JP2004072730A - 誘電体フィルタ、通信機器、共振周波数を制御する方法 - Google Patents

誘電体フィルタ、通信機器、共振周波数を制御する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】通過帯域の高域側減衰量が十分にとれる低スプリアス特性の誘電体フィルタを提供することができなかった。
【解決手段】上部に開口を有する金属製のケース101と、前記開口を閉鎖するための金属製のフタ103と、前記ケース101の内部の底面に支持台104を介して設置された誘電体共振素子105と、フタ103の誘電体共振素子105に対応する位置に挿通される、誘電体材料から作製されたボルト106と、誘電体共振素子105の上面に実質上平行状態でボルト106の端部に設置された金属製のプレート107と、を備える誘電体フィルタであって、ボルト106の位置が調整されることにより誘電体共振素子105とプレート107との間隔が変化され、それによりその共振周波数が制御される誘電体フィルタである。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、携帯電話などの移動体通信基地局や、放送電波送信局などに使用される誘電体フィルタおよび、それを用いた通信機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話システムでは、高感度の送受信性能や、良好な通話品質が必須となっており、基地局のフィルタには信号成分を殆ど劣化させない低損失な通過特性および、不要な妨害波成分を確実に除去できる急峻な減衰特性が要求されている。このような要求を満たすフィルタとしては、Q値の高い誘電体共振器を用いた誘電体フィルタが挙げられる(例えば、非特許文献1参照。)。
【0003】
以下に図面を参照しながら、従来の誘電体フィルタの一例について説明する。図13はTE01δ共振モード誘電体共振器を4段接続した誘電体フィルタ1000である(TE01δ共振モードは、基本共振モードを示す。)。この誘電体フィルタ1000は、シールド筐体を形成する金属製のケース1001と金属製の仕切り板1002と金属製のふた1003によって4つのキャビティ(空間)が形成され、それぞれのキャビティのほぼ中央に位置するように、支持台1004を介して誘電体共振素子1005a〜dがケース1001の底面にそれぞれ接着されている。支持台1004は、アルミナ等の高周波損失が少ない誘電体材料で形成されている。
【0004】
仕切り板1002とケース1001の側面との間には、仕切り板1002がケース1001から間隔を空けられて形成された結合窓1010が設けられている。そして結合窓1010を介して連続して繋がるキャビティの両端には、入出力端子1007a、1007bが取り付けられており、入出力端子1007a、1007bの内導体には誘電体共振素子1005a、1005dと電磁界結合するための入出力プローブ1008a、1008bがそれぞれ設けられている。誘電体共振素子1005a〜1005d間は結合窓1010を介して電磁界結合する。この結合の大きさは結合窓1010の大きさに委ねられ、また各仕切り板1002の結合窓に対して伸長する結合調整ネジ1009を仕切り板1002に近づけたり遠ざけたりすることによりこの結合の大きさが微調整される。またふた1003には誘電体共振素子1005a〜1005dの位置に対応して、共振周波数を調整するための、金属製のボルト1006と金属製のプレート1007で構成されたチューニング手段1012が設けられている。
【0005】
入出力端子1007aから信号が入力されると、入出力プローブ1008aと誘電体共振素子1005aがまず電磁界結合する。そして、誘電体共振素子1005aと隣接するキャビティに配置された誘電体共振素子1005bとが結合窓1010を介して電磁界結合し、誘電体共振素子1005bと誘電体共振素子1005c、誘電体共振素子1005cと誘電体共振素子1005d、誘電体共振素子1005dと入出力プローブ1008bとがそれぞれ電磁界結合し、入出力端子1007bから信号が出力される。このそれぞれの電磁界結合の強さを調整することにより、および各チューニング手段1012のプレート1007と誘電体共振素子1005a〜1005dの上面との間隔を調整することにより各誘電体共振素子1005a〜dの共振周波数が制御され、誘電体フィルタ1000の所望のバンドパスフィルタの特性が実現される。
【0006】
図16は従来の単体のTE01δ共振モード誘電体フィルタ1100の斜視図である。構造は4段フィルタと同様に金属製のケース1101と金属製のふた1102によってキャビティが形成され、キャビティ内のほぼ中央に位置するように、支持台1103を介して誘電体共振素子1104がケース1101に接着されている。誘電体共振素子1104の共振周波数はチューニング手段1012により調整される。入出力端子1106aから信号が入力されると、入出力プローブ1107aと誘電体共振素子1104と電磁界結合する。そして、誘電体共振素子1104と入出力プローブ1107bとが電磁界結合し、入出力端子1106bから信号が出力される。
【0007】
【非特許文献1】
