JP2017044433A - 空気調和機 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、前方の広範囲にわたってユーザの要求に応じた送風を的確に行うことができる室内機を有する空気調和機を提供する。【解決手段】本発明の空気調和機は、上下風向板20,30が、中央に配置される中央風向板22,32と、前記中央風向板22,32に並んで吹出口12の一端側に配置される一端側風向板21,22と、前記中央風向板22,32に並んで前記吹出口12の他端側に配置される他端側風向板23,33とを備え、前記上下風向板20,30の全長L2に対して、前記中央風向板22,32の長さL1が3分の1未満(L1<L2/3)であることを特徴とする。【選択図】図4

Description

本発明は、空気調和機に関する。
従来、空気調和機の室内機としては、空気吹出口に上下2段の風向板を左右に設けたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
この室内機は、上下2段の風向板の傾きによる吹出空気の絞り程度を左右で変えることによって、空気吹出口の左右での風速を個別に調節することができるようになっている。この室内機によれば、室内機の前方左右にいるユーザのそれぞれに対してユーザのそれぞれの要求に応じて異なる送風を行うことができる。
特許第5473826号公報
しかし、従来の室内機では、空気の上下風向板の上流側における風量分布について考慮されていないため、室内機の前方の広範囲にわたってユーザの要求に応じた送風を的確に行うことができない問題があった。
そこで、本発明の課題は、前方の広範囲にわたってユーザの要求に応じた送風を的確に行うことができる室内機を有する空気調和機を提供することにある。
前記課題を解決した本発明の空気調和機は、クロスフローファンからの気流を吹き出す吹出口と、前記吹出口に配置され、運転時に前記吹出口から吹き出す風向きを上下方向に変える上下風向板とを備え、前記上下風向板は、前記長手方向の中央に配置される中央風向板と、前記中央風向板に並んで前記吹出口の一端側に配置される一端側風向板と、前記中央風向板に並んで前記吹出口の他端側に配置される他端側風向板とを備え、前記長手方向の前記上下風向板の全長L2に対して、前記長手方向の前記中央風向板の長さL1が3分の1未満(L1<L2/3)であることを特徴とする。
また、前記課題を解決した本発明の空気調和機は、クロスフローファンからの気流を吹き出す吹出口と、前記吹出口に配置され、運転時に前記吹出口から吹き出す風向きを上下方向に変える上下風向板とを備え、前記上下風向板は、前記長手方向の中央に配置される中央風向板と、前記中央風向板に並んで前記吹出口の一端側に配置される一端側風向板と、前記中央風向板に並んで前記吹出口の他端側に配置される他端側風向板とを備え、前記長手方向の前記吹出口の全長L3に対して、前記長手方向の前記中央風向板の長さL1が3分の1未満(L1<L3/3)であることを特徴とする。
また、前記課題を解決した本発明の空気調和機は、クロスフローファンからの気流を吹き出す吹出口と、前記吹出口に配置され、運転時に前記吹出口から吹き出す風向きを上下方向に変える上下風向板とを備え、前記上下風向板は、前記長手方向の中央に配置される中央風向板と、前記中央風向板に並んで前記吹出口の一端側に配置される一端側風向板と、前記中央風向板に並んで前記吹出口の他端側に配置される他端側風向板とを備え、前記長手方向の前記クロスフローファンの全長L4に対して、前記長手方向の前記中央風向板の長さL1が3分の1未満(L1<L4/3)であることを特徴とする。
本発明によれば、前方の広範囲にわたってユーザの要求に応じた送風を的確に行うことができる室内機を有する空気調和機を提供することができる。
