JP2017038665A - 芳香拡散器 - Google Patents
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Abstract
【課題】天然の植物である藺(藺草)を利用した芳香拡散器を提供する。【解決手段】複数本の藺12の茎を束ねてなる本体部11を備える芳香拡散器1であって、芳香拡散器1は芳香液を適用して芳香を拡散させる受液部13を備えており、受液部13は藺の切断面からなる芳香拡散器1である。本体部11は棒状であり、本体部11の一端に受液部13を備えることが好ましい。【選択図】図1
Description
本発明は、精油や合成香料などの芳香剤を保持、揮発させる芳香拡散器に関する。
植物に由来する揮発性の油である精油や合成香料を含有する油を芳香拡散器に適用して芳香を楽しむ習慣がある。病気の治療、病気の予防、ストレスの解消など治療を目的として行われることもありアロマテラピーとして普及している。
芳香拡散器はディフューザとも呼ばれており、以下の特許文献に挙げるようなものが知られている。特許文献1には、リードディフューザと呼ばれる芳香拡散器が開示されている。リードとは葦のことである。瓶に液状の芳香剤を詰めておき、リードの一端を瓶の中の芳香剤に浸けておき、空気中のリードの他端から芳香成分を拡散させる。葦は導管を有しており、導管により芳香成分が吸い上げられて空気中に芳香成分が拡散する。
特許文献2には芯材を利用した芳香器が開示されている。芯材が容器に入れられた液状の芳香剤を吸い上げて空気中に拡散させる。
特許文献3には、筒部、上蓋部、及び下蓋部からなるい草入りの消臭器が開示されている。筒部には一対の開口部が設けられている。
特許文献1のようなリードディフューザにおいては、葦は導管を利用して液状の芳香剤を吸い上げる。このため、瓶などの容器に液状の芳香剤を入れて、それにリードを浸して使用しなければならない。このため芳香拡散器を設置する場所が限られるし、転倒させると芳香剤がこぼれるおそれがある。特許文献2の芯材を利用した芳香器も同様である。
特許文献3の消臭器は、臭いの元となる成分を吸着して消臭作用を発揮するものであり、芳香成分を撹拌させる芳香拡散器ではない。
上記の問題に鑑みて、天然の植物である藺(藺草)を利用し、触って楽しむことができる芳香拡散器を提供する。
複数本の藺の茎を束ねてなる本体部を備える芳香拡散器であって、芳香拡散器は芳香液を適用して芳香を拡散させる受液部を備えており、受液部は藺の切断面からなる芳香拡散器によって、上記の課題を解決する。藺は、表面にワックス層があり、髄が多孔質のスポンジ状となっている。藺の切断面を受液部とすることで、藺の髄に芳香液を保持して徐々に芳香成分を揮発させて芳香を楽しむことができる。
本体部は棒状であり、本体部の一端に受液部を備えるものであることが好ましい。棒状の本体部と受液部とを備えることで、本体部を手で握って使用することができる芳香拡散器を提供することができる。
芳香拡散器は茣蓙で構成することが好ましい。茣蓙は複数本の藺を織成してなる。このため、藺が途中で折れたり抜け落ちたりすることを防止して、芳香拡散器の耐久性を高めることができる。
本体部の他端に茣蓙の縁部を配することが好ましい。本体部の他端に茣蓙の縁部を配することで、芳香拡散器の他端側の耐久性を高めることができる。
本体部は巻物状の茣蓙からなることが好ましい。茣蓙を巻物状に束ねて棒状とすることで、簡単に芳香拡散器を製造することができる。
本体部の一端は茣蓙の縁からなる突縁部を備えており、突縁部に囲まれた凹所に受液部を備えることが好ましい。本体部の一端に突縁部を配置することで、芳香拡散器の一端側の耐久性を高めることができる。
多孔質な藺の髄に芳香液を保持させて徐々に芳香成分を揮発させて芳香を楽しむことができる。このため芳香液を貯留しておく瓶などの容器がなくても使用することが可能であり、自由に持ち運ぶことができる。芳香拡散器は複数の藺を束ねて構成する。藺の表面はワックス層となっているため触り心地がよく触って楽しむことができる芳香拡散器を提供することできる。
図面を参照して、本発明を実施するための形態について説明する。
