JP2017043948A - オーバーヘッドドア - Google Patents

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Abstract

【課題】防水性能を備えたオーバーヘッドドアを提供する。【解決手段】最下位パネル1の下端には、パネル全幅に亘って弾性変形可能なボトム水密部材8が設けてあり、全閉状態において、ボトム水密部材8は床面FLに密着する一方、各パネルの室外側面部の幅方向両端部と躯体5とは隙間を存して離間対向しており、前記隙間の下端には、全閉状態におけるボトム水密部材8の長さ方向両端部の室外側に位置するように第2水密ブロック(下側水密ブロック)87が設けてあり、全閉状態において、床面FLに接触するボトム水密部材9の長さ方向両端部の室外側部位が下側水密ブロック87に密着することで、前記隙間の下端領域を閉塞する。【選択図】図8

Description

本発明は、オーバーヘッドドアに係り、より詳しくは、防水性能を備えたオーバーヘッドドアに関するものである。
オーバーヘッドドアは、倉庫やガレージ等の建物の屋外と屋内とを連通する開口部に設置する建具として知られており、風圧力、雨仕舞に配慮した設計となっているが、防水性能(特に水圧を伴った水に対する抵抗力)については考慮されていない。
近年、ゲリラ豪雨等による建物内部への浸水が多発するようになり、オーバーヘッドドアにおいても防水性能が要求される場面も増えている。しかしながら、オーバーヘッドドアは、扉体開閉時におけるパネルと躯体との接触を防ぐためにパネルの室外側面部の幅方向両端部と躯体とは隙間を存して離間対向する構造となっており、豪雨等によって屋外側の水位が高くなると、かかる隙間から屋内側への浸水を招いてしまうことになる。
特許文献1には、オーバーヘッドドアの止水装置が開示されているが、開口部全閉時に、作動アームによってドアプレスアングルを室外側に押圧して、最下段のドアパネルの下端部及び左右両端部をシール部材に密着させるものであり、止水装置にのみ使用する部材を別途用意しておく必要があり、また、止水構造を得るためには、開口部全閉後に作動アームの操作が必要となる。
特公平4−33352
本発明は、通常の閉鎖動作における全閉状態と同時に防水性能を発揮するオーバーヘッドドアを提供するものであり、特に、全閉状態の扉体の下端部位における防水構造に特徴を備えたオーバーヘッドドアを提供することを目的とするものである。
本発明が採用した技術手段は、
室外側面部と室内側面部を備えた複数枚のパネルを互いに回動可能に高さ方向に連結してなる扉体を備えたオーバーヘッドドアにおいて、
最下位パネルの下端には、パネル全幅に亘って弾性変形可能なボトム水密部材が設けてあり、
全閉状態において、前記ボトム水密部材は床面に密着する一方、各パネルの室外側面部の幅方向両端部と躯体とは隙間を存して離間対向しており、
前記隙間の下端には、全閉状態におけるボトム水密部材の長さ方向両端部の室外側に位置するように下側水密ブロックが設けてあり、
全閉状態において、前記床面に接触するボトム水密部材の長さ方向両端部の室外側部位が前記下側水密ブロックに密着することで、前記隙間の下端領域を閉塞する、
オーバーヘッドドア、である。
1つの態様では、前記下側水密ブロックの前記ボトム水密部材と接触する部位には、弾性層が形成されている。
1つの態様では、前記ボトム水密部材は全長に亘って中空部を備え、
前記ボトム水密部材の前記中空部には、少なくとも長さ方向両端部領域において、弾性部材が充填されており、
全閉状態において、前記弾性部材によって密着状態におけるボトム水密部材の過度の変形が抑制されることで当該密着状態が維持される。
1つの態様では、前記ボトム水密部材は室外側フィン、室内側フィンを備え、
前記室外側フィンが押しつぶされると、当該室外側フィンの面部とボトム水密部材の室外側下半部の面部が密着するようになっており、前記面部の一方あるいは両方には弾性層が形成されている。
ボトム水密部材の形状は、全閉状態で水密構造を形成できるものであれば、限定されず、フィンを備えていなくてもよい。
1つの態様では、全閉状態において、ボトム水密部材が変形して(最下位パネルの室外側への変位と相俟って)、当該ボトム水密部材の室外側部位の一部が、躯体(躯体に設けた枠体、あるいは、枠体に設けたシール材)に密着する。この場合、ボトム水密部材の室外側部位において、躯体(躯体に設けた枠体、あるいは、枠体に設けたシール材)に密着する部分の下方の部位が下側水密ブロックに密着する。
1つの態様では、前記隙間には前記床面から高さ方向に延びるシール材が設けてあり、
全閉状態において、前記下側水密ブロックは、前記ボトム水密部材と前記シール材との間に位置し、第1面が前記ボトム水密部材に密着し、第2面が前記シール材に密着している。
なお、前記下側水密ブロックは、躯体(躯体に固定した枠体を含む)に密着させたものでもよい。
下側水密ブロックは、典型的には床面に固定されるが、さらに、シール材や躯体に固定してもよい。
1つの態様では、前記隙間には前記床面から高さ方向に延びるシール材が設けてあり、前記下側水密ブロックは、前記シール材の下方部位と前記躯体との間に位置しており、
全閉状態において、前記下側水密ブロックは、第1面が前記シール材に密着し、第2面が前記躯体に密着しており、前記ボトム水密部材の長さ方向両端部の室外側部位が前記シール材を介して前記下側水密ブロックに密着している。
1つの態様では、前記隙間には、
高さ方向に延びる第1シール材と、
床面から所定高さに亘って設けられた第2シール材と、
が設けてあり、
全閉状態において、前記第1シール材の少なくとも部分は、前記隙間に位置して、前記パネルの室外側面部の幅方向端部に接触しており、