本発明の実施形態に係る空気調和機の構成説明図である。 室内機の斜視図である。 図2のIII−III断面を概略的に示す室内機の側断面図である。 (a)は、上下風向板を構成する中央風向板の長さを、上下風向板の長さ、クロスフローファンの長さ、及び空気吹出口の長さと対応付けした対比図である。(b)は、上下風向板の上流側での風量分布を示すグラフである。 図4(a)における上下風向板付近の部分拡大図である。 上下風向板を構成する中央風向板の駆動源の配置例を示す室内機の側断面図である。
次に、本発明を実施するための形態(実施形態)について図面を適宜参照しながら説明する。
本実施形態の空気調和機は、室内機における空気吹出口の長手方向に沿って並ぶ3つの上下風向板が後記の所定長さに設定されていることを主な特徴とする。
以下では、まず空気調和機の全体構成について説明した後に室内機及び上下風向板について説明する。なお、以下の説明における室内機の前後上下左右の方向は、図2の矢印に示す方向を基準とする。
<空気調和機>
図1は、本実施形態に係る空気調和機1の構成説明図である。
図1に示すように、空気調和機1は、室内機1aと室外機1bとを備えており、室内機1aと室外機1bとは配管2a,2bを介して接続されている。室内機1aは、室内熱交換器3と、クロスフローファン4とを備えている。室外機1bは、圧縮機5と、四方弁6と、膨張弁7と、室外熱交換器8と、プロペラファン9とを備えている。
この空気調和機1は、四方弁6を切り替えることで室内熱交換器3を蒸発器、室外熱交換器8を凝縮器として使用する冷房運転と、室内熱交換器3を凝縮器、室外熱交換器8を蒸発器として使用する暖房運転とを行うヒートポンプ式のものである。なお、図1に示す四方弁6の切り替え状態は、冷房運転時のものである。また、図1中、実線矢印Xは冷房運転時における冷媒の循環方向を示し、破線矢印Yは暖房運転時における冷媒の循環方向を示している。
例えば、冷房運転時の空気調和機1においては、圧縮機5で圧縮された高温高圧の冷媒は、四方弁6を通過して室外熱交換器8に流入し、空気との熱交換により放熱して凝縮する。その後、冷媒は、膨張弁7によりなどエンタルピ膨張し、低温低圧でガス冷媒と液冷媒とが混在した気液二相流となって室内熱交換器3へ流入する。そして、室内熱交換器3での液冷媒は、空気からの吸熱作用によりガス冷媒に気化する。つまり、液冷媒が気化する際に室内熱交換器3が周囲の空気を冷却することで空気調和機1は、冷房機能を発揮する。次いで、室内熱交換器3を出た冷媒は、圧縮機5へ戻って高温高圧に圧縮されるとともに、再び四方弁6、室外熱交換器8、及び室内熱交換器3を循環する。
<室内機>
次に、室内機1aについて説明する。
図2は、室内機1aの斜視図、図3は、図2のIII−III断面を概略的に示す室内機1aの側断面図である。なお、以下の室内機1aの説明における前後左右上下の方向は、図2の矢印に示す前後左右上下の方向を基準とする。
図2に示すように、室内機1aは、前記の室内熱交換器3(図1参照)とクロスフローファン4(図1参照)とを内側に収納する筐体11を有している。
筐体11は、その外形が略直方体を呈しており、上下左右の面を形成する化粧枠11aと、化粧枠11aの前側に配置されるフロントパネル11bとを備えている。また、本実施形態での筐体11は、化粧枠11aの後側に配置されるリヤパネル(図示省略)をさらに備えている。
化粧枠11aの上面には、空気吸込口(図示省略)が形成されている。室内の空気は、クロスフローファン4(図1参照)が駆動した際にこの空気吸込口を介して筐体11の内側に吸い込まれる。
フロントパネル11bの下方には、空気吹出口12が形成されている。この空気吹出口12は、特許請求の範囲にいう「吹出口」に相当する。
空気吹出口12は、筐体11の左右の幅方向に細長い略矩形に開口するように形成されている。また、この空気吹出口12は、後記するクロスフローファン4(図3参照)の長手方向(図3の紙面に対して垂直方向)に対応するように長い開口で形成されている。
空気吹出口12には、上下風向板10と左右風向板(図示省略)とが配置されている。
