JP2017036411A - グラフェン量子ドット発光体の製造方法 - Google Patents

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昌宏 植田
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Abstract

【課題】高い量子収率を示し、発光スペクトルの半値幅の狭い狭帯発光し、優れたグラフェン量子ドットを高収率で再現性良く簡便に合成できる新規な手法を提供する。【解決手段】本発明のGQDの製造方法は、 液体ヘテロ原子含有化合物又はヘテロ原子含有化合物を溶解若しくは分散させた液に均一または不均一の貴金属触媒または半導体触媒を添加して加熱することを特徴とする。前記貴金属触媒が、Pt、Pd、Ir、Rh、Ru及びRe、並びにPt、Pd、Ir、Rh、Ru及びReのイオン、並びにPt、Pd、Ir、Rh、Ru及びReと遷移金属との合金、のうちのいずれかであり、前記半導体触媒が、Si、Ge及びSn並びにSi、Ge及びSnの酸化物のうちのいずれかである。【選択図】 図1

Description

本発明は、発光特性に優れ、かつ、耐久性の高いグラフェン量子ドット(以降、「GQD」と略記することがある。)発光体の製造方法に関するものである。
特定の波長を吸収し蛍光を発する発光体の一つにグラフェン等の炭素材料が構成成分とされる炭素系発光体が挙げられる。中でも、炭素系発光体で近年注目を集めているGQDは、他の発光体に比較して、安全性、価格、さらには、化学的安定性における優位性が期待されている。しかしながら、優れた発光特性を有するGQDを、高収率で再現性良く製造できる手法は確立されておらず、優れた発光特性を有するGQDの高収率で再現性の良い製法が切望されている。
既存の製法は、トップダウン法とボトムアップ法の2種類に大別される(非特許文献4)。
トップダウン法は、原料の黒鉛や炭素繊維に酸化剤を作用させて、酸化グラフェンとして微粒子(微ディスク)を切り出した後、切り出した酸化グラフェン微粒子(微ディスク)をそのまま、または、還元してGQDに仕上げる手法である(非特許文献1〜10、特許文献1〜5)。
トップダウン法は、量産も可能な手法であるが、狭帯域発光(シャープな発光)が難しく、工業的に通用する発光特性を備えたGQDは本手法では作製されていない。酸化グラフェンを、均一な粒子径(ディスク径)に切り出せる酸化剤や反応条件を、または、均一な粒子径(ディスク径)の酸化グラフェンを分離できる分取技術を見出すことが困難なためと考えられる。原料の炭素材料からリソグラフィーの手法で均一な狙いのサイズのナノ粒子(ナノディスク)を切り出す手法が知られてはいるが、得量を期待できる手法ではない(非特許文献6)。
他方のボトムアップ法は、低分子量の糖類やアミノ酸類を原料に縮合を繰り返しながらグラフェン量子ドットを作製する手法である。生成物に適切なドープを施すことで極めて高い量子収率を示すGQDがシステインを原料に焼成する乾式法で作製されているものの残念ながら収率は極めて低い(非特許文献2)。
また、ボトムアップ法において、湿式法でGQD製造する方法が非特許文献3に開示されているが、得量や収率は低く、さらに、再現性にも問題を有している。
特開2013−023670号公報 特開2013−006732号公報 特開2012−136567号公報 特開2012−136566号公報 特開2014−133685号公報
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本発明が解決しようとする課題は、発光スペクトルの半値幅の狭い狭帯域発光する、優れたGQDを高収率で再現性良く簡便に合成できる新規な手法を提供することである。
湿式のボトムアップ法において、溶液中に適切な触媒を添加して、加温することで上記課題を解決した。すなわち、本発明は、以下の技術的手段から構成される。
〔1〕 液体ヘテロ原子含有化合物又はヘテロ原子含有化合物を溶解若しくは分散させた液に均一または不均一の貴金属触媒または半導体触媒を添加して加熱することを特徴とするグラフェン量子ドット発光体の製造方法。
〔2〕 前記貴金属触媒が、Pt、Pd、Ir、Rh、Ru及びRe、並びにPt、Pd、Ir、Rh、Ru及びReのイオン、並びにPt、Pd、Ir、Rh、Ru及びReと遷移金属との合金、のうちのいずれかであることを特徴とする前記〔1〕に記載のグラフェン量子ドット発光体の製造方法。
