信号生成装置は、図4に示すように、フィルタリング部1、フィルタ生成部2を備えている。バイノーラル信号生成装置が、図5に示す各ステップの処理を実行することによりバイノーラル信号生成方法が実現される。
フィルタリング部1には、球状に配置された球状スピーカアレーを考慮して所望音場と合成音場を一致させることで得られるフィルタが入力される。
このフィルタは、式(E)又は式(F)により定義されるフィルタである。このフィルタは、フィルタリング部1の処理に先立ってフィルタ生成部2により予め生成される。
Figure 2017046256
また、フィルタリング部1には、球状に配置された円状マイクロホンアレーによる観測信号が入力される。
フィルタリング部1は、入力されたフィルタと入力された観測信号とを時空間畳み込みすることにより信号を得る。得られた信号は、信号生成部3に出力される。
信号生成部3は、フィルタリング部1により得られた信号のHRTFを得るために用いた球状スピーカアレーの各スピーカ位置に対応する時間信号と、球状スピーカアレーからの再生音に基づく複数の頭部伝達関数の球状スピーカアレーの各スピーカ位置に対応する時間信号とを時間方向に畳み込みしたものを球状スピーカアレーを構成するスピーカの数の分だけ足し合わせることにより時間領域のバイノーラル信号を生成する。
上記のフィルタリング部1の処理は、一例に過ぎない。フィルタリング部1は、<技術的背景>の欄で説明した他のフィルタ処理や畳み込み処理によりバイノーラル信号を生成してもよい。
すなわち、例えば、フィルタリング部1は、~Prcv(Rm,m)を上記観測信号の球面調和スペクトルとして、式(9)により定義される処理を行うことによりバイノーラル信号を生成してもよい。
このように、複数の頭部伝達関数を考慮することより、精度の高いバイノーラル信号を生成することができる。
[関数]
上記の説明で用いた各関数について説明する。
・を任意の実数として、n次の第一種ハンケル関数Hn (1)(・)及びn次のベッセル関数Jn(・)は、以下のように定義される。Γ(z)はガンマ関数であり、Yn(z)はノイマン関数である。
Figure 2017046256
n次の第一種球ハンケル関数h(1) n(・)及びn次の球ベッセル関数jn(・)は、以下のように定義される。
Figure 2017046256
ルジャンドル陪関数Pm n(・)であり、以下のように定義される。Pn(・)はルジャンドル多項式を表す。
Figure 2017046256
球面調和関数Yn mは下記式により定義される。
Figure 2017046256
[変形例]
上記の時間周波数領域又は時空間周波数領域でのフィルタリング処理は、時空間領域で行ってもよい。すなわち、上記フィルタリング処理を、時間方向の畳み込みと空間方向の畳み込みでフィルタリングによりを行ってもよい。
バイノーラル信号生成装置は、コンピュータによって実現することができる。この場合、この装置の各部の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、この装置における各部がコンピュータ上で実現される。
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。また、この形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、これらの装置を構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。
この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
1 フィルタリング部
2 フィルタ生成部
3 信号生成部

Claims (8)

  1. 円状に配置された円状スピーカアレーからの再生音に基づく複数の頭部伝達関数を考慮して所望音場と合成音場を一致させることで得られるフィルタと、円状に配置された円状マイクロホンアレーによる観測信号とを時空間方向に畳み込むことによりバイノーラル信号を生成するフィルタリング部を含むバイノーラル信号生成装置。
  2. 請求項1のバイノーラル信号生成装置において、
    jを虚数とし、kを波数とし、Jmをm次のベッセル関数とし、Hm (1)'をm次の第一種ハンケル関数Hm (1)の微分とし、聴者の何れか一方の耳の円筒座標系における位置を(RLL,0)とし、~GLを円筒調和関数領域表現された頭部伝達関数とし、~Gを各スピーカの円筒調和関数領域表現された伝達関数とし、~Gは半径Rrefの円周上で測定されるとし、Rmを上記円状マイクロホンアレーの半径とし、Rsを上記円状スピーカアレーの半径として、
    上記フィルタは、以下の式(A)又は式(B)により定義されるFLを逆フーリエ変換することにより得られるフィルタである、
    Figure 2017046256

    バイノーラル信号生成装置。
  3. 請求項2のバイノーラル信号生成装置において、
    ~Prcv(Rm,m)を上記観測信号の円筒調和スペクトルとして、
    上記聴者がφrotだけ向きを変えた場合には、上記フィルタリング部は、上記観測信号に代えて以下の式(C)により定義される~Prcv(Rm,m)と上記フィルタを畳み込み、
    Figure 2017046256

    上記聴者が位置(Rtt)に移動した場合には、上記フィルタリング部は、上記観測信号に代えて以下の式(D)により定義される~Ptrans(Rm,m)と上記フィルタとを畳み込む、
    Figure 2017046256

    バイノーラル信号生成装置
  4. 球状に配置された球状スピーカアレーを考慮して所望音場と合成音場を一致させることで得られるフィルタと球状に配置された球状マイクロホンアレーによる観測信号とを時空間畳み込みすることにより信号を得るフィルタリング部と、
    上記得られた信号の上記球状スピーカアレーの各スピーカ位置に対応する時間信号と、上記球状スピーカアレーからの再生音に基づく複数の頭部伝達関数の上記球状スピーカアレーの各スピーカ位置に対応する時間信号とを時間方向に畳み込みしたものを上記球状スピーカアレーを構成するスピーカの数の分だけ足し合わせることにより時間領域のバイノーラル信号を生成する信号生成部と、
    を含むバイノーラル信号生成装置。
  5. 請求項4のバイノーラル信号生成装置において、
    jを虚数とし、kを波数とし、hm (1)'をm次の第一種球ハンケル関数hm (1)の微分とし、Yn mを球面調和関数とし、~Gを球状スピーカアレーを構成するスピーカの円筒調和関数領域表現された伝達関数とし、~Gは半径Rrefの円周上で測定されるとし、Rmを上記球状マイクロホンアレーの半径とし、Rsを上記球状スピーカアレーの半径として、
    上記フィルタは、以下の式(E)又は式(F)により定義されるFLである、
    Figure 2017046256

    バイノーラル信号生成装置。
  6. フィルタリング部が、円状に配置された円状スピーカアレーからの再生音に基づく複数の頭部伝達関数を考慮して所望音場と合成音場を一致させることで得られるフィルタと、円状に配置された円状マイクロホンアレーによる観測信号とを時空間方向に畳み込むことによりバイノーラル信号を生成するフィルタリングステップを含むバイノーラル信号生成方法。
  7. フィルタリング部が、球状に配置された球状スピーカアレーを考慮して所望音場と合成音場を一致させることで得られるフィルタと球状に配置された球状マイクロホンアレーによる観測信号とを時空間畳み込みすることにより信号を得るフィルタリングステップと、
    信号生成部が、上記得られた信号の上記球状スピーカアレーの各スピーカ位置に対応する時間信号と、上記球状に配置された球状スピーカアレーからの再生音に基づく複数の頭部伝達関数の上記球状スピーカアレーの各スピーカ位置に対応する時間信号とを時間方向に畳み込みしたものを上記球状スピーカアレーを構成するスピーカの数の分だけ足し合わせることにより時間領域のバイノーラル信号を生成する信号生成ステップと、
    を含むバイノーラル信号生成方法。
  8. 請求項1から5の何れかに記載されたバイノーラル信号生成装置の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
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