JP2017041839A - フィルタ及びフィルタ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】小型の帯域除去フィルタなどを提供することを目的とする。
【解決手段】BEF(帯域除去フィルタ)100は、信号が伝搬する棒状の内導体10と、内導体10を取り巻くように設けられた外導体20とを備えている。そして、外導体20の側面導体21Aに、導体が予め定められた形状に切り抜かれた切り抜き構造体であって、入力した信号に対して予め定められた周波数帯を減衰させて出力させるDGS22が1個以上設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、フィルタ及びフィルタ装置に関する。
数kHzから数THzの周波数の信号を扱う高周波回路に、グランド導体が予め定められた形状に切り抜かれた構造(DGS:Defected Ground Structure)を適用することが試みられている。
DGSは、メタマテリアルの一形態であって、構造を工夫することにより、これまで得られなかった特性を得ようとするものである。
非特許文献1には、空気を誘電体とした矩形スラブラインを、信号線路に平行に設けて結合させたノッチフィルタが記載されている。矩形スラブラインは、長さが1/4波長以下に調整されるとともに、先端部にチューニングスクリューが設けられている。
非特許文献2には、二重等辺U字型DGSによる2極の減衰特性が与えられることが記載されている。これらの2極の減衰特性を示す周波数は、DGSのU字型形状の長さに比例する。そして、低域通過フィルタに適用することで、スプリアス放射を抑制しつつ、所望の周波数帯での減衰が得られることが記載されている。
非特許文献3には、マイクロストリップラインのグランド面に形成するDGSの変形例や具体例が記載されている。
特許文献1には、信号の伝搬路に三次元DGSが設けられた高性能共振器が記載されている。共振器は、伝搬路の上下に対称な形状のDGSが設けられている。
リチャード・ブイ・スナイダー(Richard V. Snyder)、サングホーン・シン(Sanghoon Shin)、「広いスプリアスフリーな透過バンドを備える平行結合ラインノッチフィルタ(Parallel Coupled Line Notch Filter with Wide Spurious-Free Passbands)」、マイクロウエーブシンポジウムダイジェスト(Microwave Symposium Digest)、2005アイトリプルイー・エムティーティー・エス インタナショナル(IEEE MTT-S International)、アイトリプルイー(IEEE)、2005年7月12−17日。 ショウェング・ティン(Sio-Weng Ting)、カムウェング・タム(Kam-Weng Tam)、アール・ピー・マルティンズ(R. P. Martins)、「二重等辺U字型DGSを用いた広い阻止バンドの小型マイクロストリップ低域通過フィルタ(Miniaturized Microstrip Lowpass Filer With Wide Stopband Using Double Equilateral U-Shaped Defected Ground Structure)」、アイトリプルイー・マイクロ波及びワイヤレス部品レター(IEEE MICROMAVE AND WIRELESS COMPONENTS LETTERS)、アイトリプルイー(IEEE)、2006年5月、16巻、5号、p.240−242。 エル・エイチ・ウェング(L. H. Weng)、ワイ・シー・グオ(Y. C. Guo)、エックス・ワイ・シ(X. W. Shi)、エックス・キュー・チェン(X. Q. Chen)、「DGSの概要(AN OVERVIEW ON DEFECTED GROUND STRUCTURE)」、電磁気学研究の発展(Progress In Electromagnetics Research)B、2008年、7巻、p.173−189。
米国特許第8018306号明細書
ところで、入力された信号から予め定められた周波数帯の信号を除去(抑制、抑圧)するフィルタとして、帯域除去フィルタ(BEF:Band Elimination Filter)が用いられる。
本発明は、小型の帯域除去フィルタなどを提供することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明が適用されるフィルタは、信号が伝搬する棒状の内導体と、内導体を取り巻くように設けられ、入力した信号に対して予め定められた周波数帯を減衰させて出力させる減衰部を有する外導体とを備えている。
このようなフィルタにおいて、外導体が有する減衰部は、導体が予め定められた形状に切り抜かれた切り抜き構造体で構成されていることを特徴とすることができる。
これにより、減衰させる周波数帯が切り抜き構造体の形状により設定できる。
また、外導体が有する減衰部は、切り抜き構造体を複数備え、切り抜き構造体が、内導体を取り巻く方向に配置されていることを特徴とすることができる。
これにより、減衰させる周波数帯を複数設定できる。
そして、外導体は、内導体の軸方向と直交する断面形状が多角形であって、外導体を構成する少なくとも2以上の面に、切り抜き構造体が配置されていることを特徴とすることができる。
これにより、切り抜き構造体の配置が容易になる。
