JP2017039862A - 粉末洗濯前処理剤組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】衣類を洗濯する前段階で使用することで、衣類に付着した便汚れが洗濯により除去されやすくなる粉末洗濯前処理剤組成物を提供する。【解決手段】(a)有効酸素濃度が9〜13%の過炭酸ナトリウム20質量%以上70質量%以下、(b)漂白活性化剤0.1質量%以上20質量%以下、(c)界面活性剤0.5質量%以上15質量%以下、(d)炭酸ナトリウム1質量%以上60質量%以下、及び(e)アクリル酸系重合体を含有する、粉末洗濯前処理剤組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、粉末洗濯前処理剤組成物及び当該組成物を用いた洗濯方法に関する。
高齢者や要介護者がいる家庭では、下着や寝間着やシーツなどに付着した便のシミ汚れが課題となっている。これは健常者で構成される一般家庭の課題と大きく異なる。
一般に便汚れは60質量%の水分から構成されていている事が非特許文献1により報告されている。そのため便汚れに含まれる色素は繊維内部までしみ込みやすく、普段の洗濯では落としにくい汚れとなっていた。
特許文献1には、ポリマー成分(A)としてノニオン性の水溶性ポリマー及びアニオン性の水溶性ポリマーからなる群より選択される1種以上のポリマーを0.1〜10質量%含有する液体前処理剤を繊維製品に接触させる工程(工程1)、該液体前処理剤が接触した繊維製品を乾燥させる工程(工程2)、及び繊維製品を水溶液で洗浄する工程(工程3)、を含む、繊維製品の洗濯方法が開示されている。
また特許文献2には、(a)ベントナイト、(b)過炭酸ナトリウム30〜80質量%、及び(c)界面活性剤を含有し、(a)/(c)の質量比が200〜1である、洗浄剤組成物が開示されている。
また、特許文献3には、漂白剤粒子、平均粒径700〜1500μm、嵩密度500〜800kg/mの漂白活性化剤粒子、及び平均粒径350〜500μm、嵩密度700〜850kg/mの洗剤粒子を含有し、洗剤粒子及び漂白活性化剤粒子のロート流動性と、洗剤粒子及び漂白活性化剤粒子の嵩密度とが所定の関係を満たす漂白洗剤組成物が開示されている。
また特許文献4には、(a)酸素系過酸化物、(b)特定の有機過酸前駆体を含有し、かつ、(c)前記有機過酸前駆体の類縁化合物の含有量が0.01重量%以上0.5重量%未満である漂白性組成物が開示されている。
特開2013−129924号公報 特開2008−163077号公報 特開2000−256696号公報 特開平7−316591号公報
Hintze, P., et al. , Trash to Supply Gas(TtSG) Project Overview, in AJAA SPACE 2012 Conference & Exposition. 2012, AmericanInstitute of Aeronautics and Astronautics.
現状では、便汚れを除去するためにつけ置きや手洗いを行っている。近年の高齢者の増加により便汚れの発生頻度が高まっており、これにより洗濯前の予洗いの回数も増えている。しかし、洗い上がりに対する不満や手間に対する不満を持つ生活者は少なくない。
本発明は、衣類を洗濯する前段階で使用することで、衣類に付着した便汚れが洗濯により除去されやすくなる粉末洗濯前処理剤組成物を提供する。
本発明は、(a)有効酸素濃度が9〜13%の過炭酸ナトリウム〔以下、(a)成分という〕20質量%以上70質量%以下、(b)漂白活性化剤〔以下、(b)成分という〕0.1質量%以上20質量%以下、(c)界面活性剤〔以下、(c)成分という〕0.5質量%以上15質量%以下、(d)炭酸ナトリウム〔以下、(d)成分という〕1質量%以上60質量%以下、及び(e)アクリル酸系重合体〔以下、(e)成分という〕を含有する、粉末洗濯前処理剤組成物に関する。
また、本発明は、上記本発明の粉末洗濯前処理剤組成物及び水を含有する処理液に、大便で汚れた衣類を浸漬した後、該衣類を洗濯する、洗濯方法に関する。
本発明によれば、衣類を洗濯する前段階で使用することで、衣類に付着した便汚れが洗濯により除去されやすくなる粉末洗濯前処理剤組成物が提供される。
以下、本発明の粉末洗濯前処理剤組成物に用いられる成分について説明する。
<(a)成分:過炭酸ナトリウム>
本発明の粉末洗濯前処理剤組成物は、(a)成分として、有効酸素濃度が9〜13%の過炭酸ナトリウムを含有する。本発明の粉末洗濯前処理剤組成物は、過炭酸ナトリウムの添加により、優れた洗浄効果及び移染防止効果を発揮し得る。
本発明の粉末洗濯前処理剤組成物は、(a)成分を、20質量%以上70質量%以下含有し、便のシミ汚れ洗浄性と繊維損傷性のバランスから、好ましくは25質量%以上、より好ましくは35質量%以上である。そして、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下含有する。なお、(a)成分の有効酸素濃度は過マンガン酸カリウム標準水溶液を用いて20℃で測定する。
<(b)成分:漂白活性化剤>
本発明の粉末洗濯前処理剤組成物は、(b)成分として漂白活性化剤、特に疎水性漂白活性化剤を含有することが好適である。漂白活性化剤とは、無機過酸化物と反応することで有機過酸を生成する化合物を意味する。漂白活性化剤としては、例えば、下記一般式(b1)で表されるエステル結合を有する化合物が挙げられる。
R−C(=O)−LG (b1)
[式中、Rは、炭素数8〜14の直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基もしくはアルケニル基、アリール基、又はアルキル基置換アリール基であり、好ましくは炭素数10〜14の直鎖又は分岐鎖のアルキル基である。LGは脱離基である。]
