JP2017045250A - 全方位移動体、その制御方法及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】アクチュエータの出力性能を考慮して、最適な制御を行うこと。
【解決手段】全方位移動体の台車部及び本体部の重心及び鉛直方向軸周りに関する運動方程式に基づいて、慣性項と遠心力及びコリオリ項と粘性摩擦項と重力項とを含む駆動輪及び旋回軸のトルクに関する運動方程式が算出され、該運動方程式と指令軌道とに基づいて駆動輪及び旋回軸のトルクを制約するトルク制約条件が算出される。予め設定された駆動輪及び旋回軸の速度の制約に基づいて駆動輪及び旋回軸の速度を制約する速度制約条件が算出される。算出されたトルク制約条件および速度制約条件を満たし、かつ、指令軌道を追従する軌道であって軌道パラメータ及びその微分値の平面上の軌道が算出される。全方位移動体は、算出された軌道に基づいて本体部の位置姿勢の目標値を算出し、該算出した本体部の位置姿勢の目標値に基づいて駆動制御する。
【選択図】図3

Description

本発明は、複数の駆動輪が設けられた台車部と、台車部に旋回軸を介して回転可能に設けられた本体部と、を備え、全方位に移動可能な全方位移動体、その制御方法及びプログラムに関するものである。
局所地図データにおける経路条件(距離や路面状況)によりそれぞれ規定される各許容速度の値の中から最低速度の値を速度指令として速度計画を行い、駆動操舵系を制御する移動体が知られている(特許文献1参照)。
特開2010−039839号公報
ところで、全方位移動体において、台車部の駆動輪及び本体部の旋回軸を駆動するアクチュエータの出力性能には限界が存在する。このため、駆動輪及び旋回軸の駆動トルク及び回転速度に限界が生じる。また、全方位移動体を大きく加速させて移動させようとすると、駆動輪と路面との間にはスリップが発生する。しかしながら、上記移動体は、そのようなアクチュエータの出力性能を考慮して制御を行っていない。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、アクチュエータの出力性能を考慮して、最適な制御を行うことができる全方位移動体、その制御方法及びプログラムを提供することを主たる目的とする。
上記目的を達成するための本発明の一態様は、複数の駆動輪が設けられた台車部と、台車部に旋回軸を介して回転可能に設けられた本体部と、前記駆動輪を駆動する第1駆動手段と、前記旋回軸を駆動する第2駆動手段と、を備え、全方位に移動可能な全方位移動体であって、前記台車部及び本体部の重心及び鉛直方向軸周りに関する運動方程式に基づいて、慣性項と、遠心力及びコリオリ項と、粘性摩擦項と、重力項と、を含む前記駆動輪及び旋回軸のトルクに関する運動方程式が算出され、該運動方程式と、予め設定された当該全方位移動体が移動すべき軌道であって軌道パラメータで表現された指令軌道と、に基づいて、前記駆動輪及び旋回軸のトルクを制約する条件であって、前記軌道パラメータで表現されたトルク制約条件が算出され、予め設定された前記駆動輪及び旋回軸の速度の制約に基づいて、前記駆動輪及び旋回軸の速度を制約する条件であって、前記軌道パラメータで表現された速度制約条件が算出され、前記算出されたトルク制約条件および速度制約条件を満たし、かつ、前記指令軌道を追従する軌道であって、前記軌道パラメータ及びその微分値の平面上に表現された前記軌道が算出され、前記算出された軌道に基づいて前記本体部の位置姿勢の目標値を算出し、該算出した本体部の位置姿勢の目標値に基づいて前記第1及び第2駆動手段を制御する制御手段を備える、ことを特徴する全方位移動体である。
この一態様において、前記算出された軌道は、前記算出されたトルク制約条件および速度制約条件を満たし、かつ、前記指令軌道を最短時間で追従する最短時間軌道であってもよい。
この一態様において、前記算出された軌道は、前記算出されたトルク制約条件および速度制約条件に基づいて、軌道パラメータ及びその微分値の平面における始点および終点から所定の積分幅で前進積分及び後退積分を繰り返して最小加速度から最大加速度へと切り替わるスイッチングポイントを探索することで算出された前記最短時間軌道であってもよい。
上記目的を達成するための本発明の一態様は、複数の駆動輪が設けられた台車部と、台車部に旋回軸を介して回転可能に設けられた本体部と、前記駆動輪を駆動する第1駆動手段と、前記旋回軸を駆動する第2駆動手段と、を備え、全方位に移動可能な全方位移動体の制御方法であって、前記台車部及び本体部の重心及び鉛直方向軸周りに関する運動方程式に基づいて、慣性項と、遠心力及びコリオリ項と、粘性摩擦項と、重力項と、を含む前記駆動輪及び旋回軸のトルクに関する運動方程式を算出し、該運動方程式と、予め設定された当該全方位移動体が移動すべき軌道であって軌道パラメータで表現された指令軌道と、に基づいて、前記駆動輪及び旋回軸のトルクを制約する条件であって、前記軌道パラメータで表現されたトルク制約条件を算出するステップと、予め設定された前記駆動輪及び旋回軸の速度の制約に基づいて、前記駆動輪及び旋回軸の速度を制約する条件であって、前記軌道パラメータで表現された速度制約条件を算出するステップと、前記算出されたトルク制約条件および速度制約条件を満たし、かつ、前記指令軌道を追従する軌道であって、前記軌道パラメータ及びその微分値の平面上に表現された前記軌道を算出するステップと、
