JP2017044819A - ステージ装置及び顕微鏡システム - Google Patents
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Abstract
【課題】迅速かつ容易に標本を交換することができるステージ装置を提供する。【解決手段】ステージ装置は、観察対象となる標本の載置が行われる載置領域と前記標本の観察が行われる観察領域とが形成された標本ホルダと、前記載置領域と前記観察領域との間で前記標本を搬送する搬送機構とを有する。【選択図】 図3
Description
本発明は、光学顕微鏡のステージ装置、及び顕微鏡システムに関する。
近年、顕微鏡用ステージの自動化が進んでいる。また、観察部の微細化や、観察位置の管理システムの発達により、ステージの高速化や高精度化が求められている。光学顕微鏡では、一般的にステージ上に載置した標本を観察する。標本は一般的に、観察対象となる細胞等を覆うカバーガラス及びスライドガラスを含む。
特許文献1の顕微鏡ステージ機構では、ステージ上面に透過照明光を通過させる開口部と、開口部の周囲に標本ホルダ受け部が形成される。標本ホルダ受け部には標本があらかじめ設置された標本ホルダが載置され、標本ホルダは側面から固定ビスによりステージに固定される。
しかし、特許文献1では、標本ホルダを交換する際、標本の観察位置では顕微鏡の対物レンズがあるため交換することが困難である。また、標本ホルダを交換するために、標本ホルダが観察位置から外れた位置にステージを移動させる場合には、ステージの可動範囲を大きくする必要があり、ステージが大きくなってしまうという問題がある。
本発明は、迅速かつ容易に標本を交換することができるステージ装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様によるステージ装置は、観察対象となる標本の載置が行われる載置領域と前記標本の観察が行われる観察領域とが形成された標本ホルダと、前記載置領域と前記観察領域との間で前記標本を搬送する搬送機構とを有することを特徴とする。
本発明によれば、迅速かつ容易に標本を交換することができるステージ装置を提供することができる。
以下、本発明を適用できる実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。実施形態に係る顕微鏡は、例えば、病理診断用に用いられる正立型顕微鏡であって、対物レンズが観察対象(標本)の上側に配置され、観察光を標本下面から投射する透過光観察を行う顕微鏡である。
本実施形態の顕微鏡システムは、病理診断に要求される所定精度で観察位置の管理を行い、過去の観察位置を正確に再現することを可能とする。そのため、顕微鏡システムは、位置管理のための基準を有する標本を使用し、高精度なステージ装置を備える。ステージ装置は、XYステージを含み、観察位置のXY座標値を直接的に把握する機能を有するとともに、装着されたデジタルカメラ等との相対的な位置関係の誤差等を補正する機能を有する。以下では、このような位置管理を実現する顕微鏡システムについて説明する。また、本実施形態の顕微鏡システムは、位置管理のための基準を有しない既存の標本もサポートするべく、所定の対応手段を具備している。
図1は、本実施形態における顕微鏡システム10の基本構成を示す。顕微鏡システム10は、顕微鏡本体100、ステージ200、カメラ装着用のアダプタ部101、デジタルカメラ102、制御ユニット300を備える。ステージ200、アダプタ部101、デジタルカメラ102は本実施形態の位置管理に対応する構成、機能を有する。制御ユニット300は、コントローラ310とディスプレイ311を含む。コントローラ310は動作フロー(図14参照)を実行する不図示のCPU、メモリを含む。CPUは、メモリに格納されたプログラムを実行することにより、後述する各種処理を実行することができる。また、コントローラ310は、表示部としてのディスプレイ311の表示制御を行うことができる。
デジタルカメラ102は、アダプタ部101及び鏡基マウント103により、接眼鏡基104と所定の位置関係を保って、着脱可能に顕微鏡本体100に取り付けられる。デジタルカメラ102は、顕微鏡本体100により得られる顕微鏡画像を撮像する。デジタルカメラ102は、エビデンス記録を目的とするもので、例えば、インタフェースケーブル105を介してコントローラ310に接続され、コントローラ310からの指示により顕微鏡下の観察像を撮影する。撮影された観察像は、コントローラ310の制御下でディスプレイ311に表示されうる。デジタルカメラ102の撮像機能は、イメージセンサの出力をリアルタイムでモニタに表示するいわゆるライブビューを行うためのライブ画像撮像機能と、静止画撮像機能を含む。ライブ画像(動画)は静止画よりも低解像度であってもよい。また、ライブ画像および静止画は、不図示の他のインタフェースを介して外部装置へ送信されてもよい。
