JP2017042786A - 保護膜形成用樹脂剤及びレーザ加工方法 - Google Patents

保護膜形成用樹脂剤及びレーザ加工方法 Download PDF

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Abstract

【課題】レーザビームを用いた加工において、加工性、加工品質及び歩留まりをさらに向上させる。【解決手段】レーザ加工に用いられる保護膜形成用樹脂剤として、水溶性樹脂と、樹脂水溶液中に分散され断面が長軸と長軸に直交する短軸とを持つ細長形状を有する金属酸化物の微粒子とを含むものを使用する。断面が長軸と長軸に直交する短軸とを持つ細長形状を有する金属酸化物の微粒子が樹脂水溶液中に分散されているため、これを被加工物に塗布し保護膜としてレーザ加工することにより、保護膜におけるレーザビームの吸収率が高くなるため、加工効率が向上し、レーザビームの波長に対して吸収性の低い基板についても効率よくレーザ加工することができる。また、加工品質も高くなり、加工により製造される製品の歩留まりを向上させることができる。【選択図】図4

Description

本発明は、レーザ加工に用いられる保護膜形成用樹脂剤、及び、その保護膜形成用樹脂剤を基板に塗布してレーザ加工するレーザ加工方法に関する。
従来、ガラス等の板状物の切断・分割に、レーザビームが用いられている。特許文献1には、ガラス基板にレーザビームを照射してアブレーション加工を施す際に、二酸化チタン(TiO2)等の微小な金属酸化物を分散させた樹脂をガラス基板に塗布して保護膜を形成することにより、レーザビームの吸収効率を向上させ、ガラス基板の加工性を向上させることが記載されている(例えば、特許文献1参照)。
かかる技術を用いることにより、金属酸化物を分散させていない樹脂を保護膜形成用の液として用いた場合に比べ、チッピングやレーザ焼けの発生率を減少させることができる。
特開2013−81951号公報
しかし、引用文献1記載の発明においても、加工性、加工品質、歩留まりの観点から、さらなる向上が求められている。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、レーザビームを用いた加工において、加工性、加工品質及び歩留まりをさらに向上させることを課題とする。
本発明は、レーザ加工に用いられる保護膜形成用樹脂剤であって、水溶性樹脂と、水溶性樹脂に分散され、断面が長軸と長軸に直交する短軸とを持つ細長形状を有する金属酸化物の微粒子とを含む。金属酸化物の微粒子については、長軸の長さを500nm以下、短軸の長さを長軸の長さの1/10〜1/5とするとよい。また、この保護膜形成用樹脂剤は、金属酸化物の微粒子を0.1〜10体積%含むとよい。
また本発明は、レーザビームを照射して基板をアブレーション加工するレーザ加工方法であって、少なくともアブレーション加工すべき基板上の領域に上記保護膜形成用樹脂剤を塗布して金属酸化物の微粒子入り保護膜を形成する保護膜形成工程と、保護膜形成工程を実施した後、保護膜が形成された領域にレーザビームを照射してアブレーション加工を施すレーザ加工工程と、を備える。
本発明に係る保護膜形成用樹脂剤は、断面が長軸と長軸に直交する短軸とを持つ細長形状を有する金属酸化物の微粒子が水溶性樹脂に分散されているため、樹脂への分散性にすぐれている。したがって、これを被加工物に塗布し保護膜としてレーザ加工することにより、保護膜におけるレーザビームの吸光度が高くなるため、加工効率が向上し、レーザビームの波長に対して吸収性の低い基板についても効率よくレーザ加工することができる。また、加工品質も高くなり、加工により製造される製品の歩留まりを向上させることができる。
