JP2017033086A - 光警報システム - Google Patents
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Abstract
Description
まずは、実施の形態の基本的概念について説明する。実施の形態は、概略的に、第1光警報装置の光量である第1光量と第2光警報装置の光量である第2光量とが互いに異なる光量になるように、第1光警報装置又は第2光警報装置を制御する光警報システムに関するものである。
次に、実施の形態の具体的内容について説明する。
まず、実施の形態に係る光警報システムの構成について説明する。図1は、実施の形態に係る光警報システムの構成を示す概略図である。この図1に示すように、光警報システム1は、建築物100に設けられている防災システムであり、感知器11〜16、光警報装置21〜26、及び受信機30を備えており、これらの装置は通信線Lを介して接続されている。なお、光警報システム1には、実際には非常ベルの如き鳴動装置も備えられているが、図1においては省略されている。また、感知器11〜16を互いに区別する必要が無い場合には、「感知器10」と総称し、光警報装置21〜26を互いに区別する必要が無い場合には、「光警報装置20」と総称して、以下説明する。
最初に、感知器10の構成について説明する。感知器10は、自己が設置されている監視領域の異常を感知する感知手段であり、具体的には、建築物100の監視領域である各フロア(つまり、例えば、感知器11の監視領域が建築物100の1階部分である)に設置されており、当該各フロアの火災を感知する火災感知器である。この感知器10は、火災を検知した場合に、自己の識別情報(以下、ID)を含む発報信号を、通信線Lを介して受信機30に送信するように構成されている。ここで、「ID」とは、機器を一意に識別するための情報である。そして、この発報信号に含まれているIDに基づいて、発報信号を出力した感知器10を特定することが可能となる。
次に、光警報装置20の構成について説明する。光警報装置20は、監視領域の異常を報知する警報手段であり、具体的には、建築物100の監視領域である各フロア(つまり、例えば、光警報装置21の監視領域が建築物100の1階部分である)に設置されている装置である。この光警報装置20については、出力する光の光量を任意に制御することが可能な光警報装置であれば、例えば、後述の電流制御タイプの光警報装置を含む任意のタイプの光警報装置を用いることができるが、ここでは、電流制御タイプの光警報装置を用いるものとして、以下説明する。ここで、「電流制御タイプの光警報装置」とは、発光ダイオードの如き光源を備えている光警報装置であって、当該光源に供給される駆動電流の量を制御することにより、出力する光量を制御することが可能となっている光警報装置である。
通信部41は、受信機30との通信を行う通信手段であり、例えば、通信回路等を備えて構成されている。
発光部42は、発光する発光手段であり、具体的には、供給される駆動電流の量に応じた光量の光を出力するものであって、例えば、発光ダイオード等を備えて構成されている。
発光駆動部43は、発光部42を駆動する発光駆動手段であり、具体的には、発光部42に駆動電流を供給するものであって、例えば、駆動電流供給回路等を備えて構成されている。ここで、「駆動電流供給回路」とは、駆動電流を供給するための回路であり、供給する駆動電流の量を調整することが可能な回路であれば任意の回路を用いることができるが、例えば、出力トランジスタと当該出力トランジスタを制御する制御用のオペアンプとを備える回路を用いることもできる。
記憶部44は、光警報装置20の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記憶する記憶手段である。この記憶部44には、自己が属する光警報装置20のIDが格納されている。
制御部45は、光警報装置20を制御する制御手段である。この制御部45は、具体的には、CPU、当該CPU上で解釈実行される各種のプログラム(OSなどの基本制御プログラムや、OS上で起動され特定機能を実現するアプリケーションプログラムを含む)、及びプログラムや各種のデータを格納するためのRAMの如き内部メモリを備えて構成されるコンピュータである(この点は他の装置や機器の制御部も同様)。特に、本実施の形態に係るプログラムは、任意の記憶媒体又はネットワークを介して光警報装置20にインストールされることで、制御部45の各部(機能)を実質的に構成する。なお、この制御部45による具体的な処理内容については後述する。