図2は、ステージ200の構成を示す。ステージ200は、顕微鏡本体100に固定されたベース部材201と、水平移動するXステージ202とYステージ203を具備しており、それぞれがXY軸方向に移動する。Yステージ203は、クロスローラ―ガイド204A,204Bを具備している。Xステージ202は、クロスローラ―ガイド204A,204Bと対になるクロスローラーガイド204C,204Dとクロスローラ―ガイド205A,205Bを備えている。Yステージ203は、クロスローラ―ガイド205A,205Bと対になるクロスローラ―ガイド205C,205Dを具備している。また、Yステージ203は、標本500(図3)を載置可能な標本ホルダ400を具備している。標本ホルダ400は、Yステージ203と一体化させてもよい。ステージ200の駆動源として、不図示のシャフトモータが、Xステージ202とYステージ203のそれぞれに設けられている。例えば、駆動源としてステッピングモータと送りねじを用いた直動機構やピエゾを用いてもよい。
ステージ200は、X軸およびY軸に沿って設けられた不図示の反射式のインクリメンタルリニアエンコーダまたはアブソリュートリニアエンコーダを用いて制御される。また、駆動領域を制限するために、図示しない電気的なリミットスイッチおよび物理的なメカリミットが各軸に沿って設けられている。ハンドル206は、ステージ200をX軸に沿って移動させるためのXつまみ207とY軸に沿って移動させるためのYつまみ208を具備する。Xつまみ207,Yつまみ208は、手動で操作される。ハンドル206を設けることで、既存の標本の観察を可能にする。各つまみの回転力は、ラック、ベルト、またはワイヤーなどでステージ200に伝えられる。ステージ200の駆動範囲は、大型スライドガラスの大きさ(例えば76mm×52mm)以上であることが望ましい。本実施形態ではX方向の大きさを78mm、Y方向の大きさ54mmとした。クロスローラーガイドを用いたステージの場合において、駆動範囲に対してクロスローラーガイドの全長を十分に取れない場合、ステージの精度低下につながる。また、クロスローラーガイドの全長が長くなると、重量の増加、組立工数の増加、コストの増加といったデメリットが生じる。すなわち、駆動範囲を最小限にすることによって安価な顕微鏡ステージを提供することが可能となる。
図3(a)は標本ホルダ400の上面図、図3(b)は標本ホルダ400の下面図である。標本ホルダ400には、標本500が載置される。観察領域401と、標本500の観察部に対応した開口部402(第1の開口部)が形成されている。観察領域401は、標本の観察が行われる領域であり、上部に対物レンズ106が配置されることになる。標本500は、病理診断等で使用される一般的な標本であり、スライドガラス510、観察する細胞等の観察対象を覆うカバーガラス511を含む。スライドガラス510には、ラベルエリア512とスライド基準部513が設けられている。スライド基準部513は標本の位置座標を決める基準点または直交する基準指標線である。ラベルエリア512の大きさは、一般的に15mm×26mm(標準スライドガラス)である。標本ホルダ400の上面を標本500の上面と同一の平面上にするか、標本500の上面から0.1mmから0.5mmまでの範囲内で低くする。そうすることで、対物レンズ106と標本ホルダ400の上面との衝突を回避することできる。
観察領域401は、一般的な標準スライドガラスの大きさ(76mm×26mm)と、大型スライドガラスの大きさ(76mm×52mm)に対応可能である。また、標準スライドガラスを2枚並べた場合でも対応可能である。観察領域401には、標本500の位置決めを行うためのX標本基準403A,403BとY標本基準404A,404Bが設けられている。標準スライドガラスの場合、X標本基準403Bを用いてX軸方向の位置合わせを行い、Y標本基準404A,404Bを用いてY軸方向の位置合わせを行う。また、大型スライドガラスの場合、X標本基準403A,403Bを用いてX軸方向の位置合わせを行い、Y標本基準404A,404Bを用いてY軸方向の位置合わせを行う。開口部402は、標本500の観察部に対応しているため、できるだけ大きくする必要がある。本実施形態では、X標本基準403A,403Bより2mmの位置に72mm×50mmの開口部402が形成されている。