JP2017037627A - タクシーの料金の前払い精算システム - Google Patents

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Abstract

【課題】 客の運賃不払いによる乗り逃げを未然に防いだり、乗車料金が客の所持金をオーバーして支払い不能にならないようにする。【解決手段】 前払いを受けてから走り出すようにすべく、前払い精算部(20)は前払いを受け付けてその金額から、賃走額計算部(21)で逐次計算した加算額をその都度差し引く処理を行い、追加で前払いがある場合にはその金額を追加する処理を行い、前払いの金額がゼロに近付いたらこれを客に報知して精算を促し、残額返金の処理を行うようにした。【選択図】図2

Description

本発明はタクシー料金の精算時に料金不足を生じたり乗り逃げにあったりすることがないようにした、タクシーの料金の前払い精算システムに関する。なお後述する解決手段の中には乗客へのおもてなしを重視したシステムや、運転手襲撃の危険を除去したシステムとなっているものもある。
タクシーのサービス運営に於いては日々対処しなくてはならない課題が多々生ずるものであるが、その中でも料金精算に纏わる次のような問題に手を焼くことがある。すなわち問題の第一は運賃不払いによる乗り逃げのケースである。また第二は客が指定した目的地に到着した際に乗車料金が客の所持金をオーバーしていて支払い不能(料金不足)になるケースである。このケースでは金を持って戻ると言ったまま客に乗り逃げされてしまうようなことも起こっている。いずれにせよ運転手にとっては誠に厳しい状況であると言うことが出来る。
特開2014−106645号の発明によれば、設定時間と走行時間との差が第1閾値以下となった場合、設定距離と走行距離との差が第2閾値以下となった場合、及び設定運賃と現在の運賃との差が第3閾値以下となった場合、のうちの少なくとも1つの場合に、運賃画像を強調表示して表示部12に出力することで、運賃に関するイベントの発生が近づいている場合に運賃画像が強調表示されるので、運賃に関するイベントの発生が近づいていることを乗客に気付かせることが出来る。また特開2005−316909号の発明によれば、料金演算手段におけるタクシー料金の演算過程で用いられる料金アップまでの残り距離信号に基づいてタリフ表示手段を制御して、基本タリフ表示部におけるタリフの表示状態を料金アップのタイミングが近づくにしたがって段階的或いは連続的に反転表示に順次切り替えるようにしたので、料金アップのタイミングをタクシー利用者に知らせることが出来る。なおタリフとは運賃料金表の意味である。
特開2014−106645号公報 特開2005−316909号公報
確かに特開2014−106645号の発明も、特開2005−316909号の発明も、客に料金アップのタイミングを知らせることが出来るので、客にある種の覚悟を持ってもらうには良い発明であると言える。しかしながら何れの発明も運賃不払いによる乗り逃げの問題や乗車料金が客の所持金をオーバーしていて支払い不能になる問題を解決することが出来ない。客に料金アップのタイミングを知らせるのは良いが、料金アップの直前まで目的地により近い場所まで行きたいとするのが一般的な客の心理であり、このことが結局降車のタイミングを逃して料金アップにつながってしまうのである。
本発明は上述したような問題点を解決して、運賃不払いによる乗り逃げを未然に防いだり、乗車料金が客の所持金をオーバーして支払い不能にならないようにすることを課題とする。
そこで本発明では、前払いを受ける前払い精算部と、走行距離計測信号と基準時間とから加算額を逐次計算する賃走額計算部とを備え、前記前払い精算部は前払いの金額から前記賃走額計算部で逐次計算した加算額をその都度差し引く処理を行い、追加で前払いがある場合にはその金額を追加する処理を行い、前記賃走額計算部は前払いの金額がゼロに近付いたことを報知する処理を行って、精算時に前記前払い精算部で残額返金の処理を行うようにしたことを特徴とする。客から受ける前払いの金額は、目的地までの賃走の見込額とほぼ同額またはこれを上回る金額、または客が支払可能な金額と言うことになる。精算は、客が随意これを申し出ることが出来る。あるいは前払いの金額がゼロになる前の前記報知に基づいて行われる場合がある。なお賃走額計算部には従来のタクシーメータを利用する設計も可能である。