レーザ加工装置の例を示す斜視図である。 レーザ加工装置に備えた保護膜形成手段を示す斜視図である。 表面に保護膜が被覆された板状ワークを示す拡大断面図である。 本発明の保護膜形成用樹脂剤を用いた保護膜を示す拡大写真である。 従来の保護膜形成用樹脂剤を用いた保護膜を示す拡大写真である。 出力3W、繰返し周波数40kHz、送り速度150mm/sの加工条件の下で、(a)は実施例の保護膜が被覆された基板をアブレーション加工した部分を示す拡大写真である。(b)は、比較例の保護膜が被覆された基板をアブレーション加工した部分を示す拡大写真である。 出力3W、繰返し周波数40kHz、送り速度250mm/sの加工条件の下で、(a)は実施例の保護膜が被覆された基板をアブレーション加工した部分を示す拡大写真である。(b)は、比較例の保護膜が被覆された基板をアブレーション加工した部分を示す拡大写真である。 出力3W、繰返し周波数120kHz、送り速度150mm/sの加工条件の下で、(a)は実施例の保護膜が被覆された基板をアブレーション加工した部分を示す拡大写真である。(b)は、比較例の保護膜が被覆された基板をアブレーション加工した部分を示す拡大写真である。 出力3W、繰返し周波数120kHz、送り速度150mm/s、基板裏面側へのデフォーカス30μmの加工条件の下で、(a)は実施例の保護膜が被覆された基板をアブレーション加工した部分を示す拡大写真である。(b)は、比較例の保護膜が被覆された基板をアブレーション加工した部分を示す拡大写真である。 レーザビームの波長と吸光度との関係を示すグラフである。
図1に示すレーザ加工装置1は、チャックテーブル2に保持された板状ワークWをレーザ加工手段3によって加工する装置である。板状ワークWは、裏面がテープTに貼着され、テープTにはリング状のフレームFが貼着されており、板状ワークWは、テープTを介してフレームFに支持される。
レーザ加工装置1の前面側(−Y方向側)には、フレームFによって支持された板状ワークWが複数収容されるカセット40が載置されるカセット載置領域4が設けられている。カセット載置領域4は昇降可能となっている。カセット載置領域4の後方(+Y方向側)には、フレームFによって支持された板状ワークWが一時的に置かれる仮置き領域41が設けられている。仮置き領域41には、板状ワークWを所定の位置に合わせる位置合わせ手段42を備えている。また、仮置き領域41の後方(+Y方向側)には、フレームFに支持された板状ワークWのカセット40からの搬出及びカセット40への搬入を行う搬出入手段43が配設されている。
チャックテーブル2は、フレームFに支持された板状ワークWのチャックテーブル2に対する着脱が行われる着脱領域Aと、レーザ加工が行われる加工領域Bとの間をX軸方向に移動可能であるとともに、Y軸方向に移動可能となっている。
着脱領域Aの+Y方向側には、レーザ加工前の板状ワークWの表面に保護膜を形成する保護膜形成手段6が配設されている。保護膜形成手段6は、図2に示すように、フレームFに支持された板状ワークWを保持して回転する保持部60と、保持部60に保持された板状ワークWに液状樹脂を滴下する樹脂ノズル61と、板状ワークWに洗浄液を滴下する洗浄液ノズル62とを備えている。保持部60は、昇降部63によって駆動されて昇降可能となっているとともに、モータ64によって駆動されて回転可能となっている。
昇降部63は、モータ64の側面側に固定された複数のエアシリンダ630とロッド631とから構成され、エアシリンダ630の昇降によってモータ64及び保持部60が昇降する構成となっている。
図1に示すように、仮置き領域41の近傍には、フレームに支持された板状ワークWを仮置き領域41と保護膜形成手段6との間で搬送する第1の搬送手段5が配設されている。
保護膜形成手段6の上方には、フレームFに支持された板状ワークWを保護膜形成手段6から着脱領域Aに位置するチャックテーブル2に搬送する第2の搬送手段7が配設されている。第2の搬送手段7は、板状ワークWを吸着する吸着部70と、吸着部70を昇降させる昇降部71と、吸着部70及び昇降部71をY軸方向に移動させるアーム部72とを備えている。
レーザ加工手段3は、レーザビームを発振する発振手段30と、レーザビームに繰り返し周波数を設定する周波数設定手段31と、レーザビームの出力を調整する出力調整手段32と、レーザビームを集光する集光器8とを備えている。
次に、板状ワークWをレーザ加工する際の図1に示したレーザ加工装置1の動作概要について説明する。まず、フレームFに支持された板状ワークWは、カセット40に複数収容される。そして、搬出入手段43によってフレームFが挟持されてフレームFとともに板状ワークWが仮置き領域41に搬出される。
(保護膜形成工程)
