以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。なお、本明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
なお、本明細書において用いる、形状や幾何学的条件並びにそれらの程度を特定する、例えば、「平行」、「直交」、「同一」等の用語や長さや角度の値等については、厳密な意味に縛られることなく、同様の機能を期待し得る程度の範囲を含めて解釈することとする。
また、本明細書において、「シート」、「フィルム」、「板」等の用語は、呼称の違いのみに基づいて、互いから区別されるものではない。したがって、例えば、「シート」はフィルムや板とも呼ばれ得るような部材も含む概念である。一具体例として、「光学シート」には、「光学フィルム」や「光学板」等と呼ばれる部材も含まれる。
さらに、本明細書において、「シート面(フィルム面、板面、パネル面)」とは、対象となるシート状の部材を全体的かつ大局的に見た場合において対象となるシート状部材の平面方向と一致する面のことを指す。以下に説明する実施の形態においては、後述する光学シート20のシート面、及び、光学シート20の後述する本体部40のシート面は、互いに並行となっている。とりわけ第1〜第3の実施の形態では、光学シート20のシート面、光学シート20の後述する本体部40のシート面、太陽電池パネル50のパネル面、及び、太陽電池パネル50の受光面50aが、互いに並行となっている。さらに、本明細書において、シート状(フィルム状、板状、パネル状)の部材に対して用いる「法線方向」とは、当該部材のシート面への法線方向のことを指す。
第1〜12の実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10は、第1面40a及び第1面40aに対向する第2面40bを有するシート状の本体部40を有する光学シート20と、本体部40の第2面40bに対向して配置される太陽電池パネル50と、本体部40の第1面40aよりも第2面40b側に発光体65,75,85を配置する照明装置60,70,80と、を備えている。そして、光学シート20には、各々が本体部40のシート面に対して傾斜した複数の表示面12が一軸方向に沿って配列され、照明装置60,70,80は、表示面12を照明するようになっている。表示面12には、観察者に視認させるための表示対象13が表示される。表示対象13として、図形、パターン、デザイン、色彩、絵、写真、キャラクターなどの絵柄(イメージ)や、文字、マーク、数字などの情報を例示することができる。表示対象13は、静止していても動いていてもよい。
光学シート20は、入射する光または光学シート20から出射する光に屈折や反射などの光学的機能を発現し、当該光の進行方向を調整することが可能となっている。第1〜12の実施の形態における光学シート20は、或る角度範囲である第1角度範囲AR1から太陽電池複合型表示体10に入射する光が表示面12に到達し、第1角度範囲AR1とは異なる第2角度範囲AR2から太陽電池複合型表示体10に入射する光が、太陽電池パネル50に到達するように構成されている。
このような太陽電池複合型表示体10によれば、光学シート20を利用して、表対対象13が視認される方向から太陽電池パネル50の受光面が視認され難くすることができる。より具体的には、第1角度範囲AR1及び第2角度範囲AR2を調整することにより、表対対象13が視認される第1角度範囲AR1から、太陽電池パネル50の受光面50aが視認され難くすることができる。すなわち、第1角度範囲AR1内の方向からの表示対象13の視認性を改善することができるとともに、受光面50aが観察されることによる意匠性の劣化および周囲環境との不調和を解消することが可能となる。加えて、照明装置60,70,80によって表示面12が照明されるため、表示面12に描かれた表示対象13の視認性および受光面50aの隠蔽性が効果的に改善される。加えて、照明装置60,70,80による照明は、本実施の形態では、太陽電池パネル50で発電された電力を利用しているので、例えば屋外に固定される太陽電池複合型表示体10に対し、配線の設置を不要とすることができる点において非常に有用である。
とりわけ、以下に説明する太陽電池複合型表示体10では、進行方向を受光面50aに向けられるようになる入射角度の連続的な角度範囲である第2角度範囲AR2及び表示対象13を連続して観察することができる角度範囲である第1角度範囲AR1を、独立して高い自由度で調整し得るようにするための工夫がなされている。この結果、受光面50aを十分に不可視化しながら、表示対象13を優れた視認性で表示することが可能となる。
また、表示対象13が連続して表示される角度範囲を高い自由度で調整可能であることから、この太陽電池複合型表示体10を様々な用途で利用することができる。例えば、屋外看板、道路情報掲示板、建築物の外壁面などで用いられる数m〜数十mサイズの大型パネル用途や、ポスター、標識、建築物の内壁面などで用いられる数十cm〜数mサイズの中型パネル用途や、卓上スタンド、携帯端末などで用いられる数cm〜数十cmの小型パネル用途などを例示することができる。
以下に説明する第1〜第3の実施の形態では、照明装置60,70,80の構成が互いに異なるが、光学シート20及び太陽電池パネル50は互いに共通に構成され得る。また、第4及び第5の実施の形態では、照明装置60,70の構成が互いに異なるが、光学シート20及び太陽電池パネル50は互いに共通に構成され得る。ただし、光学シート20等の構成は、第1〜第3の実施の形態とは相違する。また、第6〜第12の実施の形態では、照明装置60の構成が互いに共通であるが、光学シート20及び太陽電池パネル50の構成は、第1〜第5の実施の形態とはさらに異なっている。ただし、第6〜第12の実施の形態の照明装置60は、第2及び第3の実施の形態で説明する照明装置70,80と同一とすることができる。以下の複数の実施の形態の説明の間で、互いに対応する構成に対して同一の符号を付し、重複する説明を極力省略する。
<第1の実施の形態>
まず、主に図1〜図8を参照して第1の実施の形態について説明する。
図1及び図2によく示されているように、本実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10は、光学シート20と、光学シート20の背面に配置された太陽電池パネル50と、光学シート20及び太陽電池パネル50の間に少なくとも一部分が配置された照明装置60と、を有している。光学シート20は、互いに対向する表面20a及び裏面20bを有している。表面20aは、太陽電池複合型表示体10へ入射する太陽光等の外光等の入射面をなす。また、表面20aは、表示対象13を可視化する表示面12からの光が太陽電池複合型表示体10から出射する出射面をなす。一方、裏面20bは、太陽電池パネル50の受光面50aへ向かう光が光学シート20から出射する出射面をなす。表示対象13を表示するための表示面12は、例えば、光学シート20の内部、光学シート20の後述するレンズ面31に対向する裏面20b上、或いは、光学シート20のレンズ面31側とは反対側に形成された切欠41内などに設けられ得る。図示された例において、表示面12は、光学シート20のレンズ面31側とは反対側に形成された切欠41内に形成され、本実施の形態では当該切欠41に低屈折率部45が充填されている。結果として、表示面12は、光学シート20の内部に配置されている。
以下、太陽電池パネル50、光学シート20及び照明装置60をこの順で説明する。
太陽電池パネル50は、受光面50aで受光した光を電気エネルギーに変換する発電装置である。太陽電池パネル50は、種々の形態のものを使用することができる。例えば、単結晶シリコンまたは多結晶シリコン等からなる平板状のシリコン基板を含むシリコン系太陽電池パネル、薄膜太陽電池パネル、カルコパイライト系太陽電池等を、太陽電池パネル50として用いることができる。
なお、光学シート20から太陽電池パネル50へ向かう光は、光学シート20と太陽電池パネル50との間に位置する照明装置60を透過する。このため、照明装置60は、光学シート20と太陽電池パネル50との間に位置する少なくとも一部分において透光性を有している。ここで「透光性」とは、400nm以上1000nm以下の帯域の光透過率が50%以上であることを言う。なお、400nm以上1000nm以下の帯域の光透過率は、分光光度計((株)島津製作所製「UV−3100PC」、JISK0115準拠品)を用いて測定波長400nm〜1000nmの範囲内で測定したときの、各波長における透過率の平均値として特定される。
次に、照明装置60について説明する。照明装置60は、太陽電池パネル50で発電された電力を利用して発光する装置である。図2に示すように、照明装置60の発光体65は、制御回路19を介して、太陽電池パネル50に接続されている。制御回路19は、太陽電池パネル50で発電された電力を照明装置60に供給して、照明装置60を発光させる。また、制御回路19は、蓄電池18に接続されており、受光面50aに日が射している間の余分の電力を蓄電池18にためる。さらに、制御回路19は、受光面50aに日が射していない間でも、蓄電池18に蓄電された電力によって、照明装置60を発光させるようにしてもよい。
図1〜図3に示すように、第1の実施の形態において、照明装置60は、太陽電池パネル50の受光面50aと光学シート20の裏面20bとの間に配置された透光性の導光板61と、導光板61の側端面61aに対面して配置された発光体65と、を有している。図示された第1の実施の形態では、図3に示すように、導光板61および太陽電池パネル50は、後述する光学シート20とともに、矩形形状の平面視形状を有している。したがって、導光板61は、平面視において矩形形状となっている一対の表面61b及び裏面61cと、一対の表面61b及び裏面61c間を結ぶ四つの側端面と、を含んでいる。図示された第1の実施の形態において、導光板61の一つの側端面61aに対面して、発光体65が配置されている。なお、図3に示すように、発光体65に対面する側端面61aは、導光板61の四つの側端面のうちの、後述するレンズ面31及び表示面12の配列方向と平行な第1軸方向d1における一側に位置する側端面となる。
発光体65は、例えば、線状の冷陰極管等の蛍光灯や、点状のLED(発光ダイオード)や白熱電球等の種々の態様で構成され得る。図3に示すように、図示された第1の実施の形態では、導光板61の一つの側端面61aに対面して、当該側端面61aの長手方向に並べられた複数の点状発光体、より具体的には、複数の発光ダイオードによって、発光体65が構成されている。なお、発光ダイオードは、消費電力が少ないという点において、好適である。
なお、照明装置60は、発光体65を取り囲むようにして配置された反射板67を更に有している。反射板67は、発光体65で発光された光を、導光板61の側端面61aに誘導する。
導光板61は、主部63と、主部63中に分散された拡散成分(光散乱成分)64と、を有している。ここでいう拡散成分64とは、導光板61内を進む光に対し、反射や屈折等によって、当該光の進路方向を変化させる作用を及ぼし得る成分のことである。すなわち、導光板61は、主部63及び拡散成分64を含むことにより、光を拡散させる拡散機能を有するようになる。このような拡散成分64の光拡散機能(光散乱機能)は、例えば、拡散成分64をなす材料とは異なる屈折率を有した材料から拡散成分64を構成することにより、あるいは、光に対して反射作用を及ぼし得る材料から拡散成分64を構成することにより、付与され得る。主部63をなす材料とは異なる屈折率を有する拡散成分64として、金属化合物、有機化合物、気体を含有した多孔質物質、さらには、単なる気泡が例示される。
図示された照明装置60では、太陽電池パネル50で発電された電力を利用して、照明装置60の発光体65から光が射出する。図2の矢印に示すように、発光体65から射出された光は、側端面61aを介して導光板61に入射する。導光板61へ入射した光は、導光板61の一対の主面(表面61b及び裏面61c)において、反射、とりわけ導光板61をなす材料と空気との屈折率差に起因して全反射を繰り返し、導光板61内を進んでいく。ただし、導光板61の主部63内には拡散成分64が分散されている。このため、図2に示すように、導光板61内を進む光は、拡散成分64によって進行方向を不規則に変更され、導光板61から出射するようになる。
導光板61内を進行する光と、導光板61内に分散された拡散成分64と、の衝突は、導光板61内での導光方向(図1における紙面の左右方向)に沿った各区域において、生じる。このため、導光板61内を進んでいる光は、少しずつ、導光板61から出射するようなる。なお、導光板61から出射する光L23の出射方向は、導光板61内での導光方向と導光板61の法線方向に沿った面内において、法線方向に対して発光体65から離間する側へ傾斜する傾向が生じる。このようにして導光板61の太陽電池パネル50とは反対側の表面61bから出射した光によって、光学シート20を裏面20b側から照明するようになる。なお、導光板61の太陽電池パネル50側となる裏面61cから出射した光は、太陽電池パネル50の受光面50aへ入射し、太陽電池パネル50での発電に利用される。
次に、光学シート20について説明する。
光学シート20は、シート状の本体部40と、本体部40上に支持されたレンズ部25と、を有している。レンズ部25は、第1軸方向d1に配列された多数の単位レンズ30を含んでいる。各単位レンズ30は、本体部40とは反対側を向く面にレンズ面31を形成している。多数の単位レンズ30は、そのレンズ面31の光軸odが互いに平行となるようにして、並べられている。とりわけ図示された例において、単位レンズ30は、そのレンズ面31の光軸odが、本体部40の法線方向ndと平行となるよう配置されている。また、第1軸方向d1は、光学シート20のシート面に沿っており、本体部40の法線方向ndに直交している。図示された例において、太陽電池複合型表示体10は、第1軸方向d1が鉛直方向と平行になるようにして、配置されている。
レンズ部25は、図1に示すように、いわゆるレンチキュラーレンズ乃至シリンドリカルレンズを構成している。すなわち、各単位レンズ30は、その配列方向である第1軸方向d1に対して交差する方向に線状に延びている。とりわけ図示された例において、単位レンズ30は、第1軸方向d1及び法線方向ndの両方と直交する第2軸方向d2に、直線状に延びている。また、レンズ部25に含まれる複数の単位レンズ30は、互いに同一に構成されている。
各単位レンズ30は、太陽電池パネル50とは反対側に向かって凸となるように、シート状の本体部40から突出している。言い換えると、各単位レンズ30は、本体部40の法線方向ndに向かって、シート状の本体部40から突出している。第1軸方向d1及び法線方向ndの両方に平行な図2の断面(以下においては、「主切断面」とも呼ぶ)において、レンズ面31は、光軸odを中心として対称となっている。図2に示すように、各単位レンズ30のレンズ面31は、当該レンズ面31に入射する平行光束を集光領域に集める。図2に示す単位レンズ30のレンズ面31は、当該レンズ面31の光軸odに沿って入射する平行光L21を焦点fpに集める例が示されており、この場合、焦点fpは、レンズ面31の光軸od上に位置する。
ところで、図示された例において、単位レンズ30は、互いに隙間をあけて第1軸方向d1に配列されている。すなわち、第1軸方向d1に隣り合う二つの単位レンズ30のレンズ面31の間には、当該二つのレンズ面31の対面する基端部32b間を接続する接続面38が設けられている。図示された例において、接続面38は、本体部40のシート面に沿って延びている。光学シート20の表面20aは、単位レンズ30のレンズ面31と接続面38とによって形成されている。単位レンズ30を含む光学シート20は、一例として、金型を用いた樹脂成型によって作製され得る。接続面38を設けて、隣り合う単位レンズ30の間に隙間を設けることによって、法線方向ndに対して大きく傾斜した角度範囲からの光が単位レンズ30のレンズ面31に入射する前にその隣の単位レンズ30のレンズ面31で遮られてしまう問題、いわゆる「ケラレ」を効果的に緩和することができる。
本実施の形態において、各単位レンズ30は、本体部40に一体に成形されている。すなわち、各単位レンズ30と本体部40との間に仮想的に規定され得る境界面に継ぎ目が形成されていない。
本体部40は、互いに対向する一対の主面として、第1面40a及び第2面40bを有している。第1面40aは、レンズ部25と隣接する面を形成し、第2面40bは、光学シート20の太陽電池パネル50側を向く面を形成している。ここで、図2から明らかなように、本実施の形態では、照明装置60の発光体65が、本体部40の第1面40aよりも第2面40b側に配置されている。また、図2に示すように、本体部40の第2面40bに、各々が対応する単位レンズ30に対向するようにして形成された複数の切欠41が設けられている。各切欠41は、本体部40の第2面40bの他の部分よりも、本体部40の法線方向ndに凹んでいる。複数の切欠41は、単位レンズ30に対応して、単位レンズ30の配列方向である第1軸方向d1に配列されている。本実施の形態では、各切欠41は、対応する単位レンズ30と法線方向ndに沿って少なくとも部分的に対面するようにして、配置されている。言い換えると、各切欠41は、本体部40の法線方向ndからみて、対応する単位レンズ30と少なくとも部分的に重なっている。本実施の形態では、各切欠41は、単位レンズ30と同様に、配列方向である第1軸方向d1と交差する方向、より厳密には、第1軸方向d1と直交する第2軸方向d2に直線状に延びている。
図2に示すように、光学シート20の裏面20b或いは本体部40の第2面40bに設けられた各切欠41は、レンズ部25に向けて延びる第1切欠面42及び第2切欠面43を有している。図示する例では、第1切欠面42が、第2切欠面43よりも第1軸方向d1において一側に位置している。第1切欠面42と第2切欠面43との間の間隔は、本体部40の法線方向ndに沿って光学シート20の表面20aに接近していくにつれて、狭くなっている。換言すると、第1切欠面42と第2切欠面43とは、第1面40a側に向かう程、互いの距離が近づくように延びている。そして、最も接近した第1切欠面42の表面20a側の端部と、第2切欠面43の表面20a側の端部とが、互いに接続されている。
本実施の形態では、第1切欠面42の表面20a側の端部と、第2切欠面43の表面20a側の端部との前記接続領域上に、切欠41の表面20a側の端部が位置する。切欠41の表面20a側の端部は、本体部40の第1面40aから離間している。言い換えると、切欠41の表面20a側の端部は、本体部40の法線方向ndにおいて、当該切欠41に対応するレンズ面31の基端部32bよりも、太陽電池パネル50側に位置している。このような形態によれば、切欠41と本体部40の第1面40aとの間に、肉厚を確保することができるため、屈曲や衝撃に対する機械強度を確保することができる。
本実施の形態において、切欠41内に低屈折率部45が形成されており、本体部40と低屈折率部45との間となる位置に、切欠41の第2切欠面43に沿って、表示面12が形成されている。
図3から理解され得るように、図示された実施の形態において、光学シート20は、平面視において、太陽電池パネル50の受光面50aと同一となる矩形形状となっている。したがって、第1の実施の形態において、太陽電池パネル50の受光面50aは、第1軸方向d1に配列された複数の単位レンズ30の各々に対向して、平面状に延び広がっている。図示された例において、受光面50aは、本体部40のシート面、言い換えると、光学シート20のシート面と平行に延びている。したがって図示された例では、受光面50aは、単位レンズ30の配列方向である第1軸方向d1と平行に延び広がり、且つ、単位レンズ30の長手方向である第2軸方向d2とも平行に延び広がっている。
表示面12は、本体部40に形成された切欠41内に配置されている。したがって、本体部40の法線方向ndにおいて、表示面12は、単位レンズ30と受光面50aとの間に位置している。表示面12は、単位レンズ30に対応して、単位レンズ30の配列方向である第1軸方向d1に配列されている。各表示面12は、当該表示面12が対応する一つの単位レンズ30に対向して位置している。図2に示すように、各表示面12は、対応する単位レンズ30と法線方向ndに沿って少なくとも部分的に対面するようにして、配置されている。言い換えると、各表示面12は、本体部40の法線方向ndからみて、対応する単位レンズ30と少なくとも部分的に重なっている。本実施の形態では、表示面12は、単位レンズ30と同様に、配列方向である第1軸方向d1と交差する方向に線状に延びている。より厳密には、表示面12は、単位レンズ30と同様に、第1軸方向d1と直交する第2軸方向d2に直線状に延びている。なお、図示された例において、単位レンズ30に対応して多数設けられた表示面12は、互いに同一に構成されている。
各表示面12は、本体部40のシート面、光学シート20のシート面および太陽電池パネル50の受光面50aに対して傾斜し、且つ、レンズ面31の光軸odに平行な方向に対して傾斜している。すなわち、各表示面12は、太陽電池パネル50の受光面50a及びレンズ面31の光軸odのいずれとも非平行になっている。このような表示面12によれば、後述するようにして、表示面12からの光が出射するようになる角度範囲である第1角度範囲AR1、言い換えると、表示面12に形成された表示対象13が観察されるようになる角度範囲である第1角度範囲AR1を、高い自由度で調整することが可能となる。同時に、太陽電池パネル50の受光面50aに導かれるようになる入射光の角度範囲である第1角度範囲AR1を高い自由度で調整することも可能となる。
図2に示すように、各表示面12は、第1軸方向d1において一側(図示する例では、図2における上側であって、鉛直方向における上側)に位置する第1端部12aが、第1軸方向d1において他側(図示する例では、図2における下側であって、鉛直方向における下側)に位置する第2端部12bよりも、本体部40の法線方向ndにおいて単位レンズ30のレンズ面31或いは第1面40bに近接するように、光学シート20のシート面に対して傾斜している。したがって、表示面12の第1端部12aは、表示面12の第2端部12bよりも、本体部40の法線方向ndにおいて単位レンズ30に近接している。図2から理解されるように、このような表示面12には、法線方向ndに対して他側(下側)に傾斜した広い角度範囲からの光が、入射しやすくなる。言い換えると、このような表示面12からレンズ面31で屈折して出射する光の出射方向は、法線方向ndに対して他側(下側)に傾斜した広い角度範囲に設定され得る。