左右風向板は、空気吹出口12の左右の幅方向に沿って複数配置され、空気吹出口12から吹き出される空気の左右の方向を制御するようになっている。
上下風向板10については後に詳しく説明する。
また、フロントパネル11bには、空気調和機1(図1参照)の運転状況を表示する表示部14a、別体のリモコン(図示省略)からの赤外線の操作信号を受ける受光部14b、室内の状況を撮像するカメラ(図示省略)などが設けられている。
なお、図2中、符号20は、上下風向板10を構成する上側上下風向板であり、符号30は、上下風向板を構成する下側上下風向板である。また、符号21,22,23は、上側上下風向板20を構成する後記の上側左風向板、上側中央風向板、及び上側右風向板をそれぞれ示し、符号31,32,33は、下側上下風向板30を構成する後記の下側左風向板、下側中央風向板、及び下側右風向板をそれぞれ示している。
図3に示すように、室内機1aは、筐体11内に前記の室内熱交換器3と、クロスフローファン4とを備えている。符号15は、フィルタであり、駆動するクロスフローファン4によって筐体11内に吸込まれた空気は、フィルタ15によって塵埃が除去された後に室内熱交換器3を通過する。
室内熱交換器3は、クロスフローファン4の上方で屈曲してクロスフローファン4を上方から覆うように配置されている。
室内熱交換器3の下側には、室内熱交換器3で結露した水を受けるドレンパン16が配置されている。このドレンパン16とリアパネル11cとによって、クロスフローファン4の下流側での下流側風洞17が構成されている。
なお、下流側風洞17の上側には上側ケーシング18aが配置され、下側には下側ケーシング18bが配置されている。上側ケーシング18aは空気吹出口12の上部を構成しており、下側ケーシング18bは空気吹出口12の下部を構成している。つまり、下流側風洞17のクロスフローファン4とは反対側に空気吹出口12が形成される。
クロスフローファン4は、軸方向(図3の紙面垂直方向)に長い略円筒形状のファンであって、空気吹出口12を下方で区画する前記の上側ケーシング18aと下側ケーシング18bとで挟まれるように配置されている。
クロスフローファン4は、複数の略円筒形状のファンブロック(図示省略)が同心となるように仕切板(図示省略)を介して繋げられ、両端部に配置される円形プレート(図示省略)にて一体に支持されたものである。ちなみに、各ファンブロックは、細長い複数の翼が略円筒形状を形成するように周方向に並列配置されて構成されている。
なお、特許請求の範囲にいう「クロスフローファンの全長L4」は、後記するように、仕切板(図示省略)を介して繋げられた複数のファンブロック4a(図4(a)参照)と、両端部の円形プレート4b(図4(a)参照)を含む長さL4(図4(a)参照)である。
<上下風向板>
上下風向板10は、図3に示すように、下流側風洞17の上側に配置された上側上下風向板20と、下流側風洞17の下側に配置された下側上下風向板30と、を備えている。
上側上下風向板20は、軸19a周りに回動し、下側上下風向板30は、軸19b周りに回動する。なお、軸19a,19bは、空気吹出口12の長手方向(図3の紙面垂直方向)に沿って配置されている。
これらの上側上下風向板20及び下側上下風向板30の回動は、軸19a,19bのそれぞれに設けられたパルスモータなどのアクチュエータ(図示省略)を駆動制御することによって行われる。この際、上側上下風向板20及び下側上下風向板30の回動角度が所定の角度となるように、又は回動角度が連続的に変化するように(揺動するように)駆動制御される。ちなみに、運転停止時の下側上下風向板30は、空気吹出口12を閉じている。
上側上下風向板20及び下側上下風向板30の構成についてさらに詳しく説明する。
以下では、上側上下風向板20を単に「上側風向板20」と称し、下側上下風向板30を単に「下側風向板30」と称する。
再び図2に戻って、上側風向板20と下側風向板30のそれぞれは、空気吹出口12の長手方向に沿って3つ並ぶように配置されている。