図1及び図2に本発明の芳香拡散器の一実施形態を示す。この実施形態の芳香拡散器1は本体部11を有する。本体部11は複数本の藺12を束ねて構成される。本体部11は棒状であり、両端に芳香液を拡散させる受液部13を備える。受液部は本体部の一端側及び両端側の少なくともいずれか一方に設ければよい。受液部13は、複数の藺12の切断面から構成される。この芳香拡散器1は、図2に示したように、一端側と他端側を切断した同じ長さの藺を平面視において略円形となるように束ねている。このため、受液部13は、平面視において略円形であり、扁平な面である。複数本の藺を束ねた後に藺を切断して受液部13としてもよい。
図3に藺12の切断面を模式的に示したように、藺12は、髄にあたるスポンジ状の灯芯部14と、藺の表面にあたる皮質部15とを有する。受液部13は藺12の切断面から構成されるため、受液部13には多孔質の灯芯部14が多数露出している状態となっている。このため、精油などの芳香液を受液部に滴下すると、灯芯部14に芳香液を蓄えておくことができる。灯芯部14に蓄えられた芳香液は徐々に気化して芳香成分が気中に拡散し芳香を楽しむことができる。
複数の藺12を束ねる際には、糸、紐、縄、布、紙などの固定具15を本体部11の外周に巻いて任意の位置で結束するとよい。本実施形態の芳香拡散器1では、第2固定具16として手漉きの和紙を本体部11の外周沿うように巻いて、さらに和紙の上に固定具15として正絹の真田紐を和服の帯に見立てて巻いて正面で帯締めしている。真田紐の両端部には、各端部から紐の横糸17を2本引き出して各端部の解れた縦糸の基部に巻き付けて結束して、紐が解れないように結束部18、18を設けている。
本実施形態の芳香拡散器1の本体部11は棒状である。このため、芳香拡散器1の上部に配される第1把持部19や下部に配される第2把持部20を手で握った状態で芳香を拡散させることができる。手の温度で受液部13に適用された芳香液を温めて芳香成分の揮発を促進させることが可能である。また、例えば、第1把持部19を一方の手で握り第2把持部20を他方の手で握り、第1把持部19及び第2把持部20を雑巾を絞る要領で捩じるように力を加えてストレッチを行い、ストレス解消に役立てることができる。ストレッチを行う際に体温で芳香液又は藺の芳香成分を揮発させてさらにストレス解消の効果を高めることができる。本実施形態の芳香拡散器1は、芳香液を蓄えるための小瓶などを備えない。このため、例えば、デスクの傍らに置いておいてパソコン作業の途中で上記のストレッチを行い腕や指の疲れを解消するのに役立てることができる。また、藺の色が看者の心を落ち着ける。
芳香拡散器1で使用する藺12は土で染めていない無染土藺草を使用することが好ましい。藺12は収穫した直後に泥水に浸漬して泥で表面を被覆することが一般的に行われている。藺12の表面を土で覆うことで藺そのものの色むらを目立たなくしたり日焼けを防いだりする目的で泥染めが行われている。しかし、土が芳香に影響を与えることがある。このため、無染土藺草を使用することで、土が芳香に影響を与えることを防ぐことができる。また、無染土藺草は触ると手に土が付着したり粉の感触がしたりすることがある。無染藺草を使用することで芳香拡散器の手触りを向上させることができる。さらに、無染土藺草を使用ことで上記のストレッチを行うときに藺に付着した土が飛散することを防止することができる。
図4ないし図6に他の実施形態に係る芳香拡散器2を示す。この芳香拡散器2は、本体部11aを茣蓙21で構成した点で上記の芳香拡散器1と主に相違する。本体部11aを構成する藺12が織成されているため、藺12が脱落したり折れたりし難く耐久性に優れる。本体11aを茣蓙21で構成すると耐久性が向上するので芳香拡散器2を用いて上記のストレッチを好適に行うことができる。
芳香拡散器2は、一端側に第1把持部19aを備え、他端側に第2把持部20aを備える。芳香拡散器2を使用して上記のストレッチを行うと、茣蓙21の織目同士が擦れあって細波のような音が生じる。また、芳香拡散器2を握ると織目が掌に接触して手を刺激すると共に受液部13aに適用した芳香液又は藺の香りが揮発して嗅覚を刺激する。また、図3に示したように、芳香拡散器2の表面に織目に由来する模様が現れるため美観においても優れる。このように、本実施形態の芳香拡散器2は、嗅覚だけでなく、触覚、聴覚、視覚も刺激して疲れを解消することができる。