ジェームスケイプロード(James K. Plourde)著、マイクロ波要素における誘電体共振器の応用(Application of Dielectric Resonators in Microwave Components)、「IEEEトランザクションズオンマイクロウェーブセオリーアンドテクニークス(IEEE  TRANSACTION ON MICROWAVE THEORY AND TECHNIQUES )」, IEEE, 1981年8月vol. MTT−29, No.8, p.754−p.769
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記のような構成では、フィルタの通過帯域の高域側に所望の共振モード(TE01δ共振モード)以外の不要な共振モード(スプリアス)が発生し、不要な信号を通過させてしまうという問題点を有していた。
【0009】
特にチューニング手段1012の挿入によるスプリアスがTE01δ共振モード近傍に現れる。例えば、図17に、単体共振フィルタ1100(図16)において、チューニング手段1012を下げてケース1101内に挿入していったときの、TE01δ共振モードの共振周波数とスプリアスの共振周波数の変化を示す。
【0010】
図16に示す単体共振フィルタ1100は、金属製ケース1101、金属製ふた1102、入出力端子1106a、1106b、入出力プローブ1107a、1107b、誘電体共振素子1104、支持台1103、チューニング手段1012から構成される。
【0011】
図17からわかるように、従来の誘電体フィルタ1000においては、特にチューニング手段1012を挿入してプレート1007を誘電体共振素子1104に近接させると(すなわちボルト1006の挿入長を大きくすると)、スプリアスがTE01δ共振モードの共振周波数と近接または重なってしまい、所望のフィルタ特性を実現できないという問題を有していた。
【0012】
また、従来の誘電体フィルタ1000においては、仕切り板1002とケース1001の側壁との間隔が空けられて形成された結合窓1010では、隣接する誘電体共振素子どうし間の電磁的結合においてスプリアスを充分に遮蔽できない、という問題もあった。
【0013】
また、結合窓1010に結合調整ネジ1009が挿入されていくと、やはり誘電体共振素子間の電磁的結合においてスプリアスの影響を受ける、という問題もあった。
【0014】
本発明は上記問題点に鑑み、通過帯域の高域側減衰量が十分にとれる低スプリアス特性の誘電体フィルタを提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための、第1の本発明は、上部に開口を有する金属製のケースと、
前記開口を閉鎖するための金属製のフタと、
前記ケースの内部の底面に支持台を介して設置された誘電体共振素子と、
前記フタにおける前記誘電体共振素子に対応する位置に挿通される、誘電体材料から作製された挿通手段と、
前記誘電体共振素子の上面に実質上平行状態で前記挿通手段の端部に設置された金属製のプレートと、を備える誘電体フィルタであって、
前記挿通手段の位置が調整されることにより前記誘電体共振素子と前記プレートとの間隔が変化され、それによりその共振周波数が制御される誘電体フィルタである。
【0016】
第2の本発明は、前記挿通手段と前記プレートは誘電体材料から作製されたネジを使用して固定される、第1の本発明の誘電体フィルタである。
【0017】
第3の本発明は、前記ネジは、前記プレート上に設置されたネジ突起である、第2の本発明の誘電体フィルタである。
【0018】
第4の本発明は、前記プレートは前記挿通手段に接着されることにより固定される、第1の本発明の誘電体フィルタである。
【0019】
第5の本発明は、金属製のケースと、
前記ケースの内部を複数の空間に仕切るための少なくとも一つの金属製の隔壁と、
前記仕切られた複数の空間のそれぞれの底面に支持台を介して設置された誘電体共振素子と、を備える誘電体フィルタであって、
隣接する空間を仕切る前記隔壁のうちの少なくとも一つには前記ケースの側面に面する部分以外の部分に切り欠が設けられて前記隣接する空間を結合するための結合窓が形成される、誘電体フィルタである。
【0020】
第6の本発明は、前記誘電体共振素子の上方に配置された金属製のプレートをさらに備え、
前記切り欠は、前記隔壁のうち前記支持台が設置されている側に設けられている、第5の本発明の誘電体フィルタである。
【0021】
第7の本発明は、前記隣接する誘電体共振素子どうし間の結合強度を調整するための金属製の結合調整部材が前記結合窓に前記側面から挿通され、前記結合調整部材が前記側面と絶縁されている、第5の本発明の誘電体フィルタである。
【0022】
第8の本発明は、前記結合窓は矩形形状である、第5の本発明の誘電体フィルタである。
【0023】
第9の本発明は、上部に開口を有する金属製のケースと、
前記開口を閉鎖するための金属製のフタと、
前記ケースの内部を複数の空間に仕切るための少なくとも一つの金属製の隔壁と、
前記仕切られた複数の空間のそれぞれの底面に支持台を介して設置された誘電体共振素子と、を備える誘電体フィルタであって、
隣接する空間を仕切る前記隔壁のうちの少なくとも一つには、前記ケースの側面と前記隔壁の少なくとも一部とが間隔を空けることにより形成された、切り欠が形成され、
