JP2017039901A - 筐体 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属と比較して軽量でありつつも、熱伝導性、放熱性、耐衝撃性、成形加工性に優れた筐体を提供する。【解決手段】熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形体を含む筐体であって、熱可塑性樹脂組成物が、熱可塑性樹脂(A)、5W/(m・K)以上の熱伝導率を有する熱伝導性充填材(B)を含有し、熱可塑性樹脂(A)がポリアミド樹脂(A1)、ポリエステル樹脂(A2)であり、熱可塑性樹脂(A)と熱伝導性充填材(B)との容量比(A/B)が、80/20〜25/75であることを特徴とする筐体。【選択図】なし

Description

本発明は、金属と比較して軽量でありつつも、熱伝導性、放熱性、耐衝撃性、成形加工性に優れた筐体に関するものである。
近年、電気・電子部品の分野では、その小型化、高性能化にともない、当該部品内での発熱が懸念されている。例えば、ランプ部品で用いられるLED素子、コンピュータのマザーボードに搭載されるCPUは、小型化、高性能化が進んでおり、LED素子やCPUの発熱対策が重要となってきている。また、固体撮像素子や、モータの制御等に用いられるパワートランジスタについても発熱対策が重要である。これらに代表されるような部品は、発熱に対する放熱対策が不十分であると、熱の蓄積による性能低下が生じることになる。したがって、このような部品に用いる部材には、高い熱伝導性を有することが重要視されている。
これまで、高熱伝導性を必要とする部材には、主として金属材料が用いられてきたが、電気・電子部品の小型化に適合するうえで金属材料は、軽量性や成形加工性の面で問題があり、樹脂材料への代替が進みつつある。しかしながら、樹脂材料は一般に熱伝導性が低く、樹脂材料自体の高熱伝導化は困難である。このため、通常は樹脂材料に高熱伝導充填材(銅、アルミニウム、酸化アルミニウム等)を高充填することによって、高熱伝導化された樹脂組成物が、電気・電子部品の製造用部材(成形体)として検討されている。
しかしながら、高熱伝導性充填材が高充填された樹脂組成物は、溶融時の溶融粘度が上昇し、射出成形時の加工性が大幅に低下し、射出成形時の形状自由度が著しく失われてしまう。また、高熱伝導性充填材が高充填されているため、成形体の衝撃強度が低くなり、筐体としたときに落下衝撃により割れやすいという問題がある。
上記のような、充填材が配合された樹脂組成物において、流動性を高めて成形加工性を向上させる方法としては、樹脂組成物に、脂肪族炭化水素、ポリオレフィンワックス、高級脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪酸アミド、金属石鹸、脂肪酸エステル等を滑剤として添加することや、従来公知の可塑剤を添加することが知られている。また、特許文献1には、ロジン酸アミドやロジン酸エステル等のロジン酸誘導体を樹脂加工性向上剤として添加することが開示されている。
特開平10−251443号公報
しかしながら、成形加工性をさらに向上させるために、これらの滑剤や可塑剤、加工性向上剤の添加量を増加させると、得られる成形体の機械的特性がさらに低下することがあった。また、これらの滑剤や可塑剤、加工性向上剤を添加しても、充填材の配合量が多い樹脂組成物においては、十分な成形加工性を得ることができないことがあった。
本発明の課題は、かかる従来技術に鑑み、金属と比較して軽量でありつつも、熱伝導性、放熱性、耐衝撃性、成形加工性に優れた筐体を提供することである。
本発明者等は、上記課題を鋭意研究した結果、本発明に到達した。
すなわち本発明の要旨は、以下の通りである。
(1)熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形体を含む筐体であって、熱可塑性樹脂組成物が、熱可塑性樹脂(A)、5W/(m・K)以上の熱伝導率を有する熱伝導性充填材(B)を含有し、熱可塑性樹脂(A)がポリアミド樹脂(A1)、ポリエステル樹脂(A2)であり、熱可塑性樹脂(A)と熱伝導性充填材(B)との容量比(A/B)が、80/20〜25/75であることを特徴とする筐体。
(2)熱可塑性樹脂(A)に、さらに、酸価が60mgKOH/g以上であるロジン(C)を、熱可塑性樹脂(A)と熱伝導性充填材(B)の合計100質量部に対して0.5〜5質量部含有させることを特徴とする(1)に記載の筐体。
(3)熱可塑性樹脂(A)に、さらに、繊維状強化材(D)を、熱可塑性樹脂(A)と熱伝導性充填材(B)との合計100質量部に対して3〜30質量部含有させることを特徴とする(1)または(2)に記載の筐体。
(4)ポリアミド樹脂(A1)が、ポリアミド6またはポリアミド66であることを特徴とする(1)〜(3)いずれかに記載の筐体。
(5)ポリエステル樹脂(A2)が、脂肪族ポリエステルまたは半芳香族ポリエステルであることを特徴とする(1)〜(4)いずれかに記載の筐体。
(6)熱伝導性充填材(B)が、黒鉛、窒化ホウ素、タルクおよび酸化マグネシウムからなる群より選ばれた少なくとも一種以上であることを特徴とする(1)〜(5)いずれかに記載の筐体。
