JP2017036652A - 浮体免震構造及び飽和砂制御システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】構造物10の荷重を支持するとともに、支持層2と、支持層2上に支持された構造物10の周囲に間隔をあけて全周にわたって設けられた側壁3と、支持層2および側壁3によって囲まれた領域をなすピット部5に打設される飽和状態に設定された飽和砂4と、を備え、飽和砂4の相対密度が20〜50%に設定され多孔性の浮体免震構造を提供する。
【選択図】図1
Description
さらに、本発明では、打設される飽和砂の厚さを変えることにより、容易に浮力を調整できる。
しかも、飽和砂制御システムを用いることにより飽和砂の定期的な密度管理を省略することができるため、メンテナンスが不要となる利点がある。
図1及び図2に示すように、第1の実施の形態による浮体免震構造1は、構造物10の免震基礎構造として用いられ、構造物10を構築する場合に適用される。構造物10は、オフィスや住居等であり、基礎上の構造物の大きさ、形状、用途等に限定されるものではない。構造物10は、軟弱地盤Gの下層に位置する支持層2上に支持されている。支持層2を形成する固い地盤は、固い粘土、岩盤、密な砂、化学的改良地盤等の支持地盤が対象となる。
側壁3は、軟弱地盤Gの土圧を受けもつと共に、地下水がピット部5内に流入することを防止する機能を備えている。具体的にピット部5には、必要に応じて防水シート(図示省略)を埋設する等の止水機能を設けることができる。
なお、飽和砂4の飽和状態の管理方法としては、砂層表面の乾燥をモニタリングする等の方法を採用することができる。
飽和砂4の高さ(上面位置)は、地下水位と同等か、あるいはその上面4aよりも上に位置するように設定されている。
なお、飽和砂4の上面4aが地下水位以下となる場合には、支持層2および側壁3に止水性(非透水性)は不要である。また、地下水位が飽和砂4の上面4aより低く、かつ飽和砂4の下面(支持層2の上面2a)より高い場合には、支持層2は止水性が不要であり、側壁3には止水性がなくても良いが、止水性を有する方が好ましい。さらに、飽和砂4の下面(支持層2の上面2a)が地下水位より高い場合には、支持層2及び側壁3ともに止水性を有する方が好ましい。
図1に示すように、本実施の形態の浮体免震構造1の施工は、先ずピット部5を施工する。つまり、側壁3を支持層2に到達するまで打設する。側壁3は、構造物10の側方から所定間隔で離れた位置で、構造物10を囲うように全周にわたって設ける。そして、側壁3によって囲まれた領域に存在する軟弱地盤Gを掘削することでピット部5が形成される。その後、少なくとも構造物10の基礎部分(ピット部5に配置される部分)が構築された状態で、構造物10と側壁3との間のピット部5に所定の相対密度(20〜50%)に設定されるように飽和砂4を打設する。これにより浮体免震構造1が完成となる。
さらに、本実施の形態では、打設される飽和砂4の厚さを変えることにより、容易に浮力を調整できる利点もある。
図3に示すように、第2の実施の形態による浮体免震構造1Aは、支持層2の上面2aと構造物10の下面10aとの間に所定の層厚の砂層6が介在した構成となっている。なお、図3では、ピット部5内の支持層2の上面2a全体にわたって砂層6が設けられているが、構造物10の下面10aの領域のみに砂層6を設けるようにしても良い。
図4に示すように、第3の実施の形態による浮体免震構造1Bは、ピット部5内に打設されている飽和砂4の底部分に略水平方向に沿って延在し、飽和砂4の下部に向けて水を噴出する水平水配管7(水噴出部)を備えた構成となっている。
水平水配管7は、延在方向に沿って複数の水噴出孔7aを有しており、図示しない供給管等を連結することによって地上から例えば空気圧縮機等を使用して管内に水が供給されている。この水平水配管7の位置、本数、径寸法、材質等の構成は、適宜設定することができる。そして、水平水配管7に供給する水は、所望のタイミングで供給できるよう制御弁等を設けておくことが好ましい。
図5および図6に示すように、第4の実施の形態による浮体免震構造1Cは、上述した第3の実施の形態の水平水配管7に代えて、複数の縦型水配管8(水噴出部)を設けた構成となっている。縦型水配管8は、飽和砂4の下部に開口端8aを位置させるとともに、地上から管内に水が供給され、開口端8aから水が噴出される。
第4の実施の形態では、所望のタイミングで飽和砂4の下部に向けて縦型水配管8より水を噴出させることで、飽和砂4の相対密度を20〜50%の小さい状態で保つことができ、飽和砂4の経年変化や液状化による密度の増加を防止することができる。また、飽和砂4の下部に開口端を位置させるように縦型水配管8を配設するという簡単な構成で設置することができるので、コストの低減を図ることができる。