前記算出した軌道に基づいて前記本体部の位置姿勢の目標値を算出し、該算出した本体部の位置姿勢の目標値に基づいて前記第1及び第2駆動手段を制御するステップと、を含む、ことを特徴する全方位移動体の制御方法であってもよい。
上記目的を達成するための本発明の一態様は、複数の駆動輪が設けられた台車部と、台車部に旋回軸を介して回転可能に設けられた本体部と、前記駆動輪を駆動する第1駆動手段と、前記旋回軸を駆動する第2駆動手段と、を備え、全方位に移動可能な全方位移動体のプログラムであって、前記台車部及び本体部の重心及び鉛直方向軸周りに関する運動方程式に基づいて、慣性項と、遠心力及びコリオリ項と、粘性摩擦項と、重力項と、を含む前記駆動輪及び旋回軸のトルクに関する運動方程式を算出し、該運動方程式と、予め設定された当該全方位移動体が移動すべき軌道であって軌道パラメータで表現された指令軌道と、に基づいて、前記駆動輪及び旋回軸のトルクを制約する条件であって、前記軌道パラメータで表現されたトルク制約条件を算出する処理と、予め設定された前記駆動輪及び旋回軸の速度の制約に基づいて、前記駆動輪及び旋回軸の速度を制約する条件であって、前記軌道パラメータで表現された速度制約条件を算出し、前記算出されたトルク制約条件および速度制約条件を満たし、かつ、前記指令軌道を追従する軌道であって、前記軌道パラメータ及びその微分値の平面上に表現された前記軌道を算出する処理と、前記算出した軌道に基づいて前記本体部の位置姿勢の目標値を算出し、該算出した本体部の位置姿勢の目標値に基づいて前記第1及び第2駆動手段を制御する処理と、をコンピュータに実行させる、ことを特徴するプログラムであってもよい。
本発明によれば、アクチュエータの出力性能を考慮して、最適な制御を行うことができる全方位移動体、その制御方法及びプログラムを提供することができる。
(a)本発明の一実施形態に係る全方位移動体の概略的構成を示す上面図である。(b)本発明の一実施形態に係る全方位移動体の概略的構成を示す正面図である。(c)本発明の一実施形態に係る全方位移動体の概略的構成を示す側面図である。 本発明の一実施形態に係る全方位移動体の概略的なシステム構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態に係る制御装置の概略的なシステム構成を示すブロック図である。 軌道パラメータs−s(ドット)平面上におけるMVC、VLC及び最短時間軌道を示す図である。 本発明の一実施形態に係る全方位移動体の座標系の定義を示す図である。 本発明の一実施形態に係る全方位移動体の制御方法のフローを示すフローチャートである。 指令軌道を示す図である。 左駆動輪の駆動トルクを示す図である。 右駆動輪の駆動トルクを示す図である。 旋回軸の駆動トルクを示す図である。 左右駆動輪および旋回軸の駆動トルクが制約されたときの、軌道パラメータs−s(ドット)平面上の軌道を示す図である。 MVC及びVLC曲線の下を通過しながら、滑らかで実現可能な軌道の一例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1(a)乃至(b)は、本発明の一実施形態に係る全方位移動体の概略的構成を示す図である。本発明の実施形態に係る全方位移動体1は、例えば、アクティブキャスタ式の全方位移動ロボットとして構成されている。
全方位移動体1は、移動を行う台車部2と、台車部2の上方側に旋回動可能に連結された本体部3と、を有している。台車部2は、一つの補助輪21と左右一対の駆動輪22が設けられている。本体部3は、台車部2に対して、旋回軸(Yaw回転軸)4を中心にして相対回動する。駆動輪22の駆動軸と本体部3の旋回軸4とはオフセットしている(交差しない)。
全方位移動体1は、駆動軸と旋回軸4とを独立して駆動することで、全方位移動を実現する。全方位移動体1は、例えば、駆動軸による駆動輪22の回転差に加えて、旋回軸4による本体部3の相対回動によって全方位移動を実現する。また、本体部3には、例えば、物体を把持できる多関節型アームが回動可能に設けられていてもよい。これにより、全方位移動体1を任意の方向に移動させつつ、多関節型アームを動作させることで、物体を容易に把持し移動させることができる。
図2は、本実施形態に係る全方位移動体の概略的なシステム構成を示すブロック図である。本実施形態に係る全方位移動体1は、左右の駆動輪22の回転情報(回転角、回転速度、回転角加速度)を検出する一対の回転センサ5、旋回軸4の回転情報を検出する回転センサ6、一対の駆動輪22を駆動する一対の車輪アクチュエータ7と、旋回軸4を駆動する旋回アクチュエータ8と、車輪アクチュエータ7および旋回アクチュエータ8を制御する制御装置9と、を備えている。
制御装置9は、回転センサ5、6により検出される回転情報に基づいて、車輪アクチュエータ7及び旋回アクチュエータ8を制御する。
制御装置9は、例えば、演算処理等を行うCPU(Central Processing Unit)9a、CPU9aによって実行される演算プログラム等が記憶されたROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)からなるメモリ9b、外部と信号の入出力を行うインターフェイス部(I/F)9cなどからなるマイクロコンピュータを中心にして、ハードウェア構成されている。CPU9a、メモリ9b及びインターフェイス部9cは、データバスなどを介して相互に接続されている。