(7)繊維状強化材(D)が、ガラス繊維またはアラミド繊維であることを特徴とする(1)〜(6)いずれかに記載の筐体。
本発明によれば、金属と比較して軽量でありつつも、熱伝導性、放熱性、耐衝撃性、成形加工性に優れた筐体を提供することができる。
本発明の筐体は、熱可塑性樹脂(A)、熱伝導性充填材(B)を含有する熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形体を含むものである。本発明の筐体には、いわゆるケージングといわれるものも含む。
本発明に用いる熱可塑性樹脂(A)としては、ポリアミド樹脂(A1)またはポリエステル樹脂(A2)が用いられる。
本発明に用いるポリアミド樹脂(A1)は、アミド結合を有するホモポリアミドやコポリアミド、およびこれらの混合物である。アミド結合を有するホモポリアミドやコポリアミドは、ラクタム、アミノカルボン酸、ジアミン、ジカルボン酸等を重合することによって得ることができる。
ポリアミド樹脂(A1)としては、例えば、ポリカプラミド(ポリアミド6)、ポリテトラメチレンアジパミド(ポリアミド46)、ポリヘキサメチレンアジパミド(ポリアミド66)、ポリカプラミド/ポリヘキサメチレンアジパミドコポリマー(ポリアミド6/66)、ポリウンデカミド(ポリアミド11)、ポリカプラミド/ポリウンデカミドコポリマー(ポリアミド6/11)、ポリドデカミド(ポリアミド12)、ポリカプラミド/ポリドデカミドコポリマー(ポリアミド6/12)、ポリヘキサメチレンセバカミド(ポリアミド610)、ポリヘキサメチレンドデカミド(ポリアミド612)、ポリウンデカメチレンアジパミド(ポリアミド116)、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド(ポリアミド6I)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド(ポリアミド6T)、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ポリアミド6T/6I)、ポリカプラミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ポリアミド6/6T)、ポリカプラミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ポリアミド6/6I)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンテレフタルアミドコポリマー(ポリアミド66/6T)、ポリヘキサメチレンアジパミド/ポリヘキサメチレンイソフタルアミドコポリマー(ポリアミド66/6I)、ポリトリメチルヘキサメチレンテレフタルアミド(ポリアミドTMDT)、ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ポリアミドPACM12)、ポリビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタンドデカミド(ポリアミドジメチルPACM12)、ポリメタキシリレンアジパミド(ポリアミドMXD6)、ポリノナメチレンテレフタルアミド(ポリアミド9T)、ポリデカメチレンテレフタルアミド(ポリアミド10T)、ポリウンデカメチレンテレフタルアミド(ポリアミド11T)、ポリドデカメチレンテレフタルアミド(ポリアミド12T)およびこれらの混合物ないし共重合体等が挙げられる。これらの中でも、経済性の点からポリアミド6、ポリアミド66が好ましい。
本発明に用いるポリエステル樹脂(A2)は、エステル結合を有するホモポリエステルやコポリエステル、およびこれらの混合物である。エステル結合を有するホモポリエステルやコポリエステルは、ジカルボン酸、ジオール、ヒドロキシカルボン酸等を重合することによって得ることができる。ポリエステル樹脂(A2)としては、脂肪族ポリエステルまたは半芳香族ポリエステルが挙げられる。
脂肪族ポリエステルとしては、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールからの重縮合体や脂肪族ヒドロキシカルボン酸の重縮合体等が挙げられる。
脂肪族ポリエステルとしては、例えば、ポリブチレンセバケート、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート/アジペート、ポリプロピレンセバケート、ポリプロピレンサクシネート、ポリプロピレンサクシネート/アジペート、ポリ乳酸、ポリグリコール酸が挙げられ、これらの中でも、原料が植物由来であるという環境面、耐熱性、成形加工性の点から、ポリ乳酸が好ましい。
本発明に用いるポリ乳酸としては、例えば、ポリ(L−乳酸)、ポリ(D−乳酸)、ポリ(L−乳酸)とポリ(D−乳酸)との混合物、ポリ(L−乳酸)とポリ(D−乳酸)との共重合体、ステレオコンプレックスが挙げられる。これらの中でも、耐熱性、成形加工性の点から、ポリ(L−乳酸)を主体とするポリ乳酸が好ましい。ポリ乳酸は、環境負荷を低くすることができることから、トウモロコシ等の植物由来であることが好ましく、さらには非可食の植物由来であることが好ましい。
