JP2017040208A - 車両の制御装置 - Google Patents

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隆義 近藤
黒木 錬太郎
Rentaro Kuroki
錬太郎 黒木
琢也 平井
Takuya Hirai
琢也 平井
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Abstract

【課題】内燃機関の再始動が予想される時刻までの期間の電力消費量を最小限に抑える。【解決手段】車両100の制御装置200は、内燃機関1を停止させた時刻から内燃機関1の再始動が予想される時刻までの期間内における電力消費量が最少となる通電パターンを目標通電パターンとして設定する通電制御部を備える。通電制御部は、発熱体35の温度を維持温度に維持する必要のある期間に消費される第1電力量を複数の維持温度ごとに算出し、発熱体35の温度を維持温度から始動目標温度まで昇温させたときに消費される第2電力量を前記複数の維持温度ごとに算出し、第1電力量及び前記第2電力量の総和が最少となる維持温度を選択し、発熱体35の温度をその選択した維持温度に維持した後、始動目標温度まで昇温させる通電パターンを目標通電パターンとして設定する。【選択図】図1

Description

本発明は車両の制御装置に関する。
特許文献1には、駆動モータのみで走行可能なハイブリッド車両において、電気加熱式の触媒装置の触媒温度が内燃機関の始動予定時刻に活性温度よりも高くなるように、始動予定時刻までの期間における触媒装置に対する通電パターンを決定する制御装置が開示されている。
特開2013−56614号公報
特許文献1では、内燃機関の始動予定時刻までの期間における触媒装置に対する通電パターンを低電力かつ長時間の通電パターンとしている。しかしながら、内燃機関の始動予定時刻までの期間における触媒装置に対する電力供給量を最少とする通電パターンの具体的態様が開示されているわけではなく、始動予定時刻までの期間における触媒装置に対する通電パターンの設定について改善の余地があった。
本発明はこのような課題に着目してなされたものであり、内燃機関の始動予定時刻までの期間における触媒装置に対する電力供給量を最少とする通電パターンを設定することにより、当該期間における電力消費量を最小限に抑えることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のある態様によれば、内燃機関と、内燃機関の排気通路内に保持されて、通電されることにより発熱して触媒を加熱する発熱体と、を備える車両を制御する車両の制御装置が、車両の予想走行経路上の道路情報に基づいて、内燃機関を停止させた状態で車両を走行させている場合に内燃機関の再始動が予想される始動予想時刻を算出する始動予測時刻算出部と、始動予想時刻に発熱体の温度を始動目標温度にすることができる複数の通電パターンの中から、内燃機関を停止させた時刻から始動予想時刻までの期間内における電力消費量が最少となる通電パターンを目標通電パターンとして設定し、目標通電パターンで発熱体に通電する通電制御部と、を備える。そして通電制御部は、始動目標温度よりも低いそれぞれ値の異なる複数の維持温度を設定し、所定電流値の電流を発熱体に通電することにより発熱体の温度を維持温度から昇温させて、始動予想時刻に発熱体の温度を始動目標温度にする場合に、発熱体に通電して発熱体の温度を維持温度に維持する必要のある期間に消費される第1電力量を複数の維持温度ごとに算出し、所定電流値の電流を発熱体に通電することにより、発熱体の温度を維持温度から始動目標温度まで昇温させたときに消費される第2電力量を複数の維持温度ごとに算出し、第1電力量及び第2電力量の総和が最少となる維持温度を複数の維持温度の中から選択し、発熱体の温度をその選択した維持温度に維持した後、所定電流値の電流を発熱体に通電して発熱体の温度を選択した維持温度から始動目標温度まで昇温させる通電パターンを目標通電パターンとして設定する。
本発明のこの態様によれば、内燃機関を停止させた時刻から始動予想時刻までの期間内に発熱体を加熱するために消費される電力量を最小限に抑えることができる。
図1は、本発明の一実施形態による車両及び車両を制御する電子制御ユニットの概略構成図である。 図2は、本発明の一実施形態によるコースティング制御中の導電性担体に対する通電制御について説明するフローチャートである。 図3は、通電パターン設定処理について説明するフローチャートである。 図4は、下限温度Tについて説明する図である。 図5は、始動目標温度Tstaとの温度差ΔTと、導電性担体に最大電流Imaxで通電した場合に、担体温度を温度差ΔTだけ上昇させて始動目標温度Tstaにするために必要な通電時間tonと、の関係を示すテーブルである。 図6は、導電性担体に通電を実施しなかった時間(非通電時間)toffと、担体温度の温度低下量Tdecと、の関係を示すテーブルである。 図7は、複数個の維持温度Tkp(x)の設定方法について説明する図である。 図8は、各維持温度Tkp(x)に基づいて、維持電流値Ikp(x)をそれぞれ算出するためのテーブルである。 図9は、各維持温度Tkp(x)とそれに対応する消費電力P(x)との関係の一例を示す図である。 図10は、始動予想時間算出制御について説明するフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同様な構成要素には同一の参照番号を付す。
