JP3196821U - 自然水圧を利用した地下水流止水装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】地下水の自然水圧による流入・流出を利用して、地下水の水流を止水するための止水装置を提供する。【解決手段】地中Gに埋設され、地下水Wの流入及び流出による自然水圧を利用して地下水Wの水流を止水するための止水装置であって、所要長さ及び径を有し中空状を為して鉛直方向に延伸する枠体10から成り、該枠体10における所定高さ位置より下方に、地下水が流入及び流出するための複数の孔部12が備えられた構成を採る。また、要長さ及び径を有し中空状を為して直管状若しくは曲管状に延伸する複数の孔部22が備えられた分岐体20が、該枠体10に連通して接続された構成を採用し得る。【選択図】図4

Description

本考案は、地下水の流れを止めるための止水装置に関し、詳しくは、地下水の自然水圧による流入・流出を利用して、地下水の水流を止水するための止水装置に関するものである。
地下水とは、広義には地表面より下にある水の総称であり、狭義では、特に地下水面より深い場所の帯水層と呼ばれる地層に飽和した水を地下水と呼ぶ。
そもそも水は、地上や地下そして大気中を長い時間をかけて循環しており、地下深くに浸透した水は、涵養,流動,流出という過程を経てふたたび地上や海洋に出現する大きな循環系を構成している。なお、地下水はゆっくりと流れ、概ね1日に数cmから数百m、平均では1m/日ほどである。かかる地面より下の水の循環は「地下水循環系」と呼ばれている。
かかる地下水循環系において、いわゆる汚染水の循環・流出が問題となっている。特に、2011年の東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)における地震動と津波の影響により、福島第一原子力発電所にて炉心溶融などが発生し、放射性物質が放出されるという事故が発生した。そして、この放出された放射性物質によって、汚染された汚染水が地下に浸透し、地下水循環系に涵養・流動して海洋等に流出しているという問題が起こっている。
そこで、放射能に汚染された地下水の流出を阻止すべく、例えば特許文献1に記載の技術のように、地下に障害物を埋設・造成することで、地下水流を遮断する方法が採られている。具体的には、例えばコンクリート壁を地下に埋設する手法や、地下に人工的に水を注入してその注入した水を凍らせて壁状の障害物を造成する手法が採られている。
しかしながら、かかる障害物による地下水流を遮断する方法によれば、地下水脈を遮断することで上流側からの水流を堰き止めて下流側へ流さないようにする手法であるが、堰き止められた地下水は障害物の上流側で貯留して範囲を拡げながら増水し続けることになり、その増水しつつ貯留された地下水が水圧で押されて逃げ道を作るように新たな水脈を形成するおそれがあると共に、障害物にぶつかった地下水は重力と自らの張力によって当該障害物表面を伝って下方へ潜り、障害物最下端を通過して結局のところ下流側へ流出してしまうこととなるため、完全に地下水流を遮断することができないものであった。
本出願人は、以上のような障害物による地下水流を遮断する方法の失態に着目し、確実に地下水の流れを止めることができないものかという着想の下、地下水の流入及び流出による自然水圧を利用して、地下水の水流を止水するための止水装置を開発し、本考案における「自然水圧を利用した地下水流止水装置」の提案に至るものである。
特開平10−277532号公報
本考案は、地下水の自然水圧による流入・流出を利用して、地下水の水流を止水するための止水装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本考案の自然水圧を利用した地下水流止水装置は、地中に埋設され、地下水の流入及び流出による自然水圧を利用して地下水の水流を止水するための止水装置であって、所要長さ及び径を有し中空状を為して鉛直方向に延伸する枠体から成り、該枠体における所定高さ位置より下方に、地下水が流入及び流出するための複数の孔部が備えられている構成となっている。
また、本考案の自然水圧を利用した地下水流止水装置は、所要長さ及び径を有し中空状を為して鉛直方向に延伸する少なくとも一以上の枠体と、所要長さ及び径を有し中空状を為して直管状若しくは曲管状に延伸する少なくとも一以上の分岐体と、から成り、該枠体の所定高さ位置より下方における任意箇所に該分岐体が連通して接続されると共に、該枠体における所定高さ位置より下方並びに該分岐体の全体に地下水が流入及び流出するための複数の孔部が備えられている構成となっている。