具体的には、上側風向板20は、空気吹出口12の長手方向の中央に配置される上側中央風向板22と、上側中央風向板22に並んで空気吹出口12の左端側に配置される上側左風向板21と、上側中央風向板22に並んで空気吹出口12の右端側に配置される上側右風向板23と、を備えている。
また、下側風向板30は、空気吹出口12の長手方向の中央に配置される下側中央風向板32と、下側中央風向板32に並んで空気吹出口12の左端側に配置される下側左風向板31と、下側中央風向板32に並んで空気吹出口12の右端側に配置される下側右風向板33と、を備えている。
なお、上側風向板20及び下側風向板30は、特許請求の範囲にいう「上下風向板」に相当し、上側中央風向板22及び下側中央風向板32は、特許請求の範囲にいう「中央風向板」に相当し、上側左風向板21及び下側左風向板31は、特許請求の範囲にいう「一端側風向板」に相当し、上側右風向板23及び下側右風向板33は、特許請求の範囲にいう「他端側風向板」に相当する。
図4(a)は、上側中央風向板22及び下側中央風向板32のそれぞれの長さL1を、上側風向板20及び下側風向板30の長さL2、クロスフローファン4の長さL4、及び空気吹出口12の長さL3と対応付けした対比図である。図4(b)は、上側風向板20及び下側風向板30の上流側での空気吹出口12の長手方向における風量分布を示すグラフである。
図4(a)に示すように、本実施形態での上側中央風向板22、上側左風向板21、及び上側右風向板23、並びに下側中央風向板32、下側左風向板31、及び下側右風向板33のそれぞれは、平面視で略矩形を呈している。
図4(a)中、符号L1は、上側中央風向板22及び下側中央風向板32のそれぞれの長さであり、符号L2は、上側風向板20及び下側風向板30のそれぞれの長さであり、符号L3は、空気吹出口12の長さであり、符号L4は、クロスフローファン4の長さである。
また、図4(a)中、符号L5は、上側左風向板21及び下側左風向板31の長さであり、符号L6は、上側右風向板23及び下側右風向板33の長さである。
また、図4(a)中、符号40は、各風向板21〜23,31〜33を駆動するパルスモータなどを含むアクチュエータであり、符号41は、各風向板21〜23,31〜33の軸受である。
符号L1,L5,L6で示される各風向板21〜23,31〜33のそれぞれの長さは、各風向板21〜23,31〜33の下流側の端縁の長さで規定されている。また、符号L2で示される上側風向板20及び下側風向板30のそれぞれの長さ(全長)は、最も下流側における左風向板21,32から右風向板23,33までの長さで規定されている。また、符号L3で示される空気吹出口12の長さ(全長)は、最も下流側における開口の長手方向の距離で規定されている。また、符号L4で示されるクロスフローファン4の長さ(全長)は、前記のように、仕切板(図示省略)を介して繋げられた複数のファンブロック4aと、両端部の円形プレート4bを含む長さで規定されている。
本実施形態での上側中央風向板22及び下側中央風向板32のそれぞれの長さL1に設定される第1条件としては、長さL1が、上側風向板20及び下側風向板30のそれぞれの長さ(全長)L2の3分の1未満(L1<L2/3)となっていることである。
また、長さL1に設定される第2条件としては、長さL1が、空気吹出口12の長さ(全長)L3の3分の1未満(L1<L3/3)となっていることである。
また、長さL1に設定される第3条件としては、長さL1が、クロスフローファン4の長さ(全長)L4の3分の1未満(L1<L4/3)となっていることである。
本実施形態では、上側中央風向板22及び下側中央風向板32の両方が、前記の第1条件、第2条件、及び第3条件の全てを満足する空気調和機1を想定している。しかしながら、上側中央風向板22及び下側中央風向板32のうちのいずれか一方が、前記の第1条件、第2条件、及び第3条件の全てを満足する空気調和機1についても後記する本発明の作用効果を奏することができる点で本発明として許容している。