芳香拡散器2は、本体部11aの一端に受液部13aを備えており、本体部11aの他端に茣蓙21の縁部22を備える。このため、本体部2の他端側の藺が折れたり摩耗するなどして破損することを防止することができる。また、例えば、一端側の受液部13aに誤って過剰量の芳香液を適用した場合においては、本体部11aの他端側が縁部22となっており藺が折り返されているので芳香液が芳香拡散器2の他端側から漏れるのを防止することができる。
芳香拡散器2は、例えば、図7に記載したように、両端に縁部22を備える茣蓙21を図7において破線で示したように、縁部22の延在方向に沿って茣蓙の中央で裁断して、図8に示した他端側に縁部22を備える茣蓙21とする。この他端に縁部22を備える茣蓙21を縁部22の延在方向(図8において矢印で示した方向)に巻いて、上記の芳香拡散器1と同様に固定具15で束ねて芳香拡散器2とする。芳香拡散器2は、芳香拡散器1と同様に、第2固定具16、及び横糸17を利用した結束部18を備える。
芳香拡散器2の本体部11aは、渦巻状の茣蓙21からなる。このため、本体部11aを平面又は底面から見ると茣蓙21が渦巻状に巻かれている様子が表れる。芳香拡散器2は渦巻状の本体部11aを備えるため、上記のストレッチにおいて第1把持部19a及び第2把持部20aを握って本体部11aを捩じる動作を行う際に渦巻状の茣蓙21が捩じれて渦巻が元に戻ろうとする反発力が生じる。このため、上記のストレッチを行う際に適度な撓りが生じて、より手の触覚を刺激することができる。
図9及び図10に他の実施形態に係る芳香拡散器3を示す。この実施形態の芳香拡散器3は、本体部11bの一端側に茣蓙21bの縁からなる突縁部23を備える。突縁部23の端は茣蓙21bの縁部22bから構成されるため、藺12が解れたり折れたりし難く耐久性に優れる。突縁部23の内側には、凹所24を備えており、凹所24の底が受液部13bとなっている。受液部13bは上記実施形態の芳香拡散器1及び2と同様に、多孔質の灯芯部14が多数露出している扁平面となっており、芳香液を受液部13bに滴下すると、灯芯部14に芳香液が蓄えられる。
芳香拡散器3の本体部11bの他端側は、上記の芳香拡散器2の他端側と同様に、中実な縁部22cが設けられている。他端側も一端側と同様に凹所24を設けて凹所24の底に受液部を配置する構成としてもよい。
本体部の一端側に凹所24及び突縁部23を備える芳香拡散器3は、図11に示したようにして製造する。まず、両端に縁部22b、22cを備える茣蓙21bを準備し、一端側の縁部の一部をその延在方向に沿って切り取る。切り欠きは巻き取り開始の始端側に設ける。延在方向に切り取る幅Wによって受液部の直径が定まるので、所望の受液部の直径に応じて切り取る幅Wを定める。同様に延在方向に直交する方向に切り取る高さHによって凹所の深さが定まるので、所望する凹所の深さに応じて切り取る高さHを定める。受液部の直径は10〜45mmとし、凹所の深さを2〜50mmとすれば、芳香液を受液部13bに適用しやすく好ましい。本実施形態の芳香拡散器3では、凹所の深さは30mmであり、受液部の直径は25mmである。
一端側の縁部22bの一部を切り取った後、縁部22b、22cの延在方向(図11の矢印方向)に茣蓙21bを巻いて、棒状の本体部11bとする。芳香拡散具3では、棒状の本体部11bの一端側、他端側、中央付近の3箇所を固定具15cで結束して固定した。固定具15cとして、手績み(てうみ)の麻糸を使用した。芳香拡散器2と同様に、茣蓙を巻いて製造しているので、芳香拡散器3は平面視及び底面視において渦巻状に茣蓙が巻いた状態で表れる。
芳香拡散器3は、上記の実施形態に係る芳香拡散器1及び2と同様に、一端側に第1把持部19bを備え、他端側に第2把持部19cを備える。便宜上、固定具15cを境界として第1把持部19bと第2把持部20bを区分しているが、例えば、上半分の第1把持部9bのみを両手で握って使用してもよい。芳香拡散器1及び2に比較して把持部が幅広になっているので上記のストレッチを行う際に把持部を握りやすいため、本体部を捩じる動作を行いやすい。また、上述のように茣蓙が巻物状となっており、把持部もより長くなっているので捩じる動作を行うとより強い反発力が生じて手の触覚を刺激することができる。芳香拡散器3においては、第1把持部19b及び第2把持部20bの長さは、それぞれ80〜180mmとすることが好ましい。
