JP2017040227A - ベーン型圧縮機 - Google Patents

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美男 廣田
Yoshio Hirota
美男 廣田
幸男 吉田
Yukio Yoshida
幸男 吉田
高橋 知靖
Tomoyasu Takahashi
知靖 高橋
大沢 仁
Hitoshi Osawa
仁 大沢
孝明 中村
Takaaki Nakamura
孝明 中村
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Abstract

【課題】背圧室の内周面の構成を変更することにより、ロータの破損を防止しつつ、ベーンの下端部の肩部が背圧室の内周面の凹状円弧状の面に乗り上げ難くし、ロータの外周面から突出したベーンによってロータの回転が規制されるのを防止したベーン型圧縮機を提供する。【解決手段】背圧室10の内周面101のうちの一対の側面101a、101bは、凹状円弧曲面とし、背圧室10の一対の側面101a、101bに連なる背圧室10の底面101cは、平坦状にする。これにより、ベーン6と背圧室10の内周面101との間に空隙Dが形成され、下端部61の肩部K1、K2が背圧室10の側面101a、101bに乗り上げ難くなると共に、背圧室10の側面101a、101bと底面101cとが接した部分に応力が集中することも抑制される。【選択図】図4

Description

この発明は、例えば冷媒を作動流体とする冷凍サイクルに適したベーン型圧縮機、特にベーン型圧縮機のベーン溝の背圧室の内周面及びベーンの進退移動方向の下端部の構成に関する。
ベーン型圧縮機は、例えば特許文献1に示されるように、両側がサイドブロック等で閉塞されたシリンダと、前記シリンダ内に回転可能に収容された、断面が真円状のロータと、前記ロータの外周面から径方向内側に向けて形成されたベーン溝と、前記ベーン溝に進退移動可能に収容されたベーンとを有する。そして、前記ロータの回転による遠心力および前記ベーン溝の底部に設けられた背圧室からの背圧によって前記ベーンを前記シリンダの内周面に接触摺動させる構造となっている。
更に、特許文献1に示されるベーン型圧縮機では、ベーンの端面と背圧室の底面とが面接触するのを回避するために、背圧室の底面を平坦な面とする一方で、ベーンの下端部の背圧室の底面と対峙する当接面を凸状円弧面に形成し、ベーンの下端部の当接面と背圧室の底面とが線接触するようにすることを提案している。
一方で、ベーン型圧縮機のロータの素材は、例えば、特許文献2の図3に示されるように例えば鍛造により形成される。鍛造により形成されたロータの素材には、背圧室を含むベーン溝やシャフトを挿通させる貫通孔等が予め形成されている。このように鍛造や鋳造により成形されたロータ素材からロータの完成品を形成する際には、ベーンと摺動し、寸法精度が要求されるベーン溝には研磨加工が施される一方、他部材との間で摺動したり嵌合したりしない部位である背圧室には加工は行われない。
実開昭58−163693号公報 特開平11−230068号公報
特許文献1に示される背圧室は、当該特許文献1の図2及び図3に示されるように、底面とこの底面に連なる側面とが略直交するかたちで接した構成となっている。このため、特許文献1に示される背圧室の構成では、背圧室の底面と側面とが交差する角部に応力が集中し、ロータが破損しやすくなるという不具合を有する。
一方で、特許文献1に示されるベーン型圧縮機のロータが、特許文献2に示されるように、鍛造により成形された素材から形成される場合、ロータのベーン溝は研磨により高精度に仕上げられる一方で、ベーン溝の底部に設けられた背圧室は、鍛造によって成形された形状がそのまま残されることとなる。このため、ベーン溝を研磨加工する際に、背圧室との位置関係にズレが生じ、ベーンが摺動するベーン溝の中心と背圧室の中心とがずれることが考えられる。
ベーンが摺動するベーン溝の中心と背圧室の中心とがずれると、ベーンがベーン溝の最も奥まで進入したときであっても、ベーンの下端部の凸状円弧面の中心と、ベーン溝のベーン厚み方向の中心とが一致しなくなる。このため、図5に示されるように、背圧室10の内周面101全体が凹状円弧面をなす場合には、ベーン6の下端部61の肩部K1、K2がベーン溝5の底部に設けられた背圧室10の側方の円弧面に乗り上げることとなる。従って、ベーン6の下端部61がベーン溝5の最深位置まで進入できず、ベーン6の上端部がロータ4の外周面からはみだしてしまい、ベーン6がシリンダ8aの内周面と干渉してロータ4の回転不能を招くおそれがある。