各回転センサ5は、例えば、左右の駆動輪22の駆動軸に夫々設けられている。各回転センサ5は、ポテンショメータ、エンコーダなどで構成されている。各車輪アクチュエータ7は、第1駆動手段の一具体例である。各車輪アクチュエータ7は、例えば、左右の駆動輪22の駆動軸に連結されている。各車輪アクチュエータ7は、モータなどで構成されている。
旋回アクチュエータ8は、第2駆動手段の一具体例である。旋回アクチュエータ8は、例えば、旋回軸4に連結されている。各旋回アクチュエータ8は、モータなどで構成されている。車輪アクチュエータ7及び旋回アクチュエータ8は、制御装置9から出力される制御信号に応じて回転駆動する。
ところで、全方位移動体における駆動輪及び旋回軸を駆動するアクチュエータの出力性能には限界が存在する。このため、駆動輪及び旋回軸の駆動トルク及び回転速度に限界が生じる。また、台車部を大きく加速させて移動させようとすると、駆動輪と路面との間にはスリップが発生する。
特に、全方位移動体の制御において、上記アクチュエータの出力性能は、その軸のトルクだけで制約されるわけではなく、駆動輪が滑らない静摩擦や全方位移動体の重心の動的効果を合わせたZMP(Zero Moment Point)のような指標で律速させる点で特異である。
これに対し、本実施形態における全方位移動体1は、上述した駆動輪22及び旋回軸4の駆動トルク及び回転速度の制約条件を満たしつつ、設定された指令軌道に最短時間で追従する最短時間制御(Time Optimal Control)を実行する。
これにより、上記静摩擦やZMPのような指標で律速させる特異な点を含めてアクチュエータの出力性能を考慮しつつ、最短時間での制御を行うことができる。
なお、最短時間制御は周知の制御方法であるため、詳細な説明は省略する。最短時間制御の詳細は、例えば非特許文献:J.Bobrow、“Optimal robot path planning using the minimum-time criterion”Robotics and Automation, IEEE Journal vol.4,pp.443(1988)などに開示されており、本実施形態において適宜これを援用できる。
一般に、全方位移動体は、低い自由度で全方位移動可能に構成でき、過拘束とならないことや耐荷重が高く取れるなどのメリットを有しているが、一方で、駆動輪及び旋回軸のトルク及び速度の制約条件を満たした軌道を求めることが困難であった。本実施形態においては、上述の如く、全方位移動体1の制御に最短時間制御を適用することで、駆動輪22及び旋回軸4の駆動トルク及び回転速度の制約条件を満たしつつ、設定された指令軌道に最短時間で追従する最短時間軌道を容易に生成できる。
図3は、本実施形態に係る制御装置の概略的なシステム構成を示すブロック図である。本実施形態に係る制御装置9は、トルク制約条件および速度制約条件を算出する制約条件算出部91と、最短時間軌道を算出する軌道算出部92と、最短時間軌道に基づいて車輪アクチュエータ7および旋回アクチュエータ8を制御すると制御部93と、を有している。
制約条件算出部91は、台車部2及び本体部3の重心及び鉛直方向軸周りに関する運動方程式に基づいて、慣性項と、遠心力及びコリオリ項と、粘性摩擦項と、重力項と、を含む駆動輪22及び旋回軸4のトルクに関する運動方程式を算出する。さらに、制約条件算出部91は、この運動方程式と、予め設定された全方位移動体1が移動すべき軌道であって軌道パラメータで表現された指令軌道と、に基づいて、駆動輪22及び旋回軸4のトルクを制約する条件であって、軌道パラメータで表現されたトルク制約条件を示す式を算出する。
制約条件算出部91は、予め設定された駆動輪22及び旋回軸4の速度の制約に基づいて、駆動輪22及び旋回軸4の速度を制約する条件であって、軌道パラメータで表現された速度制約条件を示す式を算出する。
なお、制約条件算出部91は、オフラインで、上記トルク制約条件及び速度制約条件を算出しているが、これに限定されず、オンラインで上記トルク制約条件及び速度制約条件を算出してもよい。
軌道算出部92は、制約条件算出部91により算出されたトルク制約条件および速度制約条件を満たし、かつ、指令軌道を最短時間で追従する軌道であって、軌道パラメータを横軸とし、その微分値を縦軸とした平面(以下、軌道パラメータs−s(ドット)平面と称す)上に表現された最短時間軌道を算出する。なお、軌道算出部92は、オフラインで、上記最短時間軌道を算出しているが、これに限定されず、オンラインで上記最短時間軌道を算出してもよい。
制御部93は、制御手段の一具体例である。制御部93は、軌道算出部92により算出された最短時間軌道に基づいて、全方位移動体1の位置姿勢の目標値を算出する。制御部93は、該算出した全方位移動体1の位置姿勢の目標値に基づいて、車輪アクチュエータ7および旋回アクチュエータ8を制御することで、台車部2の駆動輪22および本体部3の旋回軸4を制御する。
次に、全方位移動体の駆動輪及び旋回軸のトルクの制約条件について詳細に説明する。上述の如く、駆動輪22及び旋回軸4を駆動する車輪及び旋回アクチュエータ7、8の出力性能を考慮して、駆動輪22及び旋回軸4のトルクに制約条件を付加する必要がある。
ここで、全方位移動体1を、複数の関節を有するロボットとして考えることができる。すなわち、全方位移動体1の駆動輪22及び旋回軸4による本体部3の自由度は、仮想的なロボットの関節ととらえることができる。ロボットの関節において、その速度、加速度、トルク等に制約が存在する。この制約は、例えば、定数の上下限値や関数などの曲線で与えられる。ここで、ロボットが動作すべき指令軌道が空間軌道として与えられる場合を考える。この場合、空間軌道は、一つの軌道パラメータs(時間をパラメータ化したもの)で表現できるものとし、軌道パラメータsに対して空間軌道は区間的に2階微分まで連続であるとする。
