JP2007184868A - 誘電体導波管フィルタ - Google Patents

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浩行 久保
Hidekazu Kobayashi
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Abstract

【課題】誘電体ブロック内で互いに隣接する共振器間を仕切る短絡導体による同軸共振器モードの影響を回避して導波管モードによる適正なフィルタ特性を得る誘電体導波管フィルタを構成する。
【解決手段】直方体形状の誘電体ブロック11の外面に導電体膜10を形成し、誘電体ブロック11内に短絡導体12a,12bを配置するための結合調整用孔26a,26bを形成し、その内部に空気層13a,13bを介して短絡導体12a,12bを配置する。この空気層13によって導波管モード(TM基本モード)の周波数を変化させることなく、スプリアスモードである1/2波長同軸共振器モードの周波数を高域側へシフトさせる。
【選択図】図2

Description

この発明はたとえば移動体通信網の基地局等で用いられる高電力用の高周波フィルタに関するものである。
共振器を誘電体ブロック内に構成した誘電体導波管フィルタは、小型でありながら高い無負荷Qが得やすいという特徴が生かされて、比較的高電力用の高周波フィルタとして用いられている。このような誘電体導波管フィルタは例えば特許文献1に開示されている。
図1は特許文献1に示されている誘電体導波管フィルタの平面図である。この誘電体導波管フィルタは、その誘電体基板1の表面に表面導体2、裏面に裏面導体3がそれぞれ形成されていて、表面導体2と裏面導体3とを接続する複数のビアホール4を信号伝送方向に2列形成されている。各々のビアホールの間隔aは管内波長の1/2以下であり、このフィルタは、ビアホール間隔bと誘電体基板1の厚みを導波管断面とする擬似導波管として作用する。この擬似導波管内にはさらにビアホール5のペアが形成されていて、共振長をL1,L2,L3とする3つの共振器が構成されている。
特開2002−26611号公報
図1に示した誘電体導波管フィルタにおいては、互いに隣接する共振器の境界部分に配置されるビアホール5の間隔cを適切に選ぶことによって、共振周波数以外の信号が反射するとともに共振周波数の信号が通過してフィルタ特性が得られる。
しかしこのように両端短絡のビアホールは1/2波長の同軸共振器モード(TEMモード)の共振器としても作用するため、その同軸共振器モードの共振周波数が本来の導波管モード(TM基本モード)を用いたフィルタでは不要モード(スプリアス)となる。そのため、フィルタの通過特性または減衰特性が悪化するという問題があった。
誘電体ブロック内に複数の共振領域を構成するためには図1に示したビアホール5のような短絡導体を設けることは必須であり、上記スプリアスの問題は避けられなかった。
そこで、この発明の目的は、誘電体ブロック内で互いに隣接する共振器間を仕切る短絡導体による同軸共振器モードの影響を回避して導波管モードによる適正なフィルタ特性を得るようにした誘電体導波管フィルタを提供することにある。
上記課題を解決するためにこの発明は次のように構成する。
直方体形状の誘電体ブロックの外面に導電体膜を形成した誘電体導波管フィルタにおいて、前記誘電体ブロック内に、当該誘電体ブロックの互いに対向する2つの外面に形成された導電体膜の所定位置間で導波管モードの電界を短絡する短絡導体を設けて、前記誘電体ブロックに前記短絡導体によって仕切られた領域にそれぞれ共振器を構成するとともに、前記短絡導体の周囲と当該短絡導体を配置するために前記誘電体ブロックに設けた結合調整用孔の内面との間に前記誘電体ブロックの誘電率より低誘電率の誘電体層を設ける。
前記誘電体層は例えば空気層とする。
また前記誘電体層は例えば前記短絡導体を囲む絶縁体とする。