標本ホルダ400には、標本500を案内するための標本ガイド405が設けられており、開口部402から標本ガイド405までは3mmであるため、標本500がX軸方向へ移動しても開口部402に落下することはない。観察領域401には、第1保持部材406及び第2保持部材407が設けられており、標本500の側面を押圧することで、標本500をX標本基準403A,403Bに圧接する。第1保持部材406及び第2保持部材407は、標本500を容易にスライド移動させることを目的とし、テーパー形状が設けられている。テーパー角は大きすぎるとスライド移動を妨げるため、例えば10〜40°の範囲にする。また、第1保持部材406,第2保持部材407は、標本500に圧接した際に例えば0.5〜1mm変位する位置に配置される。第1保持部材406及び第2保持部材407は弾性部材である板ばね408によって加圧されている。第1保持部材406及び第2保持部材407自体が弾性部材であってもよい。また、弾性部材として板ばねではなくコイルばねを用いてもよい。観察領域401には、標本500の浮きを防止するために、垂直方向へ標本500を押し付ける第3保持部材409が設けられている。第3保持部材409は、板ばねを用い、標本500の観察部を隠さないようにラベルエリア512を押圧するように配置される。
なお、スライドガラス510には、ラベルエリア512とスライド基準部513がない既存のスライドガラスを使用してもよい。
標本ホルダ400の前方側には、標本500を載置する載置領域410が形成されている。標本500の載置を容易にするために、載置領域410のY軸方向の幅は、例えば、標準スライドガラスを少なくとも2枚載置可能な幅である。また、X軸方向の幅は、例えば、少なくとも78mm以上である。載置領域410には、標本を案内するためのガイド部411A,411Bが形成されている。
標本ホルダ400には、載置領域410に載置された標本500を観察領域401に挿脱するための搬送機構600が設けられている。更に、搬送機構600が移動するための開口部417(第2の開口部)が設けられている。また、搬送機構600のガイドとしてガイドレール412A,412Bと、後述する把持機構を拘持するためのソレノイド413が設けられている。
図4は搬送機構600の斜視図、図5は搬送機構600における把持機構601の斜視図である。搬送機構600は、標本500を把持する把持機構601と、把持機構601を直線移動させるための直動機構602と、標本500の挿脱の際に第1保持部材406及び第2保持部材407の押し当て力を減勢させる減勢機構603とを有する。
本実施形態による直動機構602について説明する。直動機構602は、減速機604と、モータ605と、モータ605の回転運動を直動運動に変換するすべりねじ606(送りねじ)とが具備されており、カップリング607によって軸架されている。モータ605は、寿命を考慮しブラシレスモータを具備している。モータ605の制御はコントローラ310や図示しないドライバ回路によって行われる。さらに、モータ605は一回転に一回の擬似的なパルスを発生させることができ、コントローラ310によっておおよその回転数を計測することが可能である。例えば、ステッピングモータやブラシ付きのモータでもよい。減速機604は、モータ605の回転数を例えば64分の1に減速している。また、モータ605と反対側のすべりねじ606端には、ねじが設けられており、ベアリング608により軸支されたすべりねじ606を、ロックナット609によって締めつけベアリング608に予圧を加えている。すべりねじ606にはすべりナット610が嵌合されている。すべりねじ606のリードは2mmであり、一回転するとすべりナット610は2mm進むことになる。すべりナット610には、フランジ611が設けられており、把持機構601と結合している。また、すべりナット610には、反射板612が設けられている。
直動機構の軌道上には、反射式のセンサであるAリミットセンサ613、Bリミットセンサ614、Cリミットセンサ615が設けられており、反射板612がリミットセンサ上に来ることによりスイッチがオンになる。Aリミットセンサ613、Bリミットセンサ614、Cリミットセンサ615は、搬送機構のリミットスイッチとして動作する。Aリミットセンサ613は、載置領域410側の駆動端に配置される。Bリミットセンサ614は、Aリミットセンサ613から観察領域401側に例えば26mmの位置に配置される。Cリミットセンサ615は、観察領域401側の駆動端に配置される。本実施形態では反射式センサを用いているが、例えば、磁気センサや物理スイッチでもよい。モータ605が時計回り(CW)に回転するとすべりナット610はモータ605から遠ざかり、反時計回り(CCW)に回転すると近づくことになる。