脱離基LGとしては、例えば、
Figure 2017039862
−O−R’−(O)−SO 及び−O−R’−(O)−SOM(ここでR’はアルキレン基、pは0又は1、Mは水素原子又はアルカリ金属を表す。)が挙げられる。なお、R’のアルキレン基は、炭素数1以上5以下が好ましい。
本発明における漂白活性化剤は、一般式(b1)で表される化合物に限定されず、従来一般に用いられてきた漂白活性化剤を用いることができる。例えばテトラアセチルエチレンジアミン、グルコースペンタアセテート、テトラアセチルグリコールウリル、アルカノイルもしくはアルケノイル(これらの基の炭素数は8〜14)オキシベンゼンカルボン酸又はその塩、アルカノイル又はアルケノイル(これらの基の炭素数は8〜14)オキシベンゼンスルホン酸塩が挙げられ、アルカノイルもしくはアルケノイル(これらの基の炭素数は8〜14、漂白効果の点から好ましくは10〜14)オキシベンゼンカルボン酸又はその塩及びアルカノイル又はアルケノイル(これらの基の炭素数は8〜14、漂白効果の点から好ましくは10〜14)オキシベンゼンスルホン酸塩から選ばれる1種以上が好ましい。これら漂白活性化剤は、任意の1種又は2種以上の組み合わせを用いることができる。(b)成分としては、デカノイルオキシベンゼンカルボン酸又はそのナトリウム塩、及びドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸又はそのナトリウム塩から選ばれる1種以上の漂白活性化剤が好ましい。
本発明の粉末洗濯前処理剤組成物は、(b)成分を、0.1質量%以上20質量%以下含有し、好ましくは0.5質量%以上、そして、好ましくは15質量%以下、より好ましくは10質量%以下含有する。
<(c)成分:界面活性剤>
本発明の粉末洗濯前処理剤組成物は、(c)成分として界面活性剤を含有する。界面活性剤としては、陰イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、及び両性界面活性剤から選ばれる1種以上の界面活性剤が挙げられる。
陰イオン界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキル又はアルケニルエーテル硫酸塩、アルキル又はアルケニル硫酸塩、オレフィンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、飽和又は不飽和脂肪酸塩、α−スルホ脂肪酸塩、及びα−スルホ脂肪酸エステルから選ばれる1種以上を挙げることができる。
これらの中でも炭素数10以上20以下の直鎖アルキル基を有するアルキルベンゼンスルホン酸塩、エチレンオキサイド平均付加モル数が0.5以上4以下で、かつアルキル鎖の炭素数が8以上22以下のポリオキシエチレンアルキル硫酸塩、及びアルキル鎖の炭素数が8以上22以下のアルキル硫酸塩から選ばれる1種以上の陰イオン界面活性剤が好ましく、この内、アルキル鎖の炭素数が12以上18以下のアルキル硫酸塩がより好ましい。
これらの陰イオン界面活性剤の対イオンは、ナトリウム又はアルカノールアミンが好ましい。なお本発明の陰イオン界面活性剤は酸剤として添加し、溶液中で中和して塩を形成してもよい。本発明では濃度限定や比率限定等の数値限定は、塩を考慮せずに、酸型としてカウントする。
非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン又はこれらのコポリマー、エチレンオキシド又はエチレンオキシドとプロピレンオキシドが炭素数8以上22以下の高級アルコールに付加したポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル、高級脂肪酸アルカノールアミド又はそれにエチレンオキシド又はエチレンオキシドとプロピレンオキシドが付加した化合物、蔗糖脂肪酸エステル、及びアルキル基の炭素数が8以上22以下であるアルキルグルコシド等から選ばれる1種以上を挙げることができる。
これらの中でもアルキル基の炭素数が8以上22以下のポリオキシアルキレンアルキルエーテルが好ましく、詳しくは後述する。
陽イオン界面活性剤としては、窒素原子に結合する炭素数が8以上22以下のアルキル基を1又は2本有し、残りの窒素原子に結合する有機基が炭素数1以上3以下の短鎖アルキル基又はヒドロキシアルキル基又は1つ迄のベンジル基であって塩酸塩又はメチルもしくはエチル硫酸の塩である4級アンモニウム塩型の陽イオン界面活性剤を挙げることができる。
両性界面活性剤としては、本発明ではアルキル基の炭素数が8以上22以下の公知のスルホベタインやアミンオキシドを挙げることができる。
本発明では、洗浄性の観点から、本発明の粉末洗濯前処理剤組成物は、(c)成分として、非イオン界面活性剤及び陰イオン界面活性剤の何れか1つ以上を含有することが好ましく、非イオン界面活性剤を含有することがより好ましい。
本発明の粉末洗濯前処理剤組成物は、(c)成分を、0.5質量%以上15質量%以下含有し、繊維にしみ込んだ便のシミ汚れに対して高い洗浄性を得るため、好ましくは0.75質量%以上、より好ましくは1.0質量%以上含有し、好ましくは10質量%以下含有する。
本発明の非イオン界面活性剤としては、前記した化合物を挙げることができ、特に限定されないが、アルコールにアルキレンオキサイドを付加した非イオン界面活性剤、更に、下記一般式(c1)の非イオン界面活性剤が挙げられる。
1c−O[(EO)/(PO)]−H (c1)