前記ケースの側面において前記切り欠に対応する位置に、前記隣接する誘電体共振素子どうし間の結合強度を調整するための金属製の結合調整部材が挿通され、前記結合調整部材が前記側面と絶縁されている、誘電体フィルタである。
【0024】
第10の本発明は、前記金属性ケースの上部であって前記誘電体共振素子に対応する位置に挿通される、誘電体材料から作製された挿通手段と、
前記誘電体共振素子の上面に実質的に平行状態で前記挿通手段の端部に設置された金属製のプレートと、をさらに備え、
前記挿通手段を調整することにより前記誘電体共振素子と前記プレートとの間隔を変化させることによりその共振周波数が制御される、第5の本発明の誘電体フィルタである。
【0025】
第11の本発明は、金属製のケースと、
前記ケースの内部の底面に支持台を介して設置された誘電体共振素子と、
前記金属製ケースの上部であって前記誘電体共振素子に対応する位置に挿通される挿通手段と、
前記誘電体共振素子の上面に実質上平行状態で前記挿通手段の端部に設置された金属製のプレートと、
前記挿通手段が挿通されている前記金属性ケースの面と前記プレートとの間に、前記挿通手段に通された金属製のリング状物とを備える、誘電体フィルタである。
【0026】
第12の本発明は、前記誘電体材料は、その比誘電率が10以下である、第1の本発明の誘電体フィルタである。
【0027】
第13の本発明は、送信装置および受信装置を備えた通信機器であって、
第1、5、9、および11のいずれかの本発明の誘電体フィルタが前記送信装置および受信装置の少なくともいずれか一方に具備された通信機器である。
【0028】
第14の本発明は、上部に開口を有する金属製のケースと、
前記開口を閉鎖するための金属製のフタと、
前記ケースの内部の底面に支持台を介して設置された誘電体共振素子と、
前記フタにおける前記誘電体共振素子に対応する位置に挿通される、誘電体材料から作製された挿通手段と、
前記誘電体共振素子の上面に実質上平行状態で前記挿通手段の端部に設置された金属製のプレートと、を備える誘電体フィルタを使用した共振周波数の制御方法であって、
前記挿通手段の位置を調整することにより前記誘電体共振素子と前記プレートとの間隔を変化させることにより共振周波数を制御する方法である。
【0029】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
以下本発明の実施の形態1の誘電体フィルタについて、図面を参照しながら説明する。
【0030】
図1は、本発明の実施の形態1における5段TE01δ共振モードバンドパスフィルタ(5段誘電体フィルタ)100の分解透過斜視図である。図1において、5段誘電体フィルタ100は、本発明の金属性のケースの一例であるケース101、本発明の隔壁の一例である仕切り板102、本発明の金属製のふたの一例であるふた103、支持台104、本発明の誘電体共振素子の一例である誘電体共振素子105a〜e、チューニング手段112、入出力端子108a、108b(図示せず)、入出力プローブ109a、109b、本発明の金属製の結合調整部材の一例である結合調整ネジ110を備えている。
【0031】
チューニング手段112は、本発明の挿通手段の一例であるボルト106と本発明の金属製のプレートの一例であるプレート107とを有する。ケース101と、ケース101の内部に設置された仕切り板102と、ふた103とによって5つのキャビティ(空間)が形成され、それぞれのキャビティのほぼ中央に位置するように、支持台104を介して、平坦な上面を有する誘電体共振素子105a〜eがケース101の底面にそれぞれ装着されている。
【0032】
プレート107、ケース101、ふた103を構成する材料としては、アルミニウム、銅、真鍮、銀、アルミニウムを銀メッキしたもの、真鍮を銀メッキしたもの、鉄を銀メッキしたもの等、導電率が高い材料が好ましい。
【0033】
ケース101と仕切り板102とふた103とによって仕切られた各キャビティは、仕切り板102に形成される結合窓113を介して連続して繋がり、これらのキャビティの両端には入出力端子108a、108bが取り付けられている。入出力端子108a、108bの内導体は、誘電体共振素子105a、105eと電磁界結合するための入出力プローブ109a、109bがそれぞれ接続されている。入出力プローブ109a、109bは誘電体共振素子105a、105eに近接して配置されている。
【0034】
仕切り板102には、ケース101の底面の一部に接するように切り欠が設けられて、隣接する誘電体共振素子どうしを電磁的に結合するための結合窓113が形成されている。結合窓113は、ケース101の側面に接することなく形成され、また結合窓113の大きさは、誘電体共振素子どうしの必要な結合の大きさによって決定される。
【0035】
そして、ケース101の側面上には、仕切り板102に対応する位置に孔114が形成され、孔114を介して各誘電体共振素子間の結合強度を微調整する結合調整ネジ110(例えばM2の径のもの)が挿通され、結合調整ネジ110は、仕切り板102の一部を貫通して結合窓113へ突出する。
【0036】
ふた103には誘電体共振素子105a〜105eの位置に対応してその内側にネジ山が切られた孔115が形成され、孔115には、上記ネジ山に係合する本発明の挿通手段の一例であるポリカーボネート製のボルト106が挿通されている。各ボルト106の一方の端部には各誘電体共振素子の上面に実質的に平行な状態でプレート107が設けられている。このように各ボルト106およびプレート107は共振周波数を調整するためのチューニング手段112を構成している。
