JP5741866B2 - 音場収音再生装置、方法及びプログラム - Google Patents

音場収音再生装置、方法及びプログラム Download PDF

Info

Publication number
JP5741866B2
JP5741866B2 JP2013042756A JP2013042756A JP5741866B2 JP 5741866 B2 JP5741866 B2 JP 5741866B2 JP 2013042756 A JP2013042756 A JP 2013042756A JP 2013042756 A JP2013042756 A JP 2013042756A JP 5741866 B2 JP5741866 B2 JP 5741866B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
order
domain signal
frequency
space
baffle
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013042756A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014171164A (ja
Inventor
翔一 小山
翔一 小山
鈴木 陽一
陽一 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tohoku University NUC
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Tohoku University NUC
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tohoku University NUC, Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Tohoku University NUC
Priority to JP2013042756A priority Critical patent/JP5741866B2/ja
Publication of JP2014171164A publication Critical patent/JP2014171164A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5741866B2 publication Critical patent/JP5741866B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Stereophonic System (AREA)
  • Circuit For Audible Band Transducer (AREA)

Description

この発明は、ある音場に設置されたマイクロホンで音信号を収音し、その音信号を用いてスピーカでその音場を再現する波面合成法(Wave Field Synthesis)の技術、アンビソニックス(Ambisonics)の技術に関する。
ある音場に設置されたマイクアレーで信号を収音し、その信号を用いてスピーカアレーでその音場を再現する波面合成法(Wave Field Synthesis)の技術、アンビソニックス(Ambisonics)の技術として、例えば非特許文献1に記載された技術が知られている。
小山翔一,外3名,「音場収音・再現のための時空間周波数領域信号変換法」,日本音響学会講演論文集,2011年9月,P.635−636
非特許文献1に記載された技術では、上下方向も含めて再現するためには、平面状アレーを用いる必要があった。また、上下方向に用いるアレーが少数であった場合、再現誤差が大きくなってしまい、上下感の再現をすることができない可能性があった。
この発明の目的は、従来よりも高精度に音場を再現することができる音場収音再生装置、方法及びプログラムを提供することである。
上記の課題を解決するために、この発明の一態様による音場収音再生装置は、半径Rbの円筒形状の剛体のバッフルの軸を中心とし上記バッフルの周方向を円周方向とする半径Rmの2個以上の円のそれぞれに少なくとも2個のマイクロホンが配置されているとし、Rm>Rbとし、バッフルの軸方向をz軸方向とし、バッフルの周方向とφ方向とし、jを虚数単位とし、ωを周波数とし、cを音速とし、k=ω/cとし、nをφ方向の次数とし、kz,lをz軸方向の波数とし、lをそのインデックスとし、Jn(・)をn次の第一種ベッセル関数とし、Hn (1)(・)をn次の第一種ハンケル関数とし、Jn’(・)をn次の第一種ベッセル関数Jn(・)の微分とし、Hn (1)’(・)をn次の第一種ハンケル関数Hn (1)(・)の微分とし、A(ω)を所定の複素数とし、wnlをn,lに基づいて定まる重みとし、少なくとも4個のスピーカが第一の空間と異なる第二の空間の半径Rsの仮想円筒の周面に配置されているとして、マイクロホンで収音された信号に基づいて生成された時空間周波数領域信号P~nl(ω)に対して次式により定義されるフィルタF~nl(ω)を適用してフィルタ処理後信号D~nl(ω)を生成する変換フィルタ部と、