全閉状態において、前記第2シール材は、前記第1シール材と前記躯体との間で圧縮状態にあって、前記隙間の下方部位は、最下位パネルの室外側面部、前記第1シール材、前記第2シール材、前記躯体が重なり合うことで閉塞されており、
前記下側水密ブロックは前記第1シール材に密着している。
1つの態様では、前記第1シール材、第2シール材を備えたものにおいて、前記下側水密ブロックは、前記第2シール材の下方部位と前記躯体との間に位置しており、
全閉状態において、前記下側水密ブロックは前記第2シール材に密着し、前記ボトム水密部材の長さ方向両端部の室外側部位が前記第1シール材に密着しており、前記ボトム水密部材の長さ方向両端部の室外側部位が前記第1シール材、第2シール材を介して前記下側水密ブロックに密着している。
1つの態様では、前記ボトム水密部材の長さ方向両端部の室外側部位の上側に近接ないし接触して上側水密ブロックが設けてあり、
全閉状態において、前記上側水密ブロックは、前記ボトム水密部材と前記シール材との間に位置し、第1面が前記ボトム水密部材に密着し、第2面が前記シール材に密着している。
前記上側水密ブロックが前記シール材に密着することで、前記下側水密ブロックによって閉塞された空間の上側の空間を閉塞する。
上側水密ブロックは、最下位パネル下端あるいは/およびボトム水密部材に固定され得る。
この上側水密ブロックは、ボトム水密部材の形状によっては設けなくてもよい任意要素である(図9参照)。
1つの態様では、全閉状態において、前記最下位パネルは室外側に変位する。
1つの態様では、前記ガイドレールの第1ガイド面及び第2ガイド面は、下方に向かって室外側に緩やかに傾斜しており、
全閉状態では、前記ガイドレールに案内される最下位パネルのガイドローラを介して最下位パネルが室外側に変位する。最下位パネルの室内側への移動は、前記ガイドローラがガイドレールの前記第1ガイド面に当接することで規制されている。
1つの態様では、前記ガイドレールの第1ガイド面には、全閉状態において、最下位パネルのガイドローラが位置する高さに、凸部が形成されており、全閉状態では、ガイドレールの前記凸部に押圧される前記ガイドローラを介して最下位パネルが室外側に変位する。最下位パネルの室内側への移動は、前記ガイドローラがガイドレールの前記第1ガイド面に形成された前記凸部に当接することで規制されている。
1つの態様では、全閉状態では、前記凸部と上記ガイドレールの傾斜が協働して、最下位パネルのガイドローラを室外側に案内することで、最下位パネルが室外側に変位する。
本発明では、全閉状態において、前記ボトム水密部材は床面に密着する一方、各パネルの室外側面部の幅方向両端部と躯体とは隙間を存して離間対向しており、前記隙間の下端には、全閉状態におけるボトム水密部材の長さ方向両端部の室外側に位置するように下側水密ブロックを設けたことで、全閉状態において、前記床面に接触するボトム水密部材の長さ方向両端部の室外側部位が前記下側水密ブロックに密着することで、前記隙間の下端領域を閉塞することができる。
本発明では、扉体が全閉状態となると同時に、前記最下位パネルに対応する前記隙間の密閉状態が得られる。
全閉姿勢にあるオーバーヘッドドアを室内側から見た正面図である。 全閉姿勢にあるオーバーヘッドドアの側面図である。 最下位パネルの下端部位の幅方向端部の縦断面図である。 最下位パネルの下端部位の幅方向端部を室外側から見た図である。 最下位パネルの下端部位の幅方向端部を室内側から見た図である。 オーバーヘッドドア下端の水密構造を示し、全閉姿勢にあるオーバーヘッドドアの最下位パネルの下端部位の幅方向端部の縦断面図である。 図6のA−A断面図である。 図6の状態からボトム水密部材が押しつぶされた状態を示す図である。 オーバーヘッドドア下端の水密構造の他の実施形態を示し、全閉姿勢にあるオーバーヘッドドアの最下位パネルの下端部位の幅方向端部の縦断面図である。 ガイドレールの支持構造及び取付構造を示す図である。 オーバーヘッドドアの側部及び下端の水密構造を示し、全閉姿勢にあるオーバーヘッドドアの最下位のパネルを含む側面図である。 全閉姿勢にあるオーバーヘッドドアの最下位パネルの下端部位の幅方向端部の縦断面図である。 全閉姿勢にあるオーバーヘッドドアの最下位のパネルにおける横断面図である(他の実施形態)。 下側水密ブロックの取付状態を示す図である。
[A]オーバーヘッドドアの構成
図1は全閉姿勢にあるオーバーヘッドドアを室内側から見た正面図、図2は全閉姿勢にあるオーバーヘッドドアの側面図であり、オーバーヘッドドアの扉体は、横長の長方形状の複数枚のパネル1を、丁番2を介して上下方向に互いに回動可能に連結して構成されている。各パネル1の幅方向両端にはガイドローラ3が回転自在に設けてあり、扉体は、各パネル1の左右のガイドローラ3が左右のガイドレール4にそれぞれ案内されて上昇、下降することで建物開口部を開閉する。
ガイドレール4は、開口部の高さ方向に延びる第1部位40と、第1部位40の上方から室内側に向かって後方に延びる湾曲状の第2部位41と、第2部位41の後方から天井CLに沿って後方に延びる第3部位42と、からなる。第1部位40は、下方から上方に向かって室内側へ緩やかに傾斜している。第3部位42は、室内側に向かって上方に緩やかに傾斜している。
開口部全閉状態では各パネル1(最上位のパネル1を除く)はガイドレール4の第1部位40に位置することで複数枚のパネル1がほぼ垂直姿勢となって開口部を閉鎖している。開口部全閉状態から、各パネル1がほぼ垂直姿勢から第3部位42に位置するほぼ水平姿勢まで引き上げられ(最下位のパネル1は湾曲部位41に位置する)、扉体が室内側空間の天井CLに沿って横方向に延びた姿勢となって、開口部全開状態となる。
