JP2017044758A - Euvlマスクブランク用ガラス基板、およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一方の主表面における二乗平均平方根粗さ(Rq)が0.15nm以下であり、かつ、原子間力顕微鏡を用いて、該主表面の中心座標を(0,0)として、100nm×100nmの測定範囲について、0.2nm以下の測定間隔として、前記四隅近傍を測定することで得られる該主表面の表面形状(四隅の座標が(−66,−66)、(−66,66)、(66,−66)、(66,66))が下記(1)、(2)を満たし、ガラス基板上に形成されたマークにより該主表面の向きが識別可能である、EUVリソグラフィ(EUVL)マスクブランク用ガラス基板。
(1)前記四隅(−66,−66)、(−66,66)、(66,−66)、(66,66)のうち、表面形状のアスペクト比Str(s=0.2)(ISO 25178−2)の数値が低い方から任意の2点を選んだ場合に、該任意の2点のアスペクト比が0.7以下である。
(2)前記座標(x,y)における(x,0)方向を0°とし、(0,y)方向を90°とするとき、表面形状の自己相関長さが最大となる角度が、前記2点のいずれも、0±30°、または、90±30°を満たす。
【選択図】なし
Description
本明細書において、EUV光とは、軟X線領域または真空紫外線領域の波長の光線を指し、具体的には波長5〜20nm程度、特に13.5nm±0.3nm程度の光線を指す。
EUV光は、あらゆる物質に対して吸収されやすく、かつこの波長で物質の屈折率が1に近いため、従来の可視光または紫外光を用いたフォトリソグラフィのような屈折光学系を使用できない。このため、EUVLでは、反射光学系、すなわち反射型フォトマスクとミラーとが用いられる。
一方、解像度を上げる方法として、上記の手法に加えて、アナモルフィック(anamorphic)レンズを用いたEUV露光装置の使用が提案されている(非特許文献1、2)。アナモルフィックレンズは、結像されるイメージの縮小率が縦・横方向で異なるレンズであり、一例を挙げると、縦方向の縮小率が1/8倍で、横方向の縮小率が1/4倍のレンズがある。アナモルフィックではないレンズを用いた従来のEUV露光では、x,y方向のいずれも縮小率が同じ露光、一例を挙げると、x,y方向のいずれも1/4縮小露光、が実施されていたが、アナモルフィックレンズを用いたEUV露光では、x方向、y方向のうち、いずれかの方向が1/8縮小露光、もう一方の方向の1/4縮小露光というx,y方向で縮小率が異なる露光が可能となる。このようなx,y方向の縮小率が異なる露光を前提として、反射型フォトマスクのマスクパターンを設計することで、解像度の向上が可能となる。
(1)前記四隅(−66,−66)、(−66,66)、(66,−66)、(66,66)のうち、表面形状のアスペクト比Str(s=0.2)(ISO 25178−2)の数値が低い方から任意の2点を選んだ場合に、該任意の2点のアスペクト比が0.7以下である。
(2)前記座標(x,y)における(x,0)方向を0°とし、(0,y)方向を90°とするとき、表面形状の自己相関長さが最大となる角度が、前記2点のいずれも、0±30°、または、90±30°を満たす。
(1)前記四隅(−66,−66)、(−66,66)、(66,−66)、(66,66)のうち、表面形状のアスペクト比Str(s=0.2)(ISO 25178−2)の数値が低い方から任意の2点を選んだ場合に、該任意の2点のアスペクト比が0.7以下である。
(2)前記座標(x,y)における(x,0)方向を0°とし、(0,y)方向を90°とするとき、表面形状の自己相関長さが最大となる角度が、前記2点のいずれも、0±30°、または、90±30°を満たす。