Figure 0005741866
空間の逆フーリエ変換により、フィルタ処理後信号D~nl(ω)を周波数領域信号に変換する空間周波数逆変換部と、周波数領域信号を逆フーリエ変換により時間領域信号に変換し、変換された時間領域信号をスピーカに出力する周波数逆変換部と、を備える。
この発明の他の一態様による音場収音再生装置は、半径Rbの円筒形状の剛体のバッフルの軸を中心とし上記バッフルの周方向を円周方向とする半径Rmの2個以上の円のそれぞれに少なくとも2個のマイクロホンが配置されているとし、Rm>Rbとし、バッフルの円筒の軸方向をz軸方向とし、バッフルの円筒の周方向とφ方向とし、jを虚数単位とし、ωを周波数とし、cを音速とし、k=ω/cとし、nをφ方向の次数とし、kz,lをz軸方向の波数とし、lをそのインデックスとし、Jn(・)をn次の第一種ベッセル関数とし、Hn (1)(・)をn次の第一種ハンケル関数とし、Jn’(・)をn次の第一種ベッセル関数Jn(・)の微分とし、Hn (1)’(・)をn次の第一種ハンケル関数Hn (1)(・)の微分とし、A(ω)を所定の複素数とし、wnlをn,lに基づいて定まる重みとし、少なくとも4個のスピーカが第一の空間と異なる第二の空間の半径Rsの仮想円筒の周面に配置されているとして、マイクアレーで収音された信号をフーリエ変換により周波数領域信号に変換する周波数変換部と、空間のフーリエ変換により、周波数領域信号を時空間周波数領域信号P~nl(ω)に変換する空間周波数変換部と、時空間周波数領域信号P~nl(ω)に対して次式により定義されるフィルタF~nl(ω)を適用してフィルタ処理後信号D~nl(ω)を生成する変換フィルタ部と、を備える。
Figure 0005741866
マイクロホンアレー及びスピーカアレーをそれぞれ構成するマイクロホン及びスピーカの数が少ない場合であっても、マイクロホンアレー及びスピーカアレーを円筒状とし、左右方向に密な素子配置とし、上下方向は粗な素子配置として、上下感を再現することができる。したがって、従来よりも高精度に音場を再現することができる
音場収音再生装置の例を示す機能ブロック図。 マイクロホン及びスピーカの配置の例を説明するための図。 マイクロホン及びスピーカの配置の例を説明するための図。 音場収音再生方法の例を示す流れ図。
以下、図面を参照してこの発明の実施形態を説明する。以下の説明において、テキスト中で使用する記号「~」、「」等は、本来直前の文字の真上に記載されるべきものであるが、テキスト記法の制限により、当該文字の直後に記載する。式中においてはこれらの記号は本来の位置に記述している。また、ベクトルや行列の各要素単位で行われる処理は、特に断りが無い限り、そのベクトルやその行列の全ての要素に対して適用されるものとする。
<マイクロホンアレー及びスピーカアレーの配置>
音場収音再生装置及び方法は、図1に示すように、第一の空間の半径Rbの円筒形状の剛体のバッフルの軸からRm離れた位置に配置されているNz×Nφ個のマイクロホンで構成されるマイクロホンアレーと、第一の空間と異なる第二の空間の半径Rsの仮想円筒の周面に配置されているNz×Nφのスピーカで構成されるスピーカアレーとを用いて、第一の空間の音源Soで発生した音によって形成された第一の空間の音場を第二の空間で再現する。図1では、第二の空間で再現された音源Soを音源So’と表現している。円筒の軸方向をz軸方向とする。第一の空間及び第二の空間は、互い異なる空間である。
第一の空間に配置されたマイクロホンの数と第二の空間に配置されたスピーカの数は異なっていてもよい。マイクロホンの数が、第二の空間に配置されたスピーカの数よりも多い場合には、再生信号を間引けばよい。一方、マイクロホンの数が、第二の空間に配置されたスピーカの数よりも少ない場合には、再生信号をチャネル間で平均を取るなどして補間を行えばよい。補間を行う方法は、例えば、線形補間やsinc補間などを適用することができる。
図3に示すように、マイクロホンは半径Rbの円筒形状のバッフルBの軸からRm離れた位置に配置されることになる。言い替えると、Rm>Rbとして、マイクロホンはバッフルBの周面の表面から(Rm-Rb)離れた位置に配置される。例えば、バッフルBの周面から垂直に突き出す細い棒状の部材により支持することで、マイクロホンは配置される。
換言すれば、円筒形状の剛体のバッフルBの軸を中心とし円筒形状の剛体のバッフルBの周方向を円周方向とするNz個の円のそれぞれにおいて、Nφ個のマイクロホンが等間隔に配置される。Nz,Nφは予め定められた2以上の整数である。すなわち、バッフルBの周方向を円周方向とする2個の円のそれぞれにおいて2個のマイクロホンが配置されることにより、マイクロホンはバッフルBの軸からRm離れた位置に少なくとも4個配置される。