【0037】
図6は図1のチューニング手段112の分解斜視図である。ボルト106の端部に内部にポリカーボネート製ネジ501に係合するネジ山が付けられた凹部502が形成され、プレート107の中心部にはネジ501を挿入するための孔503が形成されている。そして、ネジ501をプレート107に形成された孔503を介してボルト106の凹部502に締め付けることにより、ボルト106とプレート107を固定してチューニング手段112が作製される。
【0038】
チューニング手段112の寸法の一例として、ポリカーボネート製のボルト106の外側は径4mm、ピッチ0.7mmのねじきりが施され、内側には径4mmのねじきりと同じ軸で径2mm、ピッチ0.4mm、深さ5mm程度のねじきりが凹部502に施されている。プレート107は外径10mmで肉厚0.5mmの銅板であり孔503の径は2.2mmである。なお、これらは寸法、および材質の一例であり、チューニング手段112の寸法、および材質が上記に限定されることはない。
【0039】
次に、以上のように構成された5段誘電体フィルタ100の動作を説明する。
【0040】
入出力端子108aから信号が入力されると、入出力プローブ109aと誘電体共振素子105aが電磁界結合する。そして、誘電体共振素子105aと、誘電体共振素子105aが配置されるキャビティに隣接するキャビティに配置された誘電体共振素子105bとが結合窓113を介して電磁界結合し、誘電体共振素子105bと誘電体共振素子105c、誘電体共振素子105cと誘電体共振素子105d、誘電体共振素子105dと誘電体共振素子105e、誘電体共振素子105eと入出力プローブ109bがそれぞれ電磁界結合し、入出力プローブ109bから信号が出力される。
【0041】
このとき、それぞれの電磁界結合の強さを微調整するために結合調整ネジ110が調整され、また、チューニング手段112のボルト106が回転されてケース101への挿入長さ(すなわちプレート107と誘電体共振素子105a〜eとの間隔)が調整されて共振周波数が制御される。
【0042】
チューニング手段112が調整されてプレート107が各誘電体共振素子に近づくと、各キャビティ内で形成されるTE01δ共振モードの電磁界が押さえつけれ、その結果、各キャビティの大きさが小さくなることと等価となる。このようにして共振周波数が制御され、所望のバンドパスフィルタ特性が実現される。
【0043】
結合窓113は、ケース101の底面に接するように形成されているので、プレート107によりTE01δ共振モードの電磁界が押さえつけられても、隣接するキャビティどうし間での電磁界の結合が著しく減少することがない。
【0044】
次に、本実施の形態の誘電体フィルタによりスプリアスが低減される原理を説明する。図18は、半同軸共振器と呼ばれる共振器を示す。この半同軸共振器は、金属製の筐体300と金属製の軸部301とを有し、金属製の軸部301の長さは使用波長の1/4である。このような半同軸共振器によると、使用波長の1/4またはその奇数倍の波長を有する周波数において共振が生ずる。
【0045】
図19は、従来の誘電体フィルタ1100の側方の断面を示す。従来の誘電体フィルタ1100においては、ボルト1006が金属製であるため、プレート1007とともに図19中の破線で示すように、ボルト1006の挿入長により決定される半同軸共振器もしくはその変形モードが形成され、スプリアス成分が出現するものと考えられる。しかし、本実施の形態の誘電体フィルタ100によれば、金属製のボルト1006の代わりに誘電体材料で形成されたボルト106が使用されるので、図19の破線に示すような半同軸共振器が形成される傾向が少ない。また、結合窓113がケース101の底面に接して形成されている。すなわち、仕切り板102上のプレート107から離れた部分に結合窓113が形成されている。従って、スプリアスが生成されたとしても隣接するキャビティにスプリアスが伝達される割合が少なくなる。このようにして全体として必要なTE01δ共振モードに対して不要なスプリアスが低減される。
【0046】
また、本実施の形態の誘電体フィルタにおいて、ボルト106とプレート107とは、ポリカーボネート製のネジ501により結合されているので、ネジ501の影響によりスプリアスが生成されこともない。すなわち、もしネジ501が金属製であると、金属製のネジ501とプレート107により半同軸共振器が形成され、金属製のネジ501の挿入長に関係したスプリアスが生成されるが、本実施の形態の誘電体フィルタにおいては、そのようなスプリアスは生成されない。
【0047】
図7は、図16に記載の単体共振フィルタにおいて、チューニング手段1012を上述のチューニング手段112に変更した場合の、TE01δ共振モードの共振周波数、およびボルト106の挿入長に対するスプリアスの共振周波数の変化の様子を示す。図7から明らかなようにチューニング手段112を使用した単体共振フィルタによれば、チューニング手段112を誘電体共振素子1104に近接させるように深く挿入していった場合においても、TE01δ共振モードの共振周波数にスプリアスの共振周波数が接近することがほとんど無くなっている。本実施の形態の誘電体共振フィルタ100は、このような単体共振フィルタを4段に重ねたものであるので、誘電体共振フィルタ100においても同様の効果を得ることができる。
