JP2017041584A - 電子線描画装置、クリーニングガス供給方法、及びプログラム - Google Patents

電子線描画装置、クリーニングガス供給方法、及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】チャンバ内のクリーニングガスの量を一定に維持する。【解決手段】電子線描画装置は、チャンバと、チャンバから気体を排出する真空ポンプと、チャンバにクリーニングガスを供給する供給手段と、チャンバ内の圧力を検出する圧力検出手段と、クリーニングガスが供給されていないときに、圧力検出手段の検出結果に基づいて、チャンバ内の圧力の推移を予測する予測手段と、予測手段の予測結果と予め設定されたチャンバ内に留まるクリーニングガスの目標圧力とに基づいて、クリーニングガスが供給されるときのチャンバ内の圧力の推移を演算する演算手段と、演算手段の演算結果と圧力検出手段の検出結果とが等しくなるように、供給手段を制御する制御手段と、を有する。【選択図】図4

Description

本発明は、電子線描画装置、クリーニングガス供給方法、及びプログラムに関する。
電子線を用いて試料にパターンを描画する電子線描画装置は、電子線を制御するためのアパーチャや、偏向電極を備えている。この種の電子線描画装置を長時間稼働すると、チャンバ内の雰囲気に含まれるハイドロカーボンなどが電子線に引き寄せられ、アパーチャや偏向電極などに、コンタミネーションとして不着する。そのため、電子線描画装置のチャンバ内には、コンタミネーションを除去するためのクリーニングガスが供給される(例えば特許文献1参照)。
真空チャンバ内のクリーニングガスの量は、試料に対する電子線のフォーカス位置に影響を及ぶすことがある。そのため、チャンバ内のクリーニングガスの量や濃度は一定に維持されることが好ましい。
特開平06−188182号公報
電子線描画装置の偏向電極やアパーチャなどが収容される真空チャンバの内部の気体は、真空ポンプによって常時排出される。このため、真空チャンバの内部の圧力は、終局的には、所定の基準値以下に維持される。
しかしながら、真空チャンバの内部の圧力が比較的高いときには、クリーニングガスを供給するのが困難になることがある。また、電子線描画装置の立ち上げから間もないときには、真空チャンバ内の圧力変化が大きい。この場合には、真空チャンバ内のクリーニングガスの量の調整が困難になる。そのため、試料に対する電子線の照射精度が低下することが予想される。
本発明は、上述の事情の下になされたもので、真空チャンバ内のクリーニングガスの量を一定に維持することを課題とする。
上記課題を解決するため、本実施形態に係る電子線描画装置は、試料に電子線を照射してパターンを描画する電子線描画装置であって、チャンバと、チャンバから気体を排出する真空ポンプと、チャンバにクリーニングガスを供給する供給手段と、チャンバ内の圧力を検出する圧力検出手段と、クリーニングガスが供給されていないときに、圧力検出手段の検出結果に基づいて、チャンバ内の圧力の推移を予測する予測手段と、予測手段の予測結果と予め設定されたチャンバ内に留まるクリーニングガスの目標圧力とに基づいて、クリーニングガスが供給されるときのチャンバ内の圧力の推移を演算する演算手段と、演算手段の演算結果と圧力検出手段の検出結果とが等しくなるように、供給手段を制御する制御手段と、を有する。
本発明によれば、クリーニングガスが供給されていないときの、チャンバ内の圧力の推移と、予め設定されたチャンバ内に留まるクリーニングガスの目標圧力と、に基づいて、チャンバ内の圧力の推移が算出される。そして、算出された圧力の推移に沿うように、チャンバ内にクリーニングガスが供給される。その結果、チャンバ内のクリーニングガスの量が一定に維持される。
本実施形態に係る電子線描画装置の概略構成を示す図である。 制御装置のブロック図である。 真空チャンバの圧力(真空度)の推移を示す図である。 制御装置のCPUが実行する一連の処理を示すフローチャートである。 真空チャンバの圧力の推移を予測する手順を説明するための図である。 真空チャンバの基準圧力と、クリーニングガスの目標圧力とを模式的に示す図である。 真空チャンバの圧力の推移を示す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。実施形態の説明にあたっては、相互に直交するX軸、Y軸、Z軸からなる直交座標系を適宜用いる。
図1は、本実施形態に係る電子線描画装置10の概略構成を示す図である。電子線描画装置10は、真空環境下において、レジスト材がコーティングされたマスクやレチクルなどの試料120に、パターンを描画する装置である。
