JP2017043795A - 連続錫鍍金ラインのリフロー処理方法 - Google Patents
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Abstract
Description
[1]鋼板の連続錫鍍金ラインのリフローラインにおいて、連続的に送られてくる錫鍍金された被処理鋼板を、コンダクションリフローの出力電力により加熱昇温して合金化炉に通板し、前記被処理鋼板の合金化炉出側の板温を放射温度計により測定し、前記被処理鋼板を急冷処理する連続錫鍍金ラインのリフロー処理方法であって、
(1)前記被処理鋼板の板幅、板厚、ライン速度、金属錫量目標値および合金錫量目標値に基づいて、前記コンダクションリフローによる加熱昇温時の出力電力を設定し、
(2)前記金属錫量目標値、前記合金錫量目標値および錫の放射率に基づいて、前記放射温度計の放射率目標値を設定し、
(3)予め設定した合金化モデルを用いて、前記金属錫量目標値、前記合金錫量目標値、前記放射率目標値と錫の放射率との比である放射率補正目標値、および前記被処理鋼板の合金化炉入側の板温に基づいて、前記被処理鋼板の合金化炉出側の板温目標値を算出し、
(4)前記放射率目標値を設定した放射温度計を用いて、前記被処理鋼板の合金化炉出側の板温が前記被処理鋼板の合金化炉出側の板温目標値になるように、前記コンダクションリフローの出力電力を制御して、前記被処理鋼板の一部をリフローラインに通板し、
(5)前記被処理鋼板の一部を前記リフローラインに通板した後、前記被処理鋼板の一部の表面の金属錫量および合金錫量を実測し、
(6)前記被処理鋼板の一部の表面の金属錫量および合金錫量を実測して得られた金属錫量実測値および合金錫量実測値、ならびに錫の放射率に基づいて、前記放射温度計の放射率を補正し、
(7)前記被処理鋼板の一部の表面の前記金属錫量実測値および前記合金錫量実測値、ならびに錫の放射率に基づいて放射率を補正した前記放射温度計を用いて、前記被処理鋼板の残部の合金化炉出側の板温が前記被処理鋼板の合金化炉出側の板温目標値となるように、前記コンダクションリフローの出力電力を制御する、連続錫鍍金ラインのリフロー処理方法。
[2]前記被処理鋼板は先行してリフロー処理される被処理鋼板および後行してリフロー処理される被処理鋼板からなり、
〈I〉前記先行してリフロー処理される被処理鋼板に対して、上記[1]に記載の(1)〜(7)の処理を行い、
〈II〉前記先行してリフロー処理される被処理鋼板の錫鍍金付着量および前記後行してリフロー処理される被処理鋼板の錫鍍金付着量を測定し、
〈III〉前記先行してリフロー処理される被処理鋼板の錫鍍金付着量と前記後行してリフロー処理される被処理鋼板の錫鍍金付着量との差を算出し、
〈IV−1〉前記差が所定範囲内である場合は、前記後行してリフロー処理される被処理鋼板に対して、前記金属錫量実測値および前記合金錫量実測値に基づいて放射率を補正した放射温度計を用いて、前記後行してリフロー処理される被処理鋼板の合金化炉出側の板温が、前記先行してリフロー処理される被処理鋼板の合金化炉出側の板温目標値となるように、前記コンダクションリフローの出力電力を制御し、
〈IV−2〉前記差が所定範囲を超える場合は、前記後行してリフロー処理される被処理鋼板に対して、上記[1]に記載の(1)〜(7)の処理を行う、
上記[1]に記載の連続錫鍍金ラインのリフロー処理方法。
[3]鋼板の連続錫鍍金ラインのリフローラインにおいて、連続的に送られてくる錫鍍金された被処理鋼板を、コンダクションリフローおよびインダクションリフローの出力電力により加熱昇温して合金化炉に通板し、前記被処理鋼板の合金化炉出側の板温を放射温度計により測定し、前記被処理鋼板を急冷処理する連続鍍金ラインのリフロー処理方法であって、
