JP2017034108A - 基板保持部材 - Google Patents

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Shintaro Sugihara
紳太郎 杉原
憲雄 和田
Norio Wada
憲雄 和田
英二 眞鍋
Eiji Manabe
英二 眞鍋
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Abstract

【課題】基板の外周縁部を確実かつ安定して保持する。【解決手段】上ウェハWUの外周縁部を保持する保持部材106であって、水平な支持面106aと、支持面106aから鉛直上方に延伸するガイド面106bと、ガイド面106bの上端部から、平面視において支持面106aと離れる方向に向かって次第に上がる傾斜面106cと、を有する。ガイド面106bの上端部の高さK2は、上ウェハWUにおいて直径が最大となる部分の厚み方向の高さよりも高く設定されている。【選択図】図11

Description

本発明は、基板の外周縁部を保持する基板保持部材に関する。
近年、半導体デバイスの高集積化が進んでいる。高集積化した複数の半導体デバイスを水平面内で配置し、これら半導体デバイスを配線で接続して製品化する場合、配線長が増大し、それにより配線の抵抗が大きくなること、また配線遅延が大きくなることが懸念される。
そこで、半導体デバイスを3次元に積層する3次元集積技術を用いることが提案されている。この3次元集積技術においては、例えば特許文献1に記載の接合システムを用いて、2枚の半導体ウェハ(以下、「ウェハ」という。)の接合が行われる。例えば接合システムは、ウェハの接合される表面を改質する表面改質装置と、当該表面改質装置で改質されたウェハの表面を親水化する表面親水化装置と、当該表面親水化装置で表面が親水化されたウェハ同士を接合する接合装置と、を有している。この接合システムでは、表面改質装置においてウェハの表面に対してプラズマ処理を行い当該表面を改質し、さらに表面親水化装置においてウェハの表面に純水を供給して当該表面を親水化した後、接合装置においてウェハ同士をファンデルワールス力及び水素結合(分子間力)によって接合する。
上記接合装置は、下面に一のウェハ(以下、「上ウェハ」という。)を保持する上チャックと、上チャックの下方に設けられ、上面に他のウェハ(以下、「下ウェハ」という。)を保持する下チャックと、上チャックに設けられ、上ウェハの中心部を押圧する押動機構と、を有している。かかる接合装置では、表面を下に向けた状態で上チャックに保持された上ウェハと、表面を上に向けた状態で下チャックに保持された下ウェハとを対向配置した状態で、押動機構によって上ウェハの中心部と下ウェハの中心部を押圧して当接させた後、上ウェハの中心部と下ウェハの中心部が当接した状態で、上ウェハの中心部から外周部に向けて、上ウェハと下ウェハを順次接合する。
また、ウェハの接合には、ファンデルワールス力及び分子間力による接合の他に、例えば特許文献2に記載されるような、接着剤を介在させた方法が用いられる場合もある。接着剤を用いる場合の接合システムは、例えば上ウェハ又は下ウェハに接着剤を塗布する塗布装置と、接着剤が塗布された上ウェハ又は下ウェハを加熱する熱処理装置と、接着剤を介して上ウェハと下ウェハを押圧して接合する接合装置とを有している。そして、この接合システムでは、塗布装置と熱処理装置で上ウェハ又は下ウェハに接着剤を塗布して所定の温度に加熱した後、接合装置で上ウェハと下ウェハを押圧して接合する。
これらの接合装置においては、上ウェハを上チャックに受け渡す際に、表面を下に向けた状態で搬送アームにより保持する必要がある。そのため、上ウェハの表面と搬送アームの接触とにより上ウェハの表面が損傷したり、上ウェハの表面に搬送アームが接触してパーティクルが転写したりすることがないように、反転後のウェハを保持する搬送アームは、特許文献3に記載されるような、上ウェハの外周縁部を保持する形式のものが用いられる。
特許文献3に示されるような、傾斜面と連続した水平面を備えた保持部材を複数配置した搬送アームを用いることで、上ウェハの外周縁部を保持し、且つ上ウェハの表面と搬送アームとの接触を最小限にすることができる。
特開2015−18919号公報 特開2013−247292号公報 特開2013−21179号公報
しかしながら、例えば図24に示すように、保持部材700の傾斜面700aと水平面700bが連続している場合、上ウェハWを保持した状態で搬送アームを移動させた場合に働く慣性力などにより、搬送アームと上ウェハWとを水平方向に相対的に移動させる力が作用すると、水平面700bに載置されていた上ウェハWが保持部材700の傾斜面700aに沿って、図24に破線で示すように斜め上方向に昇ってしまうことがある。そうすると、上ウェハWの位置がずれたり、保持部材700から滑落したり、あるいは搬送アームから飛び出してしまうことがあり、問題となる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、基板の外周縁部を確実かつ安定して保持することを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明は、基板の外周縁部を保持する基板保持部材であって、水平な支持面と、前記支持面から鉛直上方に延伸するガイド面と、前記ガイド面の上端部から、平面視において前記支持面と離れる方向に向かって次第に上がる傾斜面と、を有することを特徴としている。
本発明によれば、傾斜面と、水平な支持面との間に鉛直上方に延伸するガイド面が形成されているので、例えばこのガイド面の高さを適正に設定することで、基板保持部材と基板とを水平方向に相対的に移動させる力が作用した場合であっても、ガイド面がストッパーとして機能して、基板が傾斜面に沿って斜め上方に移動したり、基板保持部材から滑落したりしてしまうことを防止できる。したがって、基板の外周縁部を確実かつ安定して保持することができる。また、基板保持部材により基板の外周縁部を保持することにより、当該基板の表面が支持面と接触してパーティクルが転写されたり、傷がついたりすることを避けることができる。
前記基板は他の基板と接合される基板であり、前記支持面は、前記基板の接合面を下に向けた状態で、当該支持基板を支持してもよい。
前記ガイド面の上端部の高さは、基板において直径が最大となる部分の厚み方向の高と同じかまたは高く設定されていてもよい。
前記基板保持部の前記支持面における、前記ガイド面から、前記ガイド面と反対側の端部までの間の幅は、前記基板の外周縁部の幅と略同じに形成されていてもよい。
前記支持面における、前記ガイド面から、前記ガイド面と反対側の端部までの間の幅は、0.3mm〜1mmであってもよい。
前記支持面における、前記ガイド面と反対側の端部から鉛直下方に延伸する垂下面と、前記垂下面の下端部から、平面視において前記支持面と離れる方向に向かって水平に延伸する下段支持面と、をさらに有していてもよい。
本発明によれば、基板の外周縁部を確実かつ安定して保持することができる。
第1の実施の形態にかかる接合システムの構成の概略を示す平面図である。 第1の実施の形態にかかる接合システムの内部構成の概略を示す側面図である。 上ウェハと下ウェハの構成の概略を示す側面図である。 接合装置の構成の概略を示す横断面図である。 接合装置の構成の概略を示す縦断面図である。 ウェハ搬送機構の構成の概略を示す側面図である。 第1の搬送アームの構成の概略を示す平面図である。 第1の搬送アームの構成の概略を示す側面図である。 第2の搬送アームの構成の概略を示す平面図である。 第2の搬送アームの構成の概略を示す側面図である。 保持部材の構成の概略を示す斜視図である。 保持部材の構成の概略を示す平面図である。 上部トランジションの構成の概略を平面の説明図である。 下部トランジションの構成の概略を平面の説明図である。 ウェハ接合処理の主な工程を示すフローチャートである。 上ウェハの中心部と下ウェハの中心部を押圧して当接させる様子を示す説明図である。 保持部材により上ウェハの外周縁部を保持する様子を示す側面図である。 他の実施の形態にかかる保持部材の構成の概略を示す斜視図である。 第2の実施の形態にかかる接合システムの構成の概略を示す平面図である。 第2の実施の形態にかかる接合システムの内部構成の概略を示す側面図である。 被処理ウェハと支持ウェハの側面図である。 接合装置の構成の概略を示す横断面図である。図である。 接合処理の主な工程を示すフローチャートである。 従来の保持部材の構成の概略を示す斜視図である。
<1.第1の実施の形態>
先ず、本発明の第1の実施の形態について説明する。図1は、本発明の基板保持部材が適用された、第1の実施の形態にかかる接合システム1の構成の概略を示す平面図である。図2は、接合システム1の内部構成の概略を示す側面図である。
接合システム1では、図3に示すように例えば2枚の基板としてのウェハW、Wを接合する。以下、上側に配置されるウェハを「上ウェハW」といい、下側に配置されるウェハを「下ウェハW」という。また、上ウェハWが接合される接合面を「接合面WU1」といい、当該接合面WU1と反対側の面を「非接合面WU2」という。同様に、下ウェハWが接合される接合面を「接合面WL1」といい、当該接合面WL1と反対側の面を「非接合面WL2」という。そして、接合システム1では、上ウェハWと下ウェハWを接合して、重合基板としての重合ウェハWを形成する。また、上ウェハWと下ウェハWの外周縁部Eはそれぞれ球面状に面取り加工がされている。この面取りされた外周縁部Eの幅Bは、例えば400μmである。