(1)前記四隅(−66,−66)、(−66,66)、(66,−66)、(66,66)のうち、表面形状のアスペクト比Str(s=0.2)(ISO 25178−2)の数値が低い方から任意の2点を選んだ場合に、該任意の2点のアスペクト比が0.7以下である。
(2)前記座標(x,y)における(x,0)方向を0°とし、(0,y)方向を90°とするとき、表面形状の自己相関長さが最大となる角度が、前記2点のいずれも、0±30°、または、90±30°を満たす。
研磨終了時における前記主表面の中心座標を(0,0)とし、前記主表面の四隅の座標を、それぞれ(−66,−66)、(−66,66)、(66,−66)、(66,66))とし、前記座標(x,y)における(x,0)方向を0°とし、(0,y)方向を90°とするとき、
前記四隅(−66,−66)、(−66,66)、(66,−66)、(66,66)のうち、前記定盤に対する前記ガラス基板の相対的な進行方向における手前側の2点の研磨終了時における研磨軌跡がなす角度が、いずれも、0±30°、または、90±30°を満たすように、下記(1)〜(4)のうち、少なくとも1つを調整することを特徴とするEUVLマスクブランク用ガラス基板の製造方法、を提供する。
(1)キャリア回転数
(2)定盤回転数
(3)基板中心と定盤中心との距離
(4)基板中心とキャリア中心との距離
図1(a),(b)は、アナモルフィックレンズを用いたEUV露光時における表面性状への影響を説明するための図であり、図1(a)はEUVLマスクの表面性状を示しており、図1(b)は該EUVLマスクを使用し、アナモルフィックレンズを用いてEUV露光されたウェハの表面性状を示している。ここで、アナモルフィックレンズを用いたEUV露光は、図中、縦方向に1/4縮小露光、横方向に1/8縮小露光した場合を想定している。
図1(a)に示すEUVLマスク200の表面性状、および、図1(b)に示すウェハ300の表面性状は、それぞれ、EUVLマスク200の主表面における凸部210の分布、ウェハ300表面における凸部310の分布により影響される。
図1(a)に示すEUVLマスク200の主表面には、凸部210が方向性を持たず均一に分布しており、表面性状の均一性が高い。図1(a)に示すEUVLマスク200のように、EUVLマスク200の表面性状の均一性が高いことは、アナモルフィックではないレンズを用いた従来のEUV露光、すなわち、等倍縮小露光では、露光時におけるウェハに形成されたパターンのエッジの粗さ(LER)への悪影響を抑制できること、EUVLマスクブランク用基板、EUVLマスクブランクを製造する工程において主表面に存在する異物の除去が容易であることから好ましいとされている。
しかしながら、x,y方向で縮小率が異なるアナモルフィックレンズを用いたEUV露光の場合、図1(a)に示すEUVLマスク200のような、表面性状の均一性が高いEUVLマスクを使用すると、ウェハの表面性状に異方性が生じる。
図1(b)に示すウェハ300の表面に分布する凸部310は、EUVLマスク200の主表面に分布する凸部210が転写されたものであるが、該ウェハ300の表面上に、図中横方向に整列して存在しており、異方性が生じている。
上述したように、図1(b)は、縦方向に1/4縮小露光、横方向に1/8縮小露光した場合に関する図であり、凸部210の異方性は、縦横方向の縮小露光のうち、より縮小率が大きい横方向に配向している。この結果、ウェハに形成されたパターンのエッジの粗さ(LER)にも異方性が生じる。
アナモルフィックレンズを用いたEUV露光に、表面性状に異方性が生じているEUVLマスク200を使用すると、ウェハの表面性状の異方性が軽減される。
図2(b)に示すウェハ300の表面に分布する凸部310は、図中縦方向に若干整列して存在しているが、図2(a)に示すEUVLマスク200の主表面に分布する凸部210や、図1(b)に示すウェハ300の表面に分布する凸部310に比べると、その異方性は軽微である。この結果、ウェハに形成されたパターンのエッジの粗さ(LER)の異方性が軽減される。