また前記短絡導体は、誘電体ブロックの外面に形成した導電体膜とは別体の例えば金属柱とする。
また、前記短絡導体は誘電体ブロックを仕切る位置に複数配置してもよく、それら複数の短絡導体のそれぞれの周囲に低誘電率の誘電体層を設ける。
また、複数の短絡導体の周囲に連続した低誘電率の誘電体層を設けてもよい。
また、前記短絡導体によって仕切られる位置に誘電体ブロック内への挿入量を可変にした結合調整用導体を設けて、結合量を調整できるようにしてもよい。
この発明によれば、次のような効果を奏する。
誘電体ブロックを仕切る短絡導体の周囲に誘電体ブロックの誘電率より低誘電率の誘電体層を設けたことにより、導波管モード(TM基本モード)の共振周波数を変えることなく、短絡導体が中心導体として作用する両端短絡1/2波長同軸共振器モード(TEMモード)の共振周波数が高域側へシフトする。そのため、このスプリアスモードの影響を回避し且つ本来の導波管モードを利用した適正なフィルタ特性(通過特性・減衰特性)が得られる。
前記短絡導体周囲の低誘電率の誘電体を空気層とすれば短絡導体周囲の誘電率が最も効果的に低くなるのでスプリアスモードの周波数を高域側に大きくシフトさせることができスプリアスモードの抑制効果が高まる。
短絡導体の周囲と誘電体ブロックの結合調整用孔内面との間に低誘電率の絶縁体を介在させることによって、誘電体ブロックに対する短絡導体の位置決めが容易となり、絶縁体の誘電率を適宜選択することによってスプリアスモードの周波数を所望の周波数に設定可能となる。
前記短絡導体を金属柱で構成すれば金属棒の切断または金属板の打ち抜きによって所定形状の短絡導体を容易に得ることができ、短絡導体を導電体膜で構成する場合に比べて製造が容易となる。
誘電体ブロックを仕切る位置に複数の短絡導体を配置してそれら複数の短絡導体のそれぞれの周囲に低誘電率の誘電体層を設けることによって、誘電体ブロックに設ける貫通孔の容積(削除量を)を低減でき、誘電体ブロックの機械的強度が確保できる。
複数の短絡導体の周囲に連続して低誘電率の誘電体層を設けることによって、短絡導体周囲の誘電率を効果的に低減でき、スプリアスモードの周波数をより高域にシフトできる。また、短絡導体により仕切られた互いに隣接する2つの共振器間の結合度が、誘電体削除量が多くなることにより小さくなって狭帯域特性が得られる。さらに、連続した低誘電率の誘電体層内で任意の位置に短絡導体を配置できるので、互いに隣接する共振器間の結合度の設定が容易となる。
短絡導体によって仕切られる位置に誘電体ブロック内への挿入量を可変にした結合調整用導体を設けることによって、スプリアスモードを抑圧するとともに互いに、隣接する共振器間の結合度の調整が可能となる。
第1の実施形態に係る誘電体導波管フィルタについて図2〜図5を基に説明する。
図2はこの第1の実施形態に係る誘電体導波管フィルタの組み立て途中の斜視図である。誘電体ブロック11は直方体形状(六面体形状または角板状)をなし、誘電体セラミックの焼結体で構成している。この誘電体ブロック11の外面(六面)には導電体膜10を形成している。この誘電体ブロック11の厚み方向(図における互いに対向する2つの主面に垂直な方向)に貫通する2つの円筒形状の結合調整用孔26a,26bを形成している。この結合調整用孔26a,26bの内部に円柱形状の金属棒からなる短絡導体12a,12bを配置している。2つの金属シート14,15は結合調整用孔26a,26bの上下の開口面を覆うとともに短絡導体12a,12bの端面と誘電体ブロック表面の導電体膜10とにそれぞれ電気的に導通する。この図2では2つの金属シート14,15を取り付ける前の状態を示している。
