JP2017040232A - エンジン発電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 極低温下でのブローバイガスの凍結を防止することができ、極低温下でも確実に運転を継続できるエンジン発電機を提供する。【解決手段】 ケーシング11の内部を、ラジエータ22を備えた仕切板12により、吸気口17を有するエンジンルーム13と排気口18を有する排風室14とに区画し、エンジンルーム内にエンジン15と発電機16とを収納したエンジン発電機において、ラジエータファン30の作用でラジエータを通過し、温度上昇して排風室内に流入した温風を、排風室からエンジンルーム内に導入する通気口23を仕切板に設けるとともに、通気口及び排気口を通る温風の流量を調節する風量調節手段(シャッタ18a,23a)を設ける。【選択図】 図1

Description

本発明は、エンジン発電機に関し、詳しくは、エンジンで発電機を回転駆動して発電するエンジン発電機に関する。
ディーゼルエンジンなどの内燃機関には、シリンダとピストンとの間からクランクケース内に漏れ出したブローバイガスをガス還流管を通してエンジンの吸気側、通常はエアクリーナに還流させるブローバイガス還流装置が設けられている。還流するブローバイガスは、燃焼により発生した水分を多く含んでいるため、寒冷地でガス還流管が0℃以下になると、ガス還流管内で凝縮した水分が凍結し、ガス還流管を閉塞してブローバイガスの還流が正常に行われなくなることがある。特に、ガス還流管内に圧力及び流量調節用の絞りが設けられている場合、絞りの部分に凝縮した水分やオイルなどの油分が溜まりやすいため、凍結による流路の詰まりが発生しやすかった。このため、絞り(オリフィス)を設けたソケット管を熱伝導率の低い合成樹脂製にしたり(例えば、特許文献1参照。)、ガス還流管を排気マニホールドの熱で加熱したりすることが行われている(例えば、特許文献2参照。)。
特開平9−137709号公報 特開2011−127490号公報
特許文献1,2に記載された凍結防止構造は、一般的な低温下(0〜−10℃程度)では、凍結防止効果を期待できるが、−15℃を下回るような極低温下では、エンジンルーム内に流入する冷却風によって過冷却状態になり、十分な凍結防止効果を発揮することができなかった。
そこで本発明は、極低温下でのブローバイガスの凍結を防止することができ、極低温下でも確実に運転を継続できるエンジン発電機を提供することを目的としている。
上記目的を達成するため、本発明のエンジン発電機は、ケーシングの内部を、ラジエータを備えた仕切板により、吸気口を有するエンジンルームと排気口を有する排風室とに区画し、前記エンジンルーム内にエンジンと発電機とを収納したエンジン発電機において、ラジエータファンの作用で前記ラジエータを通過し、温度上昇して前記排風室内に流入した温風を、該排風室から前記エンジンルーム内に導入する通気口を前記仕切板に設けるとともに、該通気口及び前記排気口を通る前記温風の流量を調節する風量調節手段を設けたことを特徴としている。
さらに、本発明のエンジン発電機は、前記風量調節手段が、前記エンジンルーム内の温度があらかじめ設定された高温切替温度以上のときには前記通気口を全閉状態に保持し、あらかじめ設定された低温切替温度未満のときに前記通気口を全開にすること、あるいは、前記エンジンルーム内の温度があらかじめ設定された高温切替温度以上のときには前記排気口を全開状態、前記通気口を全閉状態にそれぞれ保持し、あらかじめ設定された低温切替温度未満のときに前記通気口を全開にするとともに前記排気口を通る温風の流量を減少させることを特徴としている。
本発明のエンジン発電機によれば、エンジンルーム内の温度が低くなったときに、通気口を通して排風室内の温風をエンジンルーム内に導入してエンジンルーム内の温度を上昇させることができ、極低温下でのブローバイガスの凍結を防止できる。これにより、極低温下でもエンジン発電機の運転を確実に継続できる。
本発明のエンジン発電機の一形態例を示すもので、通常運転中の状態を示す説明図である。 同じく、エンジンルーム内保温運転中の状態を示す説明図である。
