JP2017040073A - 鋼製スリットダムの鋼管継手構造 - Google Patents

鋼製スリットダムの鋼管継手構造 Download PDF

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Abstract

【課題】フランジ接合部のせん断抵抗力及び曲げ抵抗力を高めて巨礫の衝撃等による開き、又は芯ずれを極力防止できる鋼製スリットダムの鋼管継手構造を提供する。【解決手段】河川の横断方向両岸のコンクリート堤体間に設けられる鋼製スリットダムのフランジ付き鋼管継手構造において、一方のフランジ付き鋼管1の接合端部には、他方のフランジ付き鋼管2内に挿入可能なホゾ部材5が突設されており、当該ホゾ部材5が他方のフランジ付き鋼管2内に挿入されてフランジ接合されてなる。【選択図】図1

Description

この発明は、河川の横断方向両岸のコンクリート堤体間に設けられる鋼製スリットダムを構成するフランジ付き鋼管同士の接合部継手構造の技術分野に属する。
河川の横断方向両岸のコンクリート堤体間に立設され、土石流捕捉工対策、或いは流木捕捉工対策として巨礫、或いは流木などの流下物を効果的に捕捉する鋼製スリットダムがよく知られている。
この鋼製スリットダムは、透過型砂防堰堤等とも呼ばれ、今日まで、様々な形状、構造の技術が開示され、実施に供されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
前記鋼製スリットダムは、鋼管からなる支柱や梁を立体的に接合して構築されている。前記接合手段には、搬送に適したサイズで製造された各ブロック(パーツ)の接合部位をフランジ付き鋼管とし、現場で当該フランジ付き鋼管同士を突き合わせ、各フランジ孔にボルトを通しナットで締結して接合するフランジ接合が多用されている(前記特許文献1〜4の図面等参照)。
特開2002−188134号公報 特開2013−204272号公報 特開2009−127280号公報 特開2009−24364号公報
前記したように、鋼製スリットダムを構築する際に多用されるフランジ接合であるが、特に鋼製スリットダムの上流側で実施する場合、図9と図10に示したように、巨礫がフランジ接合部又は鋼管の中間部に衝突(直撃)することによる衝撃等(図中の矢印参照)により、前記フランジ接合部が開いたり、芯ずれしたり(ずり動いたり)して強度・剛性が(急激に)低下する懸念がある。更に他のフランジ接合部にも悪影響を及ぼし、ひいては鋼製スリットダム自体が倒壊する等、その用をなさない懸念もある。
前記特許文献1には、図12に示すように、鞘管(36)を用いた接合手段が開示されてはいるものの、取り付け及び取り外しが容易で熟練工を必要としない、機械的接合に非常に優れたフランジ接合について改良した技術は今のところ見当たらない。
本発明は、上述した背景技術の課題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、前記フランジ接合部のせん断抵抗力及び曲げ抵抗力を高めて巨礫の衝撃等による開き、又は芯ずれを極力防止することにより当該フランジ接合部の強度・剛性を保持し、ひいては所定の耐用年数まで所要の強度・剛性を保持した安定性、安全性に優れた鋼製スリットダムを実現し、近年の増大する土石流規模や想定外規模の土石流・巨礫の衝突にも対応できる、鋼製スリットダムの鋼管継手構造を提供することにある。
上記課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る鋼製スリットダムの鋼管継手構造は、河川の横断方向両岸のコンクリート堤体間に設けられる鋼製スリットダムのフランジ付き鋼管継手構造において、
一方のフランジ付き鋼管の接合端部には、他方のフランジ付き鋼管内に挿入可能なホゾ部材が突設されており、当該ホゾ部材が他方のフランジ付き鋼管内に挿入されてフランジ接合されてなることを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した発明に係る鋼製スリットダムの鋼管継手構造において、前記一方のフランジ付き鋼管は、鋼管の外方に突き出る環状又は円盤状のフランジ付き鋼管であることを特徴とする。
請求項3に記載した発明に係る鋼製スリットダムの鋼管継手構造は、河川の横断方向両岸のコンクリート堤体間に設けられる鋼製スリットダムのフランジ付き鋼管継手構造において、
一方のフランジ付き鋼管の接合端部は、他方のフランジ付き鋼管よりも大きい拡径部に形成され、他方のフランジ付き鋼管の接合端部は、その端縁よりも内側の部位にフランジが外設されており、当該フランジから外側に突き出た鋼管が前記一方のフランジ付き鋼管の拡径部内に挿入されてフランジ接合されてなることを特徴とする。
請求項4に記載した発明に係る鋼製スリットダムの鋼管継手構造は、河川の横断方向両岸のコンクリート堤体間に設けられる鋼製スリットダムのフランジ付き鋼管継手構造において、