ロボットの関節角は、その空間軌道上の1点が指定されれば、決定される。また、ロボットのある状態の速度や加速度も、空間軌道上の対応点における、軌道パラメータsの速度s(ドット)、加速度s(2ドット)で表現できる。
以上の仮定に基づけば、ロボットの関節の速度、加速度、及びトルクに対する制約条件は、軌道パラメータs、s(ドット)、s(2ドット)に関する不等式として表現できる。なお、sの時間に対する1階微分値をs(ドット)、sの時間に対する2階微分値をs(2ドット)と表記し、以降の他のパラメータについても同様に表記する。
仮に、この軌道パラメータの不等式が下記(1)式のような式である場合、関節に設定された制約条件を全て満たしながら、与えられた空間軌道を最短時間で追従するための速度軌道は、後述するアルゴリズムに従って求めることができる。
Figure 2017045250
但し、上記(1)式において、nは制約条件の数であり、上限及び下限の制約を分けて、それぞれ1つと数える。以下、本実施形態において、上記(1)式を最短時間制御の制約条件の標準形と称す。
最短時間制御では、軌道パラメータs−s(ドット)平面上で軌道を探索する。図4は、軌道パラメータs−s(ドット)平面の一例を示す図である。図4において、ロボットの最短時間軌道は、始点(s=0)から終点(s=1)までの曲線となる。
最短時間制御の制約条件の標準形は、軌道パラメータs−s(ドット)平面上の曲線で区分された領域として表現される。これら曲線は、到達不可能な領域(inadmissible region)を示すMVC(Maximum Velocity Curve)と、速度の上限を示すVLC(Velocity Limit Curve)とを含む。ロボットの関節の速度、加速度、トルクの制約条件は、これらMVC及びVLCで表現できる。
与えられた空間軌道を最短時間で追従するための最短時間軌道は、MVC及びVLC曲線の下を通過しながら、例えば、軌道上の各時刻では加速度の最大値もしくは最小値で加減速するものとなる。より詳細には、最短時間軌道は、MVC及びVLC曲線の下を通過しながら、空間軌道を追従できるような駆動輪22及び旋回軸4の加速度のうちのいずれかが、最大加速度もしくは最小加速度になっているような軌道である。このような最短時間軌道は、例えば、図4において、Time optimal trajectoryとして示されている。
次に、本実施形態に係る全方位移動体1について、全方位移動体1の機構運動学および同力学モデルから、上記(1)式に示す最短時間制御の制約条件の標準形を導出する。
図5は、本実施形態に係る全方位移動体の座標系の定義を示す図である。ここで、世界座標系をΣとする。駆動輪22の車軸中心に台車座標系Σを設定し、台車部2の正面方向をx軸とする。本体部3の回転軸中心(旋回軸4)に本体座標系Σを設定し、本体部3の正面方向をx軸とする。なお、世界座標系Σ、台車座標系Σ、本体座標系Σにおいて、鉛直方向の軸(鉛直方向軸)をz軸とする。以降の数式において、座標系ΣからΣへの相対的な変換行列をのように、左上に基準となる座標系の添字、右下に対象座標系の添字を記述する。座標系ΣからΣへ相対位置をと記述し、相対角度をθと記述し、その他のパラメータ(速度、力、トルクなど)についても同様に記述する。省略された場合は0(世界座標系基準)とする。ベクトルをvのように太字で、その(x、y、z)の要素をそれぞれ(v1、x、v1、y、v1、z)のように記述する。
駆動輪22の速度と台車部2の速度及び角速度との関係は、下記(2)及び(3)式で与えられる。
Figure 2017045250
上記式において、vは台車部2の並進速度、ωは台車部2の角速度、ω、ωは左右駆動輪22の速度、rは駆動輪22の半径、dは台車部2のトレッドである。
世界座標系から台車座標系への姿勢行列は()であり、位置ベクトルは()であり、台車座標系から本体座標系への姿勢行列は()であり、相対位置ベクトルは()である。姿勢行列()及び()は、下記式で表現される。
Figure 2017045250
但し、θは台車部2の姿勢角度であり、θは旋回軸4の角度である。本体部3の姿勢角度θは、下記式で表現される。
θθθ(6)
次に、台車部2及び本体部3の運動方程式をニュートン・オイラー方法で定式化し、駆動輪22及び旋回軸4のトルクの関係式を導出する。
本体部3の重心の運動方程式は、下記式で表現できる。
=m p(2ドット)2,cog (7)
上記式において、fは本体部3に対する外力、p2,cogは本体部3の重心位置、mは本体部3の質量である。
本体部3のz軸周りの運動方程式は、下記式で表現できる。
Figure 2017045250
上記式において、τは本体部3のz軸周りのトルク、I2、zは本体部3の重心z軸周りの慣性モーメントである。また、記号|は、ベクトルのz要素である。
台車部2の重心の運動方程式は、下記式で表現できる。
Figure 2017045250
上記式において、fは台車部2が受ける力、mは台車部2の質量である。台車部2のz軸周りの運動方程式は、下記式で表現できる。
Figure 2017045250
上記式において、τは台車部2のz軸周りのトルク、I1、zは台車部2の重心z軸周りの慣性モーメントである。