マイクロホンは、どのような間隔で配置されてもよい。すなわち、隣接するマイクロホンとの間隔であるzccのそれぞれは、任意の値を取ることができる。ただし、マイクロホンを等間隔に配置する、すなわち隣接するマイクロホンとの間隔であるzccのそれぞれを同じ値とすることで、高精度に音場を再現することができる。
マイクロホンは、円筒形状の剛体のバッフルの周面の外側方向に向けて配置される。
スピーカもマイクロホンと同様に配置される。すなわち、図3に示すように、仮想円筒の周面のNz個の円のそれぞれにおいて、Nφ個のスピーカが等間隔に配置される。Nz,Nφは予め定められた2以上の整数である。スピーカは、仮想円筒の周面に少なくとも4個配置される。
仮想円筒の周面のNz個の円は、例えばzcを所定の距離として、zc間隔で位置している。また、同一の円に配置されたNφ個のスピーカは、φcを所定の角度として、φc度の間隔で位置している。
スピーカは、ほぼ等間隔に配置されていれば、厳密に等間隔に配置されている必要はない。すなわち、隣接するスピーカとの間隔であるzccのそれぞれは、厳密に同じ値である必要はなく、ほぼ同じ値であればよい。また、スピーカは、どのような間隔で配置されてもよい。すなわち、隣接するスピーカとの間隔であるφcは、任意の値を取ることができる。ただし、スピーカをほぼ等間隔に配置する、すなわち隣接するスピーカとの間隔であるφcをほぼ同じ値とすることで、高精度に音場を再現することができる。
マイクロホンが配置されるバッフルの軸からの距離Rmは、例えば2cm程度とする。バッフルの軸からの距離Rmは、値が大きいほど鋭い指向性を形成することができるが、より多くのマイクロホンが必要となる。また、Rm,Rsは、その値が大きいほど広い領域を再現することができるが、より多くのマイクロホン及びスピーカが必要となる。Rm,Rsは、収音する信号の周波数を考慮して実験的に設定することが望ましい。
また、スピーカが配置される円筒の半径Rsは、例えば1.5m程度とする。なお、Rm≦RsでもRs≦Rmでもよいが、Rm≦Rsのときに音場再生の精度がよくなる。
スピーカは、音響的に透明な状態で第二の空間の空中に配置されてもよいし、音響的に透明でない状態で第二の空間に配置されてもよい。音響的に透明な状態とは、スピーカが配置されていない第二の空間の伝達特性と同じ伝達特性を保った状態ということである。例えば、スピーカは、糸で吊るされるか、細い棒で固定されることにより、第二の空間の空中に配置される。また、スピーカは、マイクロホンと同様に、円筒形状の剛体のバッフルの周面から所定の距離だけ離れた位置に配置されてもよい。この場合、スピーカは、剛体のバッフルの周面の内側方向に向けて配置される。
第一の空間のマイクロホンMi−jの位置を(Rmm,i,zm,j)[i=1,2,…,Nφ,j=1,2,…,Nz]と表現する。第二の空間のスピーカSi−jの位置を(Rss,i,zs,j)[i=1,2,…,Nφ,j=1,2,…,Nz]と表現する。
<音場収音再生装置>
音場収音再生装置は、図1に示すように周波数変換部1、空間周波数変換部2、変換フィルタ部3、空間周波数逆変換部4、周波数逆変換部5及び窓関数部6を例えば含み、図4に例示された各ステップの処理を行う。
第一の空間に配置されたマイクロホンM1−1,M2−1,…,MNφ−Nは、第一の空間の音源Sで発せられた音を収音して時間領域の信号を生成する。生成された信号は、周波数変換部1に送られる。(Rmm,i,zm,j)のマイクロホンMi−jで収音された時間領域の時刻tの信号をpij(t)と表記する。
<周波数変換部1>
周波数変換部1は、マイクロホンM1−1,M2−1,…,MNφ−Nで収音された信号pij(t)をフーリエ変換により周波数領域信号Pij(ω)に変換する(ステップS1)。生成された周波数領域信号Pij(ω)は、空間周波数変換部2に送られる。ωは周波数である。例えば、短時間離散フーリエ変換により周波数領域信号Pij(ω)が生成される。もちろん、他の既存の方法により周波数領域信号Pij(ω)を生成してもよい。また、オーバーラップアド等の方法を用いて周波数領域信号Pij(ω)を生成してもよい。入力信号が長い場合や、リアルタイム処理のように連続して信号が入力される場合には、例えば10msごとといったフレームごとに処理を行う。周波数領域信号Pij(ω)は、例えば以下のように定義される。関数expの引数の中のjは虚数単位である。
Figure 0005741866
<空間周波数変換部2>
空間周波数変換部2は、空間のフーリエ変換により周波数領域信号Pij(ω)を時空間周波数領域信号P~nl(ω)に変換する(ステップS2)。時空間周波数領域信号P~nl(ω)は、各ωごとに計算される。変換された時空間周波数領域信号P~nl(ω)は、変換フィルタ部3に送られる。空間周波数変換部2は、具体的には式(1)により定義されるP~nl(ω)を計算する。