【0048】
図5は、本実施の形態の誘電体フィルタ100の周波数通過特性と、図15に示す仕切り板102が無い場合の誘電体フィルタの周波数通過特性の比較を示す。その他の条件は同一としている。図5において細線は、本実施の形態の誘電体フィルタの周波数通過特性を示し、太線は仕切り板102が無い場合の誘電体フィルタの周波数通過特性を示す。図5から明らかなように、仕切り板102が無い場合の周波数特性においては、スプリアスが多く発生しているが、仕切り板102を使用することによってこれらのスプリアスが大幅に抑制されていることがわかる。すなわち、ケース101の側面に接しないように結合窓113が形成されることによってスプリアスの抑制に効果があることがわかる。
【0049】
以上のように本実施の形態の誘電体フィルタによれば、誘電体共振素子同士の結合を決定する結合窓113をケース101の側面に接しないように仕切り板102上に形成することにより所望の共振モード以外の共振モード(スプリアス)を低減させることができる。
【0050】
また本実施の形態の誘電体フィルタによれば、誘電体共振器の共振周波数を調整するチューニング手段112の支柱(ボルト106)を誘電体(絶縁体)とすることによりチューニング手段112を下げたときに現れるスプリアスを所望の共振モードに近接しないようにすることができる。
【0051】
なお、上記の実施の形態の説明では、結合窓113は、ケース101の底面の一部に接し、ケース101の側面に接しないように設けられる、として説明したが、結合窓113は底面の全部に接して形成されてもよいし、他の形態で形成されることもあり得る。例えば、ふた103に接しケース101の側面に接しないように形成されることもあり得、また、他の仕切り板102に接するように形成されることもあり得る。また、図4に示すように結合窓113が仕切り板102上に内包されることもあり得る。すなわち、結合窓113がケース101の側面に接しないように形成されていればどのような形態の結合窓であっても上記と同様の効果を得ることができる。
【0052】
また、上記の実施の形態においては、誘電体材料から作製されたボルト106、ケース101の側面に接しないように形成された結合窓113を構成要素として備える誘電体フィルタを説明してきたが、これらの構成要素のうちの一方のみを備える誘電体フィルタであってもよい。
【0053】
すなわち、従来技術の誘電体フィルタ1000においてチューニング手段1012のボルト1006のみを上記の実施形態の誘電体フィルタ100のボルト106に変更したものであってもよいし、従来技術の誘電体フィルタ1000において結合窓1010を有した仕切り板1002のみを上記の実施の形態の結合窓113を有した仕切り板102に変更した誘電体フィルタであってもよい。これらの誘電体フィルタを使用しても上記と同様の効果を得ることができる。
【0054】
(実施の形態2)
図2は本発明の実施の形態2における4段TE01δ共振モードバンドパスフィルタ(4段誘電体フィルタ)200の分解透過斜視図である。図2において、実施の形態1の5段誘電フィルタ100と同様の構成要素については、同一の参照符号を付し、その説明を省略する。本実施の形態の4段誘電体フィルタ200は、本発明の誘電体共振素子の一例である誘電体共振素子105a〜dを備える。本実施の形態の4段誘電フィルタにおいては、ケース101と、ケース101の内部に設置された仕切り板102と、ふた103とによって4つのキャビティ(空間)が互いに他の2つと隣接するように形成され、それぞれのキャビティのほぼ中央に位置するように、支持台104を介して、平坦な上面を有する誘電体共振素子105a〜dがケース101の底面にそれぞれ装着されている。
【0055】
仕切り板102には、ケース101の側面に接するように切り欠111が形成されている。ただし、入出力端子108aに接続される誘電体共振素子105aと入出力端子108bに接続される誘電体共振素子105dとの間の仕切り板102には切り欠111が形成されていない。切り欠111は、ケース101の側面に接して形成される。
【0056】
そして、ケース101の側面上の切り欠111に対応する位置に孔114が形成され、孔114を介して各誘電体共振素子間の結合強度を微調整する結合調整ネジ110(例えばM2の径のもの)が挿通されている。孔114(例えばM4の径のもの)には、図3に示すように結合調整ネジ110と適合するネジ山が切られたポリカーボネート製のブッシング201が挿入され、結合調整ネジ110が支持されている。すなわち金属製のケース101と金属製の結合調整ネジ110とはブッシング201により電気的に絶縁されている。
【0057】
次に、以上のように構成された4段誘電体フィルタについて、その動作を説明する。
【0058】
入出力端子108aから信号が入力されると、入出力プローブ109aと誘電体共振素子105aが電磁界結合する。そして、誘電体共振素子105aと、誘電体共振素子105aが配置されるキャビティに隣接するキャビティに配置された誘電体共振素子105bとが切り欠111を介して電磁界結合し、誘電体共振素子105bと誘電体共振素子105c、誘電体共振素子105cと誘電体共振素子105d、誘電体共振素子105dと入出力プローブ109bとがそれぞれ電磁界結合し、入出力端子108bから信号が出力される。