台車部2への外力およびトルクと左右駆動輪22のトルクとの関係は下記式で表現できる。
Figure 2017045250
上記(1)式乃至(12)式を連立して解くと、台車部2および本体部3の運動のための、左右駆動輪22および旋回軸4の駆動トルクτは、下記式のように導出される。
Figure 2017045250
上記式において、τ=(τ、ττ)、q=(x、y、θ)である。M(q)、C(q、q(ドット))、B(q)、g(q)は、夫々、慣性行列、遠心力とコリオリの項、粘性摩擦行列、重力項、である。
このように、台車部2及び本体部3の重心及びz軸周りに関する運動方程式(7)式乃至(10)式に基づいて、慣性項と、遠心力及びコリオリ項と、粘性摩擦項と、重力項と、を含む駆動輪22及び旋回軸4のトルクに関する運動方程式(13)式が算出される。
全方位移動体1の本体部3の位置姿勢q=(x、y、z)の空間的な指令軌道は、予め設定されているものとする。この指令軌道は、例えば、複数の経由点で表現されたスプライン補間による軌道として与えられる。この指令軌道f(s)は、軌道パラメータsによってパラメータ化されているものとする。ここで、sは線長としてもよいが、簡略化のため、始点s=0、経由点nで終点s=nとなるようなパラメータとする。
上記運動方程式(13)式は、下記式を用いて、軌道パラメータsにより1次元化することができる。
Figure 2017045250
上記(13)式に、上記(14)乃至(16)式を代入することで、軌道パラメータsの下記(17)式を導出する。
Figure 2017045250
トルクの上下限制約条件(MVC)を示す上記(17)式は、上記(1)式に示す最短時間制御の制約条件の標準形となる。但し、上記(17)において、a(s)、b(s)、c(s)、d(s)は、軌道パラメータsで表される係数である。
このように、制約条件算出部91は、運動方程式(13)式と、予め設定された全方位移動体1が移動すべき軌道であって軌道パラメータsを含む指令軌道f(s)と、に基づいて、駆動輪22及び旋回軸4のトルクを制約する条件であって、軌道パラメータで表現されたトルク制約条件(MVC)を示す式(17)を算出する。
次に、全方位移動体1の駆動輪22及び旋回軸4の回転速度の制約条件(VLC)について説明する。上述の如く、駆動輪22及び旋回軸4を駆動する車輪及び旋回アクチュエータ7、8の出力性能を考慮して、駆動輪22及び旋回軸4の速度に制約条件を付加する必要がある。
駆動輪22の速度の制約を下記式により設定する。
Figure 2017045250
旋回軸4の速度の制約を下記式により設定する。
Figure 2017045250
だだし、ωjointは旋回軸4の回転速度、ωjoint、minおよびωjoint、maxはそれぞれ旋回軸4の速度の上限値および下限値、ωl、minおよびωl、maxはそれぞれ左駆動輪22の速度の下限値および上限値、ωr、minおよびωr、maxはそれぞれ右駆動輪22の速度の下限値および上限値である。
上記(15)式と逆運動学の結果から、上記(20)、(21)、(22)式の不等式制約は、以下のように軌道パラメータ(sドット)に関する不等式制約に変形することができる。
Figure 2017045250
ただし、s(ドット)l、max、s(ドット)r、max、s(ドット)joint、maxは、それぞれ左駆動輪22、右駆動輪22、旋回軸4に関する、式変形後のs(ドット)の最大値である。上記(23)式を用いて、駆動輪22及び旋回軸4の回転速度の制約条件を表す曲線VLCが算出される。
このように、制約条件算出部91は、予め設定された駆動輪22及び旋回軸4の速度の制約(20)、(21)、(22)式に基づいて、駆動輪22及び旋回軸4の速度を制約する条件であって、軌道パラメータsで表現された速度制約条件(VLC)を上記不等式(23)より算出する。
軌道算出部92は、制約条件算出部91により算出されたMVC及びVLC曲線の下を通過しながら、軌道上の各時刻では加速度の最大値もしくは最小値で加減速する、軌道パラメータs−s(ドット)平面上の最短時間軌道を算出する。
ここで、最短時間軌道の算出方法の一例について詳細に説明する。
軌道算出部92は、軌道パラメータs−s(ドット)平面における始点(s=0)および終点(s=1)から夫々出発して、所定の積分幅で積分を繰り返して最短時間軌道を算出する(図4)。ここで、所定の積分幅は任意に設定可能であるが、実際のサンプリング周期より小さいのが好ましい(後に、補間を行うことも可能である)。
始点側から終点側へ前進で積分(以下、前進積分)を行う場合は、最大加速度で積分を行う。終点側から始点側へ後退で積分(以下、後退積分)を行う場合は、最小加速度で積分を行う。軌道算出部92は、上記規則に基づいて前進積分及び後退積分を繰返し最短時間軌道を生成する。
軌道算出部92は、前進積分において、VLC曲線と交差する際、VLC曲線に沿える場合はVLC曲線に沿って前進積分を進める(ステップS1)。これは、駆動輪22及び旋回軸4の最大速度での動作区間に相当する。
一方、前進積分において、VLC曲線と交差する際、このVLC曲線に沿えない場合、あるいはMVC曲線と交差する場合は、実行不可能な軌道となる。この場合、軌道算出部92は、スイッチングポイントの候補を探索する(ステップS2)。