さらに、本考案の自然水圧を利用した地下水流止水装置は、前記枠体における前記所定高さ位置が、地下水面と略同一に設定されて成ることを特徴としている。
本考案の自然水圧を利用した地下水流止水装置は、所定高さ位置(地下水面)より下方に複数の孔部が備えられているため、地中に埋設することで、該孔部から地下水が枠体内に流入して貯留されると共に、貯留された地下水が自らの水圧で孔部から外部に流出して地中浸透することで地下水との水圧の均衡が図られるため、貯留による止水と水圧均衡による止水との相乗効果により、地下水流を効果的かつ確実に止水することが可能となる。
本考案にかかる自然水圧を利用した地下水流止水装置の実施形態を示す斜視図である。(実施例1) 本考案にかかる自然水圧を利用した地下水流止水装置の実施態様を示す説明図である。 本考案にかかる自然水圧を利用した地下水流止水装置の実施形態を示す斜視図である。(実施例2) 本考案にかかる自然水圧を利用した地下水流止水装置の実施態様を示す説明図である。
本考案は、地中Gに埋設され、地下水Wの流入及び流出による自然水圧を利用して地下水Wの水流を止水するための止水装置であって、所要長さ及び径を有し中空状を為して鉛直方向に延伸する枠体から成り、該枠体における所定高さ位置より下方に、地下水Wが流入及び流出するための複数の孔部が備えられていることを最大の特徴とする。
以下、本考案にかかる自然水圧を利用した地下水流止水装置1の実施形態を、図面に基づき説明する。
尚、本考案にかかる自然水圧を利用した地下水流止水装置1は、以下に述べる実施例に限定されるものではなく、本考案の技術的思想の範囲内、すなわち同一の作用効果を発揮できる形状や構造等の範囲内で、適宜変更することができる。
図1は、本考案にかかる自然水圧を利用した地下水流止水装置1の第一の実施例を示す斜視図である。
本実施例にかかる自然水圧を利用した地下水流止水装置1は、地中Gに埋設され、地下水Wの流入及び流出による自然水圧を利用して地下水Wの水流を止水するための止水装置であって、枠体10により構成されている。
枠体10は、中空状であって、所要長さ及び径を有して鉛直方向に延伸して構成されている。かかる枠体10を構成する材質については、特に限定するものではないが、金属製や樹脂製のものが考えられ、例えば繊維強化プラスチック(FRP)などが考え得る。
ところで、枠体10の形状については、中空状であって鉛直方向に延伸する形態であれば特に限定はなく、例えば円筒形状や多角筒形状、躯体形状などが考え得る。
枠体10の具体的な長さについては、地中Gに埋設して地下水Wの水流を止水するという目的からして、上端部を地面Gと略同一に位置させた際に、下端部が地下水脈Wの底面W2より下方に位置する長さとなっている。したがって、地下水脈Wの地面Gからの深度によって、枠体10の具体的な長さは決定されることとなる。
なお、地下水脈Wの深度によって決定される枠体10の長さに鑑み、該枠体10を長さ方向中間所定箇所にて分割組立可能に構成することも考え得る。かかる構成により、枠体10の設置長さを伸縮可能なものにでき、また、運搬性及び作業性向上に資することとなる。
また、枠体10の具体的な径については、特に限定するものではないが、細すぎても地下水Wの貯水能力が乏しくなるし、逆に太すぎても設置作業が煩雑になるため、概ね10cm〜1m程度の径とし、より多くの貯水能力を要する場合は、設置数を増やして設置間隔を狭めることで対応すればよい。
枠体10の上端部及び下端部については、開放状態であると閉塞状態であるとを問うものではないが、枠体10内に土壌や粉塵など余計なものが入り込まないよう、両端とも閉塞状態であることが好ましい。
なお、枠体10の両端を閉塞状態とするための具体的構造については、特に限定するものではなく、枠体10と一体成型的に閉塞する構造や、別途蓋体を装備させる構造などが考え得る。
ところで、枠体10の上端部を閉塞状態とした場合に、該上端部から水や空気を注入若しくは圧入・減圧して枠体10の内圧を調整可能とすべく、蓋材等により開閉可能な開口部を設けることが望ましい。