接合システム1は、図1に示すように例えば外部との間で複数のウェハW、W、複数の重合ウェハWをそれぞれ収容可能なカセットC、C、Cが搬入出される搬入出ステーション2と、ウェハW、W、重合ウェハWに対して所定の処理を施す各種処理装置を備えた処理ステーション3とを一体に接続した構成を有している。
搬入出ステーション2には、カセット載置台10が設けられている。カセット載置台10には、複数、例えば4つのカセット載置板11が設けられている。カセット載置板11は、水平方向のX方向(図1中の上下方向)に一列に並べて配置されている。これらのカセット載置板11には、接合システム1の外部に対してカセットC、C、Cを搬入出する際に、カセットC、C、Cを載置することができる。このように、搬入出ステーション2は、複数の上ウェハW、複数の下ウェハW、複数の重合ウェハWを保有可能に構成されている。なお、カセット載置板11の個数は、本実施の形態に限定されず、任意に設定することができる。また、カセットの1つを異常ウェハの回収用として用いてもよい。すなわち、種々の要因で上ウェハWと下ウェハWとの接合に異常が生じたウェハを、他の正常な重合ウェハWと分離することができるカセットである。本実施の形態においては、複数のカセットCのうち、1つのカセットCを異常ウェハの回収用として用い、他のカセットCを正常な重合ウェハWの収容用として用いている。
搬入出ステーション2には、カセット載置台10に隣接してウェハ搬送部20が設けられている。ウェハ搬送部20には、X方向に延伸する搬送路21上を移動自在なウェハ搬送装置22が設けられている。ウェハ搬送装置22は、鉛直方向及び鉛直軸周り(θ方向)にも移動自在であり、各カセット載置板11上のカセットC、C、Cと、後述する処理ステーション3の第3の処理ブロックG3のトランジション装置50、51との間でウェハW、W、重合ウェハWを搬送できる。
処理ステーション3には、各種装置を備えた複数例えば3つの処理ブロックG1、G2、G3が設けられている。例えば処理ステーション3の正面側(図1のX方向負方向側)には、第1の処理ブロックG1が設けられ、処理ステーション3の背面側(図1のX方向正方向側)には、第2の処理ブロックG2が設けられている。また、処理ステーション3の搬入出ステーション2側(図1のY方向負方向側)には、第3の処理ブロックG3が設けられている。
例えば第1の処理ブロックG1には、ウェハW、Wの接合面WU1、WL1を改質する表面改質装置30が配置されている。表面改質装置30では、例えば減圧雰囲気下において、処理ガスである酸素ガス又は窒素ガスが励起されてプラズマ化され、イオン化される。この酸素イオン又は窒素イオンが接合面WU1、WL1に照射されて、接合面WU1、WL1がプラズマ処理され、改質される。
例えば第2の処理ブロックG2には、例えば純水によってウェハW、Wの接合面WU1、WL1を親水化すると共に当該接合面WU1、WL1を洗浄する表面親水化装置40、ウェハW、Wを接合する接合装置41が、搬入出ステーション2側からこの順で水平方向のY方向に並べて配置されている。
表面親水化装置40では、例えばスピンチャックに保持されたウェハW、Wを回転させながら、当該ウェハW、W上に純水を供給する。そうすると、供給された純水はウェハW、Wの接合面WU1、WL1上を拡散し、接合面WU1、WL1が親水化される。なお、接合装置41の構成については後述する。
例えば第3の処理ブロックG3には、図2に示すようにウェハW、W、重合ウェハWのトランジション装置50、51が下から順に2段に設けられている。
図1に示すように第1の処理ブロックG1〜第3の処理ブロックG3に囲まれた領域には、ウェハ搬送領域60が形成されている。ウェハ搬送領域60には、例えばウェハ搬送装置61が配置されている。
ウェハ搬送装置61は、例えば鉛直方向、水平方向(Y方向、X方向)及び鉛直軸周りに移動自在な搬送アームを有している。ウェハ搬送装置61は、ウェハ搬送領域60内を移動し、周囲の第1の処理ブロックG1、第2の処理ブロックG2及び第3の処理ブロックG3内の所定の装置にウェハW、W、重合ウェハWを搬送できる。
以上の接合システム1には、図1に示すように制御部70が設けられている。制御部70は、例えばコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、接合システム1におけるウェハW、W、重合ウェハWの処理を制御するプログラムが格納されている。また、プログラム格納部には、上述の各種処理装置や搬送装置などの駆動系の動作を制御して、接合システム1における後述のウェハ接合処理を実現させるためのプログラムも格納されている。なお、前記プログラムは、例えばコンピュータ読み取り可能なハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルデスク(MO)、メモリーカードなどのコンピュータに読み取り可能な記憶媒体Hに記録されていたものであって、その記憶媒体Hから制御部70にインストールされたものであってもよい。
次に、上述した接合装置41の構成について説明する。接合装置41は、図4、図5に示すように内部を密閉可能な処理容器100を有している。処理容器100のウェハ搬送領域60側の側面には、ウェハW、W、重合ウェハWの搬入出口101が形成され、当該搬入出口101には開閉シャッタ102が設けられている。
処理容器100の内部は、内壁103によって、搬送領域T1と処理領域T2に区画されている。上述した搬入出口101は、搬送領域T1における処理容器100の側面に形成されている。また、内壁103にも、ウェハW、W、重合ウェハWの搬入出口104が形成されている。
搬送領域T1のX方向正方向側には、ウェハ搬送装置61により接合装置41に搬送されたウェハW、W、重合ウェハWを一時的に載置するトランジション105が設けられている。トランジション105は、例えば4段に形成され、ウェハW、W、重合ウェハWのいずれか4つを同時に載置することができる。
搬送領域T1には、ウェハ搬送機構111が設けられている。ウェハ搬送機構111は、図4及び図5に示すように例えば鉛直方向、水平方向(Y方向、X方向)及び鉛直軸周りに移動自在な搬送アームを有している。具体的には、図6に示すように複数、例えば2本の搬送アーム112、113を有している。第1の搬送アーム112と第2の搬送アーム113は、鉛直方向に下からこの順で2段に配置されている。なお、第1の搬送アーム112と第2の搬送アーム113は、後述するように異なる形状を有している。
搬送アーム112、113の基端部には、例えばモータなどを備えたアーム駆動部114が設けられている。このアーム駆動部114によって、各搬送アーム112、113は独立して水平方向に移動できる。これら搬送アーム112、113とアーム駆動部114は、基台115に支持されている。
第1の搬送アーム112は、ウェハW、W、重合ウェハWの裏面(ウェハW、Wにおいては非接合面WU2、WL2)を保持して搬送する。第1の搬送アーム112は、図7に示すように先端が2本に分岐したアーム部112aと、このアーム部112aと一体に形成され、且つアーム部112aを支持する支持部112bとを有している。
アーム部112aには、図7及び図8に示すように樹脂製のOリング116が複数、例えば4箇所に設けられている。このOリング116がウェハW、W、重合ウェハWの裏面と接触し、当該Oリング116とウェハW、W、重合ウェハWの裏面との間の摩擦力によって、Oリング116はウェハW、W、重合ウェハWの裏面を保持する。そして、第1の搬送アーム112は、Oリング116上にウェハW、W、重合ウェハWを水平に保持することができる。
またアーム部112a上には、Oリング116に保持されたウェハW、W、重合ウェハWの外側に設けられたガイド部材112c、112dが設けられている。第1のガイド部材112cは、アーム部112aの2本に分岐した先端に設けられている。第2のガイド部材112dは、ウェハW、W、重合ウェハWの外周に沿った円弧状に形成され、支持部112b側に設けられている。これらガイド部材112c、112dによって、ウェハW、W、重合ウェハWが第1の搬送アーム112から飛び出したり、滑落したりするのを防止することができる。なお、ウェハW、W、重合ウェハWがOリング116により適切な位置で保持されている場合、ウェハW、W、重合ウェハWはガイド部材112c、112dと接触しない。
第2の搬送アーム113は、例えば上ウェハWの接合面、すなわち接合面WU1の外周部を保持して搬送する。すなわち、第2の搬送アーム113は、後述する反転機構130で表裏面が反転された上ウェハWの接合面WU1の外周部を保持して搬送する。第2の搬送アーム113は、図9に示すように先端が2本に分岐したアーム部113aと、このアーム部113aと一体に形成され、且つアーム部113aを支持する支持部113bとを有している。
アーム部113a上には、例えば図9及び図10に示すように、上ウェハWの外周縁部をする基板保持部材としての保持部材106が複数、本実施の形態では4つ配置されている。
保持部材106は、図11、図12に示すように、上ウェハWの外周縁部を支持する水平な支持面106aと、支持面106aから鉛直上方に延伸するガイド面106bと、ガイド面106bの上端部から、平面視において支持面と離れる方向に向かって次第に上がる傾斜面106cを有している。また、支持面106aにおける、ガイド面106bと反対側の端部には、鉛直下方に延伸する垂下面106dが形成されている。当該垂下面106dの下端部からは、平面視において支持面106aと離れる方向に向かって水平に延伸する下段支持面106eが形成されている。