当発明者は、運賃不払いによる乗り逃げを未然に防いだり乗車料金が客の所持金をオーバーして支払い不能にならないようにしたりするには、前払いを受けてから走り出すようにすれば良いと言う着想を得た。前払い精算部で前払いを受け、賃走額計算部で逐次計算した加算額をその都度前払い金額から差し引き、前払いの金額がゼロに近付いたならばこのことを報知し、ゼロになる前に前払い精算部で残額返金を行うようにして、残金がゼロにならないようにするのである。なお前払い精算部は、追加で前払いがある場合にはそれを受け付けるようにする。前払い金の追加によって残額に余裕を持たせるようにすることが出来る。
前払い精算部には現金の投入部を設けるようにすると良いが、更にクレジットカードや電子マネーカードのカードリーダを備えるようにすることで現金を用いることなく前払いし、精算時に運転手側から残金の払い戻しを受けることが出来るようになる。運転手側からと言うのは、直接運転手から残金を受け取るようにする場合もあれば、前払い精算部に現金の払い戻し口を設けておきそこから、運転手を介することなく、残額返金を行うようにする場合もある。なお将来的には、クレジットカードや電子マネーカードで先払いした分から釣りをカードに返金し得るような制度が普及すれば、現金を扱う必要のない完全な電子取引をタクシーのサービスで実現することが可能になる。
次にこの発明のタクシーの料金の前払い精算システムでは、前記前払い精算部が運転席側に設けられているものとすることが出来る。運転手は客から現金を受け取りこれを金庫に入れて、受け取り金額をキーボードで打ち込む式の前払い精算部としたり、客から受け取った現金の投入部と投入された金額の読み取り部が設けられた前払い精算部とするなどすれば良い。なお残額返金に付いても同様である。
次にこの発明のタクシーの料金の前払い精算システムでは、前記前払い精算部が客席側(後部座席)に設けられているものとすることが出来る。すると客は後部座席に座ると、そこに設けられている前払い精算部で前払いを行うことになる。前払いの金額に付いては客が良いと思う金額と言うことになるが、運転手のアドバイスに基づいて決めるようにしても良い。なお残額返金に関しては、直接運転手から残金を受け取るようにする場合もあれば、客席側の前払い精算部に現金の払い戻し口を設けておきそこから、運転手を介することなく、残額返金を行うようにする場合もある。
なお上記前払い精算部で現金の払い戻し口のあるものを客席側に設ける場合では、次のようなメリットが生ずる。すなわち運転手と客とは直接的に金銭の授受を行う必要がなくなっているため、運転席と客席との間を、強化プラスチックなどのバリヤー手段で仕切ることが可能となり、運転手を客等による暴力から護ることが出来る。すなわち防犯効果を有するものとなる。なお運転手と客との対話のためには、バリヤー手段に会話用の通気孔を設けたり、運転席と客席との間を繋ぐインターフォンを設けたりすることが好ましい。このインターフォンを同時通訳型の各国語対応のものにすれば、来日客へのおもてなしとしてより便利で付加価値の高いものとなる。前払い精算部の操作が難しいと言う客がいる場合のように、金銭の授受に運転手を介する必要がある場合には、バリヤー手段に一時には運転席と客席との何れか一側からしか金銭を置いたり取ったりすることが出来ないような、可動式のトレーを設けるなどすれば良い。この辺りは如何様にも設計することが可能である。
次にこの発明のタクシーの料金の前払い精算システムでは、更に、前記前払い精算部がクレジットカードや電子マネーカードのカードリーダを備えているものとすることが出来る。この点に付いては上述した通りである。
次にこの発明のタクシーの料金の前払い精算システムでは、更に客席側に、客がタッチパネル式や音声認識方式などによる入力装置を操作することによって、住所や経緯度情報などの前記目的地に関する位置情報を設定し得る目的地設定部を備えているものとすることが出来る。客により目的地を入力させることで客の意思をはっきりと運転手に伝えることが可能となり、迷走するような問題を低減させることに繋がる。昨今の地名や建物名が分からない運転手にとっても便利な機能であると言うことが出来る。
