JP2007300171A - 帯域通過フィルタ - Google Patents

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Yasutsugu Nakajima
泰継 中島
Shinpei Nandate
新平 南舘
Shoji Ishizaki
庄治 石崎
Kazuaki Yoshida
和明 吉田
Masatoyo Nishibe
匡豊 西部
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Abstract

【課題】従来の帯域通過フィルタと比較して、挿入損失の増加及び大型化を防止しつつ性能が向上した帯域通過フィルタを提供する。
【解決手段】少なくとも3つ以上の空洞が形成された導電性を有する導電性筺体2と、導電性筺体2に設けられる入力端子3及び出力端子4と、空洞内壁51乃至54から離隔してそれぞれ導電性筺体2の内部に配置される少なくとも3つ以上の半同軸共振素子21乃至24と、半同軸共振素子21乃至24同士が入力端子3と出力端子4との間でひと続きに結合するように内壁に形成された第1の結合窓55乃至57と、結合がひと続きでない半同軸共振素子21、24同士がさらに結合するように内壁に形成された第2の結合窓58と、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、半同軸共振器を用いた帯域通過フィルタに関する。
従来より、衛星通信、業務用電話のバックアップ回線等においては、MHz帯〜GHz帯の通信信号を効率よく受信するために、不要信号除去用として帯域通過フィルタが用いられ、このようなMHz帯〜GHz帯の高周波領域における好適なフィルタとして誘電体共振器を内部に備えた誘電体フィルタが知られている。
このような、帯域通過フィルタとして誘電体フィルタを用いる場合、誘電体の製造に起因してコストが上昇する。加えて、誘電体共振器の個々の特性(比誘電率、温度係数、無負荷Q)のばらつきを考慮して設計しなければならない。これらの点を考慮すると、半同軸共振器は、汎用の工作機械によって良好な加工精度が得られる部品により構成することができるため、それを用いた帯域通過フィルタが望ましい。
そして、従来、図11に示すように、半同軸共振器を用いた帯域通過フィルタが存在する(例えば、特許文献1参照)。
この帯域通過フィルタは、フィルタケース101と、フィルタケース101の長手方向の両端板に取り付けられた入出力コネクタ102、103と、両入出力コネクタ102、103間を結ぶ方向に所定間隔で配置されるとともにフィルタケース101の長手方向に直交する一方の内壁101aに固定された複数の半同軸共振素子104、105、106と、各半同軸共振素子104、105、106の先端にそれぞれ対応させてフィルタケース101の内壁101bに螺入された周波数調整ネジ107、108、109と、隣接する半同軸共振素子104、105、106間の電界結合箇所の一部を遮蔽するようフィルタケース101の内壁101bに配置され、フィルタの周波数特性の傾きを調整する周波数特性傾き調整部材117、118と、を備え、図12に示すように、通過特性114と郡遅延特性115はともに中心周波数に対して対称に等しい周波数特性を得ている。
従来の帯域通過フィルタは、周波数調整ネジ107、108、109を用いて半同軸共振素子104、105、106の共振周波数を外部から調整するとともに、周波数特性傾き調整部材117、118を用いて半同軸共振素子104、105、106間の結合度を外部から調整していた。
そして、このような帯域通過フィルタにおいては、図12に示す通過特性114の減衰特性の急峻さが要求される場合、半同軸共振素子の無負荷Qを上げることや段数を増やすことで、この要求に対応し、フィルタの性能を向上させるのが一般的であった。
特開2005−311862号公報(第1図)
しかしながら、従来の帯域通過フィルタは、その性能を向上させるために半同軸共振素子の無負荷Qを上げた場合、大型化してしまうという問題があった。
一方、従来の帯域通過フィルタは、その性能を向上させるために段数を増やした場合、大型化してしまうばかりか挿入損失が増加するという問題があった。