(1)前記被処理鋼板の板幅、板厚、ライン速度、金属錫量目標値および合金錫量目標値に基づいて、前記コンダクションリフローおよび前記インダクションリフローによる加熱昇温時の出力電力を設定し、
(2)前記金属錫量目標値、前記合金錫量目標値および錫の放射率に基づいて、前記放射温度計の放射率目標値を設定し、
(3)予め設定した合金化モデルを用いて、前記金属錫量目標値、前記合金錫量目標値、前記放射率目標値と錫の放射率との比である放射率補正目標値、および前記被処理鋼板の合金化炉入側の板温に基づいて、前記被処理鋼板の合金化炉出側の板温目標値を算出し、
(4)前記放射率目標値を設定した放射温度計を用いて、前記被処理鋼板の合金化炉出側の板温が前記被処理鋼板の合金化炉出側の板温目標値になるように、前記コンダクションリフローおよび前記インダクションリフローの出力電力を制御して、前記被処理鋼板の一部をリフローラインに通板し、
(5)前記被処理鋼板の一部を前記リフローラインに通板した後、前記被処理鋼板の一部の表面の金属錫量および合金錫量を実測し、
(6)前記被処理鋼板の一部の表面の金属錫量および合金錫量を実測して得られた金属錫量実測値および合金錫量実測値、ならびに錫の放射率に基づいて、前記放射温度計の放射率を補正し、
(7)前記被処理鋼板の一部の表面の前記金属錫量実測値および前記合金錫量実測値、ならびに錫の放射率に基づいて放射率を補正した前記放射温度計を用いて、前記被処理鋼板の残部の合金化炉出側の板温が前記被処理鋼板の合金化炉出側の板温目標値となるように、前記コンダクションリフローおよび前記インダクションリフローの出力電力を制御する、連続錫鍍金ラインのリフロー処理方法。
[4]前記被処理鋼板は先行してリフロー処理される被処理鋼板および後行してリフロー処理される被処理鋼板からなり、
〈I〉前記先行してリフロー処理される被処理鋼板について、上記[3]に記載の(1)〜(7)の処理を行い、
〈II〉前記先行してリフロー処理される被処理鋼板の錫鍍金付着量および前記後行してリフロー処理される被処理鋼板の錫鍍金付着量を測定して、
〈III〉前記先行してリフロー処理される被処理鋼板の錫鍍金付着量と前記後行してリフロー処理される被処理鋼板の錫鍍金量との差を算出し、
〈IV−1〉前記差が所定範囲内である場合は、前記後行してリフロー処理される被処理鋼板について、前記金属錫量実測値および前記合金錫量実測値に基づいて放射率を補正した放射温度計を用いて、前記後行してリフロー処理される被処理鋼板の合金化炉出側の板温が、前記先行してリフロー処理される被処理鋼板の合金化炉出側の板温目標値となるように、前記コンダクションリフローおよび前記インダクションリフローの出力電力を制御し、
〈IV−2〉前記差が所定範囲を超える場合は、前記後行してリフロー処理される被処理鋼板に対して、上記[3]に記載の(1)〜(7)の処理を行う、
上記[3]に記載の連続錫鍍金ラインのリフロー処理方法。
[5]前記放射温度計の放射率を補正した後、前記金属錫量実測値、前記合金錫量実測値、補正した放射率、前記被処理鋼板の合金化炉入側の板温および放射率を補正した前記放射温度計を用いて測定した前記被処理鋼板の合金化炉出側の板温に基づいて、前記合金化モデルを補正する、上記[1]〜[4]のいずれか1項に記載の連続錫鍍金ラインのリフロー処理方法。
[6]前記被処理鋼板の一部の表面の前記金属錫量および前記合金錫量を実測する際に、錫鍍金ライン通過後に前記被処理鋼板から試料を採取し、採取した前記試料から前記被処理鋼板の一部の表面の前記金属錫量および前記合金錫量を実測する、上記[1]〜[5]のいずれか1つに記載の連続錫鍍金ラインのリフロー処理制御方法。
[7]前記被処理鋼板の一部の表面の前記金属錫量および前記合金錫量を実測する際に、合金化度計を用いて前記被処理鋼板の一部の表面の前記金属錫量および前記合金錫量を実測する、上記[1]〜[5]のいずれか1項に記載の連続錫鍍金ラインのリフロー処理制御方法。