ポリ(L−乳酸)を主体とするポリ乳酸の融点は、光学純度によって異なるが、本発明においては、樹脂組成物を成形して得られる成形体の機械的強度、耐衝撃性や耐熱性を考慮すると、160℃以上であることが好ましい。融点を160℃以上とするためには、ポリ(D−乳酸)の割合を約3モル%未満とすればよい。
ポリ乳酸の重量平均分子量は、5万〜30万であることが好ましく、10万〜30万であることがより好ましく、12万〜20万であることがさらに好ましい。重量平均分子量が5万未満である場合、実用的な強度や耐久性を得ることが困難となる場合がある。一方、重量平均分子量が30万を超えると、流動性が低く、溶融押出が困難となりやすい場合がある。なお、ポリ乳酸の重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で分析する方法により算出される。
ポリ乳酸は公知の溶融重合法または溶融重合後さらに固相重合法をおこなう方法により製造される。
ポリ乳酸には、架橋ないし分岐構造が導入されてもよい。架橋ないし分岐構造を導入することにより、ポリ乳酸の耐熱性を向上させることができる。架橋構造の導入方法としては、例えば、過酸化物を添加する方法、過酸化物とラジカル重合性化合物を併用する方法、放射線を照射する方法、多官能性化合物を架橋剤として用いる方法が挙げられる。架橋構造を導入する場合に用いる過酸化物としては、例えば、ジブチルパーオキサイド、ビス(ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼンが挙げられ、ラジカル重合性化合物としては、例えば、グリシジルジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレートが挙げられ、多官能性化合物としては、例えば、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール部分鹸化物、セルロースジアセテートが挙げられる。
また分岐構造を導入する方法としては、例えば、3官能以上のモノマーをL−乳酸やD−乳酸と共重合する方法、マクロモノマーをポリ乳酸にグラフト重合する方法が挙げられる。分岐構造を導入する場合に用いる3官能以上のモノマーとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、リンゴ酸、グリセリン酸、クエン酸、酒石酸が挙げられ、マクロモノマーとしては、ポリ乳酸樹脂中に存在する不整炭素へ結合し得る化合物であれば特に限定されず、例えば、1−ヘキセン等のα−オレフィンが挙げられる。
半芳香族ポリエステルとしては、芳香族ジカルボン酸とジオールとの重縮合体等が挙げられる。半芳香族ポリエステルは、ホモポリエステル、コポリエステルのいずれでもよい。
半芳香族ポリエステルとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリシクロヘキシレンジメチレンテレフタレートが挙げられる。これらの中でも、成形加工性、経済性の点でポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
ポリブチレンテレフタレートは、テレフタル酸と1,4−ブタンジオールを主成分とする重縮合体であって、ポリエチレンテレフタレートは、テレフタル酸とエチレングリコールを主成分とする重縮合体である。
ポリブチレンテレフタレートやポリエチレンテレフタレートには、テレフタル酸以外の酸成分として、例えば、イソフタル酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸や、トリメリット酸、ピロメリット酸等の芳香族多価カルボン酸及びその酸無水物や、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、デカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸が共重合されてもよい。テレフタル酸以外の酸成分の含有量は、構成する酸成分100モル%に対して、5モル%未満とすることが好ましい。前記含有量が5モル%を超えると、機械的特性が損なわれたり、流動性が低下したりすることがある。
また、ポリブチレンテレフタレートやポリエチレンテレフタレートには、アルコール成分として、例えば、プロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、1.10−デカンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等の脂肪族ジオールや、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の脂肪族多価アルコールや、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジエタノール等の脂環族ジオールや、ビスフェノールAやビスフェノールSのエチレンオキシド付加体等の芳香族ジオールや、4−ヒドロキシ安息香酸、ε−カプロラクトン等のヒドロキシカルボン酸が共重合されてもよい。なお、ポリブチレンテレフタレートであればエチレングリコールが共重合されてもよく、ポリエチレンテレフタレートであれば1,4−ブタンジオールが共重合されてもよい。その他のアルコール成分の含有量は、構成するアルコール成分100モル%に対して、5モル%未満とすることが好ましい。前記含有量が5モル%を超えると、機械的特性が損なわれたり、流動性が低下したりすることがある。
