JP2017036486A - メッキ成形体の製造方法 - Google Patents

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哲也 阿野
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孝一 水戸
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孝一 水戸
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Hiroki Ota
寛紀 太田
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Abstract

【課題】高い密着強度を有すると共に、外観特性も優れる均一なメッキ膜を有するメッキ成形体の製造方法を提供する。【解決手段】メッキ成形体の製造方法であって、脂肪族ポリアミドを含む成形体を用意することと、前記成形体に、塩化パラジウム及び塩酸を含む無電解メッキ触媒液を接触させることと、前記無電解メッキ触媒液を接触させた成形体に膨潤処理を施すことと、前記無電解メッキ触媒液を接触させた成形体を洗浄して、前記成形体の表面近傍におけるパラジウム濃度を0.01mg/dm2〜0.1mg/dm2とすることと、前記膨潤処理及び洗浄した成形体に無電解メッキ液を接触させて、メッキ膜を形成することとを含む。【選択図】 図1

Description

本発明は、メッキ成形体の製造方法に関する。
成形体に安価に金属膜を形成する方法として、無電解メッキが知られている。無電解メッキでは、金属膜の成形体への密着性確保のため、六価クロム酸や過マンガン酸等の酸化剤を含むエッチング液を用いて成形体表面を粗化する前処理を行う。そのため、無電解メッキには、エッチング液により侵食されるABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合合成樹脂)が主に用いられてきた。ABS樹脂は、ブタジエンゴム成分がエッチング液に選択的に侵食され、表面に凹凸が形成される。一方、ABS樹脂以外の樹脂、例えば、ポリカーボネート等では、無電解メッキを可能にするため、ABS樹脂やエラストマー等、エッチング液に選択的に酸化される成分を混合したメッキグレードが市販されている。しかし、このような無電解メッキの前処理は、六価クロム酸等を使用することから、環境負荷が高いという問題があった。
粗化された成形体の表面には、無電解メッキ触媒が付与される。プラスチック基材に対する無電解メッキ触媒付与としては、主には2種類の手法が用いられる。スズコロイドを基材に吸着させた後(センシタイザー)、塩化パラジウム溶液に浸漬して(アクチベーティング)、塩化第一スズで塩化パラジウムを還元および析出させるセンシタイザー−アクチベーティング法と、パラジウムスズコロイドを基材に吸着させた後(キャタリスト)、濃硫酸等で還元する(アクセレレータ)キャタリスト−アクセレレータ法である。これらの従来の触媒付与処理は、実際には、更に多くの工程が必要とされる。例えば、キャタリスト−アクセレレータ法では、成形体の表面性向上のためのポストエッチングや、アクセレレータで除去しきれないスズの除去のためのポストアクセレレータが行われている。
メッキ前処理における工程数を削減するため、特許文献1には、塩酸等の無機酸含有の腐食剤と、パラジウムイオン等のイオノゲン活性剤と、酢酸等の有機酸とを含む一溶液で成形体を処理する方法が提案されている。特許文献1によれば、上述の一溶液でポリアミド基板の前処理を行うことで、良好なメッキ膜が得られる。また、該方法によれば、環境負荷が高い六価クロム酸等を使用する必要もない。
特許第4109615号
しかし、ポリアミドの成形体表面は、場所により結晶構造が異なる場合がある。この場合、上述したメッキ前処理を施したとしても無電解メッキ反応にムラが生じ、結果として、均一で密着強度の高いメッキ膜を得ることが難しくなる。そして、この現象は、特に複雑な形状の成形体において顕著である。
本発明は、これらの課題を解決するものであり、高い密着強度を有すると共に、外観特性も優れる均一なメッキ膜を有するメッキ成形体の製造方法を提供する。
本発明の態様に従えば、メッキ成形体の製造方法であって、脂肪族ポリアミドを含む成形体を用意することと、前記成形体に、塩化パラジウム及び塩酸を含む無電解メッキ触媒液を接触させることと、前記無電解メッキ触媒液を接触させた成形体に膨潤処理を施すことと、前記無電解メッキ触媒液を接触させた成形体を洗浄して、前記成形体の表面近傍におけるパラジウム濃度を0.01mg/dm〜0.1mg/dmとすることと、前記膨潤処理及び洗浄した成形体に無電解メッキ液を接触させて、メッキ膜を形成することとを含む製造方法が提供される。
本発明においては、前記成形体の膨潤処理と洗浄とを同一の工程において行ってもよい。前記成形体を洗浄して、前記成形体の表面近傍におけるパラジウム濃度を0.01mg/dm〜0.05mg/dmとしてもよい。また、前記脂肪族ポリアミドが、ナイロン6又はナイロン66であってもよい。前記成形体が、更に親水性セグメントを含んでもよく、金属微粒子を含んでもよい。
本発明においては、前記無電解メッキ触媒液中の塩酸の濃度が、1.0N〜4.0Nであってもよく、塩化パラジウムの濃度が、5mg/L〜150mg/Lであってもよい。また、前記膨潤処理及び/又は洗浄として、前記脂肪族ポリアミドのガラス転移点以上の温度の水に前記成形体を接触させてもよく、前記成形体に接触させる水の温度が、50〜90℃であってもよい。
前記無電解メッキ液が、無電解ニッケルリンメッキ液であってもよく、前記無電解ニッケルリンメッキ液の温度が、50℃〜80℃であってもよい。また、前記無電解ニッケルリンメッキ液が酸性であってもよく、そのpHが4.0〜6.0であってもよい。
本発明は、更に、前記成形体に超音波を照射することを含んでもよい。また、前記成形体の膨潤処理中又は膨潤処理の後に、前記成形体に超音波を照射してもよい。
本発明は、特定のメッキ前処理を行うことにより、ポリアミドを含む成形体の無電解メッキ反応の均一性を向上させる。これにより、高い密着強度を有すると共に、均一で外観特性にも優れるメッキ膜を有するメッキ成形体を製造できる。
図1は、第1及び第2の実施形態で製造するメッキ成形体の製造方法を示すフローチャートである。
[第1の実施形態]
図1に従い、本実施形態におけるメッキ成形体(メッキ膜を有する成形体)の製造方法について説明する。
<成形体>
