JP2017039708A - クローディン産生促進剤、オクルディン産生促進剤、タイトジャンクション機能強化剤 - Google Patents
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Abstract
本発明の目的は、皮膚のバリア機能及び水分保持機能を高め、乾燥肌、荒れ肌、アトピー性皮膚炎や各種感染症などの皮膚症状を予防するため、クローディン、オクルディンの産生を促進し、タイトジャンクション機能強化する製剤を得ることにある。
【解決手段】
牛蒡の抽出物、芍薬の抽出物より選ばれる1種又は2種以上の抽出物を有効成分とすることによって、クローディン産生促進剤、オクルディン産生促進剤、タイトジャンクション機能強化剤を得ることができた。
【選択図】図1
Description
しかし、研究が進み、皮膚のバリア機能は角層のみが担っていると考えられていたのが、表皮顆粒層に存在するタイトジャンクションの構成タンパク質を遺伝子レベルで欠損させると皮膚のバリア機能が崩壊することから、近年、タイトジャンクションも皮膚のバリア機能に重要な役割を担うと考えられてきている(非特許文献1参照)。
クローディンやオクルディンの産生を促進することにより、タイトジャンクション機能強化し、皮膚のバリア機能及び水分保持機能を高め、乾燥肌、荒れ肌、アトピー性皮膚炎や各種感染症などの皮膚症状を予防する。
さらにアレルゲン侵入抑制、消化管粘膜機能維持等の用途もあり、いくつかの物質がこれらの用途を目的として知られている。(特許文献1〜6参照)
また、発毛・育毛剤、痩身用皮膚化粧料、カテプシンD産生促進剤等の用途が知られ、(特許文献7〜9参照)化粧料の原料として抽出物が市販されている。
また、浴剤組成物、美白化粧料、インターロイキン4産生抑制剤等の用途が知られ、(特許文献10〜12参照)化粧料の原料として抽出物が市販されている。
牛蒡、芍薬は、必要に応じて乾燥した後、抽出効率を考えると、細切、粉砕等の処理を行った後に抽出する。
乾燥は天日で行ってもよいし、通常使用される乾燥機を用いて行ってもよい。
前記抽出に用いる溶媒としては、水若しくは親水性有機溶媒又はこれらの混合液を用いる。
前記抽出溶媒として使用し得る水としては、例えば、純水、水道水、井戸水、鉱泉水、鉱水、温泉水、湧水、淡水等の他、これらに各種処理を施したものが含まれる。水に施す処理としては、例えば、精製、加熱、殺菌、ろ過、イオン交換、浸透圧の調整、緩衝化等が含まれる。従って、本発明において抽出溶媒として使用し得る水には、精製水、熱水、イオン交換水、生理食塩水、リン酸緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水等も含まれる。
前記親水性有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等の炭素数1〜5の低級アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等の低級脂肪族ケトン;1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の炭素数2〜5の多価アルコールなどが挙げられ、これら親水性有機溶媒と水との混合溶媒などを用いることができる。
なお、前記水と親水性有機溶媒との混合溶媒を使用する場合には、低級アルコールの場合は水10質量部に対して1〜20質量部、低級脂肪族ケトンの場合は水10質量部に対して1〜15質量部添加することが好ましい。多価アルコールの場合は水10質量部に対して1〜20質量部添加することが好ましい。
尚、抽出操作は1回のみの操作に限定されるものではない。抽出後の残渣に再度新鮮な溶媒を添加し、抽出操作を施すこともできるし、抽出溶媒を複数回抽出原料に接触させることも可能である。
本発明者らが検討した結果、本発明の効果を発揮する物質は、水にも、80%のエタノール抽出されるので、ある程度精製する場合は、水で抽出したのち、不溶物を取り除き、等量〜5倍量のエタノールを加えてさらに抽出するとよいこともわかった。
必要ならば、その効果に影響のない範囲で更に脱臭、脱色等の精製処理を加えても良く、エバポレーターのような減圧濃縮装置や加熱による溶媒除去などにより、濃縮することができる。
また、この抽出物を合成吸着剤(ダイアイオンHP20やセファビースSP825、アンバーライトXAD4、MCIgelCHP20P等)やデキストラン樹脂(セファデックスLH−20など)、限外濾過等を用いてさらに精製することも可能である。
これらの抽出物の製剤への配合量は固形分として、0.000001〜10.0重量%、好ましくは0.00001〜3.0重量%、さらに好ましくは0.00005〜1.0重量%である。
色素類;黄色4号、青色1号、黄色202号等の厚生省令に定められたタール色素別表I及びIIの色素、クロロフィル、リボフラビン、クロシン、紅花、アントラキノン等の食品添加物として認められている天然色素等。
ビタミン類;ビタミンA、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE等。
その他;殺菌剤、防腐剤、その他製剤上必要な成分等。
牛蒡(滝野川ごぼう)(乾燥物、細断品)を30gに50%(V/V)エタノール水溶液2リッターを加え、ときどき撹拌しながら、24時間抽出後、濾過(No5C)し、エバポレートしたのち、これを凍結乾燥した。
芍薬(Paeonia lactiflora)(栃本天海堂、乾燥、細断品)を50gに30%(V/V)エタノール水溶液2リッターを加え、ときどき撹拌しながら、24時間抽出後、濾過(No5C)し、エバポレートしたのち、これを凍結乾燥した。
2継代目のヒト包皮由来表皮細胞(クラボウ)を50−70%コンフルエントとなるようHuMedia−KG2培地(フェノールレッド不含)で培養後、前日にカルシウム濃度を1.8mMに変更したHuMedia−KG2培地に、実施例を添加し、37℃、5%CO2インキュベータ中で2日間培養した。
細胞からの Total RNAの抽出は、トリプシン/EDTAで剥離後、illustra RNA Mini RNA Isolation Kit(GE Healthcare社)を用い、GE Healthcare社の添付マニュアルに従い調製した。RNA濃度は、NanoDrop1000(Thermo SCIENTIFIC)を用い算出した。
2.5μgのTotal RNAを使い、MMLV Reverse Transcriptase RNaseH−(東洋紡社)を用い、東洋紡社推奨プロトコール(TOYOBO BIOCHEMICALS FOR LIFE SCIENCE 2008/2009のページ1−42)に従いRT反応を行なった。
リアルタイムPCRはAppliedBiosystems 7500 リアルタイムPCR Systemを用い、以下のように実施した。SYBR Green法を用い(THUNDERBIRD SYBR qPCR Mix,東洋紡社)、7500 リアルタイムPCR Systemの操作マニュアル(AppliedBiosystems)を用いて、Comparative CT(△△CT)法(n=3)により遺伝子発現比較を実施した。内部標準としてGAPDHを使用した。
結果を見ると、実施例1(牛蒡)は作用濃度0.1%でクローディン1とオクルディンのいずれの遺伝子発現量を約2.5倍に増加させ、実施例2(芍薬)は作用濃度0.025%でクローディン1とオクルディンのいずれの遺伝子発現量を約2倍強に増加させた。
Claims (3)
- 牛蒡の抽出物、芍薬の抽出物より選ばれる1種又は2種以上の抽出物を有効成分として含有するクローディン産生促進剤。
- 牛蒡の抽出物、芍薬の抽出物より選ばれる1種又は2種以上の抽出物を有効成分として含有するオクルディン産生促進剤。
- 牛蒡の抽出物、芍薬の抽出物より選ばれる1種又は2種以上の抽出物を有効成分として含有するタイトジャンクション機能強化剤。
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