JP2017041560A - 光電変換素子、撮像素子、光センサー及び光電変換素子用材料 - Google Patents
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- Y02E10/50—Photovoltaic [PV] energy
- Y02E10/549—Organic PV cells
Abstract
Description
[1] 下記式(1)で表される有機多環芳香族化合物を含む光電変換素子。
[2]前記式(1)で表される有機多環芳香族化合物をキャリアブロック層に用いた前項[1]に記載の光電変換素子。
[3]前記式(1)で表される有機多環芳香族化合物をキャリア輸送層に用いた前項[1]に記載の光電変換素子。
[4]前記式(1)で表される有機多環芳香族化合物を光電変換層に用いた前項[1]に記載の光電変換素子。
[5]前項[1]〜[4]に記載の光電変換素子を含む撮像素子。
[6]前項[1]〜[4]に記載の光電変換素子を複数アレイ状に配置した撮像素子。
[7]前項[1]〜[4]に記載の光電変換素子を用いた光センサー。
[8]下記一般式(1)で表される有機多環芳香族化合物を含む光電変換素子用材料。
本発明の光電変換素子に用いられる下記式(1)で表される有機多環芳香族化合物について説明する。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、iso−ペンチル基、t−ペンチル基、sec−ペンチル基、n−ヘキシル基、iso−ヘキシル基、n−ヘプチル基、sec−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、sec−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、n−ノナデシル基、n−エイコシル基、ドコシル基、n−ペンタコシル基、n−オクタコシル基、n−トリコンチル基、5−(n−ペンチル)デシル基、ヘネイコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、ノナコシル基、n−トリアコンチル基、スクアリル基、ドトリアコンチル基及びヘキサトリアコンチル等の炭素数1乃至36のアルキル基が挙げられる。
シクロアルキル基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられる。
ハロゲン基としては、フルオロ基、クロロ基、ブロモ基、ヨード基が挙げられる。
アルコキシ基としては、酸素原子に上記アルキル基が結合したものが挙げられるが、酸素原子の数、位置、分岐数は問わない。
薄膜の形成方法は、一般的に、真空プロセスである抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング、分子積層法などの気相法、スピンコート、ドロップキャスト、ディップコート、スプレーなどの溶液法、フレキソ印刷、樹脂凸版印刷などの凸版印刷法、オフセット印刷、ドライオフセット印刷、パッド印刷などの平版印刷法、グラビア印刷法などの凹版印刷法、シルクスクリーン印刷、謄写版印刷、リソグラフ印刷などの孔版印刷法、インクジェット印刷、マイクロコンタクトプリント法、更にはこれらの手法を複数組み合わせた方法が挙げられる。
上記の中でも、真空プロセスである抵抗加熱蒸着法や、溶液プロセスであるスピンコート法、ディップコート法、インクジェット法、スクリーン印刷、凸版印刷などが好ましい。
次に本発明の光電変換素子(以下、「有機光電変換素子」ともいう。)について説明する。
本発明の光電変換素子は、(A)第一の電極膜と(B)第二の電極膜の対向する二つの電極膜間に、(C)光電変換部を配置した素子であって、一方の電極膜上方から光が光電変換部に入射されるものである。該光電変換部は前記の入射光量に応じて電子と正孔を発生するものであり、半導体により前記電荷に応じた信号が読み出され、光電変換膜部の吸収波長に応じた入射光量を示す素子である。下部の電極膜には読み出しのためのトランジスタが接続される場合もある。該光電変換素子は、アレイ上に多数配置されていた場合は、入射光量に加え、入射位置情報を示すため、撮像素子となる。また、光の入射に関して、後部に存在する電極を含んだ光電変換素子が、より前部に存在する光電変換素子によって、吸収波長を邪魔されない場合は、複数の光電変換素子が積層していても良い。さらには、前述の複数の光電変換素子がそれぞれ異なる可視光を吸収する場合は多色の撮像素子となり、フルカラーフォトダイオードとなる。