図1は、本発明の一実施形態による車両100及び車両100を制御する電子制御ユニット200の概略構成図である。
車両100は、動力源としての内燃機関1と、動力源の出力を駆動輪4a,4bに伝達するための動力伝達装置2と、電力源としての高電圧バッテリ71及び低電圧バッテリ72を備えた電力装置3と、を備える。
内燃機関1は、機関本体10と、吸気装置20と、排気装置30と、を備える。本実施形態では、内燃機関1としてガソリンエンジンを用いているが、ディーゼルエンジンを用いることもできる。
機関本体10は、各気筒11に形成される燃焼室の内部で燃料と空気との混合気を燃焼させて、クランクシャフト12を回転させるための動力を発生させる。
クランクシャフト12の一端部(図中左側)には、クランクプーリ13が取り付けられる。クランクプーリ13には、電子制御ユニット200によって締結状態又は解放状態のいずれかに制御される電磁クラッチが内蔵される。電磁クラッチを締結状態にすると、クランクプーリ13がクランクシャフト12と一体となって回転する。一方、電磁クラッチを解放状態にすると、クランクシャフト12が回転してもクランクプーリ13は回転しない。
吸気装置20は、機関本体10の各気筒11内に空気を導くための装置である。吸気装置20は、エアクリーナ21と、吸気管22と、吸気マニホールド23と、エアフローメータ24と、電子制御式のスロットル弁25と、を備える。
エアクリーナ21は、空気中に含まれる砂などの異物を除去する。
吸気管22は、一端がエアクリーナ21に連結され、他端が吸気マニホールド23のサージタンク23aに連結される。吸気管22によって、エアクリーナ21を介して吸気管22内に流入してきた空気(吸気)がサージタンク23aに導かれる。
吸気マニホールド23は、サージタンク23aと、サージタンク23aから分岐して機関本体10に取り付けられる複数の吸気枝管23bと、を備える。サージタンク23aに導かれた空気は、各吸気枝管23bを介して対応する各気筒11内に均等に分配される。
エアフローメータ24は、吸気管22内に設けられる。エアフローメータ24は、吸気管22内を流れる空気の流量(以下「吸気量」という。)を検出する。
スロットル弁25は、エアフローメータ24よりも下流側の吸気管22内に設けられる。スロットル弁25は、スロットルアクチュエータ(図示せず)によって駆動され、吸気管22の通路断面積を連続的又は段階的に変化させる。スロットルアクチュエータによってスロットル弁25の開度(以下「スロットル開度」という。)の調整することで、各気筒11内に吸入される吸気量が調整される。スロットル開度は、スロットルセンサ211によって検出される。
排気装置30は、各気筒11内から排出された排気を浄化した上で、当該排気を外気に排出するための装置である。排気装置30は、排気マニホールド31と、排気管32と、排気温度センサ212と、電気加熱式の触媒装置33と、を備える。
排気マニホールド31は、機関本体10に取り付けられる複数の排気枝管31aと、排気枝管31aを集合させて1本にまとめた集合管31bと、を備える。
排気管32は、一端が排気マニホールド31の集合管31bに連結され、他端が外気に開口している。各気筒11内から排気マニホールド31に排出された排気は、排気管32を流れて外気に排出される。
排気温度センサ212は、触媒装置33よりも上流側の排気管32に設けられ、触媒装置33に流入する排気の温度を検出する。
電気加熱式の触媒装置33は、排気管32に取り付けられた外筒34と、導電性担体35と、保持マット36と、一対の電極37と、担体温度センサ213と、備える。
外筒34は、その内部に導電性担体35を収容するための部品であって、典型的にはステンレス等の金属又はセラミック等の非金属によって構成されたケースである。
導電性担体35は、例えば炭化ケイ素(SiC)や二珪化モリブデン(MoSi)などの通電されることにより発熱する材料によって形成された担体である。本実施形態による導電性担体35は、排気の流れ方向に沿って複数の排気流通路が形成されたいわゆるハニカム型の担体であり、各排気流通路の表面に触媒が担持されている。本実施形態では導電性担体35に三元触媒を担持させているが、導電性担体35に担持させる触媒の種類は特に限られるものではなく、種々の触媒の中から所望の排気浄化性能を得るために必要な触媒を適宜選択して担持させることができる。なお、導電性担体35に直接触媒を担持させずに導電性担体35を通過する排気を加熱し、導電性担体35の下流に触媒を担持させ担体を配置することもできる。
保持マット36は、外筒34と導電性担体35との間の隙間を埋めるように、外筒34と導電性担体35との間に設けられ、導電性担体35を外筒34内の所定位置に保持するための部品である。保持マット36は、例えばアルミナ(Al)などの電気絶縁性の材料によって形成されている。