枠体10には、地下水Wが流入及び流出するための孔部12が備えられている。該孔部12は、枠体10の所定高さ位置より下方、具体的には地下水面W1より下方に位置する枠体10の側面に、複数備えられている。すなわち、枠体10の所定高さ位置とは、地下水面W1と略同一に設定されて成る。
孔部12は、枠体10の中空状の内部に貫通するよう、該枠体10の側面に備えられるもので、その径については特に限定は無いが、枠体10内に土壌や粉塵など余計なものが入り込まないよう、概ね5mm〜3cm程度の径とすることが好ましい。
枠体10に備えられる孔部12の数については、複数であれば特に限定するものではなく、枠体10の所定高さ位置より下方に満遍なく配されている態様が望ましい。また、枠体10の下端部が閉塞状態の場合には、該閉塞された下端面にも孔部12が配されることが好ましい。
以上の構成から成る本実施例にかかる自然水圧を利用した地下水流止水装置1について、以下その設置態様を説明する。図2は、本実施例にかかる自然水圧を利用した地下水流止水装置1の実施態様を示す説明図である。
すなわち、地下汚染水の流出など地下水Wの流動を止めたい場所を選定し、その選定場所において地面Gに自然水圧を利用した地下水流止水装置1を埋設するための枠体10を挿嵌可能な縦穴をボーリング機等で掘る。このとき、地下水脈Wに当たるまで掘り進める。掘った縦穴に自然水圧を利用した地下水流止水装置1を鉛直状に差し込み、枠体10の下端部が地下水脈Wの底面W2より下方に位置し、かつ上端部が地面Gから若干顔を出す状態で埋め戻す。なお、枠体10周囲に隙間空間を形成して地下水Wの貯留能力の向上を図るべく、砂利や砕石、多孔石などにより埋め戻すことが望ましい。以上により、自然水圧を利用した地下水流止水装置1の設置は完了する。
なお、既に従来のコンクリートや氷などの障害物で地下水Wの水流を堰き止める手法が施されている現場において、本実施例にかかる自然水圧を利用した地下水流止水装置1を設置する場合には、障害物を挟んで地下水Wの下流側に障害物に隣接する状態で設置することが望ましい。
図面では、一の自然水圧を利用した地下水流止水装置1を設置した状態について図示しているが、多くの貯水能力を要する場合など、所定間隔を空けて複数の自然水圧を利用した地下水流止水装置1を設置することも可能である。
次に、本実施例にかかる自然水圧を利用した地下水流止水装置1の作用について説明する。
上流側から流れてきた地下水Wは、自然水圧を利用した地下水流止水装置1に行き着くと、僅かな水圧のもと、枠体10に備えられた孔部12を介して枠体10内に流入し貯留される。この貯水作用により、下流側への地下水Wの流出が遮断される(第一止水効果)。
枠体10内にある程度の地下水Wが貯留されると、今度は自重により外部への流出が始まり、地中Gへ浸透される。この外部への流出における貯水の水圧は、上流側から流れてきた地下水Wの水圧と略同一程度であるため、地下水Wと流出水との水圧の均衡が図られ、地下水Wがそれ以上下流側へ流れることはない(第二止水効果)。
なお、枠体10の上端部が開放状態であるか、あるいは閉塞状態であって開口部が設けられている場合に、枠体10内に雨水等が溜まったり、地下水Wと貯水との水圧が不均衡で下流側への地下水Wの流出が止まらないときは、上端部から水を注入したり空気を圧入若しくは減圧することで、枠体10内の貯水の水圧調整を図ることも可能である。
図3は、本考案にかかる自然水圧を利用した地下水流止水装置1の第二の実施例を示す斜視図である。
本実施例にかかる自然水圧を利用した地下水流止水装置1は、地中Gに埋設され、地下水Wの流入及び流出による自然水圧を利用して地下水Wの水流を止水するための止水装置であって、枠体10と、分岐体20とにより構成されている。
本実施例にかかる枠体10の構造や形態については、上記第一の実施例と同様であるため、説明は省略する。
分岐体20は、中空状であって、所要長さ及び径を有して直管状若しくは曲管状に延伸して構成されている。かかる分岐体20を構成する材質については、特に限定するものではなく、枠体10と同様に金属製や樹脂製のものが考えられ、例えば繊維強化プラスチック(FRP)などが考え得る。
ところで、分岐体20の形状については、中空状であって直管状若しくは曲管状に延伸する形態であれば特に限定はなく、円筒形状や多角筒形状、躯体形状などが考え得る。なお、図3(a)は直管状に延伸した形態を採用した場合、図3(b)は曲管状に延伸した形態を採用した場合について示している。