但し、EUVLマスク200主表面の表面性状における異方性は、アナモルフィックレンズを用いたEUV露光によってウェハ300表面に生じる異方性に対し、直交する方向の異方性であることが求められる。
(1)四隅(−66,−66)、(−66,66)、(66,−66)、(66,66)のうち、表面形状のアスペクト比Str(s=0.2)(ISO 25178−2)の数値が低い方から任意の2点を選んだ場合に、該任意の2点のアスペクト比が0.7以下である。
(2)座標(x,y)における(x,0)方向を0°とし、(0,y)方向を90°とするとき、表面形状の自己相関長さが最大となる角度が、前記2点のいずれも、0±30°、または、90±30°を満たす。
なお、この場合の主表面とは、EUVLマスクブランクの作製時に反射層および吸収層が形成される側の主表面である。
EUVLマスクブランク用ガラス基板には、外形6インチ(152mm)角のガラス基板が広く用いられている。上記した主表面の四隅の座標は、外形6インチ(152mm角)のガラス基板の主表面のうち、132mm×132mmの領域の四隅の座標である。なお、132mm×132mmの領域の四隅の座標とするのは以下の理由である。
EUVLマスクブランク用ガラス基板のパターン形成領域は、該基板の152mm角の主表面中央の132mm×104mmの領域である。詳しくは後述するが、本発明のEUVLマスクブランク用ガラス基板は、必要に応じて基板の向きを90°回転させて使用する。132mm×132mmの領域であれば、基板の向きを90°回転させて使用する場合でも、上述したパターン形成領域に対応できる。そして、132mm×132mmの領域の四隅を測定することで、当該132mm×132mmの領域の代表値とすることができる。
また、上記四隅近傍とするのは、原子間力顕微鏡による測定範囲が100nm×100nmという一定の広さを持つためである。なお、原子間力顕微鏡による測定範囲を100nm×100nm、かつ、測定間隔を0.2nm以下とする理由は以下の通りである。
測定範囲を100nm×100nm、かつ、測定間隔を0.2nm以下とする理由
詳しくは後述するが、本発明のEUVLマスクブランク用ガラス基板の製造時には、当該ガラス基板の主表面を所定の条件を満たすように研磨する。マスクブランク用基板の表面粗さは、この研磨時に使用する研磨剤の粒径によって決まる。研磨剤の粒径に相当する周期のスジ状の表面粗さが基板表面に転写されるためである。Rqが0.15nm以下の基板表面を得るためには、平均粒径5〜50nmのコロイダルシリカを研磨剤として用いることが一般的である。そのため、基板表面には5〜50nmの空間波長の表面粗さが存在している。また、5〜50nmの空間波長の表面粗さは、ポリスチレンラテックス粒子換算サイズが50nm以上の異物付着に最も影響する。以上の理由から、5〜50nmの空間波長の表面粗さを検出するために最も適した条件として、測定範囲を100nm×100nm、かつ、測定間隔を0.2nm以下の測定条件とした。
詳しくは後述するが、マスクブランク用ガラス基板の主表面の表面性状は、該マスクブランク用ガラス基板の作製時に実施されるガラス基板の研磨軌跡、より具体的には、研磨終了時における研磨軌跡の影響を受ける。ここで、研磨終了時における研磨軌跡としては、132mm×132mmの領域の四隅のうち、研磨時におけるガラス基板の相対的な進行方向における手前側の2点における研磨軌跡が、残りの2点における研磨軌跡よりも、マスクブランク用ガラス基板の主表面の表面性状により反映される。ここで、研磨時におけるガラス基板の相対的な進行方向における手前側の2点と、残りの2点と、を比較すると、表面性状のアスペクト比Strは前者のほうが数値が低い。そのため、表面形状のアスペクト比Strの数値が低い方から任意の2点とすることで、マスクブランク用ガラス基板の主表面の表面性状により反映される。