金属シート14,15は誘電体ブロック11の互いに対向する2つの主面に形成した導電体膜10から延長された導電体膜として作用し、短絡導体12a,12bの両端が誘電体ブロック11内で、互いに対向する導電体膜の所定位置間を短絡する。この短絡導体12a,12bによって誘電体ブロック11が2つの領域に仕切られることになる。それぞれの領域が導波管モードの共振器として作用する。また、短絡導体12a,12b同士の間隔および誘電体ブロック11の両側面に設けた導電体膜10と短絡導体12a,12bとの間には導電体が連続していないので(導電体の開口部が形成されているので)、上記2つの共振器間が結合することになる。
図3の(A)は図2に示した誘電体導波管フィルタの、誘電体ブロック11の長手方向に沿って且つ短絡導体12aを通る面での断面図である。また図3(B)はその比較例としての断面図である。
このように誘電体ブロック11に設けた結合調整用孔26aの内面と短絡導体12aの外周面との間には空気層13aを介在させている。図中の矢印は短絡導体12aを中心導体とする1/2波長同軸共振器モードの電界の向きを示している。このように短絡導体12aと誘電体ブロック11の外面の導電体膜10および誘電体ブロック11によって1/2波長同軸共振器が構成されるが、短絡導体12aの外周に空気層13aが介在しているので、上記1/2波長同軸共振器モードに対しての実効的な誘電率が低い。そのため、1/2波長同軸共振器モードの共振周波数は高域にシフトすることになる。仮に図3(B)に示すように、例えば誘電体ブロック11内に貫通孔を設け、その内面に導電体膜を形成すること等によって誘電体ブロック11内に短絡導体12を配置すれば、1/2波長同軸共振器モードの共振周波数は導波管モードの共振周波数に近接してしまう。
このスプリアスモードの高域シフトの効果について図4・図5を参照して説明する。
図4はシミュレーションに用いた誘電体導波管フィルタの各部の寸法および誘電率を示す図である。ここで、短絡導体12a,12bの周囲には誘電体層13a′,13b′を設けている。図5は上記誘電体層13a′、13b′の比誘電率を変化させたときの2つの共振器の共振周波数およびスプリアスモードの周波数の変化を示す図である。誘電体層13a′,13b′の比誘電率を52とした時、すなわち実質的には空気層がなく誘電体ブロックの誘電体で充填されている状態の時、導波管モードの周波数f1,f2とスプリアスモード(1/2波長同軸共振器モード)の周波数fsupはいずれも約2GHzとなって、スプリアスモードの影響によりフィルタ特性が悪化することが予想される。
誘電体層13a′,13b′の比誘電率を52から低下させていくと、導波管モードの2つの共振器の周波数f1,f2は変化しないが、スプリアスモードの周波数fsupは上昇する。しかも比誘電率が低くなるに従いスプリアスモードの周波数fsupは急激に上昇する。誘電体層13a′,13b′の比誘電率が1すなわち実際に空気であるとき、スプリアスモードの周波数は約5GHzとなって共振器の周波数f1,f2から高域側に大きくシフトすることになる。
図4・図5に示した例は、W−CDMA用のRX帯域1920MHz〜1980MHzを想定した場合の例である。このW−CDMA用のTX帯域は2110〜2170MHzであるため、上記誘電体層13a′,13b′の比誘電率が30以上であると、スプリアスモードの周波数がTX帯域に重なるので上記誘電体層13a′,13b′の比誘電率は30未満であることが望ましい。
次に、第2の実施形態に係る誘電体導波管フィルタについて図6を基に説明する。
第1の実施形態では誘電体導波管フィルタの基本構成を示すために外部との接続のための入出力部を表さなかったが、この第2の実施形態でその具体例を示す。
図6の(A)は誘電体導波管フィルタの正面図、(B)はその底面図である。直方体形状の誘電体ブロック11の外面(六面)のほぼ全面に導電体膜10を形成している。誘電体ブロック11内には、空気層13a,13bを介して短絡導体12a,12bを配置している。この構成は第1の実施形態で図2に示したものと同様である。但し図6では短絡導体12a,12bの存在を明らかにするために、下面の金属シート15に相当する金属シートを取り付ける前の状態を示している。