また、本発明は、上側中央風向板22及び下側中央風向板32のうちの少なくとも一方が、前記の第1条件から第3条件のうちの少なくともいずれか一つを満足する空気調和機1についても後記する本発明の作用効果を奏することができる点で本発明として許容している。
また、本実施形態での上側左風向板21及び下側左風向板31の長さL5、並びに上側右風向板23及び下側右風向板33の長さL6のそれぞれは、前記の第1条件から第3条件のいずれかを満足することを前提に適宜に設定することができる。しかしながら、長さL5,L6のそれぞれは、前記の第1条件を満足することを前提に、上側風向板20及び下側風向板30のそれぞれの長さ(全長)L2の3分の1を超えるように(L5,L6>L2/3となるように)設定されることが望ましい。
また、長さL5,L6のそれぞれは、前記の第2条件を満足することを前提に、空気吹出口12の長さ(全長)L3の3分の1を超えるように(L5,L6>L3/3となるように)設定されることが望ましい。
また、長さL5,L6のそれぞれは、前記の第3条件を満足することを前提に、クロスフローファン4の長さ(全長)L4の3分の1を超えるように(L5,L6>L4/3となるように)設定されることが望ましい。
また、本実施形態での長さL5,L6が互いに等しくなるように設定されることを想定しているが、上側中央風向板22及び下側中央風向板32が空気吹出口12の中央に配置されることを前提に、長さL5,L6が互いに相違するように設定することもできる。この場合、長さL5,L6は、L1<(L5+L6)/2の関係式を満足する範囲で設定することができる。
また、本実施形態では、上側中央風向板22及び下側中央風向板32のそれぞれの長さL1は、同じ長さとなることを想定しているが、前記の第1条件から第3条件のいずれかを満足することを前提に、上側中央風向板22及び下側中央風向板32のそれぞれの長さを相違させることもできる。また、上側左風向板21及び下側左風向板31のそれぞれの長さL5同士、並びに上側右風向板23及び下側右風向板33のそれぞれの長さL6同士についても、本実施形態では、同じ長さとなることを想定しているが、前記の第1条件から第3条件のいずれかを満足することを前提に、長さL5同士を相違させることもできるし、長さL6同士を相違させることもできる。
次に、本実施形態の空気調和機1における室内機1aの奏する作用効果について説明する。
図4(b)に示すように、上側風向板20及び下側風向板30の上流側の風量分布は、空気吹出口12の長手方向の中央部に対応する位置での吹出方向への空気の風量が最も大きく、長手方向の両端に向かうほど風量が小さくなる。
従来の空気調和機の室内機では、前記のように上下風向板の上流側における風量分布について考慮されていないため、上下風向板を介して室内に吹き出される風量は、空気吹出口12の両端に向かうほど風量が小さくなる。これにより従来の空気調和機の室内機は、室内機の前方の広範囲にわたってユーザの要求に応じた送風を的確に行うことができない問題がある。
これに対して、本実施形態では、上側中央風向板22及び下側中央風向板32のそれぞれの長さL1が、上側風向板20及び下側風向板30のそれぞれの長さ(全長)L2の3分の1未満(L1<L2/3)となる第1条件、空気吹出口12の長さ(全長)L3の3分の1未満(L1<L3/3)となる第2条件、及びクロスフローファン4の長さ(全長)L4の3分の1未満(L1<L4/3)となる第3条件のうちの少なくとも一つを満足するようになっている。これにより本実施形態での空気吹出口12においては、上側中央風向板22及び下側中央風向板32による通風抵抗が、上側左風向板21及び下側左風向板31、並びに上側右風向板23及び下側右風向板33による通風抵抗よりも大きくなる。よって、空気吹出口12の長手方向の中央を流れようとする空気は、空気吹出口12の長手方向の両端側に向かって流れるように分散される。つまり、本実施形態での室内機1aによれば、図4(b)に示す空気吹出口12の長手方向の中央ほど風量が多くなる偏った風量分布が解消されて、空気吹出口12の長手方向の風量を均一化することができる。この室内機1aによれば、前方の広範囲にわたってユーザの要求に応じた送風を的確に行うことができる。