〔式中、R1cは炭素数8以上、好ましくは10以上、より好ましくは12以上、そして、22以下、好ましくは18以下、より好ましくは14以下のアルキル基、好ましくは直鎖のアルキル基を示す。EOはエチレンオキシ基、POはプロピレンオキシ基を示す。xは平均付加モル数であり0以上20以下の数、yは平均付加モル数であり0以上20以下の数を示し、x及びyの両者が同時に0の場合を除く。〕
なお、一般式(1)においては、EO基単独又はPO基単独で配合されてもよく、EO基とPO基とがランダム共重合体又はブロック共重合体のいずれの形態で配列されていてもよい。
(c)成分の全界面活性剤中、非イオン界面活性剤が占める割合は、40質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、60質量%以上が更に好ましい。
<(d)成分:炭酸ナトリウム>
本発明の粉末洗濯前処理剤組成物は、(d)成分として、炭酸ナトリウム含有する。炭酸ナトリウムとしては、ライト灰、デンス灰等が挙げられる。炭酸ナトリウムとしては、平均粒径300±200μm、更に300±100μmのデンス灰が好ましい。
本発明の粉末洗濯前処理剤組成物は、便由来の染みを除去する上で、(d)成分を1質量%以上、より好ましくは2質量%以上、更に好ましくは10質量%以上、そして、60質量%以下、より好ましくは55質量%以下、更に好ましくは50質量%以下含有する。
<(e):アクリル酸系重合体>
本発明の粉末洗濯前処理剤組成物は、(e)成分として、アクリル酸系重合体を含有する。アクリル酸系重合体としては、アクリル酸、メタクリル酸及びそれらの塩から選ばれる一種以上の単量体〔以下、アクリル酸系単量体という〕に由来する単量体構成単位を有する重合体が挙げられ、前記アクリル酸系単量体の単独重合体又は前記アクリル酸系単量体を単量体構成単位として含む共重合体を挙げることができる。
前記アクリル酸系単量体の単独重合体としては、アクリル酸、メタクリル酸及びその塩から選ばれる単量体の単独重合体を挙げることができる。
前記アクリル酸系単量体の共重合体としてはアクリル酸、メタクリル酸及びそれらの塩から選ばれる少なくとも1種と、これら化合物と共重合可能な不飽和結合を有する化合物、とくにはビニル系単量体又はアリル系単量体との共重合体を挙げることができる。共重合体はアクリル酸もしくはメタクリル酸に由来する単量体構成単位が共重合体を形成している全単量体構成単位中、30モル%以上、好ましくは50モル%以上、より好ましくは80モル%以上を占めるものが挙げられる。
これら単独重合体及び共重合体において、塩はアルカリ金属、アルカリ土類金属及びアミンから選ばれる陽イオンとの塩が好ましい。すなわち、塩は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アミン塩が挙げられ、ナトリウム塩又はカリウム塩が好ましい。なお塩構造の単量体構成単位の割合は一部乃至全部であってもよく、当該重合体の中和度によって変更することができる。
本発明の(e)成分において、アクリル酸系単量体と共重合可能な単量体としては、ビニル系単量体が挙げられる。ビニル系単量体としては、アルキル基の炭素数が8以上、好ましくは10以上、そして、40以下、好ましくは36以下のアクリル酸アルキルエステル、アルキル基の炭素数が8以上、好ましくは10以上、そして、40以下、好ましくは36以下のメタクリル酸アルキルエステル、マレイン酸、無水マレイン酸、ヒドロキシエチルアクリル酸、ヒドロキシエチルメタクリル酸、エチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブテン、ペンテン、イソプレン、2−メチル−1−ブテン、n−ヘキセン、2−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2−エチル−1−ブテン、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン、インデン、ブタジエン、シクロペンタジエン、ジシクロペンタジエンが挙げられる。これらの中でもマレイン酸、無水マレイン酸、ヒドロキシエチルアクリル酸、ヒドロキシエチルメタクリル酸等の水溶性単量体及びこれらの単量体の塩が好ましい。
(e)成分は、アクリル酸、メタクリル酸及びその塩から選ばれる単量体からなる単独重合体が好ましい。該単独重合体の塩はカリウム塩又はナトリウム塩が好ましい。
ハンドリング性と分散性の観点から、(e)成分の重量平均分子量は3000以上70000以下が好ましい。重量平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、アセトニトリルと水の混合溶液(リン酸緩衝液)を展開溶媒とし、ポリアクリル酸を標準物質として測定することができる。
本発明の粉末洗濯前処理剤組成物は、(e)成分を、酸構造に換算して、好ましくは0.05質量%以上10質量%以下含有し、優れた分散性、及び洗浄効果を得るため、より好ましくは0.075質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、そして、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは2質量%以下含有する。
本発明の粉末洗濯前処理剤組成物は、洗浄性の観点から、(a)/(e)の質量比が、好ましくは2以上、より好ましくは10以上、更に好ましくは25以上、そして、好ましくは1,000以下、より好ましくは500以下、更に好ましくは200以下、更により好ましくは100以下である。
本発明の粉末洗濯前処理剤組成物は、漂白活性化剤前駆体からの漂白活性化剤の生成効率を高める観点から、(b)/(e)の質量比が、好ましくは0.1以上、より好ましくは1以上、更に好ましくは2以上、そして、好ましくは100以下、より好ましくは50以下、更に好ましくは10以下である。