このような傾向を強化する観点から、光学シート20の主切断面において、表示面12は、第1軸方向d1における一側(上側)から他側(下側)に向けて、段階的又は連続的に、本体部40の法線方向ndに沿って単位レンズ30から離間していくことが好ましい。図示された例において、表示面12は平面として形成されている。そして、図2に示された光学シート20の主切断面において、表示面12は、第1軸方向d1における一側から他側に向けて、連続的に一定の傾斜の程度で、本体部40の法線方向ndに沿って単位レンズ30から離間していく。このような表示面12によれば、表示面12に形成された表示対象13を、法線方向ndに対して他側に傾斜した広い角度範囲内において、観察することが可能となる。
また、図2に示すように、各表示面12は、第1軸方向d1において一側(上側)に位置する第1端部12aが、当該表示面12に対応するレンズ面31の先端部32aよりも第1軸方向d1において一側に位置している。すなわち、各表示面12は、第1軸方向d1において一側(上側)に位置する第1端部12aが、当該表示面12に対応するレンズ面31の光軸odよりも第1軸方向d1において一側に位置している。上述のように、レンズ面31は、光軸odを中心として対称となっており、レンズ面31にて屈折して法線方向ndに対して他側に傾斜した方向へ出射するようになる光の多くは、レンズ面31のうちの光軸odよりも第1軸方向d1において他側に位置する領域を通過するようになる。したがって、各表示面12の第1端部12aが、対応するレンズ面31の光軸odよりも第1軸方向d1において一側に位置することにより、表示面12上の各位置から比較的に広い角度範囲内の方向に進む光がレンズ面31に到達することができ、レンズ面31で屈折して広い角度範囲の方向へ出射するようになる。すなわち、表示面12からレンズ面31を経由し、法線方向ndに対して他側に傾斜した方向へ出射する光L23の角度範囲を、広角化することが可能となる。
図示された実施の形態では、図2に示された光学シート20の主切断面において、表示面12の第1軸方向d1における他側(下側)の端部である第2端部12bは、当該表示面12に対応するレンズ面31の先端部32aと、第1軸方向d1において同一位置に位置している。また、図2に示された光学シート20の主切断面において、表示面12の第1軸方向d1における一側の端部である第1端部12aは、当該表示面12に対応するレンズ面31の第1軸方向d1における一側の基端部32bと、第1軸方向d1において同一位置に位置している。もっとも、図2に示された光学シート20の主切断面において、表示面12の第1端部12aは、当該表示面12に対応するレンズ面31の第1軸方向d1における一側の基端部32bから、第1軸方向d1においてずれて位置していてもよい。とりわけ図示された例では、図2に示された光学シート20の主切断面において、表示面12の第1端部12aは、レンズ面31の第1軸方向d1における一側の基端部32bから、本体部40の法線方向ndに沿って太陽電池パネル50側に離間している。
なお、凸レンズとして構成された単位レンズ30では、レンズ面31の先端部32aは、レンズ面31のうちの、本体部40の法線方向ndに沿って本体部40から最も突出した部分のことである。また、レンズ面31の基端部32bは、レンズ面31のうちの、本体部40の法線方向ndに沿って本体部40に最も接近した部分、或いは、本体部40に接続する部分のことである。
加えて、図2に示すように、表示面12の第2端部12bは、レンズ面31の焦点fp上に位置している。すなわち、図示された実施の形態では、光学シート20の主切断面において、表示面12の第2端部12bは、本体部40の法線方向ndに進む平行光束L21(図2参照)がレンズ面31に入射した際におけるレンズ面31の焦点位置fp上に位置している。さらに言い換えると、表示面12の第2端部12bは、レンズ面31の光軸od上に位置している。このような光学シート20によれば、表示面12を観察することができる角度範囲である第1角度範囲AR1と、表示面12が観察されることなく光学シート20の裏面20bが観察されるようになる角度範囲と、を切り分けることが可能となる。
ここで、表示面12が観察されることなく光学シート20の裏面20bが観察されるようになる角度範囲からの入射光、例えば図2における光L22は、光学シート20を透過し、さらに照明装置60の導光板61を透過した後に、太陽電池パネル50へ入射することができる。したがって、表示面12の第2端部12bが対応するレンズ面31の焦点fp上に位置している光学シート20によれば、本体部40の法線方向ndを境界として、進行方向を受光面50aに向けられるようになる入射角度の連続的な角度範囲である第2角度範囲AR2と、表示対象13を連続して観察することができる角度範囲である第1角度範囲AR1と、を切り分けることが可能となる。
さて、上述のように、レンズ面31は、本体部40の法線方向ndに対して第1軸方向d1における一側に傾斜した方向から入射した光L22を、照明装置60を経て、太陽電池パネル50に導く。一方、本体部40の法線方向ndに対して第1軸方向d1における他側に傾斜した方向から入射した光L23を表示面12に導く。すなわち、表示面12からレンズ面31を経て光学シート20から出射する光の出射方向を、本体部40の法線方向ndに対して第1軸方向d1における他側に傾斜した方向とすることができる。ところが、図2に示すように、本体部40の法線方向ndに対して第1軸方向d1における一側に大きく傾斜した方向からレンズ面31に入射した光L25は、当該レンズ面31と他側で隣り合うレンズ面31に対面する表示面12に、光学シート20の裏面20b側から向かっていく。このような方向からの光L25は、太陽電池パネル50へ導くことで、発電を効率化し得る。そこで、本実施の形態では、このような光L25を、表示面12に入射させることなく太陽電池パネル50に導くように、表示面12が配置された切欠41内に低屈折率部45が設けられている。この低屈折率部45は、本体部40よりも屈折率が低くなっている。このような低屈折率部45によれば、本体部40の法線方向ndに対して第1軸方向d1における一側に大きく傾斜した方向からレンズ面31に入射した光L25をも太陽電池パネル50に導くことを可能にするため、第2角度範囲AR2をさらに広角化させることができる。
図4に、切欠41内に配置された低屈折率部45を拡大して示す。図4に示すように、本実施の形態の低屈折率部45は、表示面12が配置された切欠41内に隙間なく配置されている。このため、低屈折率部45は、本体部40に形成された切欠41の形状に対応する。ゆえに、複数の低屈折率部45は、切欠41と同様に、単位レンズ30の配列方向である第1軸方向d1に配列されている。本実施の形態において、各低屈折率部45は、対応する単位レンズ30と法線方向ndに沿って少なくとも部分的に対面するようにして、配置されている。さらに、低屈折率部45は、切欠41の形状に対応して、単位レンズ30の配列方向である第1軸方向d1と交差する方向、より厳密には、第1軸方向d1と直交する第2軸方向d2に直線状に延びている。
図4に示すように、低屈折率部45は、切欠41の第1切欠面42に沿って配置された入光面46と、切欠41の第2切欠面43に沿って配置された接続面47と、入光面46の裏面20b側の端部と接続面47の裏面20b側の端部との間を延びる出光面48と、を含んでいる。このうち、入光面46は、レンズ面31にて屈折した光L41が入光する面をなし、出光面48は、入光面46からの光L41が出光する面をなしている。図4に示す例では、出光面48は、光学シート20の裏面20bの一部分を形成している。入光面46は、出光面48の第1軸方向d1において一側に位置する端部から、単位レンズ30側つまり光学シート20の表面20a側に向かって延び出している。接続面47は、出光面48の第1軸方向d1において他側に位置する端部から、単位レンズ30側に向かって延び出している。また、接続面47は、表示面12に沿って設けられ、当該表示面12に隣接している。
図4に示すように、切欠41の第1切欠面42及び第2切欠面43の形状に対応して、入光面46と接続面47との間の間隔は、本体部40の法線方向ndに沿って出光面48から離間していくにつれて、狭くなっていく。そして、最も幅の狭くなった入光面46の表面20a側の端部と、接続面47の表面20a側の端部とが、互いに接続されている。とりわけ、図4に示された例では、入光面46、接続面47および出光面48が平坦面として形成されており、低屈折率部45は、主切断面において三角形形状をなしている。
ただし、主切断面における低屈折率部45及び切欠41の断面形状は、三角形形状である必要はなく、種々の形状を有するようにしてもよい。例えば、主切断面における低屈折率部45及び切欠41の断面形状は、三角形の一以上の角、例えば入光面46と接続面47とが接続した角が面取りされてなる形状となっていてよい。また、入光面46の表面20a側の端部と、接続面47の表面20a側の端部と、の間を延びる上面がさらに設けられていてもよい。つまり、主切断面における低屈折率部45及び切欠41の断面形状は、台形形状であってもよい。
このような低屈折率部45は、本体部40のその他の部分をなす材料よりも屈折率の低いものであれば特に限定されず、流体であってもよいし、固体であってもよい。本体部40の低屈折率部45以外の部分をなす材料として、例えば、屈折率が1.50〜1.60程度に調整されたウレタンアクリレート系、エポキシアクリレート系等のアクリレート系樹脂が挙げられる。一方、低屈折率部45をなす樹脂材料として、例えば、屈折率が1.45〜1.51程度に調整されたアクリル系、エポキシ系、ウレタン系等の紫外線硬化性樹脂が挙げられる。低屈折率部45が本体部40をなす樹脂材料よりも屈折率の低い樹脂材料からなる場合、表示面12を樹脂材料で覆うことで当該表示面12を保護することができる。これにより、本体部40に形成された切欠41内に配置された表示面12に、環境の変化や振動等の外乱に対する耐性を付与することができる。あるいは、低屈折率部45は、気体からなってもよい。この場合、低屈折率部45の入光面46と本体部40との界面で、大きな屈折率差を生じさせることができるため、単位レンズ30から低屈折率部45に向かってくる光L25(図2参照)の進行方向を、本体部40の法線方向ndに対してなす角度が小さくなるように、大きく変更させることができる。
また、上述のように、各単位レンズ30は、本体部40に一体に成形されている。したがって、単位レンズ30は本体部40と同一の材料にて構成され、単位レンズ30の屈折率も本体部40の屈折率と等しい。ゆえに、低屈折率部45の屈折率は、単位レンズ30の屈折率よりも低くなっている。
このような低屈折率部45によれば、入光面46と本体部40との界面で、本体部40の法線方向ndに対して第1軸方向d1における一側に大きく傾斜した方向から単位レンズ30に入射した光L25を、当該光L25の進行方向が本体部40の法線方向ndに対してなす角度が小さくなるように、偏向させることができる。これにより、表示面12の裏面ではなく光学シート20の裏面20bに向けて偏向させることができる。このような光学機能を効果的に発現する観点から、低屈折率部45の入光面46は、以下に説明するような幾何学的関係を満たすことが好ましい。
先ず、図4に示すように、低屈折率部45で偏向させることが意図された光L41は、表示面12に光学シート20の裏面20b側から接近してくる。このため、低屈折率部45で偏向させることが意図された光L41が本体部40の法線方向ndに対してなす角度θ3は、表示面12が法線方向ndに対してなす角度θ1よりも大きくなる。図4に示す幾何学的関係から理解されるように、低屈折率部45で偏向させることが意図された光L41を、表示面12ではなく光学シート20の裏面20bに入射させるためには、この光L41を入光面46の法線方向ND1に対して裏面20bとは反対側、すなわち表面20a側に傾斜した方向から入射させる必要がある。
したがって、低屈折率部45が、表示面12が法線方向ndに対してなす角度θ1よりも大きな角度で入射する光L41を、表示面12に入射させることなく裏面20bに向けて偏向させるためには、前記主切断面において、表示面12と低屈折率部45の入光面46とのなす角度θ2は、少なくとも表示面12に直交する平面P2と表示面12とのなす角度よりも小さくなればよい。すなわち、表示面12と低屈折率部45の入光面46とのなす角度θ2は、少なくとも鋭角、すなわち、0°以上90°未満の角度であればよい。ここで、平面P2とは、表示面12に直交する方向に向かって、低屈折率部45の表面20aに近接した端部から、裏面20b側に延び出す平面である。表示面12と入光面46とのなす角度θ2を鋭角にすることにより、表示面12が本体部40の法線方向ndに対してなす角度θ1よりも大きな角度で向かってくる光L41の少なくとも一部を、その進行方向が本体部40の法線方向ndに対してなす角度が小さくなるように、曲げることができる。すなわち、レンズ面31での屈折によって進行方向を補正し切れてなかった光L41が、表示面12の裏面側から入射することを回避して、当該光を裏面20bに導くことができる。このように裏面20bに導かれた光は、照明装置60を透過して、太陽電池パネル50の受光面50aに入射することができる。
また、主切断面において、対象となる光が入射するレンズ面31の第1軸方向d1において一側に位置する基端部32bと、対象となる光が偏向される低屈折率部45の表面20aに近接した端部と、を結ぶ直線をSL2とする。言い換えると、主切断面において、対象となる光が入射するレンズ面31の基端部のうち、対象となる光が偏向される低屈折率部45から離間した側に位置する基端部32bと、対象となる光が偏向される低屈折率部45の入光面46と接続面47との接続位置と、を結ぶ直線をSL2とする。図4に示す幾何学的関係から理解されるように、低屈折率部45で偏向させることが意図された光L41、L42のうち本体部40の法線方向ndに対してなす角度が最も大きい光は、前記直線SL2と平行な方向から低屈折率部45に向かう光L42となる。したがって、前記直線SL2と平行な方向から低屈折率部45に向かう光L42を、表示面12に入射させることなく、裏面20bのうちの出光面48に入射させるためには、上述のように、この光L42を入光面46の法線方向ND1に対して裏面20bとは反対側に傾斜した方向から入射させる必要がある。
このため、前記直線SL2と平行な方向から低屈折率部45に向かう光L42を、裏面20bに向けて偏向させるためには、前記主切断面において、表示面12と入光面46とのなす角度θ2は、前記直線SL2に直交する平面P3と表示面12とのなす角度θ4よりも小さくなっていることが好ましい。すなわち、前記主切断面において、入光面46は、前記直線SL2に直交する平面P3と、表示面12と、の間に配置されるのがよい。ここで、平面P3とは、前記直線SL2に直交する方向に向かって、低屈折率部45の表面20aに近接した端部から、裏面20b側に延び出す平面である。表示面12と低屈折率部45の入光面46とのなす角度θ2を、前記直線SL2に直交する平面P3と表示面12とのなす角度θ4よりも小さくすることにより、低屈折率部45に向かう任意の光L41、L42を、その進行方向が本体部40の法線方向ndに対してなす角度が小さくなるように、曲げることができる。
また、金型の作製精度を向上させる観点から、低屈折率部45の入光面46と表示面12とは、第一軸方向d1に直交し本体部40の法線方向ndに平行な面に関して互いに逆側に傾斜しているのがよい。この場合、光学シート20を賦型するための金型に、切欠41を形成するための突起部を精度良く形成することができる。これにより、本体部40に切欠41を高精度に形成することができ、この結果、切欠41内に配置される低屈折率部45を高精度に形成することができる。
ところで、本実施の形態では、上述のように、本体部40の法線方向ndに対して第1軸方向d1における一側に大きく傾斜した方向からレンズ面31に入射した例えば光L25(図2参照)の進行方向を、低屈折率部45で本体部40の法線方向ndに対してなす角度が小さくなるように、大きく変更させる。しかしながら、このような法線方向ndに対して第1軸方向d1における一側に大きく傾斜した方向からレンズ面31に入射した光L25は、表示面12側に導かれもよい。すなわち、進行方向を受光面50aに向けられるようになる入射角度の連続的な角度範囲である第2角度範囲AR2及び表示対象13を連続して観察することができる角度範囲である第1角度範囲AR1とは異なる、法線方向ndに対して第1軸方向d1における一側に大きく傾斜した方向からレンズ面31に入射する光を含む第3角度範囲AR3からレンズ面31に入射する光が、単位レンズ30のレンズ面31Aを通過して、表示面12の第2面40b側の面に到達するように構成されていてもよい。このような構成を実現する場合には、切欠41内を空気層とする等の態様が挙げられる。後述するように、本実施の形態では、照明装置60が表示面12を裏面側から照明して光を透過させることにより、表示面12の視認性を向上させる。この場合においては、レンズ面31Aを通過した光の一部を表示面12の裏面側に導くことで表示面12の視認性を向上させることが可能となる。
ここで図3には、表示面12に形成される表示対象13の一例が示されている。複数の表示面12が、第1軸方向d1に配列されるとともに、各表示面12は、第1軸方向d1に直交する第2軸方向d2に直線状に延びている。したがって、第1軸方向d1における各位置に位置する表示面12が、当該表示面12の第1軸方向d1における位置に応じた表示対象要素13aを付与されることによって、第2軸方向d2に細長く延びる各表示面12に形成された表示対象要素13aの組み合わせとして二次元的な表示対象13を表示することが可能となる。図3に示された例では、アルファベットの大文字の「N」が表示対象13として表示されている。このように、複数の表示対象要素13aの組み合わせとして表示対象13を表示することで、各表示面12および各単位レンズ30のサイズを小さくできるため、第1角度範囲AR1を広げた場合や表示体10のサイズを大きくした場合においても、より良好な表示対象13を観察できるようになる。
この表示面12は、後述するように、照明装置60によって表示面12が積極的に照明される。この結果、表示面12に形成された表示対象13の視認性を向上させることができるようになっている。とりわけ、照明装置60は、光学シート20の裏面20bに対面して配置され、表示面12を裏面20b側から照明する。したがって、この例では、表示面12を透過する光によって表示対象13が表示されるように、表示面12が作製され、表示面12は光透過性を有している。
上述してきた表示面12を内部に含む光学シート20は、一例として、次のようにして作製され得る。まず、図7に示すように、透明樹脂を成型することにより、成型物49を作製する。成型は、熱溶融押出加工や射出成型等を採用することができる。図7に示すように、得られた成型物49には、上述した光学シート20の本体部40の第2面40bとなる部分に、切欠41が形成されている。また、成型物49には、単位レンズ30を含むレンズ部25が賦型されている。その後、図8に示すように、成型物49の切欠41内に、表示面12を形成する。一例として、インクジェット印刷によって、成型物49の切欠41内に、表示対象13を形成する。次に、成型物49よりも低屈折の材料を切欠41内に充填して、低屈折率部45を形成する。以上の工程により、光学シート20が得られる。
次に、主として、図2、図5及び図6を参照しながら、表示体10の作用について説明する。第1軸方向d1は、例えば、単位レンズ30の配列方向である第1軸方向d1が鉛直方向に沿うようにして、配置される。また、表示面12の第1軸方向d1における一側に位置する第1端部12aが、鉛直方向における上側に位置し、表示面12の第1軸方向d1における他側に位置する第2端部12bが、鉛直方向における下側に位置するように、表示体10が配置される。
太陽電池複合型表示体10の最も観察者側には、光学シート20の表面20aをなすレンズ部25が設けられている。レンズ部25の単位レンズ30にて形成されるレンズ面31は、太陽電池複合型表示体10に入射する光または太陽電池複合型表示体10から出射する光に対してレンズ機能を発揮して、当該光の進行方向を調整する。
図6に示すように、レンズ面31は、或る角度範囲AR2内の方向から入射した光を、直接的にあるいは低屈折率部45を利用して、光学シート20の内部に形成された表示面12に入射させることなく、隣り合う表示面12の間を通過させて光学シート20の裏面20bに向ける。光学シート20の裏面20bには、照明装置60の導光板61が対向して配置されている。ただし、導光板61は透光性を有しているため、裏面20bを介して光学シート20から出射した光L61〜L64は、導光板61を透過して、太陽電池パネル50の受光面50aに入射する。したがって、広い角度範囲から入射する光を裏面20bに導き、太陽電池パネル50での発電に利用することが好ましい。とりわけ、太陽光は、時間帯や季節に応じて位置を変化させる。表示体10では、このように時間帯や季節に応じて入射方向を変化させる太陽光を、光学シート20の裏面20bを経由して、太陽電池パネル50の受光面50aに導くことができれば好ましい。すなわち、入射方向を変化させる太陽光を高効率で取り込むにあたり、上述した第2角度範囲AR2が広角化されていることが好ましい。
下記の表1は、世界の幾つかの国の主要な都市における季節ごとの南中高度(°)を示している。使用が想定される国の主要な都市における春分秋分の南中高度が、第2角度範囲AR2に含まれることが好ましい。その国で有効に使用できる可能性が高いからである。例えば、使用されることが想定される国が日本の場合は54°から56°までの高度が第2角度範囲AR2に含まれるようにすればよい。さらに、49°から61°までの高度が第2角度範囲AR2に含まれるようにすれば、世界の多くの国で有効に使用できる可能性が高いため、好ましい。また、使用が想定される国の主要な都市における夏至の南中高度から冬至の南中高度までが第2角度範囲AR2に含まれることがさらに好ましい。その国で一年を通して有効に使用できる可能性が高いからである。例えば、使用されることが想定される国が日本の場合は31°から79°までの高度が第2角度範囲AR2に含まれるようにすればよい。さらに、25°から84°までの高度が第2角度範囲AR2に含まれるようにすれば、世界の多くの国で有効に使用できる可能性が高いため、好ましい。なお、所望の高度が第2角度範囲AR2に含まれることを容易にするために、第2角度範囲AR2の角度範囲が45°程度以上連続していることが好ましい。もっとも、太陽電池複合型表示体10を傾けて配置することによって、所望の高度を第2角度範囲AR2に含まれるようにすることも可能である。一方、第2角度範囲AR2の角度範囲の上限については、第1角度範囲AR1とのバランスで適宜設定すればよいが、135°程度未満とすることによって、後述のように、本実施の形態の太陽電池複合型表示体10の特長をより発揮させることができる。