一方のフランジ付き鋼管と他方のフランジ付き鋼管は、中央部に環状のフランジを外設したインナースリーブ部材を介してフランジ接合されてなることを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、請求項4に記載した発明に係る鋼製スリットダムの鋼管継手構造において、前記双方のフランジ付き鋼管は、鋼管の内外方に突き出る環状のフランジを備え、内方の突き出し部にはキー溝が形成され、前記インナースリーブ部材は、前記鋼管の環状フランジ内に挿入可能な大きさとされ、管軸方向両端部にキーが外設されており、前記キー溝内に挿入されたキーを回転させて引き抜き不能状態にした上でフランジ接合されてなることを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、請求項1〜5のいずれか一に記載した発明に係る鋼製スリットダムの鋼管継手構造において、前記一方又は他方のフランジ付き鋼管の外周面には、前記フランジ接合部を覆う保護ケーシングが設けられていることを特徴とする。
本発明にかかる鋼製スリットダムの鋼管継手構造によれば、以下の作用効果を奏する。
(1)従来一般のフランジ接合(突き合わせボルト接合)に加え、ホゾとホゾ穴の関係のごとくホゾ部材等が環状のフランジ内へ嵌め込まれ拘束(ホールド)された所謂二重管構造を実現できるので、更に強固に接合でき、ホゾ部材等、ひいては互いに接合された鋼管の反りや捻れの防止にも寄与することができる。
したがって、前記フランジ接合部のせん断抵抗力及び曲げ抵抗力を効果的に高めることができるので、巨礫の衝撃等による開き、又は芯ずれを極力防止することにより当該フランジ接合部の強度・剛性を保持し、ひいては所定の耐用年数まで所要の強度・剛性を保持した安定性、安全性に優れた鋼製スリットダムを実現し、近年の増大する土石流規模や想定外規模の土石流・巨礫の衝突にも対応できる。
また、前記作用効果を、従来一般のフランジ接合作業と同様の手順と手間により実現できるので、至極合理的である。
(2)請求項4にかかる鋼製スリットダムの鋼管継手構造によれば、上記作用効果(1)に加え、二重管構造を構成する内管に相当する部材が破損等した場合、内管の交換作業を容易に行うことができる。また、3枚のフランジでフランジ接合部を実現できるので、1枚当たりの板厚を小さくでき、フランジの溶接作業を省力化できる。
(3)請求項5にかかる鋼製スリットダムの鋼管継手構造によれば、上記作用効果(1)、(2)に加え、キーとキー溝による離脱防止効果により、曲げ抵抗力を更に高めることができる。
(4)請求項6にかかる鋼製スリットダムの鋼管継手構造によれば、上記作用効果(1)に加え、保護ケーシングがフランジ接合部を巨礫の直撃から護るので、巨礫の衝撃等による開き、又は芯ずれをさらに防止することができる。
Aは、実施例1にかかる鋼製スリットダムの鋼管継手構造の接合態様を概略的に示した分解斜視図であり、Bは、フランジ接合部を示した正面図であり、Cは、BのC−C線矢視断面図である。 Aは、実施例2にかかる鋼製スリットダムの鋼管継手構造のフランジ接合部を示した正面図であり、Bは、AのB−B線矢視断面図である。 Aは、実施例3にかかる鋼製スリットダムの鋼管継手構造のフランジ接合部を示した正面図であり、Bは、AのB−B線矢視断面図である。 Aは、実施例4にかかる鋼製スリットダムの鋼管継手構造の接合態様を概略的に示した分解斜視図であり、Bは、フランジ接合部を示した正面図であり、Cは、BのC−C線矢視断面図である。 Aは、実施例5にかかる鋼製スリットダムの鋼管継手構造の接合態様を概略的に示した分解斜視図であり、Bは、フランジ接合部を示した正面図であり、Cは、BのC−C線矢視断面図である。 Aは、実施例6にかかる鋼製スリットダムの鋼管継手構造の接合態様を概略的に示した分解斜視図であり、Bは、フランジ接合部を示した正面図であり、Cは、BのC−C線矢視断面図である。 Aは、実施例7にかかる鋼製スリットダムの鋼管継手構造のフランジ接合部を示した正面図であり、Bは、AのB−B線矢視断面図である。 Aは、実施例8にかかる鋼製スリットダムの鋼管継手構造の接合態様を概略的に示した分解斜視図であり、Bは、フランジ接合部を示した正面図であり、Cは、フランジ側からみたフランジ付き鋼管の側面図であり、Dは、同インナースリーブ部材の側面図である。 Aは、従来技術にかかる鋼製スリットダムの鋼管継手構造を概略的に示した正面図であり、Bは、巨礫の衝撃等によりフランジ接合部が開いた状態を概略的に示した正面図であり、Cは、巨礫の衝撃等によりフランジ接合部が芯ずれした状態を概略的に示した正面図である。 は、従来技術にかかる鋼製スリットダムの鋼管継手構造を概略的に示した正面図であり、Bは、巨礫の衝撃等によりフランジ接合部が開いた状態を概略的に示した正面図であり、Cは、巨礫の衝撃等によりフランジ接合部が芯ずれした状態を概略的に示した正面図である。
本発明は、河川の横断方向両岸のコンクリート堤体間に設けられる鋼製スリットダムのフランジ付き鋼管継手構造において、そのフランジ接合部の補強(強化)、具体的には以下の実施例で逐一説明するが、要するに前記フランジ接合部を、ホゾ部を嵌入する等して所謂二重管構造に構成し、せん断抵抗力及び曲げ抵抗力を高める技術的思想に立脚している。