まず、図1に示す本発明のリフロー処理方法を実施するためのリフローラインの一構成の一例について説明する。
インダクションリフローによる加熱を行わない場合には、インダクションヒーター4は省略可能である。
リフロー処理に必要なパラメータがすべてデータベース22に格納されている場合には、入力デバイス23は省略可能である。
表示デバイス25は省略可能である。
コンダクションリフロー、またはコンダクションリフローおよびインダクションリフローにより被処理鋼板1を加熱し、被処理鋼板1の表面の金属錫を溶融させて急冷することで合金錫が被処理鋼板1の表面に生成される。
一方、被処理鋼板1の表面の金属錫量および合金錫量によって鋼板の放射率ε’は大きく変動する。そのため、被処理鋼板1表面の金属錫量および合金錫量から放射率を計算し、放射温度計5の放射率を補正することで、実測する合金化炉3出側の板温をより正確なものとする。被処理鋼板1の表面の金属錫量および合金錫量は、通板当初は目標値を用いて、その後、被処理鋼板1の一部がリフロー処理された後、そのリフロー処理された一部から実測して得られる実測値を用いる。
加熱昇温時の出力電力の設定は、被処理鋼板1の板幅、板厚、ライン速度、金属錫量目標値および合金錫量目標値に基づいて、コンダクションリフロー、またはコンダクションリフローおよびインダクションリフローによる加熱昇温時の出力電力を設定することにより行う。
本処理においては、被処理鋼板1の板幅、板厚およびライン速度は、データベース22から数値を取得する代わりに、それぞれ、板幅検出部32、板厚検出部33およびライン速度検出部34から数値を取得してもよいし、入力デバイスから入力された数値を取得してもよい。また、被処理鋼板1の金属錫量目標値および合金錫量目標値の一方または両方は、データベース22から数値を取得する代わりに、入力デバイス23から入力された数値を取得してもよい。
演算部21が取得した被処理鋼板1の板幅、板厚、ライン速度、金属錫量目標値および合金錫量目標値は、記憶媒体24に書き込んで記憶してもよい。
放射温度計5の放射率目標値の設定は、金属錫量目標値、合金錫量目標値および錫の放射率に基づいて、放射温度計5の放射率目標値を設定することにより行う。
本処理においては、被処理鋼板1の金属錫量目標値および合金錫量目標値の一方または両方は、データベース22から数値を取得する代わりに、入力デバイス23から入力された数値を取得してもよいし、記憶媒体24に記憶されている場合には、そこから数値を読み出して取得してもよい。また、錫の放射率は、データベース22から数値を取得する代わりに、入力デバイス23から入力された数値を取得してもよい。
演算部21は、算出した放射温度計5の放射率目標値を記憶媒体24に書き込んで記憶する。
εp’=εSn*f1(MPSn)*f2(MPFe−Sn)
ここで、
εp’は放射温度計5の放射率目標値であり、
εSnは錫の放射率であり、
MPSnは金属錫量目標値であり、
MPSn−Feは合金錫量目標値であり、
f1(MPSn)はMPSnの関数であり、
f2(MPSn−Fe)はMPSn−Feの関数であり、
演算子*は積算演算子である。
被処理鋼板1の合金化炉3出側の板温目標値の算出は、予め設定した合金化モデルを用いて、金属錫量目標値、合金錫量目標値、放射率目標値と錫の放射率との比である放射率補正目標値、および被処理鋼板1の合金化炉3入側の板温に基づいて、被処理鋼板1の合金化炉3出側の板温目標値を算出することにより行う。
ここで、錫の放射率は、データベース22から取得する代わりに、入力デバイス23から入力された数値を取得してもよいし、記憶媒体24に記憶されている場合には、そこから数値を読み出して取得してもよい。
ここで、
EPは放射率補正目標値であり、
εp’は放射温度計5の放射率目標値であり、