誘電体ブロック11の長手方向の両端付近には短絡導体12a,12bを配置するために設けた貫通孔と平行な方向に外部結合用導体孔16,17を形成している。この外部結合用導体孔の内面には外部結合用の導体膜を形成していて、上端を誘電体ブロック11の外面に形成した導電体膜10に導通させている。誘電体ブロック11の下面には導電体膜10から分離した中心電極18,19を形成していて、それらの端部に上記外部結合用導体の端部を電気的に接続している。
誘電体ブロック11の長手方向の両端面には同軸コネクタ20,21の外導体を取り付けていて、この同軸コネクタの外導体を誘電体ブロック11外面の導電体膜10に電気的に導通させている。また、同軸コネクタ20,21の中心導体22,23を上記中心電極18,19に接続している。
この構造により、外部結合用導体孔16,17と中心電極18,19および誘電体ブロック11外面の導電体膜10とによって結合ループが構成され、この結合ループが導波管モードの2つの共振器と磁界結合する。このようにして同軸コネクタ20,21を入出力部とする、2段の共振器が結合した帯域通過特性を示すフィルタとして用いることができる。
なお、図6に示した例では、外部結合用導体孔16,17を誘電体ブロック11の厚み方向に貫通するように設けたが、これを誘電体ブロック11の途中までの穴として設け、誘電体ブロック11の両端面に同軸コネクタ20,21の中心導体を差し込む穴を形成し、同軸コネクタ20,21の中心導体を差し込んだ状態でそれらの先端部を外部結合用導体孔内部に電気的に接続するようにしてもよい。
次に、第3の実施形態に係る誘電体導波管フィルタの構成を、図7を基に説明する。
図7の(A)は誘電体導波管フィルタの組み立て前の分解斜視図、(B)はそれを組み立てた状態での(A)における右端側から見た側面図である。
誘電体ブロック31には、その厚み方向に貫通する断面矩形の結合調整用孔33a,33bを形成している。この2つの結合調整用孔33a,33bの内部には金属箔からなる短絡導体32a,32bを、空気層を介して配置する。金属シート34,35には上記短絡導体32a,32bの上下端を挿入して電気的に導通を図るためのスリット36a,36bを形成している。
金属シート34,35は誘電体ブロック31の外面に形成した導電体膜30に接合する。
図7(B)に示すように、短絡導体32a,32bはその上下端が金属シート34,35を介して誘電体ブロック内に配置される。
短絡導体32a,32bと金属シート34,35との接続は半田付けにより行い、金属シート34,35の導電体膜30への接合も半田付け等によって行う。
このように短絡導体は板状または箔状の導体で構成してもよい。
次に、第4の実施形態に係る誘電体導波管フィルタについて図8を基に説明する。
図8のその誘電体導波管フィルタの分解斜視図である。第1〜第3の実施形態ではいずれも短絡導体の周囲に空気層を形成した例を示したが、この第4の実施形態では、短絡導体の周囲に空気以外の低誘電率の誘電体層を設ける。
誘電体ブロック41には結合調整用孔43a,43bを形成している。この結合調整用孔43a,43bの内部には円筒形状の樹脂成形体からなる絶縁体スペーサ47a,47bをはめ込み、この絶縁体スペーサ47a,47bの内部に円柱状の短絡導体(金属丸棒)42a,42bを挿入する。
結合調整用孔43a,43bの上下の開口面には金属シート44,45を覆い、短絡導体42a,42bの上下端を金属シート44,45に電気的に導通させる。
上記絶縁体スペーサ47a,47bはPTFEからなり、その比誘電率は2.2であって、誘電体ブロック41の比誘電率52より充分に低い。