ここで、上記座標(x,y)における(x,0)方向は図3のX軸方向であり、この方向を0°とする。一方、(0,y)方向は図3のY軸方向であり、この方向を90°とする。表面形状の自己相関長さが最大となる角度とは、表面形状の自己相関長さが最大となる方向が、この座標系においてなす角度である。
表面形状の自己相関長さが最大となる角度が、上記2点のいずれも、0±20°、または、90±20°を満たすことが好ましく、0±15°、または、90±15°を満たすことがより好ましい。
ここでいう「ノッチマーク」とは、半導体国際規格(SEMI規格)(SEMI P37−1102)で規定された形状のマークであり、具体的には、マスクブランク用ガラス基板の主表面、若しくは、該主表面に対する裏面、から角部に向けて傾斜面を形成するような形状で、SEMI規格に定められた範囲の形状で形成されたマークである。
マスクブランク用ガラス基板の主表面に形成されるノッチマークの個数や形成位置は、基板のスペックに応じてSEMI規格で定められている。
なお、本明細書における表面粗さは、JIS−B0601に基づく二乗平均平方根粗さRq(旧RMS)を指す。
本発明のマスクブランク用ガラス基板を構成するガラスは、熱膨張係数が小さくかつそのばらつきの小さいことが好ましい。具体的には20℃における熱膨張係数の絶対値が600ppb/℃の低熱膨張ガラスが好ましく、20℃における熱膨張係数が400ppb/℃の超低熱膨張ガラスがより好ましく、20℃における熱膨張係数が100ppb/℃の超低熱膨張ガラスがさらに好ましく、30ppb/℃が特に好ましい。
上記低熱膨張ガラスおよび超低熱膨張ガラスとしては、SiO2を主成分とするガラス、典型的には合成石英ガラスが使用できる。具体的には、例えば合成石英ガラス、AQシリーズ(旭硝子株式会社製合成石英ガラス)や、SiO2を主成分とし1〜12質量%のTiO2を含有する合成石英ガラス、AZ(旭硝子株式会社製ゼロ膨張ガラス)が挙げられる。
本発明のマスクブランク用ガラス基板の製造時においても、上記と同様の手順を実施するが、マスクブランク用ガラス基板の主表面の研磨は、下記手順にしたがって実施する。
研磨装置の定盤100の研磨面に対し、キャリア(図示せず)に保持されたガラス基板10の一方の主表面を、その中心が定盤の回転軸と一致しない位置に配置し、定盤100を矢印r1の方向に回転軸を中心に回転させつつ、該定盤100の研磨面上でガラス基板10を保持するキャリア(図示せず)を、矢印r2方向に、定盤100の回転軸を中心に相対的に公転させ、かつ、キャリア(図示せず)の中心を回転軸として該キャリアを自転させて(図中では、ガラス基板10の中心を回転軸として該ガラス基板10を自転させた状態で示している)、ガラス基板10の主表面を研磨する。
本発明のEUVLマスクブランク用ガラス基板の製造方法では、研磨終了時におけるEUVLマスクブランク用ガラス基板の主表面の中心座標を(0,0)とし、該主表面の四隅の座標を、それぞれ(−66,−66)、(−66,66)、(66,−66)、(66,66))とし、座標(x,y)における(x,0)方向を0°とし、(0,y)方向を90°とするとき、該四隅(−66,−66)、(−66,66)、(66,−66)、(66,66)のうち、定盤100に対するガラス基板10の相対的な進行方向における手前側の2点の研磨終了時における研磨軌跡がなす角度がいずれも、0±30°、または、90±30°を満たすようにすることで、上記で定義した主表面の表面形状が上記(1)、(2)を満たすマスクブランク用ガラス基板を得る。
ここで、上記の研磨軌跡は、研磨装置の定盤100に対するガラス基板10上の任意の点の相対的な移動方向を指す。研磨終了時における研磨軌跡に着目する理由は、研磨終了時における研磨軌跡が、マスクブランク用ガラス基板の主表面に転写されて、該主表面の表面性状に反映されるためである。そのため、研磨終了時における研磨軌跡がなす角度が0±30°、または、90±30°を満たしていれば、マスクブランク用ガラス基板の主表面の表面形状が上記(2)を満たす。