図1及び図2は、本発明のエンジン発電機を示す説明図である。このエンジン発電機は、防音構造を有する直方体形状のケーシング11の内部に仕切板12を配置し、該仕切板12によってケーシング11内をエンジンルーム13と排風室14とに区画し、エンジンルーム13内の仕切板12側にディーゼルエンジン15を配置するとともに、ケーシング11の側壁11a側に、ディーゼルエンジン15によって駆動される発電機16を配置している。
エンジンルーム13を囲む側壁11aには、外部から冷却用及び燃焼用の空気を取り入れるための吸気口17が設けられ、排風室14の天板14aには、排風室14内の温風を外部に排出するための排気口18が設けられている。また、エンジンルーム13の下部には燃料タンク19が設けられ、発電機16側の上部には、制御装置20及びエンジンルーム13内の温度を測定する温度測定手段21が設けられている。さらに、前記仕切板12の中央部には、エンジン冷却水を冷却するためのラジエータ22が設けられ、該ラジエータ22の上方には、排風室14内の温風をエンジンルーム13内に導入するための通気口23が設けられている。前記排気口18及び前記通気口23には、これらを通る温風の流量を調節する風量調節手段であるシャッタ18a,23aがそれぞれ設けられており、各シャッタ18a,23aの開閉状態は、前記温度測定手段21の測定温度に基づいて制御装置20に組み込まれた風量調節部にて制御される。
ディーゼルエンジン15は、過給器(ターボチャージャ)24を有しており、エアクリーナ25から吸気管26に吸い込まれた燃焼用空気は、過給器24で圧縮されてシリンダ内に流入し、シリンダ内に噴射される燃料と混合して燃焼し、ピストンを介してクランクシャフトを回転させる。燃焼後の排ガスは、過給器24の駆動源となった後、マフラ27を経て排気管28から外部に排出される。ディーゼルエンジン上部のクランクケースと吸気管26との間には、クランクケース内から吸気管26にブローバイガスを還流させるガス還流管29が設けられている。また、ディーゼルエンジン15の前記ラジエータ22側には、クランクシャフトに連結されたラジエータファン30が設けられている。
図1は、一般的な環境温度、例えば、−10〜40℃における通常運転中の状態を示している。この通常運転では、エンジンルーム13内の温度がブローバイガス凍結温度より高いので、排気口18のシャッタ18aは全開状態、通気口23のシャッタ23aは全閉状態に保持する。したがって、吸気口17からエンジンルーム13内に吸い込まれた外気は、一部がエンジン燃焼用に用いられる他、大部分はラジエータファン30の送風作用でラジエータ22を通り、エンジン冷却水を冷却することによって昇温し、温風となって排風室14内に流入する。排風室14内の温風は、通気口23のシャッタ23aが閉じていることから、全量が排気口18を通って外部に排出される。
図2は、外気温が−15℃を下回るような極低温下での保温運転中の状態を示している。この保温運転では、通気口23のシャッタ23aが全開状態に切り替えられ、排気口18のシャッタ18aは、全開状態のまま、あるいは、半開状態又は全閉状態に切り替えられる。通気口23のシャッタ23a及び排気口18のシャッタ18aが共に全開状態のとき、ラジエータファン30の送風作用により生じる気圧差により、すなわち、相対的に気圧が高い排風室14内の温風が、相対的に気圧が低いエンジンルーム13内に通気口23を通って導入され、吸気口17からエンジンルーム13内に吸い込まれた外気と混合することによってエンジンルーム13内の温度を適度に上昇させる。
また、排気口18のシャッタ18aが半開状態のときには、排気口18から外部に排出される温風量が制限されるため、シャッタ18aが全開状態のときに比べて多くの温風が通気口23を通ってエンジンルーム13内に導入される。したがって、通気口23から導入される温風量の増加に伴って吸気口17から吸い込む外気量が減少するので、エンジンルーム13内の温度上昇効果を高めることができる。
さらに、シャッタ18aを全閉状態にしたときには、ラジエータファン30によって排風室14内に送り込まれた温風の全量が通気口23を通ってエンジンルーム13内に循環する状態になり、吸気口17から吸い込む外気量は、燃焼用として消費される分だけとなるため、エンジンルーム13内の温度上昇効果を更に高めることができる。