また、本実施形態の空気調和機1の運転例を挙げると、例えば暖房運転時には、上側中央風向板22及び下側中央風向板32よりも幅広の上側左風向板21及び下側左風向板31、並びに上側右風向板23及び下側右風向板33によって室内全体が暖まるように広範囲に送風が行われる。上側左風向板21及び下側左風向板31、並びに上側右風向板23及び下側右風向板33は、例えば、室内の下方、又は室内の左右壁面に向けて送風する。幅狭の上側中央風向板22及び下側中央風向板32は、ユーザに向けてスポット的に送風する。この場合、前記の左右風向板(図示省略)による風向調整を併せて行うこともできる。
また、冷房運転時には、暖気が天井に溜りやすいので、幅広の上側左風向板21及び下側左風向板31、並びに上側右風向板23及び下側右風向板33は、室内の上方に向けて送風する。これにより本実施形態の空気調和機1は、室内全体の空気調和を迅速に行うことができるとともに、ユーザへのスポット的な送風をも行うことができる。
また、本実施形態の空気調和機1によれば、室内に存在する人の密度に応じて、人の密度が高い場所には幅広の上側左風向板21及び下側左風向板31、並びに上側右風向板23及び下側右風向板33によって送風し、人の密度が少ない場所には幅狭の上側中央風向板22及び下側中央風向板32によって送風することができる。これによって集合人数の密度の違いによる快適感のばらつきを解消することができる。
以上、本実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、種々の形態で実施することができる。
本発明は、図4(a)に示したように上側中央風向板22及び下側中央風向板32を前記の所定長さに設定することに加えて、上側中央風向板22及び下側中央風向板32を回動させるアクチュエータ40をこれらの風向板22,32の長手方向の端縁よりも内側に配置した構成を採用することができる。
図5は、図4(a)における上側風向板20及び下側風向板30付近の部分拡大図である。
図5に示すように、上側中央風向板22及び下側中央風向板32のアクチュエータ40を構成するそれぞれの駆動軸43,43は、上側中央風向板22及び下側中央風向板32の長手方向の端縁45よりも内側に配置されている。
なお、図5中、符号21は上側左風向板、符号23は上側右風向板、符号31は下側左風向板、符号33は下側右風向板である。
このような上側風向板20及び下側風向板30は、駆動軸43の支持部材44が上側中央風向板22及び下側中央風向板32の長手方向の端縁45よりも内側に配置されることによって、空気吹出口12の中央での通風抵抗がさらに大きくなる。
これにより空気吹出口12の長手方向における風量の均一化は、より効率的に行われることとなる。
また、前記実施形態での室内機1a(図2参照)では、図4(a)に示すように、上側中央風向板22及び下側中央風向板32のアクチュエータ40は、各風向板21〜23,31〜33の端縁近傍に配置した構成を想定している。しかしながら、上側中央風向板22及び下側中央風向板32の駆動源としての本実施形態でのパルスモータは、上側中央風向板22及び下側中央風向板32から離して配置することもできる。
すなわち、上側中央風向板22及び下側中央風向板32は、他の上側左風向板21及び下側左風向板31、並びに上側右風向板23及び下側右風向板33と比べて幅狭になるため軽量となる。したがって、例えば駆動源(パルスモータ)の駆動力を上側中央風向板22及び下側中央風向板32に伝達するギア数及びギア比は、上側左風向板21及び下側左風向板31、並びに上側右風向板23及び下側右風向板33に適用されるギア数及びギア比の範囲よりも広い範囲で設定可能となる。