ここで、スイッチングポイントとは、最小加速度から最大加速度へと切り替わる点であり、この点を通るとMVC曲線の下を通過する軌道を生成することができる。なお、スイッチングポイントの候補として、例えば、以下の点が知られている。
・MVC曲線上での加速度の方向が、MVC曲線自体の接線と一致する点(tangent switching point)。
・MVC曲線自体が不連続に変化する点(discontinuous switching point)。
・トルクの制約条件の項 a(s)がゼロとなる点(zero inertia switching point)。
軌道算出部92は、探索したスイッチングポイントの候補を始点として、最小加速度で後退積分を行う(ステップS3)。
軌道算出部92は、この後退積分の軌道がこれまで前進積分で生成した軌道と矛盾無く繋がる場合、このスイッチングポイントの候補を始点として前進積分を再開する。一方で、軌道算出部92は、この後退積分の軌道がこれまで前進積分で生成した軌道と矛盾して繋がらない場合、例えば、次の(図4の右側にある)スイッチングポイントの候補を探索する。そして、軌道算出部92は、この次のスイッチングポイントの候補を始点とした後退積分の軌道がこれまで前進積分で生成した軌道と矛盾無く繋がるかを判定する。軌道算出部92は、探索したスイッチングポイントの候補を始点とした後退積分の軌道がこれまで前進積分で生成した軌道と矛盾無く繋がるまで、スイッチングポイントの候補の探索を繰り返す(ステップS4)。
軌道算出部92は、上記(ステップS1)乃至(ステップS4)を繰返し、前進積分の軌道と後退積分の軌道とを接続した最短時間軌道(例えば、図4に示すTime optimal trajectory、s(ドット)=g(s))を算出する。このように、軌道算出部92は、算出されたトルク制約条件MVCおよび速度制約条件VLCに基づいて、軌道パラメータs−s(ドット)平面における始点および終点から所定の積分幅で前進積分及び後退積分を繰り返して最小加速度から最大加速度へと切り替わるスイッチングポイントを探索することで最短時間軌道(s(ドット)=g(s))を算出する。
制御部93は、軌道算出部92により算出された最短時間軌道(s(ドット)=g(s))に基づいて、車輪アクチュエータ7および旋回アクチュエータ8を制御する。
制御部93は、最短時間軌道(s(ドット)=g(s))に基づいて、全方位移動体1の本体部3の位置姿勢の目標値q(t)を算出する。制御部93は、算出した全方位移動体1の本体部3の位置姿勢の目標値q(t)に基づいて、車輪アクチュエータ7および旋回アクチュエータ8を制御する。
ここで、全方位移動体1の本体部3の位置姿勢の目標値q(t)の算出方法の一例について、詳細に説明する。
まず、制御部93は、初期値i=0、si=0を設定する(ステップS11)。
制御部93は、時間tiにおけるqi=f(si)を算出する(ステップS12)。
制御部93は、サンプル時間Δt時間進んだ際のsiを下記式で算出する(ステップS13)。
si+1=si+g(si)*Δt
ti+1=ti+Δt
制御部93は、si≦1であるか否かを判定する(ステップS14)。
制御部93は、si≦1であると判定したとき(ステップS14のYES)、全方位移動体1の本体部3の位置姿勢の目標値q(t)の算出処理を終了する。一方、制御部93は、si≦1でないと判定したとき(ステップS14のNO)、iをインクリメントし(i=i+1)(ステップS15)、上記(ステップS13)に戻る。
制御部93は、上記算出したqi及びtiの組合せを、全方位移動体1の本体部3の位置姿勢の目標値q(t)とする。なお、制御部93は、上記(ステップS13)において、オイラー積分を用いてsiを算出しているが、これに限定されない。制御部93は、上記(ステップS13)において、台形積分を用いてsiを算出してもよい。これにより、より高精度にsiを算出でき、全方位移動体1の本体部3の位置姿勢の目標値q(t)をより高精度に算出できる。
図6は、本実施形態に係る全方位移動体の制御方法のフローを示すフローチャートである。
制約条件算出部91は、台車部2及び本体部3の重心及びz軸周りに関する運動方程式(7)式乃至(10)式に基づいて、慣性項と、遠心力及びコリオリ項と、粘性摩擦項と、重力項と、を含む駆動輪22及び旋回軸4のトルクに関する運動方程式(13)式を算出する。さらに、制約条件算出部91は、この運動方程式(13)式と、予め設定された全方位移動体1が移動すべき軌道であって軌道パラメータsで表現された指令軌道f(s)と、に基づいて、駆動輪22及び旋回軸4のトルクを制約する条件であって、軌道パラメータsで表現されたトルク制約条件(MVC)を示す式(17)を算出する(ステップS101)。
制約条件算出部91は、予め設定された駆動輪22及び旋回軸4の速度の制約(20)式乃至(22)式に基づいて、駆動輪22及び旋回軸4の速度を制約する条件であって、軌道パラメータsで表現された速度制約条件(VLC)を示す式(19)を算出する(ステップS102)。
軌道算出部92は、制約条件算出部91により算出されたトルク制約条件および速度制約条件に基づいて、軌道パラメータs−s(ドット)平面における始点(s=0)および終点(s=1)から所定の積分幅で前進積分及び後退積分を繰り返してスイッチングポイントを探索することで、最短時間軌道を算出する(ステップS103)。