一対の電極37は、導電性担体35に電圧を印加するための部品であり、それぞれ外筒34に対して電気的に絶縁された状態で導電性担体35に電気的に接続されると共に、図1に示すように導電性担体35に印加する電圧を調整するための電圧調整回路38を介して高電圧バッテリなどに接続される。一対の電極37を介して導電性担体35に電圧を印加して導電性担体35に電力を供給することで、導電性担体35に電流が流れて導電性担体35が発熱し、導電性担体35に担持された触媒が加熱される。一対の電極37によって導電性担体35に印加する電圧は、電子制御ユニット200によって電圧調整回路38を制御することで任意の電圧に調整される。
担体温度センサ213は、導電性担体35の近傍、かつ、導電性担体35よりも下流側の外筒34に設けられ、導電性担体35の温度を検出する。
動力伝達装置2は、トルクコンバータ40と、自動変速機50と、終減速差動装置60と、を備える。
トルクコンバータ40は、クランクシャフト12の他端部(図中右側)に連結されるポンプインペラ41と、自動変速機50のインプットシャフト51に連結されるタービンライナ42と、を備える。トルクコンバータ40は、ポンプインペラ41及びタービンライナ42の内部に封入された作動流体によって、ポンプインペラ41の回転をタービンライナ42に伝達する。
自動変速機50は、有段変速機又は無段変速機であって、インプットシャフト51の回転を増減速させた上でアウトプットシャフト52に伝達する。自動変速機50は、電子制御ユニット200によって締結状態又は解放状態のいずれかに制御される発進クラッチ53を備える。発進クラッチ53を締結することで、インプットシャフト51の回転がアウトプットシャフト52に伝達される。一方、発進クラッチ53を解放することで、インプットシャフト51とアウトプットシャフト52との間の動力伝達が遮断される。
終減速差動装置60は、終減速装置と差動装置とを一体化したものであり、自動変速機50のアウトプットシャフト52に連結されたプロペラシャフト61の回転を減速させた上で左右のドライブシャフト62a,62bに伝達する。また終減速差動装置60は、カーブ走行時など、左右のドライブシャフト62a,62bの回転速度に速度差を生じさせる必要があるときに、自動的に速度差を与えて円滑な走行ができるようにする。左右のドライブシャフト62a,62bの先端に、駆動輪4a,4bが取り付けられる。
電力装置3は、高電圧バッテリ71及び低電圧バッテリ72と、モータジェネレータ73と、インバータ74と、コンバータ75と、を備える。
高電圧バッテリ71は、充放電可能な二次電池である。本実施形態では、高電圧バッテリ71として、起電力が48[V]のリチウムイオン電池を用いている。
低電圧バッテリ72は、高電圧バッテリ71よりも起電力の小さい充放電可能な二次電池である。本実施形態では、低電圧バッテリ72として、起電力が12[V]の鉛蓄電池を用いている。なお、電力源として高電圧バッテリ71及び低電圧バッテリ72のいずれか一方のみを備えるようにしても良い。
モータジェネレータ73は、例えば三相の永久磁石型同期モータであり、ハウジングに対して例えば転がり軸受などによって回転自在に支持された入出力軸76と、入出力軸76の外周に取り付けられて複数の永久磁石が埋設されたロータ(図示せず)と、回転磁界を発生させる励磁コイルが巻き付けられたステータ(図示せず)と、を備える。モータジェネレータ73は、電力の供給を受けて入出力軸76を回転させるモータとしての機能と、入出力軸76が外力によって回転させられたときに励磁コイルの両端に起電力を生じさせるジェネレータとしての機能と、を有する。
モータジェネレータ73の入出力軸76の一端部には、入出力軸76と一体となって回転するフロントプーリ77が取り付けられる。フロントプーリ77とクランクプーリ13とは、それぞれに巻き掛けられた1本のベルト78を介して互いに連結されている。これにより、フロントプーリ77を回転させることでクランクプーリ13を回転させることができ、逆にクランクプーリ13を回転させることでフロントプーリ77を回転させることができるようになっている。したがって、例えば機関本体10の始動時にモータジェネレータ73をモータとして機能させることで、フロントプーリ77及びベルト78を介してクランクプーリ13、ひいてはクランクシャフト12を回転させてクランキングを行うことができる。
インバータ74は、電子制御ユニット200からの制御信号に基づいて直流側端子から入力された直流電流を交流電流に変換して交流側端子から出力し、逆に電子制御ユニット200からの制御信号に基づいて交流側端子から入力された交流電流を直流電流に変換して直流側端子から出力することが可能な電気回路を備える。インバータ74の直流側端子は、高電圧バッテリ71の端子、コンバータ75の高電圧側端子、及び電圧調整回路に電気的に接続される。インバータ74の交流側端子は、モータジェネレータ73の入出力端子と電気的に接続される。インバータ74は、モータジェネレータ73をモータとして機能させるときは、高電圧バッテリ71側からの直流電流を交流電流(本実施形態では三相交流電流)に変換してモータジェネレータ73に供給する。一方でインバータ74は、モータジェネレータ73をジュネレータとして機能させるときは、モータジェネレータ73からの交流電流を直流電流に変換して高電圧バッテリ71等に供給する。