図6は、下側中央風向板32の駆動源50の配置例を示す室内機1aの側断面図である。図6中、符号3は、室内熱交換器、符号4は、クロスフローファン、符号12は、空気吹出口である。
図6に示すように、この変形例に係る室内機1aでは、パルスモータなどの駆動源50が下流側風洞17を区画する下側ケーシング18bと、筐体11のリアパネル11cとの間に配置され、複数のギア51が噛み合わされて下側中央風向板32の駆動軸43と駆動源50とを連結している。
また、図示しないが、上側中央風向板22の駆動源50及びギア51についても下側中央風向板32と同様に配置することができる。
このような室内機1aによれば、ギア51のギア数及びギア比の選択の幅が広がって、上側中央風向板22及び下側中央風向板32の駆動源50の配置位置についての設計自由度が高められる。
1 空気調和機
1a 室内機
1b 室外機
2a 配管
3 室内熱交換器
4 クロスフローファン
4a ファンブロック
4b 円形プレート
5 圧縮機
6 四方弁
7 膨張弁
8 室外熱交換器
10 上下風向板
11 筐体
11a 化粧枠
11b フロントパネル
11c リアパネル
12 空気吹出口
14a 表示部
14b 受光部
15 フィルタ
16 ドレンパン
17 下流側風洞
18a 上側ケーシング
18b 下側ケーシング
20 上側風向板(上下風向板)
21 上側左風向板(一端側風向板)
22 上側中央風向板(中央風向板)
23 上側右風向板(他端側風向板)
30 下側風向板(上下風向板)
31 下側左風向板(一端側風向板)
32 下側中央風向板(中央風向板)
33 下側右風向板(他端側風向板)
40 アクチュエータ
43 駆動軸

Claims (4)

  1. クロスフローファンからの気流を吹き出す吹出口と、
    前記吹出口に配置され、運転時に前記吹出口から吹き出す風向きを上下方向に変える上下風向板とを備え、
    前記上下風向板は、前記長手方向の中央に配置される中央風向板と、前記中央風向板に並んで前記吹出口の一端側に配置される一端側風向板と、前記中央風向板に並んで前記吹出口の他端側に配置される他端側風向板とを備え、
    前記長手方向の前記上下風向板の全長L2に対して、前記長手方向の前記中央風向板の長さL1が3分の1未満(L1<L2/3)であることを特徴とする空気調和機。
  2. クロスフローファンからの気流を吹き出す吹出口と、
    前記吹出口に配置され、運転時に前記吹出口から吹き出す風向きを上下方向に変える上下風向板とを備え、
    前記上下風向板は、前記長手方向の中央に配置される中央風向板と、前記中央風向板に並んで前記吹出口の一端側に配置される一端側風向板と、前記中央風向板に並んで前記吹出口の他端側に配置される他端側風向板とを備え、
    前記長手方向の前記吹出口の全長L3に対して、前記長手方向の前記中央風向板の長さL1が3分の1未満(L1<L3/3)であることを特徴とする空気調和機。
  3. クロスフローファンからの気流を吹き出す吹出口と、
    前記吹出口に配置され、運転時に前記吹出口から吹き出す風向きを上下方向に変える上下風向板とを備え、
    前記上下風向板は、前記長手方向の中央に配置される中央風向板と、前記中央風向板に並んで前記吹出口の一端側に配置される一端側風向板と、前記中央風向板に並んで前記吹出口の他端側に配置される他端側風向板とを備え、
    前記長手方向の前記クロスフローファンの全長L4に対して、前記長手方向の前記中央風向板の長さL1が3分の1未満(L1<L4/3)であることを特徴とする空気調和機。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の空気調和機において、
    前記中央風向板を回動させる駆動軸が、前記長手方向の前記中央風向板の端縁よりも内側に配置されていることを特徴とする空気調和機。
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