支持面106aは平面視において、例えば保持部材106の長手方向に対して所定の角度だけ傾いた所定の幅Kの略平行四辺形状に形成されている。支持面106aの幅K、具体的には、支持面106aにおけるガイド面106bから垂下面106dまでの幅Kは、上ウェハWの外周縁部Eの面取り部分の幅Bと概ね同じ長さに設定されており、例えば0.3mm〜1mm(300μm〜1000μm)に設定される。本実施の形態では、外周縁部Eの幅Bと同様の400μmである。そして、アーム部113aには図9に示すように4つの保持部材106が、平面視において上ウェハWの外周縁部Eと、支持面106aとの位置が概ね一致するように配置されている。そのため、後述する反転機構130で表裏面を反転させた上ウェハWを第2の搬送アーム113で保持した場合であっても、上ウェハWの接合面WU1は保持部材106と接触することがない。そのため、上ウェハWの接合面WU1と保持部材106とが接触し、保持部材106から接合面WU1にパーティクルが転写されることがない。また、保持部材106には傾斜面106cが形成されているので、例えば第2の搬送アーム113に上ウェハWを受け渡す際に、上ウェハWの中心位置と、4つの保持部材106の中心位置とが一致していない場合であっても、傾斜面106cがガイドとして機能して、上ウェハWは適正に支持面106aに導かれる。
また、ガイド面106bの高さKは、例えば上ウェハWにおいて直径が最大となる部分の厚み方向の高さよりも高く設定されている。具体的には、図3に示すように、上ウェハWの外周縁部Eが面取りされている場合、直径が最大となる部分は外周縁部Eの頂部Qと頂部Qの位置であり、ガイド面106bの高さKは、この頂部Qと頂部Qの厚み方向の高さPよりも高く設定されている。なお、本実施の形態では、ガイド面106bの高さKは概ね0.3mm〜0.5mmに設定されている。
ガイド面106bがない場合、あるいはガイド面106bの高さKが頂部Q、Qの厚み方向の高さPよりも低い場合、保持部材106に保持された上ウェハWに何らかの要因により水平方向の力が作用すると、図24に示したように、上ウェハWは傾斜面106cに沿って斜め上方に移動してしまうことがある。しかしながら、ガイド面106bの高さPを適正に設定することで、保持部材106に保持された上ウェハWに水平方向の力が作用しても、ガイド面106bがガイドとして機能して、上ウェハWが傾斜面106cに沿って斜め上方に移動したり、滑落したりしてしまうことを防止できる。よって、保持部材106上でウェハW、W、重合ウェハWが踊ることがないので、ウェハW、W、重合ウェハWに傷がつくこともない。なお、下段支持面106eは、万が一上ウェハWが支持面106aから滑落してしまった場合に、上部トランジション105aから落下することを防止するためのものであり、必ずしも設ける必要はない。
なお、保持部材106により保持されるウェハは上ウェハWに限定されるものではなく、下ウェハW及び重合ウェハWを保持するために用いてもよい。換言すれば、第2の搬送アーム113で下ウェハW及び重合ウェハWを搬送してもよいし、第1の搬送アーム112を第2の搬送アーム113と同様の構成としてもよい。また、図11、図12では、支持面106a、ガイド面106b、傾斜面106c、垂下面106dが、保持部材106の長手方向に対して所定の角度だけ傾いている状態が描図されているが、これは、例えば図13に示すように、保持部材106の長手方向がアーム部113aの長手方向に概ね平行に配置されているのに対して、ガイド面106bについては上ウェハWの外周部の接線方向と平行になるようにするためであり、支持面106a、ガイド面106b、傾斜面106c及び垂下面106dを保持部材106に対してどのような角度で設けるかについては本実施の形態の内容に限定されるものではなく、任意に設定が可能である。
なお、上述したトランジション105については、例えば上部2段の上部トランジション105aは図13に示すように、上ウェハWの外周縁部をする保持部材106を4つ有した構成となっている。この保持部材106は、上部トランジション105aに設けられた保持部材106と同一形状または、相似形を有している。保持部材106は、支持板107の上面に支持されており、第2の搬送アーム113の搬送アーム113aとの間で上ウェハWの受け渡しを行うときに搬送アーム113aと干渉しない位置に配置されている。そのため、上部トランジション105aについても、第2の搬送アーム113の搬送アーム113aと同様に、例えば上部トランジション105aに受け渡される上ウェハWが水平方向に所定の位置からずれていても、上ウェハWは傾斜面106cに円滑にガイドされて位置決めされ、支持面106aに適正に保持される。また、ガイド面106bの高さKが上ウェハWの外周縁部Eの頂部Q、Qの高さPよりも高く設定されているので、何らかの要因で上部トランジション105aと上ウェハWとを水平方向に相対的に移動させる力が作用しても、上ウェハWが傾斜面106cを斜め上方向に昇ってしまって上部トランジション105aから飛び出したり、滑落したりするのを防止することができる。
また、トランジション105のうち、下部2段の下部トランジション105bは図14に示すように、ウェハW、W、重合ウェハWの中央部を支持する支持ピン108を例えば3つ有している。支持ピン108は、保持部材106と同様に支持板107の上面に支持されており、ウェハ搬送装置61の搬送アーム61aとの間でウェハW、W、重合ウェハWの受け渡しを行うときに搬送アーム61aと干渉しない位置に配置されている。なお、上部トランジション105a及び下部トランジション105bの段数は任意に設定が可能であり、本実施の形態の内容に限定されるものではない。また、本実施の形態では、上部トランジション105aが保持部材106を有し、下部トランジション105bが支持ピン108を有する構造となっているが、上部トランジション105aが支持ピン108を有し、下部トランジション105bが保持部材106を有する構造となっていてもよい。
搬送領域T1におけるウェハ搬送機構111のX方向負方向側には、ウェハW、Wの水平方向の向きを調節する位置調節機構120が設けられている。位置調節機構120は、ウェハW、Wを保持して回転させる保持部(図示せず)を備えた基台121と、ウェハW、Wのノッチ部の位置を検出する検出部122と、を有している。そして、位置調節機構120では、基台121に保持されたウェハW、Wを回転させながら検出部122でウェハW、Wのノッチ部の位置を検出することで、当該ノッチ部の位置を調節してウェハW、Wの水平方向の向きを調節している。なお、基台121においてウェハW、Wを保持する構造は特に限定されるものではなく、例えばピンチャック構造やスピンチャック構造など、種々の構造が用いられる。
また、搬送領域T1には、上ウェハWの表裏面を反転させる反転機構130が設けられている。反転機構130は、上ウェハWを保持する保持アーム131を有している。保持アーム131は、水平方向(Y方向)に延伸している。また保持アーム131には、上ウェハWを保持する保持部材132が例えば4箇所に設けられている。
保持アーム131は、例えばモータなどを備えた駆動部133に支持されている。この駆動部133によって、保持アーム131は水平軸周りに回動自在である。また保持アーム131は、駆動部133を中心に回動自在であると共に、水平方向(Y方向)に移動自在である。駆動部133の下方には、例えばモータなどを備えた他の駆動部(図示せず)が設けられている。この他の駆動部によって、駆動部133は鉛直方向に延伸する支持柱134に沿って鉛直方向に移動できる。このように駆動部133によって、保持部材132に保持された上ウェハWは、水平軸周りに回動できると共に鉛直方向及び水平方向に移動できる。また、保持部材132に保持された上ウェハWは、駆動部133を中心に回動して、位置調節機構120から後述する上チャック140との間を移動できる。
また、位置調節機構120の下方には、下ウェハWの温度を調節する温度調節機構135が設けられている。温度調節機構135は、例えば内部にペルチェ素子などを内蔵した温度調節板を複数備え、下ウェハWを所定の温度に設定できる。
処理領域T2には、上ウェハWを下面で吸着保持する上チャック140と、下ウェハWを上面で載置して吸着保持する下チャック141とが設けられている。上チャック140の下面の外周部と中央部には、図示しない吸引口が同心円状に環状に設けられている。同様に、下チャック141の上面の外周部と中央部にも、図示しない吸引口が同心円状に環状に設けられている。各チャック140、141の吸引口には真空ポンプ(図示せず)が接続されており、真空ポンプにより吸引口を真空引きすることで、上ウェハW及び下ウェハWを吸着保持することができる。また、真空ポンプは、各チャック140、141の外周部と中央部を別箇独立して真空引きできるように各吸引口に接続されている。
下チャック141は、上チャック140の下方に設けられ、上チャック140と対向配置可能に構成されている。すなわち、上チャック140に保持された上ウェハWと下チャック141に保持された下ウェハWは対向して配置可能となっている。この上チャック140と下チャック141が上ウェハWと下ウェハWを押圧して接合する接合部として機能する。
上チャック140は、当該上チャック140の上方に設けられた上チャック支持部150に支持されている。上チャック支持部150は、上チャック140の上面に設けられた支持部材180と、処理容器100の天井面に設けられた、支持部材180を支持する複数の支持柱181を有している。すなわち、上チャック140は、上チャック支持部150を介して処理容器100に固定されて設けられている。
上チャック支持部150には、下チャック141に保持された下ウェハWの接合面WL1を撮像する上部撮像部151が設けられている。すなわち、上部撮像部151は上チャック140に隣接して設けられている。上部撮像部151には、例えばCCDカメラが用いられる。