図1に示されるように、電子線描画装置10は、電子線BMを試料120に照射する照射装置20、試料120が載置されるステージ装置61、照射装置20及びステージ装置61を収容する真空チャンバ60、照射装置20及びステージ装置61を制御する制御系100を備えている。
真空チャンバ60は、ステージ装置61を収容するライティングチャンバ60aと、照射装置20を収容する鏡筒60bと、から構成されている。
ライティングチャンバ60aは、直方体状の中空部材であり上面には円形の開口が形成されている。鏡筒60bは、ライティングチャンバ60aの上面に形成された開口に挿入されている。
鏡筒60bは長手方向をZ軸方向とする円筒形状のケーシングである。鏡筒60bは、ライティングチャンバ60aの内部に位置する部分の直径が下方(−Z方向)に向かって小さくなるテーパー形状となっている。鏡筒60bは、例えばステンレスからなり、接地されている。
上述したライティングチャンバ60aと鏡筒60bからなる真空チャンバ60の内部空間には、圧力センサPSが配置されている。この圧力センサPSは、チャンバ内の圧力に応じた値の電圧信号を出力する。
照射装置20は、鏡筒60bの内部上方から下方に向かって配置される電子銃22、偏向器31,32、レンズ41,42,43、アパーチャ51,52を有している。
電子銃22は、鏡筒60bの内部上方に配置されている。電子銃22は、例えば熱陰極型の電子銃である。電子銃22は、陰極と、陰極を包囲するように設けられるウェネルト電極と、陰極の下方に配置される陽極などから構成されている。電子銃22は、高電圧が印加されると下方へ電子線BMを射出する。
偏向器31は、電子銃22の下方に配置されている。偏向器31は、相互に対向するように配置された電極を有している。そして、ブランキングアンプ103によって印加される電圧に応じて、電子銃22から射出された電子線BMを偏向する。
例えば、偏向器31には、描画パターンに基づいて変調された電圧信号が入力される。この電圧信号は、ハイレベルとローレベルの2値の信号である。偏向器31では、一方の電極に入力された電圧信号がハイレベルの時に、電極間に電界が生じ、電子線BMが偏向される。これにより、電子線BMは、アパーチャ51によってブランキングされる。そのため、描画パターンに基づいて変調した電圧信号を、偏向器31に入力することで、試料120に所望のパターンを描画することができる。また、ハイレベルに維持された電圧信号を偏向器31に入力することで、電子線BMがブランキングされた状態を継続することができる。
レンズ41は、偏向器31を包囲するように配置された環状のレンズである。レンズ41は、偏向器31を通過する電子線BMを、アパーチャ51の中心近傍に集束させる。
アパーチャ51は、中央に電子線BMが通過する開口が設けられた板状の部材である。アパーチャ51は、レンズ41を通過した電子線BMの集束点近傍に配置されている。電子線BMがアパーチャ51の開口を通過することで、電子線BMのショットの形状が整形される。また、電子線BMが偏向器31によって偏向されたときには、電子線BMは、アパーチャ51によって遮蔽される。これにより、電子線BMがブランキングされる。
レンズ42は、アパーチャ51の下方に配置された環状のレンズである。レンズ42は、電子線BMを、アパーチャ52の中心近傍に集束させる。
アパーチャ52は、レンズ42の下方に配置されている。アパーチャ52も、アパーチャ51と同様に構成されている。電子線BMがアパーチャ52の開口を通過することで、電子線BMのショットの形状が整形される。
偏向器32は、アパーチャ52の下方に配置されている。偏向器32は、対向して配置される複数対の電極を有している。偏向器32は、電極に印加される電圧に応じて、アパーチャ52を通過した電子線BMを偏向する。本実施形態では、説明の便宜上、X軸方向に所定距離隔てて配置された1対の電極のみが図面に示されている。偏向器32は、電子線BMをX軸方向及びY軸方向へ偏向することができる。
レンズ43は、偏向器32を包囲するように配置された環状のレンズである。レンズ43は、偏向器32と協働することにより、ステージ装置61に載置された試料120の所望の位置に、偏向器32を通過する電子線BMを集束させる。
ステージ装置61は、ライティングチャンバ60aの内部に配置されている。ステージ装置61は、パターンが描画される試料120をほぼ水平に保持した状態で、少なくとも水平面内を移動する。
制御系100は、照射装置20及びステージ装置61を制御するためのシステムである。この制御系100は、制御装置101、電源装置102、ブランキングアンプ103、レンズ駆動装置104、偏向アンプ105、クリーニングガス供給装置106、真空ポンプ107、及びステージ駆動装置108を有している。