なお目的地設定部にGPS連動の地図表示部を備えるようにするとさらに便利である。またこの目的地設定部と運転席側のカーナビゲーションシステムとを連携させた設計とすることが出来る。また多少正確性は欠くものの、目的地設定部によって賃走料金の概算を算出し、これを目安として提示するような構成にしても良い。この他、上記残額表示のためにこの表示部を使用する設計とすることが可能である。
さてこれまでに説明したタクシーの料金の前払い精算システムに付いて、前払い精算部または賃走額計算部または目的地設定部のディスプレイでの表示言語を、複数言語とするようにしても良い。ディスプレイでの表示言語を各国語対応にすれば、空港から街中への移動や、ホテルから行楽地への移動などもよりスムーズなものとなり、来日客へのおもてなしの一助となる。なおレシートを出力するものにあっては、その印字言語を各国語対応とするとさらに良い。
本発明は、前払いを受けてから走り出すようにすべく、前払いを受け付けてその金額から賃走額計算部で逐次計算した加算額をその都度差し引く処理を行い、追加で前払いがある場合にはその金額を追加する処理を行い、前払いの金額がゼロに近付いたらこれを客に報知して精算を促し残額返金の処理を行う、と言うタクシーの料金の前払い精算システムとしたことにより、運賃不払いによる乗り逃げを未然に防いだり、乗車料金が客の所持金をオーバーして支払い不能にならないようにすることに成功している点で、本発明は実に画期的なものであると言うことが出来る。
実施例1のタクシーメータを表した説明図である。 実施例1のタクシーの料金の前払い精算システムを表した説明図である。 実施例1のの動作を流れ図で表した説明図である。 実施例2の客席側端末を表した説明図である。 実施例2のタクシーの料金の前払い精算システムを表した説明図である。 実施例3の客席側端末を表した説明図である。 実施例4のネットワーク構成を表した説明図である。
本実施例はタクシーメータ1に本発明の前払い精算システムを組んだ例であり、運転手が客から前払い金を受け取り、その金額をテンキー13を用いて入力することで前払い精算部20に登録するものである。なお前払い金のカード支払いが可能となるようにカード挿入口12も設けられている。
このタクシーメータ1には、図1で表すように、上面と前面の下部に例えば「賃走」などと表示された電気式スイッチである所の押しボタン11が設けられている。全面の殆どは表示部10であり、上述したテンキー13から入力された前払い金額がその通りに表示される。図1では賃走が始まる前の状態が表示されており、賃走料金は0円であるから、残金は上記入力された前払い金額のままである。またこの表示部10は後述する報知によって表示の背景色を変えることでアラートを発したと分かり得るように設定されている。また前面の表示部10の右方には上記テンキー13の他、電気式スイッチである所の追加ボタン15、精算ボタン16及びクリアボタン14が設けられている。
タクシーメータ1の内部構成をブロック図で表したタクシーメータ2は、前払い精算部20に賃走額計算部21や、上記表示部10を司るタクシーメータ表示部23や、カード挿入口12からクレジットカードなどを読み込んで決済処理を行う決済端末22や、テンキー13やレシートを発行する図示しない印字部の動作を司る入出力部24が接続されたものである(図2)。なお賃走額計算部21は、一般的なタクシーメータがそうであるように、距離パルス信号と基準時間とに基づいてタクシー料金を計算する。
動作状態の一例を図3の流れ図で表すが、運賃不払いによる乗り逃げを未然に防いだり乗車料金が客の所持金をオーバーして支払い不能にならないようにするのには、前払いを受けてから走り出すようにし、前払い金がゼロになる前に精算して残額の返金を行う、と言うことを実現する。すなわち客から前払い金を現金で受け取ったら、運転手はテンキー13を用いてその金額を打ち込むと、入出力部24から前払い精算部20に前払いの金額が送られて前払い精算部20に登録されると共に、タクシーメータ表示部23によりタクシーメータ1の表示部10に前払金額として表示され、客も運転手もこの金額をいつでも確認することが出来るようになっている。この時は未だタクシーを走らせてはいない。