そこで、本発明は、背圧室の内周面の構成を変更することにより、背圧室の底面と側面とが交差する角部に応力が集中することでロータが破損するのを防止しつつ、ベーンの下端部の肩部が背圧室の内周面の凹状円弧状の面に乗り上げ難くし、ロータの外周面から突出したベーンによってロータの回転が規制されるのを防止したベーン型圧縮機を提供することを目的としている。
この発明に係るベーン型圧縮機は、両側がサイドブロック部材により閉塞されたシリンダと、このシリンダ内に回転可能に設けられたロータと、このロータの外周面から径方向内側に向けて形成されたベーン溝と、このベーン溝に進退移動可能に収容されるベーンとを有し、前記ロータの回転に伴って前記ベーンの一端部を前記シリンダの内周面に接触摺動させるベーン型圧縮機において、前記ベーン溝の底部には背圧室が形成され、前記背圧室の内周面のうちの一対の側面は凹状円弧面であり、前記背圧室の一対の側面に連なる前記背圧室の底面は平坦状になっていることを特徴としている(請求項1)。
これにより、ベーン溝のベーンの厚さ方向に沿った中心と背圧室の中心とにベーンの厚さ方向に沿ってずれが生じても、ベーンの下端部が背圧室の底面に当接したとき、底面が平坦状となっているので、背圧室の側面が凹状円弧面であっても、ベーンの厚さ方向両側において背圧室の側面との間に空隙が形成される。このため、背圧室の内周面が凹状円弧状の面を有していても、ベーンが最もベーン溝内に入り込むときに、ベーンの下端部の肩部は、この背圧室の凹状円弧状の面に乗り上げ難くなる。従って、ベーンの上端部がロータの外周面から突出し、シリンダの内周面と干渉してロータの回転を阻害するという不具合を防止することができる。
しかも、背圧室の側面の双方は、凹状円弧面となって、背圧室の底面に連なっているので、背圧室の側面と底面とが接した部分に応力が集中することも抑制される。
請求項2に記載の発明に係るベーン型圧縮機では、前記ベーンの他端部は凸状円弧面を有し、前記ベーンの他端部の凸状円弧面の曲率半径は、前記ベーン溝の底部の凹状円弧面の曲率半径より小さくなるように形成されたものとなっている。
これにより、ベーンの下端部が背圧室の底面に当接したときに、ベーンの厚さ方向両側において、ベーンの下端部の肩部と背圧室の底面との間にも空隙が形成される。このため、ベーンが最もベーン溝内に入り込むときに、ベーンの下端部の肩部は、背圧室の凹状円弧状の面に、より乗り上げ難くなる。従って、ベーンの上端部がロータの外周面から突出し、シリンダの内周面と干渉してロータの回転を阻害するという不具合をさらに確実に防止することができる。
以上に述べたように、本発明では、ベーン溝のベーンの厚さ方向に沿った中心と背圧室の中心とにベーンの厚さ方向に沿ってズレが生じても、底面を平坦状とすることで、ベーンの下端部が背圧室の底面に当接したとき、背圧室の内周面の側面を凹状円弧面としても、ベーンの厚さ方向両側において背圧室の側面との間に空隙が形成されるようにした。このため、背圧室が内周面に凹状円弧面の側面を有していても、ベーンが最もベーン溝内に入り込むときに、ベーンの下端部の肩部が、この背圧室の凹状円弧面の側面に乗り上げるのを回避することができる。よって、ベーンの上端部がロータの外周面から突出し、シリンダの内周面と干渉してロータの回転を阻害するという不具合を防止することが可能になる。
しかも、本発明では、背圧室の双方の側面が、凹状円弧面となって、背圧室の底面に連なっているため、背圧室の側面と底面とが接した部分に応力が集中することを抑制することができるので、ロータの破損を防止することも可能である。
特に請求項2に記載の発明では、ベーンの下端部が背圧室の底面に当接したときに、ベーンの厚さ方向両側においてベーンの下端部の肩部と背圧室の底面との間にも空隙が形成されるようにした。このため、ベーンが最もベーン溝内に入り込むときに、ベーンの下端部の肩部が、背圧室の凹状円弧面の側面に乗り上げるのをより回避することができる。よって、ベーンの上端部がロータの外周面から突出し、シリンダの内周面と干渉してロータの回転を阻害するという不具合をより良く防止することが可能になる。