コンバータ75は、電子制御ユニット200からの制御信号に基づいて高電圧バッテリ71側から低電圧バッテリ72側に電力を供給し、逆に電子制御ユニット200からの制御信号に基づいて低電圧バッテリ72側から高電圧バッテリ71側にも電力を供給することが可能な電気回路を備えた双方向性のDC/DCコンバータである。コンバータ75の高電圧側端子は、高電圧バッテリ71の入出力端子等と電気的に接続される。コンバータ75の低圧側端子は、低電圧バッテリ72の入出力端子及び各種の電気負荷(例えばヘッドライトなど)79に電気的に接続される。
電子制御ユニット200は、デジタルコンピュータから構成され、双方性バスによって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)、RAM(ランダムアクセスメモリ)、CPU(マイクロプロセッサ)、入力ポート及び出力ポートを備える。
電子制御ユニット200には、前述したエアフローメータ24やスロットルセンサ211、排気温度センサ212、担体温度センサ213の他にも、車速を検出するための車速センサ214や高電圧バッテリ71の充電量を検出する第1SOCセンサ215、低電圧バッテリ72の充電量を検出する第2SOCセンサ216、ブレーキペダル231が踏み込まれたときに所定の出力電圧を発生するブレーキスイッチ217などの出力信号が、入力ポートを介して入力されている。また電子制御ユニット200には、アクセルペダル232の踏み込み量(以下「アクセル踏込量」という。)に比例した出力電圧を発生する負荷センサ218の出力電圧が、入力ポートを介して入力されている。さらに電子制御ユニット200には、機関回転速度を算出するための信号として、機関本体10のクランクシャフト12が例えば15°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ219の出力信号が、入力ポートを介して入力されている。このように電子制御ユニット200には、車両100を制御するために必要な各種センサの出力信号が、入力ポートを介して入力されている。
電子制御ユニット200の出力ポートには、電圧調整回路38やインバータ74、コンバータ75などの各制御部品が、対応する駆動回路を介してそれぞれ電気的に接続されている。
また、電子制御ユニット200には、ナビゲーション装置80が接続されており、ナビゲーション装置80と双方向性の通信を行うことができるようになっている。ナビゲーション装置80は、車両100を所定の目的地に誘導することを基本的な機能としており、車両位置情報や道路情報などをナビゲーション情報として電子制御ユニット200に送信する。またナビゲーション装置80は、専用のクラウドサーバと通信可能に構成されており、クラウドサーバに集約された自車両や他車両の過去の走行経路情報などの走行データ(ビッグデータ)をクラウドサーバから取得できるようになっている。ナビゲーション装置80は、クラウドサーバから取得した自車両や他車両の過去の走行経路情報などの走行データも、ナビゲーション情報として電子制御ユニット200に送信する。
電子制御ユニット200は、入力ポートに入力された各種センサの出力信号や、ナビゲーション装置80から送信されてきたナビゲーション情報などに基づいて、各制御部品を制御するための制御信号を出力ポートから出力して車両100を制御する。
本実施形態では、車両走行中にアクセルペダルを操作していないときは、燃費の向上を図るために、内燃機関1を停止させ、かつ発進クラッチ53を解放した状態で慣性走行を行うコースティング制御を実施し、アクセルペダルが再び踏み込まれたらコースティング制御を終了して内燃機関1を再始動させると共に発進クラッチ53を締結するようにしている。
ここで、触媒装置33が所望の排気浄化性能を発揮するには、導電性担体35の担体温度が活性温度以上になっている必要がある。しかしながら、コースティング制御が実施されると、機関本体10から排気が排出されなくなるので、担体温度は徐々に低下していく。したがって、コースティング制御を終了して内燃機関1を再始動させるときの担体温度が活性温度未満になっている場合があり、このような場合に内燃機関1を再始動させると排気エミッションが悪化する。
このような排気エミッションの悪化を抑制する方法としては、コースティング制御が終了すると予想される時期をナビゲーション情報に基づいて予測し、その時期に担体温度が少なくとも活性温度以上の始動目標温度Tstaとなるように、事前に導電性担体35に通電しておく方法が考えられる。
そして、このときの導電性担体35に対する通電パターンの1つとしては、内燃機関1を再始動させる時期にちょうど担体温度が始動目標温度Tstaとなるように、コースティング制御中に担体温度がある温度まで低下した時点で、導電性担体35に所定電流値(例えば最大電流Imax)の電流を流して導電性担体35を昇温させる方法が考えられる。