まず、脂肪族ポリアミドを含む成形体を用意する(図1のステップS1)。脂肪族ポリアミドは吸水性が高いため、メッキ液の浸透が促されてメッキ膜が安定して成長する。また、脂肪族ポリアミドは剛性、耐熱性及び耐薬品性に優れるため、成形体の剛性、耐熱性及び耐薬品性が確保できる。前記脂肪族ポリアミドは、芳香環を有していなければ特に限定されず、例えば、ナイロン6(PA6)、ナイロン66(PA66)、ナイロン12(PA12)、ナイロン11(PA11)、ナイロン6・66共重合体、及びこれらを共重合化又はアロイ化した複合材料、並びに非晶質ナイロン等を用いることができる。中でも、メッキ膜の形成し易さから吸水性が高く膨潤し易いナイロン6及びナイロン66が好ましく、ナイロン6が特に好ましい。また、上述した脂肪族ポリアミドと、ポリアミド以外の熱可塑性樹脂を共重合化又はアロイ化した複合材料を用いてもよい。このような複合材料としては、例えば、ナイロンとポリプロピレンのポリマーアロイ(PA/PP)や、ABS樹脂とナイロンのポリマーアロイが挙げられる。これらのポリアミドは、単独で用いても、二種類以上を混合して用いてもよい。
本実施形態では、成形体が上述した脂肪族ポリアミドのみから構成されてもよいし、脂肪族ポリアミドに加えて、後述するフィラー、親水性セグメントを有するブロック共重合体、その他の汎用の添加剤を含んでもよい。成形体の主成分は脂肪族ポリアミドが好ましく、例えば、成形体中に脂肪族ポリアミドは30重量%〜100重量%含まれることが好ましく、60重量%〜95重量%含まれることがより好ましい。
本実施形態は、脂肪族ポリアミドに加えてガラス、ミネラル等のフィラーを成形体中に含有してもよい。フィラーを含有することにより、成形体の反りを抑制し、剛性及び寸法安定性を向上させることができる。成形体が含有するミネラルとしては、例えば、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、二酸化ケイ素等のケイ酸塩、ケイ酸、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、酸化チタン、チタン酸カリウム及びそれを含む化合物(鉱物)が挙げられる。特に、成形物の表面性(外観)や機械強度、寸法安定性およびコストの観点から、ケイ酸カルシウム等のケイ酸塩、水酸化マグネシウムが好ましい。同様に、酸化カルシウム、二酸化ケイ素も本実施形態に用いるミネラルとして好ましい。また、成形体が含有するミネラルとしては、後述するメッキ前処理で用いる塩酸に溶解するミネラルも好ましい。メッキ前処理でミネラルが溶解することで成形体表面に凹凸が形成され、その上に形成されるメッキ膜の密着強度を向上させることができる。このような効果を奏する塩酸に溶解するミネラルとしては、例えば、炭酸カルシウムが挙げられる。したがって、本実施形態では、炭酸カルシウムを含有する天然鉱物又は合成フィラーを成形体中に含有することが好ましい。
成形体に含有されるミネラルの形状は、特に限定されないが、粒状又は略球状が好ましい。粒状又は略球状のミネラルは、例えば、針状のファイバーと比較して、成形体中において目立たず、成形体の意匠性を高められる。また、フィラーの粒子径は、100nm〜3μmが好ましい。
成形体中のフィラーの含有量は、成形物の表面性(外観)や機械強度、寸法安定性、成形性(成形のし易さ)等の観点から、10〜65重量%が好ましく、30〜50重量%がより好ましい。
本実施形態では、上述した脂肪族ポリアミド及びミネラルとして、市販のミネラルを含有する脂肪族ポリアミドを用いてもよい。一般に、ミネラルを含有する熱可塑性樹脂は、「ミネラル強化樹脂」と呼ばれる。ミネラル強化樹脂の市販品としては、例えば、東洋紡製のミネラル強化樹脂T777‐02、宇部興産製のミネラル強化樹脂1013R、1013R1等がある。
本実施形態では、脂肪族ポリアミドに加えて、親水性セグメントを有するブロック共重合体(以下、適宜「ブロック共重合体」と記載する)を成形体中に含有してもよい。ブロック共重合体は、親水性セグメントと、親水性セグメントとは異なる他のセグメント(以下、適宜「他のセグメント」と記載する)を有する。ブロック共重合体は、成形体の成形過程、又は成形後において、成形体の表面近傍に偏析する傾向がある。これにより成形体表面が親水化し、無電解メッキの反応性が向上する。また、ブロック共重合体は、後述するメッキ前処理に用いる塩酸により軟化又は溶解され易い。したがって、ブロック共重合体を含有する成形体の表面はメッキ前処理によりエッチングされ易く、その表面上に形成されるメッキ膜の密着強度を高められる。
本実施形態のブロック共重合体の親水性セグメントには、アニオン性セグメント、カチオン性セグメント、ノニオン性セグメントを用いることができる。アニオン性セグメントとしては、ポリスチレンスルホン酸系、カチオン性セグメントとしては、四級アンモニウム塩基含有アクリレート重合体系、ノニオン性セグメントとしては、ポリエーテルエステルアミド系、ポリエチレンオキシド−エピクロルヒドリン系、ポリエーテルエステル系等が挙げられる。
本実施形態のブロック共重合体としては、成形体の耐熱性を確保し易いことから、親水性セグメントがポリエーテル構造を有するノニオン性セグメントが好ましい。ポリエーテル構造としては、例えば、炭素数が2〜4のオキシアルキレン基、ポリエーテルジオール、ポリエーテルジアミン、及びこれらの変性物、並びにポリエーテル含有親水性ポリマーが含まれ、特にポリエチレンオキシドが好ましい。
本実施形態のブロック共重合体の他のセグメントは、親水性セグメントより疎水性のセグメントであれば任意であり、目的にあった種類を選択できる。例えば、ナイロン6、ナイロン12等のポリアミド、ポリオレフィン、ポリ乳酸、ポリエチレン等を用いることができる。
本実施形態において、ブロック共重合体は、市販品を用いてもよい。本実施形態のブロック共重合体は、成形体の表面近傍に偏析する(配向する)という性質から、樹脂練りこみ型の高分子型帯電防止剤として市販されている場合がある。例えば、三洋化成工業製のペレスタット(登録商標)、ペレクトロン(登録商標)等を本実施形態のブロック共重合体として用いることができる。
成形体中におけるブロック共重合体の含有量は、任意であり、脂肪族ポリアミドの種類、ブロック共重合体の種類、成形体の用途等に基づき適宜決定できる。例えば、成形体中にブロック共重合体は、1〜30重量%含まれることが好ましく、1〜20重量%含まれることがより好ましく、3〜15重量%含まれることが更により好ましい。成形体中のブロック共重合体の含有量が1重量%以上であると、メッキ液の浸透性を十分に高められ、30重量%以下であると、成形体の耐熱性や機械強度等の物性を大きく損なうことがない。
本実施形態の成形体は、市販品の成形体であってもよいし、上述した材料を成形して成形体を得ても良い。成形体の成形方法は、特に限定されない。例えば、脂肪族ポリアミドに、必要に応じてフィラー、ブロック共重合体やその他汎用の添加剤を加えた材料を汎用の射出成形、押出成形等により成形して、成形体を得てもよい。
<メッキ前処理>
本実施形態では、無電解メッキ前に、(1)無電解メッキ触媒の付与、(2)成形体の膨潤処理及び洗浄を含むメッキ前処理を行う。
(1)無電解メッキ触媒の付与
本実施形態では、成形体への無電解メッキ触媒の付与として、成形体に塩化パラジウム及び塩酸を含む無電解メッキ触媒液を接触させる(図1のステップS2)。無電解メッキ触媒液中の塩酸の濃度は、例えば、0.1〜12Nであり、0.1〜5Nが好ましく、1.0〜4.0Nがより好ましい。塩化パラジウムは、塩酸の濃度が低下すると析出する虞があるため、塩酸濃度を0.1N以上とすることで塩酸に溶解するパラジウムイオンの状態を安定に維持できる。一方、塩酸の濃度が12Nを超えると、成形体の溶解等により、メッキ膜の外観特性や成形体の機械的強度に影響を与える虞がある。
塩化パラジウムは、後述する無電解メッキ工程(図1のステップS4)において、無電解メッキ触媒として機能する。塩化パラジウムは、無電解メッキ触媒液中に、例えば、0.05〜500mg/L、好ましくは、1〜250mg/L、より好ましくは、5〜150mg/L含まれる。塩化パラジウム濃度が0.05mg/L未満であると、成形体表面への塩化パラジウムの吸着量にムラができ、メッキ膜の欠陥ができる虞がある。また、塩化パラジウム濃度が500mg/Lを超えると、成形体表面への塩化パラジウムの吸着量が多くなり、成形体の最表面でのメッキ反応が支配的となり、メッキ膜の密着強度が低下する虞がある。
成形体に無電解メッキ触媒液を接触させる時間は、5秒〜15分が好ましい。5秒未満であると、成形体表面への金属イオンの吸着量にムラができ、無電解メッキ反応を均一に開始できない虞がある。また、15分を超えると、成形体へ浸透した塩酸による成形体の劣化、メッキ膜の腐食の虞がある。
また、成形体に接触させる無電解メッキ触媒液の温度は10℃〜50℃が好ましい。10℃未満であると、成形体表面へのパラジウムイオンの吸着量にムラができ、無電解メッキ反応を均一に開始できない虞がある。また、無電解メッキ触媒液の温度が10℃未満であると、成形体の温度も低温となる。このため、次の工程である成形体の膨潤処理の処理温度にも影響を与え、十分な膨潤効果を得られない虞もある。また、無電解メッキ触媒液の温度が50℃を超えると、成形体表面へのパラジウムイオンの吸着量が多くなり、成形体の最表面でのメッキ反応が支配的となる虞がある。また、塩酸からのガスの発生や水の蒸発により、塩酸濃度を安定化することが難しくなる虞もある。
本実施形態の無電解メッキ触媒液は、塩化パラジウム及び塩酸のみから構成されても良いし、必要に応じて、他の添加剤や溶媒を含んでもよい。無電解メッキ触媒液は、例えば、界面活性剤を含んでも良い。界面活性剤を含有することで無電解メッキ触媒液の表面張力が低下し、成形体表面への濡れ性が向上して、パラジウムイオンが成形体の内部へ浸透し易くなる。界面活性剤は、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、及び両性界面活性剤等、汎用の界面活性剤を使用できる。一方で、本実施形態の無電解メッキ触媒液は、臭気による作業性の低下を回避するため、酢酸等の有機酸は含有しないことが好ましい。
成形体に無電解メッキ触媒液を接触させる方法は任意であり、目的に応じて種々の方法を用いることができる。例えば、無電解メッキ触媒液に成形体全体を浸漬させてもよい。また、成形体の一部分のみメッキ処理する場合には、メッキ処理が予定される部分のみを無電解メッキ触媒液と接触させてもよい。
以上説明した無電解メッキ触媒の付与工程により、無電解メッキ触媒液中の塩酸は成形体表面をエッチングし、塩化パラジウムは成形体に吸着及び浸透する。また、本発明者らの検討により、塩化パラジウムはポリアミドのアミド基に特異的に吸着し、ポリアミド以外の樹脂には吸着し難いことがわかった。したがって、脂肪族ポリアミドを含む本実施形態の成形体には、無電解メッキ触媒である塩化パラジウムを十分に付与できる。
(2)膨潤処理及び洗浄
次に、無電解メッキ触媒液を接触させた成形体に膨潤処理を施す(図1のステップS3)。膨潤処理は、例えば、成形体を膨潤させる処理溶媒を成形体に接触させることにより行う。処理溶媒としては、例えば、水、1,3ブタンジオール、プロパノール、メトキシエタノール、エチレングリコール等が挙げられ、中でも環境負荷が小さい水が好ましい。処理溶媒の温度は、成形体の膨潤効果を高めるために、成形体中に含まれる脂肪族ポリアミドのガラス転移点以上が好ましく、例えば50〜90℃、好ましくは60〜75℃である。本実施形態の成形体は、比較的ガラス転移点の低い脂肪族ポリアミドを含有する。このため、50〜90℃の水を接触させることにより、十分な膨潤処理を行える。
また、水等の処理溶媒は循環され、常に清浄な状態に保つことが好ましい。処理溶媒は撹拌されてもよく、例えば、エアーによる撹拌、強制的な水流の流れを設けてもよい。また、成形体を十分に膨潤させる観点から、成形体に処理溶媒を接触させる時間は、例えば、30秒〜30分とすることができる。
以上説明した膨潤処理により、ポリアミドの結晶構造の相違に基づく成形体の表面性のムラは緩和され、無電解メッキ反応が均一に生じ易い環境とすることができる。そして、無電解メッキ反応が均一に生じることで、均一で外観特性に優れるメッキ膜を形成できる。
また、成形体が膨潤することで、塩酸によるエッチングにより生じた成形体表面の微小な隙間に塩化パラジウムを良好に固定できる。また、成形体が膨潤することで、無電解メッキ触媒は成形体内部へ浸透し易くなり、また、後述する無電解メッキ工程(図1のステップS4)において無電解メッキ液も成形体に浸透し易くなる。これにより、成形体の内部からのメッキ膜の成長が促進され、密着強度の強いメッキ膜を形成できる。
更に、本実施形態の膨潤処理では、成形体の最表面に吸着した塩化パラジウムは洗い流され、成形体の最表面でのメッキ反応が抑制される。成形体の最表面でのメッキ反応が抑制されることにより、成形体の内部からのメッキ膜の成長が更に促進され、より密着強度の強いメッキ膜を形成できる。このように、本実施形態における膨潤処理は、成形体表面を膨潤すると共に、同時に成形体表面の洗浄も行う処理である。即ち、本実施形態では、成形体の膨潤処理と洗浄とを同一の工程において行う。
成形体の最表面に吸着した塩化パラジウムが洗い流されることにより、成形体の表面近傍(例えば、表面から100μmまでの深さの領域)におけるパラジウム濃度は、0.01mg/dm〜0.1mg/dmとなり、好ましくは、0.01mg/dm〜0.05mg/dmとなる。従来のメッキ前処理後の成形体と比較して、本実施形態のメッキ前処理後の成形体は、表面近傍におけるパラジウム濃度が低い。しかし、上述のように、本実施形態の成形体は、メッキ前処理により、成形体の最表面でのメッキ反応が抑制され、且つ無電解メッキ触媒及び無電解メッキ液が成形体に浸透し易くなるため、成形体の内部からのメッキ膜の成長が促進される。この結果、成形体の表面近傍におけるパラジウム濃度が低くとも、成形体のメッキ反応性は高く、メッキ膜の密着強度が向上すると推測される。尚、成形体の表面近傍におけるパラジウム濃度は、メッキ前処理における諸条件を調整することにより制御できる。
成形体の表面近傍におけるパラジウム濃度は、例えば、以下のようにして測定できる。メッキ前処理を施した成形体を乾燥し、成形体の所定面積において表面から100μmの厚さの樹脂を機械的に削り取る。削り取った樹脂中に含まれているパラジウム重量を求めて所定面積で除し、単位面積当たりのパラジウム重量(パラジウム濃度)を求める。削り取った樹脂中に含まれているパラジウム重量は、例えば、削り取った樹脂の重量を測定した後、溶解処理し、ICP(誘導結合プラズマ、Inductively Coupled Plasma)発光分析法により計測できる。
尚、上述のように、本実施形態では、成形体の膨潤処理と洗浄とを同一の工程において行う。メッキ前処理における工程数を削減する観点からは、成形体の膨潤処理と洗浄は同時に行った方が好ましいが、本実施形態は、必ずしもこれに限定されず、成形体の膨潤処理と洗浄とを別々の工程として実施してもよい。また、上述のように、本実施形態では、処理溶媒を成形体に接触させることにより成形体の洗浄を行うが、本実施形態はこれに限定されない。例えば、成形体の表面近傍におけるパラジウム濃度を0.01mg/dm〜0.1mg/dmとする成形体の表面処理は、本実施形態における成形体の「洗浄」に含まれる。
<無電解メッキ>
次に、メッキ前処理を行った成形体に無電解メッキ液を接触させて、メッキ膜を形成する(図1のステップS4)。無電解メッキ液としては、目的に応じて任意の汎用の無電解メッキ液を使用しできるが、触媒活性が高く液が安定であるという点から、無電解ニッケルリンメッキ液が好ましい。
無電解メッキ触媒は、通常、酸化数0(ゼロ)の金属状態において触媒活性を示す。このため、従来から知られた汎用の無電解メッキ触媒付与方法であるセンシタイザー−アクチベーティング法及びキャタリスト−アクセレレータ法のどちらの方法においても、パラジウムを基材に吸着させつつ還元する。したがって、従来は、金属状態でない塩化パラジウムを基材に付与しても触媒活性を発現せず、無電解メッキ触媒として使用することは困難であった。また、塩化パラジウムは、プラスチック基材表面に吸着し難いという問題も有していた。しかし、上述したように、本発明者らは、ポリアミドを含む成形体を基材とし、且つ無電解ニッケルリンメッキ液等の無電解メッキ液を用いることで、塩化パラジウムの還元処理を行わずとも無電解メッキ反応が生じることを見出した。この原因は定かではないが、ポリアミドを基材に用いることで塩化パラジウムが基材に吸着し易くなり、更に無電解メッキ液中に含まれる次亜リン酸ナトリウム等の還元剤が塩化パラジウムを還元するのではないかと推定される。本実施形態では、無電解メッキ触媒の還元処理の省略が可能となるため、製造コストを削減でき、スループットを向上できる。
無電解メッキ液として無電解ニッケルリンメッキ液を用いる場合、還元剤である次亜リン酸ナトリウムの濃度が高く、形成されるメッキ膜中のリン濃度が7〜12重量%程度となる中〜高リンタイプの酸性ニッケルリンメッキ液を用いることが好ましい。このようなニッケルリンメッキ液は、還元力が強く、且つポリアミド中への浸透性も高いため、成形体の表面近傍における塩化パラジウム濃度が低い場合であっても、塩化パラジウムを還元しつつ、ポリアミド中で無電解メッキ反応を進行させると推測される。無電解ニッケルリンメッキ液のpHは、例えば、4.0〜6.0であり、好ましくは、4.5〜5.0である。メッキ液のpHが低過ぎると、メッキ液の活性度が低下してメッキ膜の均一性が乏しくなり、膜抜けなどの外観不良をもたらす虞がある。一方、pHが高過ぎると、メッキ液の活性度が高くなり過ぎて成形体の最表面でメッキの膜化が開始され、メッキ膜の密着強度が低下する虞がある。また、pHの高いメッキ液は安定性が低く、分解が生じ易い。このため、最悪の場合、メッキ液の交換が必要となり、コストの増加につながる。メッキ液のpHを例えば、4.0〜6.0の範囲とすることで、これらの不都合を抑制できる。また、無電解メッキ液中のリン濃度は、5重量%以上が好ましい。リン濃度を高くすることにより、メッキ膜の耐食性も向上する。
また、次亜リン酸塩の還元力は、温度が低いほど低下する。したがって、市販の還元剤濃度が高い中〜高リンタイプの無電解ニッケルリンメッキ液の使用温度は85℃〜90℃と高い場合が多い。しかし、85℃〜90℃の処理温度で樹脂成形体のメッキを行うと、成形体自身が変形する虞がある。また、成形体が膨張した状態でメッキが行われて、メッキ後に冷却されて成形体が収縮するため、成形体の収縮に対応できずにメッキ膜に割れが生じる虞もある。本実施形態では、成形体のメッキ反応性が高いため、メッキ処理温度を80℃以下としても、密着強度が高く、外観特性に優れたメッキ膜を形成できる。したがって、無電解ニッケルリンメッキ液を用いる場合、無電解メッキの処理温度(無電解メッキ液の温度)は、例えば、50℃〜80℃であり、好ましくは、50℃〜70℃である。また、無電解メッキ液の温度をこの範囲とすると、無電解メッキ浴槽にプラスチック浴槽等の安価な浴槽を用いることができ、設備コストを低減できる。また、成形体に無電解メッキ液を接触させる時間は、例えば、30秒〜30分である。
無電解メッキ膜を形成した成形体上には、成形体の用途及び意匠性向上等の目的から、更に異なる種類の無電解メッキ膜を複数層形成してもよいし、電解メッキにより電解メッキ膜を形成してもよい。また、無電解メッキ膜が形成された成形体は、無電解メッキ後にアニール処理を施してもよいし、室温で放置して自然乾燥してもよい。また、アニール処理や自然乾燥を行わず、連続して電解メッキ膜を形成する等の次の工程を行ってもよい。
<超音波照射>
本実施形態のメッキ成形体の製造方法は、成形体を液中に浸漬して成形体に超音波を照射する工程を更に設けてもよい。本実施形態では、無電解メッキ膜の密着性向上のため、メッキ前処理により成形体を膨潤させる。このとき、成形体の表面の一部が膨潤して突出し、凸欠陥となる場合がある。成形体に超音波を照射することにより、成形体表面からこのような凸欠陥を取り除くことができ、この上に形成されるメッキ膜の外観特性を向上させることができる。
成形体への超音波の照射は、膨潤処理の結果生じる凸欠陥の除去を目的とする場合は、膨潤処理中か、又は膨潤処理の後に行うことが好ましい。例えば、膨潤処理において、50〜90℃の水等の処理溶媒に成形体を浸漬させた状態で超音波を照射してもよいし、無電解メッキ処理において、無電解メッキ液中に成形体を浸漬させた状態で超音波を照射してもよい。更に、無電解メッキ処理の前、又は無電解メッキ処理の後に、新たな工程として超音波照射工程を設けてもよい。
超音波の照射条件は適宜決定することが可能だが、例えば、周波数は、28kHz〜950kHz、強度は、40W〜500W、照射時間は、30秒〜30分とすることができる。また、新たな工程として超音波照射工程を設ける場合、成形体を浸漬する液は、環境負荷が低い水が好ましく、液の温度は、25℃〜50℃が好ましい。
[第2の実施形態]
本実施形態では、成形体が、脂肪族ポリアミドに加えて、親水性セグメントを有するブロック共重合体と、金属微粒子とを含む。本実施形態のメッキ成形体の製造方法について、図1に示すフローチャートに従って説明する。まず、脂肪族ポリアミドと、親水性セグメントを有するブロック共重合体と、金属微粒子とを含む成形体を用意する(図1のステップS1)。本実施形態では、ブロック共重合体及び金属微粒子を含む樹脂ペレットを製造し、製造した樹脂ペレットと脂肪族ポリアミドから成形体を成形する。まず、ブロック共重合体及び金属微粒子を含む樹脂ペレットの製造方法を説明する。
<ブロック共重合体及び金属微粒子を含む樹脂ペレットの製造>
本明細書において、「樹脂ペレット」とは、樹脂を加工し易いように小さな塊(ペレット)としたものを意味し、サイズ及び形状はペレットの用途により様々であるが、例えば、3〜5mm程度の粒子状、円柱状の樹脂の小片である。また、本実施形態において、ブロック共重合体及び金属微粒子を含む樹脂ペレットは、マスターバッチに相当し、脂肪族ポリアミドは、マスターバッチが配合されるベース樹脂に相当する。マスターバッチとは、染料、顔料、その他の添加剤等の機能性材料を高濃度に含有した樹脂ペレットであり、機能性材料を含有しないベース樹脂に混合され、ベース樹脂と共に成形される。マスターバッチを用いると、機能性材料である金属微粒子を直接ベース樹脂に添加して成形することと比較して、材料の取り扱い性が容易で秤量精度も向上する。また、マスターバッチを用いると、汎用の成形機を用いて、金属微粒子を含有する成形体を製造できるという利点も有する。以下、本願明細書において、ブロック共重合体及び金属微粒子を含む樹脂ペレットを「マスターバッチペレット」と記載する。
本実施形態のマスターバッチペレットに含まれるブロック共重合体は、第1の実施形態で用いるブロック共重合体と同様のものを用いることができる。また、マスターバッチペレットに含まれる金属微粒子は、無電解メッキ用金属触媒として機能するものであれば特に限定されず、例えば、Pd、Ni、Pt、Cu等の微粒子が好ましく、無電解メッキの触媒安定性の観点から、パラジウム(Pd)の微粒子がより好ましい。また後述するように、マスターバッチペレットの製造に加圧二酸化炭素を使用する場合、本実施形態に用いる金属微粒子は、加圧二酸化炭素に溶解することが好ましく、例えば、加圧二酸化炭素への溶解性が高い、ヘキサフルオロアセチルアセトナトパラジウム(II)金属錯体、白金ジメチル(シクロオクタジエン)、ビス(シクロペンタジエニル)ニッケル、ビス(アセチルアセトネート)パラジウム等の金属錯体が好ましい。
マスターバッチペレットを製造する方法は任意であり、例えば、国際公開第2013/129659号に開示されている製造方法により製造でき、金属微粒子が溶解又は分散した加圧二酸化炭素(以下、必要により「混合加圧流体」と記載する)をブロック共重合体に接触させることにより、ブロック共重合体に金属微粒子を浸透させる工程を含むことが好ましい。加圧二酸化炭素を用いる方法は、有機溶媒を必要としないため環境負荷が低い。また、加圧二酸化炭素は、金属微粒子のブロック共重合体への均一な分散を促進し、金属微粒子の粒径を著しく小さくできる。金属微粒子が凝集せず均一に分散することで、金属微粒子はブロック共重合体に伴って成形体表面へ移動し易くなると考えられる。この結果、加圧二酸化炭素を用いて製造されたマスターバッチペレットを用いて、メッキ成形体を製造すると、均一で高品質なメッキ膜を得られる。加圧二酸化炭素を用いずに、ブロック共重合体と金属微粒子のみを混合することでマスターバッチペレットを製造することも可能であるが、以上の理由から加圧二酸化炭素を用いることが好ましい。
本実施形態では、高圧容器を用いたバッチ処理によりマスターバッチペレットを製造する。まず、高圧容器の内部にペレット状のブロック共重合体(原料ペレット)と、金属錯体とを収容し、そこへ加圧二酸化炭素を導入する。加圧二酸化炭素の導入後、高圧容器内部を一定時間、加圧状態に保持する。金属微粒子は加圧二酸化炭素に溶解し、金属微粒子が溶解した加圧二酸化炭素がブロック共重合体に接触して、金属微粒子は加圧二酸化炭素と共にブロック共重合体に浸透する。これにより、ブロック共重合体に金属微粒子が分散したマスターバッチペレットが得られる。一定時間経過後、高圧容器内部の加圧二酸化炭素を容器外に排気して、マスターバッチペレットを高圧容器から取り出す。尚、バッチ処理の諸条件にも依存するが、本実施形態において、金属容器内に収容された金属微粒子のうち、ブロック共重合体(原料ペレット)へ浸透する量は、仕込み量の20〜90%であり、全ての金属微粒子がブロック共重合体へ浸透するわけではない。しかし、ブロック共重合体へ浸透しない金属微粒子は、加圧二酸化炭素と共に高圧容器外に排気され、加圧二酸化炭素と分離することで回収が可能である。
マスターバッチペレットの製造に用いる加圧二酸化炭素としては、液体状態、ガス状態、又は超臨界状態の加圧二酸化炭素を用いることができる。これらの加圧二酸化炭素は、人体に無害であり、またブロック共重合体への拡散性に優れ、しかもブロック共重合体から容易に除去可能である。高圧容器へ導入する加圧二酸化炭素の圧力、温度は任意であるが、密度が高く安定であることから液体二酸化炭素又は超臨界二酸化炭素を用いることが好ましい。加圧二酸化炭素の温度は5℃〜50℃の範囲が好ましい。加圧二酸化炭素の温度は、低いほど高密度となり溶媒効果が高くなるので好ましいが、冷却制御が容易であるという観点から5℃以上が好ましい。また、加圧二酸化炭素の温度が高くなると密度が低くなり液送が不安定になる虞があるので、安定に液送するという観点から、50℃以下が好ましい。加圧二酸化炭素の圧力は、4〜25MPaの範囲が望ましい。圧力が低いと溶媒効果が発現しにくくなるので、適度な溶媒効果を得るという観点から、4MPa以上が好ましく、また、圧力が高いと高圧設備の維持にコストが係るので、コストを抑えるという観点から、25MPa以下が好ましい。尚、金属微粒子を溶解又は分散させた加圧二酸化炭素は、温度及び圧力が変動し易い。よって、上述の加圧二酸化炭素の状態、温度及び圧力は、高圧容器に導入する前の安定な状態の加圧二酸化炭素の状態、圧力及び温度の値である。
本実施形態において、加圧流体の導入後、高圧容器内部を加圧状態に保持する時間は、ブロック共重合体の種類、金属微粒子の種類等を考慮して任意に決定できるが、例えば、10分〜120分が好ましい。
マスターバッチペレット中の金属微粒子の含有量は任意であり、金属微粒子の種類、ブロック共重合体の種類、成形体の使用用途等を考慮して適宜決定できるが、コストとメッキ反応性の観点から、例えば、10〜2000重量ppmが好ましいく、50〜500重量ppmがより好ましい。
以上説明したように、本実施形態では、加圧容器を用いたバッチ処理によりマスターバッチペレットを製造するが、マスターバッチペレットは、加圧二酸化炭素を用いる他の方法により製造されてもよい。加圧二酸化炭素を用いる他の方法としては、例えば、次のような方法がある。まず、押出成形機の可塑化シリンダ内でブロック共重合体を可塑化溶融し、その可塑化シリンダへ金属微粒子が溶解した加圧二酸化炭素(混合加圧流体)を導入し、可塑化シリンダ内でブロック共重合体と、混合加圧流体とを混合する。そして、金属微粒子を混合したブロック共重合体を押出成形した後、粉砕し、金属微粒子の混合したブロック共重合体から形成されるマスターバッチペレットを得る。
<成形体の成形>
次に、製造したマスターバッチペレットと脂肪族ポリアミドから成形体を成形する。脂肪族ポリアミドは、第1の実施形態で用いたものと同様のものを用いることができる。
脂肪族ポリアミド(ベース樹脂)とマスターバッチペレットの混合割合は、マスターバッチペレット中の金属微粒子の含有量を考慮して、適宜決定できる。例えば、マスターバッチペレットの割合は、成形体の全重量に対して1〜30重量%が好ましく、1〜15重量%がより好ましい。マスターバッチペレットの割合が、1重量%以上であると、メッキ液の浸透性やメッキ反応性を十分に高められ、30重量%以下であれば、成形体の耐熱性や機械強度等の物性を大きく損なうことがない。
本実施形態の成形体の成形方法は、特に限定されない。例えば、脂肪族ポリアミド及びマスターバッチペレットに、必要に応じてその他汎用の添加剤を加えた材料を汎用の射出成形、押出成形等により成形して、成形体を得てもよい。
得られた成形体中の金属微粒子は、粒子径が10nm以下のナノ粒子が好ましい。粒子径が10nm以下のナノ粒子は、表面積が大きく触媒活性が高いため、低濃度の触媒で安定にメッキ膜が形成でき、低コスト化が可能となる。また成形体中に金属微粒子は、1〜50重量ppm含まれることが好ましく、5〜20重量ppm含まれることが更に好ましい。成形体中の金属微粒子の含有量は、成形体の一部を有機溶媒に溶解し、ICP(誘導結合プラズマ、Inductively Coupled Plasma)発光分析法を用いてPt等の金属量を測定することで求められる。金属微粒子の含有量が少ない場合には、ICP−MS(誘導結合プラズマ質量分析計)を用いてPt等の金属量を測定できる。
<メッキ前処理及び無電解メッキ>
メッキ前処理及び無電解メッキは、第1の実施形態と同様に行う。即ち、無電解メッキ触媒の付与(図1のステップS2)、成形体の膨潤処理及び洗浄(同、ステップS3)を含むメッキ前処理を行った後、成形体に無電解メッキ液を接触させて、メッキ膜を形成する(同、ステップS4)。更に、第1の実施形態と同様に、成形体の用途及び意匠性向上等の目的から、無電解メッキにより形成したメッキ膜上に、更に、電解銅メッキ、電解ニッケルメッキ及び電解三価クロムメッキ等のメッキ膜を積層してもよい。
本実施形態の成形体中に含まれるブロック共重合体は、成形体の成形過程、又は成形後において成形体表面に向って金属微粒子を伴って移動し、金属微粒子と共に成形体の表面近傍に偏析する傾向がある。本実施形態では、成形体の外側から無電解メッキ触媒である塩化パラジウムの付与を行うが、成形体の表面近傍に無電解メッキ触媒として機能する金属微粒子を含有することで、成形体のメッキ反応性が更に向上し、より密着強度が高く且つ外観特性に優れたメッキ膜を得られる。特に、成形体の形状が複雑な場合、外部から吸着する塩化パラジウムの量にムラができる虞もある。このような場合であっても、本実施形態では、成形体内に金属微粒子が存在するために、メッキ反応にムラが生じずに均一なメッキ膜を形成できる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例及び比較例により制限されない。
[予備実験]
以下に説明するメッキ前処理方法の異なる2つの試料、試料A及びBを作製し、それぞれの成形体の表面近傍におけるパラジウム濃度を測定した。
(1)試料A及びBの作製
まず、脂肪族ポリアミドの樹脂ペレットを汎用の発泡射出成形機(日本製鋼所製、J180AD−2M)を用いて、汎用の成形方法により、6cm×4cm×0.2cmの平板形状の成形体を成形した。本成形では、物理発泡剤を用いず、溶融樹脂の金型への樹脂充填率を金型キャビティの容積に対して100%に設定し、成形体を成形した。脂肪族ポリアミドとしては、酸化カルシウム、二酸化ケイ素を含むミネラルであるワラストナイトを40重量%混合したミネラル強化ナイロン6(東洋紡製、T777‐02)を用いた。尚、本予備実験で成形した成形体は、後述する実施例1で成形した成形体と同様である。
(2)メッキ前処理
得られた成形体に以下方法によりメッキ前処理を施し、試料A及びBを得た。
<試料A>
30℃の無電解メッキ触媒液に成形体を30秒間浸漬した。無電解メッキ触媒液としては、塩化パラジウムが17mg/L含有された2.7Nの塩酸を用いた。浸漬後、成形体を純水で洗浄した。次に、成形体の膨潤処理及び洗浄として、70℃の純水に、成形体を1分間浸漬した。成形体を純水から取り出して乾燥し、試料Aを得た。
<試料B>
無電解メッキ触媒液中の塩化パラジウムの濃度を83mg/Lとした以外は、試料Aと同様のメッキ前処理を行った。純水への浸漬後、成形体を純水から取り出して乾燥し、試料Bを得た。
(3)パラジウム濃度の測定
試料A及びBそれぞれの表面の所定面積において、表面から100μmの厚さの樹脂を機械的に削り取り、削り取った樹脂中に含まれているパラジウム重量を求めて所定面積で除し、単位面積当たりのパラジウム重量(パラジウム濃度)を求めた。削り取った樹脂中に含まれているパラジウム重量は、削り取った樹脂の重量を測定した後、溶解処理し、ICP(誘導結合プラズマ、Inductively Coupled Plasma)発光分析法により計測した。
試料A及びBの表面近傍におけるパラジウム濃度は、それぞれ、0.012mg/dm及び0.039mg/dmであった。本予備実験の結果から、脂肪族ポリアミドを含む成形体に、メッキ前処理として塩化パラジウム及び塩酸を含む無電解メッキ触媒液を接触させ、更に成形体の膨潤処理及び洗浄を行うことにより、成形体の表面近傍におけるパラジウム濃度を0.01mg/dm〜0.1mg/dmの範囲に調整可能であることが確認できた。また、試料Aと比較して、無電解メッキ触媒液中の塩化パラジウム濃度が高い試料Bの方が、表面近傍におけるパラジウム濃度が高かった。この結果から、無電解メッキ触媒液中の塩化パラジウム濃度等のメッキ前処理条件を調整することにより、成形体の表面近傍におけるパラジウム濃度を制御可能であることが確認できた。
[実施例1]
本実施例では、まず、脂肪族ポリアミドを含む成形体を成形し、得られた成形体にメッキ前処理及びメッキ処理を施してメッキ成形体を製造した。
(1)成形体の成形
脂肪族ポリアミドとして、酸化カルシウム、二酸化ケイ素を含むミネラルであるワラストナイトを40重量%混合したミネラル強化ナイロン6(東洋紡製、T777‐02)を用いた。脂肪族ポリアミドの樹脂ペレットを汎用の発泡射出成形機(日本製鋼所製、J180AD−2M)を用いて、汎用の成形方法により、6cm×4cm×0.2cmの平板形状の成形体を成形した。本実施例では、物理発泡剤を用いず、溶融樹脂の金型への樹脂充填率を金型キャビティの容積に対して100%に設定し、成形体を成形した。尚、得られた成形体は、上述した予備実験で成形した成形体と同様のものである。
(2)メッキ前処理
(a)無電解メッキ触媒の付与
30℃の無電解メッキ触媒液に成形体を30秒間浸漬した。無電解メッキ触媒液としては、塩化パラジウムが17mg/L含有された2.7Nの塩酸を用いた。無電解メッキ触媒液から取り出した後、成形体を純水で洗浄した。
(b)膨潤処理及び洗浄
次に、70℃の純水に成形体を1分間浸漬した。
(3)メッキ処理
メッキ前処理を行った成形体を70℃の酸性の無電解ニッケルリンメッキ液(奥野製薬工業社製、トップニコロンHMA−LF)に5分間浸漬し、膜厚1μmの無電解ニッケルリンメッキ膜を形成した。
ニッケルリンメッキ膜を形成した直後に、スルファミン酸ニッケルを主体とした55℃のスルファミン酸ニッケル浴(奥野製薬工業製)に成形体を浸漬し電解メッキをすることにより、ニッケルリンメッキ膜上に膜厚1μmの電解ストライクメッキ膜を形成した。酸化し易いニッケルリンメッキ膜を形成直後に電解ストライクメッキ膜で被覆することにより、ニッケルリンメッキ膜とその直上の電解ストライクメッキ膜との密着性を保つことができた。また、スルファミン酸ニッケル浴を用いて形成するメッキ膜は内部応力が極めて低いため、応力による成形体とメッキ膜との密着強度の低下を抑制できた。
次に、ストライクメッキを行った成形体上に、汎用の電解メッキ法により20μmの電解銅メッキ膜を形成した。電解銅メッキ液には、硫酸銅、硫酸、塩酸及び光沢剤(奥野製薬工業製、トップルチナ2000)を含有する硫酸銅浴を使用し、浴温度は30℃、電流密度は3A/dmとした。更に、電解銅メッキ膜上に、汎用の方法により、20μmの電解ニッケルメッキ膜を形成した。電解ニッケルメッキ液には、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、ホウ酸及び光沢剤を含有するワット浴を使用し、浴温度は55℃、電流密度は3A/dmとした。
次に、電解ニッケルメッキを行った成形体上に、膜厚0.2μmの電解3価クロムメッキ膜を形成した。電解3価クロムメッキには、硫酸クロム(3価クロム塩)を主成分としたクロムメッキ添加剤(奥野製薬工業製、トップファインクロム)を用いた。以上説明したメッキ前処理及びメッキ処理により、6価クロムを一切使用せずに、メッキ成形体を製造した。
[実施例2]
本実施例では、成形体の膨潤処理及び洗浄として、処理槽に投げ込みタイプの超音波振動子(BRANSON製)を設置し、処理槽内で温度70℃の純水に浸漬させた状態の成形体に周波数40KHz、強度150W(定格出力250Wの60%)の超音波を30秒間照射した。それ以外は、実施例1と同様の方法によりメッキ成形体を製造した。
[実施例3]
本実施例では、まず、親水性セグメントを含むブロック共重合体と、金属微粒子とを含有するマスターバッチペレットを製造し、次に、汎用の射出成形機を用いて、マスターバッチペレットと脂肪族ポリアミドを含む成形体を成形した。そして、成形した成形体上に、実施例1と同様のメッキ前処理及びメッキ処理を施してメッキ成形体を製造した。
(1)マスターバッチペレットの製造
マスターバッチペレットに含有されるブロック共重合体として、ポリエチレンオキシドとポリアミド成分をエステル結合させたポリエーテルエステルアミドブロック共重合体(三洋化成工業製、ペレスタットNC6321)を、金属微粒子として、有機金属錯体であるヘキサフルオロアセチルアセトナトパラジウム(II)金属錯体を用いた。ポリエーテルエステルアミドブロック共重合体における親水性セグメントは、ポリエーテルであるポリエチレンオキシドである。
国際公開第2013/129659号に開示される方法によって、マスターバッチペレットを製造した。まず、押出成形機を用いて、可塑化溶融したブロック共重合体に、金属微粒子が溶解した加圧二酸化炭素を混合し、混合物を押出成形した。成形した押出成形体を粉砕してマスターバッチペレットを製造した。マスターバッチペレット中の金属微粒子の含有量は、500重量ppmであった。
(2)成形体の成形