本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、従来の帯域通過フィルタと比較して、挿入損失の増加及び大型化を防止しつつ性能が向上した帯域通過フィルタを提供することを目的とする。
本発明に係る帯域通過フィルタは、少なくとも3つ以上の空洞が形成された導電性を有する導電性筺体と、前記導電性筺体に設けられる入力端子及び出力端子と、前記空洞の内壁から離隔してそれぞれ前記導電性筺体の内部に配置される少なくとも3つ以上の半同軸共振素子と、前記半同軸共振素子同士が入力端子と出力端子との間でひと続きに結合するように前記内壁に形成された第1の結合窓と、前記結合がひと続きでない前記半同軸共振素子同士がさらに結合するように前記内壁に形成された第2の結合窓と、を備えるよう構成されている。
この構成により、第2の結合窓を用いて飛び越し結合による伝送零点を作ることができるため、段数を増やすことなく、無負荷Qを上昇させることなく急峻な減衰特性を実現することができる。このため、従来の帯域通過フィルタと比較して、挿入損失の増加及び大型化を防止しつつ性能を向上させることができる。
また、本発明に係る帯域通過フィルタは、前記結合窓の一部を遮断するように前記導電性筺体内部に挿入される挿入棒と、前記挿入棒の一端に設けられ、前記挿入棒の回転に伴なって前記半同軸共振素子間の結合度を調整する結合度調整部材と、を備えるよう構成されている。
この構成により、挿入棒の回転に伴なって結合度調整部材も回転するため、半同軸共振素子間の電界又は磁界に影響を与えることができ、結合度の調整を容易に行うことができる。
また、本発明に係る帯域通過フィルタは、前記結合度調整部材は、ループ状の導電性部材によって構成されている。
この構成により、従来帯域通過フィルタと比較して、半同軸共振素子間の結合度の調整幅を大きくすることができる。
また、本発明に係る帯域通過フィルタは、前記挿入棒及び前記結合度調整部材の挿入深さが可変であるよう構成されている。
この構成により、半同軸共振素子間の結合度の調整幅をさらに大きくすることができる。
また、本発明に係る帯域通過フィルタは、前記半同軸共振素子の共振周波数を調整する周波数調整棒を備えていてもよい。
本発明は、従来の帯域通過フィルタと比較して、挿入損失の増加及び大型化を防止しつつ性能が向上した帯域通過フィルタを提供することができる。
以下、本発明に係る実施の形態について、図1から図10を参照しながら説明する。
なお、図4、5中に示すE及びHは、半同軸共振器に励振された電磁波によって生じた電界及び磁界の向きを示している。実施の形態における帯域通過フィルタの構成は例示であって、これに限定されない。特に、本発明に係る帯域通過フィルタは、3段以上の半同軸共振器によって構成されていればよく、何段でも構わない。
(第1の実施の形態)
図1乃至図5に示すように、帯域通過フィルタ1は、導電性部材によって構成された導電性筺体2と、導電性筺体2に設けられる入力端子3及び出力端子4と、導電性筺体の内部に設けられた複数の半同軸共振素子21乃至24と、半同軸共振素子21乃至24間の結合度を調整する複数の結合度調整手段31乃至34と、半同軸共振素子21乃至24の共振周波数をそれぞれ調整する複数の周波数調整手段41乃至44とを備えている。
導電性筺体2は、電磁波を伝搬するようになっており、容器部2aと容器部2aの開放端に設けられる蓋部2bとから構成されている。
容器部2aは、複数の円筒形状の空洞をそれぞれ形成する複数の空洞内壁51乃至54を有している。
第1乃至第4の半同軸共振素子21乃至24は、筒状に形成され、空洞内壁51乃至54から離隔してそれぞれ導電性筺体2の内部に配置されている。本実施の形態においては、容器部2aに第1乃至第4の半同軸共振素子21乃至24が取り付けられる構成になっているが、各々が一体に形成されていてもよい。第1乃至第4の半同軸共振素子21乃至24及び空洞内壁51乃至54は、第1乃至第4の半同軸共振器を構成している。