開口部の上方には、バランススプリング20を備えた回転軸21が配設されており、回転軸21の両端部に軸支したドラム22に一端をそれぞれ固定した巻取りワイヤ23の他端を、最下位のパネル1の左右両端のワイヤ接続部162(図7、13参照)にそれぞれ接続して、バランススプリング20の巻き上げ方向の付勢力により全閉姿勢にある扉体を開放方向(上方)に付勢するように構成されている。
本実施形態に係るオーバーヘッドドアは電動式であり、電動開閉機構は、開閉機24と、トロリーレール25と、連結アーム26と、を備え、連結アーム26の上端はトロリーレール25上を移動可能となっており、開閉機24による連結アーム26の移動によって最上位パネル1を始動させることで扉体を移動させる。図2において、全開方向への移動時の扉体の移動軌跡を実線1´で示している。なお、上述のオーバーヘッドドアの駆動構成は一例に過ぎないものであり、本発明の内容を限定するものではない。
ガイドレール4(第1部位40)は、開口部のほぼ全高に亘って垂直状に延びる支持枠6及び支持プレート7を介して、開口部左右の躯体5の内面50から持ち出し状に支持されている。図7、13に示すように、ガイドレール4は、断面視においてほぼC形状を有しており、より具体的には、凹状の第1ガイド面43と、平面状の第2ガイド面44と、第1ガイド面43と第2ガイド面44を繋ぐ側部45と、からなる。図示の態様では、第1ガイド面43が室内側(躯体5の内面50から遠い側)、第2ガイド面44が室外側(躯体5の内面50に近い側)に位置している。
支持枠6は、第1辺60と第2辺61とから断面視L形状を備えた長尺部材であり、第1辺60の外面を躯体5の内面50に重ねるようにして躯体5に連結される。第1辺60が躯体5の内面50に連結された状態において、第2辺61は、室内側に向かって躯体5の内面50に対して垂直状に延びている。第2辺61の外面には、支持プレート7が面接触して連結されており、支持プレート7の室内側部位70は、第2辺61の端部を超えて室内側に延びており、室内側部位70の内面には、ガイドレール4の第1部位40の側部45が面接触して螺子71で連結されている。なお、本実施形態では、支持枠6と支持プレート7を別個の部材から構成したが、これらを一体形成してもよい。
パネル1は、室外側面部10と、室内側面部11と、左右の側面12、上面13(図11参照)、下面14(図3、11参照)を備えている。パネル1の上面13は上向き凸状、下面14は下向き凹状の形状を有しており、上下に隣接する2枚のパネル1は、パネル1同士が回動可能なように、上側のパネル1の凹状の下面14に、下側のパネル1の凸状の上面13が受け入れられた状態で丁番2によって連結されている。パネル1の下端部位は、下向き凹部を挟んで室外側部位140と室内側部位141とからなる(図3)。
パネル1の幅方向両端部には縦框15が設けてある。縦框15は、断面視ほぼコ字状の板材からなり、パネル1の室外側面部10に密着する第1辺150と、パネル1の室内側面部11に密着する第2辺151と、パネル1の側面12に密着する第3辺152と、からなり、第2辺151の幅寸法は、第1辺150の幅寸法よりも大きい。縦框15の第1辺150及び第3辺152の室外側半部の内面と、パネル1の室外側面部10及び側面12の室外側半部と、の接合面には、シーリング材(図示せず)が設けてある。室外側面部10には、高さ方向に間隔を存して複数の凹部100が幅方向に形成されているが、縦框15の第1辺150と凹部100の隙間にシーリング材(定型、不定形を問わない)を充填することで、この隙間を閉塞してある。
最下位のパネル1の室内側面部11の幅方向両端部(すなわち、縦框15の第2辺151)及び側面12(すなわち、縦框15の第3辺152)の下方部位には、これらに当接するように断面視L形状の被連結部材16が設けてある。被連結部材16の第1辺160は、第2辺151に当接し、第2辺161は、第3辺152に当接している。被連結部材16の第2辺161には、巻取りワイヤ接続部162が設けてあり、巻取りワイヤ(図7、13では図示せず)が連結される。
被連結部材16の第1辺160には、断面視コ字状のブラケット17が固定されている。ブラケット17は、対向する第1辺170と第2辺171と、被連結部材16の第1辺160に接続される第3辺172と、からなり、第1辺170と第2辺171間にローラ軸30が支持されており、ローラ軸30の先端部位は、第2辺171及びパネル1の側面12(縦框15の第3辺152)を越えて延びており、先端にガイドローラ3が回転自在に支持されている。最下位のガイドローラ3を除くガイドローラ3及びローラ軸30は、丁番2に連結されたローラブラケット16´に支持されている(図11)。なお、ガイドローラ3の支持構造は、図示の態様に限定されるものではない。
ガイドレール4の第1ガイド面43と第2ガイド面44の内面間の距離は、ガイドローラ3の直径よりも大きく、ガイドローラ3は、クリアランス(遊び)を有してガイドレール4に受け入れられている。すなわち、ガイドローラ3が第1ガイド面43の内面に接触している時には、ガイドローラ3と第2ガイド面44の内面との間には隙間が形成されている(図7、13参照)。
上述のように、パネル1の室内側面部11の幅方向端部から側面12を越えて突出するローラ軸30に設けたガイドローラ3がガイドレール4の第1部位40に受け入れられた状態でパネル1の室外側面部10(第1辺150)と躯体5の内面50(第1辺60)との間には隙間が形成されているが、ガイドローラ3がガイドレール4の第1部位40の第1ガイド面43に当接することで、室外側で発生した水圧によってパネル1が室内側へ押圧された場合であっても、上記隙間の拡大が規制される。また、上記隙間は、ガイドローラ3とガイドレール4間のクリアランスよりも大きく、ガイドローラ3がガイドレール4の第1部位40の第2ガイド面44に当接した場合であっても、第1辺150が第1辺60に接触することはない。パネル1の側面12(縦框15の第3辺152)と第2辺61との間には空間が形成されており、かかる空間を利用して、巻取りワイヤ(図7、13では図示せず)が高さ方向に延びている。