本発明に用いる熱可塑性樹脂組成物には、上記熱可塑性樹脂(A)とともに、熱伝導性充填材(B)を含有させることが必要である。熱伝導性充填材(B)は熱伝導性を有するものであり、熱伝導率が5W/(m・K)以上であることが必要である。熱伝導性充填材(B)は、導電性、絶縁性、いずれであってもよい。
熱伝導性充填材(B)の熱伝導率は、その焼結品を用いて測定することができる。熱伝導性充填材(B)としては、例えば、タルク(5〜10)、酸化アルミニウム(36)、酸化マグネシウム(60)、酸化亜鉛(25)、炭酸マグネシウム(15)、炭化ケイ素(160)、窒化アルミニウム(170)、窒化ホウ素(210)、窒化ケイ素(40)、カーボン(10〜数百)、黒鉛(10〜数百)等の無機系充填材、銀(427)、銅(398)、アルミニウム(237)、チタン(22)、ニッケル(90)、錫(68)、鉄(84)、ステンレス(15)等の金属系充填材が挙げられる(括弧内の数値は、熱伝導率の代表値(単位:W/(m・K))を表す。)。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、熱可塑性樹脂(A)に配合した際の熱伝導率が高いことから、黒鉛、窒化ホウ素を用いることが好ましい。また、経済性の点では、タルク、酸化マグネシウム、酸化アルミニウムを用いることが好ましい。
黒鉛の形態としては、球状、粉状、繊維状、針状、鱗片状、ウィスカ状、マイクロコイル状、ナノチューブ状等が挙げられる。これらの中でも、鱗片状黒鉛は、熱可塑性樹脂(A)に配合した際に熱伝導効率を高くすることができるため、より好ましい。鱗片状黒鉛は、平均粒径が大きいほど熱伝導性が高くなるが、機械的物性が低下する傾向がある。分散不良による凝集塊を生じさせずに、機械的物性や熱伝導性が均一な成形体を、良好な加工性で成形するためには、鱗片状黒鉛の平均粒径は、1μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、30μm以上であることがさらに好ましく、30〜200μmであることが特に好ましい。
タルクの形態としては、板状、鱗状、鱗片状、薄片状等が挙げられる。これらの中でも、鱗片状タルク、薄片状タルクは、成形体としたときに、面方向に配向しやすく、その結果、熱伝導率を高めることができるため、より好ましい。鱗片状タルクの平均粒径は、上述と同様の理由から、1μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましく、15μm以上であることがさらに好ましく、15〜70μmであることが特に好ましい。
窒化ホウ素の形態としては、板状、鱗片状、薄片状等が挙げられる。これらの中でも、鱗片状窒化ホウ素は成形体としたときに、面方向に配向しやすく、その結果、熱伝導率を高めることができるため、より好ましい。鱗片状窒化ホウ素の平均粒径は、上述と同様の理由から、1μm以上であることが好ましく、5μm以上であることがより好ましく、15μm以上であることがさらに好ましく、15〜70μmであることが特に好ましい。窒化ホウ素の結晶系は、特に限定されるものではなく、六方晶系、立方晶系、その他いずれの結晶構造の窒化ホウ素であっても適用可能である。これらの中でも、六方晶系結晶構造を有する窒化ホウ素は、熱伝導率が高いので好ましい。
酸化マグネシウムの形態としては、球状、繊維状、紡錘状、棒状、針状、筒状、柱状等が挙げられる。これらの中でも、球状酸化マグネシウムは、成形加工性を向上させることができるため、より好ましい。球状酸化マグネシウムの平均粒径は、上述と同様の理由から、1μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、30μm以上であることがさらに好ましく、30〜80μmであることが特に好ましい。
本発明に用いる熱伝導性充填材(B)は、熱可塑性樹脂(A)との密着性を向上させるため、シラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤で表面処理を施してもよい。シラン系カップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルジメトキシメチルシラン等のアミノシラン系カップリング剤や、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン系カップリング剤が挙げられる。チタン系カップリング剤としては、イソプロピルトリステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明に用いる熱可塑性樹脂組成物において、熱可塑性樹脂(A)と熱伝導性充填材(B)との容量比(A/B)は、80/20〜25/75であることが必要であり、70/30〜30/70であることが好ましく、65/35〜35/65であることがより好ましい。容量比(A/B)を80/20〜25/75とすることにより、機械的特性や熱的特性等の特性を向上させながら、成形加工性を向上させることができる。(A)の容量比率が、(A)と(B)の合計100容量部に対して80容量部を超えると、流動性が低下し、成形できないので好ましくない。一方、(A)の容量比率が、(A)と(B)の合計100容量部に対して25容量部未満であると、熱伝導率や放熱性が低下するので好ましくない。