しかしながら、このような方法を取るよりも、コースティング制御中に担体温度をある一定の温度に維持できるように導電性担体35に電流を流しつつ、途中から導電性担体35に最大電流Imaxを流すようにして、内燃機関1を再始動させる時期にちょうど担体温度が始動目標温度Tstaとなるようにした方が、コースティング制御中に導電性担体35に供給する電力量が少なくなる場合がある。
そこで本実施形態では、内燃機関1を再始動させる時期に担体温度を始動目標温度Tstaにすることができる複数の通電パターンのうち、コースティング制御中に導電性担体35に供給する電力量が最少となる通電パターンで導電性担体35に通電を行うこととした。
以下、この本実施形態によるコースティング制御中の導電性担体35に対する通電制御について説明する。
図2は、本実施形態によるコースティング制御中の導電性担体35に対する通電制御について説明するフローチャートである。電子制御ユニット200は、本ルーチンを所定の演算周期で繰り返し実施する。
ステップS1において、電子制御ユニット200は、コースティング制御中か否かを判定する。電子制御ユニット200は、コースティング制御中であればステップS2の処理に進み、コースティング制御中でなければ今回の処理を終了する。
ステップS2において、電子制御ユニット200は、本ルーチンとは別途に随時算出している始動予想時間tstaを読み込むと共に、現時刻から始動予想時間tstaだけ経過した時刻を始動予想時刻として算出する。始動予想時間tstaは、コースティング制御中に例えばアクセルペダルが踏み込まれるなどして内燃機関1の始動要求が出ると予想される地点まで、車両100が移動するために必要な時間の予想値である。始動予想時間tstaの具体的な算出方法については、図10に示す始動予想時間算出制御のフローを参照して後述する。
ステップS3において、電子制御ユニット200は、コースティング制御中の導電性担体35に対する通電パターンを決定するための通電パターン設定処理を実施する。以下、この通電パターン設定処理について、図3を参照して説明する。
図3は、通電パターン設定処理について説明するフローチャートである。
ステップS31において、電子制御ユニット200は、担体温度の現在値(以下「瞬時担体温度」という。)Trcを読み込む。
ステップS32において、電子制御ユニット200は、下限温度Tを算出する。下限温度Tは、導電性担体35に最大電流Imaxを流すことを前提として、始動予想時刻に担体温度を所定の始動目標温度Tstaまで上昇させることが可能な担体温度の最低値である。以下、図4を参照して、この下限温度Tについて説明する。
時刻t1でコースティング制御が開始されると、内燃機関1が停止されて導電性担体35が排気熱によって加熱されなくなる。そのため、導電性担体35に通電しない場合は、図4に破線Aで示すように、概ね一定の低下率(時刻t1から時刻t2までの傾き=後述する比例定数βに相当)で担体温度が低下していくことが予想される。
一方で図4に一点鎖線Bで示すように、始動予想時刻t3に担体温度を始動目標温度Tstaにするためには、導電性担体35に最大電流Imaxを通電した場合の担体温度の上昇率(時刻t2から時刻t3の傾き=後述する比例定数αに相当)を考慮すると、遅くとも破線Aと一点鎖線Bとが交わる時刻t2から導電性担体35に通電する必要がある。換言すれば、時刻t2までは担体温度の低下を許容しても、時刻t2から導電性担体35に最大電流Imaxを通電すれば、始動予想時刻t3に担体温度を始動目標温度Tstaにすることができる。したがって、破線Aと一点鎖線Bとが交わる時刻t2における担体温度が下限温度Tとなる。
続いて、図5及び図6を参照して、この下限温度Tの算出方法について説明する。
図5は、始動目標温度Tstaと担体温度との温度差ΔT(=Tsta−担体温度)と、導電性担体35に最大電流Imaxで通電した場合に、担体温度を温度差ΔTだけ上昇させて始動目標温度Tstaにするために必要な通電時間tonと、の関係を示すテーブルである。図5に示すように、温度差ΔTと通電時間tonとの関係は、温度差ΔTが大きくなるほど通電時間tonが長くなる比例関係にある。したがって、図5のテーブルの比例定数をαとすると、図4に示した通電時間tonは以下の(1)式の通りに表すことができる。
on=α×(Tsta−T) …(1)
図6は、導電性担体35に通電を実施しなかった時間(非通電時間)toffと、担体温度の温度低下量Tdecと、の関係を示すテーブルである。図6に示すように、非通電時間toffと温度低下量Tdecとの関係は、非通電時間toffが長くなるほど温度低下量Tdecが大きくなる比例関係にある。ここで図4に示した非通電時間toffは、(tsta−ton)と書き換えることができる。したがって、図6のテーブルの比例定数をβとすると、下限温度Tは以下の(2)式の通りに表すことができる。
=Trc−β×(tsta−ton) …(2)