<その他の成分>
本発明の粉末洗濯前処理剤組成物は、(a)成分〜(e)成分以外に、以下のような成分を含有することができる。
〔(f)成分:ベントナイト〕
本発明の粉末洗濯前処理剤組成物は、(f)成分として、ベントナイトを含有することが好ましい。ベントナイトは(e)成分のアクリル酸系重合体と併用することで、さらなる洗浄率の向上に寄与する。ベントナイトは、50〜100meq/100gのイオン交換能力を有するものが好ましい。ベントナイトとしては、(f1)アルカリ金属又はアルカリ土類金属モンモリロナイト、サポナイト又はヘクトライトからなる群から選択されるモンモリロン石群鉱物粘土(smectitic clay)、(f2)イライト、(f3)アタパルジャイト(attapulgite)、及び(f4)カオリナイトから選ばれる1種以上が好ましい。
ベントナイトは粒状化したものを用いることが好ましく、例えば、特開2008−189719号公報の粘土鉱物の造粒物を参照することができる。
本発明の粉末洗濯前処理剤組成物は、(f)成分を、好ましくは0.5質量%以上20質量%以下含有し、移染防止の観点から、より好ましくは1質量%以上、そして、好ましくは15質量%以下、より好ましくは5質量%以上、15質量%以下含有する。
本発明の粉末洗濯前処理剤組成物が(f)成分のベントナイトを含有する場合、より優れた洗浄力を得る上で、組成物中の(e)成分のアクリル酸系重合体の含有量は、酸構造に換算して、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、更に好ましくは1質量%以上であり、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは5質量%以下である。
〔(g)成分:酵素〕
本発明の粉末洗濯前処理剤組成物は、(g)成分として酵素を含有し得る。酵素として好ましくは、蛋白分解酵素(プロテアーゼ)、脂質分解酵素(リパーゼ)、セルロース分解酵素(セルラーゼ)、デンプン分解酵素(アミラーゼ)、及びペクチン分解酵素(ペクチナーゼ)から選ばれる1種以上が挙げられる。酵素の種類、起源、純度には特に制限はない。
蛋白質分解酵素としては、例えば工業技術院生命工学技術研究所にバチルス エスピー(Bacillussp.)KSM−KP43(FERM BP-6532)、バチルス エスピー(Bacillus sp.)KSM−KP1790(FERM BP-6533)、バチルスエスピー(Bacillus sp.)KSM−KP9860(FERMBP-6534)として寄託された微生物、及びその変異株、更には当該酵素をコードする遺伝子を有する形質転換体から生産されるプロテアーゼ等を挙げることができ、特にバチルスエスピーKSM−KP43及びその変異株が優れている。その他にもノボザイムズ社のAlcalase、 Esperase、Savinase、Everlase、Liquanase、Polarzyme(以上、ノボザイムズ社の登録商標)、ジェネンコア社のPurafect、Effectenz(以上、ジェネンコア社の登録商標)等が挙げられる。特に、本発明の粉末洗濯前処理剤組成物中の保存安定性や洗浄性の観点からノボザイムズ社のサビナーゼやエバーラーゼが好ましい。
脂質分解酵素は特に限定されないが、例えばノボザイムズ社製のLipex、Lipolase(以上、ノボザイムズ社の登録商標)が挙げられる。
セルロース分解酵素は、細菌セルラーゼと真菌セルラーゼを包含する。セルロース分解酵素としては、例えば、特開平63−264699号公報4頁右上欄13行目〜5頁右下欄12行目に記載のものを使用することができ、生産菌株として、特に好アルカリ性微生物バチルス・エスピー(Bacillus sp.) KSM−635(FERM BP−1485)又はその変異株から得られるアルカリセルラーゼを使用することが好ましい。また、特開平8−53699号公報段落〔0015〕に記載のセルラーゼを使用することもできる。より具体的には、花王株式会社製のKAC500(登録商標)、ノボザイムズ社製のCelluclean、Carezyme(登録商標)等の酵素造粒物を挙げることができる。
デンプン分解酵素も特に限定されないが、例えばノボザイムズ社製のDuramyl、Stainzyme、Stainzyme Plus、Termamyl、Termamyl Ultra(以上、ノボザイムズ社の登録商標)、Powerase(ジェネンコア社の登録商標)が挙げられる。
ペクチン分解酵素も特に限定されないが、例えばノボザイム社製のXPect(登録商標)が挙げられる。
酵素は造粒物等の粒子状のものが好ましい。酵素粒子は、蛋白分解酵素等の酵素を、例えば特開昭62−257990号公報に従って造粒して得ることができる。
本発明の粉末洗濯前処理剤組成物は、(g)成分を、酵素タンパクとして、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.005質量%以上、更に好ましくは0.008質量%以上、そして、好ましくは0.30質量%以下、より好ましくは0.25質量%以下、更に好ましくは0.20質量%以下含有する。(g)成分は酵素タンパクを1質量%以上20質量%以下の割合で造粒した酵素粒子を用いることが好ましく、例えばノボザイム社より、市販されているものを使用することができる。
〔(h)成分:金属イオン封鎖剤〕
本発明の粉末洗濯前処理剤組成物には、(a)成分の過炭酸ナトリウムの安定性をはかる目的で、(h)成分として、金属イオン封鎖剤を配合することができる。