本発明の樹脂組成物には、ロジン(C)を含有させることができる。本発明においては、熱伝導性充填材(B)の含有量が高くなるにしたがって、樹脂組成物の溶融粘度が高くなり、成形加工性が低下する傾向がある。しかし、ロジン(C)を含有させることにより、流動性を向上させることができる。
ロジン(C)とは、樹脂酸(ロジン酸)といわれるジテルペン酸系化合物である。ロジン(C)としては、例えば、天然ロジン、変性ロジン、重合ロジンが挙げられる。天然ロジンとは、マツ科植物から採取される樹脂酸の混合物であり、生産方法によりガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン等に分けられる。該樹脂酸の主成分はアビエチン酸であり、さらに、ネオアビエチン酸、デヒドロアビエチン酸、パラストリン酸、ピマール酸、イソピマール酸、サンダラコピマール酸、レボピマール酸等が含まれる。変性ロジンとは、天然ロジンを変性したものであり、例えば、ジヒドロアビエチン酸、テトラヒドロアビエチン酸等の水素化ロジン、デヒドロアビエチン酸、ジヒドロアビエチン酸等の不均化ロジン、アクリル酸、マレイン酸、フマル酸等により天然ロジンを変性した酸変性ロジン、これらのエステル体が挙げられる。そして、重合ロジンとは、天然ロジンまたは変性ロジン同士を反応させたものであり、それらの2量化物、3量化物が挙げられる。
ロジン(C)の含有量は、熱可塑性樹脂(A)と熱伝導性充填材(B)との合計100質量部に対して、0.5〜5質量部とすることが好ましく、2〜4質量部とすることがより好ましい。ロジン(C)を、(A)と(B)の合計100質量部に対して0.5〜5質量部含有させることにより、流動性を向上させ、成形加工性を向上させることができる。
本発明において、ロジン(C)の酸価は、60mgKOH/g以上であることが好ましく、100mgKOH/g以上であることがより好ましく、130mgKOH/g以上であることがさらに好ましい。
ロジン(C)の軟化温度は110℃以上であることが好ましく、120℃以上であることがより好ましい。110℃以上の軟化温度を有するロジンを用いることにより、ロジンそのものの成形加工時の分解や、成形後の製品からロジンがブリードアウトすることを抑制することができる。
本発明に用いる樹脂組成物には繊維状強化剤(D)を含有させることができる。繊維状強化材としては、例えば、無機繊維、有機繊維、金属繊維またはそれらの混合からなる繊維が挙げられる。無機繊維としては、例えば、炭素繊維、黒鉛繊維、炭化珪素繊維、アルミナ繊維、タングステンカーバイド繊維、ボロン繊維、ガラス繊維等が挙げられる。有機繊維としては、例えば、アラミド繊維、高密度ポリエチレン繊維、その他一般のポリアミド、ポリエステル等の有機繊維が挙げられる。金属繊維としては、例えば、ステンレス、鉄等の繊維や、金属を被覆した炭素繊維が挙げられる。本発明において熱可塑性樹脂(A)、熱伝導性充填材(B)の複合樹脂組成物に配合した際の衝撃強度が高いことから、ガラス繊維、アラミド繊維が好ましい。
繊維状強化剤(D)の含有量は、熱可塑性樹脂(A)と熱伝導性充填材(B)との合計100質量部に対して、3〜30質量部であることが好ましく、3〜15質量部であることがより好ましい。繊維状強化剤(D)を、(A)と(B)の合計100質量部に対して3〜30質量部含有させることにより、耐衝撃性を向上させることができる。
ガラス繊維は、マトリックス樹脂との密着性や均一分散性の向上のため、シランカップリング剤、チタン系カップリング剤、ジルコニア系カップリング剤等により表面処理されていてもよい。通常、ガラス繊維は、チョップドストランドの形態で用いられる。ガラス繊維の断面は、丸型、偏平型、ひょうたん型、まゆ型、長円型、楕円型、矩形またはこれらの類似品等いずれの形状であってもよい。
ガラス繊維の繊維長は、1〜10mmであることが好ましく、1.5〜6mmであることがより好ましい。また、ガラス繊維の繊維径は 4〜13μmであることが好ましく、7〜10μmであることがより好ましい。繊維断面が、丸型以外で、例えば、偏平型、ひょうたん型、まゆ型、長円型、楕円型、矩形である場合は、長辺と短辺との比、すなわちアスペクト比は、1.5〜10であることが好ましく、2〜8であることがより好ましい。
アラミド繊維とは、全芳香族ポリアミド繊維のことにより、一般に、パラ系アラミド繊維とメタ系アラミド繊維が知られている。本発明においては、加熱収縮が少なく、高耐熱性、高強度であるパラ系アラミド繊維が好ましい。パラ系アラミド繊維の市販品としては、例えば、東レ・デュポン社製「ケブラー」、帝人テクノプロダクツ社製「トワロン」(以上、ポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維)、帝人テクノプロダクツ社製「テクノーラ」(以上、コポリパラフェニレン−3,4′−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維)が挙げられる。メタ系アラミド繊維の市販品としては、例えば、米国デュポン社製「ノーメックス」、帝人テクノプロダクツ社製「コーネックス」(以上、ポリメタフェニレンイソフタルアミド繊推)が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