[B]オーバーヘッドドアの下端部位の水密構造
[B−1]ボトム水密部材
最下位パネル1の下端には、幅方向に亘って弾性変形可能なボトム水密部材8、いわゆるウェザーストリップ、が設けてあり、全閉状態において、ボトム水密部材8が床面FLの凹凸(平面状の床面FLも完全な平面ではなく変形している)に倣って追従して弾性変形した状態で平面状の床面FLに密着することで、最下位パネル1の下端の水密構造を確保する。ボトム水密部材8は、ゴム(例えばEPDMゴム)や弾性樹脂等の弾性部材から形成される。
ボトム水密部材8は、断面視円形状で中空の本体80と、本体80の上面に形成された断面視T形状の被保持部81と、本体80の下方部位に形成した室外側フィン82と、室内側フィン83と、を備えている。室外側フィン82は室外側へ下向きに傾斜しており、室内側フィン83は室内側へ下向きに傾斜している。図示の態様では、室外側フィン82、室内側フィン83は、僅かに皿状に湾曲しているが、フィンはストレート形状であってもよい。
ボトム水密部材8の本体80の中空部の長さ方向両端部には、弾性部材84が設けてある。弾性部材84は直方体状のブロックであり、角部がボトム水密部材8の本体80の内面に接触している。弾性部材84は、例えば、独立発泡ゴムからなり、より具体的には、CRスポンジ(クロロプレンゴムをベースとしたゴムスポンジ)である。図示の態様では、弾性部材84の長さ寸法は、縦框15の第1辺150の幅寸法より小さい寸法となっている(図4、7参照)。弾性部材84は、ボトム水密部材8の中空部の断面形状に内側から接触するような形状であればよく、断面視方形状の弾性部材84を図示したが、弾性部材84は断面視多角形状(例えば、5角形や6角形)でもよく、あるいは、不定形でもよい。
ボトム水密部材8は、全閉状態において床面FLの凸凹等との追従性を考慮して変形し易い袋形状(中空状)の弾性部材から形成されている。ボトム水密部材8の長さ方向両端部の内部空間に弾性部材84を設けることで、床面FLの形状と追従できるものでありながら、屋外側から水圧がかかった時のボトム水密部材8の長さ方向両端部の過度の変形を防止する。すなわち、中空状のボトム水密部材8の長さ方向両端に弾性部材84を設けることで、ボトム水密部材8の耐水圧性能を向上させる。図示の態様では、直方体状ブロックからなる弾性部材84を設けたが、上記目的を達成できるものであれば、弾性部材84の形状や材質は限定されない。
通常の全閉状態では、ボトム水密部材8の下端の室外側フィン82、室内側フィン83の先端部位が床面FLに接触(線接触ないし線接触に近い)することで、ボトム水密部材8の全長に亘って雨水の浸水を防止する。図8に示すように、ボトム水密部材8を押し潰すように最下位パネル1を押し込むと(電動駆動によって、あるいは、手動の場合にはバランス調整やロック装置の調整によって)、室外側フィン82、室内側フィン83が本体80に密着するように変形し、本体80の底面及び室外側フィン82、室内側フィン83の腹部が床面FLに密着して、ボトム水密部材8の全長に亘って水密構造を提供することで、浸水高が大きくなった時の水圧に対抗することができる。
全閉状態で、ボトム水密部材8が押し潰された時に、押し潰された室外側フィン82の面部と、ボトム水密部材8の本体80の室外側下半部の面部が密着するようになっており、これらの2つの面部に亘って弾性層85が設けてある。図示の態様では、弾性層85は、本体80に設けられる第1部分850と、室外側フィン82に設けられる第2部分851と、からなる。第1部分850と第2部分851は一体でも別体でもよく、また、一方のみであってもよい。弾性層85は、ボトム水密部材8の全長に亘って設けてもよく、あるいは、長さ方向の両端部にのみ設けてもよい。弾性層85は、被接触要素(接触する相手方)の変形に対する追従性が高い弾性部材からなる。弾性層85を形成する弾性部材の材料としては、半独立気泡構造ないし独立気泡構造を備えた発泡ゴムが例示され、より具体的には、EPDMゴム発泡体(独立気泡体ないし半独立気泡体)が例示され、具体例としてエプトシーラー(登録商標)を挙げることができる。
[B−2]リテーナ
最下位のパネル1の下面14の凹部内には、ボトム水密部材8を保持するリテーナ9が固定されている。リテーナ9は、パネル1の幅方向に延びる長尺部材であり、図3に示すように、凸状の上面90と、垂直状の室外側面91と、垂直状の室内側面92と、を備えた中空部材である。リテーナ9は、さらに、室外側面91の下端の水平状の折り曲げ片93と、室内側面92の下端の水平状の折り曲げ片94と、を備え、折り曲げ片93、94の先端間が開口している。リテーナ9は、上面90をパネル1の下面14の底部(頂部)に当接させて螺子142で固定し、リテーナ9の下端にボトム水密部材8を横方向から装着した状態で、長さ方向両端部において、室内側面92とパネル1の下端の室内側部位141を螺子143で固定してなる。最下位パネル1の下面14とリテーナ9との間には、図示しなないシーリング材ないしコ―キング材が設けられる。
リテーナ9の中空部(内部空間)には全長に亘って、閉塞部材95が充填されており、リテーナ9の端部の開口を閉塞し、全長に亘って外部から内部への浸水を防止している。閉塞部材95は、リテーナ9の内部空間を閉塞して内部空間への浸水を防止できるものであれば、材質は限定されないが、本実施形態では、発泡ウレタンからなり、端部から注入することで内部空間を閉塞する。最下位パネル1の縦框15の第3辺152は、側方から最下位パネル1の下面14の凹部を覆うように最下位パネル1の下端まで延びており、リテーナ9の長さ方向両端部に近接対向している。第3辺152とリテーナ9の長さ方向端部との間には、図示しないシーリング材ないしコ―キング材が設けられる。