一方、図5に示すように、表示対象13を表示するための表示面12からレンズ面31に進んだ光は、レンズ面31での屈折により、第1角度範囲AR1内の方向へ出射するようになる。したがって、第1角度範囲AR1から表示面12に形成された表示対象13を観察することができる。この用途において、第1角度範囲AR1は、表示対象13を観察し得る視野角となる。一般的に、視野角である第1角度範囲AR1は、広角化されていることが好ましい。本実施の形態の太陽電池複合型表示体10の特長をより発揮させるために、第1角度範囲AR1の視野角が45°程度以上連続していることが好ましい。なお、第1角度範囲AR1の視野角の上限については、第2角度範囲AR2とのバランスで適宜設定すればよいが、135°程度未満になるケースが多いと考えられる。
また、表示対象13を観察している際に、表示対象13とともに太陽電池パネル50が観察されると、表示対象13の視認性や意匠性を著しく害することになる。したがって、表示対象13が付与された表示面12が観察され得る第1角度範囲AR1は、太陽電池パネル50が観察される可能性のある第2角度範囲AR2と区分けされていること、すなわち重なり合っていないことが好ましい。
この点、上述してきた本実施の形態による太陽電池複合型表示体10では、表示面12は、レンズ面31の光軸odに直交する方向に対して傾斜して広がっている。その一方で、光学シート20の裏面20bは、レンズ面31の光軸odに直交する方向に広がっている。このような太陽電池複合型表示体10では、図5によく示されているように、傾斜した表示面12からレンズ面31を経由して出射する光L52、L53、L54の出射方向の角度範囲である第1角度範囲AR1を、広角化することができる。すなわち、広角化された第1角度範囲AR1から表示面12に形成された表示対象13を観察することができる。
加えて、図示された例では、裏面20bは、本体部40の法線方向ndに沿って各単位レンズ30に対面する全領域に、延び広がっている。光学シート20のシート面に対して表示面12と同じ側に傾斜した方向に沿って進む光は、表示面12に入射することなく、隣り合う二つの表示面12の間を通過して広く延び広がる裏面20bに到達しやすくなる。したがって、広い角度範囲から光学シート20へ入射する光が、裏面20bを経て、太陽電池パネル50の受光面50aへ入射することが可能となる。すなわち、太陽電池パネル50の受光面50aに到達し得る光の光学シート20への角度範囲である第2角度範囲AR2を広角化することができる。
また、表示面12からレンズ面31を経て出射する光の出射方向の角度範囲である第1角度範囲AR1と、太陽電池パネル50の受光面50aに到達し得る光の光学シート20への角度範囲である第2角度範囲AR2とをずらすことが可能となる。とりわけ本実施の形態では、光学シート20の法線方向を間に挟んで、第1角度範囲AR1と第2角度範囲AR2とを区分けすることができる。このため、表示面12を観察する際に、太陽電池パネル50の受光面50aが視認されてしまうことを防止することができる。
なお、第1軸方向d1において他側に進みながらレンズ面31へ入射する光L64(図6参照)であっても、本体部40の法線方向ndに対してなす角度が大きい場合には、当該レンズ面31と隣り合うレンズ面31に対面する表示面12に、光学シート20の裏面20b側から向かっていくこともある。本実施の形態では、このような光L64をも表示面12に入射させることなく裏面20bへ導くために、表示面12の背面側に低屈折率部45が設けられている。この低屈折率部45によれば、図6に示すように、当該低屈折率部45と本体部40のその他の部分との界面をなす入光面46へ入射する光L64の進行方向を、本体部40の法線方向ndに対してなす角度が小さくなるように、曲げることができる。これにより、本体部40の法線方向ndに対して第1軸方向d1における一側に大きく傾斜した方向から単位レンズ30に入射した光L64であっても、表示面12に入射することなく光学シート20を透過することができる。光学シート20を透過した光は、太陽電池パネル50の受光面50aに入射し、太陽電池パネル50での発電に利用され得る。
以上のように、単位レンズ30と太陽電池パネル50の受光面50aとの間の領域で表示面12を傾斜させることにより、太陽電池パネル50の受光面50aに到達し得る光の光学シート20への角度範囲である第2角度範囲AR2および表示面12からレンズ面31を経て出射する光の出射方向の角度範囲である第1角度範囲AR1を調整すること、とりわけ広角化することが可能となる。
ところで、表示対象13が視認可能となるのは、表示面12からレンズ面31に進んで光学シート20から出射する光が確保される場合である。したがって、とりわけ太陽電池複合型表示体10を屋外に設置した場合には、太陽の位置が変化することに起因して、時間帯に応じて、さらには季節に応じて、表示対象13の視認性が変化することになる。この点、第1の実施の形態では、表示面12は、照明装置60からの光によって照明されるようになる。したがって、たとえ屋外に配置されていたとしても、さらに夜間であったとしても、表示面12が照明装置60によって照明されることにより、表示面12の表示対象13を良好に視認することが可能となる。加えて、この照明装置60は、太陽電池パネルで発電された電力を利用して発光するようになっている。したがって、電源や配線等の設置を不要とすることができる点において、例えば屋外に固定される表示体10に対し、非常に有用である。
また、第1の実施の形態によれば、照明装置60の少なくとも一部分は、光学シート20の裏面20bと太陽電池パネル50の受光面50aとの間に配置されている。そして、光学シート20と太陽電池パネル50との間に配置された照明装置60の一部分は、透光性を有している。すなわち、照明装置60は、太陽電池パネル50の受光面50aでの受光を可能にしながら当該受光面50aを覆い、さらに面状に発光している。したがって、照明装置60は、太陽電池パネル50の発電機能を害することなく、発光して受光面50aを不可視化している。このように、太陽電池パネル50の受光面50aを隠すことによって、黒色や暗色からなる受光面50aを含んだ太陽電池パネル50が、太陽電池複合型表示体10の意匠性を崩してしまうことや、太陽電池複合型表示体10が配置される周囲の環境との調和を損なってしまうことを回避することができる。すなわち、太陽電池複合型表示体10の意匠性を改善し、周囲環境との調和を図ることが可能となる。
さらに、第1の実施の形態においては、透光性を有した導光板61が、太陽電池パネル50の受光面50aと光学シート20の裏面20bとの間に配置されている。したがって、受光面50aの全域をむらなく不可視化することが可能となる。これにより、表示体10の意匠性をより効果的に改善し、周囲環境とのより良好な調和を図ることが可能となる。
さらに、第1の実施の形態においては、図2に示すように、表示面12は、レンズ面31の配列方向となる第1軸方向d1において一側に位置する端部が、第1軸方向d1において他側に位置する端部よりも、光学シート20の法線方向においてレンズ面31に近接するように、光学シート20のシート面に対して傾斜している。そして、照明装置60の発光体65は、レンズ面31の配列方向と平行な第1軸方向d1における一側に位置する導光板61の側端面61aに対面して配置されている。なお、図2において、第1軸方向d1における一側とは紙面の上側であり、第1軸方向d1における他側とは紙面の下側である。このような照明装置60では、光学シートの主切断面において、導光板61の表面61bから出射する殆どの光の進行方向は、導光板61内での導光方向に起因して、導光板61の法線方向に対して他側へ傾斜した方向となる。
図2や図5から理解され得るように、光学シートの主切断面において、導光板61の法線方向に対して他側へ傾斜した方向に沿って導光板61の表面61bから出射する光は、第1軸方向d1において一側に位置する第1端部12aが第1軸方向d1において他側に位置する端部よりも光学シート20の法線方向においてレンズ面31に近接するように、光学シート20のシート面に対して傾斜している表示面12へ高い確率で入射する。さらに、表示面12を透過した照明装置60からの多くの光が、レンズ面31へ入射するようになる。すなわち、第1の実施の形態における表示面12と照明装置60との組み合わせによれば、照明装置60からの光によって、表示面12を効率的に照明することができ、これにより、表示対象13を明瞭に表示することが可能となる。
さらに、第1の実施の形態においては、光学シート20の裏面20bと太陽電池パネル50の受光面50aとの間に配置された導光板61が、拡散機能を有している。したがって、太陽電池パネル50の受光面50aをより確実に不可視化することが可能となる。これにより、太陽電池複合型表示体10の意匠性をより効果的に改善し、周囲環境との調和をより図ることが可能となる。
また、太陽電池パネル50の受光面50aへの入射光は、拡散機能を有した導光板61で拡散される。したがって、受光面50a内の各領域に概ね均一な光量で光が入射するようになる。この場合、太陽電池パネル50は、一般的に普及しているいずれの形式の太陽電池パネルであったとしても、優れた発電効率で発電を行うことができる。
以上のような第1の実施の形態の太陽電池複合型表示体10によれば、レンズ面31は、或る方向から入射する光の進行方向を屈折によって太陽電池パネル50の受光面50aへ向け、且つ、表示面12から当該レンズ面31を経由して出射する光の進行方向を屈折によって或る方向とは異なる別の方向へ向けることができる。言い換えると、当該別の方向から入射する光の進行方向を表示面12に到達するように導くことができる。したがって、表示面12に形成された表示対象13を観察する場合に、太陽電池パネル50の受光面50aが視認されないようにすることができる。多くの形式の太陽電池パネルにおいて、受光面は、黒色または暗色となっている。このような太陽電池パネルの受光面が露出していると、意匠性に劣り、また当該太陽電池パネルが設置される領域の周囲環境との調和を損なうことになる。しかしながら、第1の実施の形態による太陽電池複合型表示体10によれば、このような不具合を回避することができる。
また、第1の実施の形態によれば、照明装置60からの光によって表示面12が照明される。したがって、太陽電池複合型表示体10がたとえ屋外に配置されていたとしても、さらに夜間であっても、表示面12が照明装置60によって照明されることにより、表示面12の表示対象13を良好に視認することが可能となる。
そして、この照明装置60は、本体部40の第1面40aよりも第2面40b側に発光体65を配置する。具体的に、発光体65は、光学シート20よりも太陽電池パネル50側に位置している。この場合、照明装置60(発光体65)が、光学シート20に入射する光を阻害することがなく、表示面12の表示対象13の視認性を向上できる。しかも、光の入射が阻害されないため、太陽電池パネル50の発電効率も向上でき、且つ入射された光の一部を表示面12の視認性向上のために利用して表示面12を効果的に照明できる。したがって、照明装置60によって表示対象13を効果的に照明して、意匠性を損なうことなく表示対象13の良好な視認性を確保することができる
加えて、この照明装置60は、太陽電池パネルで発電された電力を利用して発光するようになっている。したがって、例えば屋外に固定される太陽電池複合型表示体10に対し、電源や配線の設置を不要とすることができる点において非常に有用である。このような太陽電池複合型表示体10は、設置場所の選択の自由度が極めて高く、様々な用途で利用可能であり、例えば、屋外看板、道路情報掲示板、建築物の外壁として利用することも可能である。また、太陽電池パネル50の受光面50aに日が射し込んでいない状況においては、蓄電池18に蓄電された電力を利用して、照明装置60を発光させ、表示対象13を表示することが可能となる。
なお、上述した第1の実施の形態に対して様々な変更を加えることが可能である。以下、図面を適宜参照しながら、変形の一例について説明する。以下の説明および以下の説明で用いる図面では、上述した第1の実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の第1の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いるとともに、重複する説明を省略する。
まず、照明装置60についての変形例を説明する。
導光板61の複数の側端面に対面する位置に発光体65がそれぞれ配置されるようにしてもよい。また、導光板61から光を取り出すための手段として、拡散成分64を設けることに代えて又は拡散成分64を設けることに加えて、種々の公知の光取り出し手段を使用することができる。一例として、導光板61の一対の表面61b及び裏面61cが、発光体65から離間するに連れて接近していくように、互いに対して傾斜していてもよい。例えば、導光板61の太陽電池パネル50に対面する裏面61cが、平坦な傾斜面として形成されていてもよいし、曲面として形成されていてもよい。また、導光板61の太陽電池パネル50に対面する裏面61cが、導光板61の概ね法線方向に延びる接続面を介して複数の傾斜面を接続する構成を取ることも可能である。さらに、他の例として、導光板61の表面61b及び裏面61cの少なくとも一方に、光を拡散させる拡散機能を付与することも可能である。表面61b及び裏面61cに拡散機能を付与する構成としては、裏面61cを凹凸面とする構成や、裏面61c上に白色散乱層のパターンを設ける構成を例示することができる。
さらに、導光板61の太陽電池パネル50とは反対側に、種々の光学機能を発揮し得る光学シートを配置してもよい。このような光学シートとして、光を拡散させる拡散シート、導光板61からの出射光の光路を偏向させるプリズムシートやレンズシート等を例示することができる。さらに、表示対象13を表示するための表示面12を有した表示シートを、導光板61の太陽電池パネル50とは反対側に設けるようにしてもよい。
また、導光板61は、光をライン状に光学シート20に向けて照射させる反射ラインを有していてもよい。また、導光板61は、光をドット状に光学シート20に向けて照射させる反射ドットを有していてもよい。このように導光板61が規則的に光を照射可能である構成では、表示面12と対向する位置に光を照射することで、表示面12の表示対象13の視認性の向上を図ることができる。
また、導光板61が光をドット状に光学シート20に向けて照射させる反射ドットを有する場合においては、反射ドットが不規則に配置されてもよい。光学シート20における単位レンズ30が規則的に配置され、導光板61の反射ドットも規則的に配置される場合には、単位レンズ30と反射ドットとのピッチ差によってモアレが生じ、表示対象13において表示の乱れが生じる可能性がある。これに対して、反射ドットが不規則に配置される場合には、単位レンズ30のピッチによらずモアレの発生を抑制できる。
<第2の実施の形態>
次に、主として図9及び図10を参照しながら、第2の実施の形態について説明する。
第2の実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10は、第1の実施の形態と同様に、光学シート20と、光学シート20の背面に配置された太陽電池パネル50と、光学シート20及び太陽電池パネル50の間に少なくとも一部分が配置された照明装置70と、を有している。第2の実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10では、照明装置70が、第1の実施の形態に係る表示体10の照明装置60と異なっており、その他の構成は、第1の実施の形態に係る太陽電池複合型表示体と同一とすることができる。すなわち、第2の実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10において、光学シート20、太陽電池パネル50、蓄電池18及び制御回路19は、上述した第1の実施の形態と同一とすることができる。
なお、第1の実施の形態では、照明装置60の発光体65が、図2及び図3に示すように、平面視において太陽電池パネル50の受光面50aと重ならない位置に配置されていた。一方、第2の実施の形態では、照明装置70の発光体75が、平面視において太陽電池パネル50の受光面50aと重なる位置に配置されている。したがって、第2の実施の形態に係る表示体10の平面形状において、側方へ突出し且つ発光しない部分が存在しない。このため、表示体10の平面形状を小型化させることができ、また、意匠性においても優れる。以下、第2の実施の形態に係る表示体10の照明装置70ついて詳述する。
図11に示すように、照明装置70は、光学シート20の裏面20bと太陽電池パネル50の受光面50aとの間に配置された発光シート71を有している。発光シート71は、光学シート20と太陽電池パネル50の受光面50aとの間に配置され、受光面50aに対面して配置された透光性の支持体72と、支持体72上に互いから離間して設けられた複数の発光体75と、支持体72上に設けられ且つ発光体75に接続した配線73と、を含んでいる。すなわち、発光体75は、本体部40の第1面40aよりも第2面40b側に配置されている。図9に示すように、第2の実施の形態による照明装置70では、太陽電池パネル50で発電された電力を利用して、照明装置70の発光体75から光が射出する。
支持体72は、透光性を有した樹脂やガラス等からなるシート状の部材であり、発光体75を支持する支持部材として機能する。
発光体75は、第1の実施の形態と同様に、種々の公知の発光体を利用することができる。図9及び図10に示された例では、支持体72上に規則的に配列された複数の点状発光体、より具体的には、複数の発光ダイオードによって、発光体75が構成されている。一例として、発光体75は、互いに交差する二方向に、それぞれ、一定の配列ピッチにて支持体72上に配列される。このような発光体75の配列によれば、照明装置70が発光した際における明るさの分布の均一化を図ることができる。
図9に示すように、図示された例において、発光体75は、表示面12に背面側から対面する位置に配置されている。また、図10に点線で示すように、光学シート20のレンズ面31は第2軸方向d2に延びており、各レンズ面31に対応する表示面12の長手方向に沿って、複数の発光体75が、例えば同一ピッチにて、配列されている。ただし、この例に限られず、各レンズ面31に対面する位置に、当該レンズ面31の長手方向に延びる線状の発光体が設けられるようにしてもよい。本実施の形態では、複数の発光体75が、ドット状に光を照射するが、発光体75の配置や構成を変更することで、面発光で光を照射してもよいし、ライン状に光を照射してもよい。
発光体75は、発光した光が主として表示面12に入射するよう、表示面12に対する相対位置に応じて、配向特性を調整されていることが好ましい。この場合、発光体75で発光された光を効率的に表示面12の照明に用いることができる。
配線73は、例えば、銅、アルミニウム、銀等から形成されており、各発光体75と制御回路19との間を延びている。このような発光シート71は、所謂プリント基板として形成され得る。
発光シート71は、当該発光シート71をその法線方向から観察した際に、支持体72の全領域のうちの50%以上の部分が露出するようになっている。すなわち、支持体72の全領域のうちの、配線73や発光体75で覆われている面積が50%未満となっている。このような発光シート71によれば、当該発光シート71を全体として捉えた場合の、光透過率を50%以上に確保することができる。つまり、発光シート71が全体として透光性を確保することが可能となる。
以上の構成からなる第2の実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10によれば、上述した第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
すなわち、第2の実施の形態の太陽電池複合型表示体10によれば、レンズ面31は、或る方向から入射する光の進行方向を屈折によって太陽電池パネル50の受光面50aへ向け、且つ、表示面12から当該レンズ面31を経由して出射する光の進行方向を屈折によって或る方向とは異なる別の方向へ向けることができる。言い換えると、当該別の方向から入射する光の進行方向を表示面12に到達するように導くことができる。したがって、表示面12に形成された表示対象13を観察する場合に、太陽電池パネル50の受光面50aが視認されないようにすることができる。多くの形式の太陽電池パネルにおいて、受光面は、黒色または暗色となっている。表示面12が観察される方向にこのような太陽電池パネルの受光面が露出していると、意匠性に劣り、また当該太陽電池パネルが設置される領域の周囲環境との調和を損なうことになる。しかしながら、第2の実施の形態による太陽電池複合型表示体10によれば、このような不具合を回避することができる。
また、第2の実施の形態によれば、照明装置70からの光によって表示面12が照明される。したがって、太陽電池複合型表示体10がたとえ屋外に配置されていたとしても、さらに夜間であっても、表示面12が照明装置70によって照明されることにより、表示面12の表示対象13を良好に視認することが可能となる。
そして、この照明装置70は、本体部40の第1面40aよりも第2面40b側に発光体75を配置する。具体的に、発光体75は、光学シート20よりも太陽電池パネル50側に位置している。この場合、照明装置70(発光体75)が、光学シート20に入射する光を阻害することがなく、表示面12の表示対象13の視認性を向上できる。しかも、光の入射が阻害されないため、太陽電池パネル50の発電効率も向上でき、且つ入射された光の一部を表示面12の視認性向上のために利用して表示面12を効果的に照明できる。