仮置き領域41において、位置合わせ手段42によって板状ワークWが一定の位置に位置合わせされた後、第1の搬送手段5によってフレームFに支持された板状ワークWが保護膜形成手段6の保持部60に搬送され、図2に示したように、表面W1が上方に露出した状態で保持される。そして、図2に示した樹脂ノズル61から板状ワークWの表面W1の上に保護膜形成用樹脂剤610が滴下され、保持部60が回転することにより、表面W1の全面に保護膜形成用樹脂剤610が塗布される。なお、保護膜形成用樹脂剤610は、本実施形態のようにスピンコート法により塗布してもよいし、スリット状のノズルから噴出させることによりを塗布してもよい。
板状ワークWの表面W1の上に保護膜形成用樹脂剤610を塗布した後、例えば保持部60を回転させることによって保護膜形成用樹脂剤610を乾燥させて固化させることにより、図3に示す保護膜9が被覆される。なお、保護膜形成用樹脂剤610は、ランプ(例えばキセノンフラッシュランプ)からの光の照射によって乾燥させてもよい。その場合は、温度上昇を避けるために、パルス光を照射するとよい。また、ホットプレートによるベーキングを行ってもよい。
図3に示したようにウエーハWの表面W1に金属酸化物の微粒子入りの保護膜9が被覆された後、図1に示す第2の搬送手段7の昇降部71が降下し、吸着部70によって板状ワークWが吸着される。そして、昇降部71が上昇し、アーム部72が−Y方向に移動することにより、着脱領域Aに位置するチャックテーブル2の上方に板状ワーク2が移動し、昇降部71が降下して板状ワークWの吸着を解除することにより、板状ワークWがチャックテーブル2に載置され、吸引保持される。
(レーザ加工工程)
そして、チャックテーブル2が−X方向に移動し、加工すべき分割予定ラインが検出され集光器8と分割予定ラインとのY軸方向の位置合わせがなされる。そして、さらにチャックテーブル2がX軸方向に加工送りされるとともに、集光器8が保護膜9を透過させて板状ワークWの表面W1の保護膜が形成された領域にレーザビームを照射することにより、分割予定ラインに沿ってアブレーション加工が行われる。加工送り速度は、例えば10〜300[mm/秒]とすることができる。また、レーザビームは、例えば波長が355[nm]、出力が0.5〜10[W]、繰返し周波数が10〜200[kHz]とすることができる。
次に、保護膜形成手段6によって被覆される保護膜9について詳細に説明する。図2に示した滴下される保護膜形成用樹脂剤610は、水溶性樹脂に金属酸化物が分散されて構成されている。ここで、水溶性樹脂としては、例えばポリビニルアルコール(PVA)又はポリビニルピロリドン(PVP)の他、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリエチレンイミン、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等を用いるとよい。ポリビニルアルコール又はポリビニルピロリドンは、その粘度が20〜400[cp]のものを用いることができる。また、金属酸化物としては、例えば二酸化チタン(TiO2)の微粒子を用いる。二酸化チタン以外にも、Fe2O3、ZnO、CeO2、CuO、Cu2O、又はMgOを用いることができる。これらの金属酸化物は、加工時に使用するレーザビームの波長に対する吸光度に基づいて選択される。
図4の写真100は、本発明の保護膜形成用樹脂剤610を用いた保護膜9を拡大して示したもので、金属酸化物の微粒子は、円形ではなく、長軸と長軸に対して直交する短軸とを有する不定形の細長形状に形成されている。細長形状には、楕円形や多角形、針状などが含まれ、これらの向きは不規則であり、これらには異方性の高いものも含まれる。例えば、長軸の長さは500[nm]以下であり、短軸の長さは、長軸の長さの1/10〜1/5である。長軸の長さは、好ましくは1〜100[nm]、より好ましくは20〜50[nm]であるとよい。長軸の長さが500[nm]を超えると、レーザビームの散乱の効果が優勢となり、レーザ加工には望ましくない。
金属酸化物の微粒子の濃度は、総体積(金属酸化物の体積+樹脂の体積)に対して0.1〜10体積%とするとよく、好ましくは、0.5〜5%、さらに好ましくは1〜2.5%とするとよい。