マスターバッチペレットと、実施例1で用いた脂肪族ポリアミドの樹脂ペレットとを重量比5:95で混合し、実施例1で用いた汎用の発泡射出成形機を用いて、汎用の成形方法により、6cm×4cm×0.2cmの平板形状の成形体を成形した。本実施例では、物理発泡剤を用いず、溶融樹脂の金型への樹脂充填率を金型キャビティの容積に対して100%に設定し、成形体を成形した。
(3)メッキ前処理及びメッキ処理
実施例1と同様の方法により、メッキ前処理及びメッキ処理を行い、メッキ成形体を製造した。
[比較例1]
本比較例では、メッキ前処理として、以下に説明する汎用の処理(キャタリスト−アクセレレータ法)を行った以外は、実施例1と同様の方法によりメッキ成形体を製造した。
(1)メッキ前処理
実施例1と同様の方法により成形した成形体を30℃の2.7N塩酸に30秒間浸漬し、次に40℃のTNキャタリスト(奥野製薬工業製)に2分間浸漬し、更にその後、40℃のアクセレレータ(濃硫酸、35mL/L)に2分間浸漬した。尚、各液に浸漬後は、室温(30℃)の純水により成形体を洗浄した。
(2)メッキ処理
実施例1と同様の方法によりメッキ処理を行い、メッキ成形体を製造した。
[メッキ成形体の評価]
実施例1〜3及び比較例1で製造したメッキ成形体について、以下の(1)及び(2)の評価項目について評価を行った。
(1)メッキ膜の外観の評価
メッキ膜の外観を目視にて観察し、以下の評価基準に従って評価した。結果を表1に示す。

メッキ膜の外観の評価基準:
○:無電解メッキ膜の膨れ、ひび割れ及び膜抜けのいずれも発生しなかった。
×:無電解メッキ膜の膨れ、ひび割れ又は膜抜けのいずれかが発生した。
(2)メッキ膜の密着強度
実施例1〜3及び比較例1で製造したメッキ成形体とは別に、密着強度測定用の試料を作製し、メッキ膜の密着強度を測定した。密着強度測定用の試料は、実施例1〜3及び比較例1それぞれにおいて、成形体上に形成した無電解ニッケルリンメッキ膜上に、50μmの電解銅メッキ膜を形成して作製した。
密着強度測定用の試料において、引っ張り試験機(島津製作所社製,AGS−100N)を用いて、JIS H8630に準拠し、角度90°、速度25mm/分の条件で、試料表面において長さ40mmに亘り、メッキ膜を試料からから引き剥がすときの力を測定し、密着強度とした。結果を表1に示す。
Figure 2017036486
表1に示すように、メッキ前処理として、塩化パラジウム及び塩酸を含む無電解メッキ触媒液を成形体に接触させ、更に、膨潤処理及び洗浄を行った実施例1〜3では、メッキ膜の外観の評価結果が良好であり、メッキ膜の密着強度も15N/cmと高かった。一方、汎用のメッキ前処理を行った比較例1では、メッキ膜の一部に膜抜けが発生したためメッキ膜の外観の評価結果が不良であり、メッキ膜の密着強度が5N/cmと低かった。
本発明のメッキ成形体の製造方法は、高い密着強度を有すると共に、外観特性にも優れるメッキ膜を有するメッキ成形体を製造できる。したがって、本発明により製造されるメッキ成形体は、高い耐久性が要求される装飾用途にも対応可能である。

Claims (16)

  1. メッキ成形体の製造方法であって、
    脂肪族ポリアミドを含む成形体を用意することと、
    前記成形体に、塩化パラジウム及び塩酸を含む無電解メッキ触媒液を接触させることと、
    前記無電解メッキ触媒液を接触させた成形体に膨潤処理を施すことと、
    前記無電解メッキ触媒液を接触させた成形体を洗浄して、前記成形体の表面近傍におけるパラジウム濃度を0.01mg/dm〜0.1mg/dmとすることと、
    前記膨潤処理及び洗浄した成形体に無電解メッキ液を接触させて、メッキ膜を形成することとを含む製造方法。
  2. 前記成形体の膨潤処理と洗浄とを同一の工程において行うことを特徴とする請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記成形体を洗浄して、前記成形体の表面近傍におけるパラジウム濃度を0.01mg/dm〜0.05mg/dmとすることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記脂肪族ポリアミドが、ナイロン6又はナイロン66であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 前記成形体が、親水性セグメントを更に含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の製造方法。
  6. 前記成形体が、金属微粒子を更に含むことを特徴とする請求項5に記載の製造方法。
  7. 前記無電解メッキ触媒液中の塩酸の濃度が、1.0N〜4.0Nであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の製造方法。
  8. 前記無電解メッキ触媒液中の塩化パラジウムの濃度が、5mg/L〜150mg/Lであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の製造方法。
  9. 前記成形体の膨潤処理及び/又は洗浄として、前記脂肪族ポリアミドのガラス転移点以上の温度の水に前記成形体を接触させることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の製造方法。
  10. 前記成形体に接触させる水の温度が、50〜90℃であることを特徴とする請求項9に記載の製造方法。
  11. 前記無電解メッキ液が、無電解ニッケルリンメッキ液であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の製造方法。
  12. 前記無電解ニッケルリンメッキ液の温度が、50℃〜80℃であることを特徴とする請求項11に記載の製造方法。
  13. 前記無電解ニッケルリンメッキ液が酸性であることを特徴とする請求項11又は12に記載の製造方法。
  14. 前記無電解ニッケルリンメッキ液のpHが4.0〜6.0であることを特徴とする請求項11〜13のいずれか一項に記載の製造方法。
  15. 前記成形体に超音波を照射することを更に含むことを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の製造方法。
  16. 前記成形体の膨潤処理中又は膨潤処理の後に、前記成形体に超音波を照射することを特徴とする請求項15に記載の製造方法。
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