εsnは錫の放射率である。
被処理鋼板1の金属錫量目標値および合金錫量目標値の一方または両方は、データベース22から数値を取得する代わりに、入力デバイス23から入力された数値を取得してもよいし、記憶媒体24に格納されている場合には、そこから数値を読み出して取得してもよく、鋼種ごとの合金化進行速度補正係数は、データベース22から数値を取得する代わりに、入力デバイス23から入力された数値を取得してもよい。
FeSn=A*(T1−T2)*EP*K+B
ここで、
Fesnは合金化度(%)であり、
T1は被処理鋼板1の合金化炉3入側の板温(℃)であり、
T2Pは被処理鋼板1の合金化炉3出側の板温目標値(℃)であり、
EPは放射率補正目標値(補正後の放射温度計の放射率目標値εp’と錫の放射率εsnとの比)であり、
Kは鋼種ごとの合金化進行速度補正係数であり、
AおよびBは、それぞれ、定数であり、
演算子“*”は積算演算子である。
Fesn’=C*(T1−T2P)*EP*K+D
ここで、
Fesn’は合金錫量(g/m2)であり、
T1は被処理鋼板1の合金化炉3入側の板温(℃)であり、
T2Pは被処理鋼板1の合金化炉3出側の板温目標値(℃)であり、
EPは放射率補正目標値(補正後の放射温度計の放射率目標値εp’と錫の放射率εsnとの比)であり、
Kは鋼種ごとの合金化進行速度補正係数であり、
CおよびDは、それぞれ、定数であり、
演算子“*”は積算演算子である。
被処理鋼板1の一部のリフローライン通板は、放射率目標値を設定した放射温度計5を用いて、被処理鋼板1の合金化炉3出側の板温が被処理鋼板1の合金化炉3出側の板温目標値になるように、コンダクションリフロー電力供給部10の出力電力、またはコンダクションリフロー電力供給部10およびインダクションリフロー電力供給部11の出力電力を制御して、被処理鋼板1の一部をリフローラインに通板することにより行う。
被処理鋼板1の金属錫量および合金錫量の実測は、被処理鋼板1の一部をリフローラインに通板した後、被処理鋼板1の一部の表面の金属錫量および合金錫量を実測することにより行う。
放射温度計5の放射率の補正は、被処理鋼板1の一部の表面の金属錫量および合金錫量を実測して得られた金属錫量実測値および合金錫量実測値、ならびに錫の放射率に基づいて、放射温度計5の放射率を補正することにより行う。
本処理においては、被処理鋼板1の一部の表面の金属錫量実測値および合金錫量実測値を記憶媒体24から読み出して取得する代わりに、入力デバイス23から入力された数値を取得してもよく、錫の放射率はデータベース22から取得する代わりに、入力デバイス23から入力された数値を取得してもよいし、記憶媒体24に記憶されている場合には、そこから数値を読み出して取得してもよい。
演算部21は、算出した放射温度計5の放射率(補正値)を記憶媒体24に書き込んで記憶してもよい。
ε’=εSn*f1(MSn)*f2(MFe−Sn)
ここで、
ε’は放射温度計5の放射率(補正値)であり、
εsnは錫表面の放射率であり
MSnは金属錫量実測値であり、
MFe−Snは合金錫量実測値であり、
f1(MSn)はMSnの関数であり、
f2(MFe−Sn)はMFe−Snの関数であり、
演算子“*”は積算演算子である。
出力電力の制御は、被処理鋼板1の一部の表面の金属錫量実測値および合金錫量実測値、ならびに錫の放射率に基づいて放射率を補正した放射温度計5を用いて、被処理鋼板1の残部の合金化炉3出側の板温が被処理鋼板1の合金化炉3出側の板温目標値となるように、コンダクションリフロー15の出力電力、またはコンダクションリフロー15およびインダクションリフロー16の出力電力を制御することにより行う。