なお、保護膜9を、プラズマダイシング(ドライエッチング)の際のエッチングマスクとして用いると、プラズマ耐性を向上させることができる。
図4の写真100に示した金属酸化物(酸化チタン(TiO2))の微粒子が水中に分散した分散液(TiO2濃度:30重量%)を、ポリビニルアルコール(日本合成化学社製GL−05)水溶液中に混入させ、スターラーにより攪拌することにより、細長形状のTiO2の微粒子がポリビニルアルコール水溶液中に分散した実施例の試料(水溶性樹脂)を作成した。TiO2の微粒子としては、粒子径(長軸長)が20〜50[nm]のものを使用した。TiO2の微粒子の占有率は、水溶性樹脂を含めた全体の体積に対して62[%]とした。
一方、比較例として、図5の写真101に示す細長形状でない略球状の酸化チタンの微粒子が水中に分散した分散液(TiO2濃度:30重量%)を、水溶性ポリビニルアルコール(日本合成化学社製GL−05)水溶液中に混入させ、スターラーにより攪拌することにより、TiO2の微粒子がポリビニルアルコール水溶液中に分散した比較例の試料(水溶性樹脂)を作成した。TiO2の微粒子の占有率は、水溶性樹脂を含めた全体の体積に対して80[%]とした。
上記実施例の水溶性樹脂及び比較例の水溶性樹脂をそれぞれガラスの表面に被覆して保護膜とし、ガラスのストリートに沿ってレーザビームを照射してアブレーション加工を行った。
図6〜9に示す写真は、図1に示したレーザ加工装置1を用いて実施例及び比較例の保護膜を表面に被覆したガラスをアブレーション加工した後の加工部分を撮影したものである。図6〜9において、各図の(a)の写真201,301,401,501は、実施例の加工結果を示しており、各図の(b)の写真202,302,402,502は、比較例の加工結果を示している。
図6〜9の(a)の写真201,301,401,501は、ガラスの表面の境界601,603,605,607の両側(左右)に、液状樹脂のみを塗布して保護膜を被覆した部分(左側)と実施例の保護膜を被覆した部分(右側)とをそれぞれ形成し、それぞれの部分をアブレーション加工して加工状態を撮影して得たものである。一方、図6〜9の(b)の写真202,302,402,502は、ガラスの表面の境界602,604,606,608の両側(左右)に、液状樹脂のみを塗布して保護膜を被覆した部分(左側)と略球状の酸化チタンを分散させた保護膜形成用樹脂剤を用いて保護膜を被覆した部分(右側)とをそれぞれ形成し、それぞれの部分をアブレーション加工して加工状態を撮影したものである。
すべての実施例及び比較例に共通のレーザビームの加工条件は以下のとおりである。
波長: 355[nm]
出力: 3[W]
図6(a)、(b)は、繰返し周波数を40[kHz]、図1に示したチャックテーブル2の送り速度を150[mm/秒]とした場合の加工結果を示している。図6(a)の写真201の境界601より左側に写った酸化チタンを含まない保護膜が被覆された部分は、加工溝203が直線状に形成されておらず、加工溝203の両側には多くのチッピングが生じている。一方、図6(a)の写真201の境界601より右側に写った実施例の保護膜が被覆された部分の加工溝204の両側にはチッピングがなく、加工溝204は直線状に形成され、加工品質が高いことが確認された。また、加工溝204の両側には保護膜を構成する樹脂剤が多く飛散しており、効率よく加工が行われたことを確認することができる。
図6(b)の写真202の境界602より左側に写った酸化チタンを含まない保護膜が被覆された部分は、加工溝205が直線状に形成されておらず、加工溝205の両側には多くのチッピングが生じている。一方、図6(b)の写真202の境界602より右側に写った略球状の酸化チタンを分散させた保護膜が被覆された部分の加工溝206は、直線状に形成されている。しかし、この加工溝206は、図6(a)の写真201の加工溝204と比較すると、溝幅が狭く、保護膜を構成する樹脂剤の飛散量も少なく、図6(a)の写真201の加工溝204の方が、効率よく加工できていることが確認された。したがって、保護膜に含まれる酸化チタンについては、略球状の微粒子よりも不定形の細長形状の微粒子の方が加工品質及び加工効率を向上させることが確認された。