さらに、太陽電池パネル50で発電された電力を照明装置70の発光に利用することができる。したがって、別途の電源を確保することや、当該別途の電源から照明装置70へ電力供給するための設備や配線を設置することを省略することができる。このような太陽電池複合型表示体10は、設置場所の選択の自由度が極めて高く、様々な用途で利用可能であり、例えば、屋外看板、道路情報掲示板、建築物の外壁として利用することも可能である。また、太陽電池パネル50の受光面50aに日が射し込んでいない状況においては、蓄電池18に蓄電された電力を利用して、照明装置70を発光させ、表示対象13を表示することが可能となる。
また、各表示面12は、光学シート20のシート面および太陽電池パネル50の受光面50aに対して傾斜し、且つ、レンズ面31の光軸odに平行な方向に対して傾斜している。このような太陽電池複合型表示体10によれば、表示面12からの光がレンズ面31を経由して出射するようになる角度範囲である第1角度範囲AR1、言い換えると、表示面12に形成された表示対象13が観察されるようになる角度範囲である第1角度範囲AR1を、高い自由度で調整することが可能となり、とりわけ第1角度範囲AR1を広角化することも可能となる。
さらに、表示面12は、太陽電池パネル50の受光面50aと複数のレンズ面31との間に配置され、太陽電池パネル50の受光面50aに対して傾斜している。このような太陽電池複合型表示体10によれば、太陽電池パネル50の受光面50aに導かれるようになる入射光の角度範囲である第2角度範囲AR2を高い自由度で調整すること、とりわけ第2角度範囲AR2を広角化することも可能となる。加えて、第1角度範囲AR1と第2角度範囲AR2とをずらすことも可能となる。
また、第2の実施の形態によれば、照明装置70をなす発光シート71が、光学シート20の裏面20bと太陽電池パネル50の受光面50aとの間に配置されている。ただし、光学シート20と太陽電池パネル50との間に配置された発光シート71は、透光性を有している。したがって、照明装置70は、太陽電池パネル50の受光面50aでの受光を可能にしながら当該受光面50aを覆い、表示面12を照明することができる。したがって、照明装置70は、太陽電池パネル50の発電機能を害することなく、発光して受光面50aを少なくとも部分的に隠すこともできる。
とりわけ第2の実施の形態においては、複数の発光体75が、発光シート71の支持体72上に分散して配置されている。したがって、発光体75によって、所望の領域をむらなく照明することが可能となる。とりわけ図示された例では、発光体75は、表示面12に対面する位置に配置されており、表示面12を効率的に照明することができる。
また図示された例において、発光体75は、単位レンズ30とは反対の側から表示面12に対面する位置に配置されている。したがって、図9に示すように、表示面12を透過した発光体75からの多くの光L111が、レンズ面31へ入射するようになる。すなわち、照明装置70からの光によって、表示対象13を表示するための照明を効率的に行うことができる。
以上において、第2の実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10を説明したが、第2の実施の形態に対して種々の変形を加えることが可能である。例えば、光学シート20については、第1の実施の形態と同様の変形が可能である。また、以下に説明するように、照明装置70についても種々の変形が可能である。以下の説明では、上述の実施の形態と同様に構成され得る部分について、上述の実施の形態における対応する部分に対して用いた符号と同一の符号を用いるとともに、重複する説明を省略する。
まず、発光シート71の支持体72が拡散機能を有するようにしてもよい。支持体72に拡散機能を付与する構成としては、支持体72が拡散成分を含有する構成や、支持体72が凹凸面を有する構成を採用することができる。また、発光シート71と光学シート20との間、又は、光学シート20と太陽電池パネル50との間に、光を拡散可能な拡散シートを設けるようにしてもよい。照明装置70が拡散機能を有する場合、太陽電池パネル50の受光面50aを効果的に不可視化することが可能となる。これにより、太陽電池複合型表示体10の意匠性をより効果的に改善し、周囲環境との調和をより図ることが可能となる。また、太陽電池パネル50の受光面50aへの入射光が照明装置70で拡散されると、受光面50a内の各領域に概ね均一な光量で光が入射するようになる。この場合、太陽電池パネル50は、一般的に普及しているいずれの形式の太陽電池パネルであったとしても、優れた発電効率で発電を行うことができる。
さらに、発光シート71に代えて、公知となっている透光性の照明装置や透光性の表示装置を用いることができる。透光性の照明装置や透光性の表示装置としては、例えば、一対の電極が共に透明導電体で形成された有機EL照明装置や有機EL表示装置を例示することができる。
また、本実施の形態では、発光体75を支持する支持体72が透光性を有するが、発光体75の支持のために非透光性の支持体が採用されてもよい。この場合には、当該非透光性支持体に、太陽電池パネル50及び発光体75が、第1軸方向d1に交互に配列された状態で配置されてもよい。すなわち、図9において符号Sで示す隣り合う発光体75の間の領域Sに太陽電池パネルが配置されてもよい。
<第3の実施の形態>
次に、主として図11〜図13を参照しながら、第3の実施の形態について説明する。
第3の実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10は、第1及び第2の実施の形態と同様に、光学シート20と、光学シート20の背面に配置された太陽電池パネル50と、表示面12を照明する照明装置80と、を有している。第3の実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10では、照明装置80が、第1及び第2の実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10の照明装置60,70と異なっており、その他の構成は、第1及び第2の実施の形態に係る太陽電池複合型表示体と同一とすることができる。すなわち、第3の実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10において、光学シート20、太陽電池パネル50、蓄電池18及び制御回路19は、上述した第1及び第2の実施の形態と同一とすることができる。なお、太陽電池パネル50は、本体部40の法線方向において表示面12に対してずれて配置されている。
図11〜図13に示すように、第3の実施の形態に係る表示体10では、照明装置80が、光学シート20の側端面20cに対面して配置された複数の発光体85を有している。発光体85が対面して配置されるようになる側端面20cは、光学シート20の第2軸方向d2に対向する一対の側端面20cである。図12に示す例では、第2軸方向d2に対向する一対の側端面20cのそれぞれに対面して発光体85が配置されている。すなわち、発光体85は、本体部40の第1面40aよりも第2面40b側に配置されている。ただし、この例に限られず、一対の側端面20cのうちの一方のみに対面して発光体85が配置されるようにしてもよい。
発光体85は、第1及び第2の実施の形態と同様に、種々の公知の発光体を利用することができる。図11〜図13に示された例では、第1軸方向d1に配列された複数の点状発光体、より具体的には、複数の発光ダイオードによって、発光体85が構成されている。また、図示された例において、各発光体85は、各単位レンズ30に対応してそれぞれ設けられている。発光体85は、対応する単位レンズ30から光学シート20の法線方向ndにずれて、光学シート20の本体部40に対面している。ただし、図示された例に限られず、光学シート20の側端面20cに沿うようにして、単位レンズ30よりも狭ピッチで点状の発光体が第1軸方向d1に配列されていてもよい。また、光学シート20の側端面20cに沿うようにして、第1軸方向d1に延びる線状の発光体が設けられていてもよい。
図11に示すように、第3の実施の形態による照明装置80では、太陽電池パネル50で発電された電力を利用して、照明装置80の発光体85から光が射出する。図11及び図13に示すように、発光体85から射出された光L131,L151は、光学シート20の側端面20cを介して光学シート20に入射する。光学シート20へ入射した光L131,L151は、光学シート20の表面20a及び裏面20bにおいて、反射、とりわけ光学シート20をなす材料と空気との屈折率差に起因して全反射を繰り返し、光学シート20内を進んでいく。なお、単位レンズ30は、裏面20bから離間する側に突出した凸レンズとして形成されている。したがって、光学シート20内を進む光L151は、第1軸方向d1へ進むことを抑制され、概ね、図13に示すように、第2軸方向d2に進むようになる。
ただし、単位レンズ30のレンズ面31に対面する位置には、表示対象13を形成された表示面12が設けられている。そして、レンズ面31が裏面20bと非平行であることから、表面20a及び裏面20bでの反射を繰り返して光学シート20内を進む光L131,L151は、表示面12にも入射するようになる。そして、当該光L131,L151は、表示面12で拡散されて不規則に進行方向を変更され、光学シート20から出射するようになる。
以上のように、第3の実施の形態では、表示面12で拡散された光、とりわけ拡散反射された光によって、表示対象13が表示されるようになる。したがって、第3の実施の形態では、表示面12で反射する光によって表示対象13が表示されるように、表示面12が作製されていることが好ましい。また、第3の実施の形態では、表示面12が拡散機能を有するようにしてもよい。表示面12に拡散機能を付与する方法として、表示面12の表面を粗面とすることや、拡散性を有したインキで表示対象13を形成することが、例示される。
以上の構成からなる第3の実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10によれば、上述した第1や第2の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
すなわち、第3の実施の形態の太陽電池複合型表示体10によれば、レンズ面31は、或る方向から入射する光の進行方向を屈折によって太陽電池パネル50の受光面50aへ向け、且つ、表示面12から当該レンズ面31を経由して出射する光の進行方向を屈折によって或る方向とは異なる別の方向へ向けることができる。言い換えると、当該別の方向から入射する光の進行方向を表示面12に到達するように導くことができる。したがって、表示面12に形成された表示対象13を観察する場合に、太陽電池パネル50の受光面50aが視認されないようにすることができる。多くの形式の太陽電池パネルにおいて、受光面は、黒色または暗色となっている。表示面12が観察される方向にこのような太陽電池パネルの受光面が露出していると、意匠性に劣り、また当該太陽電池パネルが設置される領域の周囲環境との調和を損なうことになる。しかしながら、第3の実施の形態による太陽電池複合型表示体10によれば、このような不具合を回避することができる。
また、第3の実施の形態によれば、照明装置80からの光によって表示面12が照明される。したがって、太陽電池複合型表示体10がたとえ屋外に配置されていたとしても、さらに夜間であっても、表示面12が照明装置80によって照明されることにより、表示面12の表示対象13を良好に視認することが可能となる。
そして、この照明装置80は、本体部40の第1面40aよりも第2面40b側に発光体85を配置する。具体的に、発光体85は、光学シート20の表面20aよりも太陽電池パネル50側に位置している。この場合、照明装置80(発光体85)が、光学シート20に入射する光を阻害することがなく、表示面12の表示対象13の視認性を向上できる。しかも、光の入射が阻害されないため、太陽電池パネル50の発電効率も向上でき、且つ入射された光の一部を表示面12の視認性向上のために利用して表示面12を効果的に照明できる。
さらに、太陽電池パネル50で発電された電力を照明装置80の発光に利用することができる。したがって、別途の電源を確保することや、当該別途の電源から照明装置80へ電力供給するための設備や配線を設置することを省略することができる。このような太陽電池複合型表示体10は、設置場所の選択の自由度が極めて高く、様々な用途で利用可能であり、例えば、屋外看板、道路情報掲示板、建築物の外壁として利用することも可能である。また、太陽電池パネル50の受光面50aに日が射し込んでいない状況においては、蓄電池18に蓄電された電力を利用して、照明装置80を発光させ、表示対象13を表示することが可能となる。
また、各表示面12は、光学シート20のシート面および太陽電池パネル50の受光面50aに対して傾斜し、且つ、レンズ面31の光軸odに平行な方向に対して傾斜している。このような太陽電池複合型表示体10によれば、表示面12からの光がレンズ面31を経由して出射するようになる角度範囲である第1角度範囲AR1、言い換えると、表示面12に形成された表示対象13が観察されるようになる角度範囲である第1角度範囲AR1を、高い自由度で調整することが可能となり、とりわけ第1角度範囲AR1を広角化することも可能となる。
さらに、表示面12は、太陽電池パネル50の受光面50aと複数のレンズ面31との間に配置され、太陽電池パネル50の受光面50aに対して傾斜している。このような太陽電池複合型表示体10によれば、太陽電池パネル50の受光面50aに導かれるようになる入射光の角度範囲である第2角度範囲AR2を高い自由度で調整すること、とりわけ第2角度範囲AR2を広角化することも可能となる。加えて、第1角度範囲AR1と第2角度範囲AR2とをずらすことも可能となる。
また、第3の実施の形態によれば、照明装置80は、レンズ面31が線状に延びる方向と平行な第2軸方向d2における一側または他側に位置する光学シート20の側端面20cに対面して配置された発光体85を有している。このような照明装置80の構成は、非常に簡易であるだけでなく、太陽電池パネル50と光学シート20との間に何らかの部材を配置する必要性を省くことができる。このため、太陽電池パネル50を光学シート20に近接して配置することができ、表示体10を小型化することが可能となる。これにより、表示体10の設置場所の自由度がさらに向上する。
以上において、第3の実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10を説明したが、第3の実施の形態に対して種々の変形を加えることが可能である。例えば、光学シート20については、第1や第2の実施の形態と同様の変形が可能である。また、既に説明したように、照明装置80についても種々の変形が可能である。
<第4の実施の形態>
次に、主として図14及び図15を参照しながら、第4の実施の形態について説明する。
第4の実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10は、第1〜第3の実施の形態と同様に、光学シート20と、太陽電池パネル50と、表示面12と、表示面12を照明する照明装置60と、を有している。第4の実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10は、主として太陽電池パネル50の配置に関して、第1〜第3の実施の形態と異なっている。また、第4の実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10は、太陽電池パネル50の相違に関連して、光学シート20も第1〜第3の実施の形態と若干異なっている。
一方、第4の実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10は、第1の実施の形態と概ね同様の照明装置60を有している。ただし、第4の実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10の照明装置60は、太陽電池パネル50の配置に関連して、太陽電池パネル50及び表示面12を挟んで本体部40の第2面40bに対向して配置される点、及び、光学シート20に対面する側とは反対側に反射シート68を有している点において、第1の実施の形態の照明装置と異なっているが、その他において第1の実施の形態の照明装置と同一に構成され得る。また、第4の実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10は、第1〜第3の実施の形態と同一の蓄電池18及び制御回路19を有している。ただし、図14及び図15において、蓄電池18及び制御回路19の図示は省略している。
図14及び図15に示すように、第4の実施の形態では、複数の太陽電池パネル50が、複数のレンズ面31に対向する位置に設けられている。各太陽電池パネル50の受光面50aは、レンズ面31の配列方向である第1軸方向d1に表示面12と交互に配列されている。第4の実施の形態では、複数の太陽電池パネル50及び複数の表示体12が、光学シート20の複数のレンズ面31と照明装置60との間に配置されている。したがって、太陽電池パネル50の受光面50aは、表示面12と同様に、例えば、光学シート20の内部、光学シート20のレンズ面31に対向する裏面20b上、光学シート20のレンズ面31側とは反対側に形成された切欠41内に設けられ得る。図示された例において、受光面50aは、表示面12と同様に、光学シート20の内部に配置されている。
太陽電池パネル50は、受光面50aで受光した光を電気エネルギーに変換する発電装置であり、第1〜第3の実施の形態の太陽電池パネル50と同様に、種々の形態の装置を利用することができる。各太陽電池パネル50は、制御回路19を介して照明装置60の発光体65に接続されている。したがって、第4の実施の形態による照明装置60でも、太陽電池パネル50で発電された電力を利用して、照明装置60の発光体65から光が射出し得る。
第4の実施の形態における太陽電池複合型表示体10において、表示面12および照明装置60の導光板61及び発光体65は、第1の実施の形態と同様に構成され得る。したがって、表示対象13を連続して観察することができる角度範囲である第1角度範囲AR1を高い自由度で調整すること、とりわけ第1角度範囲AR1を広角化することができる。また、照明装置60によって効率的に表示面12を照明することができ、これにより、表示面12の視認性を効果的に向上させることができる。さらに、第4の実施の形態における太陽電池複合型表示体10では、進行方向を受光面50aに向けられるようになる入射角度の連続的な角度範囲である第2角度範囲AR2を高い自由度で調整し得るようにするための工夫もなされている。この結果、第4の実施の形態における太陽電池複合型表示体10でも、受光面50aを十分に不可視化しながら、表示対象13を優れた視認性で表示することが可能となる。以下、太陽電池パネル50の受光面50aに関する構成について、さらに詳述する。
上述したように第4の実施の形態では、太陽電池パネル50の受光面50a及び表示面12は、本体部40内に配置されている。すなわち、表示面12は、切欠41における第2切欠面43に設けられている。図14に示すように、各受光面50aは、当該受光面50aに対応する一つの単位レンズ30に対向して配置され、各表示面12も、当該表示面12に対応する一つの単位レンズ30に対向して配置されている。各単位レンズ30に対応して配置された表示面12は、当該単位レンズ30に対応して配置された受光面50aよりも、第1軸方向d1における一側に配置されている。ここで、第1軸方向d1における一側とは、図14及び図15における紙面の上側のことである。
上述した第1〜第3の実施の形態と同様に、表示面12は、第1軸方向d1に配列され、光学シート20のシート面に対して傾斜している。太陽電池パネル50の受光面50aは、第1軸方向d1に配列され、本体部40のシート面に対して表示面12とは異なる角度で傾斜している。
一方、表示面12とは異なる角度で傾斜した受光面50aは、対応する単位レンズ30と法線方向ndに沿って少なくとも部分的に対面するようにして、配置されている。第4の本実施の形態では、受光面50aは、単位レンズ30と同様に、配列方向である第1軸方向d1と交差する方向、より厳密には、第1軸方向d1と直交する第2軸方向d2に直線状に延びている。なお、図示された例において、単位レンズ30に対応して多数設けられた太陽電池パネル50及びその受光面50aは、互いに同一に構成されている。
各受光面50aは、本体部40のシート面、すなわち、光学シート20のシート面に対して傾斜し、レンズ面31の光軸odに平行な方向に対しても傾斜している。すなわち、各受光面50aは、本体部40のシート面、及び、レンズ面31の光軸odに平行な方向のいずれとも非平行になっている。このように傾斜した受光面50aによれば、上述した表示面12からレンズ面31を経由して出射する光と逆向きに進む光の光路を考慮すれば理解することができるように、進行方向を受光面50aに向けられるようになる入射角度の連続的な角度範囲である第2角度範囲AR2を高い自由度で調整すること、とりわけ第2角度範囲AR2を広角化することが可能となる。
図14に示すように、各受光面50aは、第1軸方向d1において他側(下側)に位置する第2端部56bが、第1軸方向d1において一側(上側)に位置する第1端部56aよりも、光学シート20の法線方向ndにおいて表面20aに近接するように、光学シート20のシート面に対して傾斜している。したがって、受光面50aの第2端部56bは、受光面50aの第1端部56aよりも、光学シート20の法線方向ndにおいて単位レンズ30のレンズ面31に近接している。図14及び図15から理解され得るように、このような受光面50aには、法線方向ndに対して一側(上側)に傾斜した角度範囲からの光が、入射しやすくなる。
このような傾向を強化する観点から、光学シートの主切断面において、受光面50aは、第1軸方向d1における他側(下側)から一側(上側)に向けて、段階的又は連続的に、光学シートの法線方向ndにおいて単位レンズ30から離間していくことが好ましい。図示された例において、受光面56は平面として形成されている。そして、図14及び図15に示された光学シートの主切断面において、受光面50aは、第1軸方向d1における他側から一側に向けて、連続的に一定の傾斜の程度で、光学シートの法線方向ndに沿って単位レンズ30から離間していく。このような受光面50aには、法線方向ndに対して一側(上側)に傾斜した広い角度範囲からの光が、入射しやすくなる。