図2は、制御装置101のブロック図である。図2に示されるように、制御装置101は、CPU(Central Processing Unit)101a、主記憶部101b、補助記憶部101c、入力部101d、表示部101e、インタフェース部101f、及び上記各部を接続するシステムバス101gを有するコンピュータである。
CPU101aは、補助記憶部101cに記憶されたプログラムを読み出して実行する。そして、プログラムに応じて、制御系100を構成する機器を統括的に制御する。
主記憶部101bは、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリを有している。主記憶部101bは、CPU101aの作業領域として用いられる。
補助記憶部101cは、ROM(Read Only Memory)、磁気ディスク、半導体メモリなどの不揮発性メモリを有している。補助記憶部101cは、CPU101aが実行するプログラム、及び各種パラメータなどを記憶している。これらのパラメータには、電子線描画装置10の稼働時に、真空チャンバ60の内部に留めるクリーニングガスの量を示すパラメータと、真空チャンバ60に留めるクリーニングガスの圧力(分圧)を示すパラメータが含まれる。また、補助記憶部101cは、CPU101aによる処理結果や、圧力センサPSからの出力を時系列的に記憶する。
入力部101dは、キーボードや、マウスなどのポインティングデバイスを有している。ユーザの指示は、入力部101dを介して入力され、システムバス101gを経由してCPU101aに通知される。
表示部101eは、LCD(Liquid Crystal Display)などの表示ユニットを有している。表示部101eは、例えば、電子線描画装置10のステータスや、描画パターンなどに関する情報を表示する。
インタフェース部101fは、LANインタフェース、シリアルインタフェース、パラレルインタフェース、アナログインタフェースなどを備えている。電源装置102、ブランキングアンプ103、レンズ駆動装置104、偏向アンプ105、クリーニングガス供給装置106、真空ポンプ107、及びステージ駆動装置108は、インタフェース部101fを介して、制御装置101に接続される。
上述のように構成される制御装置101は、電源装置102、ブランキングアンプ103、レンズ駆動装置104、偏向アンプ105、クリーニングガス供給装置106、真空ポンプ107、及びステージ駆動装置108を統括的に制御する。
図1に戻り、電源装置102は、制御装置101からのデジタル信号S1に基づいて、電子銃22に電圧を印加する。これにより、電子銃22から試料120へ向かって、電子線BMが射出される。
ブランキングアンプ103は、制御装置101から出力されるデジタル信号S2に基づいてブランキング信号を生成する。そして、生成したブランキング信号を偏向器31へ出力する。例えば、ブランキング信号は、ハイレベルが500mVで、ローレベルが0Vの2値の信号である。偏向器31へ出力されるブランキング信号がハイレベルのときに、電子線BMがブランキングされる。
レンズ駆動装置104は、デジタル信号S3に基づいて、電子線BMに対するレンズ41,42のパワー(屈折力)を制御して、電子線BMをアパーチャ51,52の中心に向けて集束させる。また、レンズ43のパワーを制御して、電子線BMを試料120の上面に集束させる。
偏向アンプ105は、デジタル信号S4に基づいて電圧信号を生成し、偏向器32を構成する電極へ出力する。これにより、偏向器32を構成する電極の間には電位差が生じる。したがって、偏向器32を通過する電子線BMは、電位差に応じた量だけ偏向する。
クリーニングガス供給装置106は、真空チャンバ60の内部にクリーニングガスを供給する装置である。クリーニングガス供給装置106は、クリーニングガス発生器と真空チャンバ60へ流入するクリーニングガスの流量を調整するための流量調整バルブなどを備えている。クリーニングガス供給装置106は、配管121を介して真空チャンバ60と接続されている。そして、制御装置101に指示された流量で、クリーニングガスを、配管121を介して真空チャンバ60の内部へ供給する。
真空ポンプ107は、真空チャンバ60の内部の気体を排出して、真空チャンバ60の内部を所定の真空度以下に維持するための装置である。真空ポンプ107は、配管122を介して真空チャンバ60と接続されている。真空ポンプ107は、制御装置101の指示に基づいて、真空チャンバ60の内部の気体を排出する。
図3は、真空チャンバ60の内部の圧力の変化を示す図である。図3では、縦軸が真空チャンバ60の内部の圧力を示し、横軸は時間を示す。また、縦軸のスケールは対数である。真空チャンバ60の内部の圧力が大気圧力と等しいP1であるときに、真空ポンプ107を定格運転すると、図3の曲線S1で示されるように、真空チャンバ60の内部の圧力が低下する。この曲線S1は、以下の式(1)で示される。なお、A,B,Cは定数である。