さらに、このようなフィルタにおいて、外導体が有する減衰部の外側に、導体で構成された遮蔽部をさらに備えることを特徴とすることができる。
これにより、電磁波の漏洩が抑制できる。
さらにまた、このようなフィルタにおいて、外導体は、外導体が有する減衰部が減衰させる周波数帯を調整する調整部をさらに備えることを特徴とすることができる。
これにより、減衰させる周波数帯を調整することができる。
他の観点から捉えると、本発明が適用されるフィルタ装置は、信号が伝搬する棒状の内導体と、内導体を取り囲むように設けられ、入力した信号に対して、予め定められた周波数帯を減衰させて出力する減衰部を有する外導体と、を備える第1のフィルタと、第1のフィルタに接続され、予め定められた他の周波数帯の信号を通過させるように構成された第2のフィルタとを備えている。
本発明によれば、小型の帯域除去フィルタなどが提供できる。
第1の実施の形態が適用されるBEFの一例(実施例1)の概要を説明する図である。(a)は、内導体の軸方向に沿った断面斜視図、(b)は、(a)のIB−IB線を含む、内導体の軸方向と直交する面での断面図である。 実施例1のBEFの外導体に設けられたDGSを、外導体の内側から見た平面図及び外導体の断面図である。(a)は、DGSの平面図、(b)は、(a)のIIB−IIB線を含む、内導体の軸方向に直交する面における外導体の断面図である。 実施例1のBEFの通過特性(S21)を示す図であり、入力信号に対する出力信号の減衰量を示す図である。 第1の実施の形態が適用されるBEFの他の一例(実施例2)の概要を説明する図である。(a)は、内導体の軸方向における断面斜視図、(b)は、内導体の軸方向と直交する面での断面図である。 実施例2のBEFの通過特性(S21)を示す図であり、入力信号に対する出力信号の減衰量を示す図である。 第1の実施の形態が適用されるBEFのさらに他の一例(実施例3)の概要を説明する図である。(a)は、内導体の軸方向における断面斜視図、(b)は、内導体の軸方向と直交する面での断面図である。 実施例3のBEFの通過特性(S21)を示す図であり、入力信号に対する出力信号の減衰量を示す図である。 第1の実施の形態が適用されるBEFのさらに他の一例(実施例4)の概要を説明する図である。(a)は、内導体の軸方向における断面斜視図、(b)は、内導体の軸方向と直交する面での断面図、(c)は、内導体の軸方向における側面斜視図である。 実施例4のBEFの通過特性(S21)を示す図であり、入力信号に対する出力信号の減衰量を示す図である。 実施例5のBEFの通過特性(S21)を示す図であり、入力信号に対する出力信号の減衰量を示す図である。 BEFを用いたフィルタ装置の構成を説明する図である。(a)は、BEFの前に帯域フィルタを設けたフィルタ装置、(b)は、BEFの後に帯域フィルタを設けたフィルタ装置、(c)は、帯域フィルタの前後にBEFを設けたフィルタ装置である。 BEFを用いたフィルタ装置の通過特性(S21)を説明する図であり、入力信号に対する出力信号の減衰量を示す図である。(a)は、BPFとして機能するフィルタの減衰量を示す図、(b)は、BEFの減衰量を示す図、(c)は、BPFとして機能するフィルタとBEFとを直列接続したフィルタ装置の減衰量を示す図である。 BEFを用いた他のフィルタ装置の通過特性(S21)を説明する図であり、入力信号に対する出力信号の減衰量を示す図である。(a)は、BPFとして機能するフィルタの減衰量を示す図、(b)は、BEFの減衰量を示す図、(c)は、BPFとして機能するフィルタとBEFとを接続したフィルタ装置の減衰量を示す図である。 DGSの開口の他の形状の例を示す図である。(a)は、二つのらせん状に形成された開口、(b)は、二つの三角形が接続されたダンベル型の開口、(c)は、二つのI字が接続された開口、(d)は、二つのC字が互いに背中合わせになるように接続された開口、(e)は、二つのC字が上下に接続された開口、(f)は、蛇行した開口を示している。 第2の実施の形態が適用されるBEFの一例の概要を説明する、内導体の軸方向における断面斜視図である。 第2の実施の形態が適用されるBEFの通過特性(S21)を示す図であり、入力信号に対する出力信号の減衰量を示す図である。 第3の実施の形態が適用されるBEFの一例の概要を説明する図である。(a)は、内導体の軸方向における断面斜視図、(b)は、(c)のXVIIB−XVIIB線を含む、内導体の軸方向と直交する面での断面図、(c)は、内導体10の軸方向における断面図である。 第3の実施の形態が適用されるBEFにおいて、調整ねじの差し込む深さに対する通過特性(S21)を示す図であり、入力信号に対する出力信号の減衰量を示す図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
ここでは、フィルタの一例として、帯域除去フィルタ(BEF:Band Elimination Filter)を説明するが、帯域除去フィルタに限らない。なお、帯域除去フィルタは、帯域阻止フィルタ(BSF:Band Stop Filter)、ノッチフィルタ(Notch Filter)と呼ばれることがある。ここでは、帯域除去フィルタ(BEF)と表記し、BEFと略す。
[第1の実施の形態]