空洞内壁51乃至54の空洞は、所定の半径及び深さを有するよう形成されている。帯域通過フィルタの挿入損失が所定の基準値よりも劣化することがない範囲において、複数の半同軸共振素子21乃至24の空洞の半径を最小にする場合には、導電性筐体2の体積及び重量をより一層低減できるので好ましい。
第1乃至第4の半同軸共振素子21乃至24及び空洞内壁51乃至54は、導電性筐体2内に2個づつ2列に並ぶよう配置される。この配置の場合には、導電性筐体2の体積がコンパクトになるとともに、入力端子3及び出力端子4を導電性筐体2の同一の側面に設置できるので好ましい。
導電性筐体2には、第1及び第2の半同軸共振素子21、22が互いに電磁気的に結合されるよう、結合窓55(第1の結合窓)が形成されている。同様に、第2及び第3の半同軸共振素子22、23の間、第3及び第4の半同軸共振素子23、24の間の導電性筐体2にも、結合窓56、57(第1の結合窓)がそれぞれ形成されている。隣り合う半同軸共振素子間の結合度は、結合窓55乃至57の大きさによって調節されるようになっている。ここで、第1の結合窓とは、半同軸共振素子同士が入力端子と出力端子との間でひと続きに電界結合又は磁界結合するように内壁に形成された窓をいう。すなわち、第1の結合窓とは、互いに前後の段を構成する一組の半同軸共振素子間で電界結合又は磁界結合するよう内壁に形成された窓をいう。なお、本実施の形態における帯域通過フィルタは、半同軸共振素子と周波数調整手段との間の近傍では電界が強く、半同軸共振器が容器部と接している近傍では磁界が強くなっている。
導電性筐体2には、第1及び第4の半同軸共振素子21、24が互いに電磁気的に結合されるよう、結合窓58(第2の結合窓)が形成されている。ここで、第2の結合窓とは、電界結合又は磁界結合がひと続きでない半同軸共振素子同士がさらに電界結合又は磁界結合するように内壁に形成された窓をいう。すなわち、第2の結合窓とは、互いに前後の段を構成しない一組の半同軸共振素子間で電界結合又は磁界結合するよう内壁に形成された窓をいう。
入力端子3及び出力端子4は、導電性筺体2の一端側に設けられ、外部の回路に接続されて回路からの電磁波を第1の半同軸共振素子21に入力し、第4の半同軸共振素子24から出力するようになっている。入力端子3は、図示しない内部導体及び外部導体を有しており、内部導体及び外部導体は電気的に接続されている。出力端子4も入力端子3と同様に構成されている。入力端子3及び出力端子4には、フィルタの入出力方法としてループ結合が用いられており、内部導体に接続されたループ状のプローブ3a、4aが設けられている。フィルタの入出力方法としては、これに限らず、入力端子3及び出力端子4の内部導体に接続された図示しないプローブを半同軸共振素子21、24に直付けし、図示しないプローブが、半同軸共振素子に対するタップとして機能するようにしてよい。
ここで、入力端子3及び出力端子4のプローブ3a、4aが、第1及び第4の半同軸共振素子21、24に近すぎる場合には、第1及び第4の半同軸共振素子21、24に励振された電磁波の分布がプローブ3a、4aによって影響を受けるため、第1及び第4の半同軸共振素子21、24の無負荷Qが低下し、その結果フィルタの伝送損失が増大する。一方、入力端子3及び出力端子4のプローブ3a、4aが、第1及び第4の半同軸共振素子21、24から離れすぎる場合には、第1及び第4の半同軸共振素子21、24に入出力する電磁波が不十分となる。したがって、第1及び第4の半同軸共振素子21、24とプローブ3a、4aとの間隔は、前述のことを考慮して決定される。
周波数調整手段41乃至44は、半同軸共振素子21乃至24に対応して設けられ、半同軸共振素子21乃至24の共振周波数をそれぞれ調整するようになっている。周波数調整手段41乃至44は、蓋部2bに設けられた孔41a乃至44aと、導電性媒体によって構成された周波数調整棒41b乃至44bと、図示しない固定部によって構成されている。孔41a乃至44aには、図示しない雌ネジが形成され、周波数調整棒41b乃至44bには、雄ネジが形成されている。固定部はナット等の固定部材を用いることができる。周波数調整手段41乃至44は、ネジ送り機構であり、周波数調整棒41b乃至44bは、孔41a乃至44aを介して導電性筺体2に挿入可能となっている。そして、周波数調整棒41b乃至44bを導電性筺体2に挿入する挿入深さによって半同軸共振素子21乃至24の共振周波数を自在に変更できるようになっている。なお、周波数調整棒41b乃至44bの挿入深さは、導電性筺体2の外部に突出した部分を回転させて調整する。周波数調整手段41乃至44は、電磁波の磁界方向に対して垂直方向に可動するようになっており、後述する結合度調整手段と平行に可動するようになっている。