また、本発明のリフロー処理方法は、被処理鋼板1の合金化炉3出側の板温を精度よく制御することができるので、得られる錫鍍金鋼板の合金錫量の精度を向上することが期待できる。さらに、合金化度の精度を向上することで、合金化度の精度も向上することができ、錫鍍金鋼板の品質である光沢性および耐食性を向上するとともに、コンダクションリフローおよびインダクションリフローにおける不要な加熱を抑制して、省電力にも寄与することが期待できる。
本発明のリフロー処理方法は、金属錫量実測値および合金錫量実測値から算出した合金化度、放射温度計5の放射率(補正値)、被処理鋼板1の合金化炉3入側の板温、ならびに被処理鋼板1の合金化炉3出側の板温に基づいて合金化モデルを補正して、被処理鋼板1の合金化炉3出側の板温目標値を更新すると、被処理鋼板1の合金化炉3出側の板温をより精度よく実測でき、被処理鋼板1の合金化炉3出側の板温をより精度よく制御できるので、好ましい。
被処理鋼板1の合金化炉3出側の板温目標値は、予め設定した合金化モデルを用いて、金属錫量目標値、合金錫量目標値、放射率目標値と錫の放射率との比である放射率補正目標値、および被処理鋼板1の合金化炉3入側の板温から算出する。
合金化モデルを表す式の金属錫量目標値、合金錫量目標値および放射率目標値を、それぞれ、金属錫量実測値、合金錫量実測値および放射率(補正値)で置き換えることで、合金化モデルを補正し、合金化炉3出側の板温目標値を更新すると、合金化炉3出側の板温をより精度よく制御することができるので、被処理鋼板1の合金錫量をより精度よく制御することができる。
なお、被処理鋼板1のうち先行してリフロー処理される部分(先行してリフロー処理される被処理鋼板)の錫鍍金付着量と後行してリフロー処理される部分(後行してリフロー処理される被処理鋼板)の錫鍍金付着量との差が所定範囲内である場合には、後行してリフロー処理される被処理鋼板の合金化炉3出側の板温目標値、ならびに放射温度計5の放射率目標値および放射率(補正値)は先行してリフロー処理される被処理鋼板と同じ値に設定すればよいが、その差が処理範囲を超える場合には、先行してリフロー処理される被処理鋼板に対して上述した(1)〜(7)の処理を行った後、後行してリフロー処理される被処理鋼板に対して、上記した(1)〜(7)の処理を行うことが好ましい。
上記400コイルのうち200コイルは、本発明のリフロー処理方法によりリフロー処理し(実施例)、残り200コイルは放射率を一定とした放射温度計を用いてオペレータが目視で被処理鋼板の光沢を判断してリフロー処理した(比較例)。
図3に、本発明のリフロー処理方法でリフロー処理したコイルの合金錫量の目標値と実測値との外れ割合を、図4に、従来のリフロー処理方法でリフロー処理したコイルの合金錫量の目標値と実測値との外れ割合を示す。なお、図3、図4では、横軸に示した数字は各階級の中央値を示し、各階級は中央値の−5%以上+5%未満を表す。
本発明のリフロー処理方法でリフロー処理したコイルの合金錫量の目標値と実測値との外れ割合は分散1σ=8%、従来のリフロー処理方法でリフロー処理したコイルの合金錫量の目標値と実測値との外れ割合は分散1σ=14%であり、本発明のリフロー処理方法により、被処理鋼板の錫鍍金の合金錫量の精度を著しく向上させることができることがわかった。
2:No.1コンダクタロール
3:合金化炉
4:インダクションヒーター
5:放射温度計
6:クエンチタンクロール
7:クエンチタンク
8:No.2コンダクタロール
9:放射温度計
10:コンダクションリフロー電力供給部
11:インダクションリフロー電力供給部
12:インダクションリフロー電力制御部
13:コンダクションリフロー電力制御部
20:入出力部
21:演算部
22:データベース
23:入力デバイス
24:記憶媒体
31:付着量計
32:板幅検出部
33:板厚検出部
34:ライン速度検出部
35:合金化度計
36:付着量計
Claims (7)