Figure 0005741866
kz,lはz軸方向の波数であり、lはそのインデックスである。波数とは、いわゆる空間周波数又は角度スペクトルのことである。式(1)は、時空間周波数領域への変換の一例であり、他の方法により空間のフーリエ変換を行ってもよい。また、式(0)、(1)を合わせて二次元のDFTを行うような方法でもよい。
<変換フィルタ部3>
変換フィルタ部3は、時空間周波数領域信号P~nl(ω)に対して式(2)により定義されるフィルタF~nl(ω)を適用してフィルタ処理後信号D~nl(ω)を生成する(ステップS3)。フィルタ処理後信号D~nl(ω)は、空間周波数逆変換部4に送信される。
Figure 0005741866
式(2)において、cを音速として、k=ω/cは波数である。A(ω)は、所定の複素数である。例えば、A(ω)=1+0×i=1である。また、wnlはn,lに基づいて例えば以下のように定まる重みである。以下の式において、ncは、予め定められた値でありnのカットオフ値である。kcは、予め定められた値でありkzのカットオフ値である。αnzは、予め定められた値であり例えば0.05である。もちろん、wnlとして、他の重み関数を用いてもよい。
Figure 0005741866
Hn (1)(・)はn次の第一種ハンケル関数である。n次の第一種ハンケル関数Hn (1)(x)は、n次の第一種ベッセル関数Jn(x)及び第二種ベッセル関数Yn(x)を用いて以下のように定義される。
Figure 0005741866
Jn’(・)はn次の第一種ベッセル関数Jn(・)の微分であり、Hn (1)’(・)はn次の第一種ハンケル関数Hn (1)(・)の微分である。Jn’(ψ)及びHn (1)’(ψ)は以下のように定義される。
Figure 0005741866
<空間周波数逆変換部4>
空間周波数逆変換部4は、フィルタ処理後信号D~nl(ω)を空間の逆フーリエ変換により周波数領域信号Dij(ω)に変換する(ステップS4)。変換された周波数領域信号Dij(ω)は、周波数逆変換部5に送られる。空間周波数逆変換部4は、具体的には式(3)により定義される周波数領域信号Dij(ω)を計算する。
Figure 0005741866
<周波数逆変換部5>
周波数逆変換部5は、周波数領域信号Dij(ω)を逆フーリエ変換により時間領域信号Pd ij(t)に変換する(ステップS5)。逆フーリエ変換によりフレーム毎に得られた時間領域信号Pd ij(t)は適宜シフトされて線形和が取られて、連続した時間領域信号となる。逆フーリエ変換は短時間離散逆フーリエ変換等の既存の方法を用いればよい。時間領域信号Pd ij(t)は、窓関数部6に送られる。
<窓関数部6>
窓関数部6は、時間領域信号Pd ij(t)に窓関数を乗じて窓関数後時間領域信号dij(t)を生成する(ステップS6)。窓関数後時間領域信号dij(t)は、スピーカSi−j,S2−1,…,SNφ−Nに送られる。
窓関数として、以下の式より定義されるいわゆるターキー(Tukey)窓関数γjを例えば用いる。Ntprは、テーパーを適用する点数であり1以上Nφ,Nz以下の整数である。もちろん、他の窓関数を用いてもよい。
Figure 0005741866
スピーカアレーS1−1,S2−1,…,SNφ−Nは、窓関数後時間領域信号dij(t)に基づいて音を再生する。具体的には、i=1,…,Nφ,j=1,…,Nとして、スピーカSi−jが窓関数後時間領域信号dij(t)に基づいて音を再生する。これにより、第一の空間の音場を第二の空間に再現することができる。
このように、マイクロホンアレー及びスピーカアレーを円筒状とすることにより、マイクロホンアレー及びスピーカアレーをそれぞれ構成するマイクロホン及びスピーカの数が少ない場合であっても、左右方向に密な素子配置とし、上下方向は粗な素子配置として、上下感を再現することができる。したがって、従来よりも高精度に音場を再現することができる。
<理論的背景>
以下、フィルタF~nl(ω)が式(2)のように表される理由について説明する。
再現領域の位置ベクトルをr’=(r,φ,z)とし、二次音源が配置されている円筒面をSとし、S上の位置ベクトルをrs’=(Rss,zs)とする。周波数ωにおいて、再現領域における位置r’の音圧をP(r’,ω)とし、位置rs’の二次音源の信号をD(rs’,ω)、rs’からr’までの伝達関数をG(r’-rs’,ω)とする。このとき、二次音源によって再現領域内に合成される音場は、以下のように書ける。
Figure 0005741866
この式は関数D(・)とG(・) との変数φ,zに関する畳み込み演算に他ならない。したがって、畳み込みの定理より、式(4)はヘリカル波スペクトル領域において、以下のように表せる。
Figure 0005741866
ここで、二次音源がモノポール特性として近似できる場合について、式(5)の展開を行う。このとき、
Figure 0005741866
であるから、
Figure 0005741866