第1の実施の形態が適用されるBEF100は、予め定められた周波数帯の信号の通過を抑制する帯域除去部1と、帯域除去部1を挟むように設けられ、信号が入力される信号入力部2及び信号が出力される信号出力部3とを備えている。
そして、第1の実施の形態が適用されるBEF100では、帯域除去部1は、断面が円形の内導体10と、内導体10を取り巻くように設けられ、内側の断面形状が多角形の外導体20とを備えている。
<実施例1>
図1は、第1の実施の形態が適用されるBEF100の一例(実施例1)の概要を説明する図である。図1(a)は、内導体10の軸方向に沿った断面斜視図、図1(b)は、図1(a)のIB−IB線を含む、内導体10の軸方向と直交する面での断面図である。
図1(a)に示すように、BEF100は、帯域除去部1と、帯域除去部1を挟むように設けられた信号入力部2及び信号出力部3とを備えている。
信号入力部2及び信号出力部3は、信号を入出力する同軸ケーブルに接続されるように、円筒状の外部導体が内部導体(中心導体)を囲むような同軸構造になっている。
図1(a)、(b)に示すように、帯域除去部1は、信号入力部2から信号出力部3まで連続する棒状の内導体10を備えている。内導体10は、例えば、断面形状が円である。そして、内導体10は、信号入力部2及び信号出力部3のそれぞれの内部導体(中心導体)に繋がっている。なお、内導体10の断面形状は、多角形であってもよい。
ここでは、内導体10において、信号入力部2と信号出力部3とを結ぶ方向であって、信号が伝搬する方向を、軸方向と表記する。
そして、帯域除去部1は、図1(b)に示すように、内導体10を取り巻くように、外導体20が設けられている。外導体20は、例えば、断面が多角形の筒である。
ここでは、内導体10は、断面形状が円の棒であって、外導体20は、内側及び外側の断面形状が正方形の筒とする。このように帯域除去部1も同軸構造となっている。
そして、図1(a)に示すように、帯域除去部1は、信号入力部2側に端面導体30、信号出力部3側に端面導体40を備えている。
端面導体30は、信号入力部2側において、外導体20と信号入力部2の外部導体とを接続する。同様に、端面導体40は、信号出力部3側において、外導体20と外部導体とを接続する。
BEF100における内導体10は、信号入力部2の外部導体、信号出力部3の外部導体、外導体20、端面導体30、40とで取り囲まれている。そして、内導体10は、信号を伝搬する。一方、内導体10を取り巻く信号入力部2の外部導体、信号出力部3の外部導体、外導体20、端面導体30、40は、基準電位(接地電位、グランド電位、GND)に設定されている。よって、外導体20などは、グランド導体と表記されることがある。
(外導体20)
次に、外導体20の詳細を説明する。
図1(a)、(b)に示すように、外導体20は、4個の側面導体21A、21B、21C、21Dを備えている。なお、側面導体21A、21B、21C、21Dをそれぞれ区別しない場合は、側面導体21と表記する。
そして、側面導体21Aには、導体が予め定められた形状に切り抜かれた切り抜き構造体であるDGS22が、内導体10の軸方向に沿った方向に(軸方向に)3個設けられている。
DGS22は、2つのコ字状に切り抜かれた開口(以下では、2つのコ字状の開口を開口221、222と表記する。)を有している。
なお、外導体20に設けられた3個のDGS22が減衰部の一例である。
そして、側面導体21Aは、DGS22に対向して設けられた遮蔽板23を備えている。DGS22と遮蔽板23との間は、空隙24となっている。なお、遮蔽板23が遮蔽部の一例である。
開口221、222の構成については、後述する。
ここで、DGS22が設けられた外導体20の製造方法の一例を説明する。
ここでは、4個の側面導体21A、21B、21C、21Dを別々に製造し、側面導体21A、21B、21C、21Dを組み合わせて、外導体20を製造するとする。
さらに、側面導体21Aは、複数の板を重ね合せて製造するとする。
例えば、側面導体21Aは、開口221、222が切り抜かれたDGS22の厚さの板と、空隙24となる部分が切り抜かれた空隙24の厚さ(深さ)の板と、遮蔽板23の厚さの板とを重ね合せることで製造される。
また、側面導体21Aは、DGS22の厚さと空隙24の厚さとを加えた厚さの板において、一方の面から空隙24となる部分を空隙24の厚さに相当する深さに削り、その後、空隙24の内側に開口221、222を切り抜く。そして、遮蔽板23の厚さの板と重ね合せることで製造されてもよい。
さらに、側面導体21Aは、空隙24の厚さと遮蔽板23の厚さとを加えた厚さの板において、一方の面から空隙24となる部分を空隙24の厚さに相当する深さに削り出し、その後、開口221、222が切り抜かれたDGS22の厚さの板と重ね合せることで製造されてもよい。
一方、側面導体21Aを複数の板を重ね合せることで製造する代わりに、側面導体21Aに開口221、222を切り抜き、開口221、222を、遮蔽板23となる蓋で覆うようにしてもよい。
また、開口221、222を備えるDGS22を別に製造し、板状の導体の表面又は筒状の導体の内側に貼り付けて、側面導体21A又は外導体20を構成してもよい。この場合でも、板状の導体とDGS22とを合わせて側面導体21Aとし、筒状の導体とDGS22とを合わせて外導体20とする。
さらに他の製造方法を用いて側面導体21A又は外導体20を製造してもよい。