さらに、リテーナ9とボトム水密部材8の接続部(少なくとも、室外側に位置する折り曲げ片93とボトム水密部材8の後述する断面視T形状の被保持部81との係止部)を接着剤ないしコ―キング材で塞ぐことで、接続部からの浸水を防止している。
[B−3]上側水密ブロック(第1水密ブロック)
最下位パネル1の下端の幅方向両端部の室外側部位には、ボトム水密部材8の本体80の室外側部位の上半部位に近接して、第1水密ブロック86が設けてある。第1水密ブロック86は、上面860と、第1面861と、第2面862と、を備えた断面視三角形状の部材である。第1水密ブロック86は、躯体5の内面50、より具体的には、支持枠6の第1辺60、に対向する短尺部材であり、最下位パネル1の幅方向両端部と躯体5の内面50間に形成される隙間内に位置している(図6)。第1水密ブロック86は、パネル1の室外側面部10(本実施形態では、縦框15の第1辺150)より室外側に突出しないようになっており、扉体の開閉動作の支障にはならない。
図示の態様では、上面860は水平面であって、第1水密ブロック86は、上面860を最下位パネル1の下端に固定することでパネル1に装着されている。第1面861は、下側に向かって室外側に傾斜する傾斜面であり、本体80の室外側部位の上半部位に近接ないし接触している。第2面862は、下側に向かって室内側に傾斜する傾斜面であり、躯体5の内面50(支持枠6の第1辺60)に対向する。好ましい態様では、後述するように最下位パネル1の室外側面部10(縦框15の第1辺150)と支持枠6の第1辺60との間にシール材18、19が設けられ、第2面862はシール材18に対向している(図12参照)。全閉状態では、後述するように最下位パネル1が室外側に変位すると共に、第1水密ブロック86の傾斜状の第2面862は、ボトム水密部材8の変形に伴って変形することで、第2面862が室外側に押し出されてシール材18に密着する。この時、第1水密ブロック86の第1面861とボトム水密部材8の本体80とは密着状態にある。第1水密ブロック86は、例えば、独立発泡ゴムからなり、より具体的には、CRスポンジ(クロロプレンゴムをベースとしたゴムスポンジ)である。第1水密ブロック86の第1面861をボトム水密部材8の本体80に固定してもよい。第1水密ブロック86の形状は、扉体の開閉を妨げるものでなく、全閉状態で良好な密閉状態を形成できるものであれば、図示の形状に限定されない。
[B−4]下側水密ブロック(第2水密ブロック)
全閉状態において、ボトム水密部材8は床面FLに接触する一方、ボトム水密部材8の長さ方向端部の室外側部位と躯体5の内面50(支持枠6の第1辺60)とは隙間を存して離間対向している。床面FLには、この隙間の下端に位置して、全閉状態におけるボトム水密部材8の長さ方向両端部の室外側に位置するように第2水密ブロック87が設けてある。第2水密ブロック87は、下面870と、第1面871と、第2面872と、を備えた断面視三角形状の部材である。第2水密ブロック87は、躯体5の内面50(支持枠6の第1辺60)の下端部位に位置する短尺部材である。好ましい態様では、後述するように最下位パネル1の室外側面部10(縦框15の第1辺150)と支持枠6の第1辺60との間にシール材18、19が設けられ、第2水密ブロック87の第2面872は、シール材18の下端部位に位置する。
図示の態様では、下面870は水平面であって、第2水密ブロック87は、下面870を床面FLに固定することで装着されている。第1面871は、下側に向かって室内側に傾斜する傾斜面であり、第1面871には、弾性層88が設けてある。第2面872は、垂直面であり、躯体5の内面50、より具体的には、支持枠6の第1辺60の下方部位に接触している。また、最下位パネル1の室外側面部10(縦框15の第1辺150)と支持枠6の第1辺60との間にシール材18、19が設けられる態様では、第2水密ブロック87の第2面872は、シール材18の下方部位に接触している。
第2水密ブロック87は、発泡ポリスチレンないし発泡スチロールから形成されており、弾性層88は、発泡ゴム(例えば、EPDMゴム発泡体)から形成されている。弾性層88は、被接触要素(接触する相手方)の変形に対する追従性が高い弾性部材からなる。すなわち、第2水密ブロック87は、外力が作用した場合であっても、比較的形状を維持できる材料から形成されており、ボトム水密部材8と接触する面は、密着状態を得るように弾性層88から形成されている。第2水密ブロック87の第2面872に弾性層を設けてもよく、また、第2水密ブロック87の第2面872を躯体5の内面50(支持枠6の第1辺60)に固定してもよい。第2水密ブロック87の材料も、発泡ポリスチレンないし発泡スチロールに限定されるものではない。なお、第2水密ブロック87を形成する面は必ずしも平面である必要はなく、例えば、第1面871が凹状や凸状の湾曲面であってもよい。また、第2水密ブロック87の形状は断面視三角形状に限定されるものではなく、例えば、断面視台形状であってもよい。
図6の状態から最下位パネル1を下方に押し込むことで、図8に示すようにボトム水密部材8がさらに弾性変形し、ボトム水密部材8の室外側部位と第2水密ブロック87の弾性層88が密着し、第2水密ブロック87の第2面872と支持枠6の第1辺60(後述する実施形態ではシール材18)の下方部位が密着して水密構造を提供する。第2水密ブロック87の形状は、全閉状態で良好な密閉状態を形成できるものであれば、図示の形状に限定されない。
[B−5]オーバーヘッドドアの下端部位の水密構造の他の実施形態