次に、把持機構601について説明する。把持機構601には、標本を側面から挟むように把持するための第1把持部材616A、第2把持部材616Bが設けられている。第1把持部材616Aは、標本500の傾きを抑えることを目的とし、標本500に面接触する形状となっている。第2把持部材616Bは、標本500に対し点接触するようR形状となっている。第1把持部材616Aにはキャリッジ617Aが、第2把持部材616Bにはキャリッジ617Bが設けられており、それぞれ、標本ホルダ400に設けられているガイドレール412A,412Bと嵌合し、直動移動することが可能である。キャリッジ617A,617Bには例えば摺動性能が高い材質が使用される。
把持機構601は、標準スライドガラス(76mm×26mm)および大型スライドガラス(76mm×52mm)を把持可能である。すなわち、把持機構601は、大型スライドガラスの短辺52mmより拡開する必要があり、さらに標本500を容易に載置するために例えば56mm以上拡開する。
第1把持部材616A、第2把持部材616Bには引張りばね618が張架されている。すなわち、引張りばね618の張力により標本500を把持する把持力を発生させている。把持力は、標準スライドガラスの場合、例えば1〜2Nに設定される。大型スライドガラスの場合は、例えば1.5〜3Nに設定される。
第2把持部材616Bには、コの字型の磁性体である可動磁石619が設けられている。可動磁石619は、標本ホルダ400に設けられたソレノイド413によって拘持される仕組みになっている。本実施形態で用いているソレノイド413は磁石の吸引力を利用した自己保持型ソレノイドである。ソレノイド413はコイル414と、コイル414に結合された永久磁石415によって構成されている(図4)。保持している状態では永久磁石415に、可動磁石619が吸着状態になっている。ソレノイド413のコイル414に電圧を印加することでコイル414と可動磁石619の間に反発力が発生し、吸着力を減勢する仕組みである。ソレノイド413の自己保持力は3.5N程度である。
次に、本実施形態における減勢機構603について説明する。図6は減勢機構603の詳細図である。減勢機構603は、標本500を搬送機構600にて挿脱する際に、第1保持部材406及び第2保持部材407の圧接力を減勢させ、容易に挿脱させることを可能にするものである。第1保持部材406及び第2保持部材407は板ばね408によって加圧されている。板ばね408は、両端がV曲げ416A,416Bになっており、曲がりの頂点が第1保持部材406及び第2保持部材407に圧接している。圧接力は例えば0.3〜1Nである。本実施形態では、二つのV曲げが一部品で作られているが、例えば、二部品に分けてもよい。また、第1保持部材406及び第2保持部材407が弾性体で作られている場合や、第1保持部材406及び第2保持部材407をコイルばねで圧接している場合は、直接保持部材を摺接してもよい。
第1把持部材616AにはL曲げ620A,620Bが設けられている。板ばね408は、V曲げ416A,416Bの頂点がL曲げ620A,620Bに摺接するように配置されている。L曲げ620A,620Bの範囲は、標本500を把持した場合、標本500の端から例えば5〜10mmである。L曲げ部とV曲げ部の干渉量は、前述したように、標本500の挿脱による第1保持部材406及び第2保持部材407の変位量が0.5〜1mmであることから、例えば1mm以上である。本実施形態では1.5mmとしている。
次に、減勢機構603の動作について説明する。図7〜13はそれぞれ減勢機構の減勢動作を示した搬送機構の上面図である。また、図14、図15は減勢動作のフロー図である。
まず、S11において、標本の搬送時、標本500を載置領域410から観察領域401に移動する場合、第1把持部材616AのL曲げ620Aが板ばね408のV曲げ416Aに摺接し保持部材の圧接力を減勢している。このとき第1保持部材406はフリーの状態となり、標本500が移動してきた場合に、移動を妨げることはない(図7)。
S12において、板ばね408にL曲げ620A,620Bは摺接していないことにより、第1保持部材406は標本500に圧接している(図8)。
S13において、L曲げ620A,620BがV曲げ416A,416Bに摺接し保持部材の圧接力を減勢している。このとき第1保持部材406及び第2保持部材407はフリーの状態となり、標本500が移動してきた場合に、移動を妨げることはない(図9)。