〔3〕 前記貴金属触媒が、白金または白金合金であることを特徴とする前記〔2〕に記載のグラフェン量子ドット発光体の製造方法。
〔4〕 前記貴金属合金触媒が、磁性を持っていることを特徴とする前記〔2〕に記載のグラフェン量子ドット発光体の製造方法。
〔5〕 前記半導体触媒が、Si、Ge及びSn並びにSi、Ge及びSnの酸化物のうちのいずれかであることを特徴とする前記〔1〕に記載のグラフェン量子ドット発光体の製造方法。
〔6〕 前記ヘテロ原子含有化合物が、脂肪族炭化水素又は芳香族炭化水素にアミノ基、水酸基、アルデヒド基及びカルボキシル基からいずれかから選ばれた1個以上の官能基が導入された化合物から選ばれる1種類または複数の化合物を用いることを特徴とする前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のグラフェン量子ドット発光体の製造方法。
本発明の製造法により、様々な可視光を発光し、発光スペクトルの半値幅が狭い狭帯域発光できる優れたGQDを高収率で再現性良く簡便に製造することが可能になった。
実施例3で合成されたGQDのTEM写真を示した。 様々な波長の光で励起した実施例3で合成されたGQDの発光スペクトルを示した。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明は、ヘテロ原子含有化合物を溶解又は分散させた溶液中に、触媒を添加して加熱することを特徴とするGQDの製造方法である。効果的な触媒として貴金属、貴金属イオン、貴金属と遷移金属の合金、または第4族に属する原子からなる半導体触媒を用いるのが好ましい。
貴金属としては、Pt、Pd、Ir、Rh、Ru、Re、が挙げられる。中でもPtは優れた触媒効果を発揮する。これらの貴金属は酸化数0の金属として使用しても、正の酸化数を有するイオンの形で使用しても良い。貴金属イオンを触媒として用いる場合は、溶媒に溶解する場合は均一触媒として用いることができる。貴金属イオンを触媒としてイオンの形で使用されるものとして塩化白金酸や塩化パラジウムが挙げられる。
貴金属触媒の場合、貴金属と遷移金属の合金を用いても良い。貴金属と遷移金属の合金を触媒とする場合、Ti、V、Mn、Cr、Fe、Ni、Co、Cu、Znといった様々な遷移金属との合金が作製可能であるが、Fe、Ni、Coといった遷移金属と合金にすることで磁性を付与することもできる。磁性を付与された合金触媒は磁石を用いることで容易な回収が可能となりその扱いの簡略化に大いに貢献する。
溶媒に不溶の貴金属及び遷移金属の合金は不均一触媒として用いる。不均一触媒の場合はナノ粒子の様に粒子が微細化された場合は適切な担体に担持して使用することが勧められる。例えば、白金やパラジウムの場合、それらのナノ粒子を炭素粒子に担持した市販品を入手することもできる。
前記半導体触媒としては、第4族に属するシリコン、ゲルマニウム及び錫並びにシリコン、ゲルマニウム及び錫の酸化物を挙げることができる。前記半導体触媒の中でもシリコンは優れた触媒効果を発揮する。これらの原子は酸化数0の半導体として使用しても、正の酸化数を有する形で使用しても良い。
また溶媒に溶解する場合は均一触媒として、一方、溶媒に不溶の場合は不均一触媒として用いることができる。不均一触媒の場合はナノ粒子の様に粒子が微細化された場合は適切な担体に担持して使用することが勧められる。
本発明の原料は、酸素、窒素、硫黄、および、リンと言ったヘテロ原子を含有している化合物であれば良いが、中でも炭化水素系化合物、糖類、アミノ酸類、といった安全かつ安価な原料を、低分子量から高分子量まで幅広く選択できる。
また、本発明に用いる原料は、常圧での沸点が反応温度以上であって、反応後の後処理で残存原料を留去しやすい原料が好ましい。
本発明に用いることができる代表的な原料を以下に記載する。
ヘテロ原子を含有している脂肪族または脂環式炭化水素系化合物としては、炭素数が数個から十数個の間で、ヘテロ原子を、アミノ基、水酸基、アルデヒド基、カルボキシル基といった官能基として含有する化合物が選択される。
例えば、オクチルアミン、ドデシル(ラウリル)アミン、オレイルアミン、といった炭化水素系アミノ化合物、オクチルアルコールの様な炭化水素系アルコール類、ドデシル(ラウリル)アルデヒドの様な炭化水素系アルデヒド類、オレイン酸の様な炭化水素系酸類といった化合物が挙げられる。さらに、ピペラジン、ピペリジン、モルホリン、ジオキサン、テトラヒドロフラン、スルホランといったヘテロ原子を含んだ脂環式化合物も挙げることができる。