結合度調整手段31乃至34は、第1の結合度調整手段31乃至33と第2の結合度調整手段34とから構成されている。
第1の結合度調整手段31乃至33は、導電性筺体2の蓋部2bに形成された孔31a乃至33aと、ロッド部31b乃至33bと、ロッド部31b乃至33bを固定する図示しない固定部とによって構成されている。孔31a乃至33aには、雌ネジが形成され、ロッド部31b乃至33bには雄ネジが形成されている。固定部は、ナット等の固定部材を用いることができる。よって、第1の結合度調整手段31乃至33は、ネジ送り機構であり、ロッド部31b乃至33bは、導電性筺体2の内部で第1の結合窓を形成する空間(電界結合箇所)に挿入可能になっている。これにより、ロッド部31b乃至33bを導電性筺体2内に挿入した際に、その挿入深さによって半同軸共振素子21乃至24間の結合度kを自在に変化させることができる。なお、ロッド部31b乃至33bの挿入深さは、導電性筺体2の外部に突出した部分を回転させて調整する。
第2の結合度調整手段34は、導電性筺体2の蓋部2bに形成された孔34aと、第2の結合窓の一部を遮断するように導電性筺体2の内部に挿入されるロッド部34b(挿入棒)と、ロッド部34bの一端に半田等により固定され、ロッド部34bの回転に伴なって半同軸共振素子21及び24間の結合度を調整する結合度調整部材34cと、ロッド部34bを固定する図示しない固定部と、によって構成されている。孔34aには、雌ネジが形成され、ロッド部34bには雄ネジが形成されている。固定部は、ナット等の固定部材を用いることができる。よって、第2の結合度調整手段34は、ネジ送り機構であり、ロッド部34bは、導電性筺体2の内部に挿入可能になっており、結合度調整部材34cは、第2の結合窓を構成する空間(電界結合箇所)に挿入可能になっている。これにより、結合度調整部材34cを導電性筺体2内に挿入した際に、その回転角度によって半同軸共振素子21と半同軸共振素子24と結合度kを自在に変化させることができる。なお、結合度調整部材34cの回転角度及び挿入深さは、導電性筺体2の外部に突出したロッド部34bを回転させて調整する。結合度調整部材34cは、ループ状であって略長方形の導体によって構成されている。また、ロッド部34b及び結合度調整部材34cは、導体によって構成され、線膨張係数の小さい材料を用いることで帯域通過フィルタの温度特性を抑えることもできる。
なお、第2の結合度調整手段34は、所望の結合度を得ることができれば、第1の結合度調整手段31乃至33に代えて結合窓55乃至57(第1の結合窓)に用いてもよい。また、結合度調整部材34cは、その大きさや寸法に規定はなく、ループ状でなくても先端が開放されたコの字型のプローブであっても構わない。すなわち、半同軸共振素子間の電界結合又は磁界結合を可能にする構成であればよい。
次に、このように構成されている帯域通過フィルタ1の組み立て方法及び調整方法について説明する。
まず、帯域通過フィルタ1の組み立て方法について説明する。
導電性部材を用意し、容器部2aに空洞及び結合窓55乃至58を形成するとともに、半同軸共振素子21乃至24を取り付ける。
次いで、容器部2aの一側面に入力端子3及び出力端子4を取り付ける。
そして、入力端子3及び出力端子4の内部導体にプローブを取り付ける。
次いで、容器部2aの上方から、結合度調整手段31乃至34及び周波数調整手段41
乃至44が取り付けられた蓋部2bを被せ、帯域通過フィルタ1を完成させる。なお、蓋部2bと容器部2aとを固着する方法は、ネジ止め、導電性接着剤による接着等、帯域通過フィルタ1の内部を伝搬する信号が外部に漏れないような方法であればよい。
なお、前記組立方法はこの方法に限定されず、種々選択可能であることは当然である。