両シャッタ18a,23aの開閉制御は、例えば、排気口18のシャッタ18aを全開、通気口23のシャッタ23aを全閉として通常運転を行っているときに、前記温度測定手段21で測定したエンジンルーム13内の温度が、あらかじめ設定された低温切替温度未満、例えば0℃未満となったときに、第1保温段階として排気口18のシャッタ18aを全開のまま通気口23のシャッタ23aを全開としてエンジンルーム13内の温度上昇を図り、第1保温段階での運転中に温度測定手段21の測定温度が0℃未満となったときに、第2保温段階として排気口18のシャッタ18aを半開とし、第2保温段階での運転中に温度測定手段21の測定温度が0℃未満となったときに、第3保温段階として排気口18のシャッタ18aを全閉とするような制御を行うことができる。
一方、第3保温段階で運転中にエンジンルーム13内の温度があらかじめ設定された高温切替温度、例えば20℃以上になったときに前記第2保温段階に切り替え、第2保温段階で運転中にエンジンルーム13内の温度が20℃以上になったときに前記第1保温段階に切り替え、第1保温段階で運転中にエンジンルーム13内の温度が20℃以上になったときに前記通常運転に切り替えるように制御することにより、過度の温度上昇によるオーバーヒートの発生を防止できる。
このように、排風室14とエンジンルーム13とを区画する仕切板12に、排風室14内の温風をエンジンルーム13内に導入するための通気口23を設けるとともに、排気口18及び通気口23にそれぞれ設けたシャッタ18a,23aを、エンジンルーム13内の温度に応じて開閉制御し、エンジンルーム13内を保温することにより、極低温下での運転でも、エアクリーナ25から吸気管26に吸い込む燃焼用空気の温度が低下することを防止できるとともに、ガス還流管29の周辺温度の低下も防止できるので、ガス還流管29を流れるブローバイガスが極低温下での運転中に凍結することを防止でき、極低温下でも確実に運転を継続できる。さらに、エンジンルーム13内に燃料タンク19を配置することによって燃料の凍結も防止できる。また、通気口23を閉じることにより、エンジンルーム13内の温度上昇によるオーバーヒートも防止できる。
なお、各シャッタの開閉制御は、制御装置に組み込んだ適宜な制御手段によって容易に行うことができ、モータなどの適宜な駆動手段で開閉すればよく、無段階で連続的に開閉制御することもできる。また、仕切板に設ける通気口の位置や大きさは、エンジン発電機の構造に応じて適宜に設定することができ、排気口のシャッタを省略することも可能である。さらに、切替温度は、低温側、高温側で任意に設定することができる。また、通気口のエンジンルーム側に適宜なダクトを設けることもできる。
11…ケーシング、11a…側壁、12…仕切板、13…エンジンルーム、14…排風室、14a…天板、15…ディーゼルエンジン、16…発電機、17…吸気口、18…排気口、18a…シャッタ、19…燃料タンク、20…制御装置、21…温度測定手段、22…ラジエータ、23…通気口、23a…シャッタ、24…過給器、25…エアクリーナ、26…吸気管、27…マフラ、28…排気管、29…ガス還流管、30…ラジエータファン

Claims (3)

  1. ケーシングの内部を、ラジエータを備えた仕切板により、吸気口を有するエンジンルームと排気口を有する排風室とに区画し、前記エンジンルーム内にエンジンと発電機とを収納したエンジン発電機において、ラジエータファンの作用で前記ラジエータを通過し、温度上昇して前記排風室内に流入した温風を、該排風室から前記エンジンルーム内に導入する通気口を前記仕切板に設けるとともに、該通気口及び前記排気口を通る前記温風の流量を調節する風量調節手段を設けたことを特徴とするエンジン発電機。
  2. 前記風量調節手段は、前記エンジンルーム内の温度があらかじめ設定された高温切替温度以上のときには前記通気口を全閉状態に保持し、あらかじめ設定された低温切替温度未満のときに前記通気口を全開にすることを特徴とする請求項1記載のエンジン発電機。
  3. 前記風量調節手段は、前記エンジンルーム内の温度があらかじめ設定された高温切替温度以上のときには前記排気口を全開状態、前記通気口を全閉状態にそれぞれ保持し、あらかじめ設定された低温切替温度未満のときに前記通気口を全開にするとともに前記排気口を通る温風の流量を減少させることを特徴とする請求項1記載のエンジン発電機。
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