【0059】
このとき、それぞれの電磁界結合の強さを微調整するために結合調整ネジ110が調整され、共振周波数を制御するためにチューニング手段112のボルト106が回転されてケース101への挿入長さ(すなわちプレート107と誘電体共振素子105a〜dとの間隔)が調整される。このようにすることにより所望のバンドパスフィルタ特性が実現される。
【0060】
図9は、結合調整ネジ110が誘電体材料で作製されたブッシング201により支持されず直接金属製のケース101に支持された場合と、ブッシング201により結合調整ネジ110が支持された場合における周波数通過特性の比較を示す。このデータは、図14に示す2段誘電体フィルタを使用し、入出力プローブ109a、109bは、結合を小さくするため長さを短くし、結合調整ネジ110を9mm挿入した場合における、ブッシング201がある場合と無い場合の特性である。各構成要素は、図2に記載の誘電体フィルタと同一のものを使用している。また、結合調整ネジ110については、銅製のものを使用し、金属製のケース130の内部へ9mm挿入した状態で測定を行なっている。
【0061】
図9より、ブッシング201を使用した方が不要なスプリアス(例えば図9中、極として図示している部分)の発生が抑制されることがわかる。すなわち、結合調整ネジ110は、金属製のケース101からは電気的に絶縁されている方がスプリアス抑制には効果がある。
【0062】
以上のように、本発明の誘電体フィルタによれば、誘電体共振素子どうしの段間結合を調整する金属製の結合調整ネジ110を、ポリカーボネート製のブッシング201を介して金属ケースと接続することにより、結合調整ネジ110をケース101の内部に挿入したときに現れるスプリアスを所望の共振モードに近接しないようにすることができる。
【0063】
なお、本実施の形態において、ブッシング201の材料については、ポリカーボネート製に限られることはなく、他の高周波特性がよい材料が使用されてもよい。
【0064】
また、以上までの本実施の形態において、誘電体材料から作製されたボルト106、結合調整ネジ110をケース101の側面に支持するための、誘電体材料から作製されたブッシング201、を構成要素として備える誘電体フィルタを説明してきたが、従来技術の誘電体フィルタ1000において結合調整ネジを支持する誘電体材料から作製されたブッシング201が使用される構成であってもよい。
【0065】
また、以上までの説明において、チューニング手段112は、プレート107がネジ501でボルト106にネジ止めされるとして説明したが、図10に示すように、プレート701の中心部にネジ突起702が接着などにより付加されている構造であってもよい。これにより部品点数を削減することが可能となる。
【0066】
またボルト106に凹部を設けず、プレート107にも穴を設けず、このプレート107にボルト106を接着しても構わない。これにより部品点数をさらに削減することができ、低コスト化を図ることができる。
【0067】
また、上記までの説明では、ボルト106の材質にはポリカーボネートが用いられるとしたが、シンジオタクチック・ポリスチレンなどの非金属で高周波特性がよい(例えば誘電正接が0.001以下の)他の誘電体材料が使用されても同様の効果が得られる。図8は、ボルト106の材質としてポリフェニレンサルファイド樹脂を使用した場合における、ボルト106の挿入長に対するTE01δ共振モードの共振周波数とスプリアスの共振周波数の変化の様子を示している。図8から明らかなように、図7と同様、通過帯域の高周波領域においても、TE01δ共振モードの共振周波数とスプリアスの共振周波数が接近することがほとんど無くなっていることがわかる。
【0068】
また、以上までの説明において、チューニング手段112は、ボルト106とプレート107から構成され、ふた103に形成された孔115に挿通され、ボルト106を回転することにより、プレート107と各誘電体共振素子との間の距離を調整して、各誘電体共振素子の共振周波数が制御される、としてきたが、ボルト106の代わりにネジ山が切られていない軸部材が使用されることも考えられる。その場合は、例えばバーニアギヤ等を用いてこの軸部材のケース101への挿入長が調整されればよい。
【0069】
また、以上までの説明において、本発明の実施の形態の誘電体フィルタ100、200は、ケース101の内部で各仕切り板102により縦列状にキャビティが形成される形状、またはケース101の内部で各仕切り板102が交差する配置で4つのキャビティに仕切られた形状の例で説明してきたが、この例に限らず、他の形状でキャビティが形成される形態であってもよく、各キャビティ内に配置された各誘電体共振素子が、仕切り板に形成された結合窓(または切り欠)を介して電磁的に結合する形態であれば、どのような形態であってもよい。
【0070】
また、ケース101内で各仕切り102により仕切られるキャビティの数は上記の例に限られず任意の数のキャビティに仕切られ得ることは言うまでもない。
【0071】
また、以上までの説明において、上記誘電体フィルタのケース101は、矩形状であるとして図示してきたが、ケース101は、誘電体共振素子、チューニング手段、結合調整ネジ等を設置できる形状であれば例えば円筒状などどのような形状であってもよい。