- 鋼板の連続錫鍍金ラインのリフローラインにおいて、連続的に送られてくる錫鍍金された被処理鋼板を、コンダクションリフローの出力電力により加熱昇温して合金化炉に通板し、前記被処理鋼板の合金化炉出側の板温を放射温度計により測定し、前記被処理鋼板を急冷処理する連続錫鍍金ラインのリフロー処理方法であって、
(1)前記被処理鋼板の板幅、板厚、ライン速度、金属錫量目標値および合金錫量目標値に基づいて、前記コンダクションリフローによる加熱昇温時の出力電力を設定し、
(2)前記金属錫量目標値、前記合金錫量目標値および錫の放射率に基づいて、前記放射温度計の放射率目標値を設定し、
(3)予め設定した合金化モデルを用いて、前記金属錫量目標値、前記合金錫量目標値、前記放射率目標値と錫の放射率との比である放射率補正目標値、および前記被処理鋼板の合金化炉入側の板温に基づいて、前記被処理鋼板の合金化炉出側の板温目標値を算出し、
(4)前記放射率目標値を設定した放射温度計を用いて、前記被処理鋼板の合金化炉出側の板温が前記被処理鋼板の合金化炉出側の板温目標値になるように、前記コンダクションリフローの出力電力を制御して、前記被処理鋼板の一部をリフローラインに通板し、
(5)前記被処理鋼板の一部を前記リフローラインに通板した後、前記被処理鋼板の一部の表面の金属錫量および合金錫量を実測し、
(6)前記被処理鋼板の一部の表面の金属錫量および合金錫量を実測して得られた金属錫量実測値および合金錫量実測値、ならびに錫の放射率に基づいて、前記放射温度計の放射率を補正し、
(7)前記被処理鋼板の一部の表面の前記金属錫量実測値および前記合金錫量実測値、ならびに錫の放射率に基づいて放射率を補正した前記放射温度計を用いて、前記被処理鋼板の残部の合金化炉出側の板温が前記被処理鋼板の合金化炉出側の板温目標値となるように、前記コンダクションリフローの出力電力を制御する、連続錫鍍金ラインのリフロー処理方法。 - 前記被処理鋼板は先行してリフロー処理される被処理鋼板および後行してリフロー処理される被処理鋼板からなり、
〈I〉前記先行してリフロー処理される被処理鋼板に対して、請求項1に記載の(1)〜(7)の処理を行い、
〈II〉前記先行してリフロー処理される被処理鋼板の錫鍍金付着量および前記後行してリフロー処理される被処理鋼板の錫鍍金付着量を測定し、
〈III〉前記先行してリフロー処理される被処理鋼板の錫鍍金付着量と前記後行してリフロー処理される被処理鋼板の錫鍍金付着量との差を算出し、
〈IV−1〉前記差が所定範囲内である場合は、前記後行してリフロー処理される被処理鋼板に対して、前記金属錫量実測値および前記合金錫量実測値に基づいて放射率を補正した放射温度計を用いて、前記後行してリフロー処理される被処理鋼板の合金化炉出側の板温が、前記先行してリフロー処理される被処理鋼板の合金化炉出側の板温目標値となるように、前記コンダクションリフローの出力電力を制御し、
〈IV−2〉前記差が所定範囲を超える場合は、前記後行してリフロー処理される被処理鋼板に対して、請求項1に記載の(1)〜(7)の処理を行う、
請求項1に記載の連続錫鍍金ラインのリフロー処理方法。 - 鋼板の連続錫鍍金ラインのリフローラインにおいて、連続的に送られてくる錫鍍金された被処理鋼板を、コンダクションリフローおよびインダクションリフローの出力電力により加熱昇温して合金化炉に通板し、前記被処理鋼板の合金化炉出側の板温を放射温度計により測定し、前記被処理鋼板を急冷処理する連続鍍金ラインのリフロー処理方法であって、
(1)前記被処理鋼板の板幅、板厚、ライン速度、金属錫量目標値および合金錫量目標値に基づいて、前記コンダクションリフローおよび前記インダクションリフローによる加熱昇温時の出力電力を設定し、
(2)前記金属錫量目標値、前記合金錫量目標値および錫の放射率に基づいて、前記放射温度計の放射率目標値を設定し、
