JP2017041560A - 光電変換素子、撮像素子、光センサー及び光電変換素子用材料 - Google Patents

光電変換素子、撮像素子、光センサー及び光電変換素子用材料 Download PDF

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達也 山本
秀典 薬師寺
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秀典 薬師寺
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俊文 井内
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Abstract

【課題】正孔もしくは電子リーク防止特性、プロセス温度に対する耐熱性、可視光透明性等の要求性能が高く、十分な性能を有する光電変換素子、撮像素子、光センサー及び光電変換素子用材料を提供する。【解決手段】下記一般式(1)で表される有機多環芳香族化合物を含む光電変換素子を提供する。(式(1)中、R1〜R6はそれぞれ水素原子、置換又は無置換の芳香族基、置換又は無置換のアルキル基等を表す。)【選択図】なし

Description

本発明は有機多環芳香族化合物を含む光電変換素子、撮像素子、光センサー及び光電変換素子用材料に関する。
近年、有機エレクトロニクスデバイスへの関心が高まっている。その特徴としてはフレキシブルな構造をとり、大面積化が可能である事、更にはエレクトロニクスデバイス製造プロセスにおいて安価で高速の印刷方法を可能にすることが挙げられる。代表的なデバイスとしては有機EL(エレクトロルミネッセンス)素子、有機太陽電池素子、有機光電変換素子、有機トランジスタ素子などが挙げられる。有機EL素子はフラットパネルディスプレイとして次世代ディスプレイ用途のメインターゲットとして期待され、携帯電話のディスプレイからTV(テレビ受像機)などへ応用され、更に高機能化を目指した開発が継続されている。有機太陽電池素子などはフレキシブルで安価なエネルギー源として、有機トランジスタ素子などはフレキシブルなディスプレイや安価なIC(集積回路)へと研究開発がなされている。
有機エレクトロニクスデバイスの開発には、そのデバイスを構成する材料の開発が非常に重要である。そのため各分野において数多くの材料が検討されているが、十分な性能を有しているとは言えず、現在でも各種デバイスに有用な材料の開発が精力的に行われている。その中で、ベンゾトリチオフェンを母骨格とした化合物も、有機エレクトロニクス材料として開発されており、有機トランジスタ(特許文献1、2、非特許文献1)や、有機EL(特許文献1、2)、薄膜太陽電池(特許文献1、非特許文献2)、色素増感太陽電池(特許文献3)などへの応用が報告されている。しかしながら、これらの材料でも十分な性能を有しているとは言えず、商業的に活用されるに至っていない。したがって、さらに高性能な有機エレクトロニクス材料の開発が重要である。
一方、近年の有機エレクトロニクスの中で、有機光電変換素子は、次世代の撮像素子への展開が期待されており、いくつかのグループからその報告がなされている。例えば、キナクリドン誘導体、もしくはキナゾリン誘導体を光電変換素子に用いた例(特許文献5)、キナクリドン誘導体を用いた光電変換素子を撮像素子へ応用した例(特許文献6)、ジケトピロロピロール誘導体を用いた例(特許文献7)がある。一般的に、撮像素子は、高コントラスト化、省力化を目的として、暗電流の低減を目指すことによって、性能は向上すると考えられる。そこで、暗時の光電変換部からのリーク電流を減らす為、光電変換部と電極部間に、正孔ブロック層、もしくは電子ブロック層を挿入する手法が取られる。また、信号電流向上のために、正孔輸送層、もしくは電子輸送層を挿入する手法が取られる。
正孔ブロック層、電子ブロック層、正孔輸送層、及び電子輸送層は、有機エレクトロニクスデバイスの分野では一般に広く用いられており、それぞれ、デバイスの構成膜中において、電極もしくは導電性を有する膜と、それ以外の膜の界面に配置され、正孔もしくは電子の移動及び逆移動を制御する機能を有する膜であり、不必要な正孔もしくは電子の漏れや量のバランスを調整するものであり、デバイスの用途により、耐熱性、透過波長、成膜方法等の特性を考慮し、選択して用いるものである。しかしながら、特に光電変換素子用途の材料の要求性能は高く、これまでのブロック層や輸送層では、リーク電流防止特性プロセス温度に対する耐熱性、可視光透明性などの面で、十分な性能を有しているとは言えず、商業的に活用されるに至っていない。
特開2011−6388号公報 国際公開第2010/058833号 特開2011−222373号公報 特開2001−196182号公報 特許第4972288号公報 特許第4945146号公報 特許第5022573号公報 Journal of Organic Chemistry, 2011, 76, p.4061-4070 Advanced Materials, 2003, 22, p.1939-1943