上記金属シート44,45は誘電体ブロック41の外面に形成した導電体膜40に対して半田付け等により電気的に接合するが、その際、金属シート44,45は短絡導体42a,42bの両端を挟み込むように保持して、短絡導体42a,42bとも電気的に同時に接続する。
このように短絡導体42a,42bを金属柱で構成したことにより、金属棒の切断または金属板の打ち抜きによって所定形状の短絡導体を容易に得ることができ、短絡導体を導電体膜で構成する場合に比べて製造が容易となる。
また短絡導体42a,42bを囲むように樹脂成形体からなる絶縁体47a,47bで囲んだことにより、短絡導体42a,42bの誘電体ブロック41内への位置決めが正確となり、製造上のばらつきによる特性の変動を抑えることかできる。
以上に示した第1〜第4の実施形態では誘電体ブロック11を仕切る位置に短絡導体12a,12bを複数配置するとともに、それぞれの周囲に低誘電率の誘電体層を設けたことにより、誘電体ブロックに設ける貫通孔の容積(削除量を)を低減でき、誘電体ブロックの機械的強度が確保できる。
次に、第5の実施形態に係る誘電体導波管フィルタについて図9を基に説明する。
第1の実施形態と異なり、誘電体ブロック51に単一の結合調整用孔53を形成していて、その内部に2つの短絡導体52a,52bを配置する。すなわち、2つの短絡導体52a,52bの両端を金属シート54,55に接合するとともに、この金属シート54,54を誘電体ブロック51の外面に形成した導電体膜50に接合することによって、短絡導体52a,52bを誘電体ブロック51内の所定位置に配置する。
このように誘電体ブロック51を仕切る複数の短絡導体52a,52bを配置するとともにそれら複数の短絡導体の周囲に連続した低誘電率の誘電体層を設けることによって、短絡導体周囲の誘電率を効果的に低減でき、スプリアスモードの周波数をより高域にシフトできる。また、短絡導体で仕切られた互いに隣接する2つの共振器間の誘電体削除量が多くなる(誘電体充填度が小さくなる)ことにより、両共振器間の結合度が小さくなって狭帯域特性が得られる。さらに、連続した低誘電率の誘電体層内で任意の位置に短絡導体を配置できるので、互いに隣接する共振器間の結合度の設定が容易となる。
このような構造は、スプリアスモードの周波数をより高域にシフトさせるとともに2つの共振器の基本モードの結合係数をたとえば2%以下に小さくする場合に適している。
次に、第6の実施形態に係る誘電体導波管フィルタについて図10を基に説明する。
誘電体ブロック61には結合調整用孔63を形成していて、図9に示した場合と同様にその内部に短絡導体62を配置する。但し、図9に示した構造と異なり、この例では結合調整用導体66を上部の金属板64に取り付けている。短絡導体62は上部の金属板64と下部の金属板65とで挟み込むことによって両端を誘電体ブロック61に形成した導電体膜60と導通させるが、結合調整用導体66は上部の金属板64に支持されて結合調整用孔63内への挿入量を可変としている。具体的には結合調整用導体66の外周面に雄ねじを切っておき、金属板64に設けた雌ねじとの螺合によってその挿入量を可変とする。
このように結合調整用導体を短絡導体とともに設けて、互いに隣接する2つの共振器間の結合度を可変としてもよい。
次に、第7の実施形態に係る誘電体導波管フィルタについて図11を基に説明する。
誘電体ブロック71には結合調整用孔73を形成していて、その内部に短絡導体72a,72bを配置する。上部の金属板74には結合調整用導体76を取り付けている。図10に示したものと同様に、短絡導体72a,72bは上部の金属板74と下部の金属板75とで挟み込むことによって両端を誘電体ブロック71に形成した導電体膜70と導通させるが、結合調整用導体76は上部の金属板74に支持されて結合調整用孔73内への挿入量を可変としている。
このように複数の短絡導体による結合窓部分に結合調整用導体を設けることによって、互いに隣接する2つの共振器間の結合度を広範囲に亘って調整可能にしてもよい。