次に、図7に示す第5の実施の形態による浮体免震構造1Dは、ピット部5内に打設されている飽和砂4の底部分に略水平方向に沿って延在し、飽和砂4の下部に向けて水を噴出する水噴出孔7aを有する水平水配管7と、飽和砂4内における水平水配管7の近傍と飽和砂4の上面4aより上の大気中とを連通する縦型水配管8と、を備えている。そして、浮体免震構造1Dは、飽和砂4の相対密度が飽和砂制御システムによって地震動の大きさに応じて制御される構成となっている。
図9に示すように、飽和砂制御装置9は、地震動に基づく地震信号P1を受信する受信部92と、地震信号P1に基づいて飽和砂4内に注水する水の流量を算出する処理部93と、処理部93で算出した流量に制御された水を飽和砂4内に注水する流量信号P2を発信する発信部94と、を備えている。
このときの注水を制御するトリガーとなる加速度レベルは任意に設定することができる。
なお、加速度計91の設置が困難である場合には、緊急地震速報を水平水配管7の注水を制御するトリガーとしてもよい。
ここに、icは限界動水勾配、kは側方地盤(飽和砂4)の透水係数、Gsは土粒子の密度(g/cm3)、eは側方地盤(飽和砂4)の間隙比である。
図11に示す浮体免震構造を一例として、構造物10の側方地盤である飽和砂4(図7参照)をボイリングさせるために必要な流量Qを算出する。構造物10の縦横寸法は縦15m、横20mであり、構造物10の周囲の飽和砂4が配置される部分(側溝4A)の幅寸法はそれぞれ3mで、側溝4Aの底面積Aは246m2となっている。ここでは、飽和砂4に用いる材料を豊浦砂と仮定する。豊浦砂の土粒子の密度Gsが2.635g/cm3、最大乾燥密度ρdmaxが1.646g/cm3、最小乾燥密度ρdminが1.335g/cm3、透水係数kが1.3×10−4m/sであるときに、必要となる流量Qは表1に示すとおりである。なお、表1では、相対密度Dr(%)が30%と100%の場合を示している。
また、本第5の実施の形態では、飽和砂制御装置9を用いることにより飽和砂4の定期的な密度管理を省略することができるため、メンテナンスが不要となる利点がある。
さらに、本実施の形態では、地震動の加速度を計測する加速度計91が構造物10直下の地盤や構造物10自体に設けられるので、構造物10に作用する地震動の揺れに対して高い精度で飽和砂4の相対密度を制御することができる。
2 支持層(支持地盤)
2a 上面
3 側壁
4 飽和砂
5 ピット部
6 砂層
7 水平水配管(水噴出部)
7a 水噴出孔
8 縦型水配管(水噴出部)
8b 下端開口
8c 上端開口
9 飽和砂制御装置
10 構造物
10a 下面
91 加速度計
92 受信部
93 処理部
94 発信部
P1 地震信号
P2 流量信号
G 軟弱地盤
Claims (7)
- 構造物の免震基礎構造として用いられる浮体免震構造であって、
前記構造物の荷重を支持するとともに、支持地盤と、
前記支持地盤上に支持された前記構造物の周囲に間隔をあけて全周にわたって設けられた側壁と、
前記支持地盤および前記側壁によって囲まれた領域に打設される飽和状態に設定された飽和砂と、
を備え、
前記飽和砂は、相対密度が20〜50%に設定されていることを特徴とする浮体免震構造。 - 前記支持地盤と前記構造物との間には、所定の層厚の砂層が介在していることを特徴とする請求項1に記載の浮体免震構造。
- 前記飽和砂には、前記飽和砂の下部に向けて水を噴出する水噴出部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の浮体免震構造。
- 前記水噴出部は、前記飽和砂の下部において略水平方向に向けて延在するとともに、地上から管内に水が供給され、複数の水噴出孔を有する水平水配管であることを特徴とする請求項3に記載の浮体免震構造。
- 前記水噴出部は、前記飽和砂の下部に開口端を位置させるとともに、地上から管内に水が供給された縦型水配管であり、
前記開口端から水が噴出されることを特徴とする請求項3に記載の浮体免震構造。 - 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の浮体免震構造の飽和砂の相対密度を地震動の大きさに応じて制御する飽和砂制御システムであって、
地震動に基づく地震信号を受信する受信部と、
前記地震信号に基づいて前記飽和砂内に注水する水の流量を算出する処理部と、
前記処理部で算出した流量に制御された水を前記飽和砂内に注水する流量信号を発信する発信部と、
を備えていることを特徴とする飽和砂制御システム。 - 前記地震信号は、前記構造物の直下の地盤内、及び前記構造物自体の少なくとも一方に設けられた加速度計によって計測された加速度に基づく信号であることを特徴とする請求項6に記載の飽和砂制御システム。
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CN111852145A (zh) * | 2020-07-28 | 2020-10-30 | 连云港市匠人工程设计院有限公司 | 一种具有抗震减震功能的墙体结构 |
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