本発明の光電変換素子は上記(C)光電変換部を構成する材料に用いることができる。
(C)光電変換部を構成する(c−1)光電変換層には一般的に有機半導体膜が用いられるが、その有機半導体膜は一層、もしくは複数の層であっても良く、一層の場合は、P型有機半導体膜、N型有機半導体膜、又はそれらの混合膜(バルクヘテロ構造)が用いられる。一方、複数の層である場合は、2−10層程度であり、P型有機半導体膜、N型有機半導体膜、又はそれらの混合膜(バルクヘテロ構造)のいずれかを積層した構造であり、層間にバッファ層が挿入されていても良い。
正孔輸送層は、発生した正孔を光電変換層から(A)第一の電極膜又は(B)第二の電極膜へ輸送する役割と、正孔輸送先の電極膜から光電変換層に電子が移動するのをブロックする役割とを果たす。
電子ブロック層は、(A)第一の電極膜又は第二の電極膜から光電変換層への電子の移動を妨げ、光電変換層内での再結合を防ぎ、暗電流を低減する役割を果たす。
正孔ブロック層は、(A)第一の電極膜又は第二の電極膜から光電変換層への正孔の移動を妨げ、光電変換層内での再結合を防ぎ、暗電流を低減する機能を有する。
正孔ブロック層は正孔阻止性物質を単独又は二種類以上積層、または混合することにより形成される。正孔阻止性物質としては、正孔が電極から素子外部に流出するのを阻止することができる化合物であれば特に限定されず、例えばバソフェナントロリン及びバソキュプロイン等のフェナントロリン誘導体、シロール誘導体、キノリノール誘導体金属錯体、オキサジアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、キノリン誘導体などが用いられる。
また、正孔ブロック層及び電子ブロック層は、光電変換層の光吸収を妨げないために、光電変換層の吸収波長の透過率が高いことが好ましく、また薄膜で用いることが好ましい。
よって、(A)第一の電極膜及び(B)第二の電極膜として用い得る材料は、ある程度の導電性を有するものであれば特に限定されないが、隣接する(c−1)光電変換層や(c−2)有機薄膜層との密着性や電子親和力、イオン化ポテンシャル、安定性等を考慮して選択することが好ましい。
まず、本発明の光電変換素子用材料を真空プロセスによって成膜し有機薄膜を得る方法について説明する。真空プロセスによる成膜方法としては、前記の光電変換素子用材料をルツボや金属のボート中で真空下、加熱し、蒸発した材料を基板(基板、絶縁体層、ソース電極及びドレイン電極など)に付着(蒸着)させる方法、すなわち真空蒸着法が好ましく採用される。この際、真空度は、通常1.0×10−1Pa以下、好ましくは1.0×10−3Pa以下である。また、蒸着時の基板温度によって半導体層の特性、ひいては薄膜デバイスの特性が変化する場合があるので、注意深く基板温度を選択するのが好ましい。蒸着時の基板温度は通常、0〜200℃であり、好ましくは5〜150℃であり、より好ましくは10〜120℃であり、さらに好ましくは15〜100℃であり、特に好ましくは20〜80℃である。
2,5,8−トリフェニルベンゾ[1,2−b:3,4−b’:5,6−b’’]トリフラン(化合物(109))
窒素雰囲気下、フラスコに1,2,3−トリアセトキシ−2,4,6−トリヨードベンゼン(3.0mmol)とエチニルベンゼン(13.5 mmol)を加え、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム58mg(0.05mmol)と、ジイソプロピルアミン(27mmol)、ヨウ化銅(0.35mmol)、テトラヒドロフラン(20ml)を加え、還流下、24時間撹拌した。反応混合物を氷水にあけ、塩酸で酸性化後、有機層を酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を水酸化ナトリウム水溶液で抽出したのち、塩酸により中性化し、酢酸エチルにて再度抽出した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥濾過した後、析出した固体を濾別した。ついで、ヘキサンと酢酸エチルを展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより分離精製の後、得られた固体(300mg)に水酸化ナトリウム(77mg)、テトラヒドロフラン(10ml)、メタノール(10ml)、水(10ml)を加え、80℃で12時間撹拌した。反応混合物を室温まで冷却した後、水(30ml)を加え、析出した固体を濾別乾燥後、減圧下昇華精製することによって、2,5,8−トリフェニルベンゾ[1,2−b:3,4−b’:5,6−b’’]トリフラン(86mg)を得た。得られた化合物の1H−NMRスペクトルは非特許文献(Chemistry an Asian Journal 2013, 8, 2377)のスペクトルと一致した。