なお、図1(a)、(b)に示す外導体20の側面導体21Aは、遮蔽板23を備えているが、遮蔽板23を備えなくともよい。遮蔽板23は、BEF100から外部への電磁波の漏洩を抑制するために設けられている。よって、BEF100の外部への電磁波の漏洩を抑制する必要が無い場合には、遮蔽板23を備えなくともよい。
(DGS22)
次に、DGS22の構成の一例を説明する。
図2は、実施例1のBEF100の外導体20に設けられたDGS22を、外導体20の内側から見た平面図及び外導体20の断面図である。図2(a)は、DGS22の平面図、図2(b)は、図2(a)のIIB−IIB線を含む、内導体10の軸方向に直交する面における外導体20の断面図である。
図2(b)に示すように、内導体10の断面形状は、直径Eが例えば8.66mmの円である。外導体20の断面形状の内側は、一辺長Cが例えば20mmの正方形である。
図2(a)に示すように、DGS22は、2重に設けられたコ字状の開口221、222を有している。これらのコ字状の開口221、222は、図1(a)に示したように、信号入力部2側に開いているように配置されている。そして、開口222は、開口221の外側に、開口221を囲むように設けられている。
そして、開口221、222の裏側に設けられている空隙24は、内導体10の軸方向の長さ(W1)が例えば48mm、内導体10の軸方向と直交する方向の幅が、外導体20の断面形状の内側の一辺長C(例えば20mm)である。
さらに、内側の開口221は、幅(G1)が例えば2mmであって、内導体10の軸方向と直交する方向の長さ(L1)が例えば8mm、内導体10の軸方向の長さ(W2)が例えば25mmである。
一方、外側の開口222は、内導体10の軸方向の幅(G1)が例えば2mm、内導体10の軸方向と直交する方向の幅(G2)が例えば2mmである。そして、内導体10の軸方向の長さ(W3)が例えば45mm、内導体10の軸方向と直交する方向の長さ(L2)が例えば18mmである。
また、図2(b)に示すように、DGS22の厚さ(T)が例えば1mm、空隙24の深さ(D)が例えば2mmである。
そして、図2(a)に示すように、DGS22間、すなわち空隙24間の内導体10の軸方向における距離(S)が例えば1mmである。
図3は、実施例1のBEF100の通過特性(S21)を示す図であり、入力信号に対する出力信号の減衰量(Attenuation)を示す図である。横軸は、周波数(MHz)、縦軸は、減衰量(dB)である。
図3に示すように、1500MHz近傍に減衰量が大きい周波数帯が見られる。1500MHz近傍の減衰極は、側面導体21Aに設けられたDGS22によるものである。
そして、この減衰量が大きい周波数帯には、3個の減衰極(減衰量が大きい部分)が見られる。これらの減衰極は、側面導体21Aに設けられた3個のDGS22に対応する。
すなわち、1500MHz近傍の減衰量が大きい周波数帯が減衰させる周波数帯(除去周波数帯)である。
以上説明したように、外導体20を構成する一つの側面導体21にDGS22を設けることで、除去周波数帯が一つのBEF100となる。
<実施例2>
図4は、第1の実施の形態が適用されるBEF100の他の一例(実施例2)の概要を説明する図である。図4(a)は、内導体10の軸方向における断面斜視図、図4(b)は、内導体10の軸方向と直交する面での断面図である。
実施例1では、3個のDGS22が、断面形状が正方形の外導体20の一側面(側面導体21A)に設けられていた。実施例2では、他の3個のDGS22が外導体20を構成する他の側面(側面導体21B)にも設けられている。すなわち、実施例2では、3個のDGS22が、外導体20を構成する二側面(側面導体21A、21B)にそれぞれ設けられている。
なお、側面導体21Bに設けられるDGS22は、側面導体21Aに設けられたDGS22より、内導体10の軸方向の長さ(W1)(図2(a)参照)を例えば43mmと短く構成している。よって、形状の異なるDGS22が、内導体10を取り巻く方向に配置されていることになる。取り巻く方向とは、内導体10の軸方向に直交する面内において、内導体10の外周に沿った方向をいう。
なお、外導体20の側面導体21Aに設けられた3個のDGS22と側面導体21Bに設けられた3個のDGS22とが減衰部の一例である。
他の構成は、側面導体21Aに設けられたDGS22と同様であるので、説明を省略する。
図5は、実施例2のBEF100の通過特性(S21)を示す図であり、入力信号に対する出力信号の減衰量を示す図である。横軸は、周波数(MHz)、縦軸は、減衰量(dB)である。
図5に示すように、実施例2のBEF100では、1500MHz近傍及び1660MHz近傍に減衰量が大きい周波数帯(除去周波数帯)が見られる。1500MHz近傍の減衰極が、側面導体21Aに設けられたDGS22によるものであり、1660MHz近傍の減衰極が、側面導体21Bに設けられたDGS22によるものである。
そして、これらの周波数帯のそれぞれには、3個の減衰極(減衰量が大きい部分)が見られる。これらの減衰極は、3個のDGS22に対応する。
内導体10の軸方向の長さ(W1)が短いDGS22を新たに設けると、高い周波数側に新たな除去周波数帯が生じる。そして、側面導体21Aに設けられたDGS22と側面導体21Bに設けられたDGS22とが、別々に(独立して)除去周波数帯を形成する。