f(t)=A・exp(−t/C)+B …(1)
電子線描画装置10で描画を開始するためには、真空チャンバ60の内部の圧力が基準圧力P2以下になっている必要がある。基準圧力P2の値は、描画するパターンのライン幅などによって、最適な値が予め決められる。このため、電子線描画装置10で描画を開始するためには、真空ポンプ107を始動してから、時刻T1から時刻T2までの準備期間が必要となる。
図1に戻り、ステージ駆動装置108は、制御装置101の指示に基づいて、ステージ装置61を駆動し、試料120の移動や位置決めなどを行う。
次に、上述した電子線描画装置10の動作について説明する。電子線描画装置10が設置されるか、或いはメンテナンスの終了後に起動された場合には、CPU101aは、描画準備処理を行う。描画準備処理は、真空チャンバ60の内部の環境を、電子線の描画に最適な環境にするための処理である。この描画準備処理は、図4に示されるフローチャートに従って行われる。以下、描画準備処理について、図4のフローチャートを参照して説明する。
まず、CPU101aは、真空ポンプ107を起動する(ステップS101)。これにより、真空チャンバ60の内部の気体の排出が行われ、真空チャンバ60の内部の真空度が低下していく。
CPU101aは、圧力センサPSからの出力を所定の周期でサンプリングする。そして、サンプリングしたデータ(f(t),t)を、順次補助記憶部101cに記憶する。これにより、データ(f(t1),t1),(f(t2),t2)…が、サンプリングデータ(f(tN),tN)として時系列的に記憶される。
CPU101aは、サンプリングデータ(f(tN),tN)を、例えば予め決められた数Mだけサンプリングすると(ステップS102:Yes)、サンプリングデータ(f(tN),tN)を用いて、上記(1)式の定数A,B,Cの値a,b,cを求める。そして、真空チャンバ60の内部の真空度の推移を示す関数f(t)を算出する(ステップS103)。例えば、定数A,B,Cの値が、a,b,cである場合には、次式(2)で示される関数が算出される。
f(t)=a・exp(−t/c)+b …(2)
例えば、図5に示されるように、時刻T1から時刻Txまでにサンプリングされたサンプリングデータ(f(tN),tN)を用いて、算出された関数f(t)は、図5の実線と破線で示される曲線S1を示すものとなる。このため、関数f(t)を用いることで、破線で示される真空チャンバ60の圧力の推移を予測することができる。
次に、CPU101aは、真空チャンバ60の内部に留まるクリーニングガスの目標圧力を示すパラメータPMを、補助記憶部101cから読み出す。そして、読み出したパラメータPMと、上記式(2)とを用いて、真空チャンバ60にクリーニングガスを供給した場合の、真空チャンバ60の圧力の推移を示す曲線g(t)を算出する(ステップS104)。
図6は、真空チャンバ60の基準圧力P2と、クリーニングガスの目標圧力(分圧)P3とを模式的に示す図である。真空チャンバ60の内部には、アパーチャ51,52や、偏向器31,32の電極などに付着するコンタミネーションを除去するために必要なクリーニングガスが予め設定された量V1だけ充填された状態になることが予定されている。そのため、真空チャンバ60の内部のクリーニングガスの目標圧力(分圧)P3は、真空チャンバ60のクリーニングガスの量V1から求められる。
CPU101aは、パラメータPMに示される目標圧力P3を、上記式(2)に加えて次式(3)を算出する。
g(t)=f(t)+P3=a・exp(−t/c)+b+P3 …(3)
図7に示されるように、上記式(3)で示される関数g(t)から規定される曲線S2は、曲線S1が縦軸方向にP3だけオフセットした曲線となる。
CPU101aは、関数g(t)を算出すると、クリーニングガス供給装置106を駆動する。そして、圧力センサPSの値が、関数g(t)に示される曲線S2に従って推移するように、真空チャンバ60の内部にクリーニングガスを供給する(ステップS105)。その結果、真空チャンバ60の内部の圧力は、時刻Tx以降、曲線S2に従って推移する。
図7を参照するとわかるように、曲線S1と曲線S2との縦軸方向の距離で示される圧力差は、クリーニングガスの分圧(=目標圧力P3)を示す。このため、クリーニングガスの供給を開始してから一定の時間がすぎると、真空チャンバ60に供給されるクリーニングガスの量と、真空チャンバ60から排出されるクリーニングガスの量とがバランスする。その結果、真空チャンバ60へ供給されるクリーニングガスの単位時間当たりの量は、ほぼ一定になると考えられる。