次に、このようにして組み立てられた帯域通過フィルタ1の通過帯域に対する中心周波数の調整方法の一例について説明する。
まず、入力端子3と出力端子4とを、例えばネットワーク・アナライザに接続する。
そして、前記ネットワーク・アナライザの画面上に表示された周波数特性を観測しながら、周波数調整手段41乃至44をドライバー等を用い、周波数調整棒を帯域通過フィルタ1に挿入する挿入深さを調整する。挿入深さを調整することによって、帯域通過フィルタ1が通過帯域に対して所望の中心周波数をもつフィルタとなるように調整する。
次に、結合度kの調整方法の一例について説明する。
まず、始めに前記中心周波数の調整方法と同様に、入力端子3と出力端子4とを、例えばネットワーク・アナライザに接続する。
次いで、前記ネットワーク・アナライザの画面上に表示された周波数特性を観測しながら、第1の結合度調整手段31乃至33のロッド部をドライバー等を用い、挿入深さを調節する。一方、第2の結合度調整手段34のロッド部をドライバー等を用い、結合度調整部材34cの回転角度及び挿入深さを調整する。挿入深さ及び回転角度を調整することによって、各半同軸共振素子間の結合度を調整して帯域通過フィルタ1が所望の周波数特性を有するように微調整する。
次に、上述のように構成された帯域通過フィルタ1のシミュレーション結果について説明する。
図6は、本発明の実施の形態に係る帯域通過フィルタ周波数特性図である。
図6に示すように、本実施の形態に係る4段の帯域通過フィルタ1においては、隣り合わない共振器間を結合させる飛び越し結合を用いることによって、通過帯域を基準に高い領域及び低い領域に伝送零点(減衰極)を作り減衰量を確保できる。このため、フィルタの性能を向上させることができる。なお、本実施の形態に係る4段の帯域通過フィルタに限らず、偶数段の帯域通過フィルタは、同様に通過帯域を基準に高い領域及び低い領域に伝送零点(減衰極)を作り減衰量を確保できる。
以上説明したように、第2の結合窓を用いて飛び越し結合させることによって伝送零点を作ることができるため、段数を増やすことなく、無負荷Qを上昇させることなく急峻な減衰特性を実現することができる。このため、従来の帯域通過フィルタと比較して、挿入損失の増加及び大型化を防止しつつ性能を向上させることができる。
また、本実施の形態に係る帯域通過フィルタは、第2の結合窓の一部を遮断するように導電性筺体の内部に挿入される挿入棒と、挿入棒の一端に設けられ、挿入棒の回転に伴なって半同軸共振素子間の結合度を調整する結合度調整部材と、を備えているため、挿入棒の回転に伴なって結合度調整部材も回転することによって、半同軸共振素子間の電界に影響を与えることができ、結合度の調整を容易に行うことができる。
また、本実施の形態に係る帯域通過フィルタは、結合度調整部材が、ループ状の導電性部材によって構成されているため、従来帯域通過フィルタと比較して、半同軸共振素子間の結合度の調整幅を大きくすることができる。
また、本実施の形態に係る帯域通過フィルタは、結合度調整部材が、略長方形の導電性部材によって構成されているため、半同軸共振素子間の結合度の調整幅をさらに大きくすることができる。
上述した第1の実施の形態における帯域通過フィルタは、4段で構成されているが以下に説明する第2の実施の形態の帯域通過フィルタのように5段で構成してもよい。以下の説明においては第2の実施の形態の帯域通過フィルタの特徴点についてのみ説明する。
(第2の実施の形態)
第2の実施の形態の帯域通過フィルタ61は、図7に示すように、導電性筺体62の容器部が5段で形成され、第1及び第2の結合窓は、半同軸共振素子間が電界結合するように形成されている。
帯域通過フィルタ61は、導電性部材によって構成された導電性筺体2と、導電性筺体2に設けられる入力端子3及び出力端子4と、導電性筺体の内部に設けられた複数の半同軸共振素子65乃至69と、半同軸共振素子65乃至69間の結合度を調整する図示しない複数の結合度調整手段と、半同軸共振素子65乃至69の共振周波数をそれぞれ調整する図示しない複数の周波数調整手段とを備えている。