となる。ここで、
Figure 0005741866
である。Hankel関数の加法定理より、
Figure 0005741866
であるから、
Figure 0005741866
となる。式(6)を式(5)に代入すると、
Figure 0005741866
となる。
理想音場は、無指向性マイクロホンアレーなどを用いて、円筒形状の剛体バッフル上の音圧から与えることができる。収音側の円筒面状の音圧分布をP(rm’,ω)とすると、P(r’,ω)は入射音場Pi(r’,ω)と散乱音場Ps(r’,ω)との和で書ける。
Figure 0005741866
剛体バッフル上で音圧勾配が0となるという境界条件より、
Figure 0005741866
となる。Pi(r’,ω)とPs(r’,ω)をヘリカル波スペクトル領域で書くと、
Figure 0005741866
となり、式(8)の境界条件より、以下の関係式が成り立つ。
Figure 0005741866
したがって、
Figure 0005741866
となる。再現すべき音場は入射音場Pi(・)であるから、理想音場はヘリカル波スペクトル領域で以下のように書ける。
Figure 0005741866
ここで求めたいのは、円筒面状の音圧分布P(rm’,ω)から、二次音源の駆動信号D(rs’,ω) への変換式である。二次音源をモノポール特性と仮定して変換式を求める場合、式(7)と式(9)とを連立して解けば良い。
Figure 0005741866
フィルタ形式で書くと、以下のようになる。
Figure 0005741866
ただし、
Figure 0005741866
である。
なお、フィルタの特性として本質的には変わらないため、この式を4倍し、周波数特性を調整するための所定の定数であるA(ω)、及び、エバネッセント波を減衰させるための重みwnlを乗算してもよい。そうすると、この式は、式(2)と一致する。
[変形例等]
音場収音再生装置を構成する各部は、第一の空間に配置された収音装置と第二の空間に配置された再生装置の何れに備えられていてもよい。換言すれば、周波数変換部1、空間周波数変換部2、変換フィルタ部3、空間周波数逆変換部4、周波数逆変換部5、窓関数部6のそれぞれの処理は、第一の空間に配置された収音装置で実行されてもよいし、第二の空間に配置された再生装置で実行されてもよい。収音装置で生成された信号は、再生装置に送信される。
第一の空間と第二の空間の位置は、図2に示したものに限定されない。第一の空間と第二の空間は、隣接していても互いに離れた位置にあってもよい。また、第一の空間と第二の空間の向きもどのようなものであってもよい。
窓関数部6による窓関数の処理は、どの段階で行ってもよいし、多段で行ってもよい。すなわち、窓関数部6は、マイクアレーと周波数変換部1との間、周波数変換部1と空間周波数変換部2との間、空間周波数変換部2と変換フィルタ部3との間、変換フィルタ部3と空間周波数逆変換部4との間、空間周波数逆変換部4と周波数逆変換部5との間の少なくとも1つの間に備えられていてもよい。音場収音再生装置の各部は、その各部に入力される信号について窓関数の処理が行われた場合には、その入力される信号に代えて上記と同様にしてその窓関数の処理がされた後の信号に対して処理を行う。
また、窓関数部6はなくてもよい。この場合、i=1,…,Nφ,j=1,…,Nとして、スピーカSi−jが時間領域信号Pd ij(t)に基づいて音を再生する。
音場収音再生装置は、変換フィルタ部3を含みさえすれば、他の部を備えていなくてもよい。例えば、音場収音再生装置は、変換フィルタ部3、空間周波数逆変換部4及び周波数逆変換部5から構成されていてもよい。また、音場収音再生装置は、周波数変換部1、空間周波数変換部2及び変換フィルタ部3から構成されていてもよい。
周波数変換部1の処理と空間周波数変換部2の処理とを同時に行ってもよい。同様に、空間周波数逆変換部4の処理と周波数逆変換部5の処理とを同時に行ってもよい。また、空間周波数変換部2と空間周波数逆変換部4とを入れ替えてもよい。
音場収音再生装置は、コンピュータによって実現することができる。この場合、この装置の各部の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、この装置における各部がコンピュータ上で実現される。
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。また、この形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、これらの装置を構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。
この発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
1 周波数変換部
2 空間周波数変換部
3 変換フィルタ部
4 空間周波数逆変換部
5 周波数逆変換部
6 窓関数部