図1は、この発明に係るベーン及びベーン溝が用いられるベーン型圧縮機の一例を示す断面図であり、図1(a)は、前記ベーン型圧縮機の吐出口が見えるように切断した断面図、図1(b)は前記ベーン型圧縮機の吸入口が見えるように切断した断面図である。 図2は、図1(b)のA−A線断面図である。 図3は、ベーン、ベーン溝及び背圧室について、本発明の実施例1の構成を説明した概略図であり、図3(a)は、ベーン溝と背圧室とがベーンの厚さ方向に沿ってずれていない状態のベーン及び背圧室の拡大図、図3(b)は、ベーン溝と背圧室とがベーンの厚さ方向に沿ってずれた状態のベーン、ベーン溝及び背圧室の全体図である。 図4は、ベーン、ベーン溝及び背圧室について、本発明の実施例2の構成を説明した概略図であり、図4(a)は、ベーン溝と背圧室とがベーンの厚さ方向に沿ってずれていない状態のベーン及び背圧室の拡大図、図4(b)は、ベーン溝と背圧室とがベーンの厚さ方向に沿ってずれた状態のベーン、ベーン溝及び背圧室の全体図である。 図5は、ベーン、ベーン溝及び背圧室について、本発明の実施例1、2と対比するための、背圧室の内周面に課題がある対比例の構成を説明した概略図であり、図5(a)は、ベーン溝と背圧室とがベーンの厚さ方向に沿ってずれていない状態のベーン及び背圧室の拡大図、図5(b)は、ベーン溝と背圧室とがベーンの厚さ方向に沿ってずれた状態のベーン、ベーン溝及び背圧室の全体図である。
以下、この発明の実施形態について添付図面を参照しながら説明する。
図1から図3において、例えば車両用空調装置の冷凍サイクルに用いられるベーン型圧縮機の一例が示されている。このベーン型圧縮機1は、シャフト3と、シャフト3に固定されて当該シャフト3の回転に伴い回転するロータ4と、このロータ4とによって後述する圧縮空間18を画成する第1のハウジング部材8及び第2のハウジング部材9とを有し、これら第1のハウジング部材8と第2のハウジング部材9とでハウジング2が構成されている。
第1のハウジング部材8は、この実施例では、ロータ4を収納するシリンダ8aと、このシリンダ8aとはシャフト3の軸方向のリア側に位置し、且つシリンダ8aと一体成形され、シリンダ8aのリア側を閉塞するリアサイドブロック8bとで構成されている。
シリンダ8aに収納されるロータ4は、断面が真円状である円柱状のもので、その真円の中心P1には、図2に示されるように、シャフト3が圧入可能な貫通孔4aが設けられている。また、ロータ4は、当該ロータ4の外周面に開口した2つのベーン溝5内に挿入される2つのベーン6を有している。
べ−ン6の図3乃至図5で示される各例の構成の詳細は後述するが、いずれのベーン6も、当該ベーン6の厚さ方向両側に下記するベーン溝5の内側面に摺接する摺接面6a、6aを有する一端部と、下記する凸状円弧面611aを有する他端部とを備え、ベーン溝5から進退移動してシリンダ8aの内周面を摺動するものである。
ベーン溝5は、図3及び図4で示される各例のいずれにおいても、ロータ4の外周面から径方向内側に延びた構成となっている。また、ベーン溝5の底部には下記する内周面101を有する背圧室10が形成されている。これらのベーン溝5と背圧室10とは、ロータ4の軸方向に沿ってフロント側からリア側に貫通するように形成されている。
シリンダ8aの内周面は、この実施例では、図2に示されるように、ロータ4の外径寸法よりも大きな内径寸法を有し、P2を中心とした真円状となっている。そして、ロータ4の外周面とシリンダ8aの内周面とが周方向の一箇所で微小な隙間(シリンダ8aとロータ4とが最も接近する部分:ラジアルシール部P3)を形成するように、ロータ4がシリンダ8a内に収納されている。このように、シリンダ8a内にロータ4を収納することにより、シリンダ8aの内周面とロータ4の外周面との間には圧縮空間18が画成されている。この圧縮空間18は、ロータ4に形成された2つのベーン溝5にそれぞれ収納された2つのベーン6によって仕切られて2つの圧縮室19に分けられ、各圧縮室19の容積はロータ4の回転によって変化するようになっている。
第2のハウジング部材9は、シリンダ8aのフロント側端面に当接するフロントサイドブロック9aと、このフロントサイドブロック9aからシャフト3の軸方向に延設されてシリンダ8a及びリアサイドブロック8bの外周面を包囲するように形成されたシェル9bとを一体化して構成されている。また、第2のハウジング部材9は、ボルト等の連結具7を介して第1のハウジング部材8と連結されている。そして、第1のハウジング部材8をシェル9bのリア側開口部9dから挿入してシェル9bと嵌合させることにより、シリンダ8aのフロント側がフロントサイドブロック9aによって閉塞されていると共に、シェル9bのリア側開口部9dがリアサイドブロック8bによって閉塞されている。