制御部93は、軌道算出部92により算出された最短時間軌道(s(ドット)=g(s))に基づいて、全方位移動体1の本体部3の位置姿勢の目標値q(t)を算出する(ステップS104)。制御部93は、算出した全方位移動体1の本体部3の位置姿勢の目標値q(t)に基づいて、車輪アクチュエータ7および旋回アクチュエータ8を制御することで、台車部2の駆動輪22および本体部3の旋回軸4を制御する(ステップS105)。
次に、駆動輪22及び旋回軸4の駆動トルク及び回転速度の制約条件を付加し、設定された指令軌道に最短時間で追従する最短時間軌道の生成を行ったシミュレーション結果について説明する。
ここで、最短時間軌道生成のアルゴリズムは、例えば、Python及びC言語で生成し、その動作確認を行っている。本シミュレーションでは、図7に示す指令軌道を用いている。この指令軌道は、全方位移動体1の初期姿勢の前方向をx、左方向をyとした世界座標系において、(0、0)、(1、−1)、(1、1)、(−1、−1)、(−1、1)、(0、0)を経由点とした3次自然スプライン補間で生成されている。全方位移動体1の本体部3の向きは常に角度0を維持するように指示されている。左右駆動輪22の速度の上限値18rad/sとし、左右駆動輪22のトルクの上限値を0.3Nmとしている。旋回軸4の速度の上限値は、3.0rad/sとし、旋回軸4のトルクの上限値は、0.2Nmとしている。
図8は、左駆動輪の駆動トルクを示す図である。図9は、右駆動輪の駆動トルクを示す図である。図10は、旋回軸の駆動トルクを示す図である。なお、図8乃至10において、破線は各駆動トルクの上下限値を示している。図8乃至10に示す如く、左右駆動輪22および旋回軸4の駆動トルクは、上下限値の制約内で推移していることが分かる。したがって、本シミュレーションにおいて、左右駆動輪22および旋回軸4の駆動トルクが正しく制約されていることが分かる。
図11は、図8乃至10に示すように左右駆動輪および旋回軸の駆動トルクが制約されたときの、軌道パラメータs−s(ドット)平面上の軌道を示す図である。最短時間制御は、軌道上各点において、最大加速度もしくは最小加速度を取るアルゴリズであるため、得られた軌道は、最短時間軌道となる。
以上、本実施形態において、台車部2及び本体部3の重心及び鉛直方向軸周りに関する運動方程式に基づいて、慣性項と、遠心力及びコリオリ項と、粘性摩擦項と、重力項と、を含む駆動輪22及び旋回軸4のトルクに関する運動方程式が算出され、該運動方程式と、予め設定された当該全方位移動体1が移動すべき軌道であって軌道パラメータsで表現された指令軌道f(s)と、に基づいて、駆動輪22及び旋回軸4のトルクを制約する条件であって、軌道パラメータで表現されたトルク制約条件MVCが算出される。また、予め設定された駆動輪22及び旋回軸4の速度の制約に基づいて、駆動輪22及び旋回軸4の速度を制約する条件であって、軌道パラメータsで表現された速度制約条件VLCが算出される。算出されたトルク制約条件MVCおよび速度制約条件VLCを満たし、かつ、指令軌道f(s)を最短時間で追従する軌道であって、軌道パラメータs−s(ドット)平面上に表現された最短時間軌道が算出される。制御装置9の制御部93は、算出された最短時間軌道に基づいて本体部3の位置姿勢の目標値を算出する。そして、制御装置9の制御部93は、該算出した本体部3の位置姿勢の目標値に基づいて車輪及び旋回アクチュエータ7、8を制御する。
これにより、上記静摩擦やZMPのような指標で律速させる特異な点を含めてアクチュエータの出力性能を考慮しつつ、最短時間での最適な制御を行うことができる。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
例えば、上記実施形態において、全方位移動体1の制御装置9が制約条件算出部91と、軌道算出部92とを有する構成であるが、これに限定されない。制約条件算出部91及び軌道算出部92のうちの少なくとも一方が、全方位移動体1とは別の装置に設けられる構成であってもよい。この場合、別の装置の制約条件算出部91で算出されたトルク制約条件及び速度制約条件あるいは、軌道算出部92により算出された最短時間軌道は、全方位移動体1の制御装置9に送信、あるいはユーザによって全方位移動体1の制御装置9に入力されてもよい。
上記実施形態において、軌道算出部92は、MVC及びVLC曲線の下を通過しながら、空間軌道を追従できるような駆動輪22及び旋回軸4の加速度のうちのいずれかが、最大加速度もしくは最小加速度になっているような最短時間軌道を算出しているが、これに限定されない。軌道算出部92は、例えば、MVC及びVLC曲線の下を通過しながら、最短でない(遅い)実現可能な軌道を算出してもよい。
上記最短時間制御による、最大加速度もしくは最小加速度になっているような最短時間軌道においては、加速度が不連続となる。このような加速度の不連続状態が好ましくない場合、軌道算出部92は、例えば、MVC及びVLC曲線の下を通過しながら、滑らかで(軌道上の各時刻の加速度が連続的となるような)実現可能な軌道を算出してもよい(図12)。これにより、上記静摩擦やZMPのような指標で律速させる特異な点を含めてアクチュエータの出力性能を考慮しつつ、最適な制御を行うことができる。
また、本発明は、例えば、図6に示す処理を、CPUにコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD−ROM(Read Only Memory)、CD−R、CD−R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。