S14において、標本500は観察領域401にあり、板ばね408にL曲げ620A,620Bは摺接していないことにより、第2保持部材407は標本500に圧接している(図10)。
次いで、標本500を観察領域401から載置領域410に移動する場合、S21において、L曲げ620Aが板ばねV曲げ416Bに摺接し保持部材の圧接力を減勢している。このとき第2保持部材407はフリーの状態となり、標本500の移動を妨げることはない(図11)。
S22において、L曲げ620A,620BがV曲げ416A,416Bに摺接し保持部材の圧接力を減勢している。このとき第1保持部材406及び第2保持部材407はフリーの状態となり、標本500が移動してきた場合に、移動を妨げることはない(図12)。
S23において、板ばね408にL曲げ620A,620Bは摺接していないことにより、第1保持部材406は標本500に圧接している。
S24において、L曲げ620AがV曲げ416Aに摺接し保持部材の圧接力を減勢している。このとき第1保持部材406はフリーの状態となり、標本500の移動を妨げることはない(図13)。
次に、搬送機構600による、標準サイズのスライドガラスを用いた標本の搬送手順について、図16〜図21の標本ホルダの上面図と下面図及び、図27、図28の標本搬送フローを用いて説明する。
まず観察対象となる標本500を手動または自動で載置領域410に載置する。この場合、標本500の向きは、カバーガラス511が対物レンズ106側を向き、ラベルエリア512が搬送機構600側を向くように載置する(図16)。
次いで、ディスプレイ311に表示されているスイッチもしくは、図示しない物理的なスイッチによって、載置した標本が標準サイズか大型サイズかを選択する。例えば、自動的に標本サイズを検知してもよい。
S102において、ディスプレイ311に表示されたスイッチもしくは、図示しない物理的なスイッチによってコントローラ310は搬送のコマンドを送信する。S103において、コントローラ310は、モータ605に電圧を印加しCCW方向に回転させる。
S104において、Aリミットセンサ613がONになるまでモータを駆動させ、Aリミットセンサ613がONになると、S105でモータ605を停止させる(図17)。
S106において、コントローラ310はコマンドを送信し、ソレノイド413のコイル414に電圧を印加し永久磁石415と可動磁石619の吸引力を減勢させる。この場合、自己保持力は1N程度まで低下する。S107において、コントローラ310はコマンドを送信し、モータ605をCW方向に回転させる。この場合、把持機構601の把持力は、ソレノイド413の自己保持力を上回っており、自己保持が解除され、標本500は観察領域401に移動を開始する。
S108において、Cリミットセンサ615がONになるまでモータ605は回転し続ける。これにより、標本500はY標本基準404A,404Bまで移動し、X標本基準403AとY標本基準404A,404Bによって位置決めされる(図18)。
次いで、Cリミットセンサ615がONになると、S109において、コントローラ310はコマンドを送信し、モータ605の回転を停止させる。これにより、把持機構601は1mm程度拡開された状態となる。すなわち、標本500をY標準基準404A,404B側に付勢することになる(図19)。
次いで、観察者は目的の観察を行う。観察が終了すると、S202において、ディスプレイ311に表示されたスイッチもしくは、図示しない物理的なスイッチによってコントローラ310は搬送のコマンドを送信する。
S203において、コントローラ310はコマンドを送信し、モータ605はCCW方向に回転する。すなわち、標本500は載置領域410に移動する。
S204において、Aリミットセンサ613がONになるまでモータ605は回転し続ける。Aリミットセンサ613がONになると、S205において、コントローラ310はコマンドを送信し、モータ605を停止させる。この場合、可動磁石619は、ソレノイド413の永久磁石415に吸着され、第1把持部材616Aは拘持される(図20)。
S206において、コントローラ310はコマンドを送信し、モータ605をCW方向に回転させる。第2把持部材616Bはソレノイド413によって拘持されているため、第1把持部材616Aが観察領域401側に移動し、標本500が係脱される。