以上説明したように、外導体20を構成する二つの側面導体21にDGS22を設けることで、除去周波数帯が二つ(マルチバンド)になる。すなわち、BEF100の大きさを変更することなく、二つの除去周波数帯を有するBEF100が構成できる。
<実施例3>
図6は、第1の実施の形態が適用されるBEF100のさらに他の一例(実施例3)の概要を説明する図である。図6(a)は、内導体10の軸方向における断面斜視図、図6(b)は、内導体10の軸方向と直交する面での断面図である
実施例1では、3個のDGS22が、外導体20を構成する一側面(側面導体21A)に設けられていた。実施例2では、3個のDGS22が、外導体20を構成する二側面(側面導体21A、21B)にそれぞれ設けられていた。
実施例3は、さらに他の3個のDGS22が、外導体20を構成するさらに他の側面(側面導体21C)にも設けられている。
すなわち、実施例3では、3個のDGS22が、外導体20を構成する三側面(側面導体21A、21B、21C)にそれぞれ設けられている。
なお、側面導体21Cに設けられるDGS22は、側面導体21Bに設けられたDGS22より、内導体10の軸方向の長さ(W1)(図2(a)参照)を例えば38mmとさらに短く構成している。よって、形状の異なるDGS22が、内導体10を取り巻く方向に配置されていることになる。
なお、外導体20の側面導体21A、21B、21Cにそれぞれ設けられた3個のDGS22が減衰部の一例である。
他の構成は、側面導体21A、21Bに設けられたDGS22と同様であるので、説明を省略する。
図7は、実施例3のBEF100の通過特性(S21)を示す図であり、入力信号に対する出力信号の減衰量を示す図である。横軸は、周波数(MHz)、縦軸は、減衰量(dB)である。
図7に示すように、実施例3のBEF100では、1500MHz、1660MHz近傍及び1900MHz近傍に減衰量が大きい周波数帯(除去周波数帯)が見られる。1500MHz近傍の減衰極が、側面導体21Aに設けられたDGS22によるもの、1660MHz近傍の減衰極が、側面導体21Bに設けられたDGS22によるもの、そして、1900MHz近傍の減衰極が、側面導体21Cに設けられたDGS22によるものである。
そして、これらの周波数帯のそれぞれには、3個の減衰極(減衰量が大きい部分)が見られる。これらの減衰極は、3個のDGS22に対応する。
内導体10の軸方向の長さ(W1)がさらに短いDGS22を新たに設けると、高い周波数側にさらに新たな除去周波数帯が生じる。そして、側面導体21Aに設けられたDGS22、側面導体21Bに設けられたDGS22及び側面導体21Cに設けられたDGS22は、別々に(独立して)除去周波数帯を形成する。
以上説明したように、外導体20を構成する三つの側面導体21にDGS22を設けることで、除去周波数帯が三つ(マルチバンド)になる。すなわち、BEF100の大きさを変更することなく、三つの除去周波数帯を有するBEF100が構成できる。
<実施例4>
図8は、第1の実施の形態が適用されるBEF100のさらに他の一例(実施例4)の概要を説明する図である。図8(a)は、内導体10の軸方向における断面斜視図、図8(b)は、内導体10の軸方向と直交する面での断面図、図8(c)は、内導体10の軸方向における側面斜視図である。
実施例1では、3個のDGS22が、外導体20を構成する一側面(側面導体21A)に設けられていた。実施例2では、3個のDGS22が、外導体20を構成する二側面(側面導体21A、21B)にそれぞれ設けられていた。実施例3では、3個のDGS22が、外導体20を構成する三側面(側面導体21A、21B、21C)にそれぞれ設けられていた。
実施例4は、さらに他の3個のDGS22が、外導体20を構成するさらに他の側面(側面導体21D)にも設けられている。
すなわち、実施例4では、3個のDGS22が、外導体20を構成する四側面(側面導体21A、21B、21C、21D)にそれぞれ設けられている。
なお、側面導体21Dに設けられるDGS22は、側面導体21Cに設けられたDGS22より、内導体10の軸方向の長さ(W1)(図2(a)参照)を例えば33mmとさらに短く構成している。よって、形状の異なるDGS22が、内導体10を取り巻く方向に配置されていることになる。
なお、外導体20の側面導体21A、21B、21C、21Dにそれぞれ設けられた3個のDGS22が減衰部の一例である。
他の構成は、側面導体21A、21B、21Cに設けられたDGS22と同様であるので、説明を省略する。
図9は、実施例4のBEF100の通過特性(S21)を示す図であり、入力信号に対する出力信号の減衰量を示す図である。横軸は、周波数(MHz)、縦軸は、減衰量(dB)である。
図9に示すように、実施例4のBEF100では、1500MHz、1660MHz近傍、1900MHz近傍及び2200MHz近傍に減衰量が大きい周波数帯(除去周波数帯)が見られる。1500MHz近傍の減衰極が、側面導体21Aに設けられたDGS22によるもの、1660MHz近傍の減衰極が、側面導体21Dに設けられたDGS22によるもの、1900MHz近傍の減衰極が、側面導体21Bに設けられたDGS22によるもの、そして、2200MHz近傍の減衰極が、側面導体21Cに設けられたDGS22によるものである。
そして、これらの周波数帯のそれぞれには、3個の減衰極(減衰量が大きい部分)が見られる。これらの減衰極は、側面導体21の3個のDGS22に対応する。