図示された実施の形態では、図14に示された光学シートの主切断面において、受光面50aの第1軸方向d1における一側(上側)の端部である第1端部56aは、当該受光面50aに対応するレンズ面31の先端部32aと、第1軸方向d1において同一位置に位置している。また、図14に示された光学シートの主切断面において、受光面50aの第1軸方向d1における他側(下側)の端部である第2端部56bは、当該受光面50aに対応するレンズ面31の第1軸方向d1における他側の基端部32bよりも、第1軸方向d1において他側に位置している。
次に、受光面50aと表示面12との配置関係について述べる。図14に示すように、受光面50aの第2端部56bと、表示面12の第1端部12aと、の間の間隔は、受光面50aの第1端部56aと、表示面12の第2端部12bと、の間の間隔よりも、広くなっている。さらに、受光面50a上の各位置と、対応する表示面12との間の間隔は、段階的又は連続的に変化していく。本実施の形態では、受光面50a上の各位置と、対応する表示面12との第1軸方向d1に沿った間隔が、当該受光面50a上の位置が光学シートの法線方向ndに沿って単位レンズ30から離間するにつれて、段階的又は連続的に狭くなっていく。したがって、受光面50aの第1端部56aと表示面12の第2端部12bとが最も接近する。図示された実施の形態では、受光面50aの第1端部56aと表示面12の第2端部12bとが繋がっている。もっとも、受光面50aの第1端部56aと表示面12の第2端部12bとは、互いに離間していてもよい。
また、図14に示すように、繋がった受光面50aの第1端部56aと表示面12の第2端部12bとの接続領域が、光学シートの主切断面において、光学シートの法線方向ndに進む平行光束L163がレンズ面31に入射した際におけるレンズ面31の焦点位置fp上に位置している。すなわち、繋がった受光面50aの第1端部56aと表示面12の第2端部12bとの接続領域は、レンズ面31の光軸od上に位置している。このような太陽電池複合型表示体10によれば、光学シート20の法線方向ndを境界として、第1角度範囲AR1と第2角度範囲AR2とを切り分けることが可能となる。
また、図14に示すように、受光面50aの第2端部56bは、第1軸方向d1における他側で当該受光面50aと隣り合う表示面12の第1端部12aと繋がっている。繋がった受光面50aの第2端部56bと表示面12の第1端部12aとの接続領域は、隣り合う二つのレンズ面31の基端部32b間を接続する接続面38から、光学シートの法線方向ndに沿って離間した位置に位置している。もっとも、受光面50aの第2端部56bは、第1軸方向d1における他側で当該受光面50aと隣り合う表示面12の第1端部12aから、離間していてもよい。
以上の第4の実施の形態による太陽電池複合型表示体10によれば、次の作用効果を奏することができる。
まず、第1〜第3の実施の形態と同様に、各表示面12は、光学シート20のシート面に対して傾斜し、且つ、レンズ面31の光軸odに平行な方向に対して傾斜している。このような太陽電池複合型表示体10によれば、表示面12からの光がレンズ面31を経由して出射するようになる角度範囲である第1角度範囲AR1、言い換えると、表示面12に形成された表示対象13が観察されるようになる角度範囲である第1角度範囲AR1を、高い自由度で調整することが可能となり、とりわけ第1角度範囲AR1を広角化することも可能となる。
一方、表示面12とは異なる角度で傾斜した受光面50aは、図15に示すように、表示面12に入射する光とは異なる方向から入射する光L172,L173,L174を効率的に受光することが可能となる。図15によく示されているように、受光面50aは、当該受光面50aに正面から向かってくる光L172,L173,L174を効率的に受光することができる。図15に示す例では、受光面50aがレンズ面31の光軸odに対して第1軸方向d1における他側に傾斜しているため、当該光軸odに対して第1軸方向d1における一側に傾斜した方向からレンズ面31に入射する光L172,L173,L174、を効率的に受光することが可能となる。したがって、本実施の形態によれば、図15に示すように、光軸odに対して第1軸方向d1における一側に大きく傾斜した方向からレンズ面31に入射する光L174も、入射したレンズ面31に対向する受光面50aにて受光されるようになる。
すなわち、受光面50aを本体部40のシート面に対して傾斜させることにより、受光面50aに導かれるようになる光学シートへの入射方向の角度範囲である第2角度範囲AR2を、高い自由度で調整することができ、とりわけ広角化させることができる。とりわけ、受光面50aは、光学シート20の裏面20bよりも単位レンズ30に接近した本体部40内で本体部40のシート面に対して傾斜している。これにより、光学シートの法線方向に対して傾斜した光L172,L173,L174を、受光面50aは、正面から受光することになる。この結果、受光面50aは、光軸odに対して傾斜した広範な方向から向かってくる光L172,L173,L174を有効に受光することが可能となり、第2角度範囲AR2を広角化させることができる。
以上のように、第4の実施の形態による太陽電池複合型表示体10によれば、進行方向を受光面50aに向けられるようになる入射角度の連続的な角度範囲である第2角度範囲AR2を高い自由度で調整すること、とりわけ第2角度範囲AR2を広角化させることができる。したがって、第4の実施の形態による太陽電池複合型表示体10では、時間帯や季節に応じて入射方向を変化させる太陽光を、効率的に受光して、太陽電池パネル50での発電に利用することが可能となる。
ところで、表示面12に形成された表示対象13を観察している際に、表示対象13とともに太陽電池パネル50の受光面50aに重ねられた太陽電池パネル50が観察されると、表示対象13の視認性や意匠性を著しく害することになる。したがって、表示対象13が形成された表示面12が観察され得る第1角度範囲AR1は、太陽電池パネル50が観察されるようになる第2角度範囲AR2と区分けされていること、すなわち重なり合っていないことが好ましい。
そこで、第4の実施の形態の太陽電池複合型表示体10では、図14に示すように、各表示面12が、対応する受光面50aよりも、第1軸方向d1における一側に配置されている。そして、各受光面50aは、第1軸方向d1において他側に位置する第2端部56bが、第1軸方向d1において一側に位置する第1端部56aよりも、光学シートの法線方向ndにおいて単位レンズ30に近接するように、本体部40のシート面に対して傾斜し、各表示面12は、第1軸方向d1において一側に位置する第1端部12aが、第1軸方向d1において他側に位置する第2端部12bよりも、光学シートの法線方向ndにおいて単位レンズ30に近接するように、本体部40のシート面に対して傾斜している。
このような第4の実施の形態によれば、光学シートの法線方向ndに対して第1軸方向d1における他側に傾斜した方向から光学シート20へ入射する光、言い換えると第1軸方向d1において一側に進みながら光学シート20へ入射する光を、受光面50aよりも表示面12に選択的に導くことができる。言い換えると、表示面12からの光L161(図14参照)は、光学シートの法線方向ndに対して第1軸方向d1における他側に傾斜した方向へ出射しやすくなる。また、光学シートの法線方向ndに対して第1軸方向d1における一側に傾斜した方向から光学シート20へ入射する光L162(図14参照)、言い換えると第1軸方向d1において他側に進みながら光学シート20へ入射する光L162を、表示面12よりも受光面50aに選択的に導くことができる。
つまり、このような形態によれば、受光面50aに導かれるようになる光学シート20への入射方向の角度範囲である第2角度範囲AR2が、光学シートの法線方向ndに対して第1軸方向d1における一側に傾斜した方向に対応し、表示面12からレンズ面31を経由して光学シート20から出射する方向の角度範囲である第1角度範囲AR1が、光学シートの法線方向ndに対して第1軸方向d1における他側に傾斜した方向に対応する。このため、第1角度範囲AR1と第2角度範囲AR2とが、区分けされやすくなる。言い換えると、第1角度範囲AR1と第2角度範囲AR2とが、重なり合いにくくなる。これにより、第1角度範囲AR1及び第2角度範囲AR2をそれぞれ有効に広角化させることができる。
このように第1角度範囲AR1と第2角度範囲AR2との重なり合いが少なくなれば、さらには第1角度範囲AR1と第2角度範囲AR2とを切り分けることが可能となれば、表示面12に付与された表示対象13を観察している際に、表示対象13とともに太陽電池パネル50の受光面50aが観察されることを効果的に防止することが可能となる。この場合、表示対象13の視認性や表示対象13の意匠性を改善することができる。
また、受光面50aの第2端部56bと、表示面12の第1端部12aと、の間の間隔は、受光面50aの第1端部56aと、表示面12の第2端部12bと、の間の間隔よりも、広くなっている。このような形態によれば、受光面50aと表示面12とをバランスよく配置することができ、第1角度範囲AR1と第2角度範囲AR2とを、区分けすることが可能となる。
さらに、受光面50a上の各位置と、対応する表示面12との第1軸方向d1に沿った間隔が、当該受光面50a上の位置が光学シートの法線方向ndに沿って単位レンズ30から離間するにつれて、狭くなっていく。このような形態によれば、受光面50aが、表示面12からレンズ面31を経由して光学シート20から出射すべき光を遮ってしまうこと、あるいは、表示面12が、受光面50aへ入射すべき光を遮ってしまうこと、を効果的に抑制することができる。
さらに、受光面50aの第1軸方向d1において一側に位置する第1端部56aは、表示面12の第1軸方向d1において他側に位置する第2端部12bと繋がっている。このような形態によれば、受光面50aの第1端部56aと表示面12の第2端部12bとの間を、レンズ面31で曲げられた光が透過することを防止することができる。この結果、光学シート20に入射する光を、太陽電池パネル50での発電または表示対象13の表示に効率よく利用することができる。
とりわけ、受光面50aの第1端部56aと表示面12の第2端部12bとの接続領域は、光学シートの法線方向ndに進む平行光束L163,L171がレンズ面31に入射した際におけるレンズ面31の焦点位置fp上に位置している。このような光学シート20によれば、光学シートの法線方向ndを境界として、第1角度範囲AR1と第2角度範囲AR2とを切り分けることが可能となる。
さらに、受光面50aの第1軸方向d1において他側に位置する第2端部56bは、第1軸方向d1における他側で当該受光面56と隣り合う表示面12の、第1軸方向d1において一側に位置する第1端部12aと繋がっている。このような形態によれば、受光面50aの第2端部56bと、隣り合う表示面12の第1端部12aと、の間を、光学シート201に入射した光が透過することを防止することができる。この結果、光学シート20に入射する光を、太陽電池パネル50での発電または表示対象13の表示に効率よく利用することができる。
また、第4の実施の形態は、第1〜3の実施の形態と同様に、表示面12を照明する照明装置60を有している。したがって、たとえ屋外に配置されていたとしても、さらに夜間であったとしても、表示面12が照明装置60によって照明されることにより、表示面12の表示対象13を良好に視認することができる。加えて、この照明装置60は、太陽電池パネルで発電された電力を利用して発光するようになっている。したがって、例えば屋外に固定される太陽電池複合型表示体10に対し、電源や配線の設置を不要とすることができる点において非常に有用である。
また、第4の実施の形態における照明装置60は、光学シート20の側とは反対となる側から導光板61に対面して配置された反射シート68を、有している。この反射シート68によれば、光学シート20の側とは反対側へ向けて導光板61から出射する光を、光学シート20側へ戻すことができる。したがって、照明装置60からの光を有効に利用して表示面12を照明することができる。
なお、第4の実施の形態における照明装置60は、反射シート68を有することを除き、第1の実施の形態と同様に構成さ得る。したがって、重複する記載は省略するが、第4の実施の形態においても、第1の実施の形態において説明した照明装置60に起因する作用効果を奏することができる。
以上のような第4の実施の形態の太陽電池複合型表示体10によれば、レンズ面31は、或る方向から入射する光の進行方向を屈折によって太陽電池パネル50の受光面50aへ向け、且つ、表示面12から当該レンズ面31を経由して出射する光の進行方向を屈折によって或る方向とは異なる別の方向へ向けることができる。言い換えると、当該別の方向から入射する光の進行方向を表示面12に到達するように導くことができる。したがって、表示面12に形成された表示対象13を観察する場合に、太陽電池パネル50の受光面50aが視認されないようにすることができる。多くの形式の太陽電池パネルにおいて、受光面は、黒色または暗色となっている。このような太陽電池パネルの受光面が露出していると、意匠性に劣り、また当該太陽電池パネルが設置される領域の周囲環境との調和を損なうことになる。しかしながら、第4の実施の形態による太陽電池複合型表示体10によれば、このような不具合を回避することができる。
また、第4の実施の形態によれば、照明装置60からの光によって表示面12が照明される。したがって、太陽電池複合型表示体10がたとえ屋外に配置されていたとしても、さらに夜間であっても、表示面12が照明装置60によって照明されることにより、表示面12の表示対象13を良好に視認することが可能となる。
そして、この照明装置60は、本体部40の第1面40aよりも第2面40b側に発光体65を配置する。具体的に、発光体65は、光学シート20よりも太陽電池パネル50側に位置している。この場合、照明装置60(発光体65)が、光学シート20に入射する光を阻害することがなく、表示面12の表示対象13の視認性を向上できる。しかも、光の入射が阻害されないため、太陽電池パネル50の発電効率も向上でき、且つ入射された光の一部を表示面12の視認性向上のために利用して表示面12を効果的に照明できる。
さらに、太陽電池パネル50で発電された電力を照明装置60の発光に利用することができる。したがって、別途の電源を確保することや、当該別途の電源から照明装置60へ電力供給するための設備や配線を設置することを省略することができる。このような太陽電池複合型表示体10は、設置場所の選択の自由度が極めて高く、様々な用途で利用可能であり、例えば、屋外看板、道路情報掲示板、建築物の外壁として利用することも可能である。また、太陽電池パネル50の受光面50aに日が射し込んでいない状況においては、蓄電池18に蓄電された電力を利用して、照明装置60を発光させ、表示対象13を表示することが可能となる。
以上において、第4の実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10を説明したが、第4の実施の形態に対して種々の変形を加えることが可能である。例えば、照明装置60については、第1の実施の形態と同様の変形が可能である。
また、太陽電池パネル50が、照明装置60からの照明光を有効に受光することができるよう、受光面50aと対向する面が、第2受光面として形成されていてもよい。
<第5の実施の形態>
次に、主として図16を参照しながら、第5の実施の形態について説明する。
第5の実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10は、第1〜4の実施の形態と同様に、光学シート20と、太陽電池パネル50と、表示面12と、表示面12を照明する照明装置70と、を有している。図16に示された第5の実施の形態に係る表示体10は、光学シート20、太陽電池パネル50及び表示面12に関して、第4の実施の形態と同様に構成されている。
一方、図16に示された第5の実施の形態に係る表示体10は、照明装置70に関して、第2の実施の形態と同様に構成され得る。ただし、第5の実施の形態において、太陽電池パネル50は、レンズ面31と照明装置70の発光シート71との間に位置している。したがって、発光シート71は、透過性を有している必要はない。このため、発光シート71の支持体72は、透光性を有していなくてもよい。支持体72は、反射性、とりわけ拡散反射性を有するようにしてもよい。支持体72が入射光を反射することにより、支持体72に入射する光を、太陽電池パネル50での発電または表示対象13の表示に効率よく利用することができる。
以上の構成からなる第5の実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10によれば、レンズ面31は、或る方向から入射する光の進行方向を屈折によって太陽電池パネル50の受光面50aへ向け、且つ、表示面12から当該レンズ面31を経由して出射する光の進行方向を屈折によって或る方向とは異なる別の方向へ向けることができる。言い換えると、当該別の方向から入射する光の進行方向を表示面12に到達するように導くことができる。したがって、表示面12に形成された表示対象13を観察する場合に、太陽電池パネル50の受光面50aが視認されないようにすることができる。多くの形式の太陽電池パネルにおいて、受光面は、黒色または暗色となっている。表示面12が観察される方向にこのような太陽電池パネルの受光面が露出していると、意匠性に劣り、また当該太陽電池パネルが設置される領域の周囲環境との調和を損なうことになる。しかしながら、第5の実施の形態による太陽電池複合型表示体10によれば、このような不具合を回避することができる。
また、第5の実施の形態によれば、照明装置70からの光によって表示面12が照明される。したがって、太陽電池複合型表示体10がたとえ屋外に配置されていたとしても、さらに夜間であっても、表示面12が照明装置70によって照明されることにより、表示面12の表示対象13を良好に視認することが可能となる。
そして、この照明装置70は、本体部40の第1面40aよりも第2面40b側に発光体75を配置する。具体的に、発光体75は、光学シート20よりも太陽電池パネル50側に位置している。この場合、照明装置70(発光体75)が、光学シート20に入射する光を阻害することがなく、表示面12の表示対象13の視認性を向上できる。しかも、光の入射が阻害されないため、太陽電池パネル50の発電効率も向上でき、且つ入射された光の一部を表示面12の視認性向上のために利用して表示面12を効果的に照明できる。
さらに、太陽電池パネル50で発電された電力を照明装置70の発光に利用することができる。したがって、別途の電源を確保することや、当該別途の電源から照明装置70へ電力供給するための設備や配線を設置することを省略することができる。このような太陽電池複合型表示体10は、設置場所の選択の自由度が極めて高く、様々な用途で利用可能であり、例えば、屋外看板、道路情報掲示板、建築物の外壁として利用することも可能である。また、太陽電池パネル50の受光面50aに日が射し込んでいない状況においては、蓄電池18に蓄電された電力を利用して、照明装置70を発光させ、表示対象13を表示することが可能となる。
その他、第5の実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10によれば、上述した第1〜第4の実施の形態と同様の構成に起因して、上述した第1〜第4の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
以上において、第5の実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10を説明したが、第5の実施の形態に対して種々の変形を加えることが可能である。例えば、照明装置70については、第2の実施の形態と同様の変形が可能である。また、光学シート20、太陽電池パネル50及び表示面12についても、第4の実施の形態と同様に種々の変形を加えることが可能である。
<第6の実施の形態>
次に、主として図17〜図21を参照しながら、第6の実施の形態について説明する。
第6の実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10は、第1〜第5の実施の形態と同様に、光学シート20と、光学シート20の背面に配置された太陽電池パネル50と、表示面12と、表示面12を照明する照明装置60と、を有している。第6の実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10は、主として光学シート20の構成に関して、第1〜第5の実施の形態と異なっている。一方、第6の実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10は、第1の実施の形態と同様の照明装置60を有している。また、第6の実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10は、第1〜第5の実施の形態と同一の蓄電池18及び制御回路19を有している。
図17及び図18に示すように、光学シート20は、互いに対向する第1面40a及び第2面40bを有するシート状の本体部40を有している。本実施の形態では、第1面40aが、太陽電池複合型表示体10の表面20aを形成し、第2面40bが、太陽電池パネル50に対向する面をなしている。本体部40の第1面40aは、平坦状に形成されている。本体部40の第2面40bは、第1軸方向d1に交互に配列された複数の向き調整面21及び複数の集光面22と、を含んでいる。向き調整面21には、表示対象13を表示するための表示面12が配置されている。向き調整面21は、表示面12を支持すると共に、表示面12を観察し得る視野角を調整するべく設けられている。一方、集光面22は、隣り合う表示面12の間で太陽電池複合型表示体10に入射する光L181を透過させて、太陽電池パネル50に導くために設けられている。なお、図示する例では、複数の向き調整面21は互いに同一に構成され、複数の集光面22も互いに同一に構成されている。