よって、(2)式に(1)式を代入することで、未知の値は下限温度Tだけとなるので、下限温度Tを算出することができる。
ステップS33において、電子制御ユニット200は、図7に示すように、下限温度Tから始動目標温度Tstaまでの温度範囲内に、例えば所定温度Tきざみで複数個の維持温度Tkp(x)を設定する。本実施形態では、図7に示すように、Tkp(1)が下限温度Tとなるように、また、Tkp(n)が始動目標温度Tstaとなるようにしているので、各維持温度Tkp(x)は、以下の(3)式の通りに表すことができる。なお、nの値は、下限温度Tと始動目標温度Tstaとの温度差が大きくなるほど増加する可変の正の値となる。
kp(x)=T+(x−1)×T …(3)
ステップS34において、電子制御ユニット200は、導電性担体35に通電しなかった場合に、担体温度が瞬時担体温度Trcから各維持温度Tkp(x)まで低下するまでの時間(非通電時間)toff_kp(x)(図7参照)をそれぞれ算出する。ここで、各維持温度Tkp(x)は、図6のテーブルの比例定数βを用いて、以下の(4)式の通りに表すこともできる。
kp(x)=Trc−β×toff_kp(x) …(4)
そのため、非通電時間toff_kp(x)は、(4)式を変形した以下の(5)式の通りに表すことができる。
off_kp(x)=(Trc−Tkp(x))/β …(5)
よって、非通電時間toff_kp(x)は、(5)式に(3)式を代入することで、以下の(6)式の通りに表すことができる。
off_kp(x)=(Trc−(T+(x−1)×T))/β …(6)
したがって、(6)式のxに1からnを代入することで、各維持温度Tkp(x)に対応する非通電時間toff_kp(x)をそれぞれ算出することができる。
ステップS35において、電子制御ユニット200は、導電性担体35に最大電流Imaxを流した場合に、担体温度を各維持温度Tkp(x)から始動目標温度Tstaまで上昇させるために必要な通電時間ton_dm(x)(図7参照)をそれぞれ算出する。ここで、通電時間ton_dm(x)は、図5のテーブルの比例定数αを用いて、以下の(7)式の通りに表すことができる。
on_dm(x)=α×(Tsta−Tkp(x)) …(7)
したがって、(7)式のxに1からnを代入することで、各維持温度Tkp(x)に対応する通電時間ton_dm(x)をそれぞれ算出することができる。
ステップS36において、電子制御ユニット200は、担体温度を各維持温度Tkp(x)に維持する必要のある時間(以下「温度維持時間」という)ton_kp(x)(図7参照)を算出する。ここで、温度維持時間ton_kp(x)は、以下の(8)式の通りに表すことができる。
on_kp(x)=tsta−(toff_kp(x)+ton_kp(x)) …(8)
したがって、(8)式のxに1からnを代入することで、各維持温度Tkp(x)に対応する温度維持時間ton_kp(x)をそれぞれ算出することができる。
ステップS37において、電子制御ユニット200は、予め実験等によって作成された図8のテーブルを参照し、担体温度を各維持温度Tkp(x)に維持するために、導電性担体35に通電する必要のある電流値(以下「維持電流値」という。)Ikp(x)をそれぞれ算出する。
ステップS38において、電子制御ユニット200は、コースティング制御中に担体温度を各維持温度Tkp(x)に維持した場合の消費電力P(x)をそれぞれ算出する。具体的には、電子制御ユニット200は、まず以下の(9)式のxに1からnを代入することで、各温度維持時間ton_kp(x)の間に消費される第1電力量Pkp(x)をそれぞれ算出する。なお、(9)式のRは導電性担体35の抵抗値である。
kp(x)=(Ikp(x))×R×ton_kp(x) …(9)
次に電子制御ユニット200は、以下の(10)式のxに1からnを代入することで、各通電時間ton_dm(x)の間に消費される第2電力量Pdm(x)を算出する。なお、(10)式のRは導電性担体35の抵抗値である。
dm(x)=(Imax×R×ton_dm(x) …(10)
最後に電子制御ユニット200は、以下の(11)式のxに1からnを代入することで、コースティング制御中に担体温度を各維持温度Tkp(x)に維持した場合の消費電力P(x)をそれぞれ算出する。
P(x)=Pkp(x)+Pdm(x) …(11)
ステップS39において、電子制御ユニット200は、ステップS39で算出した各維持温度Tkp(x)に対応した消費電力P(x)のうちで、最少値をとる消費電力P(x)のxの値をxminとして算出する。なお、各維持温度Tkp(x)とそれに対応する消費電力P(x)との関係を、一例としてテーブルで示せば、例えば図9のような関係となる。