CPU101aは、真空チャンバ60へのクリーニングガスの供給が開始されると、描画準備処理を終了する。そして、図1に示されるステージ駆動装置108を介して、ステージ装置61を駆動し、試料120を照射装置20の下方に位置決めする。
次に、CPU101aは、電源装置102を駆動して、電子銃22に電圧を印加する。これにより、電子銃22から電子線BMが射出される。
電子銃22から電子線BMが射出されると、CPU101aは、レンズ駆動装置104を介してレンズ41を制御し、電子線BMをアパーチャ51の開口近傍(クロスポーバーポイント)に集束させる。電子線BMは、アパーチャ51の開口を通過することで、ショットの外径及び形状が整形される。アパーチャ51を通過した電子線BMは、一旦結像した後、レンズ42に入射する。
CPU101aは、レンズ駆動装置104を介してレンズ42を制御し、レンズ42に入射した電子線BMをアパーチャ52の開口近傍に集束させる。電子線BMは、アパーチャ52の開口を通過することで、ショットの外径及び形状が整形される。アパーチャ52を通過した電子線BMは、一旦結像した後、レンズ43に入射する。
CPU101aは、レンズ駆動装置104を介してレンズ43を制御し、レンズ43に入射した電子線BMをステージ装置61に保持された試料120の表面に結像させる。
また、CPU101aは、上記動作と並行して、描画データに基づいて変調されたデジタル信号S2,S3を生成する。そして、デジタル信号S2をブランキングアンプ103へ出力し、デジタル信号S4を偏向アンプ105へ出力する。
ブランキングアンプ103は、デジタル信号S2を受信すると、デジタル信号S2をアナログのブランキング信号に変換して、偏向器31へ出力する。これにより、電子線BMが所定のタイミングで偏向されブランキングが間欠的に実行される。
偏向アンプ105は、デジタル信号S4を受信すると、デジタル信号S4からアナログの偏向信号を生成する。そして、生成した偏向信号を、偏向器32を構成する電極へそれぞれ出力する。これにより、電子線BMがX軸方向或いはY軸方向に偏向され、試料120に対する電子線BMの入射位置が制御される。
電子線描画装置10では、上述のようにブランキングアンプ103と偏向アンプ105が協働することにより、電子線BMが変調され試料120にパターンが描画される。
以上説明したように、本実施形態では、真空チャンバ60の内部の圧力の推移が予測される。そして、その予測結果を示す関数f(x)に、真空チャンバ60に留まるクリーニングガスの目標圧力P3を加えることにより関数g(x)が算出される。この関数g(x)は、真空チャンバ60に一定量のクリーニングガスが留まっているときの真空チャンバ60の圧力を示す。そして、関数g(x)で示される曲線S2に従って、真空チャンバ60の圧力が推移するように、真空チャンバ60の内部に、クリーニングガスが供給される。
したがって、真空チャンバ60の内部のクリーニングガスの量を一定に維持することができる。その結果、真空チャンバ60のクリーニングガスの量の変動に起因する電子線のデフォーカスを回避して、精度よくパターンを描画することが可能となる。
また、関数g(x)で示される曲線S2に従って、真空チャンバ60の圧力が推移するように、真空チャンバ60の内部に、クリーニングガスを供給する場合には、真空チャンバ60へ流入するクリーニングガスの流量をほぼ一定にすることができる。したがって、真空チャンバ60の内部のクリーニングガスの濃度の調整が容易になる。
また、関数g(x)は、真空チャンバ60に一定量のクリーニングガスが留まっているときの真空チャンバ60の圧力を示すものである。このため、関数g(x)で示される曲線S2に従って、真空チャンバ60の圧力が推移するように、真空チャンバ60の内部に、クリーニングガスを供給すれば、真空チャンバ60の内部圧力が高い状態であっても、最適な量のクリーニングガスが真空チャンバ60の内部に留まっている状態にすることができる。したがって、真空チャンバ60の圧力が比較的高いときに、電子線の調整などを行ったとしても、アパーチャ51,52や偏向器31,32の電極などに対するコンタミネーションの付着を抑制することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態によって限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、式(1)の定数A,B,Cを求めることによりf(t)を算出する場合について説明した。これに限らず、f(t)を複数次数の多項式として定義し、各項の定数を求めることとしてもよい。具体的には、式f(t)を、次式(4)で示される式を用いて定義し、各係数aを求めることとしてもよい。
f(t)=a・t+aN−1・tN−1+…+a・t+a・t+a…(4)