図17に示すように、各向き調整面21及び各集光面22は、その配列方向である第1軸方向d1に対して交差する方向に線状に延びている。とりわけ図示された例において、各向き調整面21及び各集光面22は、第1軸方向d1及び本体部40の法線方向ndの両方と直交する第2軸方向d2に、直線状に延びている。また、図18に示す例では、各向き調整面21と各集光面22とは、法線方向ndからみて互いにずれて配置されている。なお、本実施の形態において、第1軸方向d1及び第2軸方向d2は、本体部40のシート面に沿っており、本体部40の法線方向ndに直交している。図示された例において、太陽電池複合型表示体10は、第1軸方向d1が鉛直方向と平行になり第2軸方向d2が水平方向と平行になるようにして、配置されている。
各向き調整面21は、本体部40のシート面、言い換えると、太陽電池パネル50のパネル面に対して傾斜し、本体部40の法線方向ndに対しても傾斜している。すなわち、各向き調整面21は、本体部40のシート面及び本体部40の法線方向ndのいずれとも非平行になっている。向き調整面21と共に当該向き調整面21に配置された表示面12を太陽電池パネル50のパネル面に対して傾斜させることにより、表示面12に付与された表示対象13を観察し得る視野角となる第1角度範囲AR1を、高い自由度で調整することが可能となる。
図18に示すように、各向き調整面21は、第1軸方向d1において一側(図示する例では、図18における上側であって、鉛直方向における上側)に位置する一端部21aが、第1軸方向d1において他側(図示する例では、図2における下側であって、鉛直方向における下側)に位置する他端部21bよりも、本体部40の法線方向ndにおいて太陽電池パネル50から離間するように、本体部40のシート面に対して傾斜している。したがって、向き調整面21の一端部21aは、向き調整面21の他端部21bよりも、本体部40の法線方向ndにおいて太陽電池パネル50から離間している。図18から理解され得るように、このような向き調整面21によれば、法線方向ndに対して他側に傾斜した角度範囲に向けて、光が出射しやすくなる。したがって、向き調整面21に配置された表示面12からの表示機能は、法線方向ndに対して他側に傾斜した方向D181から観察されたときに、効果的に発揮されるようになる。
このような傾向を強化する観点から、太陽電池複合型表示体の主切断面において、向き調整面21は、第1軸方向d1における一側(上側)から他側(下側)に向けて、段階的又は連続的に、本体部40の法線方向ndにおいて太陽電池パネル50に接近していくことが好ましい。図示された例において、向き調整面21は平面として形成されている。そして、図18に示された太陽電池複合型表示体の主切断面において、向き調整面21は、第1軸方向d1における一側から他側に向けて、連続的に一定の傾斜の程度で、本体部40の法線方向ndに沿って太陽電池パネル50に接近していく。このような向き調整面21によれば、向き調整面21に配置された表示面12からの表示機能が、法線方向ndに対して他側に傾斜した方向D181から観察されたときに、効果的に発揮されるようになる。
上述したように、向き調整面21に、表示対象13を表示するための表示面12が配置されている。本実施の形態では、表示面12は、向き調整面21に重なるように当該向き調整面21に沿って配置されている。したがって、表示面12から第1角度範囲AR1へ向けて太陽電池複合型表示体10から出射する光は、表示面12に付与された表示対象13を可視化させる。すなわち、第1角度範囲AR1から表示面12が視認され、結果として、表示面12に形成された表示対象13を観察することができる。なお、表示面12によって動く表示対象13を表示する場合、太陽電池パネル50から発電された電気を駆動に用いることが簡便である。
図19に、表示面12に形成される表示対象13の一例が示されている。複数の表示面12が、第1軸方向d1に配列されるとともに、各表示面12は、第1軸方向d1に直交する第2軸方向d2に直線状に延びている。したがって、第1軸方向d1における各位置に位置する表示面12が、当該表示面12の第1軸方向d1における位置に応じた表示対象要素13aを付与されることによって、第2軸方向d2に細長く延びる各表示面12に形成された表示対象要素13aの組み合わせとして二次元的な表示対象13を表示することが可能となる。図19に示された例では、第1の実施の形態と同様に、アルファベットの大文字の「N」が表示対象13として表示されている。このように、複数の表示対象要素13aの組み合わせとして表示対象13を表示することで、各向き調整面21のサイズを小さくできるため、第1角度範囲AR1を広げたり太陽電池複合型表示体10のサイズを大きくしたとしても、より良好な表示対象13を観察できるようになる。
一方、隣り合う向き調整面21の間に位置する各集光面22は、本体部40のシート面、言い換えると、太陽電池パネル50のパネル面に対して傾斜し、本体部40の法線方向ndに対しても傾斜している。すなわち、各集光面22は、本体部40のシート面及び本体部40の法線方向ndのいずれとも非平行になっている。集光面22を太陽電池パネル50のパネル面に対して傾斜させることにより、太陽電池パネル50による発電が連続して安定して行われるようになる角度範囲である第2角度範囲AR2を、高い自由度で調整することが可能となる。
集光面22が本体部40のシート面に対して傾斜する角度は、向き調整面21が光学シート20のシート面に対して傾斜する角度と異なっている。とりわけ、図18に示す太陽電池複合型表示体の主断面において、集光面22は、本体部40の法線方向ndに対して向き調整面21とは反対側に傾斜している。上述のように、各向き調整面21は、一端部21aが他端部21bよりも本体部40の法線方向ndにおいて太陽電池パネル50から離間するように、本体部40のシート面に対して傾斜している。したがって、各集光面22は、第1軸方向d1において他側に位置する他端部22bが、第1軸方向d1において一側に位置する一端部22aよりも、本体部40の法線方向ndにおいて太陽電池パネル50から離間するように、本体部40のシート面に対して傾斜している。図18から理解され得るように、このような集光面22は、法線方向ndに対して一側に傾斜した角度範囲からの光が、入射しやすくなる。したがって、法線方向ndに対して一側に傾斜した方向から太陽電池複合型表示体10に入射する光L181を、太陽電池パネル50により導きやすくなる。
このような傾向を強化する観点から、太陽電池複合型表示体の主切断面において、集光面22は、第1軸方向d1における他側から一側に向けて、段階的又は連続的に、本体部40の法線方向ndにおいて太陽電池パネル50に接近していくことが好ましい。図示された例において、集光面22は平面として形成されている。そして、図18に示された太陽電池複合型表示体の主切断面において、集光面22は、第1軸方向d1における他側から一側に向けて、連続的に一定の傾斜の程度で、本体部40の法線方向ndに沿って太陽電池パネル50に接近していく。このような集光面22によれば、法線方向ndに対して一側に傾斜した方向から太陽電池複合型表示体10に入射する光L181を、太陽電池パネル50により有効に導きやすくなる。
次に、向き調整面21と集光面22との関係について述べる。図18に示す太陽電池複合型表示体の主切断面において、向き調整面21と、第1軸方向d1における他側で当該向き調整面21と隣り合う集光面22と、の第1軸方向d1に沿った間隔dtは、本体部40の法線方向ndにおいて太陽電池パネル50に接近していくにつれて、段階的又は連続的に狭くなっていく。言い換えると、向き調整面21上の各位置と、第1軸方向d1における他側で当該向き調整面21と隣り合う集光面22と、の第1軸方向d1に沿った間隔dtが、当該向き調整面21上の位置が本体部40の法線方向ndに沿って太陽電池パネル50に接近していくにつれて、段階的又は連続的に狭くなっていく。したがって、向き調整面21の他端部21bは、他側に位置する集光面22の一端部22aと最も接近する。図示された実施の形態では、向き調整面21の他端部21bは、他側に位置する集光面22の一端部22aと繋がっている。もっとも、向き調整面21の他端部21bは、他側に位置する集光面22の一端部22aから離間していてもよい。
一方、向き調整面21の一端部21aは、第1軸方向d1における一側で当該向き調整面21と隣り合う集光面22の他端部22bと繋がっている。もっとも、向き調整面21の一端部21aは、第1軸方向d1における一側で当該向き調整面21と隣り合う集光面22の他端部22bから離間していてもよい。
また、図18に示す主切断面において、向き調整面21は、当該向き調整面21と隣り合う集光面22の長さと等しくなっている。したがって、本体部40の第2面40bに占める向き調整面21の割合は、本体部40の第2面40bに占める集光面22の割合と等しい。ただし、図18に示す主切断面において、向き調整面21は、当該向き調整面21と隣り合う集光面22の長さと異なっていてもよい。とりわけ、向き調整面21が当該向き調整面21と隣り合う集光面22よりも短くなっている場合、本体部40の第2面40bに占める向き調整面21の割合を、本体部40の第2面40bに占める集光面22の割合よりも小さくすることができる。この場合、相対的に多くの光を集光面22に導き易くなる傾向となり、結果として、より多くの光を太陽電池パネル50に導くことに寄与し得る。
また、図18に示す例では、向き調整面21が本体部40のシート面に対してなす角度θ1は、集光面22が本体部40のシート面に対してなす角度θ2と等しい。ただし、向き調整面21が本体部40のシート面に対してなす角度θ1は、観察されることが意図された観察者による観察方向に応じて決定され、集光面22が本体部40のシート面に対してなす角度θ2は、取り込むことが意図された外光の入射方向に応じて決定される。したがって、向き調整面21が本体部40のシート面に対してなす角度θ1は、集光面22が本体部40のシート面に対してなす角度θ2と異なっていてもよい。
また、図18に示す例では、各向き調整面21及び各集光面22が、平坦面からなる。ただし、このような例に限定されず、各向き調整面21及び各集光面22は、曲面からなってもよい。一例として、各向き調整面21及び各集光面22は、レンズ面のような球面乃至湾曲面の一部をなしてもよい。より具体的には、各向き調整面21及び各集光面22は、外方側に向かって凸となるように湾曲したレンズ面であってもよいし、内方側に向かって凹となるように湾曲したレンズ面であってもよい。向き調整面21が曲面からなる場合、「向き調整面21が平面に対して傾斜する」とは、図18に示す主切断面において、向き調整面21の両端部21a、21bを結ぶ直線が平面に対して傾斜することを意味する。また、向き調整面21が本体部40のシート面に対してなす角度θ1は、図18に示す主切断面において、向き調整面21の両端部21a、21bを結ぶ直線が本体部40のシート面に対してなす角度をいう。同様に、集光面22が曲面からなる場合、「集光面22が平面に対して傾斜する」とは、図18に示す主切断面において、集光面22の両端部22a、22bを結ぶ直線が平面に対して傾斜することを意味する。また、集光面22が本体部40のシート面に対してなす角度θ2は、図18に示す主切断面において、集光面22の両端部22a、22bを結ぶ直線が本体部40のシート面に対してなす角度をいう。
また、図18に示すように、本体部40の第2面40bのうち、本体部40の法線方向ndに沿って太陽電池パネル50に接近するように突出した地点を頂部23とする。この場合、頂部23は、1つの集光面22の一端部22aと1つの向き調整面21の他端部21bとの接続位置として規定される。本実施の形態では、本体部40の頂部23に接するようにして照明装置60の導光板61が配置され、本体部40の第2面40bと導光板61との間に空気層ASが形成されている。図18に示す例では、空気層ASは、本体部40の向き調整面21と、本体部40の集光面22と、導光板61と、によって囲まれる空間に形成されている。なお、導光板61は、本体部40の頂部23に接するように配置された例に限定されず、頂部23から離間して配置されていてもよい。また、本体部40は、導光板61と空気層ASを介して配置された例に限定されず、導光板61と接合層を介して接合されていてもよい。
太陽電池パネル50は、受光面50aで受光した光を電気エネルギーに変換する発電装置である。太陽電池パネル50の受光面50aには、第2角度範囲AR2から集光面22に取り込まれた光L181が導かれるようになっており、この光L181が発電に利用される。
図18に示すように、太陽電池パネル50は、第1軸方向d1に配列された複数の向き調整面21及び複数の集光面22の各々に対向して、平面状に延び広がっている。図示された例において、太陽電池パネル50は、本体部40のシート面と平行に延びている。
照明装置60は、第1の実施の形態等と同様に、太陽電池パネル50の受光面50aと光学シート20の裏面20bとの間に配置された透光性の導光板61と、導光板61の側端面61aに対面して配置された発光体65と、を有している。導光板61は、主部63と、主部63中に分散された拡散成分(光散乱成分)64と、を有している。そして、照明装置50では、拡散成分64によって進行方向を不規則に変更され、導光板61から出射するようになる。
次に、主として、図20及び図21を参照しながら、太陽電池複合型表示体10の作用について説明する。太陽電池複合型表示体10は、例えば、向き調整面21及び集光面22の配列方向である第1軸方向d1が鉛直方向に沿うようにして、配置される。具体的には、第1軸方向d1における一側が、鉛直方向における上側を向き、第1軸方向d1における他側が、鉛直方向における下側を向くように、太陽電池複合型表示体10が配置される。
図20によく示されているように、傾斜した向き調整面21に配置された表示面12は、当該表示面12の正面方向から視認され易い。図20に示す例では、表示面12が本体部40の法線方向ndに対して第1軸方向d1における一側に傾斜しているため、当該法線方向ndに対して第1軸方向d1における他側に傾斜した方向D201、D202、D203から太陽電池複合型表示体10を観察したときに表示面12を視認し易くなる。このように、向き調整面21を本体部40の法線方向ndに対して傾斜させることにより、向き調整面21に位置する表示面12が観察される視野角となる第1角度範囲AR1を、高い自由度で調整することができる。したがって、観察者は、優れた視認性で表示対象13を観察することができ、且つ、優れた意匠性で表示対象13を表示することができる。
一方、向き調整面21とは異なる角度で傾斜した集光面22は、向き調整面21を視認し易い方向D201、D202、D203とは異なる方向から入射する光L211、L212、L213を効率的に取り込むことが可能となる。図21に示す例では、集光面22が本体部40の法線方向ndに対して第1軸方向d1における他側に傾斜しているため、当該法線方向ndに対して第1軸方向d1における一側に傾斜した方向から太陽電池複合型表示体10に入射する光L211、L212、L213を効率的に取り込むことが可能となる。集光面22に取り込まれた光L211、L212、L213は、空気層AS内を進行して太陽電池パネル50に導かれる。なお、導光板61は透光性を有しているため、裏面20bを介して光学シート20から出射した光L211、L212、L213は、導光板61を透過して、太陽電池パネル50の受光面50aに入射する。このように、集光面22を向き調整面21とは異なる角度で本体部40の法線方向ndに対して傾斜させることにより、太陽電池パネル50に導かれるようになる太陽電池複合型表示体10への入射方向の角度範囲である第2角度範囲AR2を、高い自由度で調整することができる。したがって、本実施の形態による太陽電池複合型表示体10では、時間帯や季節に応じて入射方向を変化させる太陽光を、効率的に受光して、太陽電池パネル50での発電に利用することが可能となる。
以上のように、本実施の形態によれば、第1面40a及び第1面40aに対向する第2面40bを有するシート状の本体部40と、本体部40の第2面40bに対向して配置された太陽電池パネル50と、を備え、本体部40の第2面40bは、第1軸方向d1に交互に配列された複数の向き調整面21及び複数の集光面22と、を含み、向き調整面21は、太陽電池パネル50のパネル面に対して傾斜し、集光面22は、太陽電池パネル50のパネル面に対して向き調整面21とは異なる角度で傾斜し、向き調整面21に、表示を行うための表示面12が配置されている。このような太陽電池複合型表示体10によれば、向き調整面21及び集光面22が太陽電池パネル50のパネル面に対して傾斜しているため、傾斜した向き調整面21及び集光面22が、各々の正面方向から入射する光を有効に利用し易くなる。とりわけ、集光面22は、向き調整面21と異なる角度で太陽電池パネル50のパネル面に対して傾斜している。このため、向き調整面21に配置された表示面12は、集光面22に取り込まれ易い光L181、L211〜L213の傾斜する方向とは異なる方向D181、D201〜D203から太陽電池複合型表示体10を観察したときに視認され易くなり、集光面22は、向き調整面21を視認し易い方向D181、D201〜D203とは異なる方向から太陽電池複合型表示体10に入射する光L181、L211〜L213を有効に取り込む。このように、集光面22を向き調整面21とは異なる角度で太陽電池パネル50のパネル面に対して傾斜させることにより、向き調整面21に配置された表示面12を観察し得る視野角となる第1角度範囲AR1及び太陽電池パネル50にて発電が連続して安定して行われるようになる角度範囲である第2角度範囲AR2を、高い自由度で調整することが可能となる。加えて、太陽電池パネル50が本体部40の第2面40bに対向して配置されているため、太陽電池パネル50の受光面50aが外部に露出していない。このため、太陽電池パネル50を目立たなくさせることができる。これらのことから、本実施の形態によれば、周囲の環境との調和を図ると共に、表示面12による表示及び太陽電池パネル50による発電の両立が効果的に可能となる。
ところで、向き調整面21に配置された表示面12にて形成される表示対象13を観察している際に、表示対象13とともに集光面22を介して太陽電池パネル50が観察されると、表示対象13の視認性や意匠性を著しく害することになる。したがって、表示面12が観察され得る第1角度範囲AR1は、太陽電池パネル50が観察されるようになる第2角度範囲AR2と区分けされていること、すなわち重なり合っていないことが好ましい。
そこで、本実施の形態の太陽電池複合型表示体10では、図18に示す主切断面において、向き調整面21は、本体部40の法線方向ndに対して集光面22とは逆側に傾斜している。このような形態によれば、向き調整面21に配置された表示面12は、集光面22に取り込まれ易い光L181、L211〜L213の傾斜する方向とは逆の方向D181、D201〜D203から太陽電池複合型表示体10を観察したときに選択的に観察され易くすることができ、集光面22は、向き調整面21を視認し易い方向D181、D201〜D203とは逆の方向から太陽電池複合型表示体10に入射する光L181、L211〜L213を選択的に取り込むことができる。具体的には、向き調整面21は、一端部21aが他端部21bよりも本体部40の法線方向ndにおいて太陽電池パネル50から離間するように、本体部40のシート面に対して傾斜し、集光面22は、他端部22bが一端部22aよりも本体部40の法線方向ndにおいて太陽電池パネル50から離間するように、本体部40のシート面に対して傾斜している。この場合、本体部40の法線方向ndに対して第1軸方向d1における他側に傾斜した方向D181、D201〜D203から太陽電池複合型表示体10を観察したときに、集光面22よりも向き調整面21に配置された表示面12を選択的に観察し易くすることができる。また、本体部40の法線方向ndに対して第1軸方向d1における一側に傾斜した方向から太陽電池複合型表示体10へ入射する光L181、L211〜L213を、向き調整面21よりも集光面22に選択的に導くことができる。
つまり、このような形態によれば、向き調整面21に配置された表示面12を観察し得る視野角となる第1角度範囲AR1が、本体部40の法線方向ndに対して第1軸方向d1における他側に傾斜した方向に対応し、集光面22を介して太陽電池パネル50に導かれるようになる太陽電池複合型表示体10への入射方向の角度範囲である第2角度範囲AR2が、本体部40の法線方向ndに対して第1軸方向d1における一側に傾斜した方向に対応する。このため、第1角度範囲AR1と第2角度範囲AR2とが、区分けされやすくなる。言い換えると、第1角度範囲AR1と第2角度範囲AR2とが、重なり合いにくくなる。
このように第1角度範囲AR1と第2角度範囲AR2との重なり合いが少なくなれば、表示面12による表示機能及び太陽電池パネル50での発電機能が、互いに悪影響を及ぼすことなく、より有効に発揮されるようになる。本実施の形態においては、表示面12に付与された表示対象13を観察している際に、表示対象13とともに集光面22を介して太陽電池パネル50が観察されることを抑制することが可能となる。この場合、表示対象13の視認性や表示対象13の意匠性を改善することができる。
とりわけ、本実施の形態による太陽電池複合型表示体10では、表示面12を観察し得る視野角となる第1角度範囲AR1を鉛直方向における下側に傾斜した方向に設定し、太陽電池パネル50に導かれるようになる太陽電池複合型表示体10への入射方向の角度範囲である第2角度範囲AR2を鉛直方向における上側に傾斜した方向に設定している。この場合、典型的な利用として想定される表示板としての用途において太陽電池複合型表示体10を目線よりも高い位置に設置する場合に有効である。観察者は、鉛直方向における上側に見上げながら太陽電池複合型表示体10を観察するため、第1角度範囲AR1から表示面12に付与された表示対象13を観察することができる。一方、太陽光は、時間帯や季節に応じて入射方向が変化するが、鉛直方向における下側に傾斜した方向、あるいは、略水平方向に進みながら太陽電池複合型表示体10に入射する。このため、太陽光は、時間帯や季節に応じて入射方向が変化しても、第2角度範囲AR2から集光面22に入射して太陽電池パネル50に向かうことができる。したがって、このような形態によれば、太陽電池パネル50による太陽光の受光及び表示面12による表示を効果的に両立させることができる。