本発明の目的は、正孔もしくは電子リーク防止特性、プロセス温度に対する耐熱性、可視光透明性等の要求性能が高く、十分な性能を有する光電変換素子及び光電変換素子用材料を提供することが求められている。
本発明者は、上記課題を解決すべく、特定の母骨格を有する有機多環芳香族化合物を用いて、有機エレクトロニクスデバイスとしての可能性を検討し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、下記の通りである。
[1] 下記式(1)で表される有機多環芳香族化合物を含む光電変換素子。
Figure 2017041560
(式(1)中、R〜Rはそれぞれ水素原子、置換又は無置換の芳香族基、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、ニトロ基、置換アミノ基、アミド基、アシル基、カルボキシル基、アシルオキシ基、シアノ基、スルホ基、スルファモイル基、アルキルスルファモイル基、カルバモイル基、またはアルキルカルバモイル基を表す。)
[2]前記式(1)で表される有機多環芳香族化合物をキャリアブロック層に用いた前項[1]に記載の光電変換素子。
[3]前記式(1)で表される有機多環芳香族化合物をキャリア輸送層に用いた前項[1]に記載の光電変換素子。
[4]前記式(1)で表される有機多環芳香族化合物を光電変換層に用いた前項[1]に記載の光電変換素子。
[5]前項[1]〜[4]に記載の光電変換素子を含む撮像素子。
[6]前項[1]〜[4]に記載の光電変換素子を複数アレイ状に配置した撮像素子。
[7]前項[1]〜[4]に記載の光電変換素子を用いた光センサー。
[8]下記一般式(1)で表される有機多環芳香族化合物を含む光電変換素子用材料。
Figure 2017041560
(式(1)中、R〜Rはそれぞれ水素原子、置換又は無置換の芳香族基、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、ニトロ基、置換アミノ基、アミド基、アシル基、カルボキシル基、アシルオキシ基、シアノ基、スルホ基、スルファモイル基、アルキルスルファモイル基、カルバモイル基、またはアルキルカルバモイル基を表す。)
本発明の光電変換素子は良好な半導体特性や正孔又は電子のリーク防止性や輸送性に優れているため、光電変換素子、撮像素子用光電変換素子、撮像素子、光センサー及び光電変換素子用材料を提供することが出来る。
本発明による好ましい光電変換素子の断面図である。
以下に本発明の光電変換素子を詳細に説明する。
本発明の光電変換素子に用いられる下記式(1)で表される有機多環芳香族化合物について説明する。
Figure 2017041560
(式(1)中、R〜Rはそれぞれ水素原子、置換又は無置換の芳香族基、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、ニトロ基、置換アミノ基、アミド基、アシル基、カルボキシル基、アシルオキシ基、シアノ基、スルホ基、スルファモイル基、アルキルスルファモイル基、カルバモイル基、またはアルキルカルバモイル基を表す。)
芳香族基としては、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナンスリル基、ピレニル基、ベンゾピレニル基、ビフェニル基、テルフェニル基などの芳香族炭化水素基や、ピリジル基、ピラジル基、ピリミジル基、キノリル基、イソキノリル基、ピロリル基、インドレニル基、イミダゾリル基、カルバゾリル基、チエニル基、フリル基、ピラニル基、ピリドニル基などの複素環基、ベンゾキノリル基、アンスラキノリル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフリル基のような縮合系複素環基が挙げられる。これらの内、好ましいものは、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、テルフェニル基、及びピリジル基である。特にフェニル基、ビフェニル基が好ましい。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、t−ペンチル基、sec−ペンチル基、n−ヘキシル基、iso−ヘキシル基、n−ヘプチル基、sec−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、sec−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基、ドコシル基、n−ペンタコシル基、n−オクタコシル基、n−トリコンチル基、5−(n−ペンチル)デシル基、ヘネイコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、ノナコシル基、n−トリアコンチル基、スクアリル基、ドトリアコンチル基及びヘキサトリアコンチル等の炭素数1乃至36のアルキル基が挙げられる。
シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
ハロゲン基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基が挙げられる。
アルコキシ基としては、酸素原子に上記アルキル基が結合したものが挙げられるが、酸素原子の数、位置、分岐数は問わない。
式中のR〜Rの芳香族基、アルキル基、シクロアルキル基及びアミノ基が有してもよい置換基としては、アリール基、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、ニトロ基、置換アミノ基、アミド基、アシル基、カルボキシル基、アシルオキシ基、スルホ基、スルファモイル基、アルキルスルファモイル基、カルバモイル基、またはアルキルカルバモイル基が挙げられる。アルキル基としては、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、へプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基などが挙げられる。シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。ハロゲン基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基が挙げられる。アルコキシ基としては、酸素原子に上記アルキル基が結合したものが挙げられるが、酸素原子の数、位置、分岐数は問わない。またR〜Rが有しても良い置換基の数に特に制限は無く、また化合物中で異なる置換基を有することもできる。
前記式(1)で表される化合物は、例えば、非特許文献(Chemistry an Asian Journal2013, 8, 2377)によって合成することができる。下記式(3)で示される化合物とエチニル化合物とのSonogashiraカップリング反応によって、中間体下記式(4)で表される化合物が生成し、これを水酸化セシウムで処理することにより、下記式(5)で表される化合物を得ることが出来る。もしくは、非特許文献(Liq. Cry. 1987, 2, 229)に記載の方法によっても合成することが出来る。即ち下記式(6)で表される化合物と下記式(7)で表される化合物を硫酸中150℃で反応させることにより下記式(8)で表される化合物が得られる。
Figure 2017041560
Figure 2017041560
前記式(1)で表される化合物の精製方法は、特に限定されず、再結晶、カラムクロマトグラフィー、及び真空昇華精製等の公知の方法が採用できる。また、必要に応じてこれらの方法を組み合わせて用いても良い。
前記式(1)で表される有機多環芳香族化合物の具体例を下記するが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2017041560
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前記式(1)で表される有機多環芳香族化合物の精製方法は、特に限定されず、再結晶、カラムクロマトグラフィー、及び真空昇華精製等の公知の方法が採用できる。また、必要に応じてこれらの方法を組み合わせて用いても良い。
前式(1)で表される有機多環芳香族化合物を含む材料を用いて、薄膜を作製することができる。該薄膜の膜厚は、その用途によって異なるが、通常0.01nm〜10μmであり、好ましくは0.05nm〜3μmであり、より好ましくは0.1nm〜1μmである。
薄膜の形成方法は、一般的に、真空プロセスである抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング、分子積層法などの気相法、スピンコート、ドロップキャスト、ディップコート、スプレーなどの溶液法、フレキソ印刷、樹脂凸版印刷などの凸版印刷法、オフセット印刷、ドライオフセット印刷、パッド印刷などの平版印刷法、グラビア印刷法などの凹版印刷法、シルクスクリーン印刷、謄写版印刷、リソグラフ印刷などの孔版印刷法、インクジェット印刷、マイクロコンタクトプリント法、更にはこれらの手法を複数組み合わせた方法が挙げられる。
上記の中でも、真空プロセスである抵抗加熱蒸着法や、溶液プロセスであるスピンコート法、ディップコート法、インクジェット法、スクリーン印刷、凸版印刷などが好ましい。
(光電変換素子について)
次に本発明の光電変換素子(以下、「有機光電変換素子」ともいう。)について説明する。