S207において、Bリミットセンサ614がONになるまで、モータ605は回転する。Bリミットセンサ614がONになると、S208において、コントローラ310は、モータ605から出力される擬似的な一回転に一回のパルスをカウントする。ここで、Nはカウント数である。Bリミットセンサ614がONの場合、把持機構601の拡開量は52mm程度である。標本の載置性等を考慮すると拡開量は例えば56mm以上とすることができる。すなわち、モータ605は減速機604によって64分の1に減速されており、すべりねじ606のリードは2mmであることから、4mm拡開するためにはモータ605は128回転する必要がある。この場合、Nが128に達するまでモータ605は回転する。Nが128に達した場合、S209において、コントローラ310はコマンドを送信し、モータ605を停止させる(図21)。観察者は、手動または自動によって標本500を標本ホルダ400から取り出し、次の標本と交換する。
次に、搬送機構600による、大型サイズのスライドガラスを用いた大型標本の搬送手順について、図22〜図26の標本ホルダの上面図と下面図及び、図29、図30の標本搬送フローを用いて説明する。
まず観察対象となる大型標本501を手動または自動で載置領域410に載置する。この場合、大型標本501の向きは、大型カバーガラス514が対物レンズ106側を向き、ラベルエリア512が搬送機構600側を向くように載置する(図22)。
次いで、ディスプレイ311に表示されているスイッチもしくは、図示しない物理的なスイッチによって、載置した標本が標準サイズか大型サイズかを選択する。たとえば、自動的に標本サイズを検知してもよい。
S302において、ディスプレイ311に表示されたスイッチもしくは、図示しない物理的なスイッチによってコントローラ310は搬送のコマンドを送信する。
S303において、コントローラ310はコマンドを送信し、ソレノイド413のコイル414に電圧を印加しソレノイド413と可動磁石619の吸引力を減勢される。この場合、永久磁石415と可動磁石619の吸引力は1N程度である。把持機構601は56mm程度に拡開された状態にあり、第2把持部材616Bは引張りばね618によって3N程度の張力が加えられている。すなわち、永久磁石415と可動磁石619の吸引力を第1把持部材616Aの張力が上回っているため、自己保持は解除され、把持機構601は大型標本501を把持する(図23)。
次いで、S304において、コントローラ310はコマンドを送信し、モータ605をCW方向に回転させる。S305において、Cリミットセンサ615がONになるまでモータ605は回転し続ける。これにより、標本500はY標本基準404A,404Bまで移動し、X標本基準403A,403BとY標本基準404A,404Bによって位置決めされる(図18)。
次いで、Cリミットセンサ615がONになると、S306において、コントローラ310はコマンドを送信し、モータ605の回転を停止させる。これにより、把持機構601は1mm程度拡開された状態となる。すなわち、大型標本501をY標準基準404A,404B側に付勢することになる(図24)。
次いで、観察者は目的の観察を行う。観察が終了すると、S402において、ディスプレイ311に表示されたスイッチもしくは、図示しない物理的なスイッチによってコントローラ310は搬送のコマンドを送信する。
S403において、コントローラ310はコマンドを送信し、モータ605はCCW方向に回転する。すなわち、大型標本501は載置領域410に移動する。
S404において、Bリミットセンサ614がONになるまでモータ605は回転し続ける。Bリミットセンサ614がONになると、S405において、コントローラ310はコマンドを送信し、モータ605を停止させる。この場合、可動磁石619は、ソレノイド413の永久磁石415に吸着され、第2把持部材616Bは拘持される(図25)。
S406において、コントローラ310はコマンドを送信し、モータ605をCW方向に回転させる。第2把持部材616Bはソレノイド413によって拘持されているため、第1把持部材616Aが観察領域401側に移動し、大型標本501が係脱される。
S407において、コントローラ310は、モータ305から出力される擬似的な一回転に一回のパルスをカウントする。ここで、Nはカウント数である。Bリミットセンサ614がONの場合、把持機構601の拡開量は52mm程度である。標本の載置性等を考慮すると拡開量は例えば56mm以上とすることができる。すなわち、モータ605は減速機604によって64分の1に減速されており、すべりねじ606のリードは2mmであることから、4mm拡開するためにはモータ605は128回転する必要がある。この場合、Nが128に達するまでモータ605は回転する。Nが128に達した場合、ステップS408において、コントローラ310はコマンドを送信し、モータ605を停止させる(図26)。観察者は、手動または自動によって大型標本501を標本ホルダ400から取り出し、次の標本と交換する。