また、本実施の形態によれば、太陽電池複合型表示体10の主切断面において、向き調整面21と、第1軸方向d1における他側で当該向き調整面21と隣り合う集光面22と、の第1軸方向d1に沿った間隔dtは、本体部40の法線方向ndにおいて太陽電池パネル50に接近していくにつれて、狭くなっていく。このような形態によれば、向き調整面21に配置された表示面12が、集光面22へ入射すべき光を遮ってしまうこと、あるいは、集光面22が、向き調整面21に配置された表示面12の観察を遮ってしまうこと、を効果的に抑制することができる。このため、表示面12が、第1角度範囲AR1内の方向から太陽電池複合型表示体10を観察したときに、より確実に表示機能を発揮することができる。また、集光面22が、第2角度範囲AR2から太陽電池複合型表示体10へ入射する光をより確実に太陽電池パネル50へ導くことができる。
また、本実施の形態によれば、大型の太陽電池パネル50が、本体部40の第2面40bに対向して配置されている。この点、各集光面22に小型の太陽電池パネル50をそれぞれ配置し、全体として多数の太陽電池パネル50を使用することも考えられる。
また、表示面12は、照明装置60からの光によって照明される。したがって、たとえ屋外に配置されていたとしても、さらに夜間であったとしても、表示面12が照明装置60によって照明されることにより、表示面12の表示対象13を良好に視認することが可能となる。加えて、この照明装置60は、太陽電池パネルで発電された電力を利用して発光するようになっている。したがって、電源や配線等の設置を不要とすることができる点において、例えば屋外に固定される表示体10に対し、非常に有用である。
また、本実施の形態によれば、照明装置60の少なくとも一部分は、光学シート20の裏面20bと太陽電池パネル50の受光面50aとの間に配置されている。そして、光学シート20と太陽電池パネル50との間に配置された照明装置60の一部分は、透光性を有している。すなわち、照明装置60は、太陽電池パネル50の受光面50aでの受光を可能にしながら当該受光面50aを覆い、さらに面状に発光している。したがって、照明装置60は、太陽電池パネル50の発電機能を害することなく、発光して受光面50aを不可視化している。このように、太陽電池パネル50の受光面50aを隠すことによって、黒色や暗色からなる受光面50aを含んだ太陽電池パネル50が、太陽電池複合型表示体10の意匠性を崩してしまうことや、太陽電池複合型表示体10が配置される周囲の環境との調和を損なってしまうことを回避することができる。すなわち、太陽電池複合型表示体10の意匠性を改善し、周囲環境との調和を図ることが可能となる。
さらに、本実施の形態においては、透光性を有した導光板61が、太陽電池パネル50の受光面50aと光学シート20の裏面20bとの間に配置されている。したがって、受光面50aの全域をむらなく不可視化することが可能となる。これにより、太陽電池複合型表示体10の意匠性をより効果的に改善し、周囲環境とのより良好な調和を図ることが可能となる。
また、本実施の形態においては、光学シート20の裏面20bと太陽電池パネル50の受光面50aとの間に配置された導光板61が、拡散機能を有している。したがって、太陽電池パネル50の受光面50aをより確実に不可視化することが可能となる。これにより、太陽電池複合型表示体10の意匠性をより効果的に改善し、周囲環境との調和をより図ることが可能となる。
また、太陽電池パネル50の受光面50aへの入射光は、拡散機能を有した導光板61で拡散される。したがって、受光面50a内の各領域に概ね均一な光量で光が入射するようになる。この場合、太陽電池パネル50は、一般的に普及しているいずれの形式の太陽電池パネルであったとしても、優れた発電効率で発電を行うことができる。
そして、この照明装置60は、本体部40の第1面40aよりも第2面40b側に発光体65を配置する。具体的に、発光体65は、光学シート20よりも太陽電池パネル50側に位置している。この場合、照明装置60(発光体65)が、光学シート20に入射する光を阻害することがなく、表示面12の表示対象13の視認性を向上できる。しかも、光の入射が阻害されないため、太陽電池パネル50の発電効率も向上でき、且つ入射された光の一部を表示面12の視認性向上のために利用して表示面12を効果的に照明できる。
とりわけ、本実施の形態の照明装置60は、光を拡散させることにより、表示面12を裏面側から照明するとともに、集光面22から第1面40a側に光が透過するように光を照射して、照射した光を第1面40aで全反射させて表示面12を表面側から照明することができる。そのため、表示面12の視認性を効果的に向上できる。とりわけ、第1面40aが平坦状であるため、反射光を有効に表示面12の照明に利用することができる。
なお、導光板61は、光をライン状に光学シート20に向けて照射させる反射ラインを有していてもよい。また、導光板61は、光をドット状に光学シート20に向けて照射させる反射ドットを有していてもよい。このように導光板61が規則的に光を照射可能である構成では、表示面12と対向する位置に光を照射することで、表示面12の表示対象13の視認性の向上を図ることができる。
また、導光板61が光をドット状に光学シート20に向けて照射させる反射ドットを有する場合においては、反射ドットが不規則に配置されてもよい。光学シート20における向き調整面21及び集光面22が規則的に配置され、導光板61の反射ドットも規則的に配置される場合には、向き調整面21及び集光面22と反射ドットとのピッチ差によってモアレが生じ、表示対象13において表示の乱れが生じる可能性がある。これに対して、反射ドットが不規則に配置される場合には、向き調整面21及び集光面22のピッチによらずモアレの発生を抑制できる。
また、照明装置60が主として、第1面40aで全反射させた光によって表示面12を表面側から照明する場合には、表示面12は光透過性を有していなくてもよい。この場合、照明装置60は、発光体65からの光が第1面40aで全反射して表示面12に到達するように、照射角度を所望の値に設定して光を照射してもよい。なお、本実施の形態においては、照明装置60が用いられているが、照明装置70,80が本実施の形態において用いられてもよい。また、本実施の形態においては、太陽電池パネル50が光学シート20の背面に配置されているが、太陽電池パネル50は、集光面22のそれぞれに設けられてもよい。
<第7の実施の形態>
次に、図22を参照しながら、第7の実施の形態について説明する。
図22は、図18等に対応する本実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10の縦断面図である。本実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10は、第1〜第6の実施の形態と同様に、光学シート20と、光学シート20の背面に配置された太陽電池パネル50と、表示面12と、表示面12を照明する照明装置60と、を有している。第7の実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10は、主として光学シート20の構成に関して、第1〜第6の実施の形態と異なっている。具体的には、光学シート20は、向き調整面121及び集光面122を有するが、第6の実施の形態とは異なり、向き調整面121及び集光面122が本体部40の第1面40aに含まれている。一方、第7の実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10は、第1の実施の形態と同様の照明装置60を有している。また、第7の実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10は、第1〜第6の実施の形態と同一の蓄電池18及び制御回路19を有している。
図22に示すように、本体部40の第1面40aは、第1軸方向d1に交互に配列された複数の向き調整面121及び複数の集光面122と、を含んでいる。向き調整面121には、表示対象13を表示するための表示面12が配置されている。
各向き調整面121及び各集光面122は、その配列方向である第1軸方向d1に対して交差する方向、より詳細には、第1軸方向d1及び法線方向ndの両方と直交する第2軸方向d2に、直線状に延びている。また、各向き調整面121と各集光面122とは、法線方向ndからみて互いにずれて配置されている。
各向き調整面121は、本体部40のシート面、言い換えると、太陽電池パネル50のパネル面に対して傾斜し、本体部40の法線方向ndに対しても傾斜している。向き調整面121と共に当該向き調整面121に配置された表示面12を太陽電池パネル50のパネル面に対して傾斜させることにより、表示面12に付与された表示対象13を観察し得る視野角となる第1角度範囲AR1を、高い自由度で調整することが可能となる。
また、各向き調整面121は、第1軸方向d1において一側(図示する例では、図22における上側であって、鉛直方向における上側)に位置する一端部121aが、第1軸方向d1において他側(図示する例では、図22における下側であって、鉛直方向における下側)に位置する他端部121bよりも、本体部40の法線方向ndにおいて太陽電池パネル50から離間するように、本体部40のシート面に対して傾斜している。したがって、向き調整面121の一端部121aは、向き調整面121の他端部121bよりも、本体部40の法線方向ndにおいて太陽電池パネル50から離間している。図22から理解され得るように、このような向き調整面121によれば、法線方向ndに対して他側に傾斜した角度範囲に向けて、光が出射しやすくなる。したがって、向き調整面121に配置された表示面12からの表示機能は、法線方向ndに対して他側に傾斜した方向D121から観察されたときに、効果的に発揮されるようになる。
このような傾向を強化する観点から、太陽電池複合型表示体の主切断面において、向き調整面121は、第1軸方向d1における一側(上側)から他側(下側)に向けて、段階的又は連続的に、本体部40の法線方向ndにおいて太陽電池パネル50に接近していくことが好ましい。図示された例において、向き調整面121は平面として形成されている。そして、図22に示された太陽電池複合型表示体の主切断面において、向き調整面121は、第1軸方向d1における一側から他側に向けて、連続的に一定の傾斜の程度で、本体部40の法線方向ndに沿って太陽電池パネル50に接近していく。このような向き調整面121によれば、向き調整面121に配置された表示面12からの表示機能が、法線方向ndに対して他側に傾斜した方向D181から観察されたときに、効果的に発揮されるようになる。
上述したように、向き調整面121に、表示対象13を表示するための表示面12が配置されている。本実施の形態では、表示面12は、向き調整面121に重なるように当該向き調整面121に沿って配置されている。したがって、表示面12から第1角度範囲AR1へ向けて太陽電池複合型表示体10から出射する光は、表示面12に付与された表示対象13を可視化させる。
一方、隣り合う向き調整面121の間に位置する各集光面122は、本体部40のシート面、言い換えると、太陽電池パネル50のパネル面に対して傾斜し、本体部40の法線方向ndに対しても傾斜している。集光面122を太陽電池パネル50のパネル面に対して傾斜させることにより、太陽電池パネル50による発電が連続して安定して行われるようになる角度範囲である第2角度範囲AR2を、高い自由度で調整することが可能となる。
集光面122が本体部40のシート面に対して傾斜する角度は、向き調整面121が光学シート20のシート面に対して傾斜する角度と異なっている。とりわけ、図22に示す太陽電池複合型表示体の主断面において、集光面122は、本体部40の法線方向ndに対して向き調整面121とは反対側に傾斜している。上述のように、各向き調整面121は、一端部121aが他端部121bよりも本体部40の法線方向ndにおいて太陽電池パネル50から離間するように、本体部40のシート面に対して傾斜している。したがって、各集光面122は、第1軸方向d1において他側に位置する他端部122bが、第1軸方向d1において一側に位置する一端部122aよりも、本体部40の法線方向ndにおいて太陽電池パネル50から離間するように、本体部40のシート面に対して傾斜している。図22から理解され得るように、このような集光面122は、法線方向ndに対して一側に傾斜した角度範囲からの光が、入射しやすくなる。したがって、法線方向ndに対して一側に傾斜した方向から太陽電池複合型表示体10に入射する光L122を、太陽電池パネル50により導きやすくなる。
このような傾向を強化する観点から、太陽電池複合型表示体の主切断面において、集光面122は、第1軸方向d1における他側から一側に向けて、段階的又は連続的に、本体部40の法線方向ndにおいて太陽電池パネル50に接近していくことが好ましい。図示された例において、集光面122は平面として形成されている。そして、図22に示された太陽電池複合型表示体の主切断面において、集光面122は、第1軸方向d1における他側から一側に向けて、連続的に一定の傾斜の程度で、本体部40の法線方向ndに沿って太陽電池パネル50に接近していく。このような集光面122によれば、法線方向ndに対して一側に傾斜した方向から太陽電池複合型表示体10に入射する光L122を、太陽電池パネル50により有効に導きやすくなる。
次に、向き調整面121と集光面122との関係について述べる。図22に示す太陽電池複合型表示体の主断面において、向き調整面121と、第1軸方向d1における他側で当該向き調整面121と隣り合う集光面122と、の第1軸方向d1に沿った間隔は、本体部40の法線方向ndにおいて太陽電池パネル50に接近していくにつれて、段階的又は連続的に狭くなっていく。したがって、向き調整面121の他端部121bは、他側に位置する集光面122の一端部122aと最も接近する。図示された実施の形態では、向き調整面121の他端部121bは、他側に位置する集光面122の一端部122aと繋がっている。もっとも、向き調整面121の他端部121bは、他側に位置する集光面122の一端部122aから離間していてもよい。
一方、向き調整面121の一端部121aは、第1軸方向d1における一側で当該向き調整面121と隣り合う集光面122の他端部122bと繋がっている。もっとも、向き調整面121の一端部121aは、第1軸方向d1における一側で当該向き調整面121と隣り合う集光面122の他端部122bから離間していてもよい。
また、図22に示す主切断面において、向き調整面121は、当該向き調整面121と隣り合う集光面122の長さと等しくなっている。したがって、本体部40の第1面40aに占める向き調整面121の割合は、本体部40の第1面40aに占める集光面122の割合と等しい。ただし、図22に示す主切断面において、向き調整面121は、当該向き調整面121と隣り合う集光面122の長さと異なっていてもよい。とりわけ、向き調整面121が当該向き調整面121と隣り合う集光面122よりも短くなっている場合、本体部40の第1面40aに占める向き調整面121の割合を、本体部40の第1面40aに占める集光面122の割合よりも小さくすることができる。この場合、相対的に多くの光を集光面122に導き易くなる傾向となり、結果として、より多くの光を太陽電池パネル50に導くことに寄与し得る。
また、図22に示す例では、向き調整面121が本体部40のシート面に対してなす角度θ1は、集光面122が本体部40のシート面に対してなす角度θ2と等しい。ただし、向き調整面121が本体部40のシート面に対してなす角度θ1は、観察されることが意図された観察者による観察方向に応じて決定され、集光面122が本体部40のシート面に対してなす角度θ2は、取り込むことが意図された外光の入射方向に応じて決定される。したがって、向き調整面121が本体部40のシート面に対してなす角度θ1は、集光面122が本体部40のシート面に対してなす角度θ2と異なっていてもよい。
次に、太陽電池複合型表示体10の作用について説明する。太陽電池複合型表示体10は、例えば、向き調整面121及び集光面122の配列方向である第1軸方向d1が鉛直方向に沿うようにして、配置される。具体的には、第1軸方向d1における一側が、鉛直方向における上側に向き、第1軸方向d1における他側が、鉛直方向における下側に向くように、太陽電池複合型表示体10が配置される。
傾斜した向き調整面121に配置された表示面12は、当該表示面12の正面方向から視認され易い。表示面12が本体部40の法線方向ndに対して第1軸方向d1における一側に傾斜しているため、当該法線方向ndに対して第1軸方向d1における他側に傾斜した方向D121から太陽電池複合型表示体10を観察したときに表示面12を視認し易くなる。このように、表示面12が配置された向き調整面121を本体部40の法線方向ndに対して傾斜させることにより、表示面12が観察される視野角となる第1角度範囲AR1を、高い自由度で調整することができる。したがって、観察者は、優れた視認性で表示対象13を観察することができ、且つ、優れた意匠性で表示対象13を表示することができる。
一方、向き調整面121とは異なる角度で傾斜した集光面122は、向き調整面121を視認し易い方向D121とは異なる方向から入射する光L122を効率的に取り込むことが可能となる。集光面122が本体部40の法線方向ndに対して第1軸方向d1における他側に傾斜しているため、当該法線方向ndに対して第1軸方向d1における一側に傾斜した方向から太陽電池複合型表示体10に入射する光L122を効率的に取り込むことが可能となる。集光面122に取り込まれた光L122は、本体部40内を進行して太陽電池パネル50に導かれる。このように、集光面122を向き調整面121とは異なる角度で本体部40の法線方向ndに対して傾斜させることにより、太陽電池パネル50に導かれるようになる太陽電池複合型表示体10への入射方向の角度範囲である第2角度範囲AR2を、高い自由度で調整することができる。したがって、本実施の形態による太陽電池複合型表示体10では、時間帯や季節に応じて入射方向を変化させる太陽光を、効率的に受光して、太陽電池パネル50での発電に利用することが可能となる。
以上のように、本実施の形態によれば、第1面40a及び第1面40aに対向する第2面40bを有するシート状の本体部40と、本体部40の第2面40bに対向して配置された太陽電池パネル50と、を備え、本体部40の第1面40aは、第1軸方向d1に交互に配列された複数の向き調整面121及び複数の集光面122と、を含み、向き調整面121は、太陽電池パネル50のパネル面に対して傾斜し、集光面122は、太陽電池パネル50のパネル面に対して向き調整面121とは異なる角度で傾斜し、向き調整面121に、表示を行うための表示面12が配置されている。このような太陽電池複合型表示体10によれば、向き調整面121及び集光面122が太陽電池パネル50のパネル面に対して傾斜しているため、傾斜した向き調整面121及び集光面122が、各々の正面方向から入射する光を有効に利用し易くなる。とりわけ、集光面122は、向き調整面121と異なる角度で太陽電池パネル50のパネル面に対して傾斜している。このため、向き調整面121に配置された表示面12は、集光面122に取り込まれ易い光L122の傾斜する方向とは異なる方向D12から太陽電池複合型表示体10を観察したときに視認され易くなり、集光面122は、向き調整面121を視認し易い方向D121とは異なる方向から太陽電池複合型表示体10に入射する光L122を有効に取り込む。このように、集光面122を向き調整面121とは異なる角度で太陽電池パネル50のパネル面に対して傾斜させることにより、向き調整面121に配置された表示面12を観察し得る視野角となる第1角度範囲AR1及び太陽電池パネル50にて発電が連続して安定して行われるようになる角度範囲である第2角度範囲AR2を、高い自由度で調整することが可能となる。加えて、太陽電池パネル50が本体部40の第2面40bに対向して配置されているため、太陽電池パネル50の受光面50aが外部に露出していない。このため、太陽電池パネル50を目立たなくさせることができる。これらのことから、本実施の形態によれば、周囲の環境との調和を図ると共に、表示面12による表示及び太陽電池パネル50による発電の両立が効果的に可能となる。
また、表示面12は、照明装置60からの光によって照明される。したがって、たとえ屋外に配置されていたとしても、さらに夜間であったとしても、表示面12が照明装置60によって照明されることにより、表示面12の表示対象13を良好に視認することが可能となる。加えて、この照明装置60は、太陽電池パネルで発電された電力を利用して発光するようになっている。したがって、電源や配線等の設置を不要とすることができる点において、例えば屋外に固定される表示体10に対し、非常に有用である。
また、本実施の形態によれば、照明装置60の少なくとも一部分は、光学シート20の裏面20bと太陽電池パネル50の受光面50aとの間に配置されている。そして、光学シート20と太陽電池パネル50との間に配置された照明装置60の一部分は、透光性を有している。すなわち、照明装置60は、太陽電池パネル50の受光面50aでの受光を可能にしながら当該受光面50aを覆い、さらに面状に発光している。したがって、照明装置60は、太陽電池パネル50の発電機能を害することなく、発光して受光面50aを不可視化している。このように、太陽電池パネル50の受光面50aを隠すことによって、黒色や暗色からなる受光面50aを含んだ太陽電池パネル50が、太陽電池複合型表示体10の意匠性を崩してしまうことや、太陽電池複合型表示体10が配置される周囲の環境との調和を損なってしまうことを回避することができる。すなわち、太陽電池複合型表示体10の意匠性を改善し、周囲環境との調和を図ることが可能となる。
さらに、本実施の形態においては、透光性を有した導光板61が、太陽電池パネル50の受光面50aと光学シート20の裏面20bとの間に配置されている。したがって、受光面50aの全域をむらなく不可視化することが可能となる。これにより、太陽電池複合型表示体10の意匠性をより効果的に改善し、周囲環境とのより良好な調和を図ることが可能となる。
また、本実施の形態においては、光学シート20の裏面20bと太陽電池パネル50の受光面50aとの間に配置された導光板61が、拡散機能を有している。したがって、太陽電池パネル50の受光面50aをより確実に不可視化することが可能となる。これにより、太陽電池複合型表示体10の意匠性をより効果的に改善し、周囲環境との調和をより図ることが可能となる。
また、太陽電池パネル50の受光面50aへの入射光は、拡散機能を有した導光板61で拡散される。したがって、受光面50a内の各領域に概ね均一な光量で光が入射するようになる。この場合、太陽電池パネル50は、一般的に普及しているいずれの形式の太陽電池パネルであったとしても、優れた発電効率で発電を行うことができる。