また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
1 全方位移動体、2 台車部、3 本体部、4 旋回軸、5 回転センサ、6 回転センサ、7 車輪アクチュエータ、8 旋回アクチュエータ、9 制御装置、21 補助輪、22 駆動輪、91 制約条件算出部、92 軌道算出部、93 制御部

Claims (5)

  1. 複数の駆動輪が設けられた台車部と、台車部に旋回軸を介して回転可能に設けられた本体部と、前記駆動輪を駆動する第1駆動手段と、前記旋回軸を駆動する第2駆動手段と、を備え、全方位に移動可能な全方位移動体であって、
    前記台車部及び本体部の重心及び鉛直方向軸周りに関する運動方程式に基づいて、慣性項と、遠心力及びコリオリ項と、粘性摩擦項と、重力項と、を含む前記駆動輪及び旋回軸のトルクに関する運動方程式が算出され、該運動方程式と、予め設定された当該全方位移動体が移動すべき軌道であって軌道パラメータで表現された指令軌道と、に基づいて、前記駆動輪及び旋回軸のトルクを制約する条件であって、前記軌道パラメータで表現されたトルク制約条件が算出され、
    予め設定された前記駆動輪及び旋回軸の速度の制約に基づいて、前記駆動輪及び旋回軸の速度を制約する条件であって、前記軌道パラメータで表現された速度制約条件が算出され、
    前記算出されたトルク制約条件および速度制約条件を満たし、かつ、前記指令軌道を追従する軌道であって、前記軌道パラメータ及びその微分値の平面上に表現された前記軌道が算出され、
    前記算出された軌道に基づいて前記本体部の位置姿勢の目標値を算出し、該算出した本体部の位置姿勢の目標値に基づいて前記第1及び第2駆動手段を制御する制御手段を備える、
    ことを特徴する全方位移動体。
  2. 請求項1記載の全方位移動体であって、
    前記算出された軌道は、前記算出されたトルク制約条件および速度制約条件を満たし、かつ、前記指令軌道を最短時間で追従する最短時間軌道である、ことを特徴とする全方位移動体。
  3. 請求項2記載の全方位移動体であって、
    前記算出された軌道は、前記算出されたトルク制約条件および速度制約条件に基づいて、軌道パラメータ及びその微分値の平面における始点および終点から所定の積分幅で前進積分及び後退積分を繰り返して最小加速度から最大加速度へと切り替わるスイッチングポイントを探索することで算出された前記最短時間軌道である、
    ことを特徴とする全方位移動体。
  4. 複数の駆動輪が設けられた台車部と、台車部に旋回軸を介して回転可能に設けられた本体部と、前記駆動輪を駆動する第1駆動手段と、前記旋回軸を駆動する第2駆動手段と、を備え、全方位に移動可能な全方位移動体の制御方法であって、
    前記台車部及び本体部の重心及び鉛直方向軸周りに関する運動方程式に基づいて、慣性項と、遠心力及びコリオリ項と、粘性摩擦項と、重力項と、を含む前記駆動輪及び旋回軸のトルクに関する運動方程式を算出し、該運動方程式と、予め設定された当該全方位移動体が移動すべき軌道であって軌道パラメータで表現された指令軌道と、に基づいて、前記駆動輪及び旋回軸のトルクを制約する条件であって、前記軌道パラメータで表現されたトルク制約条件を算出するステップと、
    予め設定された前記駆動輪及び旋回軸の速度の制約に基づいて、前記駆動輪及び旋回軸の速度を制約する条件であって、前記軌道パラメータで表現された速度制約条件を算出するステップと、
    前記算出されたトルク制約条件および速度制約条件を満たし、かつ、前記指令軌道を追従する軌道であって、前記軌道パラメータ及びその微分値の平面上に表現された前記軌道を算出するステップと、
    前記算出した軌道に基づいて前記本体部の位置姿勢の目標値を算出し、該算出した本体部の位置姿勢の目標値に基づいて前記第1及び第2駆動手段を制御するステップと、
    を含む、ことを特徴する全方位移動体の制御方法。
  5. 複数の駆動輪が設けられた台車部と、台車部に旋回軸を介して回転可能に設けられた本体部と、前記駆動輪を駆動する第1駆動手段と、前記旋回軸を駆動する第2駆動手段と、を備え、全方位に移動可能な全方位移動体のプログラムであって、
    前記台車部及び本体部の重心及び鉛直方向軸周りに関する運動方程式に基づいて、慣性項と、遠心力及びコリオリ項と、粘性摩擦項と、重力項と、を含む前記駆動輪及び旋回軸のトルクに関する運動方程式を算出し、該運動方程式と、予め設定された当該全方位移動体が移動すべき軌道であって軌道パラメータで表現された指令軌道と、に基づいて、前記駆動輪及び旋回軸のトルクを制約する条件であって、前記軌道パラメータで表現されたトルク制約条件を算出する処理と、
    予め設定された前記駆動輪及び旋回軸の速度の制約に基づいて、前記駆動輪及び旋回軸の速度を制約する条件であって、前記軌道パラメータで表現された速度制約条件を算出し、
    前記算出されたトルク制約条件および速度制約条件を満たし、かつ、前記指令軌道を追従する軌道であって、前記軌道パラメータ及びその微分値の平面上に表現された前記軌道を算出する処理と、
    前記算出した軌道に基づいて前記本体部の位置姿勢の目標値を算出し、該算出した本体部の位置姿勢の目標値に基づいて前記第1及び第2駆動手段を制御する処理と、
    をコンピュータに実行させる、
    ことを特徴するプログラム。
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