また、上チャック支持部150の支持部材180の上面には、上チャック140に吸着保持される上ウェハWを下方に押圧する押動機構190が、上チャック140及び支持部材180をそれぞれ厚み方向に貫通する貫通孔(図示せず)を挿通して設けられている。
下チャック141は、当該下チャック141の下方に設けられた第1の下チャック移動部160に支持されている。第1の下チャック移動部160は、後述するように下チャック141を水平方向(Y方向)に移動させるように構成されている。また、第1の下チャック移動部160は、下チャック141を鉛直方向に移動自在、且つ鉛直軸回りに回転可能に構成されている。
第1の下チャック移動部160には、上チャック140に保持された上ウェハWの接合面WU1を撮像する下部撮像部161が設けられている。すなわち、下部撮像部161は下チャック141に隣接して設けられている。下部撮像部161には、例えばCCDカメラが用いられる。
第1の下チャック移動部160は、当該第1の下チャック移動部160の下面側に設けられ、水平方向(Y方向)に延伸する一対のレール162、162に取り付けられている。そして、第1の下チャック移動部160は、レール162に沿って移動自在に構成されている。
一対のレール162、162は、第2の下チャック移動部163に配設されている。第2の下チャック移動部163は、当該第2の下チャック移動部163の下面側に設けられ、水平方向(X方向)に延伸する一対のレール164、164に取り付けられている。そして、第2の下チャック移動部163は、レール164に沿って移動自在に構成され、すなわち下チャック141を水平方向(X方向)に移動させるように構成されている。なお、一対のレール164、164は、処理容器100の底面に設けられた載置台165上に配設されている。
次に、以上のように構成された接合システム1を用いて行われるウェハW、Wの接合処理方法について説明する。図15は、かかるウェハ接合処理の主な工程の例を示すフローチャートである。
先ず、複数枚の上ウェハWを収容したカセットC、複数枚の下ウェハWを収容したカセットC、及び空のカセットCが、搬入出ステーション2の所定のカセット載置板11に載置される。その後、ウェハ搬送装置22によりカセットC内の上ウェハWが取り出され、処理ステーション3の第3の処理ブロックG3のトランジション装置50に搬送される。
次に上ウェハWは、ウェハ搬送装置61によって第1の処理ブロックG1の表面改質装置30に搬送される。表面改質装置30では、所定の減圧雰囲気下において、処理ガスである酸素ガス又は窒素ガスが励起されてプラズマ化され、イオン化される。この酸素イオン又は窒素イオンが上ウェハWの接合面WU1に照射されて、当該接合面WU1がプラズマ処理される。そして、上ウェハWの接合面WU1が改質される(図15の工程S1)。
次に上ウェハWは、ウェハ搬送装置61によって第2の処理ブロックG2の表面親水化装置40に搬送される。表面親水化装置40では、スピンチャックに保持された上ウェハWを回転させながら、当該上ウェハW上に純水を供給する。そうすると、供給された純水は上ウェハWの接合面WU1上を拡散し、表面改質装置30において改質された上ウェハWの接合面WU1に水酸基(シラノール基)が付着して当該接合面WU1が親水化される。また、当該純水によって、上ウェハWの接合面WU1が洗浄される(図15の工程S2)。
次に上ウェハWは、ウェハ搬送装置61によって第2の処理ブロックG2の接合装置41に搬送される。接合装置41に搬入された上ウェハWは、トランジション105の下部トランジション105bを介してウェハ搬送機構の第1の搬送アーム112により位置調節機構120に搬送される。そして位置調節機構120によって、上ウェハWの水平方向の向きが調節される(図15の工程S3)。
その後、位置調節機構120から反転機構130の保持アーム131に上ウェハWが受け渡される。続いて搬送領域T1において、保持アーム131を反転させることにより、上ウェハWの表裏面が反転される(図15の工程S4)。すなわち、上ウェハWの接合面WU1が下方に向けられる。
その後、反転機構130の保持アーム131が、駆動部133を中心に回動してウェハ搬送機構111の第2の搬送アーム113の下方に移動する。そして、保持アーム131から第2の搬送アーム113に上ウェハWが受け渡される。この際、第2の搬送アーム113には傾斜面106cが形成されているため、上ウェハWは傾斜面106cに円滑にガイドされて位置決めされ、支持面106aに保持される。次いで第2の搬送アーム113が上チャック140の下方に移動して、上ウェハWが上チャック140に受け渡される。この際も、搬送アーム113には上ウェハWの外周縁部Eの頂部Q、Qの高さPよりも高く設定されたガイド面106bが形成されているので、慣性力等により上ウェハWに水平方向の力が作用しても、上ウェハWが傾斜面106cを斜め上方向に昇ってしまって第2の搬送アーム113から飛び出したり、滑落したりするのを防止することができる。上ウェハWは、図示しない真空ポンプにより吸引口が真空引きされた上チャック140により、その非接合面WU2が吸着保持される(図15の工程S5)。
上ウェハWに上述した工程S1〜S5の処理が行われている間、当該上ウェハWに続いて下ウェハWの処理が行われる。先ず、ウェハ搬送装置22によりカセットC内の下ウェハWが取り出され、処理ステーション3のトランジション装置50に搬送される。
次に下ウェハWは、ウェハ搬送装置61によって表面改質装置30に搬送され、下ウェハWの接合面WL1が改質される(図15の工程S6)。なお、工程S6における下ウェハWの接合面WL1の改質は、上述した工程S1と同様である。
その後、下ウェハWは、ウェハ搬送装置61によって表面親水化装置40に搬送され、下ウェハWの接合面WL1が親水化される共に当該接合面WL1が洗浄される(図15の工程S7)。なお、工程S7における下ウェハWの接合面WL1の親水化及び洗浄は、上述した工程S2と同様である。
その後、下ウェハWは、ウェハ搬送装置61によって接合装置41に搬送される。接合装置41に搬入された下ウェハWは、トランジション105の下部トランジション105bを介してウェハ搬送機構111の第1の搬送アーム112により位置調節機構120に搬送される。そして位置調節機構120によって、下ウェハWの水平方向の向きが調節される(図15の工程S8)。
その後、第1の搬送アーム112よって下ウェハWは温度調節機構135に搬送される。温度調節機構135では、下ウェハWが、例えば上ウェハWよりも高い温度に調節される(図15の工程S9)。これによりスケーリングを抑制できる。スケーリングとは、例えば接合された重合ウェハWにおいて、上ウェハWと下ウェハWの中心部が合致していても、その外周部では水平方向に位置ずれが生じる現象である。これは、後述するように、上ウェハWと下ウェハWを接合する際、押動機構190によって上ウェハWの中心部を下ウェハWの中心部側に下降させるので、当該上ウェハWは下方に凸に反って伸びることが原因である。かかる場合、ウェハW、W同士を接合する際、上ウェハWと下ウェハWが水平方向にずれて接合される場合がある。この点、下ウェハWを温度調節機構135で上ウェハWよりも高い温度に調節して膨張させるので、上ウェハWと下ウェハWの外周部の水平方向の位置ずれを抑制できる。
その後、下ウェハWは、ウェハ搬送機構111の搬送アーム112によって下チャック141に搬送され、図示しない真空ポンプにより吸引口が真空引きされた下チャック141により、その非接合面WL2が吸着保持される(図15の工程S10)。
次に、上チャック140に保持された上ウェハWと下チャック141に保持された下ウェハWとの水平方向の位置調節を行う。具体的には、第1の下チャック移動部160と第2の下チャック移動部163によって下チャック141を水平方向(X方向及びY方向)に移動させ、上部撮像部151を用いて、下ウェハWの接合面WL1上の予め定められた基準点を順次撮像する。同時に、下部撮像部261を用いて、上ウェハWの接合面WU1上の予め定められた基準点を順次撮像する。撮像された画像は、制御部70に出力される。制御部70では、上部撮像部151で撮像された画像と下部撮像部261で撮像された画像に基づいて、上ウェハWの基準点と下ウェハWの基準点がそれぞれ合致するような位置に、第1の下チャック移動部160と第2の下チャック移動部163によって下チャック141を移動させる。こうして上ウェハWと下ウェハWの水平方向位置が調節される(図15の工程S11)。
その後、第1の下チャック移動部160によって下チャック141を鉛直上方に移動させて、上チャック140と下チャック141の鉛直方向位置の調節を行い、当該上チャック140に保持された上ウェハWと下チャック141に保持された下ウェハWとの鉛直方向位置の調節を行う(図15の工程S12)。そして、上ウェハWと下ウェハWが所定の位置に対向配置される。
次に、上チャック140に保持された上ウェハWと下チャック141に保持された下ウェハWの接合処理が行われる。接合処理においては、図16に示すように押動機構190により上ウェハWの中心部を所定の荷重で押圧して下降させる。これにより、上ウェハWの中心部と下ウェハWの中心部を当接させて押圧する(図15の工程S13)。このとき、上チャック140の中央部の吸引口(図示せず)を吸引する真空ポンプ(図示せず)の作動を停止すると共に、外周部の吸引口を吸引する真空ポンプは作動させたままにする。これにより、押動機構190で上ウェハWの中心部を押圧する際にも、上チャック140によって上ウェハWの外周部を保持することができる。