ヘテロ原子を含有している芳香族炭化水素としては、ベンゼン環が1〜3個程度で、ヘテロ原子を、アミノ基、ヒドロキシル基、アルデヒド基、カルボキシル基といった官能基として含有する化合物が選択される。例えば、フェノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、ナフチルアルコール、といった芳香族系アルコール、アニリンの様な芳香族系アミノ化合物、ベンズアルデヒドの様な芳香族系アルデヒド類、安息香酸の様な芳香族系酸類といった化合物が挙げられる。さらに、ピリジン、イミダゾール、フラン、チオフェンといったヘテロ原子を含んだ複素環で成る化合物も挙げることができる。
本発明に用いる原料であるヘテロ原子含有化合物として、アミノ酸、糖類、アルコール類及びその他のヘテロ原子含有化合物を用いることもできる。
アミノ酸としては、グリシン、アラニン、セリン、リジン、アルギニン、アスコルビン酸、システイン、オルニチン、プロリンといった必須アミノ酸を始めとする様々なアミノ酸が挙げられる。
糖類としては、グルコース、マンノース、ガラクトース、キシロース(ザイロース)、グルクロン酸といった単糖類、スクロース、トレハロース、ラクトース、イノシン酸といった2糖類、デキストリン、澱粉、アルギン酸、セルロース、ヘミセルロース、ペクチンといった多糖類が挙げられる。グルコサミンやガラクトサミンやキトサンの様な窒素含有糖類や、ヘパリンやコンドロイチン硫酸の様な硫黄含有糖も挙げられる。DNAやRNAといった核酸も窒素や燐含有糖類として挙げることができる。核酸を構成する核酸塩基もまた優れた原料として挙げられる。
アルコール類、アルデヒド類、および、酸類としては、上記の肪族族または脂環式炭化水素系化合物、または、芳香族炭化水素で例示したものがある。
その他のヘテロ原子含有化合物としては、エチレングリコールやプロピレングリコールの様なグリコール類、エチルセロソルブの様にエーテル結合と水酸基が混じったセロソルブ類、蓚酸、マロン酸の様な多価カルボン酸、クエン酸、酒石酸、イタコン酸、乳酸の様な水酸基とカルボキシル基が混じった化合物、エタノールアミンの様な水酸基とアミノ基が混じった化合物が挙げられる。また、燐酸エステルや燐酸アミドの様な燐含有炭化水素も挙げることができる。
本発明のグラフェン量子ドット発光体の製造方法は、湿式法であり、原料を溶媒に溶解または分散し、触媒添加後、適切な反応温度で適切な時間で反応を行う。使用する溶媒の常圧での沸点を越える高温で反応を進めたい場合は、オートクレーブを使用して実施される。反応は、撹拌しながら行うのが好ましい。通常、撹拌は、撹拌子又は撹拌羽根によって撹拌される。上記のような反応により、粒子状あるいはディスク状のGQD発光体を得ることができる。
原料のヘテロ原子含有化合物の濃度は、溶液または分散液が調製できればこだわらない。しかしながら、得量をできるだけ多くしたい場合には、原料の仕込量はできるだけ多く、反応液の粘度をできるだけ抑制したい場合は、原料の仕込量はできるだけ少なくすることになる。原料の仕込みは、得量を上げたい場合は、原料の初期濃度をできるだけ高くすることが好ましい。固体の原料であれば、使用する溶媒の飽和溶液またはそれに近い状態が好ましい。液状の原料であればそのまま(ニートで)使用することが最も良い結果を得ることが多い。よって、この場合は、好ましい原料の初期の仕込み濃度は20重量%以上、好ましくは、50重量%以上、さらに好ましくは100重量%(すなわちニート)である。一方、不都合な副反応が併発するような場合は、できるだけ初期濃度を抑えることで収率を上げることが期待できる(もちろん得量は減少するが)。よって、この場合は、好ましい原料の初期の仕込み濃度は20重量%以下、好ましくは、5重量%以上、さらに好ましくは1量%以下である。
原料のヘテロ原子含有化合物を溶解又は分散させる溶媒には、親水性の溶媒又は疎水性の溶媒の溶媒を用いることができる。親水性の溶媒としては、水をはじめとしてDMSO、DMF、DMA、NMP、HMPA、アセトニトリル、および、アセトン等の他、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール等のアルコール類や、エチレングリコールおよびトリエチレングリコール等のグリコール類、エチルセロソルブおよびメチルセロソロロソルブ等のセロソルブ類、グリセリン、ペンタエリスリトール等も挙げられる。