ボトム水密部材8の形状や構成、取付構成は、上記のものに限定されない。図9にボトム水密部材8の他の実施形態を示す。図9に示すように、最下位パネル1の下端は水平状であり、下框9´が装着されている。下框9´は、水平状の下面90´と、室外側面部91´、室内側面部92´と、から断面視コ字形状を有し、最下位パネル1の幅方向に亘って延びる長尺部材である。下框9´は、ボトム水密部材8を保持するリテーナとして機能する。
ボトム水密部材8は、断面視ほぼ半円状の中空の本体80を有しており、最下位パネル1の長さ方向に亘って延びる長尺部材である。本体80を形成する壁の室外側の上端、室内側の上端には、断面視円形状の挿入部81´が形成されており、一方、下框9´の下面90´の室外側端部、室内側端部には、それぞれ断面視円形状の受部93´、94´が形成されており、長さ方向に挿入部81´を受部93´、94´に挿入することで、ボトム水密部材8を最下位パネル1の下框9´に固定する。図9に示すボトム水密部材8は、図3に示すボトム水密部材8と対比して、第1水密ブロック86やフィン82、83を備えていない。
床面FLには、全閉状態におけるボトム水密部材8の長さ方向両端部の室外側に位置するように第2水密ブロック87が設けてある。第2水密ブロック87は、下面870と、第1面871と、第2面872と、を備えた断面視三角形状の部材である。下面870は水平面であって、第2水密ブロック87は、下面870を床面FLに固定することで装着されている。第1面871は、下側に向かって室内側に傾斜する傾斜面であり、第1面871には、弾性層88が設けてある。第2面872は、垂直面であり、躯体5の内面50、より具体的には、支持枠6の第1辺60の下方部位に接触している。
第2水密ブロック87は、発泡ポリスチレンないし発泡スチロールから形成されており、弾性層88は、発泡ゴム(例えば、EPDMゴム発泡体)から形成されている。すなわち、第2水密ブロック87は、外力が作用した場合であっても、比較的形状を維持できる材料から形成されており、ボトム水密部材8と接触する面は、密着状態を得るように弾性層88から形成されている。第2水密ブロック87の第2面872に弾性層を設けてもよく、また、第2水密ブロック87の第2面872を躯体5の内面50(支持枠6の第1辺60、あるいは、シール材18)に固定してもよい。
図9の状態から最下位パネル1を下方に押し込むことで、ボトム水密部材8がさらに弾性変形し、ボトム水密部材8の室外側部位と支持枠6の第1辺60(後述する実施形態ではシール材18)が密着し、ボトム水密部材8の室外側部位と第2水密ブロック87の弾性層88が密着し、第2水密ブロック87の第2面872と支持枠6の第1辺60(後述する実施形態ではシール材18)の下方部位が密着して水密構造を提供する。第2水密ブロック87の形状は、全閉状態で良好な密閉状態を形成できるものであれば、図示の形状に限定されない。
[C]オーバーヘッドドアの側方部位の水密構造
オーバーヘッドドアの全閉状態において、パネル1の室外側面部10の幅方向両端部(すなわち、縦框15の第1辺150)は、隙間を存して躯体5の内面50(本実施形態では、支持枠6の第1辺60)に離間対向しているが、この隙間にシール材を設けることで、側方部位の水密構造を提供することができる。以下に述べる実施形態では、この隙間に、建物開口部のほぼ開口高に亘って延びるフィン状のシール材18、最下位パネル1の高さに亘って延びるブロック状(容易に圧縮変形可能)のシール材19が設けられる。
1つの態様では、側方部位の水密構造を形成するシール材18、シール材19は予め支持枠6に取り付けられており、支持枠6を介して躯体5に設けられる。支持枠6の第1辺60の躯体5への連結手段は限定されないが、第1辺60の外面と躯体5の内面50との間にシーリング材を設けることで水密構造が形成される。図10に示す態様では、支持枠6の第1辺60の外面にゴム製の弾性部材19´を接着し、躯体5の内面50に圧縮密着させて、図示しない螺子で固定する。弾性部材19´の材料としては、EPDMゴム発泡体が例示され、具体例としてエプトシーラー(登録商標)を挙げることができる。支持枠6の第1辺60の外面を躯体5の内面50に溶接してもよく、この場合には、シーリング材としてコーキング材を設けることで水密構造を形成することができる。
支持枠6には、高さ方向に亘って、第1辺60の内面に沿って延びるフィン状のシール材18が設けてある。本実施形態では、シール材18の下端は床面FLに達している。シール材18は、先端側の第1部分180と基端側の第2部分181とから断面視へ字状を有しており、先端は第1辺60の端部に位置しており、基端は断面視L形状の支持枠6の隅部に位置している。支持枠6の第2辺61の内面には、高さ方向に亘ってシール材支持部182が設けてあり、シール材支持部182には、断面視L形状の支持枠6の隅部に位置して被係合溝183が形成されており、シール材18の基端は、被係合溝183に係合されている。本実施形態では、シール材18の基端側を第2辺61に設けたシール材支持部182に支持させたが、シール材18の基端側を第1辺60(例えば、第1辺60に図示しないシール材支持部を設ける)から支持するようにしてもよい。
シール材18には、扉体の開閉時及び全閉状態において、パネル1の室外側面部10の幅方向端部、具体的には、縦框15の第1辺150が摺接するようになっており、シール材18は弾性部材から形成されると共に、少なくとも縦框15の第1辺150と接触する部分は摺動性(滑動性)に優れた特性を備えている。シール材18を形成する弾性部材としては、合成樹脂やゴムを例示することができる。
