JP2017035045A - 金属高感度・高感受性の金属アレルギー動物モデルの樹立 - Google Patents

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Abstract

【課題】金属高感度・高感受性の金属アレルギー動物モデルの樹立法及び該樹立法により得られた動物モデルの提供、並びに可変領域と定常領域からなるタンパク質をコードする遺伝子をクローニングする方法及びクローニングに用いるクローニングベクターの提供。【解決手段】金属の投与により金属アレルギーを発症した非ヒト動物のT細胞からクローニングした金属アレルギー特異的T細胞受容体をコードする外来DNAを含む、金属アレルギートランスジェニック非ヒト動物モデル。【選択図】なし

Description

本発明は、金属高感度・高感受性の金属アレルギー動物モデルの樹立法及び得られた動物モデル、並びに該動物モデルの樹立に利用し得る可変領域と定常領域からなるタンパク質をコードする遺伝子をクローニングする方法及びクローニングに用いるクローニングベクターに関する。
従来、金属アレルギー研究は、適切な動物モデルが存在しなかったため、時系列的な病態解析や介入研究ができなかった。金属アレルギーは、T細胞が原因で起こる遅延型アレルギーであり、これまでマウスを用いて金属アレルギーモデルが作製されてはいたものの、疾患の原因となるT細胞が特定されておらず、その病態は不明であった。
従来は、野生型マウスに金属を免疫して、その炎症の測定を行っていたが、実験動物は金属の感受性が低く、従来の動物モデルは・炎症の程度が低く、金属アレルギーモデルとしての有用性は高くなかった(非特許文献1を参照)。
Sato N et al., Clin Exp Allergy,2007;37(5):743-51
本発明は、金属高感度・高感受性の金属アレルギー動物モデルの樹立法及び該樹立法により得られた動物モデルの提供を目的とする。さらに、本発明は該動物モデルの樹立に利用し得る可変領域(V領域)と定常領域(C領域)からなるタンパク質をコードする遺伝子をクローニングする方法及びクローニングに用いるクローニングベクターの提供を目的とする。
金属アレルギーや、金属炎症は、年々増加傾向にありその対策が求められていた。これまで、金属アレルギーの研究は、適切な動物モデルが存在しなかったため、ヒト末梢血を用いた解析が行われていたが、時系列的な病態解析や介入実験の必要性から、金属に対して、高感度、高感受性実験動物の樹立が求められていた。しかし、疾患の原因となるT細胞が特定できていなかったため、高感度、高感受性実験動物は作製できていなかった。
本発明者は、歯科金属で用いられているパラジウム(Pb)に反応するT細胞のT細胞受容体の可変領域のアミノ酸配列を決定することにより特異的T細胞受容体の特定を試み、T細胞受容体をクローニングすることに成功した。このT細胞受容体の遺伝子を用いて遺伝子導入マウスを作製し、金属を接種したところ、高感受性の実験動物を樹立することができた。該金属特異的T細胞受容体遺伝子導入マウスは、金属に対し、高感度、高感受性の実験動物であることを確認した。
上記のパラジウムに反応するT細胞は、パラジウムに特異的反応を有する、遺伝子が再構成されたT細胞である。理論上、T細胞受容体をコードする遺伝子の全長のクローニングは、可変領域(V領域)をコードするDNAの5'末端に結合するプライマーと定常領域(C領域)をコードするDNAの3'末端に結合するプライマーのペアを用いて行うことができる。しかしながら、この方法では遺伝子の再構成の過程で多数のバリエーションを有するようになった多数のT細胞受容体のレパートリーの中からパラジウムに特異的反応を有する特定のT細胞受容体をコードする遺伝子を標的としてクローニングすることはできない。そこで、本発明者は、クローニングに用いるベクターにあらかじめT細胞受容体の定常領域をコードするDNAを組込んでおき、該クローニングベクターに定常領域の一部及び可変領域を標的とするプライマーを用いて増幅した可変領域をコードするDNAを連結することにより、可変領域をコードするDNAと定常領域をコードするDNAをフレームシフトを生じさせることなくインフレームで連結させ、特定の塩基配列を有し特定の反応性を有するT細胞受容体の定常領域と可変領域の全長をコードする遺伝子をクローニングすることができることを見出した。このベクターを用いることにより、遺伝子が再構成され特定の特異性を有するT細胞受容体遺伝子をクローニングすることが可能になった。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[1] 金属の投与により金属アレルギーを発症した非ヒト動物のT細胞からクローニングした金属アレルギー特異的T細胞受容体をコードする外来DNAを含む、金属アレルギートランスジェニック非ヒト動物モデル。
[2] 非ヒト動物がマウスである、[1]の金属アレルギートランスジェニック非ヒト動物モデル。
[3] 金属がパラジウムである、[1]又は[2]の金属アレルギートランスジェニック非ヒト動物モデル。
[4] 金属アレルギー特異的T細胞受容体をコードする外来DNAが、T細胞受容体α鎖をコードするDNAであり、IMGT命名法によるTRAV8-1*01-TRAJ42*01であり、CDR3のアミノ酸配列がATLYSGGSNAKLT(配列番号1)で表される、[1]〜[3]のいずれかの金属アレルギートランスジェニック非ヒト動物モデル。
[5] 金属アレルギー特異的T細胞受容体をコードする外来DNAが、配列番号2に示す塩基配列からなる[1]〜[4]のいずれかの金属アレルギートランスジェニック非ヒト動物モデル。
[6] 非ヒト動物に金属を投与し金属アレルギーを発症させ、該非ヒト動物からT細胞を採取し、T細胞から金属アレルギー特異的T細胞受容体をコードするDNAをクローニングし、得られた金属アレルギー特異的T細胞受容体をコードするDNAを外来DNAとして、非ヒト動物に導入することを含む、金属アレルギートランスジェニック非ヒト動物モデルを作製する方法。
[7] 非ヒト動物がマウスである、[6]の金属アレルギートランスジェニック非ヒト動物モデルを作製する方法。
[8] 金属がパラジウムである、[6]又は[7]の金属アレルギートランスジェニック非ヒト動物モデルを作製する方法。
[9] 金属アレルギー特異的T細胞受容体をコードする外来DNAが、T細胞受容体α鎖をコードするDNAであり、IMGT命名法によるTRAV8-1*01-TRAJ42*01であり、CDR3のアミノ酸配列がATLYSGGSNAKLT(配列番号1)で表される、[6]〜[8]のいずれかの金属アレルギートランスジェニック非ヒト動物モデルを作製する方法。
[10] 金属アレルギー特異的T細胞受容体をコードする外来DNAが、配列番号2に示す塩基配列からなる[6]〜[9]のいずれかの金属アレルギー非ヒト動物モデルを作製する方法。