本発明の光電変換素子は、(A)第一の電極膜と(B)第二の電極膜の対向する二つの電極膜間に、(C)光電変換部を配置した素子であって、一方の電極膜上方から光が光電変換部に入射されるものである。該光電変換部は前記の入射光量に応じて電子と正孔を発生するものであり、半導体により前記電荷に応じた信号が読み出され、光電変換膜部の吸収波長に応じた入射光量を示す素子である。下部の電極膜には読み出しのためのトランジスタが接続される場合もある。該光電変換素子は、アレイ上に多数配置されていた場合は、入射光量に加え、入射位置情報を示すため、撮像素子となる。また、光の入射に関して、後部に存在する電極を含んだ光電変換素子が、より前部に存在する光電変換素子によって、吸収波長を邪魔されない場合は、複数の光電変換素子が積層していても良い。さらには、前述の複数の光電変換素子がそれぞれ異なる可視光を吸収する場合は多色の撮像素子となり、フルカラーフォトダイオードとなる。
本発明の光電変換素子は上記(C)光電変換部を構成する材料に用いることができる。
また、(C)光電変換部は、(c−1)光電変換層と、(c−2)キャリア輸送層(電子輸送層、正孔輸送層)、キャリアブロック層(電子ブロック層、正孔ブロック層)、結晶化防止層及び層間接触改良層等からなる群より選択される一種又は複数種の光電変換層以外の有機薄膜層から構成されてもよい。本発明の光電変換素子は前記式(1)で表される有機多環芳香族化合物を(c−1)光電変換層及び(c−2)光電変換層以外の有機薄膜層のいずれにも用いることができるが、(c−2)光電変換層以外の有機薄膜層に用いることが好ましい。キャリア輸送層及びキャリアブロック層に用いることがより好ましい
さらに、(D)正孔蓄積部を有する薄膜トランジスタ及び(E)該薄膜トランジスタ内に蓄積された電荷に応じた信号を読み取る信号読み取り部を有してもよい。さらに、前記正孔蓄積部を有する薄膜トランジスタが、更に(d)正孔蓄積部と第一の電極膜及び第二の電極膜のいずれか一方とを電気的に接続する接続部を有してもよい。
図1に本発明の光電変換素子の代表的な素子構造を詳細に説明するが、本発明はこれらの構造には限定されるものではない。図1の態様例においては、11が絶縁部、12が一方の電極膜(第一の電極膜又は第二の電極膜)、13が電子ブロック層、14が光電変換層、15が正孔ブロック層、16が他方の電極膜(第二の電極膜又は第一の電極膜)、17が絶縁基材、もしくは積層された光電変換素子をそれぞれ表す。読み出しのトランジスタ(D)(図中には未記載)は、12又は16いずれかの電極膜と接続されていればよく、例えば、光電変換層が透明であれば、光が入射する側とは反対側の電極膜の外側(電極膜12の上側、又は電極膜16の下側)に成膜されていてもよい。光電変換素子を構成する光電変換層以外の薄膜層(電子ブロック層や正孔ブロック層等)が光電変換層の吸収波長を極度に遮蔽しないものであれば、光が入射する方向は上部(図1における絶縁部11側)または下部(図1における絶縁基板17側)のいずれでもよい。
本発明の光電変換素子が有する(C)光電変換部は、少なくとも(c−1)光電変換層及び(c−2)光電変換層以外の有機薄膜層を含んでなる。
(C)光電変換部を構成する(c−1)光電変換層には一般的に有機半導体膜が用いられるが、その有機半導体膜は一層、もしくは複数の層であっても良く、一層の場合は、P型有機半導体膜、N型有機半導体膜、又はそれらの混合膜(バルクヘテロ構造)が用いられる。一方、複数の層である場合は、2−10層程度であり、P型有機半導体膜、N型有機半導体膜、又はそれらの混合膜(バルクヘテロ構造)のいずれかを積層した構造であり、層間にバッファ層が挿入されていても良い。
有機半導体膜には、吸収する波長帯に応じ、トリアリールアミン化合物、ベンジジン化合物、ピラゾリン化合物、スチリルアミン化合物、ヒドラゾン化合物、トリフェニルメタン化合物、カルバゾール化合物、ポリシラン化合物、チオフェン化合物、フタロシアニン化合物、シアニン化合物、メロシアニン化合物、オキソノール化合物、ポリアミン化合物、インドール化合物、ピロール化合物、ピラゾール化合物、ポリアリーレン化合物、カルバゾール誘導体、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、フェナントレン誘導体、フェニルブタジエン誘導体、スチリル誘導体、キノリン誘導体、テトラセン誘導体、ピレン誘導体、ペリレン誘導体、フルオランテン誘導体、キナクリドン誘導体、クマリン誘導体、ポルフィリン誘導体や燐光性金属錯体(Ir錯体、Pt錯体、Eu錯体など)等を用いることができる。
本発明の光電変換素子において、(C)光電変換部を構成する(c−2)光電変換層以外の有機薄膜層は、(c−1)光電変換層以外の何れの薄膜層、例えば、電子輸送層、正孔輸送層、電子ブロック層、正孔ブロック層、結晶化防止層又は層間接触改良層等としても用いられるができるが、特に電子輸送層、正孔輸送層、電子ブロック層及び正孔ブロック層からなる群より選択される一種以上の薄膜層として用いることにより、弱い光エネルギーでも効率よく電気信号に変換する素子が得られるため好ましい。
電子輸送層は、(c−1)光電変換層で発生した電子を(A)第一の電極膜又は(B)第二の電極膜へ輸送する役割と、電子輸送先の電極膜から光電変換層に正孔が移動するのをブロックする役割とを果たす。