なお、実施例を説明するために用いる図は、図示の便宜上、一例として水平に接合する場合を記載しているが勿論これに限定されない。本発明(にかかるフランジ付き鋼管継手構造)を適用する部位に方向性はなく、水平方向、鉛直方向、傾斜方向等、あらゆる方向に適宜継ぎ足して接合し、鋼製スリットダムを立体的に構築することができる。もっとも、本発明をすべての接合部に適用しても良いし、要所(例えば、上流側に設置する鋼管のみ)に限定して適用しても良い。実施のバリエーションは多様に考えられる。
以下、本発明に係る鋼製スリットダムのフランジ付き鋼管継手構造の実施例について図面に基づいて説明する。
実施例1にかかる鋼製スリットダムの鋼管継手構造は、図1A〜Cに示したように、河川の横断方向両岸のコンクリート堤体間に設けられる鋼製スリットダム(図示省略)のフランジ付き鋼管継手構造であり、一方のフランジ付き鋼管1の接合端部には、他方のフランジ付き鋼管2内に挿入可能なホゾ部材5が突設されており、当該ホゾ部材5が他方のフランジ付き鋼管2内に挿入されてフランジ接合されてなる。
ちなみに図中の符号3は、鋼管の外方に突き出る円盤状のフランジを示し、符号4は、鋼管の外方に突き出る環状のフランジを示している。
念のため、前記フランジ接合とは、当該フランジ付き鋼管1、2(厳密にはフランジ3、4)同士を突き合わせ、芯を一致させた各フランジ孔3a、4aにボルト6を通しナット7で締結して接合する手段をいう。
本実施例に用いる鋼管1、2の大きさ(形態)は、構造設計に応じて適宜設計変更されるが、外径(φ)400〜600mm程度、板厚(t)9〜22mm程度が一般的である。もとより、フランジ接合する鋼管1、2の大きさは一致させておくことが好ましい。
以下に説明する実施例についても同様の技術的思想とする。
具体的に、前記一方のフランジ付き鋼管1は、外径400mm程度、板厚9mm程度の大きさで実施している。当該鋼管1の接合端縁には、外径600mm程度、板厚36mm程度の円盤状のフランジ3が前記鋼管1と芯が一致するように溶接(全周溶接)により固着(固定)されている。さらに、前記円盤状のフランジ3の外側面には、外径250mm程度、板厚7mm程度、全長250mm程度の円筒形状のホゾ部材5が前記鋼管1及び円盤状のフランジ3と芯が一致するように溶接により固着されている。
前記他方のフランジ付き鋼管2は、外径400mm程度、板厚9mm程度の大きさで実施している。当該鋼管2の接合端縁には、外径600mm程度、内径250mm程度、板厚36mm程度の環状のフランジ4が前記鋼管2と芯が一致するように溶接により固着されている。すなわち、前記環状のフランジ4の内径は、前記ホゾ部材5が略内接する大きさとされている。
よって、前記一方のフランジ付き鋼管1のホゾ部材5(外径250mm程度)を他方のフランジ付き鋼管2の環状のフランジ4(内径250mm程度)内へ嵌め込んでさらに進入させると、当該鋼管1、2のフランジ3、4同士が突き合う構成となる。その後は、芯を一致させた各フランジ孔3a、4aにボルト6を通しナット7で締結して接合する所謂フランジ接合を行うことにより鋼管継手構造を実現する。
なお、前記各寸法は、一例を示したものにすぎず、構造設計に応じて適宜変更可能である。
上記構成の鋼製スリットダムの鋼管継手構造によれば、従来一般のフランジ接合(突き合わせボルト接合)に加え、ホゾとホゾ穴の関係のごとく前記ホゾ部材5が環状のフランジ4内へ嵌め込まれ拘束(ホールド)された所謂二重管構造を実現できるので、更に強固に接合でき、ホゾ部材5、ひいては前記鋼管1、2の反りや捻れの防止にも寄与することができる。
したがって、前記フランジ接合部のせん断抵抗力及び曲げ抵抗力を効果的に高めることができるので、巨礫の衝撃等による開き、又は芯ずれを極力防止することにより当該フランジ接合部の強度・剛性を保持し、ひいては所定の耐用年数まで所要の強度・剛性を保持した安定性、安全性に優れた鋼製スリットダムを実現し、近年の増大する土石流規模や想定外規模の土石流・巨礫の衝突にも対応できる。
また、前記作用効果を、従来一般のフランジ接合作業と同様の手順と手間により実現できるので、至極合理的である。
図2A、Bに示した鋼製スリットダムの鋼管継手構造は、上記実施例1と比し、前記ホゾ部材5の形態、これに伴う環状のフランジ4の形態のみ相違する。その他の構成要素は上記実施例1と同一なので同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
すなわち、この実施例2にかかる鋼製スリットダムの鋼管継手構造は、一方のフランジ付き鋼管1の円盤状のフランジ3の外側面に、外径382mm程度、板厚7mm程度、全長250mm程度の円筒形状のホゾ部材5’が前記鋼管1及び円盤状のフランジ3と芯が一致するように溶接により固着されている。
前記他方のフランジ付き鋼管2の接合端縁には、外径600mm程度、内径382mm程度、板厚36mm程度の環状のフランジ4’が前記鋼管2と芯が一致するように溶接により固着されている。すなわち、前記環状のフランジ4’及び鋼管2の内径は、前記ホゾ部材5’が略内接する大きさとされている。