すなわち、四つの側面導体21に設けられたDGS22は、別々に(独立して)除去周波数帯を形成する。
以上説明したように、外導体20を構成する側面導体21の四側面にDGS22を設けることで、除去周波数帯が四つ(マルチバンド)になる。
すなわち、BEF100の大きさを変更することなく、四つの除去周波数帯を有するBEF100が構成できる。
<実施例5>
実施例4では、側面導体21A、21B、21C、21D毎に内導体10の軸方向の長さ(W1)(図2(a)参照)が異なるDGS22を配置した。実施例5では、側面導体21A、21B、21C、21Dの内導体10の軸方向の長さ(W1)を同じに設定している。
図10は、実施例5のBEF100の通過特性(S21)を示す図であり、入力信号に対する出力信号の減衰量を示す図である。横軸は、周波数(MHz)、縦軸は、減衰量(dB)である。
なお、実施例5のBEF100において、側面導体21A、21B、21C、21Dの内導体10の軸方向の長さ(W1)(図2(a)参照)を例えば48mmで構成している。
そして、図10には、比較のために、実施例4のBEF100における通過特性(S21)を合わせて示している。
図10に示すように、実施例5のBEF100では、減衰極の数は一つになるが、内導体10の軸方向の長さ(W1)が異なるDGS22を配置した実施例4の場合に比べて大きな減衰量を得ることができる。
なお、実施例1〜実施例5のBEF100では、外導体20の断面形状は、正方形としたが、他の四角形であってもよい。また、外導体20の断面形状は、三角形や五角形以上の多角形としてもよい。上記したように、側面毎にDGS22を設けることで、側面の数に応じた数の除去周波数帯が得られる。
以上においては、外導体20の一側面に設けられるDGS22の数を3としたが、3未満であってもよく、3を超えてもよい。DGS22の数に応じた減衰極が得られる。
(フィルタ装置)
次に、第1の実施の形態が適用されるBEF100を用いたフィルタ装置を説明する。
図11は、BEF100を用いたフィルタ装置の構成を説明する図である。図11(a)は、BEF100の前にフィルタ200を設けたフィルタ装置、図11(b)は、BEF100の後にフィルタ200を設けたフィルタ装置、図11(c)は、フィルタ200の前後にBEF100、110を設けたフィルタ装置である。
ここで、フィルタ200とは、低域通過フィルタ(LPF)、帯域通過フィルタ(BPF)、高域通過フィルタ(HPF)などである。
また、BEF110は、BEF100とは異なる特性(帯域除去特性)を備える帯域除去フィルタ(BEF)である。
BEF100、110が第1のフィルタの一例であり、フィルタ200が第2のフィルタの一例である。
LPF、BPF、HPF、BEFなどのフィルタ200では、例えば通過域と遮断域(減衰域)との境界特性を急峻にするなどの特性の改善のため、フィルタ200を構成する共振器の数、すなわち段数を増やすことが行われる。しかし、段数を増やすと、急峻な減衰量が得られるが、一般的に信号のロス(通過損失)が増加してしまう。よって、フィルタ200の段数は少ないほど好ましい。
これに対して、フィルタ200とBEF100とを組み合わせたフィルタ装置とすれば、フィルタ200の段数を増やしたフィルタ装置に比べ、小型化できるとともに、ロスが低減される。
なお、BEF100とフィルタ200とは、BEF100の信号入力部2又は信号出力部3に接続された同軸ケーブルを介して接続されてもよく、BEF100の信号入力部2又は信号出力部3を介することなく、直接接続されるように構成されてもよい。
また、前述したようにBEF100ならびにBEF110は例えば第1の実施の形態が適用されるDGS22を用いた帯域除去フィルタであるが、フィルタ200に含まれるBEFはDGS22を用いた帯域除去フィルタでもよいし、従来の手法を用いた帯域除去フィルタでもよい。
以下に、BEF100とフィルタ200とを直列接続したフィルタ装置の例を説明する。
図12は、BEF100を用いたフィルタ装置の通過特性(S21)を説明する図であり、入力信号に対する出力信号の減衰量を示す図である。図12(a)は、BPFとして機能するフィルタ200の減衰量を示す図、図12(b)は、BEF100の減衰量を示す図、図12(c)は、BPFとして機能するフィルタ200とBEF100とを直列接続したフィルタ装置の減衰量を示す図である。横軸は、周波数(MHz)、縦軸は、減衰量(dB)である。
ここでは、BPFとして機能するフィルタ200において減衰量が十分に得られない周波数帯の減衰量を、直列に接続したBEF100により大きくして、遮断域を広げている。
図11(a)に示すように、フィルタ200は、470MHz近傍の信号を通過させるBPFである。しかし、1425MHz近傍及び1690MHz近傍において、高次モードが発生し、減衰量が十分に得られない周波数帯域が現れる。
一方、図12(b)に示すBEF100は、1450MHz近傍及び1720MHzに除去周波数帯を有している。
そこで、フィルタ200とBEF100とを直列接続することで、図12(c)に示すように、1425MHz近傍及び1690MHz近傍における減衰量を−50dB以下にしている。これにより、図12(a)に示したフィルタ200の−50dB以下の遮断域を、465〜1400MHzから465〜1980MHzに広げている。