アラミド繊維の平均繊維長は、1〜15mmであることが好ましく、2〜10mmであることがより好ましい。平均繊維長が1mm未満では、十分な耐衝撃性改善効果が得られない場合があり、一方、平均繊維長が15mmを超える場合、耐衝撃性改善効果が大きくなるが、流動性の低下が大きく、成形加工性等の点で好ましくない場合がある。
アラミド繊維の平均繊維径は、1〜50μmであることが好ましく、3〜25μmであることがより好ましい。繊維径が1μm未満では、十分な耐衝撃性改善効果が得られない場合があり、一方、繊維径が50μmを超える場合、成形加工性が低下する場合がある。
本発明に用いる樹脂組成物には、本発明の効果を損なわない限りにおいて、難燃剤、結晶核剤、相溶化剤、滑剤、離型剤、帯電防止剤、酸化防止剤、耐候剤等の添加剤を加えてもよい。難燃剤としては、例えば、ハロゲン系難燃剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモン等の無機系難燃剤、ホスフィン酸塩およびジホスフィン酸塩並びにそれらの重合体、ポリリン酸メラミン、シアヌル酸メラミン、赤リン、リン酸エステル、縮合リン酸エステル、ホスファゼン化合物が挙げられる。結晶核剤としては、例えば、ソルビトール化合物、安息香酸およびその化合物の金属塩、燐酸エステル金属塩が挙げられる。相溶化剤としては、例えば、アイオノマー系相溶化剤、オキサゾリン系相溶化剤、エラストマー系相溶化剤、反応性相溶化剤、共重合体系相溶化剤が挙げられる。顔料としては、例えば、有機系、無機系のいずれも用いることができる。酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系、ホスファイト系、チオエーテル系等の酸化防止剤が挙げられる。耐候剤としては、例えば、紫外線遮断剤、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤が挙げられる。これらの添加剤は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、本発明にこれらを混合する方法は特に限定されない。
本発明に用いる熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)と、熱伝導性充填材(B)とを、さらには必要に応じて各種添加物を、一般的な押出機、例えば、一軸押出機、二軸押出機、ロール混錬機、ブラベンダーを用いて溶融混練することにより製造することができる。このとき、スタティックミキサーやダイナミックミキサーを併用することが効果的である。混練状態をよくするためには二軸押出機を用いることが好ましい。熱伝導性充填材(B)の添加方法としては特に限定されないが、押出機において、ホッパーから、あるいは、サイドフィーダーを用いて添加する方法が挙げられる。
本発明の筐体は、上記熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形体を含むものである。成形は、射出成形、圧縮成形、押出成形、トランスファー成形、シート成形等通常公知の溶融成形法を用いておこなうことができる。
本発明の筐体としては、成形加工性の観点から、射出成形法を用いて成形することが好ましい。射出成形機としては特に限定されないが、例えば、スクリューインライン式射出成形機、プランジャ式射出成形機が挙げられる。射出成形機のシリンダー内で加熱溶融された樹脂組成物は、ショットごとに計量され、金型内に溶融状態で射出され、所定の形状で冷却、固化された後、成形体として金型から取り出される。射出成形時の樹脂温度は、樹脂組成物の融点以上とすることが好ましく、(融点+80℃)未満とすることがより好ましい。
本発明の筐体の形状としては特に限定されないが、放熱効率を高めるために、表面積が大きくなる形状であることが好ましく、例えば、箱形、円筒形、球形が挙げられる。
本発明の筐体は、熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形体を含むものであり、その全部が熱可塑性樹脂組成物により成形されたものであっても、また、その一部が熱可塑性樹脂組成物により成形され他の部分が他の材料からなるものであってもよく、例えば、放熱効率を高めるために、受熱面に銅やアルミニウム等の金属やアルミナや窒化アルミニウム等のセラミックや炭素等からなる高熱伝導材料が接合されたものでもよい。熱可塑性樹脂組成物の成形体と高熱伝導材料を接合する方法としては特に限定されないが、これらを接着剤等で接合する方法や、熱可塑性樹脂組成物を成形する際に、金型内に高熱伝導材料を設置して樹脂を流し込むインサート成形法等が挙げられる。
本発明の筐体は、ネジ止め強度を高めるためにボス穴部分に真鍮やアルミニウム等の金属を含有させてもよい。熱可塑性樹脂組成物の成形体とボス穴部分の金属の接合方法としては特に限定されないが、熱可塑性樹脂組成物を成形する際に、金型内に金属のボス穴部分を設置して樹脂を流し込むインサート成形法や、熱可塑性樹脂組成物を成形したあとに金属ボス穴部分を熱圧入する圧入法等が挙げられる。