また、第2のハウジング部材9は、フロントサイドブロック9aに一体化されたボス部9cに、車両の動力源(図示せず)よりベルト(図示せず)を介して回転動力が伝達されるプーリ20が回転自在に外装され、このプーリ20から電磁クラッチ21を介して回転動力がシャフト3に伝達されるようになっている。また、第2のハウジング部材9には、作動流体(冷媒ガス)の吸入口11及び吐出口12が形成され、吸入口11は第2のハウジング部材9に形成された空間部14a及びシリンダ8aに形成された凹部14bとで成る吸入空間14に連通している。
シャフト3は、第2のハウジング部材9のフロントサイドブロック9aと第1のハウジング部材8のリアサイドブロック8bとに保持形成された軸受部たるプレーンベアリング23、24を介して回転可能に支持されている。そして、シャフト3は、第2のハウジング部材9のボス部9cの基端近傍部位において、第2のハウジング部材9の内周面との間にシール部材13が介在されており、作動流体がボス部9cの開口から外部に漏れるのを防止している。
そして、シリンダ8aの周面には、圧縮空間18に対応して吸入空間14に連通する吸入ポート25と、吐出空間15と連通する吐出ポート26とが設けられている。したがって、シリンダ8aをシェル9bに嵌入させると、吸入空間14は吸入ポート25を介して圧縮室19に連通し、シリンダ8aの外周面とシェル9bの内周面との間には、両端側がフランジ部8c、8dによって仕切られた吐出空間15が形成され、この吐出空間15は吐出ポート26を介して圧縮室19に連通可能となっている。そして、吐出ポート26は、吐出空間15に収納される吐出弁27により開閉されるようになっている。また、吐出空間15はフランジ部8dに形成された通孔28を介してオイル分離器16に連通している。オイル分離器16は更に吐出口12と連通している。
以上の構成によれば、このベーン型圧縮機1においては、図示しない動力源からの回転動力がプーリ20及び電磁クラッチ21を介してシャフト3に伝達され、ロータ4が回転すると、吸入口11から吸入空間14に流入した作動流体が吸入ポート25を介して圧縮空間18に吸入される。圧縮空間18内のベーン6によって仕切られた圧縮室19の容積はロータ4の回転に伴って変化するので、ベーン6間に閉じ込められた作動流体は圧縮され、吐出ポート26から吐出弁27を介して吐出空間15に吐出される。吐出空間15に吐出された作動流体は、シリンダ8aの外周面(シェル9bの内周面)に沿って周方向に移動し、フランジ部8dに形成された通孔28を介してリアサイドブロック8bに形成されたオイル分離器16のオイル分離室内に導入される。その後、作動流体は、オイル分離器16のオイル分離室内を旋回する過程でオイルが分離されて、吐出口12から外部回路に吐出される。
ところで、図3及び図4ではこの発明の実施例1、2が示されていると共に、図5ではこの発明の実施例1、2と対比するため対比例が示されている。以下、この発明の実施例1、2について、対比例と対比しつつ説明する。
この発明の実施例1に係るベーン溝5は、前記したようにロータ4の外周面から径方向内側に延びているもので、ベーン6の摺接面6a、6aと接する内側面を、ベーン6の厚さ方向の両側に有している。図3(a)では、ベーン6の厚さ方向の中心を通る中心線Cが示されている。
この実施例1の背圧室10は、図3に示されるように、内周面101として、一対の側面101a、101bと、これらの側面101a、101b間に位置する1つの底面101cとを有している。
前記背圧室10の内周面101を形成する側面101a、底面101c、側面101bのうち、側面101a、101bは、背圧室10の中心点P4を中心点として想定された円弧S1a、S1bに沿うように配置されたもので、それぞれ凹状円弧面となっている。背圧室10の直径L1は、図3(b)に示されるベーン溝5のベーン6の厚さ方向の寸法L2よりも大きくなっている。図3の符号102は、背圧室10の底面101cのベーン6の厚み方向の中心を示している。底面101cは、ベーン6の厚み方向に沿って延びる平坦状となっていると共に、その両端は、凹状円弧面をなす側面101a、101bとそれぞれ連なっている。