Claims (6)

  1. 半径Rbの円筒形状の剛体のバッフルの軸を中心とし上記バッフルの周方向を円周方向とする半径Rmの2個以上の円のそれぞれに少なくとも2個のマイクロホンが配置されているとし、Rm>Rbとし、上記バッフルの軸方向をz軸方向とし、上記バッフルの周方向とφ方向とし、jを虚数単位とし、ωを周波数とし、cを音速とし、k=ω/cとし、nをφ方向の次数とし、kz,lをz軸方向の波数とし、lをそのインデックスとし、Jn(・)をn次の第一種ベッセル関数とし、Hn (1)(・)をn次の第一種ハンケル関数とし、Jn’(・)をn次の第一種ベッセル関数Jn(・)の微分とし、Hn (1)’(・)をn次の第一種ハンケル関数Hn (1)(・)の微分とし、A(ω)を所定の複素数とし、wnlをn,lに基づいて定まる重みとし、少なくとも4個のスピーカが上記第一の空間と異なる第二の空間の半径Rsの仮想円筒の周面に配置されているとして、
    上記マイクロホンで収音された信号に基づいて生成された時空間周波数領域信号P~nl(ω)に対して次式により定義されるフィルタF~nl(ω)を適用してフィルタ処理後信号D~nl(ω)を生成する変換フィルタ部と、
    Figure 0005741866
    空間の逆フーリエ変換により、上記フィルタ処理後信号D~nl(ω)を周波数領域信号に変換する空間周波数逆変換部と、
    上記周波数領域信号を逆フーリエ変換により時間領域信号に変換し、変換された時間領域信号を上記スピーカに出力する周波数逆変換部と、
    を含む音場収音再生装置。
  2. 半径Rbの円筒形状の剛体のバッフルの軸を中心とし上記バッフルの周方向を円周方向とする半径Rmの2個以上の円のそれぞれに少なくとも2個のマイクロホンが配置されているとし、Rm>Rbとし、上記バッフルの軸方向をz軸方向とし、上記バッフルの円筒の周方向とφ方向とし、jを虚数単位とし、ωを周波数とし、cを音速とし、k=ω/cとし、nをφ方向の次数とし、kz,lをz軸方向の波数とし、lをそのインデックスとし、Jn(・)をn次の第一種ベッセル関数とし、Hn (1)(・)をn次の第一種ハンケル関数とし、Jn’(・)をn次の第一種ベッセル関数Jn(・)の微分とし、Hn (1)’(・)をn次の第一種ハンケル関数Hn (1)(・)の微分とし、A(ω)を所定の複素数とし、wnlをn,lに基づいて定まる重みとし、少なくとも4個のスピーカが上記第一の空間と異なる第二の空間の半径Rsの仮想円筒の周面に配置されているとして、
    上記マイクアレーで収音された信号をフーリエ変換により周波数領域信号に変換する周波数変換部と、
    空間のフーリエ変換により、上記周波数領域信号を時空間周波数領域信号P~nl(ω)に変換する空間周波数変換部と、
    上記時空間周波数領域信号P~nl(ω)に対して次式により定義されるフィルタF~nl(ω)を適用してフィルタ処理後信号D~nl(ω)を生成する変換フィルタ部と、
    Figure 0005741866
    を含む音場収音再生装置。
  3. 請求項1又は2に記載された音場収音再生装置において、
    上記時空間周波数領域信号P~nl(ω), D~nl(ω)と、上記周波数領域信号と、周波数逆変換部により変換された時間領域信号との少なくともひとつは、所定の窓関数により窓関数処理が行われた信号である、
    音場収音再生装置。
  4. 半径Rbの円筒形状の剛体のバッフルの軸を中心とし上記バッフルの周方向を円周方向とする半径Rmの2個以上の円のそれぞれに少なくとも2個のマイクロホンが配置されているとし、Rm>Rbとし、上記バッフルの軸方向をz軸方向とし、上記バッフルの周方向とφ方向とし、jを虚数単位とし、ωを周波数とし、cを音速とし、k=ω/cとし、nをφ方向の次数とし、kz,lをz軸方向の波数とし、lをそのインデックスとし、Jn(・)をn次の第一種ベッセル関数とし、Hn (1)(・)をn次の第一種ハンケル関数とし、Jn’(・)をn次の第一種ベッセル関数Jn(・)の微分とし、Hn (1)’(・)をn次の第一種ハンケル関数Hn (1)(・)の微分とし、A(ω)を所定の複素数とし、wnlをn,lに基づいて定まる重みとし、少なくとも4個のスピーカが上記第一の空間と異なる第二の空間の半径Rsの仮想円筒の周面に配置されているとして、