ステップS40において、電子制御ユニット200は、コースティング制御中の通電パターンを設定する。具体的には電制御ユニットは、ステップS40で設定したxminを、前述した(3)式、(6)式、及び(8)式に代入し、コースティング制御中の維持温度Tkp、非通電時間toff_kp及び通電時間ton_kpを最終的に設定する。このように本実施形態では、内燃機関1の再始動が予想される時刻に担体温度を始動目標温度Tstaにすることができる複数の通電パターンの中から、内燃機関1を停止させた時刻から内燃機関1の再始動が予想される時刻までの期間内における電力消費量が最少となる通電パターンを最終的な通電パターン(目標通電パターン)として設定する。なお電子制御ユニット200は、ステップS40で設定したxminを(6)式、(7)式及び(8)式に代入した結果、各時間がマイナスの値となった場合は、各時間を0とする。
図2に戻り、ステップS4において、電子制御ユニット200は、非通電時間toff_kpが0より大きいか否かを判定する。電子制御ユニット200は、非通電時間toff_kpが0より大きければステップS5の処理に進み、非通電時間toff_kpが0であればステップS6の処理に進む。
ステップS5において、電子制御ユニット200は、導電性担体35に通電せず、担体温度を維持温度Tkpまで低下させる。
ステップS6において、電子制御ユニット200は、温度維持時間ton_kpが0より大きいか否かを判定する。電子制御ユニット200は、温度維持時間ton_kpが0より大きければステップS7の処理に進み、温度維持時間ton_kpが0であればステップS10の処理に進む。
ステップS7において、電子制御ユニット200は、前述した図8のテーブルを参照し、維持温度Tkpに対応する維持電流値Ikpを算出する。
ステップS8において、電子制御ユニット200は、導電性担体35に維持電流値Ikpの電流が流れるように電圧調整回路を制御して、担体温度を維持温度Tkpに維持する。
ステップS9において、電子制御ユニット200は、瞬時担体温度Trcが始動目標温度Tsta未満か否かを判定する。電子制御ユニット200は、瞬時担体温度Trcが始動目標温度Tsta未満であればステップS10の処理に進み、瞬時担体温度Trcが始動目標温度Tsta以上であればステップS11の処理に進む。
ステップS10において、電子制御ユニット200は、導電性担体35に最大電流Imaxの電流が流れるように電圧調整回路を制御して、担体温度を始動目標温度Tstaまで上昇させる。
ステップS11において、電子制御ユニット200は、導電性担体35に対する通電を停止する。
図10は、始動予想時間算出制御について説明するフローチャートである。電子制御ユニット200は、本ルーチンを所定の演算周期で繰り返し実施する。
ステップS101において、電子制御ユニット200は、ナビゲーション情報に含まれる車両位置情報や道路情報などに基づいて、車両100の予想走行経路を設定する。
ステップS102において、電子制御ユニット200は、予想走行経路が複数設定されているか否かを判定する。電子制御ユニット200は、予想走行経路が1つであればステップS103の処理に進み、複数あればステップS106の処理に進む。
ステップS103において、電子制御ユニット200は、ナビゲーション情報に含まれる車両位置情報や道路情報などに基づいて、車両100の現在地から一定距離L0内の予想走行経路に、加速ポイントや停車ポイントがあるか否かを判定する。加速ポイントは、例えば上り勾配となっている地点や制限速度が高くなる地点、幹線道路への合流地点などである。停車ポイントは、例えば信号や交差点、渋滞地点などである。予想走行経路に加速ポイントがあるか否かを判定するのは、加速ポイントに到達したときには、アクセルペダルが踏み込まれる蓋然性が高いためである。また予想走行経路に停車ポイントがあるか否かを判定するのは、停車ポイントに到達したときには、停車後に車両100を発進させるためにアクセルペダルが踏み込まれる蓋然性が高いためである。電子制御ユニット200は、予想走行経路に加速ポイントや停車ポイントがあればステップS104の処理に進み、予想走行経路に加速ポイントや停車ポイントがなければ今回の処理を終了する。
ステップS104において、電子制御ユニット200は、加速ポイント及び停車ポイントの各ポイントまでの現在地からの距離をそれぞれ算出し、現在地から最も近いポイントまでの距離を最短距離Lsとして設定する。
ステップS105において、電子制御ユニット200は、最短距離Lsを車速で除算して、始動予想時間tstaを算出する。
ステップS106において、電子制御ユニット200は、車両位置情報や道路情報などのナビゲーション情報に基づいて、車両100の現在地から一定距離L0内の各予想走行経路に、加速ポイントや停車ポイントがあるか否かを判定する。電子制御ユニット200は、各予想走行経路に加速ポイントや停車ポイントがあればステップS107の処理に進み、各予想走行経路に加速ポイントや停車ポイントがなければ今回の処理を終了する。
ステップ107において、電子制御ユニット200は、ナビゲーション情報に含まれる自車両や他車両の過去の走行データなどに基づいて、各予想走行経路の加速ポイント及び停車ポイントの中うち、走行する確率が一定値以上となるポイントを選択する。
ステップS108において、電子制御ユニット200は、ステップ107で選択された走行確率が一定値以上となる各ポイントまでの距離をそれぞれ算出する。そして、その中から最も近いポイントまでの距離を最短距離Lsとして設定する。