前述したように、除去周波数帯は、DGS22の形状及びその寸法により設定できるので、減衰量が十分に得られない周波数帯の減衰量を大きくするBEF100を製造することができる。
図13は、BEF100を用いた他のフィルタ装置の通過特性(S21)を説明する図であり、入力信号に対する出力信号の減衰量を示す図である。図13(a)は、BPFとして機能するフィルタ200の減衰量示す図、図13(b)は、BEF100の減衰量を示す図、図13(c)は、BPFとして機能するフィルタ200とBEF100とを接続したフィルタ装置の減衰量を示す図である。横軸は、周波数(MHz)、縦軸は、減衰量(dB)である。
ここでは、BPFとして機能するフィルタ200の遮断域の減衰量を、直列に接続したBEF100により大きくする。
図13(a)に示すように、フィルタ200は、2360〜2370MHzの信号を通過させるBPFである。しかし、2360MHzより低い周波数帯及び2370MHzより高い周波数帯の減衰量が十分でない。
一方、図13(b)に示すBEF100は、2349MHz以下及び2384MHz以上の周波数帯で、減衰量が大きい。
そこで、フィルタ200とBEF100とを直列接続することで、図13(c)に示すように、2349MHz以下及び2384MHz以上の周波数帯での、減衰量を大きくしている。
以上では、BPFとして機能するフィルタ200をBEF100と組み合わせたが、BPF以外のLPF、HPF又はBEFと組み合わせてもよい。
(DGS22の開口の形状)
第1の実施の形態では、DGS22は、コ字状の開口221、222を備えていた。
しかし、DGS22の開口の形状は、コ字以外であってもよい。
図14は、DGS22の開口の他の形状の例を示す図である。図14(a)は、二つのらせん状に形成された開口223、図14(b)は、二つの三角形が接続されたダンベル型の開口224、図14(c)は、二つのI字が接続された開口225、図14(d)は、二つのC字が互いに背中合わせになるように接続された開口226、図14(e)は、二つのC字が上下に接続された開口227、図14(f)は、蛇行した開口228を示している。
図14では、三つのDGS22の開口のみを表記している。
BEF100に求められる除去周波数帯の中心周波数、帯域幅などに合わせて、DGS22に設ける開口の形状及びその寸法を選択すればよい。なお、前述したように、DGS22の数は、3に限らない。
[第2の実施の形態]
第1の実施の形態では、外導体20の内側の断面形状は、正方形とした。
第2の実施の形態では、外導体20の内側の断面形状は、円形である。
図15は、第2の実施の形態が適用されるBEF100の一例の概要を説明する、内導体10の軸方向における断面斜視図である。
外導体20の内側の断面形状は、直径が例えば20mmの円形である。ここでは、外導体20の外側の断面形状は、正方形である。なお、外導体20の内側の断面形状は、楕円であってもよい。また、外導体20の外側の断面形状は、正方形以外の多角形であってもよく、円または楕円であってもよい。
そして、外導体20には、第1の実施の形態と同様に、DGS22が設けられている。ここでは、3個のDGS22は、内導体10の軸方向に一列設けられている。なお、第1の実施の形態が適用される実施例2から実施例4と同様に、DGS22が、内導体10の軸方向に複数列設けられてもよい。
他の構成は、第1の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
図16は、第2の実施の形態が適用されるBEF100の通過特性(S21)を示す図であり、入力信号に対する出力信号の減衰量を示す図である。横軸は、周波数(MHz)、縦軸は、減衰量(dB)である。
図16に示すように、第2の実施の形態が適用されるBEF100では、2720MHz近傍に減衰量が大きい周波数帯(除去周波数帯)が見られる。これは、外導体20に設けられたDGS22によるものである。
以上説明したように、BEF100は、外導体20の内側の断面形状を替えても、除去周波数帯を有している。
[第3の実施の形態]
第1の実施の形態が適用されるBEF100及び第2の実施の形態が適用されるBEF100では、除去周波数帯は、外導体20に設けられたDGS22の形状及びその寸法で設定されるため、DGS22の形状及びその寸法が決められると、一意に除去周波数帯が設定され、ずらすことができない。
しかし、BEF100が製造されたのちに除去周波数帯がずらせられれば、BEF100の除去周波数帯を、組み合わせるフィルタ200の特性に合わせて設定することができる。よって、求められる多数の除去周波数帯毎に複数のBEF100を用意する(製造する)ことを要しない。
図17は、第3の実施の形態が適用されるBEF100の一例の概要を説明する図である。図17(a)は、内導体10の軸方向における断面斜視図、図17(b)は、図17(c)のXVIIB−XVIIB線を含む、内導体10の軸方向と直交する面での断面図、図17(c)は、内導体10の軸方向における断面図である。
第3の実施の形態が適用されるBEF100では、外導体20の側面導体21Cに設けられた3個のDGS22毎に調整ねじ25が設けられている。調整ねじ25は、遮蔽板23に設けられた雌ねじに差し込まれている。そして、調整ねじ25の先端部は、空隙24内において、DGS22に対向している。