    変換フィルタ部が、上記マイクロホンで収音された信号に基づいて生成された時空間周波数領域信号P~nl(ω)に対して次式により定義されるフィルタF~nl(ω)を適用してフィルタ処理後信号D~nl(ω)を生成する変換フィルタステップと、
    Figure 0005741866
    空間周波数逆変換部が、空間の逆フーリエ変換により、上記フィルタ処理後信号D~nl(ω)を周波数領域信号に変換する空間周波数逆変換ステップと、
    周波数逆変換部が、上記周波数領域信号を逆フーリエ変換により時間領域信号に変換し、変換された時間領域信号を上記スピーカに出力する周波数逆変換ステップと、
    を含む音場収音再生方法。
  5. 半径Rbの円筒形状の剛体のバッフルの軸を中心とし上記バッフルの周方向を円周方向とする半径Rmの2個以上の円のそれぞれに少なくとも2個のマイクロホンが配置されているとし、Rm>Rbとし、上記バッフルの軸方向をz軸方向とし、上記バッフルの周方向とφ方向とし、jを虚数単位とし、ωを周波数とし、cを音速とし、k=ω/cとし、nをφ方向の次数とし、kz,lをz軸方向の波数とし、lをそのインデックスとし、Jn(・)をn次の第一種ベッセル関数とし、Hn (1)(・)をn次の第一種ハンケル関数とし、Jn’(・)をn次の第一種ベッセル関数Jn(・)の微分とし、Hn (1)’(・)をn次の第一種ハンケル関数Hn (1)(・)の微分とし、A(ω)を所定の複素数とし、wnlをn,lに基づいて定まる重みとし、少なくとも4個のスピーカが上記第一の空間と異なる第二の空間の半径Rsの仮想円筒の周面に配置されているとして、
    周波数変換部が、上記マイクアレーで収音された信号をフーリエ変換により周波数領域信号に変換する周波数変換ステップと、
    空間周波数変換部が、空間のフーリエ変換により、上記周波数領域信号を時空間周波数領域信号P~nl(ω)に変換する空間周波数変換ステップと、
    変換フィルタ部が、上記時空間周波数領域信号P~nl(ω)に対して次式により定義されるフィルタF~nl(ω)を適用してフィルタ処理後信号D~nl(ω)を生成する変換フィルタステップと、
    Figure 0005741866
    を含む音場収音再生方法。
  6. 請求項1から3の何れかに記載された音場収音再生装置の各部としてコンピュータを機能させるための音場収音再生プログラム。
JP2013042756A 2013-03-05 2013-03-05 音場収音再生装置、方法及びプログラム Expired - Fee Related JP5741866B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013042756A JP5741866B2 (ja) 2013-03-05 2013-03-05 音場収音再生装置、方法及びプログラム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013042756A JP5741866B2 (ja) 2013-03-05 2013-03-05 音場収音再生装置、方法及びプログラム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014171164A JP2014171164A (ja) 2014-09-18
JP5741866B2 true JP5741866B2 (ja) 2015-07-01