よって、前記一方のフランジ付き鋼管1のホゾ部材5’(外径382mm程度)を他方のフランジ付き鋼管2の環状のフランジ4’(内径382mm程度)内へ嵌め込んでさらに進入させると、当該鋼管1、2のフランジ3、4’同士が突き合う構成となる。その後は、芯を一致させた各フランジ孔にボルト6を通しナット7を締結して接合する所謂フランジ接合を行うことにより鋼管継手構造を実現する。
なお、前記各寸法は、一例を示したものにすぎず、構造設計に応じて適宜変更可能である。
上記構成の鋼製スリットダムの鋼管継手構造によれば、上記実施例1と同様の作用効果を奏する。
すなわち、従来一般のフランジ接合に加え、ホゾとホゾ穴の関係のごとく前記ホゾ部材5’が環状のフランジ4’(鋼管2)内へ嵌め込まれ拘束(ホールド)された所謂二重管構造を実現できるので、更に強固に接合でき、ホゾ部材5’、ひいては前記鋼管1、2の反りや捻れの防止にも寄与することができる。
したがって、前記フランジ接合部のせん断抵抗力及び曲げ抵抗力を効果的に高めることができるので、巨礫の衝撃等による開き、又は芯ずれを極力防止することにより当該フランジ接合部の強度・剛性を保持し、ひいては所定の耐用年数まで所要の強度・剛性を保持した安定性、安全性に優れた鋼製スリットダムを実現し、近年の増大する土石流規模や想定外規模の土石流・巨礫の衝突にも対応できる。
また、前記作用効果を、従来一般のフランジ接合作業と同様の手順と手間により実現できるので、至極合理的である。
図3A、Bに示した鋼製スリットダムの鋼管継手構造は、上記実施例1と比し、フランジ3、4を、ともに上記実施例2の環状のフランジ4’と同一形状としたこと、及び前記ホゾ部材5の形態のみ相違する。その他の構成要素は上記実施例1と同一なので同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
すなわち、この実施例3にかかる鋼製スリットダムの鋼管継手構造は、前記一方のフランジ付き鋼管1の接合端縁には、外径600mm程度、内径382mm程度、板厚36mm程度の環状のフランジ3’が前記鋼管1と芯が一致するように溶接により固着されている。さらに、当該フランジ3’付き鋼管1の内側面には、外径382mm程度、板厚7mm程度、全長400mm程度の円筒形状のホゾ部材5vの一部(150mm)を内接させて、部分的(250mm程度)に外方へ突き出すように溶接により固着されている。
前記他方のフランジ付き鋼管2の形態は上記実施例2と同様であり、その接合端縁には、外径600mm程度、内径382mm程度、板厚36mm程度の環状のフランジ4’が前記鋼管2と芯が一致するように溶接により固着されている。すなわち、前記環状のフランジ4’及び鋼管2の内径は、前記ホゾ部材5vが略内接する大きさとされている。
よって、前記一方のフランジ付き鋼管1のホゾ部材5v(外径382mm程度)を他方のフランジ付き鋼管2の環状のフランジ4’(内径382mm程度)内へ嵌め込んでさらに進入させると、当該鋼管1、2のフランジ3’、4’同士が突き合う構成となる。その後は、芯を一致させた各フランジ孔にボルト6を通しナット7を締結して接合する所謂フランジ接合を行うことにより鋼管継手構造を実現する。
なお、前記各寸法は、一例を示したものにすぎず、構造設計に応じて適宜変更可能である。
上記構成の鋼製スリットダムの鋼管継手構造によれば、上記実施例1、2と同様の作用効果を奏する。
すなわち、従来一般のフランジ接合に加え、ホゾとホゾ穴の関係のごとく前記ホゾ部材5vが環状のフランジ4’(鋼管2)内へ嵌め込まれ拘束(ホールド)された所謂二重管構造を実現できるので、更に強固に接合でき、ホゾ部材5v、ひいては前記鋼管1、2の反りや捻れの防止にも寄与することができる。
したがって、前記フランジ接合部のせん断抵抗力及び曲げ抵抗力を効果的に高めることができるので、巨礫の衝撃等による開き、又は芯ずれを極力防止することにより当該フランジ接合部の強度・剛性を保持し、ひいては所定の耐用年数まで所要の強度・剛性を保持した安定性、安全性に優れた鋼製スリットダムを実現し、近年の増大する土石流規模や想定外規模の土石流・巨礫の衝突にも対応できる。
また、前記作用効果を、従来一般のフランジ接合作業と同様の手順と手間により実現できるので、至極合理的である。
実施例4にかかる鋼製スリットダムの鋼管継手構造は、図4A〜Cに示したように、河川の横断方向両岸のコンクリート堤体間に設けられる鋼製スリットダムのフランジ付き鋼管継手構造であり、一方のフランジ付き鋼管11の接合端部は、他方のフランジ付き鋼管12よりも大きい拡径部11aが段状に形成され、他方のフランジ付き鋼管12の接合端部は、その端縁よりも内側の部位(本実施例では前記拡径部11aの管軸方向長さL(図4B参照)分だけ鋼管12が突き出る部位)に環状のフランジ14が外設されており、当該環状のフランジ14から外側に突き出た鋼管12が前記一方のフランジ付き鋼管11の拡径部11a内に挿入されてフランジ接合されてなる。