分岐体20の具体的な長さについては、地中Gに埋設して地下水Wの水流を止水するという目的からして、地下水脈Wの幅や自然水圧を利用した地下水流止水装置1の設置間隔などを考慮して、適宜決定される。
なお、適宜決定される分岐体20の長さに鑑み、該分岐体20を長さ方向中間所定箇所にて分割組立可能に構成することも考え得る。かかる構成により、分岐体20の設置長さを伸縮可能なものにでき、また、運搬性及び作業性向上に資することとなる。
また、分岐体20の具体的な径については、特に限定するものではなく、枠体10の径と同一径にする必要もないが、細すぎても地下水Wの貯水能力が乏しくなるし、逆に太すぎても設置作業が煩雑になるため、概ね10cm〜1m程度の径とし、より多くの貯水能力を要する場合は、設置数を増やすことで対応すればよい。
分岐体20の両端部については、開放状態であると閉塞状態であるとを問うものではないが、枠体10内に土壌や粉塵など余計なものが入り込まないよう、両端部とも閉塞状態であることが好ましい。
なお、分岐体20の両端を閉塞状態とするための具体的構造については、特に限定するものではなく、分岐体20と一体成型的に閉塞する構造や、別途蓋体を装備させる構造などが考え得る。
分岐体20には、地下水Wが流入及び流出するための孔部22が備えられている。該孔部22は、分岐体20の全体に複数備えられている。
孔部22は、分岐体20の中空状の内部に貫通するよう、該分岐体20の側面に備えられるもので、その径については特に限定は無いが、分岐体20内に土壌や粉塵など余計なものが入り込まないよう、概ね5mm〜3cm程度の径とすることが好ましい。
分岐体20に備えられる孔部22の数については、複数であれば特に限定するものではなく、分岐体20の全体に満遍なく配されている態様が望ましい。また、分岐体20の両端部が閉塞状態の場合には、該閉塞された両端面にも孔部22が配されることが好ましい。
図面に示すように、分岐体20が枠体10に接続されることで、本実施例にかかる自然水圧を利用した地下水流止水装置1が構成されることとなる。枠体10における分岐体20の接続箇所については、該枠体10の所定高さ位置より下方における任意箇所であれば、特に限定するものではない。なお、図3(a)及び(b)は枠体10の下端部に分岐体20が接続された場合、図3(c)及び(d)は枠体10の長さ方向所定中間箇所に分岐体20が接続された場合を示している。
また、分岐体20における枠体10の接続箇所についても特に限定するものではなく、該分岐体20の端部あるいは長さ方向所定中間箇所に枠体10が接続され得ることとなる。図3(a)は分岐体20の長さ方向所定中間箇所に枠体10が接続された場合、図3(b)乃至(d)は分岐体20の端部に枠体10が接続された場合について示している。
枠体10と分岐体20とは、連通した状態で接続される。すなわち、枠体10の中空部と分岐体20の中空部とがなんら隔たりなく連通した状態となる。したがって、枠体10の下端部に分岐体20が接続される場合は、該枠体10の下端部は閉塞されることなく開放された状態となり、また、枠体10の長さ方向所定中間箇所に分岐体20が接続される場合には、該枠体10における接続箇所の側壁が分岐体20の端部形状(径形状)に開口されることとなる。
なお、図3(d)に示すように、分岐体20に更に分岐体20を接続する態様も可能である。かかる態様を採用することで、本実施例にかかる自然水圧を利用した地下水流止水装置1の構造に形態自在性が備わることとなって、現場ごとに異なるあらゆる地下水脈Wに対応することが可能となる。
枠体10と分岐体20、及び、分岐体20同士を接続するための方法については、特に限定はなく、夫々の材質等を考慮して適宜決定すればよい。例えば夫々が金属製から成る場合には、溶接やろう接などが考えられ、夫々が樹脂製から成る場合には、接着や螺着、融着などが考え得る。
以上の構成から成る本実施例にかかる自然水圧を利用した地下水流止水装置1について、以下その設置態様を説明する。図4は、本実施例にかかる自然水圧を利用した地下水流止水装置1の実施態様を示す説明図である。
すなわち、地下汚染水の流出など地下水Wの流動を止めたい場所を選定し、その選定場所において地面Gに自然水圧を利用した地下水流止水装置1を埋設するための枠体10及び分岐体20を挿嵌可能な縦穴をボーリング機等で掘る。このとき、地下水脈Wに当たるまで掘り進める。掘った縦穴に自然水圧を利用した地下水流止水装置1を鉛直状に差し込み、枠体10の下端部若しくは分岐体20が地下水脈Wの底面W2より下方に位置し、かつ枠体10の上端部が地面Gから若干顔を出す状態で埋め戻す。なお、枠体10周囲に隙間空間を形成して地下水Wの貯留能力の向上を図るべく、砂利や砕石、多孔石などにより埋め戻すことが望ましい。以上により、自然水圧を利用した地下水流止水装置1の設置は完了する。