そして、この照明装置60は、本体部40の第1面40aよりも第2面40b側に発光体65を配置する。具体的に、発光体65は、光学シート20よりも太陽電池パネル50側に位置している。この場合、照明装置60(発光体65)が、光学シート20に入射する光を阻害することがなく、表示面12の表示対象13の視認性を向上できる。しかも、光の入射が阻害されないため、太陽電池パネル50の発電効率も向上でき、且つ入射された光の一部を表示面12の視認性向上のために利用して表示面12を効果的に照明できる。
とりわけ、本実施の形態の照明装置60は、本体部40の法線方向ndに対して第1軸方向d1における一側に大きく傾斜した方向から集光面122に入射した光を、表示面12側に導き得る。すなわち、進行方向を受光面50aに向けられるようになる入射角度の連続的な角度範囲である第2角度範囲AR2及び表示対象13を連続して観察することができる角度範囲である第1角度範囲AR1とは異なる、法線方向ndに対して第1軸方向d1における一側に大きく傾斜した方向から入射する光を含む第3角度範囲AR3から入射する光が、表示面12の第2面40b側の面に到達し得る。これにより、集光面122を通過した光の一部を表示面12の裏面側に導くことで表示面12の視認性を向上させることが可能となる。なお、本実施の形態においては、照明装置60が用いられているが、照明装置70,80が本実施の形態において用いられてもよい。
<第8の実施の形態>
次に、図23を参照しながら、第8の実施の形態について説明する。
図23は、図18等に対応する本実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10の縦断面図である。本実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10は、第1〜第7の実施の形態と同様に、光学シート20と、光学シート20の背面に配置された太陽電池パネル50と、表示面12と、表示面12を照明する照明装置60と、を有している。第8の実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10は、主として光学シート20の構成に関して、第1〜第7の実施の形態と異なっている。一方、第8の実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10は、第1の実施の形態と同様の照明装置60を有している。
図23に示すように、光学シート20は、本体部40の第2面40bに第1軸方向d1に沿って配列された複数の単位レンズ30Aを有している。詳しくは、光学シート20は、本体部40上に支持されたレンズ部25Aを有している。レンズ部25Aは、第1軸方向d1に配列された多数の単位レンズ30Aを含んでいる。各単位レンズ30Aは、本体部40とは反対側を向く面にレンズ面31Aを形成している。多数の単位レンズ30は、そのレンズ面31Aの光軸odが互いに平行となるようにして、並べられている。とりわけ図示された例において、単位レンズ30Aは、そのレンズ面31Aの光軸odが、本体部40の法線方向ndと平行となるよう配置されている。
そして、単位レンズ30Aの一部に表示面12が設けられている。表示面12は、単位レンズ30Aのうちの第1軸方向d1の一側(すなわち、図中上側)に、レンズ面31Aの曲面に沿って設けられている。この例において、表示面12は、レンズ面31Aの先端部から基端部にわたって設けられている。
以上のような第8の実施の形態の太陽電池複合型表示体10によれば、光学シート20は、或る方向から入射する光(L231)の進行方向を屈折によって太陽電池パネル50の受光面50aへ向け、且つ、表示面12から当該レンズ面31Aを経由して出射する光(D231)の進行方向を屈折によって或る方向とは異なる別の方向へ向けることができる。言い換えると、当該別の方向から入射する光の進行方向を表示面12に到達するように導くことができる。したがって、表示面12に形成された表示対象13を観察する場合に、太陽電池パネル50の受光面50aが視認されないようにすることができる。多くの形式の太陽電池パネルにおいて、受光面は、黒色または暗色となっている。このような太陽電池パネルの受光面が露出していると、意匠性に劣り、また当該太陽電池パネルが設置される領域の周囲環境との調和を損なうことになる。しかしながら、本実施の形態による太陽電池複合型表示体10によれば、このような不具合を回避することができる。
また、表示面12は、照明装置60からの光によって照明される。したがって、たとえ屋外に配置されていたとしても、さらに夜間であったとしても、表示面12が照明装置60によって照明されることにより、表示面12の表示対象13を良好に視認することが可能となる。加えて、この照明装置60は、太陽電池パネルで発電された電力を利用して発光するようになっている。したがって、電源や配線等の設置を不要とすることができる点において、例えば屋外に固定される表示体10に対し、非常に有用である。
そして、この照明装置60は、本体部40の第1面40aよりも第2面40b側に発光体65を配置する。具体的に、発光体65は、光学シート20よりも太陽電池パネル50側に位置している。この場合、照明装置60(発光体65)が、光学シート20に入射する光を阻害することがなく、表示面12の表示対象13の視認性を向上できる。しかも、光の入射が阻害されないため、太陽電池パネル50の発電効率も向上でき、且つ入射された光の一部を表示面12の視認性向上のために利用して表示面12を効果的に照明できる。
とりわけ、本実施の形態の照明装置60は、光を拡散させることにより、表示面12を裏面側から照明するとともに、レンズ面31Aから第1面40a側に光が透過するように光を照射して、照射した光を第1面40aで全反射させて表示面12を表面側から照明することができる。そのため、表示面12の視認性を効果的に向上できる。とりわけ、第1面40aが平坦状であるため、反射光を有効に表示面12の照明に利用することができる。なお、本実施の形態においては、照明装置60が用いられているが、照明装置70,80が本実施の形態において用いられてもよい。
<第9の実施の形態>
次に、図24を参照しながら、第9の実施の形態について説明する。
図24は、図18等に対応する本実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10の縦断面図である。本実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10は、第1〜第8の実施の形態と同様に、光学シート20と、光学シート20の背面に配置された太陽電池パネル50と、表示面12と、表示面12を照明する照明装置60と、を有している。第9の実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10は、光学シート20の構成に関して、第1の実施の形態と同様であるが、表示面12の設置位置が異なっている。一方、第8の実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10は、第1の実施の形態と同様の照明装置60を有している。
図24に示すように、光学シート20は、第1の実施の形態と同様に、本体部40の第1面40aに第1軸方向d1に沿って配列された複数の単位レンズ30を有している。一方で、単位レンズ30Aの一部に表示面12が設けられている。表示面12は、単位レンズ30のうちの第1軸方向d1の一側(すなわち、図中上側)に、レンズ面31の曲面に沿って設けられている。この例において、表示面12は、レンズ面31の先端部から基端部にわたって設けられている。
以上のような第9の実施の形態の太陽電池複合型表示体10によれば、光学シート20は、或る方向から入射する光(L241)の進行方向を屈折によって太陽電池パネル50の受光面50aへ向け、且つ、表示面12から当該レンズ面31を経由して出射する光(D241)の進行方向を屈折によって或る方向とは異なる別の方向へ向けることができる。言い換えると、当該別の方向から入射する光を表示面12に到達するように導くことができる。したがって、表示面12に形成された表示対象13を観察する場合に、太陽電池パネル50の受光面50aが視認されないようにすることができる。多くの形式の太陽電池パネルにおいて、受光面は、黒色または暗色となっている。このような太陽電池パネルの受光面が露出していると、意匠性に劣り、また当該太陽電池パネルが設置される領域の周囲環境との調和を損なうことになる。しかしながら、本実施の形態による太陽電池複合型表示体10によれば、このような不具合を回避することができる。
また、表示面12は、照明装置60からの光によって照明される。したがって、たとえ屋外に配置されていたとしても、さらに夜間であったとしても、表示面12が照明装置60によって照明されることにより、表示面12の表示対象13を良好に視認することが可能となる。加えて、この照明装置60は、太陽電池パネルで発電された電力を利用して発光するようになっている。したがって、電源や配線等の設置を不要とすることができる点において、例えば屋外に固定される表示体10に対し、非常に有用である。
そして、この照明装置60は、本体部40の第1面40aよりも第2面40b側に発光体65を配置する。具体的に、発光体65は、光学シート20よりも太陽電池パネル50側に位置している。この場合、照明装置60(発光体65)が、光学シート20に入射する光を阻害することがなく、表示面12の表示対象13の視認性を向上できる。しかも、光の入射が阻害されないため、太陽電池パネル50の発電効率も向上でき、且つ入射された光の一部を表示面12の視認性向上のために利用して表示面12を効果的に照明できる。
<第10の実施の形態>
次に、図25を参照しながら、第10の実施の形態について説明する。
図25は、図18等に対応する本実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10の縦断面図である。本実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10は、第1〜第9の実施の形態と同様に、光学シート20と、光学シート20の背面に配置された太陽電池パネル50と、表示面12と、表示面12を照明する照明装置60と、を有している。第10の実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10は、主として光学シート20の構成に関して、第1〜第9の実施の形態と異なっている。一方、第10の実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10は、第1の実施の形態と同様の照明装置60を有している。
図25に示すように、光学シート20は、本体部40の第2面40bに第1軸方向d1に沿って配列された複数の単位レンズ30Bを有している。詳しくは、光学シート20は、本体部40上に支持されたレンズ部25Bを有している。レンズ部25Bは、第1軸方向d1に配列された多数の単位レンズ30Bを含んでいる。各単位レンズ30Bは、本体部40に向けて凹となるレンズ面31Bを形成している。多数の単位レンズ30Bは、そのレンズ面31Bの光軸odが互いに平行となるようにして、並べられている。とりわけ図示された例において、単位レンズ30Bは、そのレンズ面31Bの光軸odが、本体部40の法線方向ndと平行となるよう配置されている。
そして、単位レンズ30Bの一部に表示面12が設けられている。表示面12は、単位レンズ30Bのうちの第1軸方向d1の他側(すなわち、図中下側)に、レンズ面31Bの曲面に沿って設けられている。この例において、表示面12は、レンズ面31Bの先端部から基端部にわたって設けられている。
以上のような第10の実施の形態の太陽電池複合型表示体10によれば、光学シート20は、或る方向から入射する光(L251)の進行方向を屈折によって太陽電池パネル50の受光面50aへ向け、且つ、表示面12から当該レンズ面31Bを経由して出射する光(D251)の進行方向を屈折によって或る方向とは異なる別の方向へ向けることができる。言い換えると、当該別の方向から入射する光を表示面12に到達するように導くことができる。したがって、表示面12に形成された表示対象13を観察する場合に、太陽電池パネル50の受光面50aが視認されないようにすることができる。多くの形式の太陽電池パネルにおいて、受光面は、黒色または暗色となっている。このような太陽電池パネルの受光面が露出していると、意匠性に劣り、また当該太陽電池パネルが設置される領域の周囲環境との調和を損なうことになる。しかしながら、本実施の形態による太陽電池複合型表示体10によれば、このような不具合を回避することができる。
また、表示面12は、照明装置60からの光によって照明される。したがって、たとえ屋外に配置されていたとしても、さらに夜間であったとしても、表示面12が照明装置60によって照明されることにより、表示面12の表示対象13を良好に視認することが可能となる。加えて、この照明装置60は、太陽電池パネルで発電された電力を利用して発光するようになっている。したがって、電源や配線等の設置を不要とすることができる点において、例えば屋外に固定される表示体10に対し、非常に有用である。
そして、この照明装置60は、本体部40の第1面40aよりも第2面40b側に発光体65を配置する。具体的に、発光体65は、光学シート20よりも太陽電池パネル50側に位置している。この場合、照明装置60(発光体65)が、光学シート20に入射する光を阻害することがなく、表示面12の表示対象13の視認性を向上できる。しかも、光の入射が阻害されないため、太陽電池パネル50の発電効率も向上でき、且つ入射された光の一部を表示面12の視認性向上のために利用して表示面12を効果的に照明できる。
とりわけ、本実施の形態の照明装置60は、光を拡散させることにより、表示面12を裏面側から照明するとともに、レンズ面31Bから第1面40a側に光が透過するように光を照射して、照射した光を第1面40aで全反射させて表示面12を表面側から照明することができる。そのため、表示面12の視認性を効果的に向上できる。とりわけ、第1面40aが平坦状であるため、反射光を有効に表示面12の照明に利用することができる。なお、本実施の形態においては、照明装置60が用いられているが、照明装置70,80が本実施の形態において用いられてもよい。
<第11の実施の形態>
次に、図26を参照しながら、第11の実施の形態について説明する。
図26は、図18等に対応する本実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10の縦断面図である。本実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10は、第1〜第10の実施の形態と同様に、光学シート20と、光学シート20の背面に配置された太陽電池パネル50と、表示面12と、表示面12を照明する照明装置60と、を有している。第11の実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10は、主として光学シート20の構成に関して、第1〜第10の実施の形態と異なっている。一方、第11の実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10は、第1の実施の形態と同様の照明装置60を有している。
図26に示すように、光学シート20は、本体部40の第1面40aに第1軸方向d1に沿って配列された複数の単位レンズ30Cを有している。詳しくは、光学シート20は、本体部40上に支持されたレンズ部25Cを有している。レンズ部25Cは、第1軸方向d1に配列された多数の単位レンズ30Cを含んでいる。各単位レンズ30Cは、本体部40に向けて凹となるレンズ面31Cを形成している。多数の単位レンズ30Cは、そのレンズ面31Cの光軸odが互いに平行となるようにして、並べられている。とりわけ図示された例において、単位レンズ30Cは、そのレンズ面31Cの光軸odが、本体部40の法線方向ndと平行となるよう配置されている。
そして、単位レンズ30Cの一部に表示面12が設けられている。表示面12は、単位レンズ30Cのうちの第1軸方向d1の一側(すなわち、図中上側)に、レンズ面31Cの曲面に沿って設けられている。この例において、表示面12は、レンズ面31Cの先端部から基端部にわたって設けられている。
以上のような第11の実施の形態の太陽電池複合型表示体10によれば、光学シート20は、或る方向から入射する光(L261)の進行方向を屈折によって太陽電池パネル50の受光面50aへ向け、且つ、表示面12から当該レンズ面31Cを経由して出射する光(D261)の進行方向を屈折によって或る方向とは異なる別の方向へ向けることができる。言い換えると、当該別の方向から入射する光を表示面12に到達するように導くことができる。したがって、表示面12に形成された表示対象13を観察する場合に、太陽電池パネル50の受光面50aが視認されないようにすることができる。多くの形式の太陽電池パネルにおいて、受光面は、黒色または暗色となっている。このような太陽電池パネルの受光面が露出していると、意匠性に劣り、また当該太陽電池パネルが設置される領域の周囲環境との調和を損なうことになる。しかしながら、本実施の形態による太陽電池複合型表示体10によれば、このような不具合を回避することができる。
また、表示面12は、照明装置60からの光によって照明される。したがって、たとえ屋外に配置されていたとしても、さらに夜間であったとしても、表示面12が照明装置60によって照明されることにより、表示面12の表示対象13を良好に視認することが可能となる。加えて、この照明装置60は、太陽電池パネルで発電された電力を利用して発光するようになっている。したがって、電源や配線等の設置を不要とすることができる点において、例えば屋外に固定される表示体10に対し、非常に有用である。
そして、この照明装置60は、本体部40の第1面40aよりも第2面40b側に発光体65を配置する。具体的に、発光体65は、光学シート20よりも太陽電池パネル50側に位置している。この場合、照明装置60(発光体65)が、光学シート20に入射する光を阻害することがなく、表示面12の表示対象13の視認性を向上できる。しかも、光の入射が阻害されないため、太陽電池パネル50の発電効率も向上でき、且つ入射された光の一部を表示面12の視認性向上のために利用して表示面12を効果的に照明できる。なお、本実施の形態においては、照明装置60が用いられているが、照明装置70,80が本実施の形態において用いられてもよい。
<第12の実施の形態>
次に、図27を参照しながら、第12の実施の形態について説明する。
図27は、図18等に対応する本実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10の縦断面図である。本実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10は、第1〜第11の実施の形態と同様に、光学シート20と、光学シート20の背面に配置された太陽電池パネル50と、表示面12と、表示面12を照明する照明装置60と、を有している。第12の実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10は、主として光学シート20の構成に関して、第1〜第11の実施の形態と異なっている。一方、第12の実施の形態に係る太陽電池複合型表示体10は、第1の実施の形態と同様の照明装置60を有している。
図27に示すように、光学シート20は、本体部40の第1面40a及び第2面40bが平坦状に形成され、その内部に、表示面12がシート面に傾斜して設けられている。このような太陽電池複合型表示体10においても、光学シート20は、或る方向から入射する光(L271)の進行方向を屈折によって太陽電池パネル50の受光面50aへ向け、且つ、表示面12から出射する光(D271)の進行方向を屈折によって或る方向とは異なる別の方向へ向けることができる。言い換えると、当該別の方向から入射する光を表示面12に到達するように導くことができる。したがって、表示面12に形成された表示対象13を観察する場合に、太陽電池パネル50の受光面50aが視認されないようにすることができる。多くの形式の太陽電池パネルにおいて、受光面は、黒色または暗色となっている。このような太陽電池パネルの受光面が露出していると、意匠性に劣り、また当該太陽電池パネルが設置される領域の周囲環境との調和を損なうことになる。しかしながら、本実施の形態による太陽電池複合型表示体10によれば、このような不具合を回避することができる。
また、表示面12は、照明装置60からの光によって照明される。したがって、たとえ屋外に配置されていたとしても、さらに夜間であったとしても、表示面12が照明装置60によって照明されることにより、表示面12の表示対象13を良好に視認することが可能となる。加えて、この照明装置60は、太陽電池パネルで発電された電力を利用して発光するようになっている。したがって、電源や配線等の設置を不要とすることができる点において、例えば屋外に固定される表示体10に対し、非常に有用である。
そして、この照明装置60は、本体部40の第1面40aよりも第2面40b側に発光体65を配置する。具体的に、発光体65は、光学シート20よりも太陽電池パネル50側に位置している。この場合、照明装置60(発光体65)が、光学シート20に入射する光を阻害することがなく、表示面12の表示対象13の視認性を向上できる。しかも、光の入射が阻害されないため、太陽電池パネル50の発電効率も向上でき、且つ入射された光の一部を表示面12の視認性向上のために利用して表示面12を効果的に照明できる。なお、本実施の形態においては、照明装置60が用いられているが、照明装置70,80が本実施の形態において用いられてもよい。
なお、以上に説明した太陽電池複合型表示体10は、光学シート20と、太陽電池パネル50と、表示面12と、表示面12を照明する照明装置60と、を有し、光学シート20によって太陽電池パネル50を覆いつつ光を効率的に太陽電池パネル50に導くものである。一方で、光学シート20と表示面12と表示面12を照明する照明装置60とは、太陽電池パネル50を覆う以外の目的で使用され得る表示体としても機能し得る。例えば、このような表示体は、或る方向からの光を採光し、或る方向とは異なる方向から視認された場合には表示を行うものとして機能することができる。