[11] [1]〜[5]のいずれかの金属アレルギートランスジェニック非ヒト動物モデルに、金属又は金属合金を移植し、該金属又は金属合金に対する金属アレルギー反応が誘導されるか否かを確認することを含む、金属又は金属合金のアレルギー誘導能を評価する方法。
[12] 金属又は金属合金がパラジウムを含む歯科用金属である、[11]の金属又は金属合金のアレルギー誘導能を評価する方法。
[13] アミノ酸配列に多様な変異が認められる可変領域とアミノ酸配列に変異が認められないか又は少ない定常領域が複合体を形成した状態で含むタンパク質をコードする全長DNAであって、可変領域をコードするDNAの3'末端側に定常領域をコードするDNAがインフレームで連結している全長DNAのクローニング方法であって、
(i) 前記定常領域の大部分をコードするDNAが組込まれた、定常領域をコードするDNA部分にマルチクローニングサイトを有する以下の(a)〜(e)の特徴を有するカセットベクターを調製し、
(a) マルチクローニングサイトに可変領域をコードするDNAを含むインサートDNAを挿入するための制限酵素認識配列を有し、該制限酵素認識配列は3'突出末端を形成する制限酵素の制限酵素認識配列である;
(b) 前記制限酵素認識配列は、n個の塩基からなる(nは4〜6)、3'末端側の塩基がX(Xは、A、T、G又はC)であり、制限酵素による切断後3'突出末端はn-2個の塩基からなる配列である;
(c) 前記定常領域をコードするDNAの5'末端からm番目の塩基は塩基Xであり、5'末端からm-1番目までには塩基Xは存在せず、カセットベクターに組込まれた定常領域の大部分をコードするDNAは、定常領域をコードするDNAの5'末端からm-1番目の塩基を欠いている5'末端が塩基XであるDNAであり、ここでmは1〜10である;
(d) カセットベクターに組込まれた(c)の定常領域の大部分をコードするDNAの5'末端の塩基Xの5'側に塩基を挿入することにより制限酵素認識配列を形成させる;及び
(e) 前記カセットベクター中にはマルチクローニングサイト以外に前記3'突出末端を形成する制限酵素の制限酵素認識配列は存在しない、
(ii) 可変領域をコードするDNAの5'末端から3'末端に向かった塩基配列に特異的な20〜50塩基からなるフォワードプライマー、及び定常領域をコードするDNAの5'末端側からm-1番目の塩基から5'側に向かって可変領域部分を含む塩基配列に特異的な20〜50塩基からなるリバースプライマーのプライマー対で可変領域及び定常領域の5'末端からm-1番目までの塩基を含む領域をPCRにより増幅し、前記カセットベクターに挿入するための可変領域をコードするDNAを含むインサートDNAを調製し、但し、mが1である場合は、リバースプライマーは可変領域をコードするDNAの3'末端から5’末端に向かった塩基配列に特異的なプライマーであり、
(iii) 前記カセットベクターを前記制限酵素で切断し、形成された3'突出末端を平滑化し、その結果、カセットベクター中に含まれる定常領域をコードするDNAの5'末端の塩基は塩基Xとなり、
(iv) 前記カセットベクターに(ii)で増幅した可変領域をコードするDNAを含むインサートDNAをライゲーションによりインフレームで挿入するクローニング方法。
[14] アミノ酸配列に多様な変異が認められる可変領域とアミノ酸配列に変異が認められないか又は少ない定常領域が複合体を形成した状態で含むタンパク質が、T細胞受容体、B細胞受容体又は抗体である、[13]のクローニング方法。
[15] 3'突出末端を形成する制限酵素がPstIである、[13]又は[14]のクローニング方法。
[16] カセットベクター中に、マルチクローニングサイト以外に3'突出末端を形成する制限酵素の制限酵素認識配列が存在するときに、該配列を変異させる、[13]〜[15]のいずれかのクローニング法。
[17] アミノ酸配列に多様な変異が認められる可変領域とアミノ酸配列に変異が認められないか又は少ない定常領域が複合体を形成した状態で含むタンパク質をコードする全長DNAであって、可変領域をコードするDNAの3'末端側に定常領域をコードするDNAがインフレームで連結している全長DNAのクローニングを行うためのクローニング用カセットベクターであって、前記定常領域の大部分をコードするDNAが組込まれた、定常領域をコードするDNA部分にマルチクローニングサイトを有する以下の(a)〜(e)の特徴を有するクローニング用カセットベクター:
(a) マルチクローニングサイトに可変領域をコードするDNAを含むインサートDNAを挿入するための制限酵素認識配列を有し、該制限酵素認識配列は3'突出末端を形成する制限酵素の制限酵素認識配列である;
(b) 前記制限酵素認識配列は、n個の塩基からなる(nは4〜6)、3'末端側の塩基がX(Xは、A、T、G又はC)であり、制限酵素による切断後3'突出末端はn-2個の塩基からなる配列である;
(c) 前記定常領域をコードするDNAの5'末端からm番目の塩基は塩基Xであり、5'末端からm-1番目までには塩基Xは存在せず、カセットベクターに組込まれた定常領域の大部分をコードするDNAは、定常領域をコードするDNAの5'末端からm-1番目の塩基を欠いている5'末端が塩基XであるDNAであり、ここでmは1〜10である;
(d) カセットベクターに組込まれた(c)の定常領域の大部分をコードするDNAの5'末端の塩基Xの5'側に塩基を挿入することにより制限酵素認識配列が形成されている;及び
(e) 前記カセットベクター中にはマルチクローニングサイト以外に前記3'突出末端を形成する制限酵素の制限酵素認識配列は存在しない。
[18] アミノ酸配列に多様な変異が認められる可変領域とアミノ酸配列に変異が認められないか又は少ない定常領域が複合体を形成した状態で含むタンパク質が、T細胞受容体、B細胞受容体又は抗体である、[17]のクローニング用カセットベクター。
[19] 3'突出末端を形成する制限酵素の制限酵素認識配列が、PstIの制限酵素認識配列である、[17]又は[18]のクローニング用カセットベクター。
[20] カセットベクター中にマルチクローニングサイト以外に3'突出末端を形成する制限酵素の制限酵素認識配列が存在するときに、該配列が変異させられている、[17]〜[19]のいずれかのクローニング用カセットベクター。
本発明の金属アレルギー動物モデルは、金属高感度、高感受性動物として利用でき、金属アレルギーの時系列的な病態解析が可能となる。新規金属材料の安全性試験、金属生体材料の安全性試験に利用できる。また、金属アレルギーに対する介入実験、例えば、新規薬剤による治療実験に利用できる。
さらに、あらかじめT細胞受容体の定常領域をコードするDNAを組込んでおき、該クローニングベクターに定常領域の一部及び可変領域を標的とするプライマーを用いて増幅した可変領域をコードするDNAを連結することにより、可変領域をコードするDNAと定常領域をコードするDNAをフレームシフトを生じさせることなくインフレームで連結させ、特定の塩基配列を有し特定の反応性を有するT細胞受容体の定常領域と可変領域の全長をコードする遺伝子をクローニングすることができる