そこで賃走を開始すると、賃走額計算部21が距離パルス信号と基準時間とに基づいて適時にこれまでの運賃を中段の「賃走」の箇所に表示すると共に上記前払金額から賃走額を減算した金額を「残金」の箇所に表示する。この「残金」は客も運転手もいつでも確認することが出来る。また客はいつでもタクシーから降りることが出来る分けであるから、運転手がタクシーを止めることで賃走額計算部21は計数とこれに基づく減算処理を終了して、「残金」の箇所に残額を表示する。これによって運転手は残金を客に返し、希望に応じて入出力部24の印字部を動作させて領収書を発行する。
これに対して賃走を終了しないで走らせ続けた場合であるが、前払い精算部20は常に残額が所定の金額を下回ったかをチェックしており、下回ったらアラートを発生させて、運転手や特に客にこのことを通知するのである。上記所定の金額であるが、本実施例では前払金額の20パーセントと決めた。アラートが発生したら運転手は運行速度を落とすなりタクシーを停止させるなりすることが好ましい。アラートは上述したように表示部10の背景色を赤に変色させることにより行う。なお発光色は赤に限られず、黄色などであっても良く、また変色させるのではなく点滅させるように設計しても良い。
続いて前払い精算部20は、「前払金額」に客からの追加的な加算金があり、運転手による上記テンキー13を用いての前払い金額の追加登録があったか否かをチェックして、追加がない場合には運転手がその旨を客に確認して降車を促し、運転手がタクシーを止めることで賃走額計算部21は計数とこれに基づく減算処理を終了して、「残金」の箇所に残額を表示する。これに対して追加があった場合には、次に客が降車の意思表示を運転手に行うかアラートが発生するまでは、この流れで行くことになる。
なおカード挿入口12を利用しての前払いであるが、やはり前払い金額の前払い精算部20への登録は、運転手がテンキー13を用いて前払い金額を入力することで行う。特にクレジットカードでの支払いでは前払いが売り上げとして計上されるため、現金で返金するのであれば売上調整が必要になる場合もある。しかしながら将来的にクレジットカードや電子マネーカードで先払いした分から釣りをカードに返金し得るような制度が普及すれば、現金を扱う必要のない完全な電子取引をタクシーのサービスで実現することが出来るようになる。またこの場合にテンキー13は運転手による前払い金額の指定のために用いられ、前払い金額の登録や「前払金額」の表示は前払い精算部20がこれを引き受けるように設計することが可能である。
本実施例の前払い精算システム4は、図4及び図5で表すように、タクシーメータ41の側(運転席側)に前払い精算部40を設けると共に、客から前払いを受けたり残額返金の処理を行うための客席側端末3を客席側に設けて、両者を配線300で接続したものである。クレジットカードで先払いした分から釣りをこのクレジットカードに返金し得るような制度が普及している場合に、前払いや追加支払いはクレジットカードを客席側端末3に挿入することで行われ、残金の返金はこのクレジットカードに対して為される。従って運転手は客との間で手渡しなどで直接的に金銭授受を行うことはない。またそうであるから、必要に応じて運転席側と客席側との間を透明な強化プラスチックの隔壁44を設けるようにすることが可能である。隔壁44があることによって運転手を客を装った暴漢から護るなどの防犯効果を発揮させることが出来る。運転手と客との対話のためには隔壁44に会話用の通気孔を設けるなどすれば良い。
上記運転席側の構成を図5のブロック図で表すが、タクシーメータ41とこれに接続された前払い精算部40や、決済端末42や、レシートを発行する客席側端末3の図示しない印字部(レシート発行口39の中にある)の動作を司る入出力部43とから成る。上述した賃走額計算部はタクシーメータ41に設けられている。