(3)予め設定した合金化モデルを用いて、前記金属錫量目標値、前記合金錫量目標値、前記放射率目標値と錫の放射率との比である放射率補正目標値、および前記被処理鋼板の合金化炉入側の板温に基づいて、前記被処理鋼板の合金化炉出側の板温目標値を算出し、
(4)前記放射率目標値を設定した放射温度計を用いて、前記被処理鋼板の合金化炉出側の板温が前記被処理鋼板の合金化炉出側の板温目標値になるように、前記コンダクションリフローおよび前記インダクションリフローの出力電力を制御して、前記被処理鋼板の一部をリフローラインに通板し、
(5)前記被処理鋼板の一部を前記リフローラインに通板した後、前記被処理鋼板の一部の表面の金属錫量および合金錫量を実測し、
(6)前記被処理鋼板の一部の表面の金属錫量および合金錫量を実測して得られた金属錫量実測値および合金錫量実測値、ならびに錫の放射率に基づいて、前記放射温度計の放射率を補正し、
(7)前記被処理鋼板の一部の表面の前記金属錫量実測値および前記合金錫量実測値、ならびに錫の放射率に基づいて放射率を補正した前記放射温度計を用いて、前記被処理鋼板の残部の合金化炉出側の板温が前記被処理鋼板の合金化炉出側の板温目標値となるように、前記コンダクションリフローおよび前記インダクションリフローの出力電力を制御する、連続錫鍍金ラインのリフロー処理方法。 - 前記被処理鋼板は先行してリフロー処理される被処理鋼板および後行してリフロー処理される被処理鋼板からなり、
〈I〉前記先行してリフロー処理される被処理鋼板について、請求項3に記載の(1)〜(7)の処理を行い、
〈II〉前記先行してリフロー処理される被処理鋼板の錫鍍金付着量および前記後行してリフロー処理される被処理鋼板の錫鍍金付着量を測定して、
〈III〉前記先行してリフロー処理される被処理鋼板の錫鍍金付着量と前記後行してリフロー処理される被処理鋼板の錫鍍金量との差を算出し、
〈IV−1〉前記差が所定範囲内である場合は、前記後行してリフロー処理される被処理鋼板について、前記金属錫量実測値および前記合金錫量実測値に基づいて放射率を補正した放射温度計を用いて、前記後行してリフロー処理される被処理鋼板の合金化炉出側の板温が、前記先行してリフロー処理される被処理鋼板の合金化炉出側の板温目標値となるように、前記コンダクションリフローおよび前記インダクションリフローの出力電力を制御し、
〈IV−2〉前記差が所定範囲を超える場合は、前記後行してリフロー処理される被処理鋼板に対して、請求項3に記載の(1)〜(7)の処理を行う、
請求項3に記載の連続錫鍍金ラインのリフロー処理方法。 - 前記放射温度計の放射率を補正した後、前記金属錫量実測値、前記合金錫量実測値、補正した放射率、前記被処理鋼板の合金化炉入側の板温および放射率を補正した前記放射温度計を用いて測定した前記被処理鋼板の合金化炉出側の板温に基づいて、前記合金化モデルを補正する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の連続錫鍍金ラインのリフロー処理方法。
- 前記被処理鋼板の一部の表面の前記金属錫量および前記合金錫量を実測する際に、錫鍍金ライン通過後に前記被処理鋼板から試料を採取し、採取した前記試料から前記被処理鋼板の一部の表面の前記金属錫量および前記合金錫量を実測する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の連続錫鍍金ラインのリフロー処理制御方法。
- 前記被処理鋼板の一部の表面の前記金属錫量および前記合金錫量を実測する際に、合金化度計を用いて前記被処理鋼板の一部の表面の前記金属錫量および前記合金錫量を実測する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の連続錫鍍金ラインのリフロー処理制御方法。
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