金属アレルギー特異的T細胞受容体α鎖をコードするDNAの配列を示す図である。 金属アレルギー特異的T細胞受容体をコードするDNA導入マウスに用いたベクターの構造を示す図である。 T細胞受容体をコードするDNAを導入したマウスにおける、パラジウムによる金属アレルギーの誘導を示す図である。 可変領域と定常領域を有するタンパク質であるT細胞受容体をコードする全長DNAをクローニングする方法及び用いるカセットベクターの構造を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、金属高感度、高感受性動物の金属アレルギー動物モデルを樹立する方法である。本発明は、該方法により樹立した金属アレルギー動物モデルを包含する。
金属アレルギーは、金属が皮膚と接触したとき、あるいは金属が生体内に移植されたときに微量の金属が溶解しイオン化し生体内のタンパク質と結合しアレルゲンとなるために発症する。該アレルゲンは生体により異物と認識され、金属とタンパク質の結合物に対する免疫が成立する。
さらに、本発明はT細胞受容体(TCR)等の特異的レパートリーをクローニングするためのクローニングベクターを包含する。
1.金属アレルギー動物モデル
本発明の金属アレルギー動物モデルは、非ヒト動物に金属アレルギーの原因となるT細胞のT細胞受容体(TCR)をコードするDNAを導入して樹立し作製することができる。
用いる非ヒト動物は限定されないが、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、サル等の哺乳動物が好ましい。この中でも、マウスが好ましい。
金属アレルギーの原因となるT細胞のT細胞受容体をコードするDNAは、以下の方法で取得することができる。すなわち、非ヒト動物に金属を接種、移植又は投与し、アレルギーを発症させ、該アレルギー非ヒト動物のリンパ節より、T細胞を採取し、トータルmRNAを抽出精製する。次いで、トータルmRNAから逆転写酵素によりcDNAを合成し、cDNAライブラリーを作製する。作製したcDNAライブラリーについて次世代シークエンサーにより配列を決定し、T細胞受容体のレパートリーを解析する。金属アレルギー動物において出現頻度が高いT細胞受容体を金属アレルギーの原因となる特異的T細胞受容体であると判断する。金属アレルギーに関与する金属アレルギー特異的T細胞受容体を金属アレルギー病原性T細胞受容体とも呼ぶ。
次いで、T細胞受容体の全長配列をクローニングする。この際、T細胞受容体の可変領域をコードするDNAの5'末端部分に結合するプライマーとT細胞受容体の定常領域の3'末端部分に結合するプライマーを用いてT細胞受容体の全長配列を増幅し、クローニングベクターに組込み、T細胞受容体をコードする全長遺伝子のライブラリーを作製する。この全長遺伝子ライブラリーの遺伝子について、再度シークエンスする。前記のT細胞受容体のレパートリー解析で、出現頻度が高かったT細胞受容体を金属アレルギーに特異的なT細胞受容体とし、このT細胞受容体の遺伝子の配列を有するクローンを金属アレルギー特異的T細胞受容体のクローンとして選択し、このクローンのT細胞受容体遺伝子を非ヒト動物に導入する。
T細胞受容体のレパートリー解析は、例えば、IMGT/V-Questツール(http://www.imgt.org/)を利用して行うことができる。
上記の方法では、T細胞レパートリー解析により、金属アレルギー特異的T細胞受容体の配列を決定した後に、再度T細胞受容体の全長遺伝子をクローニングし、ライブラリーを作製し、その中から金属アレルギーに関与するT細胞受容体の配列を有するクローンを選択する。一方、このときに後述の特異的T細胞受容体レパートリーをクローニングするためのクローニングベクターを用いることにより、T細胞受容体のレパートリー解析で得られた金属アレルギー特異的T細胞受容体の特異的配列に基づいて、金属アレルギー特異的T細胞受容体遺伝子をクローニングすることができる。
T細胞受容体をコードするDNAはT細胞受容体のα鎖をコードするDNA及びβ鎖をコードするDNAの両方でもよいし、いずれか1つでもよい。また、T細胞受容体のγ鎖をコードするDNA及びδ鎖をコードするDNAの両方でもよいし、いずれか1つでもよい。例えば、T細胞受容体のα鎖をコードするDNAを導入することにより金属アレルギー非ヒト動物モデルを樹立することができる。
金属アレルギー特異的T細胞受容体のα鎖のクローンの例として、IMGT(登録商標)(the international ImmunoGeneTics database)の遺伝子命名法により規定されるTRAV8-1*01-TRAJ42*01が挙げられる。該クローンのCDR3のアミノ酸配列は、ATLYSGGSNAKLT(配列番号1)で表される。また、該クローンのLVDJC領域(Lはリーダー配列)をコードするDNAの塩基配列を配列番号2に示す。
このようにしてクローニングした金属アレルギー特異的T細胞受容体をコードするDNAを非ヒト動物に導入する。金属アレルギー特異的T細胞受容体をコードするDNAを導入した非ヒト動物をトランスジェニック非ヒト動物と呼ぶ。非ヒト動物への遺伝子の導入は、例えば、クローニングしたT細胞受容体をコードするDNAを発現ベクターに組込み、非ヒト動物の初期胚又は受精卵に導入する。
非ヒト動物の初期胚又は受精卵に導入するDNAは、非ヒト動物細胞中で発現可能なプロモータと連結する。発現可能なプロモータとして、例えば、ヒトCD2プロモータ、CAG(ニワトリβアクチン)プロモータ、PGK(ホスホグリセリン酸キナーゼ)プロモータ、EF1α(エロンゲーションファクター1α)プロモータなどの哺乳動物細胞由来のプロモータや、サイトメガロウイルス(CMV)プロモータ、シミアンウイルス40(SV40)プロモータ、レトロウイルスプロモータ、ポリオーマウイルスプロモータ、アデノウイルスプロモータなどのウイルスプロモータが挙げられる。また、遺伝子の発現を増強するエンハンサーを組込んでもよい。導入しようとするT細胞受容体遺伝子をプロモータと作動可能に連結し、ベクターに導入する。ベクターとしては、導入遺伝子を動物の生体内で発現誘導させることができるものであればよく、あらかじめプロモータが組込まれたベクターを用いてもよい。ベクターとしては、レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター等のウイルスベクターが好ましい。ベクターは、受精卵の前核や初期胚の囲卵腔へ注入(インジェクション)すればよい。初期胚や受精卵は、人工受精により得られたものでもよいし、自然交配により受精したものでもよい。