次に、受信機30の構成について説明する。図3は、受信機30の電気的構成を機能概念的に示すブロック図である。この図3に示すように、受信機30は、入力部31、出力部32、通信部33、記憶部34、及び制御部35を備えている。
入力部31は、受信機30の動作に必要な情報の入力を受け付ける入力手段であり、例えば、タッチパネル、スイッチ、及び外部入力端子を備えて構成されている。
出力部32は、受信機30の動作に必要な情報の出力を行う出力手段であり、例えば、スピーカ、ディスプレイ、表示灯、及び外部出力端子を備えて構成されている。
通信部33は、感知器10及び光警報装置20との通信を行う通信手段であり、例えば、通信回路等を備えて構成されている。
記憶部34は、受信機30の動作に必要なプログラム及び各種のデータを記憶する記憶手段である。この記憶部34は、例えば、外部記憶装置としてのハードディスク(図示省略)を用いて構成されているが、ハードディスクに代えてあるいはハードディスクと共に、磁気ディスクの如き磁気的記憶媒体、又はDVDやブルーレイディスクの如き光学的記憶媒体を含む、その他の任意の記憶媒体を用いることができる(この点については、他の装置や機器の記憶部も同様としてもよい)。
制御部35は、受信機30を制御する制御手段である。この制御部35は、機能概念的には、発光制御部351を備える。この発光制御部351は、光警報装置20の光量を調整するために当該光警報装置20を制御する制御手段である。なお、この発光制御部351による具体的な処理内容については後述する。
次に、このように構成される光警報システム1によって実行される防災処理について説明する。この防災処理は、光警報システム1に含まれている各装置への電源投入後に、この各装置により繰り返して実行される。図5は、受信機30の防災処理のフローチャートである。なお、以下では、「ステップ」を「S」と略記する。
このように本実施の形態によれば、第1光警報装置の光量である第1光量と第2光警報装置の光量である第2光量とが互いに異なる光量になるように、第1光警報装置又は第2光警報装置を制御するので、例えば、避難の緊急度を互いに区別して警報することができ、建築物100内の人が一斉に緊急避難行動(例えば、走って非常階段又は非常口に移動する等)をとるのを防止することにより、非常階段又は非常口等での混雑を防止し、円滑に避難させることが可能になる。
以上、本発明に係る実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、上述の内容に限定されるものではなく、発明の実施環境や構成の細部に応じて異なる可能性があり、上述した課題の一部のみを解決したり、上述した効果の一部のみを奏したりすることがある。例えば、従来のシステムよりも防災性を向上できない場合であっても、従来のシステムと同程度の防災性を従来のシステムとは異なる本願発明のシステムによって達成できている場合には、本願発明の課題が解決されている。
また、上述した各電気的構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各部の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散又は統合して構成できる。例えば、感知器10、光警報装置20、及び受信機30をそれぞれ複数の装置に分散して構成したり、当該各装置を統合したりしてもよい。
また、実施の形態や図面において例示した構成要素に関して、形状、数値、又は複数の構成要素の構造若しくは時系列の相互関係については、本発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。
また、実施の形態においては、感知器10及び光警報装置20がフロア単位で設置されており、当該フロア単位で光警報装置20の光量を特定して光を出力する場合について説明したが、これに限られない。例えば、建築物100における同一フロアに複数の区画が設けられており、感知器10及び光警報装置20が区画単位で設置されており、当該各区画単位で光警報装置20の光量を特定して光を出力してもよい。
また、実施の形態においては、図5のSA3について、「出火場所に対応する階」を「出火場所の階と、当該出火場所の階の直上の階との2フロア」とする場合について説明したが、これに限られない。例えば、光警報システム1の監視の対象となっている建築物に地下のフロアが設けられている場合において、出火場所が1階又は地下である場合には、「出火場所に対応する階」を「出火場所の階、当該出火場所の階の直上階のフロア、及び地下の全フロア」にしてもよい。また、例えば、光警報システム1の防災の対象となっている建築物が比較的小規模(例えば、4階建未満、又は、延べ面積が所定面積(例えば、3000平方メートル等)未満等)である場合には、「出火場所に対応する階」を「全階」にしてもよい。
また、実施の形態においては、図5の防災処理において、発報信号を1回のみ受信する場合について説明したが、これに限られない。例えば、図5のSA1において第1回目の発報信号(以下、第1発報信号)を受信して、当該第1発報信号に基づいて行われるSA1〜SA4の処理の後に、当該防災処理を終了する前(つまり、例えば、SA5のNO、SA8のNOを繰り返し実行している間)に、第2回目の発報信号であって、含んでいるIDが第1発報信号のものとは異なる発報信号(以下、第2発報信号)を受信した場合、以下に示すように処理してもよい。ここでは、例えば、第1発報信号が「ID21」を含んでおり、第2発報信号が「ID23」を含んでいる場合、まず、第1発報信号を受信した場合に、光警報装置21、22が第1光量の光を出力し、光警報装置23〜26が第2光量(つまり、第1光量未満の光量)の光を出力するように制御し、この後、第2発報信号を受信した場合、光警報装置23、24の光が第2光量から第1光量に変更されるように制御する(つまり、第2発報信号を受信した場合、光警報装置21〜24の光量が第1光量となり、光警報装置25、26の光量が第2光量のままとなる)。なお、第2発報信号を受信した場合、火災が燃え広がっている可能性があるものとして、前述したように、光警報装置23、24の光が第2光量から第1光量に変更されるように制御すると共に、光警報装置25、26の光の光量が増加するように、制御してもよい。また、図5の防災処理において、発報信号を3回以上受信することも想定されるが、このような場合には、発報信号を受信する毎に上記のような処理を行ってもよい。
また、実施の形態においては、図5のSA3において第1光量未満の光量を第2光量として特定する場合について説明したが、これに限られない。例えば、第1光量未満、且つ、所定範囲の下限値以上の光量を、第2光量として特定してもよい。この場合、火災の発生を確実に報知すると共に、第1光量よりも目立ちにくくすることができる。また、所定範囲の下限値未満の光量を、第2光量として特定してもよい。この場合、第2光量の光を、第1光量の光よりも確実に目立ちにくくすることができ、建築物100全体において火災発生による混乱が引き起こされるのを防止することができる。また、例えば、第1光量以上の光量を第2光量として特定してもよい。この場合、「出火場所に対応する階以外の階」に対して、建築物100において火災の発生を特に強調して報知することができる。
また、実施の形態の図5のSA4において、図1の光警報システム1に含まれている不図示の鳴動装置の制御と関連付けて制御を行うようにしてもよい。例えば、図5のSA1において発報信号を受信した場合、SA4において不図示の鳴動装置としての非常ベルがベル音を出力するように制御するものとして、ベル音を出力するタイミングと同じタイミングで光を出力してもよい。この場合、聴覚障害者等においても、光警報装置20から出力された光を視認することにより、非常ベルのベル音により火災の発生を認識する健常者等と同様なタイミングで、火災の発生を認識することができ、迅速に避難することが可能となる。また、例えば、ベル音を出力するタイミングよりも速いタイミングで光を出力してもよい。この場合、突然出力されるベル音によって混乱が引き起こされるのを防止することが可能になる。また、例えば、ベル音を出力するタイミングよりも遅いタイミングで光を出力してもよい。この場合、突然出力される光によって混乱が引き起こされるのを防止することが可能になる。
また、実施の形態においては、光警報装置20として「電流制御タイプの光警報装置」を用いる場合について説明したが、これに限られない。例えば、光警報装置20として「発光部突出タイプの光警報装置」を用いるものとしてもよい。ここで、「発光部突出タイプの光警報装置」とは、発光ダイオードの如き光源と、当該光源から出力される光の一部を遮光する遮光部材と、を備えている光警報装置であって、当該光源と遮光部材との相対位置を調整して遮光部材によって遮光される光の量を制御することにより、出力する光量を制御することが可能となっている光警報装置である。