上記客席側端末3は、その大部分を占める表示装置30と、下側に部品として設けられたアラームライト35、カード挿入口36、電気式スイッチである精算ボタン37、追加ボタン38を備えている。表示装置30の図4の状態では、上側の運賃表示画面31にて上述した料金関係の表示が為され、下側の地図表示画面32にてGPSマップ表示が為されている。なお表示装置30は指先で各種操作が行えるようにしたタッチパネルである。また符号33は地図表示画面32から図示しないテンキーボード表示画面に切り替えるための画面切替アイコンを指す。このテンキーボードは客が前払いとして支払う金額を指定するためのものである。また符号34は日本語が不自由な外国人客のために、表示言語を英語、中国語、韓国語、スペイン語、アラビア語と言った諸言語に表示を切り替えるための言語選択アイコンを指す。言語選択アイコン34で言語が選択されたらその言語に運賃表示画面31などを表示替えする機能を設けるのである。なお客席側端末3に各国語での音声案内を付けるようにすればなお良い。
タクシーに乗り込んで来た客には、先ず客席側端末3のカード挿入口36にクレジットカードを挿入し、テンキーボードで前払い金額を指定してもらうようにして、前払い精算部40はクレジットカードを読み込んで決済端末42で決済処理を行う。この内容は客席側端末3の表示装置30の上側の運賃表示画面31に前払金額として表示される。カード挿入口36にクレジットカードを挿入した際には、地図表示画面32から図示しないテンキーボードの表示画面に自動的に切り替わるように設計しているが、何らかの理由でテンキーボードが表示されない場合には、客に画面切替アイコン33をタップしてもらうことで切り替わるようにする。
そこで賃走を開始すると、タクシーメータ41に組み込まれている図示しない賃走額計算部が距離パルス信号と基準時間とに基づいて適時にこれまでの運賃を運賃表示画面31の中段の「賃走」の箇所に表示し、上記前払金額から賃走額を減算した金額を「残金」の箇所に表示する。運転手が客の指示に従ってタクシーを止めると、タクシーメータ41は計数とこれに基づく減算処理を終了して前払い精算部40は「残金」の箇所に残額を表示する。客が精算ボタン37を押すことにより決済端末42は残金を客のクレジットカードに返し、希望に応じて入出力部43の印字部を動作させて客席側端末3のレシート発行口39より領収書を発行する。これに対し賃走を終了しないで走らせ続けた場合であるが、上記前払い精算部40は常に残額が所定の金額を下回ったかをチェックしており、下回ったら客席側端末3のアラームライト35を点滅させることによりアラートを発生させて、運転手や特に客にこのことを通知する。そこで客がカード挿入口36にクレジットカードを挿入してから追加ボタン38を押すことによって前払い精算部40は、「前払金額」に客からの追加的な加算金があったとして、次に客が降車の意思表示を運転手に対して行うかアラートが発生するまでは、この流れで行くことになる。
本実施例の前払い精算システムの、客から前払いを受けたり残額返金の処理を行うための客席側端末5は、図6で表すように、タクシーメータの側に設けられた前払い精算部との間を図示しない配線で接続したものであり、前払いや追加支払いはクレジットカードを客席側端末5に挿入することで行われ、残金の返金は運転手から手渡しなどによって直接的に為されるようにしたものである。なお本実施例でも必要に応じて運転席側と客席側との間を透明な強化プラスチックの隔壁を設けるようにすることが可能であり、隔壁があることにより運転手を客を装った暴漢から護るなどの防犯効果を発揮させることが出来る。この場合、図示しないが、運転手と客との対話のためには隔壁に会話用の通気孔を設けるなどすれば良いし、残金の返金のためには隔壁に、一時には運転席と客席との何れか一側からしか金銭を置いたり取ったりすることが出来ないような、可動式のトレーを設けるなどすれば良い。
上記客席側端末5は、その大部分を占める表示装置50と、下側に部品として設けられたアラームライト54、カード挿入口55、電気式スイッチである精算ボタン56、追加ボタン57を備えている。表示装置50の図6の状態では目的地マップの表示画面が表されている。検索窓51は音声認識が面であり、客席側端末5の裏側にあって図6には表れないマイクに向かって客が目的地の住所を話すことにより検索され、地図が表示されると共に、内蔵するカーナビに目的地が設定されて、表示装置50にGPSマップ表示が為される。なお符号52は検索窓51の画面から図示しない運賃表示画面に切り替えるための画面切替アイコンを指す。また符号53は日本語が不自由な外国人客のために、表示言語を英語、中国語、韓国語、スペイン語、アラビア語と言った諸言語に表示を切り替えるための言語選択アイコンを指す。この言語選択アイコン53で言語が選択されたらその言語に運賃表示画面などを表示替えする機能を設けるのである。なお客席側端末5に各国語での音声案内を付けるようにすればなお良い。符号58はレシート発行口を指す。