第1乃至第5の半同軸共振素子65乃至69は、筒状に形成され、空洞内壁76乃至80から離隔してそれぞれ導電性筺体62の内部に配置されている。第1乃至第5の半同軸共振素子65乃至69及び空洞内壁76乃至80は、第1乃至第5の半同軸共振器を構成している。
導電性筐体62には、第1及び第2の半同軸共振素子65、66が互いに電磁気的に結合されるよう、結合窓71(第1の結合窓)が形成されている。同様に、第2及び第3の半同軸共振素子66、67の間、第3及び第4の半同軸共振素子67、68の間、第4及び第5の半同軸共振素子68、69の間の導電性筐体2にも、結合窓72乃至74(第1の結合窓)がそれぞれ形成されている。隣り合う半同軸共振素子間の結合度は、結合窓71乃至74の大きさによって調節されるようになっている。ここで、第1の結合窓とは、半同軸共振素子同士が入力端子と出力端子との間でひと続きに電界結合又は磁界結合するように内壁に形成された窓をいう。すなわち、第1の結合窓とは、互いに前後の段を構成する一組の半同軸共振素子間で電界結合又は磁界結合するよう内壁に形成された窓をいう。
導電性筐体2には、第2及び第4の半同軸共振素子66、68が互いに電磁気的に結合されるよう、結合窓75(第2の結合窓)が形成されている。ここで、第2の結合窓とは、電界結合又は磁界結合がひと続きでない半同軸共振素子同士がさらに電界結合又は磁界結合するように内壁に形成された窓をいう。すなわち、第2の結合窓とは、互いに前後の段を構成しない一組の半同軸共振素子間で電界結合又は磁界結合するよう内壁に形成された窓をいう。したがって、第2の結合窓には、第1及び第5の半同軸共振素子65、69が互いに電磁気的に結合させる結合窓が含まれ、本実施の形態においては導電性筺体2に形成されていないが第1及び第5の半同軸共振素子65、69が互いに電磁気的に結合させるように結合窓が形成されていてもよい。
図8は、本発明の実施の形態に係る5段の帯域通過フィルタを構成する半同軸共振器において、電界結合を用いた場合の周波数特性図である。
図8に示すように、隣り合わない共振器間を結合させる飛び越し結合を用いることによって、低い領域に伝送零点を確保した所望の周波数特性を有する帯域通過フィルタを得ることができる。なお、本実施の形態に係る5段の帯域通過フィルタに限らず、奇数段の帯域通過フィルタの第2の結合窓において電界結合を用いた場合、同様に通過帯域を基準に低い領域に伝送零点(減衰極)を作り減衰量を確保できる。
また、第2の実施の形態の帯域通過フィルタ61は、図9に示すように、導電性筺体62だけでなく導電性筺体82を有する帯域通過フィルタ81であってもよい。
帯域通過フィルタ81は、導電性筺体82の容器部82aが5段で形成され、結合窓71乃至74(第1の結合窓)は、半同軸共振素子間が電界結合するように形成され、結合窓83(第2の結合窓)は、半同軸共振素子間で磁界結合するよう形成されている。
容器部82aは、容器部62aの結合窓75に代えて結合窓83(第2の結合窓)が設けられている。半同軸共振素子が導電性筺体82に接している側では磁界が強いので、半同軸共振器同士を結合させる際に、磁界結合を用いる。このように、第2の結合窓において磁界結合を用いるか電界結合を用いるかにより通過帯域を基準に低い側又は高い側に伝送零点を作ることができる。図示は省略するが結合窓83には、第1の実施の形態と同様に結合度調整部材が挿入され、その回転角度及び挿入深さを挿入棒を用いて調整することで磁界の結合度を調整するようになっている。この場合、図示しない第2の蓋部をさらに容器部82aの下方から取り付けて挿入棒が下方に突出するようになっている。そして、周波数調整手段は、第1の実施の形態と同様に帯域通過フィルタの上方に突出するのは当然である。
図10は、本発明の実施の形態に係る5段の帯域通過フィルタを構成する半同軸共振器において、その一部に磁界結合を用いた場合の周波数特性図である。
図10に示すように、隣り合わない共振器間を結合させる飛び越し結合を用いることによって、高い領域に伝送零点を確保した所望の周波数特性を有する帯域通過フィルタを得ることができる。なお、本実施の形態に係る5段の帯域通過フィルタに限らず、奇数段の帯域通過フィルタの第2の結合窓において磁界結合を用いた場合、同様に通過帯域を基準に高い領域に伝送零点(減衰極)を作り減衰量を確保できる。