正孔輸送層は、発生した正孔を光電変換層から(A)第一の電極膜又は(B)第二の電極膜へ輸送する役割と、正孔輸送先の電極膜から光電変換層に電子が移動するのをブロックする役割とを果たす。
電子ブロック層は、(A)第一の電極膜又は第二の電極膜から光電変換層への電子の移動を妨げ、光電変換層内での再結合を防ぎ、暗電流を低減する役割を果たす。
正孔ブロック層は、(A)第一の電極膜又は第二の電極膜から光電変換層への正孔の移動を妨げ、光電変換層内での再結合を防ぎ、暗電流を低減する機能を有する。
正孔ブロック層は正孔阻止性物質を単独又は二種類以上積層、または混合することにより形成される。正孔阻止性物質としては、正孔が電極から素子外部に流出するのを阻止することができる化合物であれば特に限定されず、例えばバソフェナントロリン及びバソキュプロイン等のフェナントロリン誘導体、シロール誘導体、キノリノール誘導体金属錯体、オキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、キノリン誘導体などが用いられる。
これらのうち、上記一般式(1)で表される化合物を含んでなる(c−2)光電変換層以外の有機薄膜層は、特に正孔ブロック層として好適に用いることが出来る。リーク電流を防止するためには正孔ブロック層の膜厚は厚い方が良いが、光入射時の信号読み出しの際に充分な電流量を得るためには膜厚はなるべく薄い方が良い。これら相反する特性を両立するために、一般的には(c−1)及び(c−2)を含んでなる(C)光電変換部の膜厚が5乃至500nm程度であることが好ましい。
また、正孔ブロック層及び電子ブロック層は、光電変換層の光吸収を妨げないために、光電変換層の吸収波長の透過率が高いことが好ましく、また薄膜で用いることが好ましい。
本発明の光電変換素子が有する(A)第一の電極膜及び(B)第二の電極膜は、(C)光電変換部に含まれる(c−1)光電変換層が正孔輸送性を有する場合や、(c−2)光電変換層以外の有機薄膜層(以下、光電変換層以外の有機薄膜層を、単に「(c−2))有機薄膜層」とも表記する)が正孔輸送性を有する正孔輸送層である場合は、該(c−1)光電変換層や該(c−2)有機薄膜層から正孔を取り出してこれを捕集する役割を果たし、また(C)光電変換部に含まれる(c−1)光電変換層が電子輸送性を有する場合や、(c−2)有機薄膜層が電子輸送性を有する電子輸送層である場合は、該(c−1)光電変換層や該(c−2)有機薄膜層から電子を取り出してこれを吐出する役割を果たすものである。
よって、(A)第一の電極膜及び(B)第二の電極膜として用い得る材料は、ある程度の導電性を有するものであれば特に限定されないが、隣接する(c−1)光電変換層や(c−2)有機薄膜層との密着性や電子親和力、イオン化ポテンシャル、安定性等を考慮して選択することが好ましい。
(A)第一の電極膜及び(B)第二電極膜に用いる材料の導電性も光電変換素子の受光を必要以上に妨げないものであれば限定されないが、素子の信号強度や、消費電力の観点からは低抵抗であることが好ましい。例えばシート抵抗値が300Ω/□以下のITO基板であれば素子電極として機能するが、数Ω/□程度の基板の供給も可能になっていることから、低抵抗品を使用することが望ましい。ITOの厚みは抵抗値に合わせて任意に選ぶ事ができるが、通常5〜500nm、好ましくは10〜300nmの間で用いられる。ITOなどの膜形成方法としては、蒸着法、電子線ビーム法、スパッタリング法、化学反応法、塗布法などが挙げられる。必要に応じUV−オゾン処理、プラズマ処理などを施すことができる。
(A)第一の電極膜及び(B)第二の電極膜のうち、少なくとも光が入射する側の何れか一方に用いられる透明電極膜の材料として特に好ましいのは、ITO、IZO、SnO、ATO(アンチモンドープ酸化スズ)、ZnO、AZO(Alドープ酸化亜鉛)、GZO(ガリウムドープ酸化亜鉛)、TiO、FTO(フッ素ドープ酸化スズ)のいずれかの材料である。透明電極膜の光透過率は、その透明電極膜を含む光電変換部に含まれる光電変換膜の吸収ピーク波長において、60%以上が好ましく、より好ましくは80%以上で、より好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上である。
また、光電変換層を複数積層する場合、積層膜内部の電極はそれぞれの光電変換膜が検出する光以外の波長の光を透過させる必要があり、吸収光に対し、好ましくは90%、さらに好ましくは95%以上の光を透過する材料を用いる事が好ましい。
電極膜はプラズマフリーで作製することが好ましい。プラズマフリーで電極膜を作成することで、プラズマが基板に与える影響を少なくすることができ、光電変換特性を良好にすることができる。ここで、プラズマフリーとは、電極膜の成膜中にプラズマが発生しないか、またはプラズマ発生源から基体までの距離が2cm以上、好ましくは10cm以上、更に好ましくは20cm以上であり、基体に到達するプラズマが減ずるような状態を意味する。