背圧室10の内周面101が、側面101a、底面101c、及び側面101bにより形成されること、側面101a、101bが凹状円弧面をなしていること、並びにベーン6の厚さ方向の中心を通る中心線Cが示されていることは、図5で示される対比例の背圧室10でも同様となっている。
その一方で、対比例の背圧室10は、底面101cも凹状円弧面となっている。そして、これら側面101a、底面101c、側面101bは、背圧室10の中心点P4を中心点として想定された円弧S1に沿うように配置され、内周面101全体として一連の凹状円弧面を構成している点でこの発明の背圧室10と相違している。
実施例1のベーン6は、前記した他端部として当該ベーン6の進退移動方向の下端側に下端部61を有している。下端部61は、この実施例では、背圧室10の底面101cと対峙する当接面611の全てがP5を中心点とした円弧S2に沿った凸状円弧面611aとなっている。これにより、下端部61の肩部K1、K2は、P5を中心点とした円弧S2の始端、終端と重なっている。
そして、下端部61の凸状円弧面611aを成す円弧S2の曲率半径L4は、背圧室10の側面101a、101bの凹状円弧面を成す円弧S1a、S1bの曲率半径L3と同じになっている。図3の符号63は、下端部61の凸状円弧面611aを成す円弧S2の円弧上の中心を示している。
ベーン溝5と背圧室10との位置関係にズレが生じていない場合には、図3(a)に示されるように、円弧S1a,S1bの中心点P4と円弧S2の中心点P5とにズレがなく、同じベーン溝5の中心線C上にあり、下端部61の凸状円弧面611aの円弧上の中心63を背圧室10の底面101cのベーン6の厚み方向の中心102と一致させることができる。
対比例のベーン6の下端部61も、背圧室10の底面101cと対峙する当接面611の全てが円弧S2に沿った凸状円弧面611aとなっていると共に、下端部61の凸状円弧面611aを成す円弧S2の曲率半径L4が、背圧室10の内周面101を成す円弧S1の曲率半径L3と同じになっている。この場合でも、ベーン溝5と背圧室10との位置関係にズレが生じていない場合には、図5(a)に示されるように、円弧S1の中心点P4と円弧S2の中心点P5とにずれがなく、同じベーン溝5の中心線C上にあり、下端部61の凸状円弧面611aの円弧上の中心63を背圧室10の内周面101の円弧上の中心103と一致させることができる。
もっとも、対比例では、図5(a)に示されるように、下端部61の凸状円弧面611aの円弧上の中心63を背圧室10の内周面101の円弧上の中心103と一致させるかたちで、下端部61の凸状円弧面611aを背圧室10の底面101cに当接させても、ベーンの厚さ方向両側において、ベーン6と背圧室10の内周面101との間に空隙Dが形成されない。
これに対し、実施例1では、図3(a)に示されるように、下端部61の凸状円弧面611aの円弧上の中心63を背圧室10の底面101cのベーン厚み方向の中心102と一致させるかたちで、下端部61の凸状円弧面611aを背圧室10の底面101cに当接させると、ベーンの厚さ方向両側において、ベーン6と背圧室10の内周面101との間に空隙Dが形成される。
一方で、本発明のロータ4を前記した製造方法により製造するにあたって、ベーン溝5を研磨加工する際に、背圧室10との位置関係にズレが生じ、図3(b)及び図5(b)に示されるように、ベーン溝5のベーン6の厚さ方向の中心線Cと背圧室10の中心点P4とが、設定された位置からベーン6の厚さ方向に沿って所定寸法X1ほどずれる可能性がある。そして、当接面611の凸状円弧面611aの円弧上の中心63と背圧室10の底面101cのベーン厚み方向の中心102及び円弧上の中心103とについても、図3(b)及び図5(b)に示されるように、ベーン6の厚さ方向に沿って所定寸法X1のズレが生ずる。
この点、図5の対比例では、ベーンの厚さ方向両側において、ベーン6と背圧室10の内周面101との間に前記空隙Dが形成されないので、ベーン6がベーン溝5に最も入り込むときに、図5(b)に示されるように、下端部61の肩部K1、K2が背圧室10の側面101a、101bに乗り上げる。そして、下端部61の凸状円弧面611aの円弧上の中心63と背圧室10の内周面101の円弧上の中心103との間にベーン6の進退移動方向に沿って隙間G1が生ずることとなる。この隙間G1は大きいので、ベーン6の上端部がロータ4の外周面からはみだしてしまい、ベーン6がシリンダ8aの内周面と干渉してロータ4の回転不能を招く恐れがある。