そうすると、押圧された上ウェハWの中心部と下ウェハWの中心部との間で接合が開始するすなわち、上ウェハWの接合面WU1と下ウェハWの接合面WL1はそれぞれ工程S1、S6において改質されているため、先ず、接合面WU1、WL1間にファンデルワールス力(分子間力)が生じ、当該接合面WU1、WL1同士が接合される。さらに、上ウェハWの接合面WU1と下ウェハWの接合面WL1はそれぞれ工程S2、S7において親水化されているため、接合面WU1、WL1間の親水基が水素結合し(分子間力)、接合面WU1、WL1同士が強固に接合される。
その後、押動機構190によって上ウェハWの中心部と下ウェハWの中心部を押圧した状態で真空ポンプの作動を停止して上ウェハWの真空引きを停止する。そうすると、上ウェハWが下ウェハW上に落下する。そして上ウェハWが下ウェハW上に順次落下して当接し、上述した接合面WU1、WL1間のファンデルワールス力と水素結合による接合がウェハW、Wの中心部から外周部にむけて順次拡がる。このため、上ウェハWと下ウェハWの接合の拡がり(ボンディングウェーブ)が真円状になり、上ウェハWと下ウェハWが適切に接合される。こうして、上ウェハWの接合面WU1と下ウェハWの接合面WL1が全面で当接し、上ウェハWと下ウェハWが接合される(図15の工程S14)。
その後、押動機構190を上昇させる。また、下チャック141を真空引きする真空ポンプの作動を停止し、下チャック141による下ウェハWの吸着保持を停止する。
上ウェハWと下ウェハWが接合された重合ウェハWは、第1の搬送アーム112を介してトランジション105の下部トランジション105bに受け渡される。そして、下部トランジション105bに載置された重合ウェハWは、ウェハ搬送装置61によってトランジション装置51に搬送され、その後搬入出ステーション2のウェハ搬送装置22によって所定のカセット載置板11のカセットCに搬送される。こうして、一連のウェハW、Wの接合処理が終了する。
また、工程S5、S10において上ウェハW及び下ウェハWがそれぞれ上チャック140及び下チャック141に吸着保持されて接合処理(1回目の接合処理)が行われると、搬送領域T1内には次回接合される(2回目の接合処理)上ウェハW及び下ウェハWが順次搬送される。この上ウェハW及び下ウェハWは、上チャック140及び下チャック141に吸着保持されているウェハW、Wと同様に、工程S1、S2及び工程S6、S7において表面改質と親水化処理及び洗浄が行われている。
そして、上ウェハWについては、工程S3で水平方向の向きを調節した後、工程S4で反転機構130により表裏面が反転される。反転された上ウェハWは、第2の搬送アーム113に受け渡されて、第2の搬送アーム113によりトランジション105の上部トランジション105aに受け渡される。この上部トランジション105aは、接合装置41とウェハ搬送装置61との間でウェハW、W、重合ウェハWを受け渡す際に使用されていない。したがって、処理領域T2で接合された重合ウェハWを接合装置41から搬出する際、上部トランジション105aに載置された2回目の接合用の上ウェハWが重合ウェハWの搬送の妨げとなることはない。また、例えば処理領域T2での接合の際に何らかの不具合が生じた場合、上ウェハWと下ウェハWを回収する必要があるが、表裏反転して接合面WU1が下を向いた状態の上ウェハWについては再度反転させて接合面WU1を上向きに戻す必要がある。かかる場合、反転機構130での反転作業が再度必要となるが、2回目の接合処理に用いられる上ウェハWは上部トランジション105aに退避しているので、1回目の接合に用いられる上ウェハWの再反転処理に支障がでることはない。
そして、重合ウェハWが接合装置41から搬出されると、上部トランジション105aで待機していた表裏反転済みの上ウェハWが第2の搬送アーム113に受け渡され、第2の搬送アーム113を介してさらに上チャック140に受け渡される。
同様に、下ウェハWについても、工程S8で水平方向の向きを調節した後、工程S9で温度調節機構135により温度調節される。なお、下ウェハWは温度調節機構135で温度調節を行った後、温度調節機構135内で待機させる。これは、上述の通り、下ウェハWの温度は上ウェハWとは異なる値に設定されているため、下チャック141に受け渡す直前に温度調節機構135から搬出することが好ましいためである。なお、上ウェハWと下ウェハWの温度設定値が同じであれば、下ウェハWを上部トランジション105aで待機させてもよい。
そして、温度調節機構135で温度調節された下ウェハWは第1の搬送アーム112により下チャック141に受け渡されて、上ウェハWと下ウェハWの接合処理が行われる。このように、処理領域T2で上ウェハWと下ウェハWの1回目の接合処理が行われている間に、搬送領域T1において、2回目の接合処理により接合される上ウェハWと下ウェハWの温度調節や水平方向の向きの調節、上ウェハWの反転作業といった接合前の準備作業を行っておくことで、速やかに次の上ウェハWと下ウェハWの接合作業を開始できる。その結果、接合装置41のスループットが大幅に向上する。
そして、2回目の接合処理により接合される上ウェハWと下ウェハWがそれぞれ上チャック140及び下チャック141に吸着保持されると、次回、即ち3回目の接合処理により接合される上ウェハWと下ウェハWがそれぞれ搬送領域T1に搬送され、この一連の処理が繰り返し行われる。
以上の実施の形態によれば、例えば上ウェハWを搬送する第2の搬送アーム113の保持部材106が、傾斜面106cと、水平な支持面106aとの間に鉛直上方に延伸するガイド面106bが形成されている。そして、このガイド面の高Kは、例えば上ウェハWにおいて直径が最大となる部分の厚み方向の高さよりも高く設定されている。具体的には、上ウェハWの外周縁部Eが面取りされている場合、直径が最大となる部分は外周縁部Eの頂部Qと頂部Qの位置であり、ガイド面106bの高さKは、この頂部Qと頂部Qの厚み方向の高さPよりも高く設定されている。したがって、保持部材106と上ウェハWとを水平方向に相対的に移動させる力が作用した場合であっても、ガイド面106bがストッパーとして機能して、上ウェハWが傾斜面106cに沿って斜め上方に移動したり、保持部材106から滑落したりしてしまうことを防止できる。したがって、上ウェハWの外周縁部を確実かつ安定して保持しつつ、上ウェハWの接合面U1が汚染されることを防止することができる。なお、ガイド面106bの高さKは、必ずしも上ウェハWにおいて直径が最大となる部分(頂部Qと頂部Q2)の厚み方向の高さPよりも高く設定する必要はなく、上ウェハWが傾斜面106cを斜め上方向に昇ってしまうことを防止するという観点からは、ガイド面106bの高さKと上ウェハWの高さPは、概ね同じ値に設定されていてもよい。
また、保持部材106の支持面106aの幅Kが、上ウェハWの面取りされた外周縁部Eの幅Bと概ね同じ長さに設定されているので、接合面WU1が下を向いた状態の上ウェハWを保持するにあたり、保持部材106との接触により上ウェハWの接合面WU1にパーティクルが転写されることがない。なお、支持面106aの幅Kは必ずしも上ウェハWの外周縁部Eの幅Bと厳密に一致させる必要はなく、例えば図17に示すように、支持面106aの幅Kが外周縁部Eの幅Bよりも短くてもよい。幅Kが幅Bよりも短く設定されていても、図17に示すように、接合面WU1が保持部材106と接触することなく、上ウェハWの外周縁部Eを支持面106aにより保持することができる。かかる場合、支持面106aの幅Kが上ウェハWの外周縁部Eの幅Bと概ね同じ長さに設定されているとは、単に幅Kと幅Bが概ね一致している場合のみを意味するのではなく、支持面106aにより上ウェハWの外周縁部Eを支持できる程度に幅Kが設定されている場合を含む。具体的には、例えば外周縁部Eの幅Bが例えば0.5mmである場合、支持面106aの幅Kが0.3mm程度であっても、保持部材106により支障なく上ウェハWを保持できることが本発明者らにより確認されており、このような場合も幅Kが幅Bと概ね同じ長さに設定されているといえる。
また、上ウェハWの外周縁部Eを保持する理由は、例えば上ウェハWの接合面WU1にパーティクルが転写されることによりボイドが発生したり、接合面WU1に形成された複数の電子回路が汚染されたりすることを避けるためであり、このような観点からは、支持面106aの幅Kは必ずしも上ウェハWの外周縁部Eの幅B以下とする必要もない。保持部材106との接触により上ウェハWの接合面WU1にパーティクルが転写されることを避けるという観点からは、支持面106aにより、例えば上ウェハWの接合面WU1における電子回路が形成されていない領域を保持できればよく、電子回路が形成されていない領域に応じて幅Kの長さを幅Bよりも長く設定してもよい。一般には、上ウェハWには、接合面WU1と外周縁部Eとの境界から上ウェハWの中心方向に2〜5mm程度進んだ領域に電子回路が形成されており、支持面106aの幅Kが1mm程度に設定されていても、電子回路と支持面106aとが接触することがない。このような場合も幅Kが幅Bと概ね同じ長さに設定されているといえる。
なお、以上の実施の形態では、第2の搬送アーム113や、反転後の上ウェハWを保持する上部トランジション105aにのみ保持部材106を設けていたが、第1の搬送アーム112や下部トランジション105bについても、保持部材106を有する構造としてもよい。即ち、トランジション105の4段すべてを上部トランジション105aと同一の構造としたり、第1の搬送アーム112を第2の搬送アーム113と同一の構造としてもよい。
なお、以上の実施の形態では、保持部材106の支持面106aは、平面視に
おいて略平行四辺形状に形成されていたが、上ウェハWの汚染を防止するという観点からは、支持面106aと上ウェハWの接触面積を極力小さくすることが好ましい。したがって、例えば図18に示すように、上ウェハWの保持に必要な最小限の面積を確保した、突起状の支持面106fを用いるようにしてもよい。かかる場合も、支持面106fの幅Kとガイド面106bの幅Kを適正に設定することで、略平行四辺形状の支持面106aを用いた場合と同様、上ウェハWの外周縁部Eを適切に保持することができる。