電極膜の成膜中にプラズマが発生しない装置としては、例えば、電子線蒸着装置(EB蒸着装置)やパルスレーザー蒸着装置がある。以下では、EB蒸着装置を用いて透明電極膜の成膜を行う方法をEB蒸着法と言い、パルスレーザー蒸着装置を用いて透明電極膜の成膜を行う方法をパルスレーザー蒸着法と言う。
成膜中プラズマを減ずることが出来るような状態を実現できる装置(以下、プラズマフリーである成膜装置という)については、例えば、対向ターゲット式スパッタ装置やアークプラズマ蒸着法などが考えられる。
TCO(透明導電性酸化物)などの透明導電膜を電極膜とした場合、DC(直流)ショート、あるいはリーク電流増大が生じる場合がある。この原因の一つは、光電変換膜に導入される微細なクラックがTCOなどの緻密な膜によって被覆され、反対側の電極膜との間の導通が増すためと考えられる。そのため、Alなど膜質が比較して劣る電極の場合、リーク電流の増大は生じにくい。電極膜の膜厚を、光電変換膜の膜厚(クラックの深さ)に対して制御する事により、リーク電流の増大を大きく抑制できる。
通常、導電性膜をある範囲より薄くすると、急激な抵抗値の増加をもたらすが、本実施形態の固体撮像素子では、シート抵抗は、好ましくは100〜10000Ω/□でよく、薄膜化できる膜厚の範囲の自由度は大きい。また、透明導電性薄膜は厚みが薄いほど吸収する光の量は少なくなり、一般に光透過率が増す。光透過率の増加は、光電変換膜での光吸収を増大させ、光電変換能を増大させるため、非常に好ましい。
次に本発明の光電変換素子の製造方法について説明する。
まず、本発明の光電変換素子用材料を真空プロセスによって成膜し有機薄膜を得る方法について説明する。真空プロセスによる成膜方法としては、前記の光電変換素子用材料をルツボや金属のボート中で真空下、加熱し、蒸発した材料を基板(基板、絶縁体層、ソース電極及びドレイン電極など)に付着(蒸着)させる方法、すなわち真空蒸着法が好ましく採用される。この際、真空度は、通常1.0×10−1Pa以下、好ましくは1.0×10−3Pa以下である。また、蒸着時の基板温度によって半導体層の特性、ひいては薄膜デバイスの特性が変化する場合があるので、注意深く基板温度を選択するのが好ましい。蒸着時の基板温度は通常、0〜200℃であり、好ましくは5〜150℃であり、より好ましくは10〜120℃であり、さらに好ましくは15〜100℃であり、特に好ましくは20〜80℃である。
また、蒸着速度は、通常0.001〜10nm/秒であり、好ましくは0.01〜1nm/秒である。
次いで溶液プロセスによって成膜し有機薄膜層を得る方法について説明する。本発明の上記一般式(1)で表される有機多環芳香族化合物を含む光電変換素子用材料を溶剤等に溶解し、さらに必要であれば添加剤などを添加した組成物を、基板に塗布する。塗布の方法としては、キャスティング、スピンコーティング、ディップコーティング、ブレードコーティング、ワイヤバーコーティング、スプレーコーティング等のコーティング法や、インクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、凸版印刷等の印刷法、マイクロコンタクトプリンティング法等のソフトリソグラフィーの手法等、さらにはこれらの手法を複数組み合わせた方法が挙げられる。
更に、塗布方法に類似した方法として水面上に上記のインクを滴下することにより作製した有機光電変換素子用材料の単分子膜を基板に移し積層するラングミュアプロジェクト法、液晶や融液状態の材料を2枚の基板で挟んで毛管現象で基板間に導入する方法等も採用できる。
製膜時における基板や組成物の温度などの環境も重要で、基板や組成物の温度によってデバイスの特性が変化する場合があるので、注意深く基板及び組成物の温度を選択するのが好ましい。基板温度は通常、0〜200℃であり、好ましくは10〜120℃であり、より好ましくは15〜100℃である。用いる組成物中の溶剤などに大きく依存するため、注意が必要である。
この方法により作製される有機薄膜層の膜厚は、機能を損なわない範囲で、薄い方が好ましい。膜厚が厚くなると漏れ電流が大きくなる懸念がある。
このように形成された有機薄膜層は、後処理によりさらに特性を改良することが可能である。例えば、熱処理により、成膜時に生じた膜中の歪みが緩和されること、ピンホール等が低減されること、膜中の配列・配向が制御できると考えられていること等の理由により、有機半導体特性の向上や安定化を図ることができる。本発明の撮像素子用光電変換素子の作成時には、この熱処理を行うことが特性の向上の為には効果的である。該熱処理は半導体層を形成した後に基板を加熱することによって行う。熱処理の温度は特に制限は無いが、通常、室温から150℃で、好ましくは40〜120℃、さらに好ましくは45〜100℃である。この時の熱処理時間については特に制限は無いが、通常10秒から24時間、好ましくは30秒〜3時間程度である。その時の雰囲気は大気中でもよいが、窒素やアルゴンなどの不活性雰囲気下でもよい。