なお、以上に示した各実施形態では、直方体形状の誘電体ブロックを用いたが、この「直方体形状」は、六面体形状の角部を面取りした形状を含むものであって、そのような形状の誘電体ブロックを用いた場合でも同様の作用効果を奏する。
また、以上に示した各実施形態では、結合調整用孔の内面と短絡導体の全周囲との間に空気層(低誘電率の誘電体層)が存在する例を示したが、この空気層(低誘電率の誘電体層)は、結合調整用孔の内面と短絡導体の一部の周囲との間に存在していてもよい。すなわち、短絡導体の一部が結合調整用孔の内面の一部に接触するように構成してもよい。
特許文献1に示されている従来の誘電体導波管フィルタの構成を示す図である。 第1の実施形態に係る誘電体導波管フィルタの斜視図である。 短絡導体周囲の構造を示す断面図である。 短絡導体周囲の低誘電率誘電体層の効果を検証するためのシミュレーションで用いた誘電体導波管フィルタの構成を示す図である。 同シミュレーションの結果を示す図である。 第2の実施形態に係る、入出力部を備えた誘電体導波管フィルタの構成を示す図である。 第3の実施形態に係る誘電体導波管フィルタの構成を示す図である。 第4の実施形態に係る誘電体導波管フィルタの斜視図である。 第5の実施形態に係る誘電体導波管フィルタの斜視図である。 第6の実施形態に係る誘電体導波管フィルタの斜視図である。 第7の実施形態に係る誘電体導波管フィルタの斜視図である。
符号の説明
10,30,40,50,60,70−導電体膜
11,31,41,51,61,71−誘電体ブロック
12,32,42,52,62,72−短絡導体
13−空気層
14,15,34,35,44,45,54,55,74,75−金属シート
16,17−外部結合用導体孔
18,19−中心電極
20,21−同軸コネクタ
22,23−中心導体
26,33,43,53,63,73−結合調整用孔
64,65−金属板
36−スリット
47−絶縁体スペーサ
66,76−結合調整用導体

Claims (7)

  1. 直方体形状の誘電体ブロックの外面に導電体膜を形成した誘電体導波管フィルタにおいて、
    前記誘電体ブロック内に、当該誘電体ブロックの互いに対向する2つの外面に形成された導電体膜の所定位置間で導波管モードの電界を短絡する短絡導体を設けて、前記誘電体ブロックに前記短絡導体によって仕切られた領域にそれぞれ共振器を構成するとともに、前記短絡導体の周囲と当該短絡導体を配置するために前記誘電体ブロックに設けた結合調整用孔の内面との間に前記誘電体ブロックの誘電率より低誘電率の誘電体層を設けた誘電体導波管フィルタ。
  2. 前記誘電体層は空気層である請求項1に記載の誘電体導波管フィルタ。
  3. 前記誘電体層は前記短絡導体を囲む絶縁体である請求項1に記載の誘電体導波管フィルタ。
  4. 前記短絡導体は前記誘電体ブロックの外面に形成した導電体膜とは別体の金属柱である請求項1〜3のうちいずれか1項に記載の誘電体導波管フィルタ。
  5. 前記短絡導体は前記誘電体ブロックを仕切る位置に複数配置していて、それら複数の短絡導体のそれぞれの周囲に前記低誘電率の誘電体層を設けた請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の誘電体導波管フィルタ。
  6. 前記短絡導体は前記誘電体ブロックを仕切る位置に複数配置していて、それら複数の短絡導体の周囲に連続した前記低誘電率の誘電体層を設けた請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の誘電体導波管フィルタ。
  7. 前記短絡導体によって仕切られる位置に前記誘電体ブロック内への挿入量を可変にした結合調整用導体を設けた請求項1〜6のうちいずれか1項に記載の誘電体導波管フィルタ。
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