また、以上の実施の形態では、上部トランジション105aや第2の搬送アーム113に4つの保持部材106を設けていたが、保持部材106の設置数や配置は本実施の形態の内容に限定されるものではなく、任意に設定できる。但し、安定してウェハW、W、重合ウェハWを保持するという観点からは、最低3つの保持部材106を設けることが好ましい。なお、保持部材106の設置数によらず、保持部材106は、そのガイド面106bが保持対象となるウェハW、W、重合ウェハWの外周部の接線方向と平行になるように配置することが好ましい。
また、以上の実施の形態によれば、接合装置41が、上ウェハWと下ウェハWを一次的に載置するバッファ載置部として機能する上部トランジション105aや温度調節機構135を有しているので、例えば処理領域T2において1回目の接合処理を行っている間に、搬送領域T1において2回目の接合処理により接合される上ウェハWと下ウェハWに対して、温度調節や水平方向の向きの調節、上ウェハWの反転作業といった接合前の準備作業を行っておき、上部トランジション105や温度調節機構135に待機させておくことができる。そのため、1回目の接合時に不具合が生じた際に、2回目の接合に用いられる上ウェハWと下ウェハWの存在が、1回目の接合に用いられた上ウェハWの再反転作業や、上ウェハW及び下ウェハWの搬送の障害となることがない。その結果、接合装置41のスループットを大幅に向上させることができる。
なお、以上の実施の形態では、接合装置41の搬送領域T1のX方向正方向側に配置されたトランジション105に上部トランジション105aを配置し、温度調節機構135については、位置調節機構120の下方に配置したが、これら上部トランジション105aや温度調節機構135の配置は本実施の形態の内容に限定されるものではなく、例えば2回目の接合処理に用いられる上ウェハWと下ウェハWを待機させておくにあたり、1回目の接合処理のウェハW、W、重合ウェハWの搬送等の妨げにならない配置であれば、任意に設定が可能である。
<2.第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第1の実施の形態における接合システム1では、ファンデルワールス力及び分子間力を用いた接合を行ったが、第2の実施の形態では、接着剤を介在させて接合を行う接合システムについて説明する。図19は、本実施の形態にかかる接合システム300の構成の概略を示す平面図である。図20は、接合システム300の内部構成の概略を示す側面図である。
接合システム300では、図21に示すように例えば接着剤Gを介して、基板としての被処理ウェハWと基板としての支持ウェハSとを接合する。以下、被処理ウェハWにおいて、接着剤Gを介して支持ウェハSと接合される面を「接合面W」といい、当該接合面Wと反対側の面を「非接合面W」という。同様に、支持ウェハSにおいて、接着剤Gを介して被処理ウェハWと接合される面を「接合面S」といい、接合面Sと反対側の面を「非接合面S」という。そして、接合システム300では、被処理ウェハWと支持ウェハSを接合して重合ウェハTを形成する。
被処理ウェハWは、製品となるウェハであって、例えば接合面Wに複数の電子回路が形成されており、非接合面Wが研磨処理される。また被処理ウェハWの外周部は面取り加工がされている。さらに被処理ウェハWには、当該被処理ウェハWの外周部のチッピングを抑制し被処理ウェハWの損傷を抑制するために、いわゆるエッジトリムが行われている。このエッジトリムでは被処理ウェハWの研磨処理後に外周部が取り除かれるように、当該外周部の最外側の表面が段状に削られて、接合面Wの外周部には段状のトリム部Mが形成されている。トリム部Mの幅Nは例えば400μmである。
接合システム300は、図19に示すように例えば外部との間で複数の被処理ウェハW、複数の支持ウェハS、複数の重合ウェハTをそれぞれ収容可能なカセットC、C、Cが搬入出される搬入出ステーション301と、被処理ウェハW、支持ウェハS、重合ウェハTに対して所定の処理を施す各種処理装置を備えた処理ステーション302とを一体に接続した構成を有している。
搬入出ステーション301には、カセット載置台310が設けられている。カセット載置台310には、複数、例えば4つのカセット載置板311が設けられている。カセット載置板311は、X方向(図19中の上下方向)に一列に並べて配置されている。これらのカセット載置板311には、接合システム300の外部に対してカセットC、C、Cを搬入出する際に、カセットC、C、Cを載置することができる。このように搬入出ステーション301は、複数の被処理ウェハW、複数の支持ウェハS、複数の重合ウェハTを保有可能に構成されている。なお、カセット載置板311の個数は、本実施の形態に限定されず、任意に決定することができる。また、カセットの1つを不具合ウェハの回収用として用いてもよい。すなわち、種々の要因で被処理ウェハWと支持ウェハSとの接合に不具合が生じたウェハを、他の正常な重合ウェハTと分離することができるカセットである。本実施の形態においては、複数のカセットCのうち、1つのカセットCを不具合ウェハの回収用として用い、他方のカセットCを正常な重合ウェハTの収容用として用いている。
搬入出ステーション301には、カセット載置台310に隣接してウェハ搬送部320が設けられている。ウェハ搬送部320には、X方向に延伸する搬送路321上を移動自在なウェハ搬送装置322が設けられている。ウェハ搬送装置322は、鉛直方向及び鉛直軸周り(θ方向)にも移動自在であり、各カセット載置板311上のカセットC、C、Cと、後述する処理ステーション302の第3の処理ブロックG3のトランジション装置50、51との間で被処理ウェハW、支持ウェハS、重合ウェハTを搬送できる。
処理ステーション302には、各種処理装置を備えた複数例えば3つの処理ブロックG1、G2、G3が設けられている。例えば処理ステーション302の正面側(図19中のX方向負方向側)には、第1の処理ブロックG1が設けられ、処理ステーション302の背面側(図19中のX方向正方向側)には、第2の処理ブロックG2が設けられている。また、処理ステーション302の搬入出ステーション301側(図19中のY方向負方向側)には、第3の処理ブロックG3が設けられている。
例えば第1の処理ブロックG1には、接着剤Gを介して被処理ウェハWと支持ウェハSとを押圧して接合する接合装置330〜333が、搬入出ステーション301側からこの順でY方向に並べて配置されている。なお、接合装置330〜333の装置数や配置は任意に設定することができる。また、接合装置330〜333の構成については、後述する。
例えば第2の処理ブロックG2には、図20に示すように被処理ウェハWに接着剤Gを塗布する塗布装置340と、接着剤Gが塗布された被処理ウェハWを所定の温度に加熱する熱処理装置341〜343と、同様の熱処理装置344〜346とが、搬入出ステーション301側に向かう方向(図19中のY方向負方向)にこの順で並べて配置されている。熱処理装置341〜343と熱処理装置344〜346は、それぞれ下からこの順で3段に設けられている。なお、熱処理装置341〜346の装置数や鉛直方向及び水平方向の配置は任意に設定することができる。
上記塗布装置340としては、例えば特開2013−247292号公報に記載の塗布装置を用いることができる。すなわち、塗布装置340は、被処理ウェハWを保持して回転させるスピンチャックと、スピンチャックに保持された被処理ウェハW上に接着剤Gを供給する接着剤ノズルを有している。
上記熱処理装置341〜346としては、例えば特開2013−247292号公報に記載の熱処理装置を用いることができる。すなわち、熱処理装置341〜346は、被処理ウェハWを加熱処理する加熱部と、被処理ウェハWを温度調節する温度調節部を有している。なお、熱処理装置341〜346では、重合ウェハTの温度調節もすることができる。さらに、重合ウェハTの温度調節をするため、第2の処理ブロックG2に温度調節装置(図示せず)を設けてもよい。温度調節装置は、上述した熱処理装置341〜346と同様の構成を有し、熱板に代えて、温度調節板が用いられる。温度調節板の内部には、例えばペルチェ素子などの冷却部材が設けられており、温度調節板を設定温度に調節できる。
例えば第3の処理ブロックG3には、被処理ウェハW、支持ウェハS、重合ウェハTのトランジション装置350、351が下からこの順で2段に設けられている。
図19に示すように第1の処理ブロックG1〜第3の処理ブロックG3に囲まれた領域には、ウェハ搬送領域360が形成されている。ウェハ搬送領域360には、例えばウェハ搬送装置361が配置されている。なお、ウェハ搬送領域360内の圧力は大気圧以上であり、当該ウェハ搬送領域360において、被処理ウェハW、支持ウェハS、重合ウェハTのいわゆる大気系の搬送が行われる。
ウェハ搬送装置361は、例えば鉛直方向、水平方向(Y方向、X方向)及び鉛直軸周りに移動自在な搬送アームを有している。ウェハ搬送装置361は、ウェハ搬送領域360内を移動し、周囲の第1の処理ブロックG1、第2の処理ブロックG2及び第3の処理ブロックG3内の所定の装置に被処理ウェハW、支持ウェハS、重合ウェハTを搬送できる。