また、その他の有機薄膜層の後処理方法として、酸素や水素等の酸化性あるいは還元性の気体や、酸化性あるいは還元性の液体などと処理することにより、酸化あるいは還元による特性変化を誘起することもできる。これは例えば膜中のキャリア密度の増加あるいは減少の目的で利用することが多い。
本発明の光電変換素子における(c−1)光電変換層及び(c−2)光電変換層以外の有機薄膜の形成方法は、一般的に、真空プロセスである抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング、分子積層法、溶液プロセスであるキャスティング、スピンコーティング、ディップコーティング、ブレードコーティング、ワイヤバーコーティング、スプレーコーティング等のコーティング法や、インクジェット印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、凸版印刷等の印刷法、マイクロコンタクトプリンティング法等のソフトリソグラフィーの手法等、さらにはこれらの手法を複数組み合わせた方法を採用しうる。各層の厚みは、それぞれの物質の抵抗値・電荷移動度にもよるので限定することはできないが、0.5〜5000nmの間から選ばれる。好ましくは1〜1000nm、より好ましくは5〜500nmである。
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。実施例中、部は特に指定しない限り質量部を、%は質量%を、化合物No.は上記の具体例に記載の化合物にそれぞれ対応する。また反応温度は、特に断りのない限り反応系内の内温を記載した。また、実施例又は比較例中の電流電圧の印加測定は、特に指定しない限り、半導体パラメータアナライザ4200−SCS(ケースレーインスツルメンツ社)を用いて行った。入射光の照射は、特に指定しない限り、PVL−3300(朝日分光株式会社)を用い、照射光波長550nm、照射光半値幅20nmにて行った。
(実施例1)
2,5,8−トリフェニルベンゾ[1,2−b:3,4−b’:5,6−b’’]トリフラン(化合物(109))
窒素雰囲気下、フラスコに1,2,3−トリアセトキシ−2,4,6−トリヨードベンゼン(3.0mmol)とエチニルベンゼン(13.5 mmol)を加え、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム58mg(0.05mmol)と、ジイソプロピルアミン(27mmol)、ヨウ化銅(0.35mmol)、テトラヒドロフラン(20ml)を加え、還流下、24時間撹拌した。反応混合物を氷水にあけ、塩酸で酸性化後、有機層を酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を水酸化ナトリウム水溶液で抽出したのち、塩酸により中性化し、酢酸エチルにて再度抽出した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥濾過した後、析出した固体を濾別した。ついで、ヘキサンと酢酸エチルを展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分離精製の後、得られた固体(300mg)に水酸化ナトリウム(77mg)、テトラヒドロフラン(10ml)、メタノール(10ml)、水(10ml)を加え、80℃で12時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、水(30ml)を加え、析出した固体を濾別乾燥後、減圧下昇華精製することによって、2,5,8−トリフェニルベンゾ[1,2−b:3,4−b’:5,6−b’’]トリフラン(86mg)を得た。得られた化合物の1H−NMRスペクトルは非特許文献(Chemistry an Asian Journal 2013, 8, 2377)のスペクトルと一致した。
(実施例2)
2、3,5,6,8,9−ヘキサフェニルベンゾ[1,2−b:3,4−b’:5,6−b’’]、トリフラン(化合物(401))
フラスコにフロログルシノール二水和物(4.627g)とベンゾイン(35g)を入れ、180℃に加熱し、酸化ホウ素(5g)をゆっくり加え、一時間撹拌した。反応混合物を粉砕した後、クロロホルムと水を加え、濾過した。濾物にエタノール(200ml)を加え、3時間の還流洗浄を2度行った。得られた無色粉体をクロロホルムによるソックスレー抽出により精製を行い、次いで減圧下昇華精製することによって、2,3,5,6,8,9−ヘキサフェニルベンゾ[1,2−b:3,4−b’:5,6−b’’]トリフラン(4.25g)を得た。得られた化合物のEI−MSの測定結果を以下に示す。
EI−MS m/z=654(M
(実施例3)
撮像素子用光電変換素子の作製およびその評価