金属アレルギー特異的T細胞遺伝子を導入した非ヒト動物初期胚又は受精卵を非ヒト動物の仮母の子宮に移植する。仮母から産まれた非ヒト動物を金属アレルギー動物モデルとして用いることができる。
金属は、金属アレルギーを起こしやすい金属を用いればよく、そのような金属として、パラジウム、ニッケル、水銀、コバルト、スズ、クロムやそれらの合金が挙げられる。
パラジウムを非ヒト動物に投与して得られたパラジウムのアレルギーに関与する病原性T細胞は他の金属のアレルギーにも関与する可能性がある。従って、パラジウムを投与して得られた病原性T細胞のT細胞受容体をコードするDNAを導入して得られた金属アレルギー動物モデルは、パラジウムのみならず、他の金属アレルギー動物モデルとしても用いることができる可能性がある。
また、金属の種類ごとに、アレルギーに関与する病原性T細胞を得て、該T細胞のT細胞受容体をコードするDNAをクローニングし、非ヒト動物に導入することにより、アレルギーを引き起こす金属ごとに金属アレルギー動物モデルを作製することができる。例えば、パラジウムアレルギー動物モデル、ニッケルアレルギー動物モデル等を樹立することができる。
本発明の非ヒト動物金属アレルギー動物モデルは、金属のアレルギー誘導能を試験し、該金属の安全性試験に用いることができる。例えば、歯科領域では、インレー、クラウン、ブリッジ、ステント等の材料となる歯科用金属として、種々の合金が用いられ、特に金、銀及びパラジウムの合金(金銀パラジウム合金)が良く用いられている。また、合金にニッケルやコバルトが含まれる場合もある。このような歯科用金属において、パラジウム等の金属アレルギーを引き起こす金属が溶出し易い場合がある。また、同様のことが体内に埋め込む人工関節やステント等についても言える。すなわち、金属部品を含む人工関節や金属製のステント等から生体内で金属が溶出し、金属アレルギーを引き起こすことがある。
これらの生体内に移植又は埋め込む金属を本発明の金属アレルギー非ヒト動物モデルに移植し、該動物にアレルギー反応が誘導されるか否かを確認することにより、該金属を安全に生体内に移植又は埋め込むことができるかを評価することができる。例えば、マウスである金属アレルギー非ヒト動物モデルの鼠径部に金属を投与し、金属アレルギーに関与するT細胞を誘導し、さらに足蹠に前記金属を投与し、足の腫れが惹起されるか否かを観察すればよい。足の腫れが惹起された場合は、投与した金属は金属アレルギーを引き起こす可能性があると判断することができる。
2.可変領域と定常領域を有し、抗原を特異的に認識するタンパク質のレパートリーをクローニングするための発現ベクター
本発明は、アミノ酸配列に多様な変異が認められる可変領域とアミノ酸配列に変異が認められないか又は少ない定常領域が複合体を形成した状態で含む抗原を認識し得るタンパク質をコードする遺伝子をクローニングする方法及び該方法に用いるクローニングベクターを包含する。
このクローニング法及び該方法に用いるクローニングベクターは、1.の金属アレルギー特異的T細胞受容体等、特定の特異性を有し、可変領域の配列が部分的にわかっているT細胞受容体の遺伝子のクローニングに好適に用いることができる。
このようなタンパク質として、抗原を認識し得る抗体、T細胞受容体(TCR)及びB細胞受容体(BCR)等が挙げられる。抗体及びB細胞受容体は重鎖と軽鎖を含み、2本の重鎖と2本の軽鎖からなり、それぞれの鎖が可変領域(V領域)と定常領域(C領域)から構成される。また、T細胞受容体はα鎖とβ鎖、又はγ鎖とδ鎖から構成される二量体であり、それぞれの鎖が可変領域と定常領域から構成される。可変領域は複数の遺伝子断片(V(variable)領域(V遺伝子断片)、D(diversity)領域及びJ(joining)領域(β鎖、δ鎖)、あるいはV領域及びJ領域によりコードされ(α鎖、γ鎖)、遺伝子再構成を通して多数のレパートリーを有するようになる。さらに、可変領域にはCDR(complementarity determining region:相補性決定領域)と呼ばれる超可変領域が3つ存在し、これらの領域の体細胞突然変異によりさらに多数のレパートリーを有するようになる。特にCDR3領域は抗原特異性に関与しており、配列の変異が生じやすく配列の多様性が大きい。本発明の方法によれば、特定のアミノ酸配列を有する特定のレパートリーのタンパク質をコードするDNAをクローニングすることができる。
上記のように可変領域と定常領域を有するタンパク質は、遺伝子再構成が生じ、複数の断片(V、D及びJ、あるいはV及びJ)からなる可変領域と定常領域が組み合わさって連結したDNAが形成される。抗体重鎖の場合、V領域、D領域及びJ領域の再構成が、抗体軽鎖の場合V領域及びJ領域の再構成が、T細胞受容体β鎖の場合、V領域、D領域及びJ領域の再構成が、T細胞受容体α鎖の場合、V領域及びJ領域の再構成が生じる。
タンパク質が抗体の場合は、抗体産生細胞ごとに異なる遺伝子構成を有し、タンパク質がT細胞受容体又はB細胞受容体の場合は、T細胞又はB細胞ごとに異なる遺伝子構成を有する。
可変領域と定常領域を有するタンパク質をコードする全長DNAをクローニングするためには、理論的には、可変領域の5'末端部位にフォワードプライマーを設計し、定常領域の3'末端部位にリバースプライマーを設計し、PCRで増幅すればよい。しかしながら、特定の特異性を有するタンパク質をコードするDNAのクローニングを目的とした場合、この方法では、可変領域の5'末端部位の配列と定常領域の3'末端部位の配列を標的として増幅するため、変異が起こりやすい部位を標的とすることができない。このため、再構成され特定の配列を有するDNA、特にCDR3領域に特定の変異配列を有するDNAを標的として効率的にクローニングすることはできない。
本発明の方法は、定常領域をコードするDNAを予め組み込んだカセットベクターに、変異の起こりやすい部位の特定の配列に対してプライマーを設計して増幅させた可変領域をコードするDNAをフレームシフトが生じないようにインフレームでインサートすることにより、特定の特異性を有するタンパク質をコードする再構成された全長DNAのクローニングを可能にする方法である。
本発明のクローニング方法は、アミノ酸配列に多様な変異が認められる可変領域とアミノ酸配列に変異が認められないか又は少ない定常領域が複合体を形成した状態で含むタンパク質をコードする全長DNAであって、可変領域をコードするDNAの3'末端側に定常領域をコードするDNAがインフレームで連結している全長DNAのクローニング方法である。
本発明のクローニング方法は、以下の(i)〜(iv)の工程で行う。
(i) 前記定常領域の大部分をコードするDNAが組込まれた、定常領域をコードするDNA部分にマルチクローニングサイトを有する以下の(a)〜(e)の特徴を有するカセットベクターを調製する工程。
(a) マルチクローニングサイトに可変領域をコードするDNAを含むインサートDNAを挿入するための制限酵素認識配列を有し、該制限酵素認識配列は3'突出末端を形成する制限酵素の制限酵素認識配列である。
(b) 前記制限酵素認識配列は、n個の塩基からなる(nは4〜6)、3'末端側の塩基がX(Xは、A、T、G又はC)であり、制限酵素による切断後3'突出末端はn-2個の塩基からなる配列である。
(c) 前記定常領域をコードするDNAの5'末端からm番目の塩基は塩基Xであり、5'末端からm-1番目までには塩基Xは存在しない。すなわち、5'末端からm番目に最初のXが存在する。また、カセットベクターに組込まれた定常領域の大部分をコードするDNAは、定常領域をコードするDNAの5'末端からm-1番目の塩基を欠いている5'末端が塩基XであるDNAである。ここで、mは1〜10、好ましくは1〜5である。すなわち、カセットベクター中に組込んだ定常領域の大部分をコードするDNAが同時にマルチクローニングサイトとして機能する。
(d) カセットベクターに組込まれた(c)の定常領域の大部分をコードするDNAの5'末端の塩基Xの5'側に塩基を挿入することにより制限酵素認識配列を形成させる。
(e) 前記カセットベクター中にはマルチクローニングサイト以外に前記3'突出末端を形成する制限酵素の制限酵素認識配列は存在しない。
(ii) 可変領域をコードするDNAの5'末端から3'末端に向かった塩基配列に特異的な20〜50塩基、好ましくは20〜30塩基からなるフォワードプライマー、及び定常領域をコードするDNAの5'末端側からm-1番目の塩基から5'側に向かって可変領域部分、特にCDR3部分を含む塩基配列に特異的な20〜50塩基、好ましくは20〜30塩基からなるリバースプライマーのプライマー対で可変領域及び定常領域の5'末端からm-1番目までの塩基を含む領域をPCRにより増幅し、前記カセットベクターに挿入するための可変領域をコードするDNAを含むインサートDNAを調製する工程。
但し、mが1である場合は、リバースプライマーは可変領域をコードするDNAの3'末端から5’末端に向かった塩基配列に特異的なプライマーである。この際、可変領域の増幅は、可変領域のV領域(V遺伝子断片)の5'側に存在するリーダー配列(L)(シグナル配列)部分から増幅するのが好ましい。このため、フォワードプライマーはリーダー配列(L)部分に特異的なものを用いる。
(iii) 前記カセットベクターを前記制限酵素で切断し、形成された3'突出末端を平滑化する工程。
この工程を行う結果、カセットベクター中に含まれる定常領域をコードするDNAの5'末端の塩基は塩基Xとなる。
(iv) 前記カセットベクターに(ii)で増幅した可変領域をコードするDNAを含むインサートDNAをライゲーションによりインフレームで挿入する工程。
この方法において、用いる制限酵素でマルチクローニングサイト以外の部位が切断されないように、カセットベクター中にはマルチクローニングサイト以外に前記制限酵素認識配列は存在しない。カセットベクター中に固有に制限酵素認識配列が存在する場合は、該制限酵素認識配列中に変異を加え、用いる制限酵素で消化されないようにする。例えば、制限酵素認識配列の1塩基を他の塩基に置換すればよい。
定常領域の大部分をコードするDNA中に前記の制限酵素の制限酵素認識配列を人工的に形成させることにより定常領域の大部分をコードするDNAがマルチクローニングサイトとして機能する。すなわち、定常領域の大部分をコードするDNA中に固有に存在する、制限酵素認識配列の3'末端の塩基X(Xは、A,T、C又はG)の5'側に、複数の塩基を挿入し、固有に存在するXを含む形で、制限酵素認識配列を形成させればよい。
3'突出末端を形成する制限酵素として、PstI、SacI、KpnI、SphI、AstII、ApaI、BaeGI、BanII、BmtI、BsiHKAI、Bsp1286I、HaeII、NsiI、NspI、HhaI等が挙げられる。
PstIの制限酵素認識配列は、CTGCA↓G(↓は切断部位を示す)である。この場合、nは6であり、定常領域をコードするDNAの5'末端からm番目の塩基であって定常領域に固有のGを含んだ形で制限酵素認識配列を人工的に形成させる。この際、CTGCAを固有のGの5'側に付加すればよい。
また、SacIの制限酵素認識配列は、GAGCT↓Cである。この場合、nは6であり、定常領域の5'末端からm番目の塩基であって定常領域に固有のCを含んだ形で制限酵素認識配列を人工的に付加する。
他の3'突出末端を形成する制限酵素の認識配列を以下に示す。本発明の方法で用いる制限酵素の認識配列がn個の塩基からなる場合、制限酵素による切断によって、n-2個の3'突出末端が形成される。すなわち、制限酵素認識配列の切断部において5'側に残る塩基は1個である。
KpnI GGTAC↓C
SphI GCATG↓C
AstII GACGT↓C
ApaI GGGCC↓C
BaeGI GKGCM↓C
BanII GRGCY↓C
BmtI GCTAG↓C
BsiHKAI GWGCW↓C
Bsp1286I GDGCH↓C
HaeII RGCGC↓Y
NsiI ATGCA↓T
NspI RCATG↓Y
HhaI GCG↓C
上記配列中、R= A or G、K= G or T、Y= C or T、M= A or C、D= A or G or T (not C)、H= A or C or T (not G)及びW= A or Tである。また、↓は切断部位を示す。
上記の制限酵素による切断により形成された3'突出末端の平滑化は、dNTPsの存在下でT4 DNAポリメラーゼ等の3'→5'エキソヌクレアーゼ活性を有するDNAポリメラーゼにより3'突出末端を削ることにより行うことができる。
また、平滑末端化した末端への可変領域をコードするDNAを含むDNAのライゲーションはDNAリガーゼを用いて行うことができる。
カセットベクターには、あらかじめ定常領域をコードするDNAの5'末端側の一部を除く大部分のDNAを組込んでおく。定常領域の配列はバリエーションが少なく、T細胞受容体では、α鎖の場合1種類あり、β鎖の場合2種類ある。抗体では、H鎖の場合大きく分けてCα鎖、Cδ鎖、Cε鎖、Cγ鎖及びCμ鎖の5種類があり、L鎖の場合λ鎖とκ鎖の2種類がある。従って、これらの定常領域をコードするDNAをカセットベクターに組込んで複数のカセットベクターを作製しておくことにより、すべてのT細胞受容体又は抗体をクローニングすることができる。
本発明のカセットベクターは公知のクローニングベクターに定常領域の大部分を含むDNAを導入し、該DNA中に前記の制限酵素の制限酵素認識配列を形成させることにより作製することができる。また、公知のクローニングベクター配列中に、定常領域の大部分をコードするDNA中に形成させた制限酵素認識配列以外に、前記の制限酵素の制限酵素認識配列を有するときは、これらの制限酵素認識配列の塩基に変異を加え、前記の制限酵素により切断されないようにする。本発明のカセットベクターを作製するために用いる公知のベクターは限定されないが、例えば、pMXs-IRES-Puro Retroviral Vector(CELL BIOLABS, INC.)等を用いることができる。