芳香拡散器1、2、3には上述の通り芳香液を適用して使用する。芳香液としては植物から抽出した精油、合成香料、若しくは両者の混合液、又はこれらの希釈液など種々のものを使用することができる。芳香液によっては鼻をつく刺激臭がすることがあるが、芳香拡散器1、2、3を使用して芳香を拡散させれば刺激臭を緩和して軟らかい香りを得ることができる。イグサの芳香成分を含有する精油とも非常に相性がよい。
芳香拡散器1、2、3は手で握りやすくするために、棒状の本体部の直径を40mmとしている。棒状の本体部の直径は30〜50mmとすることが好ましい。リレー競技で使用するバトンのように握りやすくすることができる。
芳香拡散器1、2の第1把持部19、19a及び第2把持部20、20aの長さは、40〜90mmとすることが好ましい。
図12ないし図17に上記の実施形態に係る芳香拡散器2の一実施例の写真を示す。図18ないし図24に上記の実施形態に係る芳香拡散器3の一実施例の写真を示す。これらの写真に示したように、本体部は畳を連想させる外観を備えている。畳の黄緑色は安心感を与える色であるとされており、視覚を通して精神の緊張を解すことができる。
藺にはフィトンチッド、ジヒドロアクチニジオリド、α‐シペロン、バニリンなどの芳香成分が含まれている。ジヒドロアクチジオリド自体は香りを持たないが、他の芳香成分の香りを引き立てる作用がある。このため、受液部13、13a、13bに適用された芳香液に由来する芳香を引き立てることができる。フィトンチッドは抗菌作用がある。このため、カビなどの雑菌の繁殖を抑えて芳香拡散器1、2、3を清潔な状態で維持することができる。α‐シペロン、バニリンの成分はストレスを緩和させる作用がある。このため、受液部13、13a、13bに適用された芳香液の芳香と相まってストレスを緩和させることができる。さらに藺自体が香るため、受液部13、13a、13bに芳香液を適用していない状態でもイグサの香りを楽しむことができる。
1 芳香拡散器
2 芳香拡散器
3 芳香拡散器
12 藺
13 受液部
13a 受液部
13b 受液部
11 本体部
11a 本体部
11b 本体部
21 茣蓙
21b 茣蓙
22 縁部
22b 縁部
22c 縁部
23 突縁部
24 凹所
2 芳香拡散器
3 芳香拡散器
12 藺
13 受液部
13a 受液部
13b 受液部
11 本体部
11a 本体部
11b 本体部
21 茣蓙
21b 茣蓙
22 縁部
22b 縁部
22c 縁部
23 突縁部
24 凹所
Claims (7)
- 複数本の藺の茎を束ねてなる本体部を備える芳香拡散器であって、
芳香拡散器は芳香液を適用して芳香を拡散させる受液部を備えており、
受液部は藺の切断面からなる芳香拡散器。 - 本体部は棒状であり、本体部の一端に受液部を備える請求項1に記載の芳香拡散器。
- 芳香拡散器は茣蓙からなるものである請求項1又は2に記載の芳香拡散器。
- 本体部の他端に茣蓙の縁部を備える請求項3に記載の芳香拡散器。
- 本体部は巻物状の茣蓙からなる請求項3又は4に記載の芳香拡散器。
- 藺は土で染めていない無染土藺草である請求項1ないし5のいずれかに記載の芳香拡散器。
- 本体部の一端は茣蓙の縁からなる突縁部を備えており、突縁部に囲まれた凹所に受液部を備える請求項3ないし6のいずれかに記載の芳香拡散器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2015160778A JP2017038665A (ja) | 2015-08-18 | 2015-08-18 | 芳香拡散器 |
Applications Claiming Priority (1)
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Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2015
- 2015-08-18 JP JP2015160778A patent/JP2017038665A/ja active Pending
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