本実施例の前払い精算システムの、客が前払いをしたり、残額を返金してもらうための客所有に係るタブレットコンピュータ7は、図7で表すように、後述アプリケーションをインストールすることによって、路上でタクシーの配車を受ける機能と前払い精算を受ける機能とを獲得したものである。
すなわち当該アプリケーションを起動すると、制御部70と通信部71と表示部72と入力部73とが動作して、通信部71はインターネットNを介してサーバコンピュータ6に接続し、GPS機能を利用してタクシーの配車を受けると共に、前払い精算システムを利用することを可能にする。また制御部70は当該タブレットコンピュータ7で客所有のクレジットカードを使用することが出来るようにする。また入力部はタクシーに乗り込んでからサーバコンピュータ6の決済機能を使用して、制御部70を介して暗証番号の送信や前払い金額の打ち込みを行い得るようにする。表示部72はタブレットコンピュータ7の表示画面に運賃表示画面を表示する。従って客は自己所有のタブレットコンピュータ7を用いて前払い精算を受けることが出来るようになる。
本発明は、複数の目的地を経由して最後の目的地に至るまでの、それぞれの目的地間の距離や所要時間をある程度正確に推定して運賃を計算し、複数客の乗り合いでの各々の客に付いて、各種カードによる前払いと払い戻しとを可能にすることに道を拓くものとなるであろう。
1 タクシーメータ 10 表示部 11 押しボタン
12 カード挿入口 13 テンキー 14 クリアボタン
15 追加ボタン 16 精算ボタン
2 タクシーメータ 20 前払い精算部 21 賃走額計算部
22 決済端末 23 表示部 24 入出力部
3 客席側端末 30 表示装置 31 運賃表示画面
32 地図表示画面 33 画面切替アイコン 34 言語選択アイコン
35 アラームライト 36 カード挿入口 37 精算ボタン
38 追加アイコン 39 レシート発行口 300 配線
4 前払い精算システム 40 前払い精算部 41 タクシーメータ
42 決済端末 43 入出力部 44 隔壁
5 客席側端末 50 表示装置 51 検索窓
52 画面切替アイコン 53 言語選択アイコン 54 アラームライト
55 カード挿入口 56 精算ボタン 57 追加ボタン
58 レシート発行口
6 サーバコンピュータ
7 タブレット 70 制御部 71 通信部
72 表示部 73 入力部

Claims (6)

  1. 客からの前払いを受ける前払い精算部と、走行距離計測信号と基準時間とから加算額を逐次計算する賃走額計算部とを備え、前記前払い精算部は前払いの金額から前記賃走額計算部で逐次計算した加算額をその都度差し引く処理を行い、追加で前払いがある場合にはその金額を追加する処理を行い、前記賃走額計算部は前払いの金額がゼロに近付いたことを報知する処理を行い、精算時に前記前払い精算部で残額返金の処理を行うようにしたことを特徴とする、タクシーの料金の前払い精算システム。
  2. 前記前払い精算部が客席側に設けられている、請求項1に記載のタクシーの料金の前払い精算システム。
  3. 前記前払い精算部が運転席側に設けられている、請求項1に記載のタクシーの料金の前払い精算システム。
  4. さらに前記前払い精算部がクレジットカードや電子マネーカードのカードリーダを備えている、請求項1に記載のタクシーの料金の前払い精算システム。
  5. さらに客席側に、客が入力装置を操作することによって、前記目的地に関する位置情報を設定し得る目的地設定部を備えている、請求項1に記載のタクシーの料金の前払い精算システム。
  6. 前記前払い精算部または前記賃走額計算部または前記目的地設定部のディスプレイでの表示言語を複数言語とした、請求項1乃至請求項5の何れか一に記載のタクシーの料金の前払い精算システム。
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