Family

ID=51693234

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013042756A Expired - Fee Related JP5741866B2 (ja) 2013-03-05 2013-03-05 音場収音再生装置、方法及びプログラム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5741866B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10602266B2 (en) * 2014-10-10 2020-03-24 Sony Corporation Audio processing apparatus and method, and program

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4675906A (en) * 1984-12-20 1987-06-23 At&T Company, At&T Bell Laboratories Second order toroidal microphone
JP2764179B2 (ja) * 1989-03-03 1998-06-11 日本電信電話株式会社 音場制御法
JP4873316B2 (ja) * 2007-03-09 2012-02-08 株式会社国際電気通信基礎技術研究所 音響空間共有装置
JP5024792B2 (ja) * 2007-10-18 2012-09-12 独立行政法人情報通信研究機構 全方位周波数指向性音響装置
JP5346322B2 (ja) * 2010-06-01 2013-11-20 日本電信電話株式会社 音場収音再生装置、方法及びプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014171164A (ja) 2014-09-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5346321B2 (ja) 音場収音再生装置、方法及びプログラム
JP5346322B2 (ja) 音場収音再生装置、方法及びプログラム
JP6508539B2 (ja) 音場収音装置および方法、音場再生装置および方法、並びにプログラム
JP5734329B2 (ja) 音場収音再生装置、方法及びプログラム
JP5986966B2 (ja) 音場収音再生装置、方法及びプログラム
JP5741866B2 (ja) 音場収音再生装置、方法及びプログラム
JP5583089B2 (ja) 音場収音再生装置、方法及びプログラム
JP5603307B2 (ja) 音場収音再生装置、方法及びプログラム
JP5730921B2 (ja) 音場収音再生装置、方法及びプログラム
JP5954713B2 (ja) 音場収音再生装置、方法及びプログラム
JP5713964B2 (ja) 音場収音再生装置、方法及びプログラム
JP6592838B2 (ja) バイノーラル信号生成装置、方法及びプログラム
JP5628219B2 (ja) 音場収音再生装置、方法及びプログラム
JP5831910B2 (ja) 音場収音再生装置、方法及びプログラム
JP5831909B2 (ja) 音場収音再生装置、方法及びプログラム
JP5749221B2 (ja) 音場収音再生装置、方法及びプログラム
JP5734328B2 (ja) 音場収音再生装置、方法及びプログラム
JP5713988B2 (ja) 音場収音再生装置、方法、およびプログラム
JP5698278B2 (ja) 音場収音再生装置、方法及びプログラム
JP5698164B2 (ja) 音場収音再生装置、方法及びプログラム
JP5698279B2 (ja) 音場収音再生装置、方法及びプログラム
JP6044043B2 (ja) 音場平面波展開方法、装置及びプログラム
JP5734327B2 (ja) 音場収音再生装置、方法及びプログラム
JP5734267B2 (ja) 音場収音再生装置、方法、およびプログラム
JP5826737B2 (ja) 音場収音再生装置、方法、およびプログラム

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20140529

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150407

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150414

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5741866

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees