JP2017036624A5 - - Google Patents

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ガイドレール(8)は、左支柱(3)の左側壁(31)外面と向かい合うベース壁(81)と、ベース壁(81)の前後縁から左方に突出した前後ガイド壁(82)とを有している横断面略U形のものである。前後ガイド壁(82)の先端部には、前後方向外方に折れ曲がった嵌合凸部(83)が設けられている。前後ガイド壁(82)の対向面の左右幅中間に、互いに向かい合うように短く突出した垂直凸条が設けられ、これらの凸条とベース壁(81)との間に内部拡大溝(84)が形成されている。ベース壁(81)の右側面には、その前後縁寄りの部分に右方に向かって短くのびかつ先端が前後方向外方に折れ曲がった垂直な嵌合凸部(85)が形成されている。
スペーサ(9)は、図6に示すように、計3つ用いられており、ガイドレール(8)が取り付けられる左支柱(3)の左側壁(31)外面部分の上端、下端および長さ中間に、踏み桟(4)の左固定端部(41)を避けて配されている。これらのスペーサ(9)は、垂直な金属板片よりなり、下端のスペーサ(9)は、他の2つのスペーサ(9)と比べて、やや上下に長いものとなされている。各スペーサ(9)は、同一の水平横断面を有しており、左支柱(3)の左側壁(31)外面に重ねられて、その前後端部が、ボルト(B)およびナット(N)によって左側壁(31)に接合固定されている。各スペーサ(9)の外面(左側面)の前後幅中間部には、横断面台形状の隆起部(91)が形成されている。そして、この隆起部(91)に、ガイドレール(8)の前後2つの嵌合凸部(85)がそれぞれ上下方向にスライド自在に嵌め入れられる垂直な前後2つの嵌合凹部(92)が形成されている。
ガイドレール(8)は、その上下端部において、スペーサ(9)を間に挟んだ状態で、ボルト(B)およびナット(N)により、左支柱(3)の左側壁(31)外面に接合固定されている(図6参照)。
ガイドレール(8)の上端部には、その上端面およびスペーサ(9)の上端面を覆うように、キャップ(11)が装着されている。キャップ(11)は、例えば合成樹脂製であって、障害物との接触時にその力を逃がすように、片流れ屋根形の形状を有するものとなされている。
ロック装置(7)は、ガイドレール(8)のベース壁(81)左側面に設けられかつガイドレール(8)の長さ方向に沿って並んだ多数の歯(711)を有するラック(71)と、伸縮脚部材(6)に前後方向にのびる揺動軸を中心として揺動自在に組み込まれかつ先端部にラック(71)の歯(711)と噛み合わせられる歯(721)(722)を有しているロック爪(72)と、ロック爪(72)をその歯(721)(722)がラック(71)の歯(711)と噛み合わせられる方向に向かって付勢する弾性部材(73)と、ロック爪(72)の基端部に連なってロック爪(72)と反対方向にのびるように設けられかつ伸縮脚部材(6)の表面に形成された操作窓(672)を通じて押圧されることにより弾性部材(73)の弾性力に抗してロック爪(72)をその歯(721)(722)がラック(71)の歯(711)から外れる方向に揺動させる操作レバー(74)(操作部)とを備えている。
ラック(71)は、歯(711)を有する面が左方を向くようにガイドレール(8)の内部拡大溝(84)に嵌め込まれて、その上下両端部がリベット等によりガイドレール(8)のベース壁(81)に接合固定されている。
図5および図7に示すように、ロック爪(72)、弾性部材(73)および操作レバー(74)は、ブラケット(75)内に組み込まれて、1つのユニットを構成している。
ブラケット(75)は、左方に開口した略U形の水平横断面を有する折り曲げ金属片よりなる。ブラケット(75)の右側壁(751)の上部は、ロック爪(72)の先端部を露出させるために切除されている。ブラケット(75)の右側壁(751)の下端部には、左方に向かって直角に折れ曲った底壁部(752)が連設されている。ブラケット(75)の前後壁(753)の高さ中間部には、挿通孔(753a)が対向状にあけられている。ブラケット(75)の前壁(753)の上端部には、後壁(753)に向かって後方に直角に折れ曲がった上取付部(754)が連設されている。ブラケット(75)の前後壁(753)の下端部には、前後方向外方に向かって直角に折れ曲がった下取付部(755)が連設されている。
ロック爪(72)および操作レバー(74)は、1つの揺動片(70)によって構成されている。揺動片(70)は、その長さの中央部に前後貫通状の挿通孔(701)を有している。そして、揺動片(70)がブラケット(75)内に挿入されて、揺動片(70)の挿通孔(701)およびブラケット(75)の前後壁(753)の挿通孔(753a)にまたがってピン(76)が挿通されることにより、揺動片(70)がピン(76)を中心としてブラケット(75)に揺動自在に取り付けられている。ロック爪(72)は、揺動片(70)の上側部分によって構成され、操作レバー(74)は、揺動片(70)の下側部分によって構成されている。
ロック爪(72)の先端部には、上下に間隔をおいて並んだ4つの歯(721)(722)が、ラック(71)側、すなわち右方を向くように形成されている。
操作レバー(74)の先端部には、右方に向かってほぼ直角に折れ曲った2つの屈曲部(741)が、上下にやや間隔をおいて形成されている。
操作レバー(74)の左側面は、ロック解除時に手指で押される押圧部(74a)を構成している。押圧部(74a)には、手指の滑りを防止するために、横断面凹弧状をした複数本の水平溝(742)が、上下方向に等間隔おきに形成されている。
弾性部材(73)は、圧縮コイルばねよりなり、ブラケット(75)の右側壁(751)と揺動片(70)の下側部分の操作レバー(74)との間に介在されて、揺動片(70)を、その上側部分のロック爪(72)の歯(721)(722)がラック(71)の歯(711)に噛み合わせられるロック方向に向かって付勢している。
図8は、伸縮脚装置(5)のロック装置(7)において、ロック爪(72)の歯(721)(722)とラック(71)の歯(711)とが噛み合ったロック状態を示すものである。
ラック(71)の多数の歯(711)は、所定のピッチで上下方向に並んでいる。歯(711)は、すべて同形同大であって、略逆等脚台形状の横断面を有している。より詳しく言うと、歯(711)の頂面(711a)は、平坦な垂直面となされている。歯(711)の上下両側面は、これらの頂面側の半部が平坦な水平面(711b)となされ、残りの半部が付け根に向かうにつれて次第に歯(711)が細くなるように傾斜したテーパ面(711c)となされている。
これに対して、ロック爪(72)の場合、上側の2つの歯(721)と、下側の2つの歯(722)とで、形状および大きさが異なっている。
ロック爪(72)の上側の2つの歯(721)は、略逆不等脚台形状の横断面を有するものであって、その頂面が平坦な垂直面(721a)よりなり、その上側面が平坦な水平面(721b)よりなり、その下側面のうち頂面側の半部が付け根に向かうにつれて次第に歯(721)が細くなるように傾斜したテーパ面(721c)よりなり、下側面の残りの半部が平坦な水平面(721d)よりなる。上側の2つの歯(721)の最大厚みは、ラック(71)の歯(711)どうしの間に入り込めるように、ラック(71)の歯(711)の最大厚みよりもやや小さいものとなされている。
ロック爪(72)の下側の2つの歯(722)は、略方形状の横断面を有するものであって、その頂面が平坦な垂直面(722a)よりなり、その上下両側面が平坦な水平面(722b)よりなる。また、下側の2つの歯(722)の厚みは、上側の2つの歯(721)の最大厚みよりもやや小さいものとなされている。
梯子(1)を壁や屋根等に立て掛けた設置状態では、梯子(1)に対して伸縮脚部材(6)が縮む方向に外力が作用する。この場合、図8(a)に示すように、ロック爪(72)は上方向へ、ラック(71)は下方向へ移動しようとする。そして、ロック爪(72)の4つの歯(721)(722)の上側面(721b)(722b)(係合面)が、対応するラック(71)の4つの歯(711)の下側面の水平面部分(711b)(係合面)とそれぞれ係り合わせられる。
図9(a)は、梯子(1)の設置状態において、ロック爪(72)の最上位の歯(721)の係合面(721b)に発生する力を示したものである。この係合面(721b)には、ロック爪(72)の揺動中心(C)から係合面(721b)を通ってのびる半径方向外向きの力(P1)が作用する。この力(P1)を、ロック爪(72)を揺動させる方向に作用する力、すなわち、係合面(721b)の接線方向の力(P2)と、ロック爪(72)の歯(721)の係合面(721b)がラック(71)の歯(711)の係合面(711b)を垂直に押す力、すなわち、係合面(721b)の垂線方向の力(P3)とに分ける。すると、係合面(721b)の接線方向の力(P2)は、図9(a)の時計回り方向、すなわち、ロック爪(72)の歯(721)をさらにラック(71)に押し付けようとするロック方向を向いていることが判る。なお、図示は省略したが、ロック爪(72)の上から2番目以降の歯(721)(722)の係合面(721b)(722b)にも、上記と同様の方向の力が作用する。また、図9には示していないが、上記係合面(721b)(722b)には、圧縮コイルばねよりなる弾性部材(73)の弾性力もロック方向に作用している。したがって、梯子(1)を壁等に立て掛けた設置状態では、ロック装置(7)によるロック状態が確実に維持され、不用意にロック解除されるおそれはない。
次に、梯子(1)を例えば運搬等の際に伸縮脚部材(6)以外の箇所を支えて持ち上げた状態では、梯子(1)に対して伸縮脚部材(6)が伸びる方向に外力が作用する。この場合、図8(b)に示すように、ロック爪(72)は下方向へ、ラック(71)は上方向へ移動しようとする。そして、ロック爪(72)の4つの歯(721)(722)のうち上側の2つの歯(721)の下側面のテーパ面部分(721c)(係合面)が、対応するラック(71)の2つの歯(711)の上側面のテーパ面部分(711c)(係合面)とそれぞれ係り合わせられる。しかし、下側の2つの歯(722)の下側面(722b)については、対応するラック(71)の2つの歯(711)の上側面とは係り合わせられない。
図9(b)は、上記梯子(1)の持ち上げ状態において、ロック爪(72)の最上位の歯(721)の係合面(721c)に発生する力を示したものである。この係合面(721c)には、ロック爪(72)の揺動中心(C)から係合面(721c)を通ってのびる半径方向内向きの力(P1)が作用する。この力(P1)を、ロック爪(72)を揺動させる方向に作用する力、すなわち、係合面(721c)の接線方向の力(P2)と、ロック爪(72)の歯(721)の係合面(721c)がラック(71)の歯(711)の係合面(711c)を垂直に押す力、すなわち、係合面(721c)の垂線方向の力(P3)とに分ける。すると、係合面(721c)の接線方向の力(P2)は、図9(a)の逆時計回り方向、すなわち、ロック爪(72)の歯(721)がラック(71)から離れるロック解除方向を向いている。この力(P2)が、ロック方向に作用する弾性部材(73)の弾性力よりも大きくなると、ロック爪(72)の歯(721)の係合面(721c)およびラック(71)の歯(711)の係合面(711c)の係合が外れて、ロック爪(72)の歯(721)がラック(71)の歯(711)から外れるロック解除状態となり、伸縮脚部材(6)が不用意に伸びてしまう事態が生じる。
そこで、この発明による伸縮脚装置(5)では、伸縮脚部材(6)が伸長する方向に外力が作用した際に互いに係り合わせられるロック爪(72)の歯(721)およびラック(71)の歯(711)の係合面(721c)(711c)を、同係合面(721c)(711c)からロック爪(72)の揺動中心(C)に向かってのびる直線(L1)が同係合面(721c)(722c)の垂線(L2)と一致するかまたは垂線(L2)に対して10°以内の角度(A1)でラック(72)側に傾くように形成している。
この実施形態では、ロック爪(72)の上側の2つの歯(721)の下側面のテーパ面部分(721c)、およびラック(71)の歯(711)の上側面のテーパ面部分(711c)が、上記係合面に相当する。ロック爪(72)の最上位の歯(721)およびこれに対応するラック(71)の歯(711)の係合面(721c)(711c)の場合、図9(b)に示すように、上記角度(A1)が約3°となる。また、ロック爪(72)の上から2番目の歯(721)およびこれに対応するラック(71)の歯(711)の係合面(721c)(711c)の場合、図9(c)に示すように、上記角度(A1)が約9.5°となる。いずれの場合も、係合面(721c)(711c)に対してロック解除方向に作用する力(P2)は、ロック方向に作用する弾性部材(73)の弾性力よりも十分小さくなる。また、上記角度(A1)は、ロック爪(72)の歯の位置が下になるほど大きくなり、それに応じて、係合面に対してロック解除方向に作用する力(P2)も大きくなってしまうが、ロック爪(72)の下側2つの歯(722)の下側面(722b)は、前述した通り、ラック(71)の歯(711)の上側面と係り合わせられないようになっている。
以上の構成により、この実施形態の伸縮脚装置(5)では、伸縮脚部材(6)が伸長する方向に外力が作用した場合でも、ロック爪(72)に対してロック解除方向に大きな力が作用しないため、弾性部材(73)の弾性力によってロック状態が確実に維持され、伸縮脚部材(6)が不用意に伸びるといった不具合が生じない。
また、この実施形態の伸縮脚装置(5)によれば、弾性部材(73)として必要以上に大きな弾性力を備えたものを使用しなくてもよいので、ロック装置(5)をロック解除するために操作レバー(74)の押圧部(74a)を押圧する力もそれ程大きくならず、操作性が損なわれない。
(第2の実施形態)
図10および図11は、この発明の第2の実施形態を示すものである。
第2の実施形態は、この発明による伸縮脚装置を脚立に適用したものである。
以下の説明において、「前」とは図9の右側をいい、「後」とは図9の左側をいい、また、「左右」は前から見た場合の左右をいうものとする。
図10に示すように、脚立(10)は、前後2つの梯子体(20A)(20B)の上端部どうしを、ヒンジ金具(201)により開閉自在に連結してなる。
前後各梯子体(20A)(20B)は、左右2本の支柱(30)と、両支柱(30)間に上下方向に等間隔おきに渡し止められた複数本の踏み桟(図示略)とを備えている。
前後各梯子体(20A)(20B)の支柱(30)および踏み桟は、以下の点を除いて、第1の実施形態の梯子(1)における上下各梯子体(2A)(2B)の支柱(3)および踏み桟(4)と実質的に同一である。
すなわち、各踏み桟の左右端部は、左右支柱(30)の前後壁(32)にリベット(図示略)等によって固定されており、各支柱(30)の側壁(31)を貫通して、その外面に突出した部分を有していない。
前後各梯子体(20A)(20B)の左右支柱(30)の下部には、それぞれ伸縮脚装置(50)が設けられている。
伸縮脚装置(50)は、以下の点を除いて、第1の実施形態の伸縮脚装置(5)と実質的に同一の構造を有しており、同装置(5)と実質的に同一の作用効果を奏するものである。
すなわち、この実施形態の伸縮脚装置(5)の場合、ガイドレール(80)は、図11に示すように、スペーサを介さずに、支柱(30)の側壁(31)外面に直接取り付けられている。より詳細には、ガイドレール(80)のベース壁(81)の左右方向内面には、嵌合凸部が形成されておらず、これに代えて、ガイドレール(80)のベース壁(81)の前後縁部から左右方向内方に向かってのびかつ先端側が前後方向外方に直角に折れ曲った前後取付部(86)が形成されている。そして、これらの前後取付部(86)が、ボルト(B)およびナット(N)により、支柱(30)の側壁(31)に固定されている。
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