可変領域をコードするDNAをPCRにより増幅するフォワードプライマー及びリバースプライマーの塩基長は、20〜50塩基、好ましくは20〜30塩基からなる配列であり、標的遺伝子の塩基配列に対して、1〜数個、好ましくは1個若しくは2個のミスマッチがあってもよく、該標的遺伝子の塩基配列に対してストリンジェントな条件下でハイブリダイズし得る配列を有していればよい。PCR伸長反応は、DNAポリメラーゼを用いて通常用いる条件で公知の方法で行えばよい。例えば、98℃で10秒間加熱、60℃で30秒間冷却、68℃で60秒間加熱を1サイクルとして30サイクル程度繰り返せばよい。
本発明の方法よれば、可変領域と定常領域の連結部でフレームシフトが起こることなく確実にインフレームで連結することができる。
図4に、本発明の可変領域と定常領域を有するタンパク質をコードする全長DNAをクローニングする方法を示す。図4においては、可変領域と定常領域を有するタンパク質としてT細胞受容体を用いている。また、制限酵素としては、CTGCA↓G(↓は切断部位を示す)を制限酵素認識配列として認識するPstIを用いる。該制限酵素認識配列は、6個(n=6)の塩基からなる、3'末端側の塩基がG(X=G)であり、制限酵素による切断後3'突出末端は4個(n-2=4)の塩基からなる配列(TGCA)である。
方法の詳細は実施例2に示す。
本発明は、上記のクローニング方法に用いる定常領域の大部分をコードするDNAを組込んだクローニング用カセットベクターも包含する。
該クローニング用カセットベクターは、アミノ酸配列に多様な変異が認められる可変領域とアミノ酸配列に変異が認められないか又は少ない定常領域が複合体を形成した状態で含むタンパク質をコードする全長DNAであって、可変領域をコードするDNAの3'末端側に定常領域をコードするDNAがインフレームで連結している全長DNAのクローニングを行うためのクローニング用カセットベクターであって、前記定常領域の大部分をコードするDNAが組込まれた、定常領域をコードするDNA部分にマルチクローニングサイトを有する以下の(a)〜(e)の特徴を有するクローニング用カセットベクターである。
(a) マルチクローニングサイトに可変領域をコードするDNAを含むインサートDNAを挿入するための制限酵素認識配列を有し、該制限酵素認識配列は3'突出末端を形成する制限酵素の制限酵素認識配列である。
(b) 前記制限酵素認識配列は、n個の塩基からなる(nは4〜6)、3'末端側の塩基がX(Xは、A、T、G又はC)であり、制限酵素による切断後3'突出末端はn-2個の塩基からなる配列である。
(c) 前記定常領域をコードするDNAの5'末端からm番目の塩基は塩基Xであり、5'末端からm-1番目までには塩基Xは存在しない。すなわち、5'末端からm番目に最初のXが存在する。また、カセットベクターに組込まれた定常領域の大部分をコードするDNAは、定常領域をコードするDNAの5'末端からm-1番目の塩基を欠いている5'末端が塩基XであるDNAである。ここで、mは1〜10、好ましくは1〜5である。すなわち、カセットベクター中に組込んだ定常領域の大部分をコードするDNAが同時にマルチクローニングサイトとして機能する。
(d) カセットベクターに組込まれた(c)の定常領域の大部分をコードするDNAの5'末端の塩基Xの5'側に塩基を挿入することにより制限酵素認識配列を形成されている。
(e) 前記カセットベクター中にはマルチクローニングサイト以外に前記3'突出末端を形成する制限酵素の制限酵素認識配列は存在しない。
本発明を以下の実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
実施例1 金属高感度・高感受性の金属アレルギートランスジェニックマウスの樹立
1. TCR受容体cDNAクローニング
パラジウムにより免疫、惹起させ、アレルギーを発症したBALB/cマウスから、所属リンパ節より、RNAを抽出、cDNA合成してcDNAライブラリーを作成した。
cDNAライブラリーの一部を次世代シークエンサーによりT細胞受容体レパートリー解析したところ、TRAV8-1*01、TRAJ42*01(IMGT(登録商標)命名法による)、CDR3(アミノ酸配列としてATLYSGGSNAKLT)であることが明らかとなった。
解析の結果を表1に示す。
Figure 2017035045
CDR3は、V領域とJ領域が結合した部分であるので、J領域にV領域が重なっている。従って、IMGT(the international ImMunoGene Tics information system)(登録商標)で調べた場合J領域の一致率は100%にはならない。
レパートリー解析をもとに、全長の配列をクローニングするため、cDNAライブラリーの一部を用いてPCR法によりクローニングすることとした。
全長の配列は、LVDJC鎖から成る。
以下のプライマーを用いてPCRを行った。Pfu DNAポリメラーゼを用いたので、PCR産物は平滑末端(Blunt end)となる。
センスプライマー(Sense primer): TO761 5’atgcacagcctcctggggttgttgatg 3’(配列番号4)
該プライマーは、TRAV8-1*01の先頭部分リーダー配列(L鎖)を含む。
アンチセンスプライマー(Anti sense primer): TO11 5’ctcatgacgctgaggctgtggtccagttga 3’(配列番号5)
該プライマーはC鎖の終末端の部分に対応する。
クローニングしたLVDJC領域をクローニングベクター(市販のpCR(商標)-Blunt II-TOPO(登録商標) Vectorを用いた)に組み込んだ。この配列について再度シークエンスし確認した。配列を図1及び配列番号2に示す。
2. 遺伝子導入マウスの作製
上記のサブクローニングした全長TCR受容体を、ヒトCD2プロモーターをもつ発現ベクター(VA vector)に組み込んだ。この遺伝子を、マウス受精卵(BDF1:C57BL/6xDBA/2の受精卵)に移入し、遺伝子導入マウスを作製した。
遺伝子導入マウス作製に用いたベクターの構造を図2に示す。
3. マウスを用いたアレルギー試験方法
パラジウムを用いた金属アレルギーの発症を誘導するために、マウスに以下の処置を施した。
感作:鼠径部に10mM PdCl2/10μg/ml LPS in 1×PBS混合溶液の皮下注射を1週おきに2回行なった。この際、それぞれの鼠径部に125μL投与した。
惹起:2回目の感作から1週後にそれぞれの足蹠に10mM PdCl2/10μg/ml 1×PBSの溶液を25μLずつ皮内投与した。
金属アレルギーの発症を誘導したマウスにおける足の腫れの惹起の結果を図3に示す。