金属イオン封鎖剤としては、(1)フィチン酸等のリン酸系化合物又はその塩類、(2)エタン−1,1−ジホスホン酸、エタン−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1−ヒドロキシ−1,1−ジホスホン酸及びその誘導体、エタンヒドロキシ−1,1,2−トリホスホン酸、エタン−1,2−ジカルボキシ−1,2−ジホスホン酸、メタンヒドロキシホスホン酸等のホスホン酸又はその塩類、(3)2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸、1−ホスホノブタン−2,3,4−トリカルボン酸、α−メチルホスホノコハク酸等のホスホノカルボン酸又はその塩類、(4)アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン等のアミノ酸又はその塩類、特にはメチルグリシン三酢酸四ナトリウム塩(5)ニトリロ三酢酸、イミノ二酢酸、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、グリコールエーテルジアミン四酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸、トリエチレンテトラアミン六酢酸、ジエンコル酸等のアミノポリ酢酸又はその塩類、(6)ジグリコール酸、オキシジコハク酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、カルボキメチル酒石酸等の有機酸又はその塩類、(7)アミノポリ(メチレンホスホン酸)若しくはポリエチレンポリアミンポリ(メチレンホスホン酸)又はそれらの塩類等が挙げられる。
本発明の粉末洗濯前処理剤組成物は、(h)成分を、無機過酸化物の安定性をはかる目的で、好ましくは0.0005質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは15質量%以下含有する。
〔(i)成分:蛍光増白剤〕
本発明の粉末洗濯前処理剤組成物には、(i)成分として、蛍光増白剤を含有することが好ましい。
(i)成分の蛍光増白剤としては、スルホン酸基又はその塩を有する蛍光増白剤が好ましく、ビフェニル型蛍光増白剤及び/又はスチルベン型蛍光増白剤がより好ましい。
ビフェニル型蛍光増白剤としては、4,4'−ビス(2−スルホスチリル)ビフェニルジアルカリ金属塩(好ましくはナトリウム)、4,4'−ビス(2−スルホ−4クロロスチリル)ビフェニルジアルカリ金属塩(好ましくはナトリウム)等が挙げられるが、特に4,4'−ビス(2−スルホスチリル)ビフェニルジナトリウムが増白効果の点で好ましい。
スチルベン型蛍光増白剤としては、4,4'−ビス(4−アニリノ−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)スチルベン−2、2'−ジスルホン酸ジナトリウム又は、4,4'−ビス(4−トルイジノ−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)スチルベン−2,2'−ジスルホン酸ジナトリウム等が挙げられる。
本発明の粉末洗濯前処理剤組成物は、(i)成分を、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.15質量%以上、そして、好ましくは0.35質量%以下、より好ましくは0.3質量%以下含有する。
〔その他任意成分〕
本発明の粉末洗濯前処理剤組成物には、粉末の衣類用洗剤や漂白剤に用いることが知られている化合物を、(a)成分の過炭酸ナトリウム等の分解性物質への影響を与えない限り配合することができる。
そのような任意成分としては、ゼオライト、粒子着色のための染料、(d)成分の炭酸ナトリウム以外のケイ酸ナトリウム等のアルカリ剤、漂白活性化剤を造粒物として用いる場合のバインダーとしてのポリエチレングリコール等の非イオン性重合体、造粒物を安定に保つためのクエン酸、フマル酸、コハク酸及び脂肪酸等の前記金属イオン封鎖剤として挙げた以外の有機酸、粉末の本洗濯前処理剤組成物に添加して洗濯物を賦香するための香料組成物、香料組成物を内包するマイクロカプセル化香料、アルコール系香料とケイ酸とのケイ酸エステル化合物、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウムの中性の水溶性無機塩等を挙げることができる。硫酸ナトリウムは増量剤として使用することができる。ただし、ゼオライトの含有量は、(a)成分の分解を抑制する観点で、本発明では、組成物中、10質量%以下、5質量%以下に制限することが好ましい。
<粉末洗濯前処理剤組成物>
本発明の粉末洗濯前処理剤組成物は、粉末である。ここで粉末は、粒状、顆粒状を含む。
粉末の組成物は、粉末成分のみを混合して得ることもできるし、粉末成分と液状成分とを混合して得ることもできる。
例えば(a)成分の過炭酸ナトリウム粒子は、過炭酸ナトリウムの粉末を水や過酸化水素などで造粒したものや、過炭酸ナトリウムの表面を2号ケイ酸ナトリウム等のケイ酸塩、ホウ酸、ホウ砂、メタホウ酸ナトリウム又は過ホウ酸ナトリウム等ホウ素化合物、炭酸水素ナトリウム等の炭酸塩、(c)成分の非イオン界面活性剤、(e)成分のアクリル酸系重合体、又はポリエチレングリコール等の非イオン性重合体等を用いて被覆したものが挙げられる。後者は、吸湿等による過酸率の低下を妨げ保存安定性高めることができる。
(b)成分の漂白活性化剤は、(b)成分を含む粒子として配合することが好ましい。(b)成分を含む粒子は、金属イオン封鎖剤の酸性化合物や酸剤等を含むことでより安定化する。漂白活性化剤粒子については、安定性に優れ低温の水に対する溶解に優れる技術が例えば特開2007−332346号公報に詳しく記載されている。