ちなみに図中の符号13は、環状のフランジを示している。
具体的に、前記一方のフランジ付き鋼管11は、外径400mm程度、板厚9mm程度の大きさで実施され、その拡径部11aは、外径418mm程度、板厚9mm程度、管軸方向長さが220mm程度の形態で実施されている。さらに、当該拡径部11aの端縁の外周面には外径600mm程度、内径418mm程度、板厚36mm程度の環状のフランジ13が前記鋼管11及び拡径部11aと芯が一致するように溶接により固着されている。
前記他方のフランジ付き鋼管12は、外径400mm程度、板厚9mm程度の大きさで実施され、当該鋼管12に外設されるフランジ14は、外径600mm程度、内径400mm程度、板厚36mm程度で、前記鋼管12と芯が一致するように溶接により固着されている。すなわち、前記拡径部11aの内径(400mm)は、前記鋼管12が略内接する大きさとされている。
上記した寸法のとおり、前記一方のフランジ付き鋼管11側に設ける環状のフランジ13と他方のフランジ付き鋼管12側に設ける環状のフランジ14とは、外径が同じで内径が異なる。もとより、フランジ孔13a、14aは芯が一致するように設けられている。 前記フランジ14は、上記した通り、本実施例では前記拡径部11aの管軸方向長さ(L=220mm程度)分だけ鋼管12が突き出る部位に設けて実施しているがこれに限定されない。前記寸法より短くても(例えば、L=50mm程度でも)よい。もっとも、前記L寸法は、長い方がせん断抵抗力及び曲げ抵抗力は増加する。
なお、前記各寸法は、一例を示したものにすぎず、構造設計に応じて適宜変更可能である。特に、前記鋼管12の突き出し寸法Lは、前記せん断抵抗力及び曲げ抵抗力を効果的に発揮できる寸法で実施され、例えば、50〜300mm等、使用する鋼管11、12の外径を(φ)とすると、1/2φ〜1φの範囲で実施することが好ましい。
かくして、前記他方のフランジ付き鋼管12を一方のフランジ付き鋼管11の拡幅部11a内へ嵌め込んでさらに進入させると、当該鋼管11、12のフランジ13、14同士が突き合う構成となる。その後は、芯を一致させた各フランジ孔13a、14aにボルト6を通しナット7で締結して接合する所謂フランジ接合を行うことにより鋼管継手構造を実現する。
上記構成の鋼製スリットダムの鋼管継手構造によれば、従来一般のフランジ接合(突き合わせボルト接合)に加え、ホゾとホゾ穴の関係のごとく前記鋼管12が拡幅部11a内へ嵌め込まれ拘束(ホールド)された所謂二重管構造を実現できるので、更に強固に接合でき、前記鋼管11、12の反りや捻れの防止にも寄与することができる。
したがって、前記フランジ接合部のせん断抵抗力及び曲げ抵抗力を効果的に高めることができるので、巨礫の衝撃等による開き、又は芯ずれを極力防止することにより当該フランジ接合部の強度・剛性を保持し、ひいては所定の耐用年数まで所要の強度・剛性を保持した安定性、安全性に優れた鋼製スリットダムを実現し、近年の増大する土石流規模や想定外規模の土石流・巨礫の衝突にも対応できる。
また、前記作用効果を、従来一般のフランジ接合作業と同様の手順と手間により実現できるので、至極合理的である。
図5A〜Cに示した鋼製スリットダムの鋼管継手構造は、上記実施例4と比し、前記一方のフランジ付き鋼管11の外周面に、前記フランジ接合部を覆う保護ケーシング15が設けられていることが相違する。その他の構成要素は上記実施例4と同一なので同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
すなわち、この実施例5にかかる鋼製スリットダムの鋼管継手構造は、前記保護ケーシング15が、図5A〜Cに示したように、断面L字型の円環状に形成されており、前記一方のフランジ付き鋼管11のフランジ13の外周面に外接する円筒部は、外径620mm程度、内径600mm程度、板厚12mm程度の均等断面形状とされ、当該鋼管11の外周面に外接する底面部は、外径624mm程度、内径400mm程度の環状に形成されている。
また、当該保護ケーシング15の管軸方向長さは、底面部が前記拡径部11aの基端部(段部)に掛け留めたとき、円筒部の先端縁がフランジ接合部を覆う程度(具体的には、図5Bの左側から右側へ、底面部の板厚(5mm)、拡径部11aの全長(220mm)、フランジ14の板厚(36mm)、ボルト6の頭部(20mm)を足した281mm程度)の長さで実施されている。
なお、前記保護ケーシング15の形態はもちろん上記寸法に限定されず、前記フランジ接合部を覆うことができるように、所要の強度・剛性を備えて前記フランジ付き鋼管11に固着して実施できればよい。また、図示は省略したが、前記保護ケーシング15は、他方のフランジ付き鋼管12に、やはり前記フランジ接合部を覆うことができるように、所要の強度・剛性を備えて固着して実施することもできる。
もっとも、前記保護ケーシング15を設ける側のフランジ13(フランジ孔13a)は、ボルト接合作業を考慮し、予めナット7を溶接しておく。