【0072】
また、従来のチューニング手段1012を用いる場合、図11に示すように、プレート1007とふた1003の間に金属製のナット801を挿入する場合もある。このように金属製のナット801が挿入されることにより、ボルト1006、およびプレート1007により形成される半同軸共振器により生成されるスプリアスが阻害される。このときの単体共振フィルタの特性を図12に示す。細線はナット801なしの場合の周波数通過特性を示し、太線はナット801ありの場合の周波数通過特性を示す。図12から明らかなように、ナット801を挿入したときの単体共振フィルタの通過特性ではスプリアス周波数が高域側にシフトしていることがわかる。これにより簡易にスプリアスを通過帯域から離すことができる。
【0073】
なお、ナット801は必要に応じて1個ないしそれ以上でも構わない。またナットに代わるリング状などの金属体でも同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0074】
また、上記までの説明では、本発明の誘電体フィルタは、チューニング手段112、および結合調整ネジ110を含むとして説明してきたが、チューニング手段112または結合調整ネジ110が無い構成のものも考えられる。このような誘電体フィルタにおいても上記と同様の効果を得ることができる。
【0075】
また、以上までの説明において、本発明の誘電体フィルタは、上部に開口がある金属製のケース101と、開口を閉鎖するための金属製のふた103とを備え、ふた103にチューニング手段112が挿通される、としてきたが、チューニング手段112が上部が閉鎖されたケースの上面に挿通される構成であってもよい。その場合も上記と同様の効果を得ることができる。
【0076】
また、以上までの説明において、本発明の誘電体フィルタは、隔壁として仕切り板102が使用される例で説明してきたが、これに限らず他の形態で各キャビティが構成されていてもよい。例えば、図16に示す単体共振フィルタが複数並べられて、単体共振フィルタのケース1101の側面どうしが隔壁として作用する構成であってもよい。その場合は、上記で説明した結合窓が各側面に形成されていればよい。
【0077】
また、以上までは、誘電体フィルタ自体の説明を行なってきたが、本発明は、送信装置1202および受信装置1201を備えた通信機器1204であって、以上の説明におけるいずれかの誘電体フィルタが前記送信装置1202および受信装置1201の少なくともいずれか一方に具備された通信機器1204であることも含む。図20にそのような通信機器1204の概略ブロック構成を示す。
【0078】
【発明の効果】
本発明によれば、通過帯域の高域側減衰量を十分に取ることができる低スプリアス特性の誘電体フィルタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の実施の形態1の誘電体フィルタの分解透過斜視図である。
【図2】図2は、本発明の実施の形態2の誘電体フィルタの分解透過斜視図である。
【図3】図3は、本発明の実施の形態の誘電体フィルタの結合調整ネジの拡大透過斜視図である。
【図4】図4は、本発明の実施の形態の誘電体フィルタの結合窓の拡大透過斜視図である。
【図5】図5は、本発明の実施の形態の誘電体フィルタと従来の誘電体フィルタの通過特性を示す図である。
【図6】図6は、本発明の実施の形態の誘電体フィルタのチューニング手段の分解斜視図である。
【図7】図7は、本発明の実施の形態1の誘電体フィルタのTE01δ共振モードとスプリアスの共振周波数の変化を示す図である。
【図8】図8は、本発明の実施の形態の誘電体フィルタのTE01δ共振モードとスプリアスの共振周波数の変化を示す図である。
【図9】図9は、本発明の実施の形態の誘電体フィルタのTE01δ共振モードとスプリアスの共振周波数の変化を示す図である。
【図10】図10は、本発明の実施の形態の誘電体フィルタのチューニング手段の分解斜視図である。
【図11】図11は、本発明の実施の形態の誘電体フィルタのチューニング手段拡大図である。
【図12】図12は、本発明の実施の形態の誘電体フィルタの単体共振器の特性図である。
【図13】図13は、従来の誘電体フィルタの分解透過斜視図である。
【図14】図14は、本発明の誘電体フィルタの平面透過図である。
【図15】図15は、本発明の誘電体フィルタの分解透過斜視図である。
【図16】図16は、従来の誘電体フィルタの単体誘電体共振器の分解透過斜視図である。
【図17】図17は、従来の誘電体フィルタの単体誘電体共振器のチューニング手段挿入長とTE01δ共振モードとスプリアスの共振周波数の変化を示す図である。
【図18】図18は、本発明の誘電体フィルタの動作原理を説明するための図である。
【図19】図19は、従来の誘電体フィルタの動作原理を説明するための図である。
【図20】図20は、本発明の通信機器の概略構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
101、1001、1101 ケース
102、1002 仕切り板
103、1003、1102 ふた
104、1004、1103 支持台
105、1005、1104 誘電体共振素子
106、1006 ボルト
107、701 プレート