支持枠6の第1辺60の先端側には、高さ方向の下方部位において(全閉状態の最下位のパネル1の全高に位置する部位)、弾性部材からなるブロック状のシール材19が設けてある。シール材19の下端は床面FLに達しており、上端は、扉体全閉姿勢における最下位パネル1の上端(縦框15の上端)に達している。パネル1の高さは、想定される水位300mmよりも高いので、床面FLから全閉姿勢にある最下位パネル1の全高に亘って水密構造を形成することによって、少なくとも想定水位には対応できると考えられる。本実施形態では、シール材19の高さ寸法は、最下位パネル1の高さ寸法とほぼ一致しているが、パネルの高さ寸法や想定水位によっては、シール材19は、最下位パネル1の上端を越えて上方に延びていてもよく、あるいは、最下位パネル1の高さ寸法よりも低い高さ寸法であってもよい。
シール材19は所定の厚さを備えた断面視方形状であり、第1面(室外側に近い面)が第1辺60の内面に密着固定されており(例えば、粘着層を介して)、第2面(室外側から遠い面、すなわち、室内側に近い面)には、シール材18の第1部分180の第1面(室外側に近い面)が接触している。第1辺60とシール材18の第1部分180との間にシール材19が挟まれた状態となっている。
シール材19を形成する弾性部材の材料としては、半独立気泡構造ないし独立気泡構造を備えた発泡ゴムが例示され、より具体的には、EPDMゴム発泡体(独立気泡体ないし半独立気泡体)が例示され、具体例としてエプトシーラー(登録商標)を挙げることができる。
図10に示すように、組み込み前の状態ではシール材19は断面視方形を備えているが、オーバーヘッドドアとして組み込まれた状態では、全閉状態となる前の開閉時においても、ある程度圧縮されている。具体的には、パネル1の室外側面部10の幅方向両端部(縦框15の第1辺150)と躯体5の内面50(支持枠6の第1辺60)との間の隙間には、シール材18の第1部分180及びシール材19が位置しており、シール材19の第1面は第1辺60に接着されており、シール材19の第2面にはシール材18の第1部分180の第1面が密着しており、第1部分180の第2面には縦框15の第1辺150が当接しており、シール材18及びシール材19を押圧している。全閉状態では、以下に述べるように、最下位パネル1が室外側へ移動することで、シール材19はさらに圧縮される。
ガイドレール4の第1部位40の下方部位、具体的には、全閉状態の扉体の最下位のパネル1の上下のガイドローラ3に対応する高さ位置には、第1ガイド面43の内面に凸部430が設けてある(図11)。凸部430は、扉体の開閉時において、ガイドローラ3のスムーズな走行を妨げないような突出寸法及び形状を備えている。凸部430は、応力が作用しても容易に変形することなく、形状を維持できるものであれば、材質は限定されないが、例えば、硬質の樹脂や金属から形成される。また、図示の態様では、凸部430は、一体のブロックから形成されているが、複数枚の薄板を積層して凸部430を形成してもよく、そうすることで薄板の枚数の選択によって凸部430の突出寸法を調整することができる。
図示の態様では、凸部430は、上側傾斜面と、下側傾斜面と、中央の垂直面と、を備えている。上側傾斜面、下側傾斜面は、パネル1の下降時、上昇時にガイドローラ3が凸部430に乗り上げる、あるいは、乗り越える際の抵抗を低減するガイドスロープとして機能する。なお、下側の凸部430において、下側傾斜面は無くてもよい。凸部430の形状は、このような側面視台形状の形状に限定されるものではなく、例えば、上側の傾斜面と下側の傾斜面から側面視三角形状の形状であってもよい。
全閉姿勢では、図11に示すように、最下位パネル1の上側のガイドローラ3が上側の凸部430の垂直面に乗り上げて当接しており、下側のガイドローラ3が下側の凸部430の垂直面に乗り上げて当接しており、凸部430の厚さ分だけ最下位パネル1が室外側に押圧されており、図13に示すように、シール材18の先端部位と第1辺60の先端部位間に挟まれているシール材19が圧縮されて薄肉状となっている。最下位パネル1の室外側面部10の幅方向端部(縦框15の第1辺150)と、シール材18の第1部分180の第2面(室外側から遠い面)が密着状態にあり、シール材18の第1部分180の第1面(室外側に近い面)とシール材19の第2面(室外側から遠い面)が密着状態にある。このようにして、シール材18、19によって、支持枠6の第1辺60と最下位パネル1の室外側面部10の幅方向端部(縦框15の第1辺150)との間の隙間が密閉される。
最下位パネル1の下端には、パネル幅方向の両端部の室外側部位に位置して断面視三角形状の第1水密ブロック86の上面860が固定されている。第1水密ブロック86の第1面861は、ボトム水密部材8の本体80の長さ方向両端部の室外側部位の上半部に近接ないし接触しており、第1水密ブロック86の第2面862は、シール材18の下方部位に対向している。第1水密ブロック86はゴム材等の弾性部材から形成され、例えば、クロロプレンゴムから形成されている。
床面FLには、シール材18の下方部位に接触するように断面視三角形状の第2水密ブロック87が設けてある。第2水密ブロック87は、第2面872がシール材18の下方部位に接触させた状態で、下面870が床面FLに固定されている。より具体的には、図14の左図に示すように、第2水密ブロック87は、シール材18を介してシール材19の下方部位を圧縮させた状態でシール材18に当接するように設置される(全閉時には、最下位パネル1が室外側に変位することで、シール材19が全高に亘って圧縮される)。第2水密ブロック87は、発泡ポリスチレンないし発泡スチロールから形成されており、ボトム水密部材8の室外側部位の下方に対向する第1面871には、弾性層88が形成されている。弾性層88は、発泡ゴム(例えば、EPDMゴム発泡体)から形成されている。第2水密ブロック87は、弾性層88を介してボトム水密部材8の長さ方向両端部の室外側部位の下半部に対向している。