以上の接合システム300には、図19に示すように制御部370が設けられている。制御部370は、例えばコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、接合システム300における被処理ウェハW、支持ウェハS、重合ウェハTの処理を制御するプログラムが格納されている。また、プログラム格納部には、上述の各種処理装置や搬送装置などの駆動系の動作を制御して、接合システム300における後述の接合処理を実現させるためのプログラムも格納されている。なお、前記プログラムは、例えばコンピュータ読み取り可能なハードディスク(HD)、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD)、マグネットオプティカルデスク(MO)、メモリーカードなどのコンピュータに読み取り可能な記憶媒体Hに記録されていたものであって、その記憶媒体Hから制御部370にインストールされたものであってもよい。
次に、上述した接合装置330〜333の構成について説明する。接合装置330は、図22に示すように内部を密閉可能な処理容器400を有している。処理容器400のウェハ搬送領域360側の側面には、被処理ウェハW、支持ウェハS、重合ウェハTの搬入出口401が形成され、当該搬入出口には開閉シャッタ(図示せず)が設けられている。
処理容器400の内部は、内壁402によって、搬送領域としての前処理領域D1と、処理領域としての接合領域D2に区画されている。上述した搬入出口401は、前処理領域D1における処理容器400の側面に形成されている。また、内壁402にも、被処理ウェハW、支持ウェハS、重合ウェハTの搬入出口403が形成されている。
前処理領域D1には、接合装置330の外部との間で被処理ウェハW、支持ウェハS、重合ウェハTを受け渡すための受渡部410が設けられている。受渡部410は、搬入出口401に隣接して配置されている。また受渡部410は、鉛直方向に複数、例えば2段配置され、被処理ウェハW、支持ウェハS、重合ウェハTのいずれか2つを同時に受け渡すことができる。例えば一の受渡部410で接合前の被処理ウェハW又は支持ウェハSを受け渡し、他の受渡部410で接合後の重合ウェハTを受け渡してもよい。あるいは、一の受渡部410で接合前の被処理ウェハWを受け渡し、他の受渡部410で接合前の支持ウェハSを受け渡してもよい。
受渡部410としては、例えば特開2013−247292号公報に記載の受渡部を用いることができる。すなわち、受渡部410は、受渡アーム411とウェハ支持ピン412とを有している。受渡アーム411は、ウェハ搬送装置361とウェハ支持ピン412との間で被処理ウェハW、支持ウェハS、重合ウェハTを受け渡すことができる。ウェハ支持ピン412は、複数、例えば3箇所に設けられ、被処理ウェハW、支持ウェハS、重合ウェハTを支持することができる。
前処理領域D1のY方向負方向側、すなわち搬入出口403側において、受渡部410の鉛直上方には、例えば支持ウェハSの表裏面を反転させる反転部420が設けられている。
反転部420としては、第1の実施の形態にかかる接合装置41で用いられた反転機構130と同様の構成のものを用いることができる。すなわち、反転部420は、支持ウェハS、被処理ウェハWを保持する保持アーム421を有している。保持アーム421は、水平方向(図22中のX方向)に延伸している。また保持アーム421には、支持ウェハS、被処理ウェハWを保持する保持部材422が例えば4箇所に設けられている。保持アーム421は、例えばモータなどを備えた駆動部423に支持されている。この駆動部423によって、保持アーム421は水平軸周りに回動自在であり、且つ水平方向(図22中のX方向及びY方向)に移動できる。また、駆動部423によって、保持アーム421は鉛直方向に延伸する支持柱424に沿って鉛直方向に移動できる。
支持柱424には、保持部材422に保持された支持ウェハS、被処理ウェハWの水平方向の向きを調節する位置調節機構425が支持板426を介して支持されている。位置調節機構425についても、その構成は接合装置41で用いられた位置調節機構120と同様であり、位基台427と、支持ウェハS、被処理ウェハWのノッチ部の位置を検出する検出部428とを有している。そして、位置調節機構425では、保持部材422に保持された支持ウェハS、被処理ウェハWを水平方向に移動させながら、検出部428で支持ウェハS、被処理ウェハWのノッチ部の位置を検出することで、当該ノッチ部の位置を調節して支持ウェハS、被処理ウェハWの水平方向の向きを調節している。
なお、以上のように構成された受渡部410は鉛直方向に2段に配置され、またこれら受渡部410の鉛直上方に反転部420が配置される。すなわち、受渡部410の受渡アーム411は、反転部420の保持アーム421と位置調節機構425の下方において水平方向に移動する。また、受渡部410のウェハ支持ピン412は、反転部420の保持アーム421の下方に配置されている。
接合領域D2のY方向正方向側には、受渡部410、反転部420及び後述する接合部440とバッファ載置部441に対して、被処理ウェハW、支持ウェハS、重合ウェハTを搬送する搬送部430が設けられている。搬送部430は、搬入出口403に取り付けられている。
搬送部430としては、第1の実施の形態にかかる接合装置41で用いられたウェハ搬送機構111と同様の構成のものを用いることができる。即ち、搬送部430は2本の搬送アーム431a、431bを、鉛直方向に上からこの順で2段備えている。そして、第1の搬送アーム431aは、接合装置41の第1の搬送アーム112と同様の構成を有し、被処理ウェハW、支持ウェハS、重合ウェハTの裏面(被処理ウェハW、支持ウェハSにおいては非接合面W、S)を保持して搬送する。また、第2の搬送アーム431bは、接合装置41の第2の搬送アーム113と同様の構成を有し、反転部420で表裏面が反転された支持ウェハSの表面、すなわち接合面Sの外周部を保持して搬送するように保持部材106を備えている。搬送アーム431a、431bの基端部には、例えばモータなどを備えたアーム駆動部432が設けられている。このアーム駆動部432によって、各搬送アーム431a、431bは独立して水平方向に移動できる。これら搬送アーム431a、431bとアーム駆動部432は、基台433に支持されている。
接合領域D2のY方向負方向側には、接着剤Gを介して被処理ウェハWと支持ウェハSとを押圧して接合する接合部440が設けられている。
接合部440は、被処理ウェハWを上面で載置して保持する第1の保持部(図示せず)と、支持ウェハSを下面で吸着保持する第2の保持部(図示せず)とを有し、第1の保持部は、第2の保持部の下方に対向するように配置されている。すなわち、第1の保持部に保持された被処理ウェハWと第2の保持部に保持された支持ウェハSは対向して配置されており、例えば第1の保持部を鉛直下方に押圧することで被処理ウェハWと支持ウェハSの接合が行われる。
なお、接合装置331〜333の構成は、上述した接合装置330の構成と同様であるので説明を省略する。また、接合装置330〜333における各部の動作は、上述した制御部370によって制御される。
次に、以上のように構成された接合システム300を用いて行われる被処理ウェハWと支持ウェハSの接合処理方法について説明する。図23は、かかる接合処理の主な工程の例を示すフローチャートである。
先ず、複数枚の被処理ウェハWを収容したカセットC、複数枚の支持ウェハSを収容したカセットC、及び空のカセットCが、搬入出ステーション301の所定のカセット載置板311に載置される。その後、ウェハ搬送装置322によりカセットC内の被処理ウェハWが取り出され、処理ステーション302の第3の処理ブロックG3のトランジション装置50に搬送される。このとき、被処理ウェハWは、その非接合面Wが下方を向いた状態で搬送される。
次に被処理ウェハWは、ウェハ搬送装置361によって塗布装置340に搬送される。塗布装置340に搬入された被処理ウェハWは、ウェハ搬送装置361からスピンチャックに受け渡され吸着保持される。このとき、被処理ウェハWの非接合面Wが吸着保持される。そして、スピンチャックによって被処理ウェハWを回転させながら、接着剤ノズルから被処理ウェハWの接合面Wに接着剤Gを供給する。供給された接着剤Gは遠心力により被処理ウェハWの接合面Wの全面に拡散されて、当該被処理ウェハWの接合面Wに接着剤Gが塗布される(図23の工程A1)。
次に被処理ウェハWは、ウェハ搬送装置361によって熱処理装置341に搬送される。熱処理装置341では、先ず、加熱部によって被処理ウェハWは所定の温度、例えば100℃〜300℃に加熱される(図23の工程A2)。かかる加熱を行うことで被処理ウェハW上の接着剤Gが加熱され、当該接着剤Gが硬化する。その後、温度調節部によって、被処理ウェハWは所定の温度、例えば常温である23℃に温度調節される。
次に被処理ウェハWは、ウェハ搬送装置361によって接合装置330に搬送される。接合装置330に搬送された被処理ウェハWは、ウェハ搬送装置361から受渡部410の受渡アーム411に受け渡された後、さらに受渡アーム411からウェハ支持ピン412に受け渡される。その後、被処理ウェハWは、搬送部430の搬送アーム431によってウェハ支持ピン412から反転部420に搬送される。
反転部420に搬送された被処理ウェハWは、保持部材422に保持され、位置調節機構425に移動される。そして、位置調節機構425において、被処理ウェハWのノッチ部の位置を調節して、当該被処理ウェハWの水平方向の向きが調節される(図23の工程A3)。
その後、被処理ウェハWは、搬送部430の搬送アーム431によって反転部420から接合部440に搬送される。接合部440に搬送された被処理ウェハWは、第1の保持部(図示せず)に載置される(図23の工程A4)。第1の保持部上では、被処理ウェハWの接合面Wが上方を向いた状態、すなわち接着剤Gが上方を向いた状態で被処理ウェハWが吸着保持される。
被処理ウェハWに上述した工程A1〜A4の処理が行われている間、当該被処理ウェハWに続いて支持ウェハSの処理が行われる。支持ウェハSは、ウェハ搬送装置361によって接合装置330に搬送される。なお、支持ウェハSが接合装置330に搬送される工程については、上記実施の形態と同様であるので説明を省略する。