かくして、前記他方のフランジ付き鋼管12を一方のフランジ付き鋼管11の拡幅部11a内へ嵌め込んでさらに進入させると、当該鋼管11、12のフランジ13、14同士が突き合う構成となる。その後は、芯を一致させた各フランジ孔13a、14aにおいて、フランジ孔13a側に設けた溶接ナット7にボルト6を通して接合する所謂フランジ接合を行うことにより鋼管継手構造を実現する。
上記構成の鋼製スリットダムの鋼管継手構造によれば、上記実施例4と同様の作用効果(段落[0029]参照)に加え、前記保護ケーシング15が、フランジ接合部を巨礫の直撃から護るので、巨礫の衝撃等による開き、又は芯ずれをさらに防止することにより当該フランジ接合部の強度・剛性を保持し、ひいては所定の耐用年数まで所要の強度・剛性を保持した安定性、安全性に非常に優れた鋼製スリットダムを実現し、近年の増大する土石流規模や想定外規模の土石流・巨礫の衝突にも対応できる。
実施例6にかかる鋼製スリットダムの鋼管継手構造は、図6A〜Cに示したように、河川の横断方向両岸のコンクリート堤体間に設けられる鋼製スリットダムのフランジ付き鋼管継手構造であり、一方のフランジ付き鋼管21と他方のフランジ付き鋼管22は、中央部(中間部)に環状のフランジ26を外設したインナースリーブ部材23を介してフランジ接合されてなる。
ちなみに図中の符号24、25は、一対の環状のフランジを示している。
具体的に、前記一方のフランジ付き鋼管21は、外径400mm程度、板厚9mm程度の大きさで実施している。当該鋼管21の接合端縁には、外径600mm程度、内径382mm程度、板厚24mm程度の環状のフランジ24が前記鋼管21と芯が一致するように溶接により固着されている。
前記他方のフランジ付き鋼管22は、前記一方のフランジ付き鋼管21と同形・同大(管軸長さは考慮しない。)で実施されている。
また、前記インナースリーブ部材23は、外径382mm程度、板厚9mm程度、管軸方向長さが470mm程度の円筒形状で実施されている。当該部材23に外設する環状のフランジ26は、外径600mm程度、内径382mm程度、板厚24mm程度で実施されている。
すなわち、前記フランジ付き鋼管21、22の内径(382mm)は、ともに前記インナースリーブ部材23が略内接する大きさとされている。もとより、前記環状のフランジ24、25、及び26に設けたフランジ孔24a、25a、及び26aは芯が一致するように設けられている。
なお、前記各寸法は、一例を示したものにすぎず、構造設計に応じて適宜変更可能である。特に、インナースリーブ部材23の管軸方向長さは、フランジ接合部において、せん断抵抗力及び曲げ抵抗力を効果的に発揮できる寸法で実施され、例えば、100〜600mm等、使用する鋼管21、22の外径を(φ)とすると、1φ〜2φの範囲(即ち、鋼管21、22に1/2φ〜1φずつ均等に跨がる範囲)で実施することが好ましい。
かくして、前記インナースリーブ部材23を、一方のフランジ付き鋼管21内へ嵌め込むと共に、他方のフランジ付き鋼管22内へ嵌め込むと、互いの環状のフランジ24、25、26同士が突き合う構成となり、当該インナースリーブ部材23が、双方の前記鋼管21、22に均等に跨がる構造となる。その後は、芯を一致させた各フランジ孔24a、25a、26aにボルト6を通しナット7で締結して接合する所謂フランジ接合を行うことにより鋼管継手構造を実現する。
上記構成の鋼製スリットダムの鋼管継手構造によれば、従来一般のフランジ接合に加え、ホゾとホゾ穴の関係のごとく前記インナースリーブ部材23が前記鋼管21、22内に略均等に跨がるように嵌め込まれ拘束(ホールド)された所謂二重管構造を実現できるので、更に強固に接合でき、インナースリーブ部材23、ひいては前記鋼管21、22の反りや捻れの防止にも寄与することができる。
したがって、前記フランジ接合部のせん断抵抗力及び曲げ抵抗力を効果的に高めることができるので、巨礫の衝撃等による開き、又は芯ずれを極力防止することにより当該フランジ接合部の強度・剛性を保持し、ひいては所定の耐用年数まで所要の強度・剛性を保持した安定性、安全性に優れた鋼製スリットダムを実現し、近年の増大する土石流規模や想定外規模の土石流・巨礫の衝突にも対応できる。
加えて、二重管構造を構成する内管に相当する部材(本実施例6ではインナースリーブ部材23)が破損等した場合、上記実施例1〜5と比し、内管の交換作業を容易に行うことができる。
また、フランジ接合部を施工するにあたり、上記実施例1〜5では2枚のフランジで計72mmのフランジ厚を実現しているところ、本実施例6では3枚のフランジで同等のフランジ厚を実現できるので、1枚当たりの板厚を小さくできる。よって、フランジの溶接作業を省力化することができる。
図7A、Bに示した鋼製スリットダムの鋼管継手構造は、上記実施例6と比し、前記インナースリーブ部材23の外径、これに伴う環状のフランジ24、25、26の形態のみ相違する。その他の構成要素は上記実施例6と同一なので同一の符号を付してその説明を適宜省略する。
すなわち、この実施例7にかかる鋼製スリットダムの鋼管継手構造は、前記インナースリーブ部材23’が、外径250mm程度、板厚7mm程度、管軸方向長さが470mm程度の円筒形状で実施されている。当該部材23’に外設する環状のフランジ26’は、外径600mm程度、内径250mm程度、板厚24mm程度で実施されている。