以上説明した本実施形態によれば、内燃機関1と、内燃機関1の排気通路内に保持されて、通電されることにより発熱して触媒を加熱する導電性担体35(発熱体)と、を備える車両100を制御する電子制御ユニット200(制御装置)が、車両100の予想走行経路上の道路情報に基づいて、内燃機関1を停止させた状態で車両100を走行させている場合に当該内燃機関1の再始動が予想される始動予想時刻を算出する始動予測時刻算出部と、始動予想時刻に導電性担体35の温度を始動目標温度Tstaにすることができる複数の通電パターンの中から、内燃機関1を停止させた時刻から始動予想時刻までの期間内における電力消費量が最少となる通電パターンを目標通電パターンとして設定し、当該目標通電パターンで導電性担体35に通電する通電制御部と、を備える。
そして通電制御部は、始動目標温度Tstaよりも低いそれぞれ値の異なる複数の維持温度Tkp(x)を設定し、所定電流値の電流を導電性担体35に通電することにより導電性担体35の温度を維持温度Tkp(x)から昇温させて、始動予想時刻に導電性担体35の温度を始動目標温度Tstaにする場合に、導電性担体35に通電して導電性担体35の温度を維持温度Tkp(x)に維持する必要のある期間に消費される第1電力量Pkp(x)を複数の維持温度Tkp(x)ごとに算出し、所定電流値の電流を導電性担体35に通電することにより、導電性担体35の温度を維持温度Tkp(x)から始動目標温度Tstaまで昇温させたときに消費される第2電力量Pdm(x)を複数の維持温度Tkp(x)ごとに算出し、第1電力量Pkp(x)及び第2電力量Pdm(x)の総和P(x)が最少となる維持温度Tkp(xmin)を複数の維持温度Tkp(x)の中から選択し、導電性担体35の温度をその選択した維持温度Tkp(xmin)に維持した後、所定電流値の電流を導電性担体35に通電して導電性担体35の温度を選択した維持温度Tkp(xmin)から始動目標温度Tstaまで昇温させる通電パターンを目標通電パターンとして設定する。
そのため、内燃機関1を停止させた時刻から始動予想時刻までの期間内の電力消費量を最小限に抑えることができ、燃費の悪化を抑制することができる。また、始動予想時刻に担体温度を触媒の活性温度以上の温度である始動目標温度Tstaにすることができるので、始動予想時刻に即座に内燃機関1を始動することができると共に、排気エミッションの悪化を抑制することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば車両100はハイブリッド車両でも良く、駆動モータのみで車両を駆動しているときに上記の通電制御を実施するようにしても良い。また、上記実施形態では、機関本体10の始動時にモータジェネレータ73をモータとして機能させることでクランキングを実施していたが、一般的なDCスタータモータを用い、機関本体10の始動時に当該DCスタータモータでクランキングを実施するように車両100を構成することもできる。
1 内燃機関
35 導電性担体(発熱体)
100 車両
200 電子制御ユニット(制御装置)

Claims (1)

  1. 内燃機関と、
    前記内燃機関の排気通路内に保持されて、通電されることにより発熱して触媒を加熱する発熱体と、
    を備える車両を制御する車両の制御装置であって、
    前記車両の予想走行経路上の道路情報に基づいて、前記内燃機関を停止させた状態で車両を走行させている場合に当該内燃機関の再始動が予想される始動予想時刻を算出する始動予測時刻算出部と、
    前記始動予想時刻に前記発熱体の温度を所定の始動目標温度にすることができる複数の通電パターンの中から、前記内燃機関を停止させた時刻から前記始動予想時刻までの期間における電力消費量が最少となる通電パターンを目標通電パターンとして設定し、当該目標通電パターンで前記発熱体に通電する通電制御部と、
    を備え、
    前記通電制御部は、
    前記始動目標温度よりも低い、それぞれ値の異なる複数の維持温度を設定し、
    所定電流値の電流を前記発熱体に通電することにより当該発熱体の温度を前記維持温度から昇温させて、前記始動予想時刻に当該発熱体の温度を前記始動目標温度にする場合に、前記発熱体に通電して当該発熱体の温度を前記維持温度に維持する必要のある期間に消費される第1電力量を前記複数の維持温度ごとに算出し、
    前記所定電流値の電流を前記発熱体に通電することにより、当該発熱体の温度を前記維持温度から前記始動目標温度まで昇温させたときに消費される第2電力量を前記複数の維持温度ごとに算出し、
    前記第1電力量及び前記第2電力量の総和が最少となる維持温度を前記複数の維持温度の中から選択し、
    前記発熱体の温度をその選択した維持温度に維持した後、前記所定電流値の電流を前記発熱体に通電して当該発熱体の温度を前記選択した維持温度から始動目標温度まで昇温させる通電パターンを前記目標通電パターンとして設定する、
    車両の制御装置。
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