図7(a)、(b)は、繰返し周波数を40[kHz]、図1に示したチャックテーブル2の送り速度を250[mm/秒]とした場合の加工結果を示している。図7(a)の写真301の境界603より左側に写った酸化チタンを含まない保護膜が被覆された部分は、加工溝303が直線状に形成されておらず、加工溝303の両側にはチッピングが生じている。一方、図7(a)の写真301の境界603より右側に写った実施例の保護膜が被覆された部分の加工溝304の両側にはチッピングがなく、加工溝304は直線状に形成されており、加工品質が高いことが確認された。また、加工溝304の両側には保護膜を構成する樹脂剤が多く飛散しており、効率よく加工が行われたことを確認することができる。
図7(b)の写真302の境界604より左側に写った酸化チタンを含まない保護膜が被覆された部分は、加工溝305が直線状に形成されておらず、加工溝305の両側には多くのチッピングが生じている。一方、図7(b)の写真302の境界604より右側に写った略球状の酸化チタンを分散させた保護膜が被覆された部分の加工溝306は、直線状に形成されている。しかし、この加工溝306は、図7(a)の写真301の加工溝304と比較すると、溝幅が狭く、保護膜を構成する樹脂剤の飛散量も少なく、図7(a)の写真301の加工溝304の方が、効率よく加工できていることが確認された。したがって、保護膜に含まれる酸化チタンについては、略球状の微粒子よりも細長形状の微粒子の方が加工品質を向上させることができることが確認された。
図8(a)、(b)は、繰返し周波数を120[kHz]、図1に示したチャックテーブル2の送り速度を150[mm/秒]とした場合の加工結果を示している。図8(a)の写真401の境界605より左側に写った酸化チタンを含まない保護膜が被覆された部分は、加工溝403の溝幅が狭い。一方、図8(a)の写真401の境界605より右側に写った実施例の保護膜が被覆された部分の加工溝404は、溝幅が広く、その両側には保護膜を構成する樹脂剤が多く飛散しており、効率よく加工が行われたことを確認することができる。
図8(b)の写真402の境界606より左側に写った酸化チタンを含まない保護膜が被覆された部分は、加工溝405の溝幅が狭い。一方、図8(b)の写真402の境界606より右側に写った略球状の酸化チタンを分散させた保護膜が被覆された部分の加工溝406は、加工溝405よりも溝幅が広い。しかし、加工溝406は、図8(a)の加工溝404と比較すると溝幅が狭く、図8(a)の加工溝404の方が効率よく加工できていることが確認された。したがって、保護膜に含まれる酸化チタンについては、略球状の微粒子よりも細長形状の微粒子の方が加工品質を向上させることができることが確認された。
図9(a)、(b)は、繰返し周波数を120[kHz]、図1に示したチャックテーブル2の送り速度を150[mm/秒]とし、レーザビームの集光深さを表面から30[μm]裏面側にデフォーカスした場合の加工結果を示している。図9(a)の写真501の境界607より左側に写った酸化チタンを含まない保護膜が被覆された部分には、連続的な加工溝が形成されておらず、アブレーション加工ができなかった。一方、図9(a)の写真501の境界607の右側に写った実施例の保護膜が被覆された部分の加工溝504は、連続した直線状に形成され、アブレーション加工が行われたことが確認された。また、加工溝504は、溝幅が広く、効率よく加工できていることも確認された。
図9(b)の写真501の境界608の左側に写った酸化チタンを含まない保護膜が被覆された部分には、連続的な加工溝が形成されておらず、アブレーション加工ができなかった。一方、図9(b)の写真502の境界608より右側に写った略球状の酸化チタンを分散させた保護膜が被覆された部分の加工溝506は、連続した直線状に形成されていることが確認された。しかし、加工溝506は、図9(a)の加工溝504と比較すると、溝幅が狭く、図9(a)の加工溝504の方が、効率よく加工できていることが確認された。したがって、レーザビームの焦点を表面から深さ方向にずらした場合においても、酸化チタンは、略球状の粒子よりも楕円形などの細長形状の粒子の方が加工品質を向上させることができることが確認された。