ITO透明導電ガラス(ジオマテック株式会社製、ITO膜厚150nm)に、上記実施例1で得た2,5,8−トリフェニルベンゾ[1,2−b:3,4−b’:5,6−b’’]トリフランを、抵抗加熱真空蒸着により50nm成膜した。次に光電変換層として、キナクリドンを100nm真空成膜した。その上に電極として、アルミニウムを100nm真空成膜し、本発明の撮像素子用光電変換素子を作製した。ITOとアルミニウムを電極として、アルミニウム側に5Vの電圧を印加した際の、暗所での電流と光照射時の電流の比は6.8x10であった。
(実施例4)
撮像素子用光電変換素子の作製およびその評価
ITO透明導電ガラス(ジオマテック株式会社製、ITO膜厚150nm)に、上記実施例2で得た2,3,5,6,8,9−ヘキサフェニルベンゾ[1,2−b:3,4−b’:5,6−b’’]トリフランを、抵抗加熱真空蒸着により50nm成膜した。次に光電変換層として、キナクリドンを100nm真空成膜した。その上に電極として、アルミニウムを100nm真空成膜し、本発明の撮像素子用光電変換素子を作製した。ITOとアルミニウムを電極として、アルミニウム側に5Vの電圧を印加した際の、暗所での電流と光照射時の電流の比は1.3x10であった。
(比較例1)
撮像素子用光電変換素子の作製およびその評価
ITO透明導電ガラス(ジオマテック株式会社製、ITO膜厚150nm)に、光電変換層としてキナクリドンを100nm真空成膜した。その上に電極として、アルミニウムを100nm真空成膜し、比較用の撮像素子用光電変換素子を作製した。ITOとアルミニウムを電極として、アルミニウム側に5Vの電圧を印加した際の、暗所での電流と光照射時の電流の比は1.2x10であった。
(比較例2)
撮像素子用光電変換素子の作製およびその評価
ITO透明導電ガラス(ジオマテック株式会社製、ITO膜厚150nm)に、トリス(8−キノリノラト)アルミニウムを、正孔ブロック層として、抵抗加熱真空蒸着により50nm成膜した。次に光電変換層として、キナクリドンを100nm真空成膜した。その上に電極として、アルミニウムを100nm真空成膜し、比較用の撮像素子用光電変換素子を作製した。ITOとアルミニウムを電極として、アルミニウム側に5Vの電圧を印加した際の、暗所での電流と光照射時の電流の比は4.3x10であった。
上記の実施例からも明らかなように、本発明の光電変換素子は、半導体特性を示し、更に良好な暗電流防止特性を示したことから、有機光電変換素子として有用であることがわかる。また、本発明の撮像素子用光電変換素子は、きわめて高いリーク電流抑止効果を有し、また光入射時のオン電流の阻害を起こさないことから、低電圧かつ低電流の、低消費電力型有機エレクトロニクスデバイスとして有用である。
本発明の撮像素子用光電変換素子用材料として有用である。特に、本発明の有機多環芳香族化合物は有機エレクトロニクスデバイス用の材料として効果的に用いられる。このため、本発明は産業上の利用可能性が高い。
11 絶縁部
12 上部電極
13 電子ブロック層
14 光電変換部
15 正孔ブロック層
16 下部電極
17 絶縁基材、もしくは他光電変換素子

Claims (8)

  1. 下記式(1)で表される有機多環芳香族化合物を含む光電変換素子。
    Figure 2017041560
    (式(1)中、R〜Rはそれぞれ水素原子、置換又は無置換の芳香族基、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、ニトロ基、置換アミノ基、アミド基、アシル基、カルボキシル基、アシルオキシ基、シアノ基、スルホ基、スルファモイル基、アルキルスルファモイル基、カルバモイル基、またはアルキルカルバモイル基を表す。)
  2. 前記式(1)で表される有機多環芳香族化合物をキャリアブロック層に用いた請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記式(1)で表される有機多環芳香族化合物をキャリア輸送層に用いた請求項1に記載の光電変換素子。
  4. 前記式(1)で表される有機多環芳香族化合物を光電変換層に用いた請求項1に記載の光電変換素子。
  5. 請求項1及至4に記載の光電変換素子を含む撮像素子。
  6. 請求項1及至4に記載の光電変換素子を複数アレイ状に配置した撮像素子。
  7. 請求項1及至4に記載の光電変換素子を用いた光センサー。
  8. 下記一般式(1)で表される有機多環芳香族化合物を含む光電変換素子用材料。
    Figure 2017041560
    (式(1)中、R〜Rはそれぞれ水素原子、置換又は無置換の芳香族基、置換又は無置換のアルキル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、ハロゲン基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、ニトロ基、置換アミノ基、アミド基、アシル基、カルボキシル基、アシルオキシ基、シアノ基、スルホ基、スルファモイル基、アルキルスルファモイル基、カルバモイル基、またはアルキルカルバモイル基を表す。)

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