これに対し、実施例1では、ベーンの厚さ方向両側において、ベーン6と背圧室10の内周面101との間に前記空隙Dが形成されるので、図3(b)に示されるように、下端部61の肩部K1、K2が背圧室10の側面101a、101bに乗り上げ難くなる。しかも、背圧室10の底面101cは平坦状であるので、下端部61の凸状円弧面611aが背圧室10の内周面101の円弧に沿って持ち上がることもない。
ベーン6の下端部61は、図3に示される形状に限定されず、背圧室10の内周面101の底面101cと対峙する当接面611の全部又は一部に凸状円弧面を有するものであれば良い。以下、図4を用いて、ベーン6の下端部61の別の構成を実施例2として説明する。なお、ベーン6の下端部61以外の構成、べ−ン溝5、並びに背圧室10の構成は、図3に示されるものと同様であるので、図3と同一の符号を付してその説明を省略する。
下端部61は、実施例2でも、背圧室10の底面101cと対峙する当接面611の全てがP5を中心点とした円弧S2に沿った凸状円弧面611aとなっている。そして、下端部61の凸状円弧面611aを成す円弧S2の曲率半径L4は、背圧室10の側面101a、101bの凹状円弧面を成す円弧S1a、S1bの曲率半径L3より小さく、例えば、ベーン6の厚さ方向の寸法L2の略2分の1の寸法となっている。これにより、下端部61の凸状円弧面611aは、半円周面となっており、円弧S2の中心点P5と下端部61の肩部K1、K2とは、同一線上に位置している。
そして、実施例2でも、ベーン溝5と背圧室10との位置関係にズレが生じていない場合には、図4(a)に示されるように、円弧S1a、S1bの中心点P4と円弧S2の中心点P5とにズレがなく、同じベーン溝5の中心線C上にあり、下端部61の凸状円弧面611aの円弧上の中心63を背圧室10の底面101cのベーン厚み方向の中心102と一致させることができる。
更に、実施例2でも、図4(a)に示されるように、下端部61の凸状円弧面611aの円弧上の中心63を背圧室10の底面101cのベーン厚み方向の中心102と一致させるかたちで、下端部61の凸状円弧面611aを背圧室10の底面101cに当接させると、図5の対比例とは異なり、ベーンの厚さ方向両側において、ベーン6と背圧室10の凹状円弧面との間に空隙Dが形成される。しかも、この空隙Dのベーン6の肩部K1、K2から背圧室10の底面101cまでの寸法は、図3に示される実施例1の空隙Dのベーン6の肩部K1、K2から背圧室10の底面101cまでの寸法よりも大きくなる。
これにより、ベーン溝5と背圧室10とがベーンの厚さ方向に沿ってずれた場合でも、ベーンの厚さ方向両側において、ベーン6と背圧室10の内周面101との間に空隙Dが形成され、その空隙Dのベーン6の肩部K1、K2から背圧室10の底面101cまでの寸法が相対的に大きくなる。このため、図4(b)に示されるように、下端部61の肩部K1、K2が背圧室10の側面101a、101bにさらに乗り上げ難くすることができる。
1 ベーン型圧縮機
4 ロータ
5 ベーン溝
6 ベーン
61 下端部(他端部)
611 当接面
611a 凸状円弧面
10 背圧室
101 内周面
101a 側面
101b 側面
101c 底面

Claims (2)

  1. 両側がサイドブロック部材により閉塞されたシリンダと、このシリンダ内に回転可能に設けられたロータと、このロータの外周面から径方向内側に向けて形成されたベーン溝と、このベーン溝に進退移動可能に収容されるベーンとを有し、前記ロータの回転に伴って前記ベーンの一端部を前記シリンダの内周面に接触摺動させるベーン型圧縮機において、
    前記ベーン溝の底部には背圧室が形成され、前記背圧室の内周面のうちの一対の側面は凹状円弧面であり、前記背圧室の一対の側面に連なる前記背圧室の底面は平坦状になっていることを特徴とするベーン型圧縮機。
  2. 前記ベーンの他端部は凸状円弧面を有し、前記ベーンの他端部の凸状円弧面の曲率半径は、前記ベーン溝の底部の凹状円弧面の曲率半径より小さくなるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載のベーン型圧縮機。
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