次に本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、以下の実施例および比較例において、各種物性は次の方法によって測定、評価した。
(1)密度
電子比重計(京都電子工業社製)を用いて、20℃雰囲気下、測定した。
(2)酸価
JIS K5902に準拠して、測定した。
(3)バーフロー流動長
十分に乾燥した樹脂組成物を、幅20mm、厚さ1mmのバーフロー試験金型(スパイラル状)を取り付けた射出成形機(日精樹脂工業社製:NEX110−12E)を用いて10回射出成形して、その平均をバーフロー流動長とした。シリンダー温度、金型温度は、表に記載の温度とし、射出圧力は150MPaとした。
本発明では、70mm以上の場合、合格とした。
(4)溶融粘度
十分に乾燥した樹脂組成物のペレットについて、降下式フローテスター(島津製作所製)を用いて、表に記載の温度での溶融粘度を測定した。オリフィスは、直径1mm×長さ10mmのものを用いた。
本発明では、320Pa・s以下の場合、合格とした。
(5)曲げ強さ
得られた多目的試験片A型試験片を用いてISO規格178に記載の方法に準じて測定した。
(6)シャルピー衝撃強度
得られた多目的試験片A型にノッチを付けたものを用いてISO179−1規格(ASTM−D−256)に記載の方法に準じて測定した。
本発明では、1.0kJ/m以上の場合、合格とした。
(7)熱伝導率
熱伝導率λは、下記方法で求めた熱拡散率α、密度ρおよび比熱Cpの積として次式で算出した。
λ=α・ρ・Cp
λ:熱伝導率(W/(m・K))
α:熱拡散率(m/sec)
ρ:密度(g/m
Cp:比熱(J/g・K)
熱拡散率αは、得られた多目的試験片A型試験片の樹脂流れ方向と厚み方向について、レーザーフラッシュ法熱定数測定装置TC−7000(アルバック理工社製)を用いて測定した。密度ρは電子比重計ED−120T(ミラージュ貿易社製)を用いて測定した。比熱Cpは示差走査熱量計DSC―7(パーキンエルマー社製)を用い、昇温速度10℃/分の条件で測定した。
本発明では、1.0W/(m・K)以上の場合、合格とした。
(8)成形加工性
得られた箱型成形品の外観を目視で観察し、樹脂が充填されていない部分の有無により成形加工性を判断した。
樹脂が充填されていない部分がある場合、「×」と判断し、樹脂が充填されていない部分がない場合は、さらに成形体表面を確認した。
◎:フィラー浮きやブリードアウトが確認されなかった。
○:フィラー浮きやブリードアウトが確認された。
(9)放熱性
得られた箱型成形品の底面に、受熱面としてセラミックヒーターを設置し、5Vの電圧を20分間印加後のヒーター表面温度をK型熱電対で測定して放熱性を評価した。表面温度が低いほど放熱性に優れていることを示している。なお、セラミックヒーターは消費電力が3Wのものを用いて、受熱面とセラミックヒーターの間には接触熱抵抗を小さくするために熱伝導性グリス(ArcticSilver社製セラミックグリスAS−04、熱伝導率5.1W/(m・K))を薄く塗布した。
本発明では、130℃以下の場合、合格とした。
本発明の実施例と比較例で用いた原料を以下に示す。
(1)ポリアミド樹脂(A1)
・PA6:ε−カプロラクタムの重合によって得られるポリアミド6(相対粘度1.9、密度1.13g/cm
・PA66:ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の重合によって得られるポリアミド66(相対粘度2.8、密度1.14g/cm
(2)ポリエステル樹脂(A2)
・PLA1:ポリ乳酸(ネイチャーワークス社製、PLA6251D、融点165℃、密度1.24g/cm
・PLA2:ポリ乳酸(ユニチカ社製、テラマックTE−7003、融点165℃、密度1.25g/cm
・PBT:ポリブチレンテレフタレート(ウィンテックポリマー社製、DURANEX500FP、密度1.31g/cm
・PET:ポリエチレンテレフタレート(ユニチカ社製、SA−1206、密度1.35g/cm
(3)その他の樹脂
・PP:ポリプロピレン(日本ポリプロ社製、SA08、密度0.9g/cm
(4)熱伝導性充填材(B)
・TC:鱗片状タルク(日本タルク社製、平均粒径23μm、熱伝導率5〜10W/(m・K)、密度2.70g/cm
・GrA:鱗片状黒鉛(日本黒鉛工業社製、平均粒径40μm、熱伝導率100W/(m・K)、密度2.25g/cm
・GrB:鱗片状黒鉛(日本黒鉛工業社製、平均粒径130μm、熱伝導率100W/(m・K)、密度2.25g/cm
・MgO:球状酸化マグネシウム(タテホ化学社製、平均粒径30μm、熱伝導率50W/(m・K)、密度3.58g/cm
・BN:六方晶系鱗片状窒化ホウ素(電気化学社製、平均粒径15μm、熱伝導率210W/(m・K)、密度2.26g/cm
(5)ロジン(C)
・C1:マレイン化ロジン(荒川化学工業社製、マルキードNo.31、酸価188mgKOH/g、軟化温度141℃)
・C2:マレイン化ロジン(荒川化学工業社製、マルキードNo.33、酸価317mgKOH/g、軟化温度153℃)