図5は、図4に示すガラス基板10の研磨軌跡を説明するための図であり、ガラス基板10の研磨軌跡が破線で示されている。図5において、符号C1,C2で研磨軌跡がなす角度はいずれも77°(90−13°)である。なお、図5において、ガラス基板10の四隅のうち、符号を付していない残りの2点)で研磨軌跡がなす角度はいずれも103°(90+13°)である。
[1]キャリア回転数
[2]定盤回転数
[3]基板中心と定盤中心との距離
[4]基板中心とキャリア中心との距離
なお、上記2点の研磨終了時における研磨軌跡がなす角度を調整する目的で、定盤100、および、キャリア(図示せず、図中ではガラス基板10)を矢印r1方向およびr2方向に回転させたままで、定盤100の研磨面とガラス基板10の主表面と、を離間させて、研磨を終了させる場合は、定盤100の圧縮による影響を避けるため、定盤100の研磨面と、ガラス基板10の主表面と、を離間させる速度を1mm/sec以上であることが好ましく、2mm/sec以上であることが好ましく、3mm/sec以上であることがさらに好ましい。
また、反射層をなす多層反射膜上に形成された吸収層表面の(Rq)は0.30nm以下であり、かつ、吸収層表面の表面形状が上記で定義した(1)、(2)を満たす。
(実施例、比較例)
図4に示すように、研磨装置の定盤100の研磨面に対し、キャリア(図示せず)に保持されたマスクブランク用ガラス基板10の一方の主表面を、その中心が定盤の回転軸と一致しない位置に配置し、定盤100を矢印r1の方向に回転軸を中心に回転させつつ、該定盤100の研磨面上でマスクブランク用ガラス基板10を保持するキャリア(図示せず)を、矢印r2方向に、定盤100の回転軸を中心に相対的に公転させ、かつ、キャリア(図示せず)の中心を回転軸として該キャリアを自転させて、ガラス基板10の主表面を研磨する。研磨剤には、平均粒径20nmのコロイダルシリカを使用する。キャリア回転数、定盤回転数、基板中心と定盤中心との距離、および、基板中心とキャリア中心との距離は下記表に示す通り。実施例では、図5に示す座標系において、定盤100に対するガラス基板10の相対的な進行方向における手前側の2点(符号C1,C2)の研磨終了時における研磨軌跡がなす角度が90°となるように制御する。一方、比較例では、符号C1,C2の研磨終了時における研磨軌跡がなす角度を制御しない。
研磨終了後のマスクブランク用ガラス基板について、原子間力顕微鏡を用いて、その主表面の二乗平均平方根粗さ(Rq)を求める。また、測定範囲を100nm×100nmとし、測定間隔を0.2nm以下として、図3に示す座標系の四隅(−66,−66)、(−66,66)、(66,−66)、(66,66))近傍を測定して、表面形状のアスペクト比(Str)を求める。表面形状のアスペクト比Strの数値が低い方から任意の2点を選び、図3に示す座標系において、表面形状の自己相関長さが最大となる角度を求める。これらの結果を下記表に示す。
また、研磨終了後のマスクブランク用ガラス基板の主表面上に多層反射膜および吸収層をこの順に形成してEUVL用マスクブランクスを作製する。このEUVL用マスクブランクスについて、多層反射膜表面、および、吸収層表面について、の二乗平均平方根粗さ(Rq)、吸収層表面の二乗平均平方根粗さ(Rq)をそれぞれ求める。
さらに、このEUVL用マスクブランクスの吸収層をパターニングした反射型マスクを用いて、アナモルフィックレンズを用いたEUV露光を実施し、ウェハに形成されたパターンのエッジの粗さ(LER)を評価する。表中の符号はそれぞれ以下を示す。
○:x方向のラインパターンとy方向のラインパターンでウェハに形成されたパターンのエッジの粗さ(LER)に有意な差は認められない。
×:x方向のラインパターンとy方向のラインパターンでウェハに形成されたパターンのエッジの粗さ(LER)に有意な差が認められる。