これに伴い、一方のフランジ付き鋼管21の接合端縁には、外径600mm程度、内径250mm程度、板厚24mm程度の環状のフランジ24’が前記鋼管21と芯が一致するように溶接により固着されている。
他方のフランジ付き鋼管22は、前記一方のフランジ付き鋼管21と同様に、その接合端縁に、外径600mm程度、内径250mm程度、板厚24mm程度の環状のフランジ25’が前記鋼管22と芯が一致するように溶接により固着されている。
すなわち、前記フランジ付き鋼管21、22の環状フランジ24’、25’の内径(250mm)は、ともに前記インナースリーブ部材23’が略内接する大きさとされている。
かくして、前記インナースリーブ部材23’を、一方のフランジ付き鋼管21の環状フランジ24’内へ嵌め込むと共に、他方のフランジ付き鋼管22の環状フランジ25’内へ嵌め込むと、互いの環状のフランジ24’、25’、26’同士が突き合う構成となり、当該インナースリーブ部材23’が、双方の前記鋼管21、22に均等に跨がる構造となる。その後は、芯を一致させた各フランジ孔にボルト6を通しナット7で締結して接合する所謂フランジ接合を行うことにより鋼管継手構造を実現する。
上記構成の鋼製スリットダムの鋼管継手構造によれば、上記実施例6と同様の作用効果を奏する。
すなわち、従来一般のフランジ接合に加え、ホゾとホゾ穴の関係のごとく前記インナースリーブ部材23’が前記鋼管21、22内に略均等に跨がるように嵌め込まれ、双方の環状フランジ24’、25’で拘束(ホールド)された所謂二重管構造を実現できるので、更に強固に接合でき、インナースリーブ部材23’、ひいては前記鋼管21、22の反りや捻れの防止にも寄与することができる。
したがって、前記フランジ接合部のせん断抵抗力及び曲げ抵抗力を効果的に高めることができるので、巨礫の衝撃等による開き、又は芯ずれを極力防止することにより当該フランジ接合部の強度・剛性を保持し、ひいては所定の耐用年数まで所要の強度・剛性を保持した安定性、安全性に優れた鋼製スリットダムを実現し、近年の増大する土石流規模や想定外規模の土石流・巨礫の衝突にも対応できる。
加えて、上記実施例1〜5と比し、交換作業を容易に行うことができ、フランジの溶接作業を省力化することもできる。
図8A〜Dに示した鋼製スリットダムの鋼管継手構造は、上記実施例6と比し、前記インナースリーブ部材23、および一対のフランジ付き鋼管21、22(鋼管長さまでは考慮しない。)を用いて接合する点は同じである。しかし、当該鋼管21、22側にキー溝を形成し、前記インナースリーブ部材23にキーを形成することにより、接合する鋼管21、22同士の接合力(特には曲げ抵抗力)を高めた点が相違する。
すなわち、この実施例8に係る鋼製スリットダムの鋼管継手構造は、双方のフランジ付き鋼管31、32が、鋼管31、32の内外方に突き出る環状のフランジ34、35を備え、内方の突き出し部にはキー溝34b、35bが形成され、前記インナースリーブ部材33は、前記鋼管31、32の環状フランジ34、35内に挿入可能な大きさとされ、管軸方向両端部にキー33b、33bが外設されており、前記キー溝34b、35b内に挿入されたキー33b、33bを回転させて引き抜き不能状態にした上でフランジ接合されてなる。
具体的に、前記一方のフランジ付き鋼管31は、外径400mm程度、板厚9mm程度の大きさで実施している。当該鋼管31の接合端縁には、外径600mm程度、内径310mm程度、板厚24mm程度の環状のフランジ34が前記鋼管31と芯が一致するように溶接により固着されている。さらに、前記環状のフランジ34の内周面は、その一部を円弧状に切り欠いてキー溝34bを形成している。
前記他方のフランジ付き鋼管32の構成も同様に、外径400mm程度、板厚9mm程度の大きさで実施され、当該鋼管32の接合端縁には、外径600mm程度、内径310mm程度、板厚24mm程度の環状のフランジ35が前記鋼管32と芯が一致するように溶接により固着されている。さらに、前記環状のフランジ35の内周面は、その一部を円弧状に切り欠いてキー溝35bを形成している。
一方、前記インナースリーブ部材33は、外径310mm程度、板厚7mm程度、管軸方向長さが160mm程度の円筒形状で実施されている。当該部材33の中央部に外設する環状のフランジ36は、外径600mm程度、内径310mm程度、板厚19mm程度で実施されている。さらに、前記インナースリーブ部材33の管軸方向両端部には、前記キー溝34b、35b内に挿入可能な大きさのキー33b、33bが溶接又は一体成形により外設(突設)されている。前記キー33bの形態は、本実施例では一例として、前記キー溝34b、35bよりも僅かに小ぶりな円弧形状で、幅寸(管軸方向長さ)は25mm程度で実施されている。