また、式(1)を用いることなく、実際に計測した履歴と比較して、式f(t)に相当する予測式を算出することとしてもよい。
上記実施形態では、真空チャンバ60の内部空間が一様な気圧であることを前提に説明を行った。これに限らず、真空チャンバ60を構成する鏡筒60bと、ライティングチャンバ60aとの気圧が異なる場合には、鏡筒60b及びライティングチャンバ60aそれぞれに個別にクリーニングガスの目標圧力を設定し、それぞれに最適なクリーニングガスを供給するようにしてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施しうるものであり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10 電子線描画装置
20 照射装置
22 電子銃
31,32 偏向器
41,42,43 レンズ
51,52 アパーチャ
60 真空チャンバ
60a ライティングチャンバ
60b 鏡筒
61 ステージ装置
100 制御系
101 制御装置
101a CPU
101b 主記憶部
101c 補助記憶部
101d 入力部
101e 表示部
101f インタフェース部
101g システムバス
102 電源装置
103 ブランキングアンプ
104 レンズ駆動装置
105 偏向アンプ
106 クリーニングガス供給装置
107 真空ポンプ
108 ステージ駆動装置
120 試料
121 配管
122 配管
BM 電子線
PS 圧力センサ
S1〜S4 デジタル信号

Claims (6)

  1. 試料に電子線を照射してパターンを描画する電子線描画装置であって、
    チャンバと、
    前記チャンバから気体を排出する真空ポンプと、
    前記チャンバにクリーニングガスを供給する供給手段と、
    前記チャンバ内の圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記クリーニングガスが供給されていないときに、前記圧力検出手段の検出結果に基づいて、前記チャンバ内の圧力の推移を予測する予測手段と、
    前記予測手段の予測結果と、予め設定された前記チャンバ内に留まるクリーニングガスの目標圧力と、に基づいて、前記クリーニングガスが供給されるときの、前記チャンバ内の圧力の推移を演算する演算手段と、
    前記演算手段の演算結果と、前記圧力検出手段の検出結果とが等しくなるように、前記供給手段を制御する制御手段と、
    を有する電子線描画装置。
  2. 前記演算手段は、
    前記予測手段の予測結果と、前記クリーニングガスの目標圧力との和を演算結果として算出する請求項1に記載の電子線描画装置。
  3. 前記予測手段は、
    前記圧力検出手段の検出結果の時間的な変化に基づいて、前記チャンバ内の圧力の推移を予測する請求項1又は2に記載の電子線描画装置。
  4. 前記チャンバに収容され、前記電子線を偏向するための電極と、
    前記チャンバに収容され、前記電子線を整形するアパーチャと、
    を有する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の電子線描画装置。
  5. チャンバにクリーニングガスが供給されていないときに、圧力検出手段によって検出された電子線描画装置の前記チャンバ内の圧力の変化に基づいて、前記チャンバ内の圧力の変化の推移を予測する第1工程と、
    前記圧力の変化の推移と、予め設定された前記チャンバ内に留まるクリーニングガスの目標圧力と、に基づいて、前記チャンバに前記クリーニングガスが供給されるときの、前記チャンバ内の圧力の変化の推移を演算する第2工程と、
    前記第2工程の演算結果と、前記圧力検出手段の検出結果とが等しくなるように、前記チャンバに前記クリーニングガスを供給するための供給手段を制御する工程と、
    を含むクリーニングガス供給方法。
  6. コンピュータに、
    チャンバにクリーニングガスが供給されていないときに、圧力検出手段によって検出された電子線描画装置の前記チャンバ内の圧力の変化に基づいて、前記チャンバ内の圧力の変化の推移を予測する第1手順、
    前記圧力の変化の推移と、予め設定された前記チャンバ内に留まるクリーニングガスの目標圧力と、に基づいて、前記チャンバに前記クリーニングガスが供給されるときの、前記チャンバ内の圧力の変化の推移を演算する第2手順、
    前記第2手順の演算結果と、前記圧力検出手段の検出結果とが等しくなるように、前記チャンバに前記クリーニングガスを供給するための供給手段を制御する手順、
    を実行させるためのプログラム。
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