実施例、比較例はいずれも、四隅(−66,−66)、(−66,66)、(66,−66)、(66,66)の表面形状のアスペクト比Strが0.7以下である。但し、定盤100に対するガラス基板10の相対的な進行方向における手前側の2点(符号C1,C2)の研磨終了時における研磨軌跡がなす角度が90°となるように制御された実施例は、Strの数値が低い2点において、表面形状の自己相関長さが最大となる角度が90±30°を満たすのに対し、符号C1,C2の研磨終了時における研磨軌跡がなす角度が制御されていない比較例は、Strの数値が低い2点において、表面形状の自己相関長さが最大となる角度が90±30°を満たさない。表面形状のアスペクト比Str、および、Strの数値が低い2点において表面形状の自己相関長さが最大となる角度は、多層反射膜表面、および吸収層表面においても同様の結果である。その結果、実施例ではウェハに形成されたパターンのエッジの粗さ(LER)が○であるのに対し、比較例では×である。
100:定盤
200:EUVLマスク
210:凸部
300:ウェハ
310:凸部
Claims (11)
- 一方の主表面における二乗平均平方根粗さ(Rq)が0.15nm以下であり、かつ、該主表面の中心座標を(0,0)とし、該主表面の四隅の座標を、それぞれ(−66,−66)、(−66,66)、(66,−66)、(66,66))とするとき、原子間力顕微鏡を用いて、測定範囲を100nm×100nmとし、測定間隔を0.2nm以下として、前記四隅近傍を測定することで得られる該主表面の表面形状が下記(1)、(2)を満たし、ガラス基板上に形成されたマークにより該主表面の向きが識別可能である、EUVリソグラフィ(EUVL)マスクブランク用ガラス基板。
(1)前記四隅(−66,−66)、(−66,66)、(66,−66)、(66,66)のうち、表面形状のアスペクト比Str(s=0.2)(ISO 25178−2)の数値が低い方から任意の2点を選んだ場合に、該任意の2点のアスペクト比が0.7以下である。
(2)前記座標(x,y)における(x,0)方向を0°とし、(0,y)方向を90°とするとき、表面形状の自己相関長さが最大となる角度が、前記2点のいずれも、0±30°、または、90±30°を満たす。 - 前記ガラス基板上に形成されたマークがSEMI P37−1102で規定されるノッチマークである、請求項1に記載のEUVLマスクブランク用ガラス基板。
- 請求項1または2に記載のEUVLマスクブランク用ガラス基板の前記Rqが0.15nm以下、かつ、Strが0.7以下となる主表面上に、反射層として、低屈折率層と高屈折率層とを交互に複数回積層させてなる多層反射膜を形成してなるEUVリソグラフィ(EUVL)用反射層付基板。
- ガラス基板上に、反射層として、低屈折率層と高屈折率層とを交互に複数回積層させてなる多層反射膜が形成されたEUVリソグラフィ(EUVL)用反射層付基板であって、前記多層反射膜表面における二乗平均平方根粗さ(Rq)が0.15nm以下であり、かつ、該多層反射膜表面の中心座標を(0,0)とし、該多層反射膜表面の四隅の座標を、それぞれ(−66,−66)、(−66,66)、(66,−66)、(66,66))とするとき、原子間力顕微鏡を用いて、測定範囲を100nm×100nmとし、測定間隔を0.2nm以下として、前記四隅近傍を測定することで得られる該多層反射膜表面の表面形状(四隅の座標が(−66,−66)、(−66,66)、(66,−66)、(66,66))が下記(1)、(2)を満たし、前記ガラス基板上に形成されたマークにより前記多層反射膜表面の向きが識別可能である、EUVL用反射層付基板。
(1)前記四隅(−66,−66)、(−66,66)、(66,−66)、(66,66)のうち、表面形状のアスペクト比Str(s=0.2)(ISO 25178−2)の数値が低い方から任意の2点を選んだ場合に、該任意の2点のアスペクト比が0.7以下である。