コントロールとして、TCR受容体を導入していないBALB/Caマウスに上と同じ条件でパラジウムを投与したもの、TCR受容体を導入していないBALB/CaマウスにPBSを投与したものを用いた。
図3に示すように、TCR受容体を導入したトランスジェニックマウスにパラジウムを投与した場合に、TCR受容体を導入していないトランスジェニックマウスにパラジウムを投与した場合に比べ、足の腫れが強く惹起された。この結果は、TCR受容体を導入したトランスジェニックマウスがパラジウムの金属アレルギーモデルとして用い得ることを示す。
実施例2 T細胞受容体のレパートリーをクローニングするための発現ベクターを用いたT細胞受容体をコードする遺伝子のクローニング
図4に、可変領域と定常領域を有するタンパク質であるT細胞受容体をコードする全長DNAをクローニングする方法を示す。制限酵素としては、CTGCA↓G(↓は切断部位を示す)を制限酵素認識配列として認識するPstIを用いる。該制限酵素認識配列は、6個(n=6)の塩基からなる、3'末端側の塩基がG(X=G)であり、制限酵素による切断後3'突出末端は4個(n-2=4)の塩基からなる配列(TGCA)である。
図4において、「○」を含む一重下線部は定常領域の塩基を示し、「□」を含む二重下線部はカセットベクター中の固有の塩基を示す。
図4A-1は、T細胞受容体をコードする全長DNAの構造を示す。可変領域部分はL+V+D+Jで表され(Lは、V領域の5'側に存在するリーダー配列)、定常領域部分はCで表される。Jの3'末端部分にCDR3が存在する。図の例では、定常領域をコードするDNAの5'末端から2番目(m=2)の塩基が制限酵素認識配列の3'末端側の塩基である塩基Gである。定常領域をコードするDNAにおいて2番目のGが5'末端から3'末端方向に向かって最初に存在するGである。
図4A-2は、PCRにより増幅する可変領域をコードするDNAを含む部分のDNAの構造及びこの部分を増幅するために用いるプライマーの位置を示す。図4A-2に示すように、可変領域をコードするDNAの5'末端(Lの先頭(5'末端))から3'末端に向かった配列に特異的なフォワードプライマー及び定常領域をコードするDNAの5'末端側から1番目(m-1番目)の塩基から5'側に向かって可変領域部分を含む配列に特異的なリバースプライマーを用いて増幅する。
図4Bは、制限酵素認識配列を形成させたカセットベクターの構造を示す。カセットベクターは定常領域をコードするDNAの大部分である、5'末端の塩基以外の塩基からなるDNA(5'末端からm番目(2番目)以降の配列)を含む。また、定常領域をコードするDNAの5'末端から2番目の塩基Gの5'側に塩基CTGCAが挿入され、PstIの制限酵素認識配列であるCTGCAGが形成されている。
図4Cは、図4Bに示すカセットベクターをPstIにより切断した状態を示す。切断後の制限酵素認識配列CTGCAG部分において、3'突出末端は4個の塩基TGCAからなる。平滑末端処理を行うことにより、3'突出末端の配列(ACGT)が除去される。
図4Dは、図4A-2に示す、PCRにより増幅する可変領域をコードするDNAと定常領域をコードする一部のDNAを含むDNAをカセットベクターに連結した状態を示す。可変領域をコードするDNAと定常領域をコードする一部のDNAを含むDNAは、3'末端側に定常領域の5'末端からm-1番目の塩基より5'側の定常領域をコードするDNAを含む。その結果、可変領域をコードするDNAと定常領域をコードするDNAの一部を含むDNAをカセットベクターに連結したときに、カセットベクターに含まれる定常領域をコードするDNAの大部分と、カセットベクターに連結した可変領域をコードするDNAと定常領域をコードするDNAの一部を含むDNAに含まれる定常領域をコードするDNAの一部がインフレームで連結される。
このようにして、T細胞受容体をコードするDNAをクローニングすることができる。該方法においては、可変領域をコードするDNAを含むDNAをPCRにより増幅するときに、リバースプライマーとして、可変領域をコードするDNAに相補的なプライマーを用いる。あらかじめ、クローニングをしようとするT細胞受容体の可変領域のアミノ酸配列がわかっている場合、該配列に基づいてリバースプライマーを設計することができるので、所望のT細胞受容体をコードする遺伝子を確実にクローニングすることができる。
本発明の、金属高感度・高感受性動物は、新規金属材料の安全性試験、金属生体材料の安全性試験に利用できる。また、金属アレルギーに対する介入実験、例えば、新規薬剤による治療実験に利用できる。
配列番号4、5 プライマー

Claims (20)

  1. 金属の投与により金属アレルギーを発症した非ヒト動物のT細胞からクローニングした金属アレルギー特異的T細胞受容体をコードする外来DNAを含む、金属アレルギートランスジェニック非ヒト動物モデル。
  2. 非ヒト動物がマウスである、請求項1記載の金属アレルギートランスジェニック非ヒト動物モデル。
  3. 金属がパラジウムである、請求項1又は2に記載の金属アレルギートランスジェニック非ヒト動物モデル。
  4. 金属アレルギー特異的T細胞受容体をコードする外来DNAが、T細胞受容体α鎖をコードするDNAであり、IMGT命名法によるTRAV8-1*01-TRAJ42*01であり、CDR3のアミノ酸配列がATLYSGGSNAKLT(配列番号1)で表される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の金属アレルギートランスジェニック非ヒト動物モデル。
  5. 金属アレルギー特異的T細胞受容体をコードする外来DNAが、配列番号2に示す塩基配列からなる請求項1〜4のいずれか1項に記載の金属アレルギートランスジェニック非ヒト動物モデル。
  6. 非ヒト動物に金属を投与し金属アレルギーを発症させ、該非ヒト動物からT細胞を採取し、T細胞から金属アレルギー特異的T細胞受容体をコードするDNAをクローニングし、得られた金属アレルギー特異的T細胞受容体をコードするDNAを外来DNAとして、非ヒト動物に導入することを含む、金属アレルギートランスジェニック非ヒト動物モデルを作製する方法。
  7. 非ヒト動物がマウスである、請求項6記載の金属アレルギートランスジェニック非ヒト動物モデルを作製する方法。
  8. 金属がパラジウムである、請求項6又は7に記載の金属アレルギートランスジェニック非ヒト動物モデルを作製する方法。
  9. 金属アレルギー特異的T細胞受容体をコードする外来DNAが、T細胞受容体α鎖をコードするDNAであり、IMGT命名法によるTRAV8-1*01-TRAJ42*01であり、CDR3のアミノ酸配列がATLYSGGSNAKLT(配列番号1)で表される、請求項6〜8のいずれか1項に記載の金属アレルギートランスジェニック非ヒト動物モデルを作製する方法。