以上説明したように、本実施の形態に係る帯域通過フィルタ61は、奇数段の帯域通過フィルタの第2の結合窓において電界結合を用いた場合、第1の実施の形態に係る作用効果に加えて、通過帯域を基準に低い領域に伝送零点(減衰極)を作り減衰量を確保できる。このため、フィルタの性能を向上させることができる。
また、本実施の形態に係る帯域通過フィルタ81は、奇数段の帯域通過フィルタの第2の結合窓において磁界結合を用いた場合、第1の実施の形態に係る作用効果に加えて、通過帯域を基準に高い領域に伝送零点(減衰極)を作り減衰量を確保できる。このため、フィルタの性能を向上させることができる。
以上のように、本発明に係る帯域通過フィルタは、従来の帯域通過フィルタと比較して、挿入損失の増加及び大型化を防止しつつ性能を向上させることができるという効果を有し、半同軸共振器を用いた帯域通過フィルタ等として有用である。
本発明の第1の実施の形態に係る帯域通過フィルタの外観斜視図である。 本発明の第1の実施の形態に係る帯域通過フィルタの上面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る帯域通過フィルタを構成する容器部の外観斜視図である。 図2に示す帯域通過フィルタのIV−IV断面図である。 図2に示す帯域通過フィルタのV−V断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る帯域通過フィルタの周波数特性図である。 本発明の第2の実施の形態に係る帯域通過フィルタにおいて電界結合を用いた場合の容器部の外観斜視図である。 本発明の第2の実施の形態に係る帯域通過フィルタにおいて電界結合を用いた場合の周波数特性図である。 本発明の第2の実施の形態に係る帯域通過フィルタにおいて磁界結合を用いた場合の容器部の外観斜視図である。 本発明の第2の実施の形態に係る帯域通過フィルタにおいて磁界結合を用いた場合の周波数特性図である。 従来の帯域通過フィルタの縦断面図である。 従来の帯域通過フィルタの周波数特性図である。
符号の説明
1、61、81 帯域通過フィルタ
2 導電性筺体
3 入力端子
4 出力端子
21乃至24 半同軸共振素子
31乃至34 結合度調整手段
34b ロッド部(挿入棒)
34c 結合度調整部材
41乃至44 周波数調整手段
51乃至54 空洞内壁
55乃至57 結合窓(第1の結合窓)
58 結合窓(第2の結合窓)
65乃至69 半同軸共振素子
76乃至80 空洞内壁
71乃至74 結合窓(第1の結合窓)
83 結合窓(第2の結合窓)

Claims (5)

  1. 少なくとも3つ以上の空洞が形成された導電性を有する導電性筺体と、
    前記導電性筺体に設けられる入力端子及び出力端子と、
    前記空洞の内壁から離隔してそれぞれ前記導電性筺体の内部に配置される少なくとも3つ以上の半同軸共振素子と、
    前記半同軸共振素子同士が入力端子と出力端子との間でひと続きに結合するように前記内壁に形成された第1の結合窓と、
    前記結合がひと続きでない前記半同軸共振素子同士がさらに結合するように前記内壁に形成された第2の結合窓と、を備えたことを特徴とする帯域通過フィルタ。
  2. 前記結合窓の一部を遮断するように前記導電性筺体内部に挿入される挿入棒と、前記挿入棒の一端に設けられ、前記挿入棒の回転に伴なって前記半同軸共振素子間の結合度を調整する結合度調整部材と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の帯域通過フィルタ。
  3. 前記結合度調整部材は、ループ状の導電性部材によって構成されていることを特徴とする請求項2に記載の帯域通過フィルタ。
  4. 前記挿入棒及び前記結合度調整部材の挿入深さが可変であることを特徴とする請求項2又は3に記載の帯域通過フィルタ。
  5. 前記半同軸共振素子の共振周波数を調整する周波数調整棒を備えたことを特徴とする請求項1乃至4に記載の帯域通過フィルタ。
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