・C3:マレイン化ロジン(荒川化学工業社製、マルキード3002、酸価107mgKOH/g、軟化温度170℃)
・C4:マレイン化ロジン(荒川化学工業社製、パインクリスタルKE−604、酸価237mgKOH/g、軟化温度129℃)
・C5:マレイン化ロジン(荒川化学工業社製、マルキードNo.8、酸価38mgKOH/g、軟化温度133℃)
(6)繊維強化材
・GF:ガラス繊維(オーウェンスコーニング社製、平均繊維径10μm、平均繊維長3mm、密度2.50g/cm
・AF:コポリパラフェニレン−3,4′−オキシジフェニレンテレフタルアミド繊維(帝人テクノプロダクツ社製テクノーラ、平均繊維径12μm、平均繊維長3mm)
(7)添加剤
・HB:p−ヒドロキシ安息香酸アルキルエステル(花王社製、エキセパールHD−PB、液体)
・FRB−1:臭素系難燃剤(ICL−IP社製、F−2400)
・FRB−2:臭素系難燃剤(ICL−IP社製、F−3100)
・Sb:三酸化アンチモン(日本精鉱社製、PATOX−M)
・FRP:リン系難燃剤(クラリアント社製、Exolit OP1230)
実施例1
二軸押出機(東芝機械社製TEM26SS、スクリュ径26mm)の主ホッパーに、ポリアミド6(PA6)樹脂39質量部と、タルク(TC)61質量部とを供給し、260℃で溶融混練をおこない、ストランド状に押出して冷却固化した後、ペレット状に切断し樹脂組成物を得た。
この樹脂組成物を、射出成形機(日精樹脂工業社製:NEX110−12E)を用いてシリンダー温度280℃、金型温度100℃で射出成形し、ISO規格3167に記載の評価用の多目的試験片A型、および、箱形成形品(長さ100mm×幅60mm×高さ15mm,肉厚2mm)を成形した。
得られた成形体の評価結果を表1に示す。混練および射出成形操作の際、揮発ガスの発生は観測されなかった。
実施例2〜44、比較例1、2、8
樹脂組成と射出成形条件を表1、2のように変更する以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物と成形体を得た。なお、ガラス繊維はサイドフィーダーにより途中から供給した。
得られた成形体の評価結果を表1、2に示す。
比較例3〜7
樹脂組成と射出成形条件を表1のように変更する以外は、実施例1と同様にして樹脂組成物を得、射出成形しようとしたが、熱可塑性樹脂(A)と熱伝導性充填材(B)との合計100容量部に対する熱伝導性充填材(B)の容量比が、本発明で規定する範囲よりも多かったため、バーフロー流動長が短く、溶融粘度が著しく低かったため、成形体が得られなかった。
実施例1〜44は、本発明の用件を満たしていたため、バーフロー流動長が長く、溶融粘度が低かった。また、これから得られた成形体は、耐衝撃性が高く、熱伝導性、放熱性に優れるものであった。
実施例3、5〜13の対比から、酸価が60mgKOH/g以上であるロジンを、熱可塑性樹脂(A)と熱伝導性充填材(B)の合計100質量部に対して0.5〜5質量部配合した樹脂組成物を用いたものは、バーフロー流動長が長く、溶融粘度が低く、成形加工性が優れていることがわかる。
比較例1、2は、熱可塑性樹脂(A)と熱伝導性充填材(B)との合計100容量部に対する熱伝導性充填材(B)の容量比が、本発明で規定する範囲よりも少なかったため、熱伝導率が低く、放熱性に劣っていた。
比較例8は、熱伝導性充填材(B)を配合しなかったため、熱伝導率が低く、放熱性に劣っていた。

Claims (7)

  1. 熱可塑性樹脂組成物を成形してなる成形体を含む筐体であって、熱可塑性樹脂組成物が、熱可塑性樹脂(A)、5W/(m・K)以上の熱伝導率を有する熱伝導性充填材(B)を含有し、熱可塑性樹脂(A)がポリアミド樹脂(A1)またはポリエステル樹脂(A2)であり、熱可塑性樹脂(A)と熱伝導性充填材(B)との容量比(A/B)が80/20〜25/75であることを特徴とする筐体。
  2. 熱可塑性樹脂(A)に、さらに、酸価が60mgKOH/g以上であるロジン(C)を、熱可塑性樹脂(A)と熱伝導性充填材(B)の合計100質量部に対して0.5〜5質量部含有させることを特徴とする請求項1に記載の筐体。
  3. 熱可塑性樹脂(A)に、さらに、繊維状強化材(D)を、熱可塑性樹脂(A)と熱伝導性充填材(B)との合計100質量部に対して3〜30質量部含有させることを特徴とする請求項1または2に記載の筐体。
  4. ポリアミド樹脂(A1)が、ポリアミド6またはポリアミド66であることを特徴とする請求項1〜3いずれかに記載の筐体。
  5. ポリエステル樹脂(A2)が、脂肪族ポリエステルまたは半芳香族ポリエステルであることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の筐体。
  6. 熱伝導性充填材(B)が、黒鉛、窒化ホウ素、タルクおよび酸化マグネシウムからなる群より選ばれた少なくとも一種以上であることを特徴とする請求項1〜5いずれかに記載の筐体。
  7. 繊維状強化材(D)が、ガラス繊維またはアラミド繊維であることを特徴とする請求項1〜6いずれかに記載の筐体。
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