  10. 金属アレルギー特異的T細胞受容体をコードする外来DNAが、配列番号2に示す塩基配列からなる請求項6〜9のいずれか1項に記載の金属アレルギー非ヒト動物モデルを作製する方法。
  11. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の金属アレルギートランスジェニック非ヒト動物モデルに、金属又は金属合金を移植し、該金属又は金属合金に対する金属アレルギー反応が誘導されるか否かを確認することを含む、金属又は金属合金のアレルギー誘導能を評価する方法。
  12. 金属又は金属合金がパラジウムを含む歯科用金属である、請求項11記載の金属又は金属合金のアレルギー誘導能を評価する方法。
  13. アミノ酸配列に多様な変異が認められる可変領域とアミノ酸配列に変異が認められないか又は少ない定常領域が複合体を形成した状態で含むタンパク質をコードする全長DNAであって、可変領域をコードするDNAの3'末端側に定常領域をコードするDNAがインフレームで連結している全長DNAのクローニング方法であって、
    (i) 前記定常領域の大部分をコードするDNAが組込まれた、定常領域をコードするDNA部分にマルチクローニングサイトを有する以下の(a)〜(e)の特徴を有するカセットベクターを調製し、
    (a) マルチクローニングサイトに可変領域をコードするDNAを含むインサートDNAを挿入するための制限酵素認識配列を有し、該制限酵素認識配列は3'突出末端を形成する制限酵素の制限酵素認識配列である;
    (b) 前記制限酵素認識配列は、n個の塩基からなる(nは4〜6)、3'末端側の塩基がX(Xは、A、T、G又はC)であり、制限酵素による切断後3'突出末端はn-2個の塩基からなる配列である;
    (c) 前記定常領域をコードするDNAの5'末端からm番目の塩基は塩基Xであり、5'末端からm-1番目までには塩基Xは存在せず、カセットベクターに組込まれた定常領域の大部分をコードするDNAは、定常領域をコードするDNAの5'末端からm-1番目の塩基を欠いている5'末端が塩基XであるDNAであり、ここでmは1〜10である;
    (d) カセットベクターに組込まれた(c)の定常領域の大部分をコードするDNAの5'末端の塩基Xの5'側に塩基を挿入することにより制限酵素認識配列を形成させる;及び
    (e) 前記カセットベクター中にはマルチクローニングサイト以外に前記3'突出末端を形成する制限酵素の制限酵素認識配列は存在しない、
    (ii) 可変領域をコードするDNAの5'末端から3'末端に向かった塩基配列に特異的な20〜50塩基からなるフォワードプライマー、及び定常領域をコードするDNAの5'末端側からm-1番目の塩基から5'側に向かって可変領域部分を含む塩基配列に特異的な20〜50塩基からなるリバースプライマーのプライマー対で可変領域及び定常領域の5'末端からm-1番目までの塩基を含む領域をPCRにより増幅し、前記カセットベクターに挿入するための可変領域をコードするDNAを含むインサートDNAを調製し、但し、mが1である場合は、リバースプライマーは可変領域をコードするDNAの3'末端から5’末端に向かった塩基配列に特異的なプライマーであり、
    (iii) 前記カセットベクターを前記制限酵素で切断し、形成された3'突出末端を平滑化し、その結果、カセットベクター中に含まれる定常領域をコードするDNAの5'末端の塩基は塩基Xとなり、
    (iv) 前記カセットベクターに(ii)で増幅した可変領域をコードするDNAを含むインサートDNAをライゲーションによりインフレームで挿入するクローニング方法。
  14. アミノ酸配列に多様な変異が認められる可変領域とアミノ酸配列に変異が認められないか又は少ない定常領域が複合体を形成した状態で含むタンパク質が、T細胞受容体、B細胞受容体又は抗体である、請求項13記載のクローニング方法。
  15. 3'突出末端を形成する制限酵素がPstIである、請求項13又は14に記載のクローニング方法。
  16. カセットベクター中にマルチクローニングサイト以外に3'突出末端を形成する制限酵素の制限酵素認識配列が存在するときに、該配列を変異させる、請求項13〜15のいずれか1項に記載のクローニング法。
  17. アミノ酸配列に多様な変異が認められる可変領域とアミノ酸配列に変異が認められないか又は少ない定常領域が複合体を形成した状態で含むタンパク質をコードする全長DNAであって、可変領域をコードするDNAの3'末端側に定常領域をコードするDNAがインフレームで連結している全長DNAのクローニングを行うためのクローニング用カセットベクターであって、前記定常領域の大部分をコードするDNAが組込まれた、定常領域をコードするDNA部分にマルチクローニングサイトを有する以下の(a)〜(e)の特徴を有するクローニング用カセットベクター:
    (a) マルチクローニングサイトに可変領域をコードするDNAを含むインサートDNAを挿入するための制限酵素認識配列を有し、該制限酵素認識配列は3'突出末端を形成する制限酵素の制限酵素認識配列である;
    (b) 前記制限酵素認識配列は、n個の塩基からなる(nは4〜6)、3'末端側の塩基がX(Xは、A、T、G又はC)であり、制限酵素による切断後3'突出末端はn-2個の塩基からなる配列である;
    (c) 前記定常領域をコードするDNAの5'末端からm番目の塩基は塩基Xであり、5'末端からm-1番目までには塩基Xは存在せず、カセットベクターに組込まれた定常領域の大部分をコードするDNAは、定常領域をコードするDNAの5'末端からm-1番目の塩基を欠いている5'末端が塩基XであるDNAであり、ここでmは1〜10である;
    (d) カセットベクターに組込まれた(c)の定常領域の大部分をコードするDNAの5'末端の塩基Xの5'側に塩基を挿入することにより制限酵素認識配列が形成されている;及び
    (e) 前記カセットベクター中にはマルチクローニングサイト以外に前記3'突出末端を形成する制限酵素の制限酵素認識配列は存在しない。
  18. アミノ酸配列に多様な変異が認められる可変領域とアミノ酸配列に変異が認められないか又は少ない定常領域が複合体を形成した状態で含むタンパク質が、T細胞受容体、B細胞受容体又は抗体である、請求項17記載のクローニング用カセットベクター。
  19. 3'突出末端を形成する制限酵素の制限酵素認識配列が、PstIの制限酵素認識配列である、請求項17又は18に記載のクローニング用カセットベクター。
  20. カセットベクター中にマルチクローニングサイト以外に3'突出末端を形成する制限酵素の制限酵素認識配列が存在するときに、該配列が変異させられている、請求項17〜19のいずれか1項に記載のクローニング用カセットベクター。
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