(2)前記座標(x,y)における(x,0)方向を0°とし、(0,y)方向を90°とするとき、表面形状の自己相関長さが最大となる角度が、前記2点のいずれも、0±30°、または、90±30°を満たす。 - 前記ガラス基板上に形成されたマークがノッチマークである、請求項4に記載のEUVL用反射層付基板。
- 請求項4または5に記載のEUVL用反射層付基板の多層反射膜上に吸収層を形成してなるEUVリソグラフィ(EUVL)用反射型マスクブランク。
- 請求項1または2に記載のEUVLマスクブランク用ガラス基板の前記Rqが0.15nm以下、かつ、Strが0.7以下となる主表面上に、多層反射膜、および、吸収層をこの順に形成してなるEUVリソグラフィ(EUVL)用反射型マスクブランク。
- ガラス基板上に、多層反射膜、および、吸収層をこの順に形成してなるEUVリソグラフィ(EUVL)用反射型マスクブランクであって、前記吸収層表面における二乗平均平方根粗さ(Rq)が0.30nm以下であり、かつ、該吸収層表面の中心座標を(0,0)とし、該吸収層表面の四隅の座標を、それぞれ(−66,−66)、(−66,66)、(66,−66)、(66,66))とするとき、原子間力顕微鏡を用いて、測定範囲を100nm×100nmとし、測定間隔を0.2nm以下として、前記四隅近傍を測定することで得られる該吸収層表面の表面形状(四隅の座標が(−66,−66)、(−66,66)、(66,−66)、(66,66))が下記(1)、(2)を満たし、前記ガラス基板上に形成されたマークにより前記吸収層表面の向きが識別可能である、EUVL用反射型マスクブランク。
(1)前記四隅(−66,−66)、(−66,66)、(66,−66)、(66,66)のうち、表面形状のアスペクト比Str(s=0.2)(ISO 25178−2)の数値が低い方から任意の2点を選んだ場合に、該任意の2点のアスペクト比が0.7以下である。
(2)前記座標(x,y)における(x,0)方向を0°とし、(0,y)方向を90°とするとき、表面形状の自己相関長さが最大となる角度が、前記2点のいずれも、0±30°、または、90±30°を満たす。 - 前記ガラス基板上に形成されたマークがSEMI P37−1102で規定されるノッチマークである、請求項8に記載のEUVL用反射型マスクブランク。
- 請求項7〜9のいずれかに記載のEUVL用反射型マスクブランクをパターニングしてなるEUVリソグラフィ(EUVL)用反射型マスク。
- 研磨装置の定盤の研磨面に対し、キャリアに保持されたガラス基板の一方の主表面を、その中心が前記定盤の回転軸と一致しない位置に配置し、前記定盤を回転軸を中心に回転させつつ、前記研磨面上で前記ガラス基板を保持する前記キャリアを前記定盤の回転軸を中心に相対的に公転させ、かつ、前記キャリアの中心を回転軸として該キャリアを自転させて、前記ガラス基板の主表面を研磨する、EUVリソグラフィ(EUVL)マスクブランク用ガラス基板の製造方法であって、
研磨終了時における前記主表面の中心座標を(0,0)とし、前記主表面の四隅の座標を、それぞれ(−66,−66)、(−66,66)、(66,−66)、(66,66))とし、前記座標(x,y)における(x,0)方向を0°とし、(0,y)方向を90°とするとき、
前記四隅(−66,−66)、(−66,66)、(66,−66)、(66,66)のうち、前記定盤に対する前記ガラス基板の相対的な進行方向における手前側の2点の研磨終了時における研磨軌跡がなす角度がいずれも、0±30°、または、90±30°を満たすように、下記(1)〜(4)のうち、少なくとも1つを調整することを特徴とするEUVLマスクブランク用ガラス基板の製造方法。
(1)キャリア回転数
(2)定盤回転数
(3)基板中心と定盤中心との距離
(4)基板中心とキャリア中心との距離
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