なお、既に従来のコンクリートや氷などの障害物で地下水Wの水流を堰き止める手法が施されている現場において、本実施例にかかる自然水圧を利用した地下水流止水装置1を設置する場合には、障害物を挟んで地下水Wの下流側に障害物に隣接する状態で設置することが望ましい。
次に、本実施例にかかる自然水圧を利用した地下水流止水装置1の作用について説明する。
上流側から流れてきた地下水Wは、自然水圧を利用した地下水流止水装置1に行き着くと、僅かな水圧のもと、枠体10及び分岐体20に備えられた孔部12,22を介して枠体10及び分岐体20内に流入し貯留される。この貯水作用により、下流側への地下水Wの流出が遮断される(第一止水効果)。
枠体10及び分岐体20内にある程度の地下水Wが貯留されると、今度は自重により外部への流出が始まり、地中Gへ浸透される。この外部への流出における貯水の水圧は、上流側から流れてきた地下水Wの水圧と略同一程度であるため、地下水Wと流出水との水圧の均衡が図られ、地下水Wがそれ以上下流側へ流れることはない(第二止水効果)。
なお、枠体10の上端部が開放状態であるか、あるいは閉塞状態であって開口部が設けられている場合に、枠体10や分岐体20内に雨水等が溜まったり、地下水Wと貯水との水圧が不均衡で下流側への地下水Wの流出が止まらないときは、上端部から水を注入したり空気を圧入若しくは減圧することで、枠体10及び分岐体20内の貯水の水圧調整を図ることも可能である。
本考案は、地下水Wの水流の止水に際して、孔部12,22を介して上流側の地下水Wが枠体10や分岐体20内に流入し貯留されることで、下流側への地下水Wの流出が遮断されるという第一の止水効果と、枠体10や分岐体20内に貯留された地下水Wが、今度は自重により外部へ流出して地中Gに浸透されることで、上流側から流れてきた地下水Wとの水圧の均衡が図られ、地下水Wがそれ以上下流側へ流れることはないという第二の止水効果との相乗効果により、自然水圧を利用して地下水Wの水流を効果的かつ確実に止水することが可能となるものであって、本考案にかかる自然水圧を利用した地下水流止水装置1の産業上の利用可能性は大であると思料する。
1 自然水圧を利用した地下水流止水装置
10 枠体
12 孔部
20 分岐体
22 孔部
G 地面,地中
W 地下水,地下水脈
W1 地下水面
w2 底面

Claims (3)

  1. 地中に埋設され、地下水の流入及び流出による自然水圧を利用して地下水の水流を止水するための止水装置であって、
    所要長さ及び径を有し中空状を為して鉛直方向に延伸する枠体から成り、
    該枠体における所定高さ位置より下方に、地下水が流入及び流出するための複数の孔部が備えられていることを特徴とする自然水圧を利用した地下水流止水装置。
  2. 地中に埋設され、地下水の流入及び流出による自然水圧を利用して地下水の水流を止水するための止水装置であって、
    所要長さ及び径を有し中空状を為して鉛直方向に延伸する少なくとも一以上の枠体と、所要長さ及び径を有し中空状を為して直管状若しくは曲管状に延伸する少なくとも一以上の分岐体と、から成り、
    該枠体の所定高さ位置より下方における任意箇所に該分岐体が連通して接続されると共に、該枠体における所定高さ位置より下方並びに該分岐体の全体に地下水が流入及び流出するための複数の孔部が備えられていることを特徴とする自然水圧を利用した地下水流止水装置。
  3. 前記枠体における前記所定高さ位置が、地下水面と略同一に設定されて成ることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の自然水圧を利用した地下水流止水装置。
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CN113882436A (zh) * 2021-10-14 2022-01-04 重庆建工第四建设有限责任公司 一种超前止水浇筑施工方法

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