以下に示す表1は、シリコンにポリイミドが成膜されたワーク(以下、「本ワーク」という。)をレーザ加工した場合におけるレーザ焼け発生率、チッピング発生率及び歩留まりの平均値を示している。加工条件は以下のとおりである。
波長: 355[nm]
出力: 2[W]
繰返し周波数:200[kHz]
スポット径: 10[μm]
送り速度: 200[mm/sec]
表1中、「金属酸化物なし」は、本ワークに金属酸化物の微粒子を含まない液状樹脂を塗布して保護膜を被覆した場合、「比較例」は、本ワークに略球状の酸化チタンの微粒子を分散させた保護膜形成用樹脂剤を塗布して保護膜を被覆した場合、「本発明」は、本ワークに細長形状の酸化チタンの微粒子を分散させた保護膜形成用樹脂剤を塗布して保護膜を被覆した場合を示している。なお、レーザ焼けは、飛散した保護膜でレーザビームが反射することにより、照射すべきでない位置にレーザビームが照射されてしまう現象である。
[表1]
本発明のチッピング発生率0.00(%)は、検出限界以下であることを示している。
上記表1から明らかなように、レーザ焼け発生率、チッピング発生率、歩留まりのいずれの点においても、本発明の保護膜形成用樹脂剤を用いると、金属酸化物なし又は比較例よりもすぐれていることがわかった。
図10に示すグラフは、サファイア基板(リファレンス)、略球状の酸化チタンの微粒子を分散させた樹脂剤、細長形状の酸化チタンの微粒子を分散させた樹脂剤のそれぞれについて、日本分光社製V−670を用いて吸収スペクトルを測定することにより、レーザビームの波長と吸光度との関係を求めた結果を示している。
図10のグラフから分かるように、サファイア基板(リファレンス)は、波長の値にかかわらず吸光度が低い。一方、酸化チタンの微粒子を分散させた樹脂剤は、波長が長くなるほど吸光度が低下するが、樹脂剤を構成する酸化チタンの形状が略球状の場合よりも細長形状の場合の方が、波長が長くなることにともなう吸光度の低下率が低く、より高い吸光度を維持できることが確認された。したがって、酸化チタンの微粒子を細長形状とした樹脂剤を保護膜として採用すると、酸化チタンの微粒子が略円形である場合と比較して、波長を長くしても効率よくレーザ加工できると考えられる。
W:板状ワーク T:テープ F:フレーム
1:レーザ加工装置
2:チャックテーブル
3:レーザ加工手段 30:発振手段 31:周波数設定手段 32:出力調整手段
4:カセット載置領域 40:カセット 41:仮置き領域 42:位置あわせ手段
43:搬出入手段
5:第1の搬送手段
6:保護膜形成手段 60:保持部 61:樹脂ノズル 610:保護膜形成用樹脂剤
62:洗浄液ノズル 63:昇降部 630:エアシリンダ 631:ロッド
64:モータ
7:第2の搬送手段 70:吸着部 71:昇降部 72:アーム部
8:集光器
201,202,301,302,401,402,501,502:写真
203〜206,303〜306,403〜406,504,506:加工溝
601〜608:境界

Claims (4)

  1. レーザ加工に用いられる保護膜形成用樹脂剤であって、
    水溶性樹脂と、
    前記水溶性樹脂に分散され、断面が長軸と前記長軸に直交する短軸とを持つ細長形状を有する金属酸化物の微粒子と、を含む保護膜形成用樹脂剤。
  2. 前記長軸の長さは500nm以下であり、前記短軸の長さは前記長軸の長さの1/10〜1/5である請求項1に記載の保護膜形成用樹脂剤。
  3. 前記金属酸化物の微粒子を0.1〜10体積%含む請求項1または2に記載の保護膜形成用樹脂剤。
  4. レーザビームを照射して基板をアブレーション加工するレーザ加工方法であって、
    少なくともアブレーション加工すべき基板上の領域に請求項1から3のいずれか一項に記載の保護膜形成用樹脂剤を塗布して前記金属酸化物の微粒子入り保護膜を形成する保護膜形成工程と、
    前記保護膜形成工程を実施した後、前記保護膜が形成された領域にレーザビームを照射してアブレーション加工を施すレーザ加工工程と、
    を備えるレーザ加工方法。
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