接合装置330に搬送された支持ウェハSは、ウェハ搬送装置361から受渡部410の受渡アーム411に受け渡された後、さらに受渡アーム411からウェハ支持ピン412に受け渡される。その後、支持ウェハSは、搬送部430の搬送アーム431によってウェハ支持ピン412から反転部420に搬送される。
反転部420に搬送された支持ウェハSは、保持部材422に保持され、位置調節機構425に移動される。そして、位置調節機構425において、支持ウェハSのノッチ部の位置を調節して、当該支持ウェハSの水平方向の向きが調節される(図23の工程A5)。水平方向の向きが調節された支持ウェハSは、位置調節機構425から水平方向に移動され、且つ鉛直方向上方に移動された後、その表裏面が反転される(図23の工程A6)。すなわち、支持ウェハSの接合面Sが下方に向けられる。
その後、支持ウェハSは、鉛直方向下方に移動された後、搬送部430の搬送アーム431によって反転部420から接合部440に搬送される。このとき、搬送アーム431は、支持ウェハSの接合面Sの外周部のみを保持しているので、例えば搬送アーム431に付着したパーティクル等によって接合面Sが汚れることはない。接合部440に搬送された支持ウェハSは、第2の保持部(図示せず)に吸着保持される(図23の工程A7)。第2の保持部では、支持ウェハSの接合面Sが下方を向いた状態で支持ウェハSが保持される。
接合部440では、第1の保持部に保持された被処理ウェハWと第2の保持部に保持された支持ウェハSとの水平方向の位置調節が行われ被処理ウェハWと支持ウェハSが対向して配置される(図23の工程A8)。
その後、図示しない減圧機構によって接合領域D2内の雰囲気を吸引し、接合領域D2内を真空状態まで減圧する(図23の工程A9)。本実施の形態では、接合領域D2内を所定の真空圧、例えば10Pa以下まで減圧する。
その後、第2の保持部が下方に押圧され、被処理ウェハWと支持ウェハSが押圧され、接着剤Gと支持ウェハSが全面で当接する(図23の工程A10)。
なお、被処理ウェハWと支持ウェハSを押圧する際、第1の保持部及び第2の保持部にそれぞれ内蔵された、図示しない加熱機構により被処理ウェハWと支持ウェハSを所定の温度、例えば100℃〜400℃で加熱する。このように被処理ウェハWと支持ウェハSを所定の温度で加熱しながら、接合を行うことで、被処理ウェハWと支持ウェハSがより強固に接着される(図23の工程A11)。
なお、工程A9〜A11では、接合領域D2内は真空状態に維持されているため、被処理ウェハWと支持ウェハSを当接させても、当該被処理ウェハWと支持ウェハSとの間におけるボイドの発生を抑制することができる。また、工程A9〜A11では、加熱機構(図示せず)により被処理ウェハWと支持ウェハSを所定の温度、例えば100℃〜400℃で加熱する。このように被処理ウェハWと支持ウェハSを所定の温度で加熱しながら、接合することによって、被処理ウェハWと支持ウェハSがより強固に接着される。
このように被処理ウェハWと支持ウェハSが接合された重合ウェハTは、搬送部430の搬送アーム431によって接合部440から受渡部410に搬送される。受渡部410に搬送された重合ウェハTは、ウェハ支持ピン412を介して受渡アーム411に受け渡され、さらに受渡アーム411からウェハ搬送装置361に受け渡される。
その後重合ウェハTは、ウェハ搬送装置361によってトランジション装置51に搬送され、その後搬入出ステーション301のウェハ搬送装置322によって所定のカセット載置板311のカセットCに搬送される。こうして、一連の被処理ウェハWと支持ウェハSの接合処理が終了する。
また、工程A4、A7において被処理ウェハW及び支持ウェハSがそれぞれ第1の保持部及び第2の保持部に吸着保持されて接合処理(1回目の接合処理)が行われると、前処理領域D1には次回接合される(2回目の接合処理)被処理ウェハWと支持ウェハSが順次搬送される。この2回目の接合処理に用いられる被処理ウェハWは、第1の保持部に吸着保持されている被処理ウェハWと同様に、工程A1、A2における接着剤の塗布と加熱処理が行われている。
そして、支持ウェハSについては、第1の実施の形態における上ウェハWの場合と同様に、工程A5で水平方向の向きを調節した後、工程A6で反転部420により表裏面が反転される。反転された支持ウェハSは、第2の搬送アーム431bに受け渡されて、バッファ載置部441に載置される。このバッファ載置部441は、前処理領域D1と接合部440との間で支持ウェハSを受け渡す際に使用されていない。したがって、接合部440で接合された重合ウェハTを接合部440から前処理領域D1に搬出する際、バッファ載置部441に載置された支持ウェハSが重合ウェハTの搬送の妨げとなることはない。また、接合部440での接合の際に何らかの不具合が生じた場合、支持ウェハSと被処理ウェハWを回収する必要があるが、表裏反転した状態の支持ウェハSについては再度反転させて接合面Sを上向きに戻す必要がある。かかる場合、反転部420での反転作業が再度必要となるが、2回目の接合処理に用いられる支持ウェハSはバッファ載置部441に退避しているので、1回目の接合に用いられる支持ウェハS再反転処理に支障がでることはない。
そして、重合ウェハTが接合装置330から搬出されると、バッファ載置部441で待機していた表裏反転済みの支持ウェハSが第2の搬送アーム431bに受け渡され、第2の搬送アーム431bを介してさらに第2の保持部501に受け渡される。
同様に、被処理ウェハWについても、工程A3で水平方向の向きを調節した後、第1の搬送アーム431aによりバッファ載置部441に載置される。そして、重合ウェハTが接合装置330から搬出されると、支持ウェハSと同様に、バッファ載置部441で待機していたが被処理ウェハWは、第1の搬送アーム431aを介して第1の保持部に受け渡され、接合部440で2回目の接合処理が行われる。
そして、2回目の接合処理により接合される被処理ウェハWと支持ウェハSがそれぞれ第1の保持部及び第2の保持部に吸着保持されると、次回、即ち3回目の接合処理により接合される被処理ウェハWと支持ウェハSがそれぞれ前処理領域D1に搬送され、この一連の処理が繰り返し行われる。
したがって、接着剤Gを用いて接合を行う第2の実施の形態にかかる接合装置330においても、当該接合装置330がバッファ載置部441を有しているので、第1の実施の形態の接合装置41の場合と同様に、2回目の接合処理により接合される被処理ウェハWと支持ウェハSに対する水平方向の向きの調節や、支持ウェハSの反転作業といった接合前の準備作業を行っておくことができる。その結果、接合装置330のスループットを大幅に向上させることができる。
なお、以上の実施の形態では、接合領域D2のY方向正方向側にバッファ載置部441を配置したが、バッファ載置部441の配置は本実施の形態の内容に限定されるものではなく、2回目の接合処理に用いられる被処理ウェハWと支持ウェハSを待機させておくにあたり、1回目の接合処理の被処理ウェハW、支持ウェハS及び重合ウェハWの搬送等の妨げにならない配置であれば、任意に設定が可能である。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。本発明はこの例に限らず種々の態様を採りうるものである。本発明は、基板がウェハ以外のFPD(フラットパネルディスプレイ)、フォトマスク用のマスクレチクルなどの他の基板である場合にも適用できる。
1 接合システム
2 搬入出ステーション
3 処理ステーション
30 表面改質装置
40 表面親水化装置
41 接合装置
61 ウェハ搬送装置
70 制御部
100 処理容器
105 トランジション
106 保持部材
300 接合システム
上ウェハ
下ウェハ
重合ウェハ

Claims (6)

  1. 基板の外周縁部を保持する基板保持部材であって、
    水平な支持面と、
    前記支持面から鉛直上方に延伸するガイド面と、
    前記ガイド面の上端部から、平面視において前記支持面と離れる方向に向かって次第に上がる傾斜面と、を有することを特徴とする、基板保持部材。
  2. 前記基板は他の基板と接合される基板であり、
    前記支持面は、前記基板の接合面を下に向けた状態で、当該基板を支持することを特徴とする、請求項1に記載の基板保持部材。
  3. 前記ガイド面の上端部の高さは、前記基板において直径が最大となる部分の厚み方向の高さと同じかまたは高く設定されていることを特徴とする、請求項1または2のいずれか一項に記載の基板保持部材。
  4. 前記基板保持部材の前記支持面における、前記ガイド面から、前記ガイド面と反対側の端部までの間の幅は、前記基板の外周縁部の幅と略同じに形成されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の基板保持部材。
  5. 前記支持面における、前記ガイド面から、前記ガイド面と反対側の端部までの間の幅は、0.3mm〜1mmであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の基板保持部材。
  6. 前記支持面における、前記ガイド面と反対側の端部から鉛直下方に延伸する垂下面と、
    前記垂下面の下端部から、平面視において前記支持面と離れる方向に向かって水平に延伸する下段支持面と、をさらに有することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の基板保持部材。
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