かくして、前記インナースリーブ部材33を、一方のフランジ付き鋼管31の環状フランジ34内へ、対応するキー33bとキー溝34bとの位置合わせを行って差し込み、続いて他方のフランジ付き鋼管32(環状のフランジ35)を、前記インナースリーブ部材33へ、対応するキー33bとキー溝35bとの位置合わせを行って嵌め込み、当該3つの部材の各フランジ(34、35、36)を突き合わせる。その後、前記インナースリーブ部材33を所要の角度(1つ又は2つ程度のフランジ孔分)回転させる。
そうすると、前記インナースリーブ部材33が、キー効果による引き抜き不能状態で、双方の前記鋼管31、32に均等に跨がる構成となる。しかる後、芯を一致させた各フランジ孔にボルト6を通しナット7で締結して接合する所謂フランジ接合を行うことにより鋼管継手構造を実現する。
なお、前記キー33bとキー溝34bはともにバランスよく複数箇所に設けて実施することもできる。また、キー溝34bを、キー33bの数量よりも多く形成し、位置合わせ作業を効率よく行うよう実施することもできる。
上記構成の鋼製スリットダムの鋼管継手構造によれば、上記実施例7と同様の作用効果(段落[0044]参照)に加え、前記キー33bとキー溝34b、34bによる離脱防止効果により、曲げ抵抗力を更に高めることができる。
以上、実施例を図面に基づいて説明したが、本発明は、図示例の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために言及する。
例えば、上記実施例5で説明した保護ケーシング15(図5参照)は、実施例4(図4参照)に適用する場合に限らず、その他の実施例、すなわち実施例1〜実施例3(図1〜図3参照)、および実施例6〜実施例8(図6〜図8参照)にも同様に適用することができ、同様の効果を奏することができる。
1 フランジ付き鋼管
2 フランジ付き鋼管
3 円盤状のフランジ
3a フランジ孔
3’ 環状のフランジ
4 環状のフランジ
4a フランジ孔
4’ 環状のフランジ
5 ホゾ部材
5’ ホゾ部材
5v ホゾ部材
6 ボルト
7 ナット
11 フランジ付き鋼管
11a 拡径部
12 フランジ付き鋼管
13 環状のフランジ
13a フランジ孔
14 環状のフランジ
14a フランジ孔
15 保護ケーシング
21 フランジ付き鋼管
22 フランジ付き鋼管
23 インナースリーブ部材
23’ インナースリーブ部材
24 環状のフランジ
24a フランジ孔
24’ 環状のフランジ
25 環状のフランジ
25a フランジ孔
25’ 環状のフランジ
26 環状のフランジ
26a フランジ孔
26’ 環状のフランジ
31 フランジ付き鋼管
32 フランジ付き鋼管
33 インナースリーブ部材
33b キー(突設部)
34 環状のフランジ
34b キー溝
35 環状のフランジ
35b キー溝
36 環状のフランジ

Claims (6)

  1. 河川の横断方向両岸のコンクリート堤体間に設けられる鋼製スリットダムのフランジ付き鋼管継手構造において、
    一方のフランジ付き鋼管の接合端部には、他方のフランジ付き鋼管内に挿入可能なホゾ部材が突設されており、当該ホゾ部材が他方のフランジ付き鋼管内に挿入されてフランジ接合されてなることを特徴とする、鋼製スリットダムの鋼管継手構造。
  2. 前記一方のフランジ付き鋼管は、鋼管の外方に突き出る環状又は円盤状のフランジ付き鋼管であることを特徴とする、請求項1に記載した鋼製スリットダムの鋼管継手構造。
  3. 河川の横断方向両岸のコンクリート堤体間に設けられる鋼製スリットダムのフランジ付き鋼管継手構造において、
    一方のフランジ付き鋼管の接合端部は、他方のフランジ付き鋼管よりも大きい拡径部に形成され、他方のフランジ付き鋼管の接合端部は、その端縁よりも内側の部位に環状のフランジが外設されており、当該環状のフランジから外側に突き出た鋼管が前記一方のフランジ付き鋼管の拡径部内に挿入されてフランジ接合されてなることを特徴とする、鋼製スリットダムの鋼管継手構造。
  4. 河川の横断方向両岸のコンクリート堤体間に設けられる鋼製スリットダムのフランジ付き鋼管継手構造において、
    一方のフランジ付き鋼管と他方のフランジ付き鋼管は、中央部に環状のフランジを外設したインナースリーブ部材を介してフランジ接合されてなることを特徴とする、鋼製スリットダムの鋼管継手構造。
  5. 前記双方のフランジ付き鋼管は、鋼管の内外方に突き出る環状のフランジを備え、内方の突き出し部にはキー溝が形成され、前記インナースリーブ部材は、前記鋼管の環状フランジ内に挿入可能な大きさとされ、管軸方向両端部にキーが外設されており、前記キー溝内に挿入されたキーを回転させて引き抜き不能状態にした上でフランジ接合されてなることを特徴とする、請求項4に記載した鋼製スリットダムの鋼管継手構造。
  6. 前記一方又は他方のフランジ付き鋼管の外周面には、前記フランジ接合部を覆う保護ケーシングが設けられていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一に記載した鋼製スリットダムの鋼管継手構造。
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