疎水性の溶媒としては、THF、酢酸エチル、酢酸ブチル、ベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、へプタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等が挙げられる。
ただし、貴金属触媒を用いる場合は、発火・爆発の危険が付き纏うため、可能であれば水を溶媒に使用することが勧められる。やむおえず有機溶媒を使用せねばならない場合は、反応容器内を十分脱酸素(すなわち不活性ガス置換)しておかねばならない。反応後の反応液の後処理においても、発火・爆発を避けるには貴金属触媒が空気雰囲気で有機溶媒の蒸気に晒されないに厳重に操作を管理せねばならない。
本発明の反応は、以下のような条件で行われる。
反応温度は使用する溶媒の沸点によるが、室温〜250℃程度、好ましくは、60〜200℃程度、さらに好ましくは、100〜150℃程度である。オートクレーブを使用することで、常圧での沸点以上に反応温度を上げることもできる。例えば、水を溶媒に選択する場合も、オートクレーブで反応させることで200℃程度の反応温度は容易に達成される。 通常水浴やオイルバスで加熱するが、マイクロウェーブで加熱することもできる。例えば水を溶媒にして反応を行う場合、水浴やオイルバスで加熱した場合に比較して短時間で生成物を得ることもある。
反応時間は、1分〜10日程度、好ましくは、10分〜2日程度で、さらに好ましくは、30時間〜半日程度である。また、反応は適切に撹拌して実施することが好ましく、固体触媒が砕けない範囲で、撹拌速度を上げると良い結果が得られる。10〜500rpm程度、好ましくは、50〜300rpm程度、さらに好ましくは。50〜300rpm程度である。反応が終了した生成物は、必要があれば以下のような操作によって精製される。
まず、反応が終了した反応液を濾紙やフィルターで濾過して塵埃を除去後、濾液を透析や限外濾過で低分子量の不純物を除去し、その後、遠心分離で高分子量体の不純物を除去する。さらに高純度に生成する場合は、カラム精製を実施する。
透析の操作は次の様に行う。反応終了後の反応液を透析膜に注入し、水等の溶媒中に浸漬し浸透圧を利用して不純物を膜外に移行させる。使用する透析膜の細孔径に応じた精製が可能となる。細孔径が細かい透析膜の場合、GQDが透析膜の外に漏れる恐れが低くなる一方、不純物の除去に長時間要する。細孔径の大きな透析膜の場合、GQDが透析膜の外に漏れる恐れがあるものの、不純物の除去は短時間に達成できる。一方、限外濾過の場合、細孔の小さな限外濾過膜を用いた場合も、適切に加圧することで所要時間を短くすることができる点で好ましい。ただし透析や限外濾過が使用できるのは、溶媒が水かメタノールかエタノールといった溶媒の時に限られることに留意したい。その後の遠心分離等で高分子量の不純物の除去は、遠心分離器の回転数を制御することによって行うことができる。
さらに高純度に生成する場合は、カラム精製を実施する。充填剤としては、順相逆相いずれも使用可能である。順相充填材としては、各種粒径のシリカ粒子やアルミナ粒子が選択できる。一方、逆相充填剤の場合は、長鎖アルキル基で表面修飾したシリカ粒子が使用できる。また、カラム精製中に加圧するフラッシュカラム精製も時間短縮の点で都合良い。
以下、実施例を示すが、本発明の効果は、これらに限られるものではない。
〔実施例1〕
30重量%の白金ニッケル合金(白金:ニッケル=1:3(モル:モル))微粒子を担持した炭素粒子を0.1gを仕込んだ冷却器を備えた丸底フラスコ内を十分減圧しアルゴンで置換することで脱酸素を行った。 その後、ベンジルアルコール10gをシュレンク・システムで雰囲気の空気がフラスコ内に混入しないように注意深く仕込んだ。続いてオイルバスで加熱し、反応液を間欠的にサンプリングしながらGQDの生成を反応液の蛍光を測定しながら追跡し、蛍光強度が一定になったところを反応の終点とした。反応液の蛍光が最大になった時点における発光スペクトルのピーク波長と半値幅を表1に記載した。反応終了後の反応液から磁石を使用して上記の貴金属を含有した合金微粒子触媒を担持した炭素粒子を回収した。触媒を除去した反応終了後の反応液を細孔サイズ0.45μPTFE製フィルター(ミリポア社製)で濾過し得られた濾液をロータリーエバポレーターで濃縮乾燥した。得られた固形分を、真空乾燥機(5Tollx60℃x1日)でさらに乾燥し粗製GQDを得た。得られた粗製GQDの収率を表1に記載した。粗製GQDは、さらに、前記した方法により精製を加えることで高純度化が可能である。
〔実施例2〕
ベンジルアルコールに代えてオクチルアミン10gを使用した以外は実施例1と同様にして行った。