以上説明したように、搬送機構600によって標本500、大型標本501を挿脱することにより、対物レンズ106が観察領域401上にあっても容易に標本の交換をすることが可能であり、ステージ200のストロークを最小限に抑えることが可能である。また、Z方向にステージを退避させる必要がなく、標本の交換を行った場合に、焦点を合わせる時間を短くすることが可能になる。また、本実施形態によって、アクチュエータを最小限に抑えた搬送機構が可能となり、標本の交換が容易で安価な顕微鏡ステージを提供することが可能になる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
10:顕微鏡システム、100:顕微鏡本体、200:ステージ、300:制御ユニット、400:標本ホルダ、401:観察領域、406:第1保持部材、407:第2保持部材、410:載置領域、500:標本、600:搬送機構、601:把持機構
Claims (16)
- 観察対象となる標本の載置が行われる載置領域と前記標本の観察が行われる観察領域とが形成された標本ホルダと、
前記載置領域と前記観察領域との間で前記標本を搬送する搬送機構と、
を有することを特徴とするステージ装置。 - 前記標本ホルダは、
前記観察領域に設けられ、前記観察領域の中に移動した前記標本の位置合わせを行うための標本基準と、
前記標本の側面を押圧して前記標本を前記標本基準に圧接する保持部材と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載のステージ装置。 - 前記搬送機構は、
前記標本を把持する把持機構と、
前記載置領域と前記観察領域との間で前記把持機構をスライド移動させる直動機構と、
を含むことを特徴とする請求項2に記載のステージ装置。 - 前記把持機構は、
前記標本を側面から挟むように把持する第1把持部材及び第2把持部材と、
前記第1把持部材と前記第2把持部材との間に張架され、前記標本の把持力を発生する引張りばねと、
を含むことを特徴とする請求項3に記載のステージ装置。 - 前記把持機構は、把持した前記標本を係脱するためのソレノイドを含むことを特徴とする請求項4に記載のステージ装置。
- 前記第1把持部材が前記直動機構に結合され、前記第2把持部材には磁性体が結合されていることを特徴とする請求項5に記載のステージ装置。
- 前記磁性体が前記ソレノイドにより拘持され、前記直動機構が前記ソレノイドとは反対側に動作することにより、前記把持機構が拡開され前記標本を係脱することを特徴とする請求項6に記載のステージ装置。
- 前記搬送機構は、前記直動機構により前記標本を保持した前記把持機構を前記観察領域に移動することにより、前記保持部材が前記標本を前記標本基準に圧接するように構成されていることを特徴とする請求項4乃至7のいずれか1項に記載のステージ装置。
- 前記第1把持部材は、前記標本に面接触する形状を有し、前記第2把持部材は、前記標本に点接触する形状を有することを特徴とする請求項4乃至8のいずれか1項に記載のステージ装置。
- 前記搬送機構は、前記標本の搬送時に前記保持部材の圧接力を減勢させる減勢機構を含むことを特徴とする請求項4乃至9のいずれか1項に記載のステージ装置。
- 前記保持部材を前記標本に対して加圧するための弾性部材を有し、
前記減勢機構は、前記第1把持部材又は前記第2把持部材が前記弾性部材に摺接することにより前記保持部材の圧接力を減勢させることを特徴とする請求項10に記載のステージ装置。 - 前記第1把持部材及び前記第2把持部材は、前記弾性部材と摺接するL曲げを有することを特徴とする請求項11に記載のステージ装置。
- 前記弾性部材は板ばねであることを特徴とする請求項12に記載のステージ装置。
- 前記板ばねは、前記L曲げと摺接するV曲げを両端に有することを特徴とする請求項13に記載のステージ装置。
- 前記直動機構は、モータと送りねじとを含み、前記モータの回転運動を前記送りねじによって直動運動に変換することを特徴とする請求項3に記載のステージ装置。
- 請求項1乃至15のいずれか1項に記載のステージ装置を含み、前記観察領域の上部に対物レンズが配置される顕微鏡システム。
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