そして、調整ねじ25を遮蔽板23の表面から空隙24内に差し込む深さZを調整することで、除去周波数帯がずれる(シフトする)(調整できる)ように構成されている(図17(c)参照。)。
調整ねじ25は、調整部の一例である。
図18は、第3の実施の形態が適用されるBEF100において、調整ねじ25の差し込む深さZに対する通過特性(S21)を示す図であり、入力信号に対する出力信号の減衰量を示す図である。横軸は、周波数(MHz)、縦軸は、減衰量(dB)である。
調整ねじ25の遮蔽板23から空隙24内に差し込む深さZが大きくなると、除去周波数帯の中心周波数が低い周波数側にずれる。
例えば、除去周波数帯の中心周波数は、差し込む深さZが3mmでは1500MHz、差し込む深さZが7mmでは1400MHz、そして、差し込む深さZが8mmでは1200MHzである。
このように、外導体20に設けたDGS22に対して調整ねじ25を設け、外導体20の外側から調整ねじ25の差し込む深さZを調整することで、除去周波数帯をずらす(シフトさせる)(調整する)ことができる。すなわち、BEF100が製造された後に、予め定められた仕様に適合させるために、調整ねじ25の差し込む深さZを調整してもよく、BEF100が設置された後に、フィルタ200の特性に合わせて、調整ねじ25の差し込む深さZを調整してもよい。また、経時変化によるBEF100又はフィルタ200の特性のずれを修正するために、BEF100の調整ねじ25の差し込む深さZを調整してもよい。
なお、図17に示すBEF100では、調整ねじ25が外導体20に設けた複数のDGS22毎に設けられているが、複数のDGS22における一部のDGS22に対して設けられていてもよい。
そして、除去周波数帯をずらすことができるものであれば、除去周波数帯の調整は、調整ねじ25でなくともよい。
以上において、第1の実施の形態から第3の実施の形態のBEF100(110)を説明した。
従来、マイクロストリップラインなどに対して、予め定められた間隔を設けて1/4波長のスタブを配置したBEFは、使用する周波数が小さいほど大きくなった。また、複数の除去周波数帯を設ける(マルチバンド化)ためには、複数のBEFを直列に接続することが必要であった。
一方、第1の実施の形態から第3の実施の形態のBEF100(110)では、内導体10を取り巻くように設けられた外導体20に、DGS22を設けている。このため、使用する周波数によって、内導体10と外導体20との間の距離を変えることが必要である。よって、BEF100は、内導体10の軸方向と直交する方向に大きくなるが、内導体10の軸方向に対しては大きくすることを要しない。このため、従来のBEFに比べて、大きさが小さくできる。すなわち、BEFなどが小型になる。
また、内導体10を取り巻く方向に、複数列のDGS22を設けることで、複数の除去周波数帯を得ることができる。よって、複数の除去周波数帯が必要な場合であっても、複数のBEF100を直列に接続することを要せず、BEF100が大きくなることがない。
その他、本発明の趣旨に反しない限りにおいて様々な変形を行っても構わない。
1…帯域除去部、2…信号入力部、3…信号出力部、10…内導体、20…外導体、21、21A、21B、21C、21D…側面導体、22…DGS、23…遮蔽板、24…空隙、25…調整ねじ、30、40…端面導体、100、110…帯域除去フィルタ(BEF)、221、222、223、224、225、226、227、228…開口、BPS…帯域通過フィルタ、HPF…高域通過フィルタ、LPF…低域通過フィルタ

Claims (7)

  1. 信号が伝搬する棒状の内導体と、
    前記内導体を取り巻くように設けられ、入力した信号に対して予め定められた周波数帯を減衰させて出力させる減衰部を有する外導体と
    を備えるフィルタ。
  2. 前記外導体が有する前記減衰部は、導体が予め定められた形状に切り抜かれた切り抜き構造体で構成されていることを特徴とする請求項1に記載のフィルタ。
  3. 前記外導体が有する前記減衰部は、前記切り抜き構造体を複数備え、当該切り抜き構造体が、前記内導体を取り巻く方向に配置されていることを特徴とする請求項2に記載のフィルタ。
  4. 前記外導体は、前記内導体の軸方向と直交する方向の断面形状が多角形であって、当該外導体を構成する少なくとも2以上の面に、前記切り抜き構造体が配置されていることを特徴とする請求項3に記載のフィルタ。
  5. 前記外導体が有する前記減衰部の外側に、導体で構成された遮蔽部をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のフィルタ。
  6. 前記外導体は、当該外導体が有する前記減衰部が減衰させる周波数帯を調整する調整部をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のフィルタ。
  7. 信号が伝搬する棒状の内導体と、当該内導体を取り囲むように設けられ、入力した信号に対して、予め定められた周波数帯を減衰させて出力する減衰部を有する外導体と、を備える第1のフィルタと、
    前記第1のフィルタに接続され、予め定められた他の周波数帯の信号を通過させるように構成された第2のフィルタと
    を備えるフィルタ装置。
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