(c)成分の界面活性剤は、配合成分の粒子の造粒時に添加してもよく、粉末形態で組成物の配合成分である粒子全体に添加して混合せしめてもよい。非イオン界面活性剤の場合は、液状で、粒子混合物に添加することで、全体の粒子に添加することができる。
(e)アクリル酸系重合体は、通常、水溶液として添加するが、(g)成分のデンス灰等の炭酸ナトリウム粒子に噴霧し表面に付着させてから、混合することが好ましい。或いはアクリル酸系重合体を含有する粒子も市販されており、配合の際はこれら粒子を配合してもよい。
本発明では(f)成分のベントナイト粒子、(g)成分の酵素粒子及びデンス灰等の炭酸ナトリウムは市販の粒子を用いることができる。それら粒子は保存安定性に優れ、低温の水への溶解性に優れた粒子として設計されている。また当該成分の粉体を水やアルキル硫酸エステルや非イオン界面活性剤や非イオン性重合体等のバインダー成分を用いて造粒することもできる。この際に溶解性を高めるために界面活性剤を添加する場合もあり、また核に塩化ナトリウム粒子を用いてその表面に当該成分を付着させて造粒する方法も知られている。
(i)成分の蛍光染料もまた粉末又は水溶液として組成物の混合粒子に添加して配合してもよい。
本発明の粉末洗濯前処理剤組成物は、平均粒子径が、好ましくは250μm以上、より好ましくは300μm以上、そして、好ましくは1000μm以下、より好ましくは800μm以下である。平均粒子径は、後述の実施例の方法で測定したものである。
本発明の粉末洗濯前処理剤組成物は、見掛け密度が、好ましくは600g/cm以上、より好ましくは700g/cm以上、そして、好ましくは1100g/cm以下、より好ましくは1000g/cm以下である。見掛け密度は後述の実施例の方法で測定したものである。
本発明の粉末洗濯前処理剤組成物は、0.5質量%水希釈物のpHが、好ましくは9.0以上、より好ましくは9.5以上、そして、好ましくは11.5以下、より好ましくは11.0以下である。pHはJIS K 3362;2008の項目8.3に従って20℃において測定する。
本発明の粉末洗濯前処理剤組成物の製造方法については特に問わないが、保存安定性の観点から、例えば、次の方法で製造することが好ましい。
まずデンス灰である炭酸ナトリウムと粉末の蛍光増白剤をナウターミキサーに仕込み、撹拌混合後、粉温が50℃以上になるまで昇温する。昇温を確認した後、ポリアクリル酸ナトリウム水溶液等の(e)成分の水溶液を添加し、更に混合する。その後、別途粒状化したベントナイト粒子を添加、粉体温度を低下させた後、混合しながら香料を添加する。均一に混合できた後、更に別途調製した過炭酸ナトリウム粒子、漂白活性化剤粒子、及び酵素粒子を順次添加し、温度が高まらないように注意しながら40℃以下で当該粒子を撹拌混合して本発明の粉末洗濯前処理剤組成物を得る。
<洗濯前処理方法>
本発明の本発明の粉末洗濯前処理剤組成物は、洗濯前処理に用いられる。本発明により、本発明の粉末洗濯前処理剤組成物を用いた洗濯前処理方法が提供される。本発明の洗濯前処理方法としては、以下の工程1を有する方法が挙げられる。
工程1:本発明の粉末洗濯前処理剤組成物及び水を含有する処理液に、大便で汚れた衣類を浸漬する工程
工程1では、処理液の量(L)と衣類の質量(kg)との比が、処理液の量(L)/衣類の質量(kg)で、好ましくは10以上、より好ましくは20以上、そして、好ましくは200以下、より好ましくは100以下である。
処理液中の本発明の粉末洗濯前処理剤組成物の濃度は、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは0.3質量%以上、そして、好ましくは1.5質量%以下、より好ましくは1.0質量%以下である。
処理液中の(a)成分の濃度は、好ましくは0.02質量%以上、より好ましくは0.06質量%以上、そして、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.7質量%以下であり、この濃度となるように、本発明の粉末洗濯前処理剤組成物と水とを混合することが好ましい。
処理液中の(b)成分の濃度は、好ましくは0.0001質量%以上、より好ましくは0.0003質量%以上、そして、好ましくは0.2質量%以下、より好ましくは0.15質量%以下であり、この濃度となるように、本発明の粉末洗濯前処理剤組成物と水とを混合することが好ましい。
処理液中の(c)成分の濃度は、好ましくは0.0001質量%以上、より好ましくは0.003質量%以上、そして、好ましくは0.15質量%以下であり、この濃度となるように、本発明の粉末洗濯前処理剤組成物と水とを混合することが好ましい。
処理液中の(d)成分の濃度は、好ましくは0・0005質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、そして、好ましくは1.0質量%以下、より好ましくは0.7質量%以下であり、この濃度となるように、本発明の洗濯前処理剤組成物と水とを混合することが好ましい。
処理液中の(e)成分の濃度は、好ましくは0.00005質量%以上、より好ましくは0.000075質量%以上、更に好ましくは0.0001質量%以上、そして、好ましくは0.15質量%以下、より好ましくは0.075質量%以下であり、更に好ましくは0.03質量%以下であり、この濃度となるように、本発明の粉末洗濯前処理剤組成物と水とを混合することが好ましい。
本発明の粉末洗濯前処理剤組成物が(f)成分を含有する場合、処理液中の(f)成分の濃度は、好ましくは0.0005質量%以上、より好ましくは0.001質量%以上、更に好ましくは0.005質量%以上、そして、好ましくは0.3質量%以下、より好ましくは0.25質量%以下であり、この濃度となるように、本発明の粉末洗濯前処理剤組成物と水とを混合することが好ましい。