全閉状態において、第1水密ブロック86は、ボトム水密部材8の変形および最下位パネル1の室外側への移動に伴って室外側へ変位し、第2面862がシール材18に密着する。また、最下位パネル1が室外側へ移動することで、ボトム水密部材8の室外側部位が第2水密ブロック87の弾性層88に密着する。
本実施形態では、上側のガイドローラ3、下側のガイドローラ3のそれぞれに対応して上側の凸部430、下側の凸部430を設けることで最下位パネル1を全閉時に室外側へ変位させるが、上側の凸部430、下側の凸部430のいずれか一方を設けたものでもよい。また、ガイドレール4(第1部位40)の第1ガイド面43には凸部を形成しない態様においても、ガイドレール4の第1部位40(第1ガイド面43、第2ガイド面44)は、下方に向かって室外側に緩やかに傾斜しており、第1ガイド面43が下方に向かって室外側に緩やかに傾斜することで、パネル下降時には、ガイドローラ3が室外側に移動しながら下降することで室外側に移動する。
全閉状態において、ガイドローラ3の室内側部位は凸部430に当接しているので、室外側から最下位パネル1の室外側面部10に水圧が作用しても、最下位パネル1の室外側面部10(縦框15の第1辺150)と躯体5の内面50(支持枠6の第1辺60)との間の隙間が拡がることがなく、シール材19は圧縮状態を維持したままで水密構造が確保される。同様に、シール材18の先端側部位(第1部分180の第2面)と最下位パネル1の室外側面部10(縦框15の第1辺150)との密着状態、シール材18の先端側部位(第1部分180の第1面)とシール材19の第2面との密着状態が維持され水密構造が確保される。同様に、第1水密ブロック86の第1面861とボトム水密部材8の室外側部位との密着状態、第1水密ブロック86の第2面862とシール材18との密着状態、第2水密ブロック87の弾性層88とボトム水密部材8の室外側部位との密着状態、第2水密ブロック87の第2面872とシール材18との密着状態が維持され水密構造が確保される。
図14の右図に、第2水密ブロック87の取付状態の他の態様を示す。第2水密ブロック87は、シール材18、19の下方部位と躯体5の内面50(支持枠6の第1辺60)との間に位置して、床面FL上に設けてある。全閉状態において、第2水密ブロック87は、躯体5とシール材19の下方部位との間に位置し、第1面871がシール材19に密着し、第2面872が躯体5の内面50(支持枠6の第1辺60)に密着しており、ボトム水密部材8(図14では図示せず)の長さ方向両端部の室外側部位がシール材18、19を介して第2水密ブロック87に密着している。なお、第2水密ブロック87の第2面872を躯体5の内面50(支持枠6の第1辺60)に固定してもよく、また、第2水密ブロック87の第1面871をシール材19に固定してもよい。
1 パネル
6 支持枠
60 第1辺
8 ボトム水密部材
84 弾性部材
85 弾性層
86 第1水密ブロック
87 第2水密ブロック
88 弾性層
15 縦框
150 第1辺
18 シール材
19 シール材

Claims (6)

  1. 室外側面部と室内側面部を備えた複数枚のパネルを互いに回動可能に高さ方向に連結してなる扉体を備えたオーバーヘッドドアにおいて、
    最下位パネルの下端には、パネル全幅に亘って弾性変形可能なボトム水密部材が設けてあり、
    全閉状態において、前記ボトム水密部材は床面に密着する一方、各パネルの室外側面部の幅方向両端部と躯体とは隙間を存して離間対向しており、
    前記隙間の下端には、全閉状態におけるボトム水密部材の長さ方向両端部の室外側に位置するように下側水密ブロックが設けてあり、
    全閉状態において、前記床面に接触するボトム水密部材の長さ方向両端部の室外側部位が前記下側水密ブロックに密着することで、前記隙間の下端領域を閉塞する、
    オーバーヘッドドア。
  2. 前記ボトム水密部材は全長に亘って中空部を備え、
    前記ボトム水密部材の前記中空部には、少なくとも長さ方向両端部領域において、弾性部材が充填されており、
    全閉状態において、前記弾性部材によって密着状態におけるボトム水密部材の過度の変形が抑制されることで当該密着状態が維持される、
    請求項1に記載のオーバーヘッドドア。
  3. 前記隙間には前記床面から高さ方向に延びるシール材が設けてあり、
    全閉状態において、前記下側水密ブロックは、前記ボトム水密部材と前記シール材との間に位置し、第1面が前記ボトム水密部材に密着し、第2面が前記シール材に密着している、
    請求項1、2いずれか1項に記載のオーバーヘッドドア。
  4. 前記隙間には前記床面から高さ方向に延びるシール材が設けてあり、前記下側水密ブロックは、前記シール材の下方部位と前記躯体との間に位置しており、
    全閉状態において、前記下側水密ブロックは、第1面が前記シール材に密着し、第2面が前記躯体に密着しており、前記ボトム水密部材の長さ方向両端部の室外側部位が前記シール材を介して前記下側水密ブロックに密着している、
    請求項1、2いずれか1項に記載のオーバーヘッドドア。
  5. 前記ボトム水密部材の長さ方向両端部の室外側部位の上側に近接ないし接触して上側水密ブロックが設けてあり、
    全閉状態において、前記上側水密ブロックは、前記ボトム水密部材と前記シール材との間に位置し、第1面が前記ボトム水密部材に密着し、第2面が前記シール材に密着している、
    請求項3、4いずれか1項に記載のオーバーヘッドドア。
  6. 全閉状態において、前記最下位パネルは室外側に変位する、
    請求項1〜5いずれか1項に記載のオーバーヘッドドア。
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