2、3,5,6,8,9−ヘキサフェニルベンゾ[1,2−b:3,4−b’:5,6−b’’]、トリフラン(化合物(401))
フラスコにフロログルシノール二水和物(4.627g)とベンゾイン(35g)を入れ、180℃に加熱し、酸化ホウ素(5g)をゆっくり加え、一時間撹拌した。反応混合物を粉砕した後、クロロホルムと水を加え、濾過した。濾物にエタノール(200ml)を加え、3時間の還流洗浄を2度行った。得られた無色粉体をクロロホルムによるソックスレー抽出により精製を行い、次いで減圧下昇華精製することによって、2,3,5,6,8,9−ヘキサフェニルベンゾ[1,2−b:3,4−b’:5,6−b’’]トリフラン(4.25g)を得た。得られた化合物のEI−MSの測定結果を以下に示す。
EI−MS m/z=654(M+)
撮像素子用光電変換素子の作製およびその評価
ITO透明導電ガラス(ジオマテック株式会社製、ITO膜厚150nm)に、上記実施例1で得た2,5,8−トリフェニルベンゾ[1,2−b:3,4−b’:5,6−b’’]トリフランを、抵抗加熱真空蒸着により50nm成膜した。次に光電変換層として、キナクリドンを100nm真空成膜した。その上に電極として、アルミニウムを100nm真空成膜し、本発明の撮像素子用光電変換素子を作製した。ITOとアルミニウムを電極として、アルミニウム側に5Vの電圧を印加した際の、暗所での電流と光照射時の電流の比は6.8x102であった。
撮像素子用光電変換素子の作製およびその評価
ITO透明導電ガラス(ジオマテック株式会社製、ITO膜厚150nm)に、上記実施例2で得た2,3,5,6,8,9−ヘキサフェニルベンゾ[1,2−b:3,4−b’:5,6−b’’]トリフランを、抵抗加熱真空蒸着により50nm成膜した。次に光電変換層として、キナクリドンを100nm真空成膜した。その上に電極として、アルミニウムを100nm真空成膜し、本発明の撮像素子用光電変換素子を作製した。ITOとアルミニウムを電極として、アルミニウム側に5Vの電圧を印加した際の、暗所での電流と光照射時の電流の比は1.3x104であった。
撮像素子用光電変換素子の作製およびその評価
ITO透明導電ガラス(ジオマテック株式会社製、ITO膜厚150nm)に、光電変換層としてキナクリドンを100nm真空成膜した。その上に電極として、アルミニウムを100nm真空成膜し、比較用の撮像素子用光電変換素子を作製した。ITOとアルミニウムを電極として、アルミニウム側に5Vの電圧を印加した際の、暗所での電流と光照射時の電流の比は1.2x102であった。
撮像素子用光電変換素子の作製およびその評価
ITO透明導電ガラス(ジオマテック株式会社製、ITO膜厚150nm)に、トリス(8−キノリノラト)アルミニウムを、正孔ブロック層として、抵抗加熱真空蒸着により50nm成膜した。次に光電変換層として、キナクリドンを100nm真空成膜した。その上に電極として、アルミニウムを100nm真空成膜し、比較用の撮像素子用光電変換素子を作製した。ITOとアルミニウムを電極として、アルミニウム側に5Vの電圧を印加した際の、暗所での電流と光照射時の電流の比は4.3x10であった。
12 上部電極
13 電子ブロック層
14 光電変換部
15 正孔ブロック層
16 下部電極
17 絶縁基材、もしくは他光電変換素子
Claims (8)
- 前記式(1)で表される有機多環芳香族化合物をキャリアブロック層に用いた請求項1に記載の光電変換素子。
- 前記式(1)で表される有機多環芳香族化合物をキャリア輸送層に用いた請求項1に記載の光電変換素子。
- 前記式(1)で表される有機多環芳香族化合物を光電変換層に用いた請求項1に記載の光電変換素子。
- 請求項1及至4に記載の光電変換素子を含む撮像素子。
- 請求項1及至4に記載の光電変換素子を複数アレイ状に配置した撮像素子。
- 請求項1及至4に記載の光電変換素子を用いた光センサー。
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