本発明の粉末洗濯前処理剤組成物が(g)成分を含有する場合、処理液中の(g)成分の濃度は、好ましくは0.000001質量%以上、より好ましくは0.000005質量%以上、更に好ましくは0.000008質量%以上、そして、好ましくは0.005質量%以下、より好ましくは0.004質量%以下であり、更に好ましくは0.003質量%以下、この濃度となるように、本発明の粉末洗濯前処理剤組成物と水とを混合することが好ましい。
処理液の温度は、好ましくは10℃以上、より好ましくは20℃以上、そして、好ましくは60℃以下、より好ましくは40℃以下である。
工程1では、10分以上、更に30分以上、そして、360分以下、更に120分以下、浸漬することが好ましい。
工程1は、適当な容器中で実施できる。洗濯機の洗濯槽中で行うこともできる。
工程1の浸漬中、任意に撹拌してもよい。
工程1で浸漬後、衣類を取出し、余分な処理液を絞るなどして除去して、洗濯に供する。また、処理液中に放出された汚れの程度又は衛生上の観点から、必要に応じて、浸漬後の衣類を水で濯ぐことができる。濯ぎは、好ましくは1回以上、より好ましくは1回以上3回以下行う。
工程1を終えた衣類は、洗濯機に投入され、通常の洗濯処理及び必要に応じて仕上げ剤処理が行なわれる。
本発明により、本発明の粉末洗濯前処理剤組成物及び水を含有する処理液に、大便で汚れた衣類を浸漬した後、該衣類を洗濯する、洗濯方法が提供される。衣類の浸漬は、上記工程1に準じて行うことができる。衣類を浸漬した後、脱水してから衣類を洗濯することが好ましい。
実施例1〜6、比較例1〜5
下記成分を用いて、表1に示す組成の粉末洗濯前処理剤組成物を調製し、下記方法にて洗浄性能を評価した。
(1)過炭酸ナトリウム粒子
特開2011−136900号公報の実施例1に従い被覆過炭酸ナトリウムを製造しそれを用いて過炭酸ナトリウム粒子を調製した。具体的には、平均粒径1000μm、有効酸素濃度12.7%の過炭酸ナトリウム83質量%(最終粒子中の割合)に対して、メタホウ酸ソーダ4水塩6質量%(最終粒子中の割合)、及び1号ケイ酸ソーダ1質量%(最終粒子中の割合)の割合で過炭酸ナトリウムを被覆し、乾燥した後、発泡化処理を行うことで被覆過炭酸ナトリウムを得た。これに、10質量%(最終粒子中の割合)のデンス灰を添加して混合することで、過炭酸ナトリウムを83質量%含有する過炭酸ナトリウム粒子を得た。
(2)漂白活性化剤粒子
非イオン界面活性剤としてポリオキシアルキレンラウリルエーテル(オキシエチレン基の平均付加モル数が8、オキシプロピレン基の平均付加モル数が2の割合のランダム付加物、花王(株)製:エマルゲンKS108S95)0.33kgとグリセリン(花王(株)製:日本薬局方)0.13kgとの予備混合物、漂白活性化剤としてドデカノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム9.49kg、陰イオン界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウム(花王(株)製:E-10P)1.50kg、コハク酸(川崎化成工業(株)製)0.26kgを混合機(ホソカワミクロン(株)製:ナウターミキサーNX-S型)に仕込み、ジャケット温度80℃、自転回転数121rpm、公転回転数5.5rpmで混合・昇温し、粉体の温度が60℃になった時点で予め70℃で溶融したポリエチレングリコール(花王(株)製:K-PEG6000LA)1.3kgを加え、更に25分混合を行った後に混合物を抜き出した。次に、得られた混合物を押出し造粒機(不二パウダル製:ペレッターダブルEXD-60)により孔径700μmのスクリーンを通して押出して圧密化した。得られた押出し物を冷却した後、整粒機(不二パウダル製:フラッシュミルFL200)にて解砕し、分級によって粒径350μm以下の粒子と粒径1410μmを越える粒子を取り除くことで、粒径を350〜1410μmに調整し、漂白活性化剤を73質量%含有する漂白活性化剤粒子を得た。
(3)界面活性剤
(3−1)界面活性剤として配合した分(表中、「界面活性剤別配合分」として示した)
・エチレンオキシ基の平均付加モル数が6モルのポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王株式会社製、エマルゲン108)を用いた。
(3−2)漂白活性化剤粒子の成分として配合した分
・ポリオキシアルキレンラウリルエーテル(オキシエチレン基の平均付加モル数が8、オキシプロピレン基の平均付加モル数が2の割合のランダム付加物、花王(株)製:エマルゲンKS108S95)
・ラウリル硫酸ナトリウム(花王(株)製:E-10P)
表中、「界面活性剤総量」は、界面活性剤として配合した分と漂白活性化剤粒子の成分として配合した分の合計である。
(4)炭酸ナトリウム
(4−1)炭酸ナトリウムとして配合した分(表中、「炭酸ナトリウム別配合分」として示した)
株式会社トクヤマ社のデンス灰を用いた。見掛け比重1.1〜1.3g/cm、粒径125μm以下が3質量%以下、且つ粒径1.0mm以上が3質量%以下のもの。
(4−2)過炭酸ナトリウム粒子の成分として配合した分
表中、「炭酸ナトリウム総量」は、炭酸ナトリウムとして配合した分と過炭酸ナトリウム粒子の成分として配合した分の合計である。
(5)アクリル酸重合体
ポリアクリル酸ナトリウム水溶液(花王株式会社製、重量平均分子量1万)を用いた。表1中の質量%は、有効分の酸構造換算の質量%である。
(6)ベントナイト粒子