〔実施例3〕
白金ニッケル合金微粒子を担持した炭素粒子に代えて粒子径1〜10μのシリコン粒子0.1gを使用し、反応終了後の反応液を細孔サイズ0.45μPTFE製フィルター(ミリポア社製)で濾過し、磁石を用いることなく反応後触媒を回収した以外は実施例1と同様にして行った。
図1に、実施例3で合成されたGQDのTEM写真を示す。生成したGQDは、平均粒径約4nmで、約2nmから約6nmの粒径分布を持っていた。
図2に、実施例3で合成されたGQDの蛍光スペクトルを示した。発光スペクトルは450nmで励起した場合、530nmにピークを持つ緑色の光であることを示すと共に、半値幅約100nmの比較的狭帯域発光していることが見て取れる。すなわち青色LED(ピーク波長約450nm)で励起した場合、上質な緑発光が得られることを意味する。また、他の波長、例えば、365nm、400nm、500nm、550nm励起した場合、各々異なるピーク波長の発光を得られることが見て取れる。
〔実施例4〕
白金ニッケル合金微粒子を担持した炭素粒子に代えて塩化白金酸水和物30mgを使用した以外は実施例3と同様にして行った。この場合、触媒として用いた塩化白金酸やその変成物を含んだ状態で粗製GQDを得た。
〔実施例5〕
白金ニッケル合金微粒子を担持した炭素粒子に代えて10重量%パラジウム微粒子担持炭素粒子0.3gを使用した以外は実施例3と同様にして行った。
〔実施例6〕
未使用の30重量%の白金ニッケル合金(白金:ニッケル=1:3 モル:モル)微粒子を担持した炭素粒子に代えて、実施例1で使用後、磁石を用いて回収し、ヘキサン続いてエタノールで十分洗浄し濾別後乾燥することで再生した30重量%の白金ニッケル合金微粒子を担持した炭素粒子を使用した以外は実施例1と同様にして行った。
〔実施例7〕
ベンジルアルコールに代えて、アルギン酸の5重量%水溶液を使用した以外は実施例1と同様にして行った。
〔比較例1〕
白金ニッケル合金微粒子を担持した炭素粒子を使用しない以外は、実施例1と同様にして行った。
〔比較例2〕
白金ニッケル合金微粒子を担持した炭素粒子を使用しない以外は、実施例2と同様にして行った。
表1には、実施例1から6ならびに比較例1および2で得られたGQDの発光特性と収率を一覧した。発光特性として、450nmの光で励起した場合の発光スペクトルのピーク波長および半値幅を記載した。
全実施例で良好な収率を得、100nm前後の狭帯域発光するGQDが得られた。さらに、不均一触媒系では触媒の回収が容易で、繰り返し使用も可能なことが示された。一方、比較例ではGQDは実質的に生成しなかった。
本発明の製造方法で製造されるGQDは、液晶ディスプレーや照明の光源として使用される(青色)LEDの波長変調材料や、太陽電池の変換効率の改善が期待される波長変換材料や、高性能なバイオ・プローブとして使用されることが期待される。

Claims (6)

  1. 液体ヘテロ原子含有化合物又はヘテロ原子含有化合物を溶解若しくは分散させた液に均一または不均一の貴金属触媒または半導体触媒を添加して加熱することを特徴とするグラフェン量子ドット発光体の製造方法。
  2. 前記貴金属触媒が、Pt、Pd、Ir、Rh、Ru及びRe、並びにPt、Pd、Ir、Rh、Ru及びReのイオン、並びにPt、Pd、Ir、Rh、Ru及びReと遷移金属との合金、のうちのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のグラフェン量子ドット発光体の製造方法。
  3. 前記貴金属触媒が、白金または白金合金であることを特徴とする請求項2に記載のグラフェン量子ドット発光体の製造方法。
  4. 前記貴金属合金触媒が、磁性を持っていることを特徴とする請求項2に記載のグラフェン量子ドット発光体の製造方法。
  5. 前記半導体触媒が、Si、Ge及びSn並びにSi、Ge及びSnの酸化物のうちのいずれかであることを特徴とする請求項1に記載のグラフェン量子ドット発光体の製造方法。
  6. 前記ヘテロ原子含有化合物が、脂肪族炭化水素又は芳香族炭化水素にアミノ基、水酸基、アルデヒド基及びカルボキシル基からいずれかから選ばれた1個以上の官能基が導入された化合物から選ばれる1種類または複数の化合物を用いることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のグラフェン量子ドット発光体の製造方法。
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