また、実施の形態においては、図5のSA4において「出力制御信号」を送信して光警報装置20から光を出力する場合について説明したが、これに限られない。例えば、受信機30が、SA3において特定した光量に対応する駆動電流の値を特定し、当該特定した駆動電流の値と制御対象である光警報装置のIDとを含む出力電流制御信号を生成し、当該生成した出力電流制御信号を光警報装置20に送信してもよい。この場合、出力電流制御信号を受信した光警報装置20は、受信機30から送信された出力電流制御信号に含まれているIDを取得して、当該取得したIDが自己の記憶部44に記憶されているIDと一致しているか否かを判定し、一致しているものと判定された出力電流制御信号が特定する駆動電流の値を取得し、当該取得した値の駆動電流が発光部42に供給されるように発光駆動部43を制御するものとする。なお、図5のSA7についても、この変形例と同様にして処理してもよい。
また、実施の形態においては、光警報システム1がいわゆるR型システムとして構成されている場合について説明したが、これに限られない。例えば、感知器11〜16と受信機30とが相互に異なる感知器回線により接続されており、光警報装置21〜26と受信機30とが相互に異なる警報器回線により接続されているものとして、光警報システム1がいわゆるP型システムとして構成されているものとしてもよい。そして、P型システムとして構成した場合の光量制御については、受信機30が、各警報器回線を介して光警報装置21〜26に対して発光するべき光量に応じた値の駆動電流を個別に供給することにより行ってもよい。
また、実施の形態においては、光量として光度(単位が「カンデラ」)を用いる場合について説明したが、これに限られない。例えば、光量として光束(単位が「ルーメンス」)を用いてもよいし、照度(単位が「ルクス」)を用いてもよい。
付記1の光警報システムは、第1光警報装置と、前記第1光警報装置とは異なる第2光警報装置と、を備える光警報システムであって、前記第1光警報装置の光量である第1光量と前記第2光警報装置の光量である第2光量とが互いに異なる光量になるように、前記第1光警報装置又は前記第2光警報装置を制御する制御手段、を備える。
付記1に記載の光警報システムによれば、第1光警報装置の光量である第1光量と第2光警報装置の光量である第2光量とが互いに異なる光量になるように、第1光警報装置又は第2光警報装置を制御するので、例えば、避難の緊急度を互いに区別して警報することができ、建築物内の人が一斉に緊急避難行動(例えば、走って非常階段又は非常口に移動する等)をとるのを防止することにより、非常階段又は非常口等での混雑を防止し、円滑に避難させることが可能になる。
10 感知器
11 感知器
12 感知器
13 感知器
14 感知器
15 感知器
16 感知器
20 光警報装置
21 光警報装置
22 光警報装置
23 光警報装置
24 光警報装置
25 光警報装置
26 光警報装置
30 受信機
31 入力部
32 出力部
33 通信部
34 記憶部
35 制御部
41 通信部
42 発光部
43 発光駆動部
44 記憶部
45 制御部
100 建築物
341 光量増加条件特定情報
342 機器特定情報
351 発光制御部
L 通信線
Claims (4)
- 第1光警報装置と、前記第1光警報装置とは異なる第2光警報装置と、を備える光警報システムであって、
前記第1光警報装置の光量である第1光量と前記第2光警報装置の光量である第2光量とが互いに異なる光量になるように、前記第1光警報装置又は前記第2光警報装置を制御する制御手段、
を備える光警報システム。 - 前記第1光警報装置は、監視領域における第1領域に設けられており、
前記第2光警報装置は、前記監視領域における第2領域であって前記第1領域とは異なる前記第2領域に設けられており、
前記監視領域内における異常を検出する異常検出手段、を備え、
前記制御手段は、前記異常検出手段が前記第1領域内における異常を検出した場合に、前記第1光量が所定の光量以上となり、且つ、前記第2光量が前記第1光量未満となるように、前記第1光警報装置及び前記第2光警報装置を制御する、
請求項1に記載の光警報システム。 - 前記制御手段は、前記異常検出手段が前記第2領域内における異常を検出した場合に、前記第2光量が前記所定の光量以上となるように、前記第2光警報装置を制御する、
請求項2に記載の光警報システム。 - 前記制御手段は、前記異常検出手段が前記第1領域内における異常を検出してから所定時間が経過した場合に、前記第2光量が増加するように前記第2光警報装置を制御する、
請求項2又は3に記載の光警報システム。
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