クラリアントプロデュクテ(ドイッチュラント)ゲーエムベーハー〔Clariant Produkte (Deutschland) GmbH〕の LaundrosilDGA (登録商標)を用いた。
(7)酵素
ノボザイム(Novozymes)社のプロテアーゼ粒子(Savinase8.0T[サビナーゼ8.0T]、酵素タンパク含有率4%)を用いた。表1中の質量%は、プロテアーゼ粒子としての質量%である。
(8)蛍光増白剤
BASF社のビフェニル型蛍光増白剤(チノパールCBS−X)を用いた。
(粉末洗濯前処理剤組成物の製造方法)
以下、表1に示された実施例3の粉末洗濯前処理剤組成物の製造例を示す。これに従ってその他の実施例及び比較例も同様にして製造した。
152.88質量部の炭酸ナトリウム(別配合分)と1.12質量部の蛍光増白剤を、容量5mのナウターミキサーに仕込み、自転回転数85.7rpm、公転回転数2.1rpmにて5分間混合後、粉温が50℃以上になるまで昇温した。昇温を確認した後、7.3質量部のポリアクリル酸ナトリウムの水溶液(ポリアクリル酸ナトリウムの酸換算で5.6質量部)を5分間かけて添加し、更に5分間混合した。その後、56質量部のベントナイト粒子を添加、粉温が40℃以下になるまで冷却し、粉温が40℃を下回るのを確認した後、28重量部の界面活性剤(別配合分)、280質量部の過炭酸ナトリウム粒子、33.6質量部の漂白活性化剤粒子、及び2.8質量部の酵素(プロテアーゼ粒子)を順次添加し、20分間の混合を実施した。
これにより、見掛け密度が800g/L、平均粒子径が450μmの粉末洗濯前処理剤組成物を得た。なお、ここでいう見掛け密度は、日本工業規格JIS K3362 8.2記載の見掛け密度の測定法で測定した。また平均粒子径は、日本工業規格JIS K0069(1992)記載の乾式篩分け法による粒度分布を基に、50%粒径の値を用いた。
(モデル便汚染布作製方法)
200mLビーカーに、85.9gのイオン交換水と7.3gのドライイースト(日清フーズ株式会社製)を入れ、回転翼(3枚羽、羽長10mm)を用いて300rpmで撹拌した。ドライイーストが均一に分散した後、2.4gの味噌(かねこみそ株式会社、米みそ)を投入し、5分間撹拌した。更に0.5gのサイリウムハスク(井藤漢方製薬株式会社、商品名オオバコダイエット)を投入し、600rpmで10分間撹拌した後、3.9gのオレイン酸(和光純薬工業株式会社、試薬一級)を添加した。この混合液45mLに対し、5mLのビリルビン(和光純薬工業株式会社)−ジメチルスルホキシド(SIGMA-ALDRICH、試薬特級)溶液(ビリルビン12mg/ジメチルスルホキシド1mL)を添加し、よく混合した後、50mm四方の布帛に0.5mLを塗布し、室温にて一晩乾燥させて、モデル便汚染布を得た。
(洗浄性評価方法)
200mLのガラスビーカーに0.2Lの4゜DH硬水(Ca/Mg=8/2)と1gの粉末洗濯前処理剤組成物を投入し、マグネチックスターラーと直径8mm×長さ20mmの撹拌子を用いて200rpmで5分間撹拌することで溶解し、処理液を調製した。これにモデル便汚染布を4枚投入し、30分間のつけおきを行った。つけ置き開始の時点で、処理液の温度は25℃であった。また、処理液の量(L)/モデル便汚染布の質量(kg)の比は、50であった。
その後、Terg-O-tometr(株式会社上島製作所製)のステンレスビーカーに準備した市販の液体洗浄剤[液体ビック(無蛍光、花王プロフェッショナル・サービス株式会社製)]の標準濃度溶液(0.67g/L、25℃)1Lに、つけ置き浴から取り出し、水分を絞ったモデル便汚染布を投入し、Terg-O-tometrにて85rpmで10分間洗浄した。
その後、水道水による流水濯ぎを約1分間行い、二層式洗濯機で脱水した後、アイロンプレス(180℃、30秒)で乾燥した。
洗浄前後の汚染布の反射率及び原布(汚染前の布)の反射率を、Spectro Color Meter SE2000 (日本電色工業株式会社製)を用いてλ=460nmにて測定し、下式により洗浄率を算出した。
洗浄率(%)=[(R−R)/(R−R)]×100
:洗浄前の反射率
:洗浄後の反射率
:原布(汚染前の布)の反射率
Figure 2017039862

Claims (6)

  1. (a)有効酸素濃度が9〜13%の過炭酸ナトリウム20質量%以上70質量%以下、(b)漂白活性化剤0.1質量%以上20質量%以下、(c)界面活性剤0.5質量%以上15質量%以下、(d)炭酸ナトリウム1質量%以上60質量%以下、及び(e)アクリル酸系重合体を含有する、粉末洗濯前処理剤組成物。
  2. (b)界面活性剤が、非イオン界面活性剤及び陰イオン性界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種の界面活性剤である請求項1に記載の粉末洗濯前処理剤組成物。
  3. (e)成分を、酸構造に換算して、0.05質量%以上10質量%以下含有する請求項1又は2に記載の粉末洗濯前処理剤組成物。
  4. (f)ベントナイト0.5質量%以上20質量%以下を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の粉末洗濯前処理剤組成物。
  5. (a)/(e)の質量比が2以上1,000以下であり、(b)/(e)の質量比が0.1以上100以下である、請求項1〜4の何れかに記載の粉末洗濯前処理剤組成物。
  6. 請求項1〜5の何れか1項に記載の粉末洗濯前処理剤組成物及び水を含有する処理液に、大便で汚れた衣類を浸漬した後、該衣類を洗濯する、洗濯方法。
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