108a、108b、1007a、1007b、1106a、1106b 入出力端子
109a、109b、1008a、1008b、1107a、1107b 入出力プローブ
110、1009 結合調整ネジ
111 切り欠
112、1012 チューニング手段
113、1010 結合窓
201 ブッシング
501 ネジ
801 ナット

Claims (14)

  1. 上部に開口を有する金属製のケースと、
    前記開口を閉鎖するための金属製のフタと、
    前記ケースの内部の底面に支持台を介して設置された誘電体共振素子と、
    前記フタにおける前記誘電体共振素子に対応する位置に挿通される、誘電体材料から作製された挿通手段と、
    前記誘電体共振素子の上面に実質上平行状態で前記挿通手段の端部に設置された金属製のプレートと、を備える誘電体フィルタであって、
    前記挿通手段の位置が調整されることにより前記誘電体共振素子と前記プレートとの間隔が変化され、それによりその共振周波数が制御される誘電体フィルタ。
  2. 前記挿通手段と前記プレートは誘電体材料から作製されたネジを使用して固定される、請求項1に記載の誘電体フィルタ。
  3. 前記ネジは、前記プレート上に設置されたネジ突起である、請求項2に記載の誘電体フィルタ。
  4. 前記プレートは前記挿通手段に接着されることにより固定される、請求項1に記載の誘電体フィルタ。
  5. 金属製のケースと、
    前記ケースの内部を複数の空間に仕切るための少なくとも一つの金属製の隔壁と、
    前記仕切られた複数の空間のそれぞれの底面に支持台を介して設置された誘電体共振素子と、を備える誘電体フィルタであって、
    隣接する空間を仕切る前記隔壁のうちの少なくとも一つには前記ケースの側面に面する部分以外の部分に切り欠が設けられて前記隣接する空間を結合するための結合窓が形成される、誘電体フィルタ。
  6. 前記誘電体共振素子の上方に配置された金属製のプレートをさらに備え、
    前記切り欠は、前記隔壁のうち前記支持台が設置されている側に設けられている、請求項5に記載の誘電体フィルタ。
  7. 前記隣接する誘電体共振素子どうし間の結合強度を調整するための金属製の結合調整部材が前記結合窓に前記側面から挿通され、前記結合調整部材が前記側面と絶縁されている、請求項5に記載の誘電体フィルタ。
  8. 前記結合窓は矩形形状である、請求項5に記載の誘電体フィルタ。
  9. 上部に開口を有する金属製のケースと、
    前記開口を閉鎖するための金属製のフタと、
    前記ケースの内部を複数の空間に仕切るための少なくとも一つの金属製の隔壁と、
    前記仕切られた複数の空間のそれぞれの底面に支持台を介して設置された誘電体共振素子と、を備える誘電体フィルタであって、
    隣接する空間を仕切る前記隔壁のうちの少なくとも一つには、前記ケースの側面と前記隔壁の少なくとも一部とが間隔を空けることにより形成された、切り欠が形成され、
    前記ケースの側面において前記切り欠に対応する位置に、前記隣接する誘電体共振素子どうし間の結合強度を調整するための金属製の結合調整部材が挿通され、前記結合調整部材が前記側面と絶縁されている、誘電体フィルタ。
  10. 前記金属性ケースの上部であって前記誘電体共振素子に対応する位置に挿通される、誘電体材料から作製された挿通手段と、
    前記誘電体共振素子の上面に実質的に平行状態で前記挿通手段の端部に設置された金属製のプレートと、をさらに備え、
    前記挿通手段を調整することにより前記誘電体共振素子と前記プレートとの間隔を変化させることによりその共振周波数が制御される、請求項5に記載の誘電体フィルタ。
  11. 金属製のケースと、
    前記ケースの内部の底面に支持台を介して設置された誘電体共振素子と、
    前記金属製ケースの上部であって前記誘電体共振素子に対応する位置に挿通される挿通手段と、
    前記誘電体共振素子の上面に実質上平行状態で前記挿通手段の端部に設置された金属製のプレートと、
    前記挿通手段が挿通されている前記金属性ケースの面と前記プレートとの間に、前記挿通手段に通された金属製のリング状物とを備える、誘電体フィルタ。
  12. 前記誘電体材料は、その比誘電率が10以下である、請求項1に記載の誘電体フィルタ。
  13. 送信装置および受信装置を備えた通信機器であって、
    請求項1、5、9、および11のいずれかに記載の誘電体フィルタが前記送信装置および受信装置の少なくともいずれか一方に具備された通信機器。
  14. 上部に開口を有する金属製のケースと、
    前記開口を閉鎖するための金属製のフタと、
    前記ケースの内部の底面に支持台を介して設置された誘電体共振素子と、
    前記フタにおける前記誘電体共振素子に対応する位置に挿通される、誘電体材料から作製された挿通手段と、
    前記誘電体共振素子の上面に実質上平行状態で前記挿通手段の端部に設置された金属製のプレートと、を備える誘電体フィルタを使用した共振周波数の制御方法であって、
    前記挿通手段の位置を調整することにより前記誘電体共振素子と前記プレートとの間隔を変化させることにより共振周波数を制御する方法。
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